JP3853618B2 - 燃料電池自動車の水素換気ダクト - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池自動車に係り、特に燃料電池自動車のフード下空間の水素を自然換気するための燃料電池自動車の水素換気ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のなかには燃料電池に水素と酸素(空気)とを供給して電気を発電し、この発電した電気でモータを駆動して走行する燃料電池自動車がある。この燃料電池自動車のなかには、車体前部のフード下方の空間(以下、「モータルーム」という)に駆動用のモータを配置するとともに、フロアプレート下方に燃料電池を配置し、この燃料電池からモータルームまで吸気ダクトを延設したものがある。
この吸気ダクトは、モータルームから空気を取入れて燃料電池まで導くことにより燃料電池の換気をおこなうものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この吸気ダクトを備えた燃料電池自動車によれば、燃料電池による発電を停止している間に、万が一何らかの原因によって燃料電池から水素がリークした場合には、リークした水素が吸気ダクトを通ってモータルーム内に流れることが考えられる。
モータルーム内に流れた水素の大部分は、例えばフロントフェンダとフードとの間の隙間などから大気中に流出するが、一部の水素はフードの下側に滞留することが懸念される。
【0004】
フードの下側に滞留した水素を大気中に排出する方法として、燃料電池自動車のフードに換気ダクトを設けることが考えられる。フードに換気ダクトを設けることにより、換気ダクトでフードの下側に滞留した水素を自然換気させることが可能になる。
しかし、フードに換気ダクトを設けることにより、例えば雨水や洗浄水が換気ダクトからモータルーム内に侵入して、侵入した雨水や洗浄水がモータルーム内に備えたモータ制御装置などの各種機器類にかかることが考えられる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、フードの下側に滞留した水素を自然換気させることができ、かつモータルーム内に雨水や洗浄水が侵入することを防ぐことができる燃料電池自動車の水素換気ダクトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、燃料電池自動車のフードに設けた水素換気ダクトであって、この水素換気ダクトは、前記フードのアウタパネルとインナフレームとの間に凹状の樋部を配置し、この樋部の上端開口部をアウタパネルの開口に臨ませるとともに樋部の底面をインナフレームに臨ませ、この底面に筒部を設けるとともに筒部の下端をインナフレームの開口に臨ませることにより、フード下空間と樋部内空間とを連通し、この筒部の上方に配置したカバー部を樋部の上端に設けるとともに、このカバー部で前記アウタパネルの開口を塞ぎ、このカバー部に樋部内空間に連通する排出口を設けるとともに、この排出口をアウタパネルの上方に配置し、カバー部の排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置し、この案内板の上端をカバー部に設けるとともに、案内板の下端を筒部の上端より下方まで延ばすことにより、前記フード下空間の水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を案内板の両端側から排出口まで導くことを特徴とする。
【0007】
フード下空間と樋部内空間とを筒部で連通し、樋部内空間に排出口を連通し、この排出口をアウタパネルの上方に配置した。このため、フードの下側に滞留した水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を排出口を介して大気中に排出することができる。
一方、排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置した。このため、排出口から樋部内空間に侵入した雨水や洗浄水を案内板で案内することにより筒部を避けて流すことができる。従って、雨水や洗浄水を筒部に侵入させることなく樋部に導くことができるので、モータルーム内に雨水や洗浄水が侵入することを防ぐことができる。
【0008】
請求項2において、案内板は筒部に向けて凸状に形成したことを特徴とする。案内板を筒部に向けて凸状に形成することで、筒部から樋部内空間に流入した水素を案内板で排気口に円滑に案内することができる。
【0009】
請求項3は、前記樋部に排水管を接続することにより、この排水管で樋部に溜まった水を外部に排出することを特徴とする。
樋部に排水管を接続することで、樋部に溜まった水を排水管を通して外部に排出させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る水素換気ダクトを備えた燃料電池自動車の斜視図である。燃料電池自動車10は、左右のフロントフェンダ11,12の上部後端からそれぞれ左右のフロントピラー13,14を延ばし、この左右のフロントピラー13,14間にフロントウインドガラス15を備え、左右のフロントフェンダ11,12の前端にフロントバンパ16を備え、これら左右のフロントフェンダ11,12、フロントウインドガラス15及びフロントバンパ16で形成した空間にフード17を備え、このフード17の後端17a近傍に水素換気ダクト20を備える。
【0011】
図2は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトを一部破断した状態で示す斜視図である。
