JP3862000B2 - 車輌用自動操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌の操舵装置に係り、更に詳細には必要に応じて操舵輪を自動的に操舵する自動操舵装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開平5−777751号公報に記載されている如く、ステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられ、ステアリングホイールに対し相対的に操舵輪を転舵駆動する転舵駆動手段としての伝達比可変装置(転舵角可変機構)と、伝達比可変装置に対しステアリングホイールの側にて操舵系に設けられた操舵補助力発生手段としての動力操舵装置とを有し、車輌が走行中に横風を受けたような場合に伝達比可変装置によって操舵輪を転舵駆動することにより操舵輪を自動操舵すると共に、自動操舵時に伝達比可変装置により発生される反力トルクを動力操舵装置による操舵補助力により打ち消すよう構成された自動操舵装置が従来より知られている。
【0003】
上記公開公報に記載された自動操舵装置によれば、横風を受けた場合に於ける車輌の横方向の変位を操舵輪の自動操舵により低減して車輌の走行安定性を向上させることができると共に、自動操舵時に伝達比可変装置により発生される反力トルクを動力操舵装置による操舵補助力により打ち消すことができるので、運転者が自動操舵により発生されステアリングホイールに伝達されるトルクに起因して異和感を感じる虞れを低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記公開公報に記載された従来の自動操舵装置に於いては、動力操舵装置は伝達比可変装置とステアリングホイールとの間の操舵系に設けられているため、運転者の操舵負担を軽減する通常の補助操舵時に伝達比可変装置により発生される操舵補助力が伝達比可変装置を経て操舵輪に伝達されなければならず、伝達比可変装置に比較的大きい負荷がかかり、そのため伝達比可変装置は高強度のものでなければならず、伝達比可変装置として小型の歯車装置を使用することができず、また操舵系を小型化することができないという問題がある。
【0005】
また上記従来の自動操舵装置に於ける上述の問題を解消すべく、動力操舵装置が操舵輪とステアリングホイールとの間の操舵系に設けられる場合には、運転者の操舵負担を軽減する通常の補助操舵は効率的に行われるが、自動操舵時には自動操舵による反力トルクを打ち消すための補助操舵力が伝達比可変装置を経てステアリングホイールに伝達されなければならないため、自動操舵による反力トルクがステアリングホイールに伝達されるタイミング及びこれを打ち消すための補助操舵力がステアリングホイールに伝達されるタイミングがずれ易く、そのため運転者が感じる異和感を効果的に低減することが困難である。
【0006】
本発明は、ステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられステアリングホイールに対し相対的に操舵輪を補助転舵する補助転舵手段と、操舵系に設けられ操舵輪の転舵を補助する補助転舵力を発生する補助転舵力発生手段とを有するセミステアバイワイヤ式の車輌用自動操舵装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、補助転舵力発生手段を補助転舵手段と操舵輪との間の操舵系に配設すると共に、自動操舵による反力トルクがステアリングホイールに伝達されるタイミング及びこれを打ち消すための補助操舵力がステアリングホイールに伝達されるタイミングを一致させることにより、通常の補助操舵を効率的に行いつつ自動操舵時に運転者が感じる異和感を効果的に低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、ステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられ前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵する補助転舵手段と、前記操舵系に設けられ前記操舵輪の転舵を補助する補助転舵力を発生する補助転舵力発生手段と、前記補助転舵手段及び前記補助転舵力発生手段を制御する制御手段とを有するセミステアバイワイヤ式の車輌用自動操舵装置にして、前記補助転舵力発生手段は前記補助転舵手段と前記操舵輪との間の前記操舵系に設けられ、前記制御手段は運転者の操舵操作に依存せずに前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵するための前記補助転舵手段の目標補助転舵量を演算する目標補助転舵量演算手段と、前記補助転舵手段が前記目標補助転舵量に基づき前記操舵輪を補助転舵する際の前記補助転舵力の反力に起因して前記ステアリングホイールに作用する反力トルクを低減するための反力低減転舵力を前記目標補助転舵量に基づいて演算する反力低減転舵力演算手段と、前記目標補助転舵量に基づき前記補助転舵手段を制御する補助転舵制御手段と、前記反力低減転舵力に基づいて前記補助転舵力発生手段を制御する補助転舵力制御手段と、前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するタイミング制御手段とを有し、前記タイミング制御手段は前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングが遅く発生する力の発生タイミングに一致するