JP3864414B2 - 個人照合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人の顔・指紋・虹彩等のバイオメトリクスデータを用いて訪問者の照合を行う個人照合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の家庭用インターホンにおいては、訪問者が呼出ボタンを押すことにより宅内でチャイムが鳴動して来訪が報知され、これを受けて家人がマイクとスピーカを通じて訪問者と応対するようになっている。この場合、例えば下記の特許文献1に示されているような、訪問者をカメラで撮影してその画像をモニタに表示する機能の付いたインターホン装置では、訪問者が誰であるのかがすぐにわかるが、このようなモニタを備えていない装置では、訪問者が誰かをすぐに認識することはできない。また、たとえモニタを備えたインターホン装置であっても、目の不自由な者にとっては、モニタで訪問者を確認することは困難であり、声を聞くまでは訪問者が誰であるのかがわからず、不安を感じることが多い。
【0003】
そこで、呼出ボタンが押されたときに訪問者をカメラで撮影し、撮影した画像があらかじめ登録されている画像と一致するかどうかを照合し、一致する場合は、その画像に対応して記録されている呼び出し音を発生するようにしたインターホン装置が下記の特許文献2で提案されている。この技術を用いると、例えば「ポローンポローン」「ピコピコピコ」「ポロポロポロ」「ピロリピロリ」といった呼び出し音によって訪問者を識別することが可能となるので、モニタが備わっていない場合や、目の不自由な者が応対する場合であっても、訪問者が誰であるかを知ることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−231367号公報
【特許文献2】
特開2000−295603号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2の装置にあっては、呼び出し音により訪問者を区別するようにしているので、登録者の数が少なければ、呼び出しの種類も少なくて訪問者の識別は比較的容易に行えるが、登録者の数が多くなると、呼び出し音の種類が増大して、音の違いにより訪問者を識別するのが困難となる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであって、その目的とするところは、訪問者が誰であるかを容易に識別することができる個人照合装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る個人照合装置は、訪問者の特定部位の画像情報を取得する画像情報取得手段と、個人の特定部位の画像情報と当該個人の声情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている声情報を再生して出力する声出力手段と、画像情報取得手段が取得した画像情報と記憶手段に記憶されている画像情報とを照合して、一致する画像情報があるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定の結果、一致する画像情報があると判定された場合に、当該画像情報に対応して記憶手段に記憶されている声情報を再生して声出力手段から出力させる制御手段とを備える。
【0008】
本発明では、個人の声情報が画像情報と関連付けて記憶されており、画像情報の照合の結果、訪問者が予め登録されている者と一致したときは、その者の声を再生して出力するようにしている。このため、応対者は予め登録されている者の再生された声を聞くことで、その者が誰であるかを即座に識別することができる。また、従来のような機械的な呼び出し音とは異なり、本人の肉声を聞くことになるので、登録者の数が多くなっても、声によって訪問者を明確に区別することが可能となる。こうして、本発明の技術を用いると、モニタが備わっていない装置であっても訪問者を容易に知ることができ、また、モニタが備わっている装置においても、目の不自由な者が応対する場合に、訪問者が誰であるかを容易に知ることができる。また、応対者は、インターホンで応答する前に、予め登録されている者の再生された声を聞いて、訪問者が誰であるかを推測してからインターホンで応対することができるため、応対時に実際の訪問者が発する声が、推測した訪問者の声と異なっておれば、なりすましなどの不正があることを容易に察知することができる。このため、特に目の不自由な者に対して安全を確保することができる。
【0009】
本発明において、画像情報取得手段が取得する画像情報は、典型的には顔画像情報である。顔画像情報は、例えばカメラにより撮像された顔の画像データそのものであってもよいし、顔の画像から抽出される特徴量のデータであってもよい。顔照合においては通常、処理の高速化のために特徴量データが用いられる。本発明では、この顔画像情報を、個人照合のためのバイオメトリクスデータ(Biometrics Data)として用いる。バイオメトリクスデータとは、個人の生体的特徴から得られるデータのことをいい、顔や指紋・虹彩等のデータがこれに該当する。したがって、画像情報取得手段が取得する画像情報としては、顔だけに限らず、指紋や虹彩等の情報であってもよい。