水素換気ダクト20は、フード17の後端17a近傍に取付けた略矩形状のダクト本体21と、このダクト本体21からフード17の前端までフード17に沿って延びたドレーンチューブ(排水管)60とからなり、ダクト本体21の左右端に設けた左右のブラケット30,31をインナフレームにボルト止めすることによりフード17に取付けた部材である。
【0012】
ダクト本体21は、フード17に取付ける樋部22を前後左右の壁面23,24,25,26と底面27とで矩形凹状に形成し、この樋部22の底面27に一定間隔をおいて、一例として4個の筒部35・・・を設け、4個の筒部35・・・と樋部22の後壁面24との間でかつ筒部35・・・に対向する位置にそれぞれ案内板38・・・を配置し、これらの案内板38・・・をカバー部40の裏面に一体に形成し、このカバー部40を樋部22の上端28に一体に形成し、樋部22の底面27中央に凹み45を形成した部材である。なお、筒部35の個数は任意に設定することができる。
【0013】
カバー部40は、後端に排出口41を備え、この排出口41を樋部22に連通させた部材である。なお、この図では、水素換気ダクト20の理解を容易にするためにカバー部40を上下のカバー部40a,40bに分割した状態で示すが、上下のカバー部40a,40bは一体に形成したものである。
【0014】
案内板38・・・は、筒部35・・・に向けて凸状になるように、かつ排出口41に向けて凹状になるように湾曲形成した部材である。このため、案内板38・・・は、筒部35に臨む面38cが凸面となり、排出口41に臨む面38dが凹状になる。
なお、案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状に形成した理由は図6で後述し、案内板38・・・を排出口41に向けて凹状になるように形成した理由は図7で後述する。
【0015】
ドレーンチューブ60は、樋部22の前壁面23に接続することにより凹み45に連通し、凹み45に溜まった雨水や洗浄水をフード17の前端17b近傍(図1に示す)まで導き、フード17の前端17b近傍から流出させる部材である。
このドレーンチューブ60に筒状の弾性部材63・・・(図1も参照)を嵌め込み、筒状の弾性部材63・・・をフード17内に配置することでアウタパネル18及びインナフレーム19で挟持する。これにより、ドレーンチューブ60をフード17内で安定的に支えることができる。
【0016】
図3は図1の3−3線断面図であり、フード17のアウタパネル18に樋部22を嵌め込むための略矩形状の開口18aを形成し、インナフレーム19に各々の筒部35・・・の下端35a・・・を差込むための円形の開口19a・・・を紙面に直交する方向に4個形成し、インナフレーム19の下側にフードインシュレータ51を配置し、フードインシュレータ51にフードシールラバー52を取付け、このフードシールラバー52をインナフレーム19の裏面に圧接した状態を示す。
【0017】
ここで、ダクト本体21について詳説する。
ダクト本体21は、フード17のアウタパネル18とインナフレーム19との間に凹状の樋部22を配置し、この樋部22の上端28の開口をアウタパネル18の開口18aに臨ませるとともに樋部22の底面27をインナフレーム19に臨ませ、この底面27に紙面方向に所定間隔をおいて筒部35・・・を設け、この筒部35・・・のそれぞれの下端35a・・・をインナフレーム19の開口19a・・・に差込むことにより筒部35・・・でフード下空間(モータルーム)54と樋部内空間55とを連通し、筒部35・・・の周囲にフードダクトシール56を配置し、このフードダクトシール56をインナフレーム19に当接することにより、インナフレーム19の開口19aを塞いだものである。
【0018】
さらに、ダクト本体21は、それぞれの筒部35・・・の上方に配置したカバー部40を樋部22の上端28に一体に形成するとともに、このカバー部40の周辺下面に環状溝42を形成し、この環状溝42にフードダクトトリム57を収納し、このフードダクトトリム57をアウタパネル18の表面に当接させることによりアウタパネル18の開口18aをカバー部40で塞いだものである。
【0019】
加えて、ダクト本体21は、カバー部40に樋部内空間55に連通する排出口41を設けるとともに、この排出口41をアウタパネル18の上方に配置し、カバー部40の排出口41と筒部35・・・との間の樋部内空間55に案内板38・・・をそれぞれ配置し、これらの案内板38・・・の上端38a・・・をカバー部40の裏面40aに一体に形成するとともに、案内板38・・・の下端38b・・・を筒部35・・・の上端35b・・・より下方まで延ばしたものである。
【0020】
筒部35・・・の上方に位置するカバー部40を、前方から後方に向けて上り勾配に形成した。これにより、カバー部40の裏面40aに沿って水素を後方の排出口41に向けて効率よく導くことができる。
【0021】
また、筒部35・・・の上端35b・・・をカバー部40の裏面40aに合せて、後方に向けて上り勾配に形成した。
このため、筒部35・・・の上端35b・・・とカバー部40の裏面40aとの間の隙間を小さく設定することができる。従って、筒部35・・・の上端35b・・・から雨水や洗浄水が侵入することを確実に防ぐことができる。
【0022】
なお、樋部22の前壁面23及び後壁面24にそれぞれ張出部29,29を備え、この張出部29,29とカバー部40との間のスペースに、アウタパネル18の開口18aを形成する折曲片18bを収容する。
【0023】