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置(請求項1の構成)、又はステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられ前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵する補助転舵手段と、前記操舵系に設けられ前記操舵輪の転舵を補助する補助転舵力を発生する補助転舵力発生手段と、前記補助転舵手段及び前記補助転舵力発生手段を制御する制御手段とを有するセミステアバイワイヤ式の車輌用自動操舵装置にして、前記補助転舵力発生手段は前記補助転舵手段と前記操舵輪との間の前記操舵系に設けられ、前記制御手段は前記操舵系のトルクを検出する手段と、前記検出されたトルクに基づき運転者の操舵トルクを低減するための目標補助転舵力を演算する目標補助転舵力演算手段と、運転者の操舵操作に依存せずに前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵するための前記補助転舵手段の目標補助転舵量を演算する目標補助転舵量演算手段と、前記補助転舵手段が前記目標補助転舵量に基づき前記操舵輪を補助転舵する際の前記補助転舵力の反力に起因して前記ステアリングホイールに作用する反力トルクを低減するための反力低減転舵力を前記目標補助転舵量に基づいて演算する反力低減転舵力演算手段と、前記目標補助転舵量に基づき前記補助転舵手段を制御する補助転舵制御手段と、前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて前記補助転舵力発生手段を制御する補助転舵力制御手段と、前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するタイミング制御手段とを有し、前記タイミング制御手段は前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングが遅く発生する力の発生タイミングに一致するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置(請求項2の構成)によって達成される。
【0008】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、補助転舵力発生手段は補助転舵手段と操舵輪との間の操舵系に設けられるので、補助転舵力発生手段が補助転舵手段とステアリングホイールとの間の操舵系に設けられる場合に比して、運転者の操舵負担を軽減する通常の補助操舵を効率的に行うことができ、また補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングを遅く発生する力の発生タイミングに一致させることにより、補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、タイミング制御手段により補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段の制御タイミングが制御されるので、補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力を確実に互いに同期して発生させることができ、これにより自動操舵時に運転者が感じる異和感を効果的に低減することができる。
【0009】
また上記請求項2の構成によれば、補助転舵力発生手段は補助転舵手段と操舵輪との間の操舵系に設けられるので、上記請求項1の構成の場合と同様、補助転舵力発生手段が補助転舵手段とステアリングホイールとの間の操舵系に設けられる場合に比して、運転者の操舵負担を軽減する通常の補助操舵を効率的に行うことができ、また補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力にて補正された目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングを遅く発生する力の発生タイミングに一致させることにより、補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力にて補正された目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、タイミング制御手段により補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段の制御タイミングが制御されるので、補助転舵手段により操舵輪が補助転舵されることによる反力及び補助転舵力発生手段により反力低減転舵力にて補正された目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力を確実に互いに同期して発生させることができ、これにより自動操舵時に運転者が感じる異和感を効果的に低減することができる。
【0010】
また上記請求項1及び2の構成によれば、補助転舵力発生手段は補助転舵手段と操舵輪との間の操舵系に設けられており、補助転舵手段による目標補助転舵量に基づく操舵輪の転舵が補助転舵力発生手段によって補助されるので、補助転舵力発生手段が補助転舵手段とステアリングホイールとの間の操舵系に設けられる場合に比して補助転舵手段が操舵輪を補助転舵するに必要な転舵力は小さくてよく、これにより補助転舵手段が操舵輪を補助転舵する際に発生する反力も小さく、このことによっても自動操舵時に運転者が感じる異和感を効果的に低減することができる。
