JP3852618B2 - 6−ヒドロキシヘキサン酸類の酸化方法 - Google Patents

6−ヒドロキシヘキサン酸類の酸化方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は6−ヒドロキシヘキサン酸類の酸化方法に関し、さらに詳しくは抗高脂血症剤として有用なHMG−CoAリダクターゼ阻害剤に特徴的なデメチルメバロン酸構造を形成するための有用な中間体の製造方法に関する。
背景技術
3−デメチルメバロン酸誘導体の多くはHMG−CoAリダクターゼ阻害剤として血中コレステロール値を低下させるのに有効であり[M.S.Brownら、Science、232、34(1986)、S.M.Grundyら、New Engl.J.Med.、319、24(1988)]、特に高リポタンパク血症治療剤やアテローム性動脈硬化症治療剤として広く用いられている。例えば、代表的な薬剤としてロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)などがある[J.M.Henwoodら、Drugs、36、429(1988)、Drugs Future、12、437(1987)、Drugs Future、13、531(1988)]。これらの薬剤はその構造中に、合成化学的にみれば等価で相互変換可能な2つのタイプのデメチルメバロン酸の部分構造となる化合物(IV)または(V)のいずれかを含んでいる。
Figure 0003852618
(式中、R7は有機基、Aは−CH2CH2−または−CH=CH−、R8はカルボキシル基または薬理学的に許容され得るカルボン酸塩を表わす)
有機基としては、例えば置換されていてもよいヘキサヒドロナフチル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいインデニル基等が挙げられる。また、化合物(IV)は合成化学的に容易な操作で脱水閉環して化合物(V)となる[J.E.Lynchら、Tetrahedron Lett.、28、1385(1987)]。
化合物(IV)または(V)を基本骨格とするHMG−CoAリダクターゼ阻害剤はR7を様々なグループに置き換えることで多様な薬理動態を示すが、その構成フラグメントのデメチルメバロン酸部分およびそのラクトン誘導体部分はこれらの薬剤に必須の要素であり、各種の構築方法が報告されている[J.E.Lynchら、Tetrahedron Lett.、28、1385(1987)、M.Sletzingerら、Tetrahedron Lett.、26、2951(1985)、Y.Guindonら、Tetrahedron Lett.、26、1185(1985)、J.D.Prughら、J.Org.Chem.、51、648(1986)、T.Rosenら、Tetrahedron、42、4909(1986)、J.D.Prughら、Tetrahedron Lett.、23、281(1982)、特表平1−502269、特開平1−294665、特開昭64−29362、特開昭1−261377、特表平3−501613、特開平5−178841]。これらの報告において、R7基とデメチルメバロン酸(およびそのラクトン誘導体)とのA結合を介した連結については数通りのタイプの反応が紹介されているが、それらのうち極めて簡便で工程短縮につながる合成法として次の反応が報告されている。すなわち、R7残基をリンイリドあるいはホスホネート等のリン化合物に変換して、一般式(VI)で示されるアルデヒド化合物とウイッティヒ(Wittig)タイプの反応を行なった例である[G.Wessら、Tetrahedron Lett.、31、2545(1990)、特開平1−199945、特開昭63−290872、特開昭63−22056]。
Figure 0003852618
(式中、R9、R10はそれぞれ独立してヒドロキシ保護基であり、また、R9とR10が一緒になって隣接するトリメチレン鎖と共に置換されていてもよいジオキサン環を形成していてもよく、R11はカルボン酸のエステルを表わす)
(VI)の合成については以下のような報告がなされている。
(a)Swern酸化法[D.Swernら、Synthesis、165(1981)]として知られるジメチルスルホキシド/オキサリルクロリド/トリエチルアミンを用いた一般式(VII)で示されるアルコールの酸化による方法[G.Wessら、Tetrahedron Lett.、31、2545(1990)、特開平1−199945]。
Figure 0003852618
(式中Mは
Figure 0003852618
で示される基であり、R12はC1〜C8アルキルを表わす)
(b)ヨードソベンゼンジアセテート/RuCl2(PPh33を用いた前記一般式(VII)で示されるアルコールの酸化による方法[G.Wessら、Tetrahedron Lett.、31、2545(1990)]。
(c)ピリジニウムクロルクロメート(PCC)を用いた一般式(VIII)で示されるアルコールの酸化による方法[K.Prasadら、Tetrahedron Lett.、25、2435、(1984)、特開昭63−22056]。
Figure 0003852618
(式中、P1はヒドロキシ保護基であり、R13は酸化に対して不活性なカルボン酸エステルを表わす)