【0010】
また、本発明では、訪問者の声情報を取得する声情報取得手段を設け、判定手段により一致画像がないと判定された場合に、声情報取得手段が取得した訪問者の声情報を、画像情報取得手段が取得した画像情報と関連付けて記憶させるようにしている。これによると、新規訪問者に対して顔等の画像情報とともに声情報を登録することができ、当該訪問者が次回以降に来訪した際には、その者の声が再生して出力されるので、識別が容易に行える。
【0011】
また、本発明では、判定手段により一致画像がないと判定された場合に、訪問者の声情報を記憶するか否かを選択する選択手段を設けている。これによると、訪問者の中で登録する必要がある者のみを選んで声情報を登録できるので、声情報の種類を制限して識別を一層容易に行うことができるとともに、声情報を記憶するメモリの容量も節約することができる。
【0012】
この場合、訪問者の声情報を取得した後に、選択手段によって声情報を記憶させるか否かの選択を行うようにすれば、応対者は訪問者の名前や用件等を確認した上で、声情報の登録要否を判断することができるので、必要な声情報を確実に登録できるとともに、不必要な声情報の登録を回避することができる。
【0013】
また、本発明では、判定手段により一致画像がないと判定された場合に、初めての訪問者である旨の報知を行う報知手段を設けている。これによると、その訪問者が今まで来訪したことのない人物であることを容易に知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。1は、家の玄関に設置され訪問者の顔を撮像する撮像装置としてのカメラであって、たとえばCCD(電荷結合素子)のような撮像素子を備えた電子カメラから構成される。15はCPUで構成される制御部であって、2〜6はCPUによって実現される機能のブロックを表している。2は画像取得部であって、カメラ1で撮像された画像を取り込んで画像データを取得する。3は顔検出部であって、画像取得部2でカメラ1より取得した撮像画像から訪問者の顔を検出する。この顔の検出には、たとえば肌色検出による方法、背景画像との差分を抽出する方法、パターンマッチングから顔らしさを抽出する方法など、公知の方法が用いられる。4は特徴量抽出部であって、顔検出部3で得られた顔画像から顔の特徴量、すなわち目、鼻、口、耳などの各部位の形状や位置に関する特徴量を抽出する。特徴量の抽出は、たとえば各部位の濃淡画像からテンプレートマッチングにより特徴量を抽出する公知の方法を用いて行われる。以上のカメラ1、画像取得部2、顔検出部3および特徴量抽出部4は、本発明における画像情報取得手段を構成する。
【0015】
5は顔照合部であって、特徴量抽出部4で抽出された訪問者の顔の特徴量と、記憶部7に記憶されている登録者の顔の特徴量とを照合して、それぞれの特徴量から類似度を算出する。6は判定部であって、顔照合部5での照合の結果得られた類似度をあらかじめ定められた閾値と比較することにより、一致する画像があるか否かを判定する。これらの顔照合部5および判定部6は、本発明における判定手段を構成する。7はROMやRAMなどのメモリから構成される記憶部であって、本発明における記憶手段を構成する。
【0016】
8は、家の玄関に設けられた外部インターホンであって、訪問者の声を入力する玄関マイク9、訪問者に対して音声を出力する玄関スピーカ10、訪問者が操作する呼出ボタン11を備えている。この外部インターホン8は、カメラ1とともに、ユニット22に一体に組み込まれている。12は家の内部に設けられた内部インターホンであって、応対者の声を入力する室内マイク13と、訪問者の声を出力する室内スピーカ14とを備えている。内部インターホン12には、カメラ1が撮像した訪問者の画像を表示するモニタを設けてもよい。16は音声の入出力制御を行なう音声コントローラであって、CPUやメモリを備えている。この音声コントローラ16は、制御部15に組み込まれていてもよい。制御部15および音声コントローラ16は、本発明における制御手段を構成する。また、玄関マイク9および音声コントローラ16は、本発明における声情報取得手段を構成し、室内スピーカ14および音声コントローラ16は、本発明における声出力手段と報知手段を構成する。
【0017】
図2は、家の玄関におけるカメラ1と外部インターホン8の設置例を示した図である。20は玄関のドア、21はドア20を開放するためのノブであり、ドア20の近傍にカメラ1と外部インターホン8とが設けられている。9、10、11は、それぞれ図1に示したマイク、スピーカ、呼出ボタンである。前述したように、カメラ1と外部インターホン8は、ユニット22に一体に組み込まれている。カメラ1は訪問者の背丈に合わせた位置に取り付けられており、外部インターホン8は、それよりやや低い位置に設けられている。