【0011】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、反力低減転舵力演算手段は前記反力に起因してステアリングホイールに作用する反力トルクを相殺するための反力低減転舵力を目標補助転舵量に基づいて演算するよう構成される(好ましい態様1)。
【0012】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、操舵系はステアリングホイールに連結された第一のステアリングシャフト及び第二のステアリングシャフトを含み、補助転舵手段は第一及び第二のステアリングシャフトの一方に連結されたハウジングと第一及び第二のステアリングシャフトの他方に連結されハウジングに対し相対回転する回転子とを有する補助転舵用電動機を含み、第一のステアリングシャフトに対し相対的に第二のステアリングシャフトを回転駆動するよう構成される(好ましい態様2)。
【0013】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、目標補助転舵量演算手段は第一のステアリングシャフトに対する第二のステアリングシャフトの目標相対回転角度として補助転舵手段の目標補助転舵量を演算するよう構成される(好ましい態様3)。
【0014】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、反力低減転舵力演算手段は第一のステアリングシャフトに対する第二のステアリングシャフトの目標相対回転角度に基づいて、操舵輪を補助転舵する際の反力トルクに起因してステアリングホイールに作用するトルクを相殺するための反力低減転舵トルクを演算するよう構成される(好ましい態様4)。
【0017】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、タイミング制御手段は補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段に対する制御指令の出力タイミングを制御することにより補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するよう構成される(好ましい態様5)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、目標補助転舵力演算手段は補助転舵力制御手段に設けられ、補助転舵力制御手段は目標補助転舵力と反力低減転舵力との和に基づいて補助転舵力発生手段を制御し、タイミング制御手段は目標補助転舵量に基づく補助転舵制御手段に対する制御指令の出力タイミング及び反力低減転舵力に基づく補助転舵力制御手段に対する制御指令の出力タイミングを制御することにより補助転舵制御手段及び補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するよう構成される(好ましい態様6)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、補助転舵力発生手段は電動式パワーステアリング装置であるよう構成される(好ましい態様7)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は転舵角可変装置及び電動式パワーステアリング装置を備えたセミステアバイワイヤ式の車輌に適用された本発明による車輌用自動操舵装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0022】
図1に於て、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型の電動式パワーステアリング装置16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して転舵される。
【0023】
図示の実施形態に於いては、電動式パワーステアリング装置16はラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であり、電動機22と、電動機22の回転トルクをラックバー18の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構24とを有し、ハウジング26に対し相対的にラックバー18を駆動する補助転舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減する補助転舵力発生手段として機能する。尚補助転舵力発生手段は後述の転舵角可変装置30より左右前輪側にて補助転舵力を発生し得る限り、当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
【0024】
ステアリングホイール14は第一のステアリングシャフトとしてのアッパステアリングシャフト28A、転舵角可変装置30、第二のステアリングシャフトとしてのロアステアリングシャフト28B、ジョイント32を介して電動式パワーステアリング装置16のピニオンシャフト34に駆動接続されている。図示の実施形態に於いては、転舵角可変装置30はハウジング36Aの側にてアッパステアリングシャフト28Aの下端に連結され、回転子36Bの側にてロアステアリングシャフト28Bの上端に連結された補助転舵駆動用の電動機36を含んでいる。
【0025】
かくして転舵角可変装置30は第一のステアリングシャフトに対し相対的に第二のステアリングシャフトを回転駆動することにより、操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRをステアリングホイール14に対し相対的に補助転舵駆動する補助転舵手段として機能する。