(d)オゾンガスによるオレフィン化合物の酸化的分解による方法[特開平1−249771]。
ところが、これらの方法はいずれも工業的生産スケールで実施する上で種々の問題を抱えている。例えば、
(a)法によれば、反応中に大量の一酸化炭素を副生し、工業的規模での製造を安全に行なうには、一酸化炭素を燃焼するための設備が必要である。
(b)法によれば、反応試剤が高価であることに加え、環境汚染を避ける立場からルテニウム(Ru)を回収する設備が必要である。
(c)法によれば、3位と5位の水酸基を、強い酸性条件下でも耐え得る保護基(例えばt−ブチルジフェニルシリル基等)で保護しておく必要があり、さらに6価Crを用いることは生産活動を実施する上において、また環境保護の面にのいずれの側面からも好ましくない。
(d)法によれば、オゾナイザー、未反応オゾン分解塔等の特殊設備を必要とする。
以上述べた通り、化合物(IV)、(V)の合成において極めて簡便な合成経路であるWittig反応およびその改良反応(例えばWittig−Horner反応)を経由するルートの原料として有用な化合物(VI)を大量に生産する方法は、安全性、環境影響、生産設備投資等の面で問題があった。
なお、ジメチルチオエーテル及び塩基を用いて、アルコールをカルボニル化合物に酸化する方法は、文献[Journal of the American Chemical Society/94:21/October 18,1972]に報告されている。
発明の開示
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、ある種のチオエーテル化合物とハロゲンを前述のアルコールに反応せしめると、効率よく対応するアルデヒドが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式(I):
Figure 0003852618
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立してヒドロキシ保護基を表わすか、またはR1とR2は一緒になって1,3−ジオール保護基を表わし、R3は水素、金属カチオン、アンモニウム基、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロ環基、−COR4、−COR4(R4は有機基を表わす)を表わす)で示される化合物に不活性溶媒中、S原子に直結している炭素のいずれか一方、もしくは両方が1個以上の水素と結合しているチオエーテル化合物およびハロゲンを反応させ、次いで塩基で処理して式(II):
Figure 0003852618
(式中、R1、R2およびR3は前記と同意義である)
で示される化合物を提供する。
本明細書において、R1、R2の定義における「ヒドロキシ保護基」または「1,3−ジオール保護基」は、当該有機合成の分野において一般的に用いられるものであれば特に限定はない。好適例としてメチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−エトキシエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、クロルアセチル基、メトキシカルボニル基や、あるいはR1とR2が一緒になってメチレン基、エチリデン基、i−プロピリデン基、ベンジリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニルエチリデン基が例示される。特に、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のシリル基や、あるいはR1およびR2が一緒になって形成する
Figure 0003852618
で表わされる基が脱保護も容易で好ましい。
3の定義において、アルキルとは直鎖状または分岐状のアルキルを意味し、好ましくはC1〜C8のアルキルであり、例えばメチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ベンチル、n−ヘキシル、n−ヘブチル、n−オクチルなどが挙げられる。
シクロアルキルとはC3〜C8シクロアルキルを意味し、好ましくはC3〜C6のシクロアルキルであり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
シクロアルキルアルキルとは、前記シクロアルキルが直鎖状のC1〜C5アルキルに置換した基を意味し、例えばシクロプロピルメチル、2−シクロプロピルエチル、3−シクロプロピル−n−プロピル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
アリールとは、好ましくはC6〜C12の芳香環基で、例えばフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
アラルキルとは、前記アリールが直鎖状のC1〜C5アルキルに置換した基を意味し、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(1−ナフチル)メチルなどが挙げられる。
ヘテロ環の好適例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、N−アルキルピロール環、N−アルキルインドール環等が挙げられる。
金属カチオンとしては、Na、K等が例示される。
アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、アリールおよびヘテロ環基のおのおのは任意に置換基を有していてもよい。置換基としてはそれが本発明方法の反応に影響を与えない限り特に制限はなく、低級アルキル、ハロゲン等が例示される。
3としては、C1〜C8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル、例えばn−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−アミル、i−アミル、またはアラルキルが好ましい。
4は有機基を表わし、例えば置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアラルキル、または置換されていてもよいアリール等が例示できる。ここで述べた直鎖状もしくは分岐状のアルキル、シクロアルキル、アラルキルあるいはアリールが置換基を有している場合、それらは上記の通り本発明方法の反応に影響を与えない限り特に制限はなく、同様の置換基が例示される。
本反応に用いるチオエーテル化合物は、S原子に直接結合する2個の炭素原子のうち、いずれか一方もしくは両方が1個以上の水素原子と結合していているものであり、好ましくは、S原子以外にハロゲンの攻撃を受ける原子を有していないものである。そのような化合物としては、式:R5−S−R6(III)(式中R5及びR6はおのおの独立してアルキルを表わす。但し、S原子に直結しているR5およびR6の炭素原子のいずれか一方もしくは両方は、1個以上の水素と結合している。)で示される化合物(メチルスルフィド、エチルスルフィド、n−プロピルスルフィド、n−ブチルスルフィド、エチルメチルスルフィド、t−ブチルメチルスルフィド等)や、ベンジルスルフィド、チオアニソール、エチルフェニルスルフィドが例示される。
ハロゲンとしては、Cl2、Br2、I2が挙げられる。
塩基としては、チオエーテル化合物のS原子に隣接する炭素原子に結合している水素を引き抜く能力を有しているものであれば特に制限はない。好適例として、N,N−ジメチルエチルアミン、N−メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミンが例示される。
本反応に用いる溶媒は、不活性なものであれば特に制限はない。好適例としては、ジクロルメタン、ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル類、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が例示される。特に好ましくは、酢酸エチル、酢酸i−プロピル、ヘキサン、ベンゼン、トルエンである。また反応試剤であるチオエーテル(例えばメタンスルフィド)は、好適な溶媒としても使用できる。
本発明方法の反応条件について更に詳しく説明すると、チオエーテルとハロゲンを不活性溶媒中で混合して活性なコンプレックスとし、ここにアルコール体(I)を加えて反応させた後、引き続いて塩基を加えて撹拌後、この反応系から副生する塩基のハライドをろ別するか、または水洗して除き、溶媒を留去すればよい。
チオエーテルはアルコール体(I)に対して、通常、1モル当量〜溶媒量用いる。
ハロゲンは、アルコール体(I)に対して、通常、1〜3モル当量用いる。
チオエーテルとハロゲンとの混合は、通常−70〜−20℃、好ましくは−70〜−50℃の範囲で実施する。
アルコール体(I)を加えての反応は、通常−70〜−20℃、好ましくは−70〜−50℃の範囲で、数十分〜数時間、好ましくは、1〜2時間行なう。
塩基は、通常、ハロゲンに対して2モル当量、好ましくは2〜3モル当量加える。塩基の添加および引き続く撹拌操作は、好ましくは0℃〜室温で、数十分〜数時間、好ましくは、0.5〜1時間行なう。
反応の処理は、副生する塩基のハライドの析出が充分な場合にはろ別してこれを除き、ろ液を濃縮するだけで目的とするアルデヒド体(II)が得られる。副生する塩基のハライドの析出でない場合には、反応混合物を濃厚な中性無機塩水溶液、好ましくは飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和塩化カリウム水溶液または飽和硫酸ナトリウム水溶液等により洗浄し、引き続いて抽出層の脱水濃縮を数回繰り返すことにより目的とするアルデヒド体(II)が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1
Figure 0003852618
t−ブチル(3R,5S)−6−オキソ−3,5−O−i−プロピリデン−3,5−ジヒドロキシヘキサノエート(B)の合成
24.2Lの酢酸エチルを−60℃に保ち、撹拌下で0.57kg(8.04モル)の塩素を加え、引き続いてここに0.8kg(8.05モル)のメチルスルフィドを0.6Lの酢酸エチルに溶解した液を−56〜−58℃にて滴下し、さらに同温度で30分間撹拌した。この混合液に、1.73kg(6.65モル)のt−ブチル(3R,5S)−6−ヒドロキシ−3,5−O−i−プロピリデン−3,5−ジヒドロキシヘキサノエート(A)を3.4Lの酢酸エチルに溶解した液を、−59〜−62℃にて滴下した。引き続き同温度範囲で30分間撹拌後、1.75kg(17.3モル)のトリエチルアミンを10℃以下で滴下し、10〜18℃で30分間撹拌した。析出した不溶物(トリエチルアンモニウムクロリド)をろ別し、ろ取物を5.2Lの酢酸エチルで洗浄して、洗浄をろ液に加えた。ろ液を減圧濃縮して乾固させ、1.62kgの上記化合物(B)を得た。収率:94.1%。