【0018】
図3は、記憶部7のメモリの所定領域に設けられた顔情報ファイルと声情報ファイルの記憶内容を示した図である。顔情報ファイルには、(a)のように顔画像データが個人別に記憶されており、声情報ファイルには、(b)のように声データが個人別に記憶されている。顔画像データは、カメラで撮像した個人の顔画像から抽出された特徴量のデータであり、声データは、マイクを通して取得した個人の声の音声信号をA/D変換することにより得られたデジタルデータである。そして、これらの顔画像データおよび声データは、互いに関連付けて記憶されている。
【0019】
すなわち、(a)における番号0001の顔画像データは、(b)における同じ番号0001の声データと対応しており、(a)の0001の顔画像データがAさんの顔画像データであれば、(b)の0001の声データもAさんの声データである。同様に、(a)における番号0002の顔画像データは、(b)における同じ番号0002の声データと対応しており、(a)の0002の顔画像データがBさんの顔画像データであれば、(b)の0002の声データもBさんの声データである。なお、顔画像データと声データとは、記憶部7にあらかじめ固定的に記憶しておいてもよいし、後述するように、新規の訪問者があるたびに記憶部7に追加して記憶するようにしてもよい。
【0020】
次に、上記のような第1実施形態に係る個人照合装置の動作手順について説明する。図4はこの手順を示したフローチャートである。ここでの一連の処理は、制御手段を構成する制御部15および音声コントローラ16によって実行される。以下のフローチャートにおいても同様である。
【0021】
まず、訪問者によって外部インターホン8の呼出ボタン11が押されると(ステップS1)、音声コントローラ16を介して内部インターホン12の室内スピーカ14から呼び出しのチャイム音が鳴動するとともに、カメラ1による撮影回数が所定回数を超過してなければ(ステップS2:YES)、カメラ1が撮像動作を開始する(ステップS3)。カメラ1が撮像した訪問者の画像は、画像取得部2に取り込まれた後、顔検出部3へ送られる。そして、訪問者の顔が顔検出部3で検出されたか否かを監視し(ステップS4)、顔が検出されなければ(ステップS4:NO)、ステップS2へ戻って撮影回数が所定回数を超過していないかどうかを判定する。ステップS4で顔が検出できない場合は、ステップS2〜S4を反復し、ステップS2で撮影回数が所定回数を超過すると(ステップS2:NO)、顔検出は不可能と判断して処理を終了する。ステップS4で顔が検出されると(ステップS4:YES)、次に特徴量抽出部4で顔画像から顔の特徴量が抽出される(ステップS5)。続いて、顔照合部5により、特徴量抽出部4で抽出された特徴量と、記憶部7の顔情報ファイル(図3(a)参照)に記憶されている特徴量との照合を行う(ステップS6)。そして、この照合の結果得られた類似度に基づき、判定部6において、一致する顔があるか否かを判定する(ステップS7)。
【0022】
判定の結果、一致する顔がない場合は(ステップS7:NO)、ステップS8、S9を実行することなく終了する。一方、一致する顔がある場合は(ステップS7:YES)、その顔に対応する声情報を記憶部7の声情報ファイル(図3(b)参照)から読み出す(ステップS8)。例えば、カメラ1の撮像画像から抽出された顔の特徴量が、顔情報ファイルにおける0004番の顔画像データ(特徴量)に一致したとすると、声情報ファイルを参照して、同じ0004番の声データを読み出す。記憶部7から読み出された声情報は、音声コントローラ16において再生され、内部インターホン12の室内スピーカ14から音声として出力される(ステップS9)。
【0023】
この結果、室内スピーカ14からは、例えば「こんにちは。山田一郎です。」といった声が発せられる。この声は、山田一郎本人からあらかじめ取得した肉声であるため、応対者はこの声を聞くことによって、訪問者が誰であるかを即座に知ることができる。また、機械的な呼び出し音ではなく、本人の声が出力されるので、登録された声の数が多くなっても、訪問者を明確に識別することができる。したがって、モニタを備えないインターホン装置においても訪問者を容易に知ることができ、また、モニタを備えたインターホン装置であっても、目の不自由な者が応対する場合に、訪問者が誰であるかを容易に知ることができる。さらに、応対者は、インターホンで応答する前に、予め登録されている者の再生された声を聞いて、訪問者が誰であるかを推測してからインターホンで応対することができるため、応対時に実際の訪問者が発する声が、推測した訪問者の声と異なっておれば、なりすましなどの不正があることを容易に察知することができる。このため、特に目の不自由な者に対して安全を確保することができる。