【0026】
特に転舵角可変装置30は、通常時にはハウジング36A及び回転子36Bの相対回転を阻止する保持電流が電動機36に通電されることにより、アッパステアリングシャフト22Aに対するロアステアリングシャフト22Bの相対回転角度(単に相対回転角度という)を0に維持するが、自動操舵時には電動機36によりアッパステアリングシャフト22Aに対し相対的にロアステアリングシャフト22Bを積極的に回転させ、これにより運転者の操舵操作に依存せずに左右の前輪10FL及び10FRを自動操舵する。
【0027】
図示の実施形態に於ては、アッパステアリングシャフト22Aには該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θsとして検出する操舵角センサ40及び操舵トルクTsを検出するトルクセンサ42が設けられており、ロアステアリングシャフト22Bには該ロアステアリングシャフトの回転角度を左右前輪の実操舵角θaとして検出する操舵角センサ44が設けられており、これらのセンサの出力は操舵制御装置46へ供給される。操舵制御装置46には車速センサ48により検出された車速Vを示す信号及びヨーレートセンサ50により検出された車輌のヨーレートγを示す信号も入力される。
【0028】
尚操舵角θaを示す信号及び車速Vを示す信号は操舵制御装置46より転舵角可変装置30を制御する転舵角可変制御装置52にも入力され、操舵トルクTsを示す信号及び車速Vを示す信号は操舵制御装置46より電動式パワーステアリング装置16を制御する電動パワーステアリング(電動PS)制御装置54にも入力される。また操舵角センサ44により検出される操舵角θaを示す信号は自動操舵完了後に左右の前輪10FL及び10FRの直進位置をステアリングホイール14の中立位置に合せるために使用される。
【0029】
後述の如く、操舵制御装置46は車輌の目標ヨーレートγtを演算すると共に、目標ヨーレートγtとヨーレートセンサ50により検出された車輌のヨーレートγとの偏差Δγを低減するための転舵角可変装置30の目標補助転舵量としてアッパステアリングシャフト22Aに対するロアステアリングシャフト22Bの目標相対回転角度θrを演算し、目標相対回転角度θrを示す指令信号を転舵角可変制御装置52へ出力する。
【0030】
また操舵制御装置46は転舵角可変装置30の作動による自動操舵によりステアリングホイール14へ伝達される反力トルクを相殺するための補正転舵トルクTeを目標相対回転角度θrに基づいて演算し、補正転舵トルクTeを示す指令信号を電動パワーステアリング制御装置54へ出力する。
【0031】
転舵角可変制御装置52は運転者による通常操舵時には転舵角可変装置30の相対回転角度を0に維持し、操舵制御装置46より目標相対回転角度θrを示す信号が入力されたときには、ロアステアリングシャフト22Bがアッパステアリングシャフト22Aに対し相対的に目標相対回転角度θr回転するよう目標相対回転角度θrに基づき転舵角可変装置30の電動機36を制御し、これにより左右の前輪10FL及び10FRを自動操舵し、車輌のヨーレート偏差Δγを低減して車輌の旋回時の走行安定性を向上させる。
【0032】
電動パワーステアリング制御装置54は操舵トルクTs及び車速Vに応じて運転者の操舵負荷を軽減するための補助転舵トルクTabを演算し、補助転舵トルクTabと操舵制御装置46より入力される補正転舵トルクTeとの和を目標補助転舵トルクTaとして演算し、目標補助転舵トルクTaに基づき電動式パワーステアリング装置16の電動機22を制御することにより、操舵アシストを行うと共に自動操舵時に於ける転舵角可変装置30の作動により発生する反力トルクを相殺する。
【0033】
特に図示の実施形態に於いては、操舵制御装置46は転舵角可変装置30の作動により発生される反力トルクとこれを相殺すべく電動式パワーステアリング装置16により発生される補正転舵トルクTeに対応するトルクとが互いに同期して発生し、これにより転舵角可変装置30の作動により発生される反力トルクが補正転舵トルクTeに対応するトルクによって確実に且つ適切に相殺されるよう、電動パワーステアリング制御装置54に対する指令信号の出力タイミングを制御する。
【0034】
尚図1には詳細に示されていないが、操舵制御装置46、転舵角可変制御装置52、電動パワーステアリング制御装置54はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。また操舵角センサ40及び44、トルクセンサ42、ヨーレートセンサ50はそれぞれ車輌の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θs及びθa、操舵トルクTs、ヨーレートγを検出する。
【0035】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於いて操舵制御装置46により達成される目標補助転舵量演算及びタイミング制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0036】
まずステップ10に於いては操舵角θsを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては操舵角θsに基づき前輪の実舵角δが演算され、Hを車輌のホイールベースとし、Khをスタビリティファクタとして下記の式1に従って車輌の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと検出ヨーレートγとの偏差Δγ(=γt−γ)が演算される。