融点:51〜60℃、元素分析:C13125 0.2H2Oとして、計算値(%)C,59.60 H,8.6、実測値(%)C,59.71 H,8.55、1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ 1.35−1.83(m,2H),1.45(s,12H),1.49(s,3H),2.41(m,2H),4.33−4.52(m,2H),9.59(s,1H)。
以下の実施例で得られた化合物(B)の1H−NMRピークはすべて実施例1に示した値と一致した。
実施例 2〜7
酢酸エチルのかわりに以下の溶媒を用いて、実施例1と同様の操作で化合物Bを合成した(表1)。化合物(A)はいずれの場合も20g(76.8ミリモル)を用いて行なった。
Figure 0003852618
実施例 8及び9
トリエチルアミンのかわりに以下の塩基を用いて、実施例1と同様の操作で化合物Bを合成した(表2)。化合物(A)はいずれの場合も20g(76.8ミリモル)を用いて行なった。
Figure 0003852618
実施例10
300mLのジクロルメタンを−60℃に保ち、撹拌下で6.54g(92.2ミリモル)の塩素を加え、引き続いてここに11.50g(92.6ミリモル)のチオアニソールを7mlのジクロルメタンに溶解した液を−50〜−52℃において滴下し、さらに同温度で30分間撹拌した。この混合液に20.00g(76.8ミリモル)の化合物(A)を45mlのジクロルメタンに溶解して−50〜−52℃で滴下した。引き続き同温度範囲で30分間撹拌後、37.03g(199.8ミリモル)のトリ−n−ブチルアミンを10℃以下で滴下し、20〜25℃で1時間撹拌した。この反応液に100mLの25%塩化ナトリウム水溶液を加え、0.5N塩酸を用いてpHを7に調整した後しばらく撹拌し、分液して有機層を濃縮した。濃縮残渣に100mLのジクロルメタンを加え、再度濃縮した。この濃縮操作を3回繰り返し、得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製して、ジクロルメタン−酢酸エチル(3/1)のフラクションより化合物(B)を得た。収率:77.1%。
実施例 11
300mLのメチルスルフィドを−60℃に保ち、撹拌下で6.54g(92.2ミリモル)の塩素を加えた。この混合物を−58℃〜−60℃で30分間撹拌した後、20.00g(76.8ミリモル)の化合物(A)を45mlのメチルスルフィドに溶解して−58〜−60℃で滴下した。引き続き同温度範囲で30分間撹拌後、20.24g(200.0ミリモル)のトリエチルアミンを10℃以下で滴下し、10〜15℃で1時間撹拌した。この反応液に100mLの25%塩化ナトリウム水溶液を加え、0.5N塩酸を用いてpHを7に調整した後しばらく撹拌し、分液して有機層を濃縮した。濃縮残渣に100mLのジクロルメタンを加え、再度濃縮した。この濃縮操作を3回繰り返した後乾固させ、17.3gの化合物(B)を得た。収率:87.2%。

Claims (6)

  1. 式(I)
    Figure 0003852618
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してヒドロキシ保護基を表わすか、またはR1とR2は一緒になって1,3−ジオール保護基を表わし、R3は水素、金属カチオン、アンモニウム基、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロ環基、−COR4(R4は有機基を表わす)を表わす)で示される化合物に不活性溶媒中、S原子に直結している炭素のいずれか一方、もしくは両方が1個以上の水素と結合しているチオエーテル化合物およびハロゲンを反応させ、次いで塩基で処理することを特徴とする式(II)
    Figure 0003852618
    (式中R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
    で示される化合物の製造方法。
  2. 1,3−ジオール保護基が式
    Figure 0003852618
    で表わされる基であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. ヒドロキシ保護基がシリル系保護基である請求項1記載の製造方法。
  4. 3がC1〜C8の直鎖状もしくは分岐状アルキルまたはアラルキルである請求項1記載の製造方法。
  5. チオエーテル化合物が式(III)
    Figure 0003852618
    (式中、R5およびR6はそれぞれ独立してアルキルを表わす。但し、S原子に直結しているR5およびR6の炭素原子のいずれか一方もしくは両方は、1個以上の水素と結合している。)で示される、請求項1記載の製造方法。
  6. 塩基が第3級アミンである請求項1に記載の製造方法。
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