図4は図1の4−4線断面図である。ダクト本体21には樋部22の左側壁面25下端に左ブラケット30を備え、この左ブラケット30に雌ねじ部材32を備える。また、樋部22の右側壁面26下端には、左側壁面25下端と同様に、図2に示す右ブラケット31を備え、この右ブラケット31に雌ねじ部材32を備える。
左右の雌ねじ部材32,32にそれぞれボルト33,33をねじ込むことにより、左右のブラケット30,31をインナフレーム19に取付けることができる。
【0024】
樋部22の底面27には一定間隔をおいて複数の筒部35・・・を備える。これらの筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の各々の開口19a・・・に差込み、樋部22の底面27とインナフレーム19との間の隙間をフードダクトシール56で塞ぐことにより、インナフレーム19の開口19a・・・を樋部22の底面27で塞ぐことができる。
【0025】
さらに、筒部35・・・と樋部22の後壁面24との間の樋部内空間55にそれぞれ案内板38・・・を配置し、それぞれの案内板38・・・の両側面39a,39b間の幅Wを筒部35・・・の外径Dより大きく設定した。これにより、案内板38・・・で筒部35・・・を確実に覆う(隠す)ことができる。
【0026】
図5は図1の5−5線断面図であり、樋部22の前壁面23に排水ノズル23aを形成し、この排水ノズル23aにドレーンチューブ60を接続した状態を示す。
すなわち、ドレーンチューブ60の排水チューブ61の後端を排水ノズル23aに嵌め込み、排水チューブ61の前端に先端ノズル62を嵌め込む。さらに、排水チューブ61に筒状の弾性部材63・・・(図1も参照)を嵌め込み、筒状の弾性部材63・・・をアウタパネル18とインナフレーム19とで挟持し、先端ノズル62のフランジ62aをインナフレーム19の開口19bに嵌め込む。
これにより、排水チューブ61をアウタパネル18とインナフレーム19との間の空間17cに安定的に配置することができる。
【0027】
また、先端ノズル62を排水チューブ61及び排水ノズル23aを介して樋部22の凹み45に連通させることができる。これにより、樋部22の凹み45に溜まった雨水や洗浄水を排水チューブ61を通して先端ノズル62から排出することができる。
【0028】
次に、水素換気ダクトで水素を自然換気する例を図6に基づいて説明する。
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトから水素を排出する作用を示す作用説明図である。
(a)において、燃料電池の発電を停止した状態において、万が一何らかの原因によって燃料電池から水素がリークした場合には、リークした水素が吸気ダクトを通ってモータルーム54内に流入することが考えられる。
この場合、モータルーム54内に流入した水素は、水素換気ダクト20の筒部35・・・を経て樋部内空間55に流入し、流入した水素は案内板38・・・を回避して、案内板38・・・の両側面39a・・・,39b・・・から矢印の如く流れる。
【0029】
ここで、図2で説明したように、案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状に湾曲形成することで、案内板38・・・は筒部35に臨む面38cが凸面となる。このため、筒部35・・・から樋部内空間55に流入した水素を案内板38・・・に沿わせて両側面39a・・・,39b・・・まで矢印の如く円滑に案内することができる。
【0030】
(b)において、案内板38・・・を回避した水素はカバー部40の裏面40aに沿って排出口41に向って流れ、排出口41から大気中に流出する。
ここで、カバー部40を後方に向けて上り勾配に形成することで、水素をカバー部40の裏面40aに沿わせて排出口41まで円滑に導くことができる。このため、樋部内空間55の水素を排出口41までスムーズに導いて大気に矢印の如く効率よく排出することで、モータルーム54内の水素を自然換気することができる。
【0031】
次に、水素換気ダクトの排出口から雨水や洗浄水が侵入する例を図7〜図8に基づいて説明する。
図7(a),(b)は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第1作用説明図である。
(a)において、水素換気ダクト20の排出口41から雨水や洗浄水が侵入した場合、矢印▲1▼の如く侵入した雨水や洗浄水は樋部22の樋部内空間55に流れる。
一方、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水は案内板38・・・で進路が遮られる。
【0032】
(b)において、案内板38・・・で進路を遮られた雨水や洗浄水を、案内板38・・・で案内することにより樋部22の底面27に向って流れ、案内板38・・・の下端38b・・・と樋部22の底面27との間の隙間を経て(a)に示すように凹み45に向って流れる。
【0033】
ここで、(a)に示すように案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状になるように湾曲形成したので、案内板38・・・は排出口41に臨む面38dが凹状になる。このため、排出口41から案内板38・・・に向って矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水は、案内板38・・・の中央に集まる。従って、雨水や洗浄水が案内板38・・・の両側面39a,39bを回り込んで筒部35・・・の上端35b・・・から筒部35・・・内に侵入することを確実に防ぐことができる。
【0034】