γt=V・δ/(1+Kh・V2)H ……(1)
【0037】
ステップ30に於いてはヨーレート偏差Δγに基づき図3に示されたグラフに対応するマップより転舵角可変装置30の目標補助転舵量、即ちアッパステアリングシャフト22Aに対するロアステアリングシャフト22Bの目標相対回転角度θrが演算される。
【0038】
ステップ40に於いてはIを転舵角可変装置30の電動機36等の慣性モーメントとし、Cを転舵角可変装置30等の粘性係数とし、αを電動式パワーステアリング装置16の転舵角とし、θrd及びθrtdをそれぞれ目標相対回転角度θrの微分値及び二階微分値として、下記の式2に従って転舵角可変装置30による自動操舵により発生される反力トルクを相殺するためのフィードフォワード制御量である補正転舵トルクTeが演算される。
Te=Iθrtd+Cθrd−αTs……(2)
【0039】
ステップ50に於ては転舵角可変制御装置52へ目標相対回転角度θrを示す指令信号が送信され、ステップ60に於てはタイマのカウント値Tが1インクリメントされ、ステップ70に於てはタイマのカウント値Tが基準値Tc(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち補正転舵トルクTeを示す指令信号を電動パワーステアリング制御装置54へ出力すべきタイミングであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ60へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ80へ進み、補正転舵トルクTeを示す指令信号が電動パワーステアリング制御装置54へ送信される。
【0040】
図6に示されている如く、操舵制御装置46に於いて目標相対回転角度θrが演算される時点t1より目標相対回転角度θrを示す指令信号が送信される時点t3までの時間をTv1とし、時点t3より転舵角可変制御装置52が目標相対回転角度θrを示す指令信号を受信し転舵角可変装置30の電動機36が作動して自動操舵のトルクが発生する時点t7までの時間をTv2とする。また操舵制御装置46に於いて補正転舵トルクTeが演算される時点t2より補正転舵トルクTeを示す指令信号が送信される時点t4までの時間をTe1とし、時点t4より電動パワーステアリング制御装置54が補正転舵トルクTeを示す指令信号を受信し電動式パワーステアリング装置16の電動機22が作動して操舵アシストのトルクが発生する時点t8までの時間をTe2とする。
【0041】
上記ステップ70の判別に於ける基準値Tcは、時点t8が時点t7と同一の時点になり、転舵角可変装置30による自動操舵により発生される反力トルク及び電動式パワーステアリング装置16により発生される補正転舵トルクTeに対応するトルクが互いに同期して発生するよう、時点t3より時点t4までの時間ΔTに相当する値に設定される。
【0042】
尚図には示されていないが、転舵角可変制御装置52は操舵制御装置46より目標相対回転角度θrを示す指令信号を受信すると、電動機36を制御することによりロアステアリングシャフト22Bをアッパステアリングシャフト22Aに対し相対的に目標相対回転角度θr回転させ、これにより左右の前輪10FL及び10FRを自動操舵する。
【0043】
次に図4に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於いて電動パワーステアリング制御装置54により達成される補助転舵力制御ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0044】
まずステップ110に於いてはトルクセンサ42により検出された操舵トルクTsを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ120に於いては操舵トルクTs及び車速Vに基づき図5に示されたグラフに対応するマップより運転者の操舵負担を軽減するためのフィードバック制御量である補助転舵トルクTabが演算される。この場合図5より解る如く、補助転舵トルクTabの大きさは、操舵トルクTsの大きさが大きいほど大きくなり、同一の操舵トルクTsについて見て車速Vが高いほど小さくなるよう演算される。
【0045】
ステップ130に於いては操舵制御装置46より入力された補正転舵トルクTeを示す信号の読み込みが行われ、ステップ140に於いては電動式パワーステアリング装置16の目標補助転舵トルクTaが補助転舵トルクTabと補正転舵トルクTeとの和として演算され、ステップ150に於いては目標補助転舵トルクTaに基づき電動式パワーステアリング装置16の電動機22に対する目標駆動電流が演算され、該目標駆動電流に基づき電動機22が制御される。
【0046】
かくして図示の実施形態によれば、ステップ20及び30に於いて車輌のヨーレートγを目標ヨーレートγtにして車輌を安定的に旋回走行させるべく左右前輪を自動操舵するための目標制御量として転舵角可変装置30の目標補助転舵量、即ちアッパステアリングシャフト22Aに対するロアステアリングシャフト22Bの目標相対回転角度θrが演算され、ステップ40に於いて転舵角可変装置30による自動操舵により発生される反力トルクを相殺するための補正転舵トルクTeが演算される。
【0047】