【0024】
図5は、本発明の第2実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。ステップS1〜ステップS9までの手順は、図4で説明した手順と同じであるので、説明は省略する。本実施形態では、ステップS7において一致する顔がないと判定された場合に(ステップS7:NO)、初めての訪問者である旨の報知を室内スピーカ14から行うようにしている(ステップS10)。例えば、「初めてのお客様です。」といった音声が室内スピーカ14から出力される。この音声データは、音声コントローラ16のメモリに予め格納されている。なお、この場合の音声は人工的な合成音であっても構わない。また、ここでは、初めての訪問者である旨の報知を音声で行っているが、音声に代えて、または音声に加えて、ランプの点灯や点滅等の表示によって報知を行うようにしてもよい。この第2実施形態によると、訪問者が今まで来訪したことのない人物であることを容易に知ることができる。
【0025】
図6は、本発明の第3実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。図6において、図1と同一部分には同一符号を付してある。本実施形態では、初めての訪問者の場合に、玄関マイク9から取得した訪問者の声情報を、音声コントローラ16によって記憶部7に登録するようになっている。その他の構成については図1と同じであるので、説明は省略する。
【0026】
図7は、上記第3実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。ステップS1〜ステップS9までの手順は、図4で説明した手順と同じであるので、説明は省略する。本実施形態では、ステップS7において一致する顔がないと判定された場合に(ステップS7:NO)、まず、第2実施形態と同様に「初めてのお客様です。」といった音声を室内スピーカ14から出力して、初めての訪問者である旨の報知を行なう(ステップS11)。その後、応対者が室内マイク13を通して「どちらさまですか。」という応対をすると、この音声は外部インターホン8の玄関スピーカ10から出力されて訪問者へ伝わり、訪問者は、玄関マイク9を通して、例えば「鈴木太郎です。」という応答をする。この音声は、内部インターホン12の室内スピーカ14から出力されて応対者へ伝わるとともに、玄関マイク9により訪問者の声情報が取得される(ステップS12)。
【0027】
ここで取得する声情報は、訪問者が最初に応答したときの音声である。最初の応答時には、訪問者は上記のように少なくとも自分の名前を名乗るのが普通であるから、これを声情報として取得すれば十分である。また、名前に続けて用件を伝える場合も多いが、用件まで含めて声情報として取得してもよい。あるいは、訪問者の最初の応答時からタイマーをスタートさせて、一定時間(例えば5秒)以内の声のみを取得するようにしてもよい。以下の実施形態においても同様である。
【0028】
こうして取得した声情報(音声信号)を音声コントローラ16においてA/D変換した後、カメラ1で撮像した画像から得られる顔画像情報と関連付けて記憶部7へ記憶する(ステップS13)。例えば、カメラ1で撮像した鈴木太郎の顔画像データを、図3(a)の顔情報ファイルへ0005番として格納し、玄関マイク9で取得した鈴木太郎の声データを図3(b)の声情報ファイルへ0005番として格納する。このように、初めての訪問者の顔画像データと声データとが登録される結果、次回に鈴木太郎が訪問した際には、ステップS7での判定がYESとなり、室内スピーカ14からは登録されている「鈴木太郎です。」という声が出力されることになる。
【0029】
上述した第3実施形態によると、新規の訪問者に対して顔画像情報とともに声情報を登録することで、当該訪問者が次回以降に来訪した際には、その者の声が再生して出力されるので、識別が容易に行える。
【0030】
図8は、本発明の第4実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。図8において、図6と同一部分には同一符号を付してある。本実施形態では、初めての訪問者の場合に、声情報を記憶部7に登録するかしないかを選択できるように、内部インターホン12に登録ボタン17を設けてある。この登録ボタン17は、本発明における選択手段を構成する。それ以外の構成については図6と同じであるので、説明は省略する。
【0031】