このように、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水を案内板38・・・で樋部22の底面27に向けて流すことにより、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水を筒部35・・・の上端35b・・・から回避させることができる。
このため、雨水や洗浄水が筒部35・・・の上端35b・・・から筒部35・・・内を経てモータルーム54内に侵入して、雨水や洗浄水がモータルーム54内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0035】
図8は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第2作用説明図である。
樋部22の凹み45に流入した雨水や洗浄水を排水ノズル23aを通して排水チューブ61に流し、排水チューブ61に流れた雨水や洗浄水は排水チューブ61を経て先端ノズル62まで流れ、先端ノズル62から排出する。
このため、樋部22の凹み45に溜まった水がモータルーム54内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0036】
なお、前記実施形態では、案内板38を筒部35に向けて凸状湾曲に形成した例について説明したが、案内板38の形状は湾曲に限らないで、例えば略V字状に形成しても同様な効果を得ることができる。さらには、案内板38を平坦に形成することも可能である。
【0037】
また、前記実施形態では、水素換気ダクト20をフード17の後端17a近傍に取付けた例について説明したが、これに限らないで、燃料電池自動車10の形状に対応させてフード17に対する水素換気ダクト20の取付け位置を適宜選択することができる。
【0038】
さらに、前記実施形態では、筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の開口19aに差込んだ例について説明したが、これに限らないで、筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の開口19aに臨ませるだけで、差込まないように構成することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、フード下空間と樋部内空間とを筒部で連通し、樋部内空間に排出口を連通し、この排出口をアウタパネルの上方に配置した。このため、フードの下側に滞留した水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を排出口を介して大気中に排出することができる。
【0040】
一方、排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置した。このため、排出口から樋部内空間に侵入した雨水や洗浄水を案内板で案内することにより筒部を避けて流すことができる。従って、雨水や洗浄水を筒部に侵入させることなく樋部に導くことができるので、モータルーム内に雨水や洗浄水が侵入して、雨水や洗浄水がモータルーム内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0041】
請求項2は、案内板を筒部に向けて凸状に形成することで、筒部から樋部内空間に流入した水素を案内板で排気口に円滑に案内することができる。このため、樋部内空間の水素を効率よく大気に排出することができる。
【0042】
請求項3は、樋部に排水管を接続することで、樋部に溜まった水を排水管を通して外部に排出することができる。このため、樋部に溜まった水がモータルーム内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素換気ダクトを備えた燃料電池自動車の斜視図
【図2】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトを一部破断した状態で示す斜視図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトから水素を排出する作用を示す作用説明図
【図7】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第1作用説明図
【図8】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第2作用説明図
【符号の説明】
10…燃料電池自動車、17…フード、18…アウタパネル、18a…アウタパネルの開口、19…インナフレーム、19a…インナフレームの開口、20…水素換気ダクト、22…樋部、27…樋部の底面、28…樋部の上端、35…筒部、35a…筒部の下端、35b…筒部の上端、38…案内板、38a…案内板の上端、38b…案内板の下端、39a,39b…案内板の両側面、40…カバー部、41…排出口、54…フード下空間(モータルーム)、55…樋部内空間、60…排水管(ドレーンチューブ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池自動車に係り、特に燃料電池自動車のフード下空間の水素を自然換気するための燃料電池自動車の水素換気ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のなかには燃料電池に水素と酸素(空気)とを供給して電気を発電し、この発電した電気でモータを駆動して走行する燃料電池自動車がある。この燃料電池自動車のなかには、車体前部のフード下方の空間(以下、「モータルーム」という)に駆動用のモータを配置するとともに、フロアプレート下方に燃料電池を配置し、この燃料電池からモータルームまで吸気ダクトを延設したものがある。