またステップ50に於いて転舵角可変制御装置52へ目標相対回転角度θrを示す指令信号が出力され、転舵角可変装置30による自動操舵により発生される反力トルク及び電動式パワーステアリング装置16により発生される補正転舵トルクTeに対応するトルクが互いに同期して発生するよう、ステップ60〜80に於いて目標相対回転角度θrを示す指令信号が転舵角可変制御装置52へ送信されるタイミングを基準にして、目標補助転舵トルクTaを示す指令信号が電動パワーステアリング制御装置54へ送信されるタイミングが制御される。
【0048】
そしてステップ120に於いて運転者の操舵負担を軽減するための補助転舵トルクTabが演算され、ステップ130及び140に於いて電動式パワーステアリング装置16の目標補助転舵トルクTaが補助転舵トルクTabと補正転舵トルクTeとの和として演算され、ステップ150に於いて目標補助転舵トルクTaに基づき電動式パワーステアリング装置16が制御される。
【0049】
従って車輌のヨーレートγが目標ヨーレートγtになるよう自動操舵を実行することによって車輌を安定的に旋回走行させることができると共に、転舵角可変装置30の作動により発生される反力トルクを補正転舵トルクTeに対応するトルクによって確実に且つ適切に相殺することができ、これにより自動操舵の反力トルクがステアリングホイール14へ伝達されることに起因して運転者が違和感を感じることを確実に防止することができる。
【0050】
例えば運転者により操舵されることなく自動操舵が行われる場合の反力トルクが転舵角可変装置30の相対回転角度に対し図7に於いて二点鎖線にて示されている如く変化するとすると、補助転舵トルクTabによって操舵トルクが低減されることにより運転者が感じるトルクは図7に於いて破線にて示されている如く減少し、更に自動操舵による反力トルクが補正転舵トルクTeにより相殺されるので、運転者が感じるトルクは図7に於いて実線にて示されている如く大幅に減少し、自動操舵の方向が反転する際のトルクの変動も大幅に低減される。
【0051】
特に図示の実施形態によれば、補正転舵トルクTeを示す信号についてのみ出力のタイミングが制御され、補助転舵トルクTabを示す信号の出力は遅延されないので、補助転舵トルクTabに対応する補助転舵トルクの発生が遅れることに起因して運転者が不自然な操舵感を感じることを確実に防止することができる。
【0052】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0053】
例えば上述の実施形態に於いては、目標相対回転角度θrを示す指令信号が転舵角可変制御装置52へ出力され、目標補助転舵トルクTaを示す指令信号が電動パワーステアリング制御装置54へ出力されるようになっているが、転舵角可変制御装置52へ出力される指令信号は目標相対回転角度θrに対応する電動機36に対する目標駆動電流であってもよく、また電動パワーステアリング制御装置54へ出力される指令信号は目標補助転舵トルクTaに対応する電動機22に対する目標駆動電流であってもよい。
【0054】
また上述の実施形態に於いては、転舵角可変装置30による自動操舵により発生される反力トルクを相殺するための補正転舵トルクTeは上記式2に従って演算されるようになっているが、補正転舵トルクTeは当技術分野に於いて公知の任意の態様にて演算されてよく、特に転舵角可変制御装置52へ出力される指令信号が目標相対回転角度θrに対応する電動機36に対する目標駆動電流である場合には、補正転舵トルクTeは電動機36に対する目標駆動電流に基づいて演算されるよう修正されてよい。
【0055】
また上述の実施形態に於いては、操舵トルクTs及び車速Vに運転者の操舵負担を軽減するためのフィードバック制御量である補助転舵トルクTabが演算され、電動式パワーステアリング装置16の目標補助転舵トルクTaが補助転舵トルクTabと補正転舵トルクTeとの和として演算されるようになっているが、フィードバック制御量は省略されてもよい。
【0056】
また上述の実施形態に於いては、転舵角可変制御装置52は運転者による通常操舵時には転舵角可変装置30の相対回転角度を0に維持するようになっているが、転舵角可変装置30は自動操舵が行われない通常操舵時にはアッパステアリングシャフト22Aの回転角度に対するロアステアリングシャフト22Bの回転角度の比が例えば車速Vが高いほど小さくなるよう、車輌の走行状況に応じてギヤ比可変装置として使用されてもよい。
【0057】
また上述の実施形態に於いては、操舵輪の目標転舵量は車輌の実ヨーレートと車輌の目標ヨーレートとの偏差を低減するための目標転舵量であるが、例えば前述の特開平11−73597号公報に記載されている如く、車輌を走行車線に沿って走行させるための目標転舵量や、例えば特開平10−31799号公報に記載されている如く、レーザレーダ等により車輌前方の障害物が検出される場合には、車輌前方の障害物を回避するための目標転舵量であってよく、更にはこれら以外の任意の目標転舵量であってもよい。
【0058】
また上述の実施形態に於いては、転舵角可変装置30は転舵角可変制御装置52により制御され、電動式パワーステアリング装置16は電動パワーステアリング制御装置54により制御され、転舵角可変制御装置52及び電動パワーステアリング制御装置54は操舵制御装置46により制御されるようになっているが、これらの少なくとも二つの制御装置が一つの制御装置に統合されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】転舵角可変装置及び電動式パワーステアリング装置を備えたセミステアバイワイヤ式の車輌に適用された本発明による車輌用自動操舵装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に於ける操舵制御装置により達成される目標補助転舵量演算及びタイミング制御を示すフローチャートである。