図9は、上記第4実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。ステップS1〜ステップS9までの手順は、図4で説明した手順と同じであるので、説明は省略する。本実施形態では、ステップS7において一致する顔がないと判定された場合に(ステップS7:NO)、まず、第2実施形態と同様に「初めてのお客様です。」といった音声を室内スピーカ14から出力して、初めての訪問者である旨の報知を行なう(ステップS21)。応対者は、訪問者の声情報を登録しようとする場合は、登録ボタン17を押してから(ステップS22:YES)、室内マイク13を通して「どちらさまですか。」という応対をする。この音声は外部インターホン8の玄関スピーカ10から出力されて訪問者へ伝わり、訪問者は、玄関マイク9を通して、例えば「田中花子です。」という応答をする。この音声は、内部インターホン12の室内スピーカ14から出力されて応対者へ伝わるとともに、玄関マイク9により訪問者の声情報が取得される(ステップS23)。この声情報(音声信号)を、第3実施形態と同様に、音声コントローラ16においてA/D変換した後、カメラ1で撮像した画像から得られる顔画像情報と関連付けて記憶部7へ記憶する(ステップS24)。
【0032】
一方、訪問者の声情報を登録しない場合は、応対者は登録ボタン17を押さずに、室内マイク13を通して応対をする。登録ボタン17が押されない状態で、室内マイク13に音声が入力されると、音声コントローラ16は、声情報を登録しないと判定し(ステップS22:NO)、ステップS23、S24を実行せずに終了する。
【0033】
上述した第4実施形態によると、登録ボタン17の操作により、訪問者の中で登録する必要がある者のみを選んで声情報を登録できるので、声情報の種類を制限して識別を一層容易に行うことができるとともに、声情報を記憶する記憶部7のメモリ容量も節約することができる。
【0034】
図10は、本発明の第5実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。第5実施形態のブロック図は図8と同じである。図10において、ステップS1〜ステップS9までの手順は、図4で説明した手順と同じであるので、説明は省略する。本実施形態は、図9におけるステップS22とステップS23の順序を逆にしたものである。
【0035】
ステップS7において一致する顔がないと判定された場合に(ステップS7:NO)、まず、前記と同様に「初めてのお客様です。」といった音声を室内スピーカ14から出力して、初めての訪問者である旨の報知を行なう(ステップS31)。応対者が室内マイク13を通して「どちらさまですか。」という応対をすると、この音声は外部インターホン8の玄関スピーカ10から出力されて訪問者へ伝わり、訪問者は、玄関マイク9を通して、例えば「中村二郎です。」という応答をする。この音声は、内部インターホン12の室内スピーカ14から出力されて応対者へ伝わるとともに、玄関マイク9により訪問者の声情報が取得される(ステップS32)。取得した声情報は、いったん音声コントローラ16のメモリに格納される。その後、応対者と訪問者との間で通話が行われ、通話が終了した後に、応対者は訪問者の声情報を登録する必要があるかないかを判断する。
【0036】
声情報を登録する場合は、通話終了後一定時間内に登録ボタン17を押す。登録ボタン17が押されると(ステップS33:YES)、音声コントローラ16のメモリに格納されている声情報(音声信号)は、A/D変換されて記憶部7へ転送され、カメラ1で撮像した画像から得られる顔画像情報と関連付けて記憶される(ステップS34)。一方、訪問者の声情報を登録しない場合は、応対者は登録ボタン17を押さずに放置しておく。通話終了後に登録ボタン17が押されないまま一定時間が経過すると、音声コントローラ16は、声情報を登録しないと判定し(ステップS33:NO)、ステップS34を実行せずに終了する。この場合は、音声コントローラ16のメモリに格納されている声情報は破棄される。
【0037】
なお、上記の例では、玄関マイク9で取得した声情報を音声コントローラ16のメモリにいったん格納しているが、声情報を音声コントローラ16でA/D変換して記憶部7に格納し、登録ボタン17が押されない場合に、格納した声情報を消去するようにしてもよい。
【0038】
上述した第5実施形態によると、第4実施形態と同様、登録ボタン17の操作により、訪問者の中で登録する必要がある者のみを選んで声情報を登録できるので、声情報の種類を制限して識別を一層容易に行うことができるとともに、声情報を記憶する記憶部7のメモリ容量も節約することができる。また、第5実施形態の場合は、声情報を取得した後に、その声情報を登録するか否かを選択するので、応対者は訪問者の名前や用件等を確認した上で、登録の要否を判断することができる。このため、必要な声情報を確実に登録できるとともに、不必要な声情報の登録を回避することができ、これによって記憶部7のメモリを効率良く利用することが可能となる。
【0039】
以上述べた各実施形態においては、バイオメトリクスデータとして顔画像を用いた例を挙げたが、本発明では、指紋や虹彩などのバイオメトリクスデータを採用してもよい。例えば、指紋を用いる場合は、呼出ボタン11に光学的指紋検出器を設け、訪問者が指で呼出ボタン11を押したときに、指紋検出器が採取した指紋を画像処理して照合を行うようにすることもできる。