この吸気ダクトは、モータルームから空気を取入れて燃料電池まで導くことにより燃料電池の換気をおこなうものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この吸気ダクトを備えた燃料電池自動車によれば、燃料電池による発電を停止している間に、万が一何らかの原因によって燃料電池から水素がリークした場合には、リークした水素が吸気ダクトを通ってモータルーム内に流れることが考えられる。
モータルーム内に流れた水素の大部分は、例えばフロントフェンダとフードとの間の隙間などから大気中に流出するが、一部の水素はフードの下側に滞留することが懸念される。
【0004】
フードの下側に滞留した水素を大気中に排出する方法として、燃料電池自動車のフードに換気ダクトを設けることが考えられる。フードに換気ダクトを設けることにより、換気ダクトでフードの下側に滞留した水素を自然換気させることが可能になる。
しかし、フードに換気ダクトを設けることにより、例えば雨水や洗浄水が換気ダクトからモータルーム内に侵入して、侵入した雨水や洗浄水がモータルーム内に備えたモータ制御装置などの各種機器類にかかることが考えられる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、フードの下側に滞留した水素を自然換気させることができ、かつモータルーム内に雨水や洗浄水が侵入することを防ぐことができる燃料電池自動車の水素換気ダクトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、燃料電池自動車のフードに設けた水素換気ダクトであって、この水素換気ダクトは、前記フードのアウタパネルとインナフレームとの間に凹状の樋部を配置し、この樋部の上端開口部をアウタパネルの開口に臨ませるとともに樋部の底面をインナフレームに臨ませ、この底面に筒部を設けるとともに筒部の下端をインナフレームの開口に臨ませることにより、フード下空間と樋部内空間とを連通し、この筒部の上方に配置したカバー部を樋部の上端に設けるとともに、このカバー部で前記アウタパネルの開口を塞ぎ、このカバー部に樋部内空間に連通する排出口を設けるとともに、この排出口をアウタパネルの上方に配置し、カバー部の排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置し、この案内板の上端をカバー部に設けるとともに、案内板の下端を筒部の上端より下方まで延ばすことにより、前記フード下空間の水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を案内板の両端側から排出口まで導くことを特徴とする。
【0007】
フード下空間と樋部内空間とを筒部で連通し、樋部内空間に排出口を連通し、この排出口をアウタパネルの上方に配置した。このため、フードの下側に滞留した水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を排出口を介して大気中に排出することができる。
一方、排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置した。このため、排出口から樋部内空間に侵入した雨水や洗浄水を案内板で案内することにより筒部を避けて流すことができる。従って、雨水や洗浄水を筒部に侵入させることなく樋部に導くことができるので、モータルーム内に雨水や洗浄水が侵入することを防ぐことができる。
【0008】
請求項2において、案内板は筒部に向けて凸状に形成したことを特徴とする。案内板を筒部に向けて凸状に形成することで、筒部から樋部内空間に流入した水素を案内板で排気口に円滑に案内することができる。
【0009】
請求項3は、前記樋部に排水管を接続することにより、この排水管で樋部に溜まった水を外部に排出することを特徴とする。
樋部に排水管を接続することで、樋部に溜まった水を排水管を通して外部に排出させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る水素換気ダクトを備えた燃料電池自動車の斜視図である。燃料電池自動車10は、左右のフロントフェンダ11,12の上部後端からそれぞれ左右のフロントピラー13,14を延ばし、この左右のフロントピラー13,14間にフロントウインドガラス15を備え、左右のフロントフェンダ11,12の前端にフロントバンパ16を備え、これら左右のフロントフェンダ11,12、フロントウインドガラス15及びフロントバンパ16で形成した空間にフード17を備え、このフード17の後端17a近傍に水素換気ダクト20を備える。
【0011】
図2は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトを一部破断した状態で示す斜視図である。
水素換気ダクト20は、フード17の後端17a近傍に取付けた略矩形状のダクト本体21と、このダクト本体21からフード17の前端までフード17に沿って延びたドレーンチューブ(排水管)60とからなり、ダクト本体21の左右端に設けた左右のブラケット30,31をインナフレームにボルト止めすることによりフード17に取付けた部材である。
【0012】
ダクト本体21は、フード17に取付ける樋部22を前後左右の壁面23,24,25,26と底面27とで矩形凹状に形成し、この樋部22の底面27に一定間隔をおいて、一例として4個の筒部35・・・を設け、4個の筒部35・・・と樋部22の後壁面24との間でかつ筒部35・・・に対向する位置にそれぞれ案内板38・・・を配置し、これらの案内板38・・・をカバー部40の裏面に一体に形成し、このカバー部40を樋部22の上端28に一体に形成し、樋部22の底面27中央に凹み45を形成した部材である。なお、筒部35の個数は任意に設定することができる。