【図3】ヨーレート偏差Δγと目標相対回転角度θrとの間の関係を示すグラフである。
【図4】実施形態に於ける電動パワーステアリング制御装置により達成される補助転舵力制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】車速V及び操舵トルクTsと目標転舵トルクTabとの間の関係を示すグラフである。
【図6】実施形態に於ける操舵制御装置、転舵角可変制御装置、電動パワーステアリング制御装置により達成される各制御のタイミングを示す説明図である。
【図7】運転者により操舵されることなく自動操舵が行われる場合の反力トルクが実施形態により低減されることを示す解図的グラフである。
【符号の説明】
10FR〜10RL…車輪
16…電動式パワーステアリング装置
28A…アッパステアリングシャフト
28B…ロアステアリングシャフト
30…転舵角可変装置
40、44…操舵角センサ
42…トルクセンサ
46…操舵制御装置
48…車速センサ
50…ヨーレートセンサ
52…転舵角可変制御装置
54…電動パワーステアリング(電動PS)制御装置
Claims (2)
- ステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられ前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵する補助転舵手段と、前記操舵系に設けられ前記操舵輪の転舵を補助する補助転舵力を発生する補助転舵力発生手段と、前記補助転舵手段及び前記補助転舵力発生手段を制御する制御手段とを有するセミステアバイワイヤ式の車輌用自動操舵装置にして、前記補助転舵力発生手段は前記補助転舵手段と前記操舵輪との間の前記操舵系に設けられ、前記制御手段は運転者の操舵操作に依存せずに前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵するための前記補助転舵手段の目標補助転舵量を演算する目標補助転舵量演算手段と、前記補助転舵手段が前記目標補助転舵量に基づき前記操舵輪を補助転舵する際の前記補助転舵力の反力に起因して前記ステアリングホイールに作用する反力トルクを低減するための反力低減転舵力を前記目標補助転舵量に基づいて演算する反力低減転舵力演算手段と、前記目標補助転舵量に基づき前記補助転舵手段を制御する補助転舵制御手段と、前記反力低減転舵力に基づいて前記補助転舵力発生手段を制御する補助転舵力制御手段と、前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するタイミング制御手段とを有し、前記タイミング制御手段は前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングが遅く発生する力の発生タイミングに一致するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置。
- ステアリングホイールと操舵輪との間の操舵系に設けられ前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵する補助転舵手段と、前記操舵系に設けられ前記操舵輪の転舵を補助する補助転舵力を発生する補助転舵力発生手段と、前記補助転舵手段及び前記補助転舵力発生手段を制御する制御手段とを有するセミステアバイワイヤ式の車輌用自動操舵装置にして、前記補助転舵力発生手段は前記補助転舵手段と前記操舵輪との間の前記操舵系に設けられ、前記制御手段は前記操舵系のトルクを検出する手段と、前記検出されたトルクに基づき運転者の操舵トルクを低減するための目標補助転舵力を演算する目標補助転舵力演算手段と、運転者の操舵操作に依存せずに前記ステアリングホイールに対し相対的に前記操舵輪を補助転舵するための前記補助転舵手段の目標補助転舵量を演算する目標補助転舵量演算手段と、前記補助転舵手段が前記目標補助転舵量に基づき前記操舵輪を補助転舵する際の前記補助転舵力の反力に起因して前記ステアリングホイールに作用する反力トルクを低減するための反力低減転舵力を前記目標補助転舵量に基づいて演算する反力低減転舵力演算手段と、前記目標補助転舵量に基づき前記補助転舵手段を制御する補助転舵制御手段と、前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて前記補助転舵力発生手段を制御する補助転舵力制御手段と、前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力が互いに同期して発生するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御するタイミング制御手段とを有し、前記タイミング制御手段は前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段が同時に制御された場合に前記補助転舵手段により前記操舵輪が補助転舵されることによる反力及び前記補助転舵力発生手段により前記反力低減転舵力にて補正された前記目標補助転舵力に基づいて発生される補助転舵力のうち早く発生する力の発生タイミングが遅く発生する力の発生タイミングに一致するよう、前記補助転舵制御手段及び前記補助転舵力制御手段の制御タイミングを制御することを特徴とする車輌用自動操舵装置。
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