【0040】
さらに、本発明の個人照合装置は、上述したような家庭の玄関に設置されるものだけに限らず、入場が制限されている特定場所の入口に設置されるものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の呼び出し音に代えて本人の声を出力するようにしたので、応対者は声によって訪問者が誰であるかを即座に知ることができるとともに、登録された声の数が多くなっても、訪問者を明確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。
【図2】カメラと外部インターホンの設置例を示した図である。
【図3】記憶部における顔情報ファイルと声情報ファイルの記憶内容を示した図である。
【図4】第1実施形態に係る個人照合装置の動作手順を示したフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。
【図7】第3実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。
【図8】第4実施形態に係る個人照合装置のブロック図である。
【図9】第4実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。
【図10】第5実施形態に係る動作手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ
2 画像取得部
3 顔検出部
4 特徴量抽出部
5 顔照合部
6 判定部
7 記憶部
8 外部インターホン
9 玄関マイク
10 玄関スピーカ
11 呼出ボタン
12 内部インターホン
13 室内マイク
14 室内スピーカ
15 制御部
16 音声コントローラ
17 登録ボタン

Claims (5)

  1. 訪問者の特定部位の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
    個人の特定部位の画像情報と当該個人の声情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている声情報を再生して出力する声出力手段と、
    前記画像情報取得手段が取得した画像情報と前記記憶手段に記憶されている画像情報とを照合して、一致する画像情報があるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果、一致する画像情報があると判定された場合に、当該画像情報に対応して前記記憶手段に記憶されている声情報を再生して前記声出力手段から出力させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする個人照合装置。
  2. 訪問者の特定部位の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
    訪問者の声情報を取得する声情報取得手段と、
    個人の特定部位の画像情報と当該個人の声情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている声情報を再生して出力する声出力手段と、
    前記画像情報取得手段が取得した画像情報と前記記憶手段に記憶されている画像情報とを照合して、一致する画像情報があるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果、一致する画像情報があると判定された場合に、当該画像情報に対応して前記記憶手段に記憶されている声情報を再生して前記声出力手段から出力させ、一致する画像情報がないと判定された場合に、前記声情報取得手段が取得した訪問者の声情報を、前記画像取得手段が取得した訪問者の特定部位の画像情報と関連付けて前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする個人照合装置。
  3. 請求項2に記載の個人照合装置において、
    前記判定手段による判定の結果、一致する画像情報がないと判定された場合に、訪問者の声情報を前記記憶手段に記憶させるか否かを選択する選択手段を設けたことを特徴とする個人照合装置。
  4. 請求項3に記載の個人照合装置において、
    前記訪問者の声情報を取得した後に、前記選択手段による選択を行うようにしたことを特徴とする個人照合装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の個人照合装置において、
    前記判定手段による判定の結果、一致する画像情報がないと判定された場合に、初めての訪問者である旨の報知を行う報知手段を設けたことを特徴とする個人照合装置。
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