【0013】
カバー部40は、後端に排出口41を備え、この排出口41を樋部22に連通させた部材である。なお、この図では、水素換気ダクト20の理解を容易にするためにカバー部40を上下のカバー部40a,40bに分割した状態で示すが、上下のカバー部40a,40bは一体に形成したものである。
【0014】
案内板38・・・は、筒部35・・・に向けて凸状になるように、かつ排出口41に向けて凹状になるように湾曲形成した部材である。このため、案内板38・・・は、筒部35に臨む面38cが凸面となり、排出口41に臨む面38dが凹状になる。
なお、案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状に形成した理由は図6で後述し、案内板38・・・を排出口41に向けて凹状になるように形成した理由は図7で後述する。
【0015】
ドレーンチューブ60は、樋部22の前壁面23に接続することにより凹み45に連通し、凹み45に溜まった雨水や洗浄水をフード17の前端17b近傍(図1に示す)まで導き、フード17の前端17b近傍から流出させる部材である。
このドレーンチューブ60に筒状の弾性部材63・・・(図1も参照)を嵌め込み、筒状の弾性部材63・・・をフード17内に配置することでアウタパネル18及びインナフレーム19で挟持する。これにより、ドレーンチューブ60をフード17内で安定的に支えることができる。
【0016】
図3は図1の3−3線断面図であり、フード17のアウタパネル18に樋部22を嵌め込むための略矩形状の開口18aを形成し、インナフレーム19に各々の筒部35・・・の下端35a・・・を差込むための円形の開口19a・・・を紙面に直交する方向に4個形成し、インナフレーム19の下側にフードインシュレータ51を配置し、フードインシュレータ51にフードシールラバー52を取付け、このフードシールラバー52をインナフレーム19の裏面に圧接した状態を示す。
【0017】
ここで、ダクト本体21について詳説する。
ダクト本体21は、フード17のアウタパネル18とインナフレーム19との間に凹状の樋部22を配置し、この樋部22の上端28の開口をアウタパネル18の開口18aに臨ませるとともに樋部22の底面27をインナフレーム19に臨ませ、この底面27に紙面方向に所定間隔をおいて筒部35・・・を設け、この筒部35・・・のそれぞれの下端35a・・・をインナフレーム19の開口19a・・・に差込むことにより筒部35・・・でフード下空間(モータルーム)54と樋部内空間55とを連通し、筒部35・・・の周囲にフードダクトシール56を配置し、このフードダクトシール56をインナフレーム19に当接することにより、インナフレーム19の開口19aを塞いだものである。
【0018】
さらに、ダクト本体21は、それぞれの筒部35・・・の上方に配置したカバー部40を樋部22の上端28に一体に形成するとともに、このカバー部40の周辺下面に環状溝42を形成し、この環状溝42にフードダクトトリム57を収納し、このフードダクトトリム57をアウタパネル18の表面に当接させることによりアウタパネル18の開口18aをカバー部40で塞いだものである。
【0019】
加えて、ダクト本体21は、カバー部40に樋部内空間55に連通する排出口41を設けるとともに、この排出口41をアウタパネル18の上方に配置し、カバー部40の排出口41と筒部35・・・との間の樋部内空間55に案内板38・・・をそれぞれ配置し、これらの案内板38・・・の上端38a・・・をカバー部40の裏面40aに一体に形成するとともに、案内板38・・・の下端38b・・・を筒部35・・・の上端35b・・・より下方まで延ばしたものである。
【0020】
筒部35・・・の上方に位置するカバー部40を、前方から後方に向けて上り勾配に形成した。これにより、カバー部40の裏面40aに沿って水素を後方の排出口41に向けて効率よく導くことができる。
【0021】
また、筒部35・・・の上端35b・・・をカバー部40の裏面40aに合せて、後方に向けて上り勾配に形成した。
このため、筒部35・・・の上端35b・・・とカバー部40の裏面40aとの間の隙間を小さく設定することができる。従って、筒部35・・・の上端35b・・・から雨水や洗浄水が侵入することを確実に防ぐことができる。
【0022】
なお、樋部22の前壁面23及び後壁面24にそれぞれ張出部29,29を備え、この張出部29,29とカバー部40との間のスペースに、アウタパネル18の開口18aを形成する折曲片18bを収容する。
【0023】
図4は図1の4−4線断面図である。ダクト本体21には樋部22の左側壁面25下端に左ブラケット30を備え、この左ブラケット30に雌ねじ部材32を備える。また、樋部22の右側壁面26下端には、左側壁面25下端と同様に、図2に示す右ブラケット31を備え、この右ブラケット31に雌ねじ部材32を備える。
左右の雌ねじ部材32,32にそれぞれボルト33,33をねじ込むことにより、左右のブラケット30,31をインナフレーム19に取付けることができる。
【0024】
樋部22の底面27には一定間隔をおいて複数の筒部35・・・を備える。これらの筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の各々の開口19a・・・に差込み、樋部22の底面27とインナフレーム19との間の隙間をフードダクトシール56で塞ぐことにより、インナフレーム19の開口19a・・・を樋部22の底面27で塞ぐことができる。
【0025】
さらに、筒部35・・・と樋部22の後壁面24との間の樋部内空間55にそれぞれ案内板38・・・を配置し、それぞれの案内板38・・・の両側面39a,39b間の幅Wを筒部35・・・の外径Dより大きく設定した。これにより、案内板38・・・で筒部35・・・を確実に覆う(隠す)ことができる。
【0026】
図5は図1の5−5線断面図であり、樋部22の前壁面23に排水ノズル23aを形成し、この排水ノズル23aにドレーンチューブ60を接続した状態を示す。
すなわち、ドレーンチューブ60の排水チューブ61の後端を排水ノズル23aに嵌め込み、排水チューブ61の前端に先端ノズル62を嵌め込む。さらに、排水チューブ61に筒状の弾性部材63・・・(図1も参照)を嵌め込み、筒状の弾性部材63・・・をアウタパネル18とインナフレーム19とで挟持し、先端ノズル62のフランジ62aをインナフレーム19の開口19bに嵌め込む。
これにより、排水チューブ61をアウタパネル18とインナフレーム19との間の空間17cに安定的に配置することができる。
【0027】
また、先端ノズル62を排水チューブ61及び排水ノズル23aを介して樋部22の凹み45に連通させることができる。これにより、樋部22の凹み45に溜まった雨水や洗浄水を排水チューブ61を通して先端ノズル62から排出することができる。
【0028】
次に、水素換気ダクトで水素を自然換気する例を図6に基づいて説明する。
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトから水素を排出する作用を示す作用説明図である。
(a)において、燃料電池の発電を停止した状態において、万が一何らかの原因によって燃料電池から水素がリークした場合には、リークした水素が吸気ダクトを通ってモータルーム54内に流入することが考えられる。
この場合、モータルーム54内に流入した水素は、水素換気ダクト20の筒部35・・・を経て樋部内空間55に流入し、流入した水素は案内板38・・・を回避して、案内板38・・・の両側面39a・・・,39b・・・から矢印の如く流れる。
【0029】
ここで、図2で説明したように、案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状に湾曲形成することで、案内板38・・・は筒部35に臨む面38cが凸面となる。このため、筒部35・・・から樋部内空間55に流入した水素を案内板38・・・に沿わせて両側面39a・・・,39b・・・まで矢印の如く円滑に案内することができる。
【0030】
(b)において、案内板38・・・を回避した水素はカバー部40の裏面40aに沿って排出口41に向って流れ、排出口41から大気中に流出する。
ここで、カバー部40を後方に向けて上り勾配に形成することで、水素をカバー部40の裏面40aに沿わせて排出口41まで円滑に導くことができる。このため、樋部内空間55の水素を排出口41までスムーズに導いて大気に矢印の如く効率よく排出することで、モータルーム54内の水素を自然換気することができる。
【0031】
次に、水素換気ダクトの排出口から雨水や洗浄水が侵入する例を図7〜図8に基づいて説明する。
図7(a),(b)は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第1作用説明図である。
(a)において、水素換気ダクト20の排出口41から雨水や洗浄水が侵入した場合、矢印▲1▼の如く侵入した雨水や洗浄水は樋部22の樋部内空間55に流れる。
一方、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水は案内板38・・・で進路が遮られる。
【0032】
(b)において、案内板38・・・で進路を遮られた雨水や洗浄水を、案内板38・・・で案内することにより樋部22の底面27に向って流れ、案内板38・・・の下端38b・・・と樋部22の底面27との間の隙間を経て(a)に示すように凹み45に向って流れる。
【0033】
ここで、(a)に示すように案内板38・・・を筒部35・・・に向けて凸状になるように湾曲形成したので、案内板38・・・は排出口41に臨む面38dが凹状になる。このため、排出口41から案内板38・・・に向って矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水は、案内板38・・・の中央に集まる。従って、雨水や洗浄水が案内板38・・・の両側面39a,39bを回り込んで筒部35・・・の上端35b・・・から筒部35・・・内に侵入することを確実に防ぐことができる。
【0034】
このように、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水を案内板38・・・で樋部22の底面27に向けて流すことにより、矢印▲2▼の如く侵入した雨水や洗浄水を筒部35・・・の上端35b・・・から回避させることができる。
このため、雨水や洗浄水が筒部35・・・の上端35b・・・から筒部35・・・内を経てモータルーム54内に侵入して、雨水や洗浄水がモータルーム54内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0035】
図8は本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第2作用説明図である。
樋部22の凹み45に流入した雨水や洗浄水を排水ノズル23aを通して排水チューブ61に流し、排水チューブ61に流れた雨水や洗浄水は排水チューブ61を経て先端ノズル62まで流れ、先端ノズル62から排出する。
このため、樋部22の凹み45に溜まった水がモータルーム54内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0036】
なお、前記実施形態では、案内板38を筒部35に向けて凸状湾曲に形成した例について説明したが、案内板38の形状は湾曲に限らないで、例えば略V字状に形成しても同様な効果を得ることができる。さらには、案内板38を平坦に形成することも可能である。
【0037】
また、前記実施形態では、水素換気ダクト20をフード17の後端17a近傍に取付けた例について説明したが、これに限らないで、燃料電池自動車10の形状に対応させてフード17に対する水素換気ダクト20の取付け位置を適宜選択することができる。
【0038】
さらに、前記実施形態では、筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の開口19aに差込んだ例について説明したが、これに限らないで、筒部35・・・の下端35a・・・をインナフレーム19の開口19aに臨ませるだけで、差込まないように構成することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、フード下空間と樋部内空間とを筒部で連通し、樋部内空間に排出口を連通し、この排出口をアウタパネルの上方に配置した。このため、フードの下側に滞留した水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を排出口を介して大気中に排出することができる。
【0040】
一方、排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置した。このため、排出口から樋部内空間に侵入した雨水や洗浄水を案内板で案内することにより筒部を避けて流すことができる。従って、雨水や洗浄水を筒部に侵入させることなく樋部に導くことができるので、モータルーム内に雨水や洗浄水が侵入して、雨水や洗浄水がモータルーム内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【0041】
請求項2は、案内板を筒部に向けて凸状に形成することで、筒部から樋部内空間に流入した水素を案内板で排気口に円滑に案内することができる。このため、樋部内空間の水素を効率よく大気に排出することができる。
【0042】
請求項3は、樋部に排水管を接続することで、樋部に溜まった水を排水管を通して外部に排出することができる。このため、樋部に溜まった水がモータルーム内の各種機器類にかかることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素換気ダクトを備えた燃料電池自動車の斜視図
【図2】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトを一部破断した状態で示す斜視図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトから水素を排出する作用を示す作用説明図
【図7】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第1作用説明図
【図8】本発明に係る燃料電池自動車の水素換気ダクトに水が侵入した場合の作用を示す第2作用説明図
【符号の説明】
10…燃料電池自動車、17…フード、18…アウタパネル、18a…アウタパネルの開口、19…インナフレーム、19a…インナフレームの開口、20…水素換気ダクト、22…樋部、27…樋部の底面、28…樋部の上端、35…筒部、35a…筒部の下端、35b…筒部の上端、38…案内板、38a…案内板の上端、38b…案内板の下端、39a,39b…案内板の両側面、40…カバー部、41…排出口、54…フード下空間(モータルーム)、55…樋部内空間、60…排水管(ドレーンチューブ)。
Claims (3)
- 燃料電池自動車のフードに設けた水素換気ダクトであって、この水素換気ダクトは、前記フードのアウタパネルとインナフレームとの間に凹状の樋部を配置し、
この樋部の上端開口部をアウタパネルの開口に臨ませるとともに樋部の底面をインナフレームに臨ませ、
この底面に筒部を設けるとともに筒部の下端をインナフレームの開口に臨ませることにより、フード下空間と樋部内空間とを連通し、
この筒部の上方に配置したカバー部を樋部の上端に設けるとともに、このカバー部で前記アウタパネルの開口を塞ぎ、
このカバー部に樋部内空間に連通する排出口を設けるとともに、この排出口をアウタパネルの上方に配置し、
カバー部の排出口と筒部との間の樋部内空間に案内板を配置し、
この案内板の上端をカバー部に設けるとともに、案内板の下端を筒部の上端より下方まで延ばすことにより、
前記フード下空間の水素を筒部を介して樋部内空間に導き、樋部内空間の水素を案内板の両端側から排出口まで導くことを特徴とする燃料電池自動車の水素換気ダクト。 - 前記案内板は筒部に向けて凸状に形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池自動車の水素換気ダクト。
- 前記樋部に排水管を接続することにより、この排水管で樋部に溜まった水を外部に排出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池自動車の水素換気ダクト。
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