JP3579094B2 - 2位に置換基を有するビタミンd誘導体 - Google Patents
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、2位に置換基を有するビタミンD誘導体に関する。さらに詳しくはカルボキシアルキルカルボニル基を置換基として有するビタミンD誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来2位に置換基を有するビタミンD誘導体としては、たとえば特公平6−23185号公報記載の2位に置換低級アルコキシ基を有するビタミンDが知られており、これらの化合物の中には骨粗鬆症治療薬として有望な化合物も存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来2位に置換基を有するビタミンD誘導体の有効な測定法は存在しなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)
【化4】
(式中、R1,R2は、同一または異なって水素原子または−CO(CH2)nCO2Hを示し、nは1から5の整数を示す。ただしR1,R2が同時に水素原子であることはない)で表される化合物が2位に置換基を有するビタミンD誘導体の測定において有用な抗体を作成するためのハプテンとして有用であることを見いだし本発明を完成した。
【0005】
本発明の化合物は特に化合物(1)
【化5】
化合物のハプテンとして有用である。
【0006】
本発明の化合物のうち一般式(II)
【化6】
(式中、nは1から5の整数を示す)で表される化合物および、一般式(III)
【化7】
(式中、nは1から5の整数を示す)で表される化合物は、特にハプテンとして有用であり、なかでもnが3である化合物が特に好ましい。
【0007】
本発明の化合物のうち一般式(III)で表される化合物はたとえば以下のようにして合成できる。
【化8】
(式中、R3はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、A1,A2,A3はそれぞれ保護基を示し、nは1から5の整数を示す。)
【0008】
すなわち、化合物(1)の25位以外の水酸基を適当な保護基で保護したのち、R3(CH2)nCOOH(R3はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す)で表される化合物あるいはその酸ハロゲン化物、活性エステル体などの反応性の誘導体を反応させ、化合物(3)を得る。用いられる保護基は本縮合反応に不活性で、保護、脱保護の過程でビタミンD骨格に影響を与えないものであればかまわないが、好ましくは置換シリル基、さらに好ましくはt−ブチルジメチルシリル基があげられる。化合物(3)を脱保護反応に付すことにより本発明の化合物(III)が得られる。
【0009】
また、本発明の化合物のうち一般式(II)で表される化合物はたとえば以下のようにして合成できる。
【化9】
(式中、R4はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す。)
【0010】
すなわち、プロビタミンD3誘導体(化合物(4))にR4(CH2)nCOOH(R4はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す)で表される化合物あるいはその酸ハロゲン化物、活性エステル体などの反応性の誘導体を反応させ、化合物(5)を得る。得られた化合物(5)を常法により、光照射、熱異性化反応に付すことにより、本発明の化合物(II)が得られる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
実施例1 化合物(6)の合成
【化10】
化合物(1)
【化11】
60mg(0.22mmol)をジメチルホルムアミド3mlに溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロリド166mg(1.1mmol)、イミダゾール150mg(2.2mmol)を加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し無色油状の化合物(6) 76mg(75%)を得た。
【0013】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.03−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.87−0.92(30H,m), 1.21(6H,s), 3.21−3.29(1H,m), 3.63−3.78(4H,m), 4.08−4.30(2H,m), 4.98(1H,s), 5.27(1H,s), 6.00(1H,d,J=10.8Hz), 6.22(1H,d,J=10.8Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264, λmin 228
IR(neat)cm−1: 3430(br), 2980, 2950, 2910, 2880, 1480, 1270, 1120, 850, 790
MS(m/z): 832(M+),73(100%)
【0014】
実施例2 化合物(7)の合成
【化12】
グルタル酸モノトリクロロエチルエステル 111mg(0.45mmol)をテトラヒドロフラン3mlに溶解し、トリエチルアミン 69.5μl(0.50mmol)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド154.8μl(0.5mmol)を加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。この反応混合物を 化合物(6)のテトラヒドロフラン 2ml溶液に室温で滴下し、ジメチルアミノピリジン 50mgを加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。さらにグルタル酸モノトリクロロエチルエステル 140mg(0.57mmol)、トリエチルアミン 69.5μl(0.50mmol)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド154.8μl(0.5mmol)、テトラヒドロフラン 3mlより同様に調整した無水物を加えて1時間40℃で加熱攪拌後、ジメチルアミノピリジン 20mgを加え14時間室温で攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し無色油状の化合物(7) 30mgを得、原料化合物(6) 51mgを回収した。(収率 97% 但し原料回収分を除く)
【0015】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.03−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.87−0.92(30H,m), 1.43(6H,s), 2.33(2H,t,J=7.5Hz), 2.53(2H,t,J=7.5Hz), 3.21−3.29(1H,m), 3.60−3.78(4H,m), 4.17−4.23(2H,m), 4.75(2H,s), 4.98(1H,s), 5.27(1H,s), 6.00(1H,d,J=10.8Hz), 6.22(1H,d,J=10.8Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 260, λmin 223
IR(neat)cm−1: 2950, 2930, 2890, 2860, 1760, 1730, 1470, 1380, 1250, 1130, 930, 840, 780, 730
MS(m/z): 1080(M++2), 1077(M++1)
【0016】
実施例3 化合物(8)の合成
【化13】
化合物(7) 30mg(0.028mmol)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、1M NaH2PO4 2ml、活性化した亜鉛粉末800mgを加えてAr雰囲気下、激しく3時間室温で攪拌した。亜鉛粉末を1gさらに加え2時間攪拌した。反応混合物をろ過後、酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の化合物(8) 21mg(80%)を得た。
【0017】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.04−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.79−0.89(30H,m), 1.42(6H,s), 2.31(2H,t,J=7.3Hz), 2.42(2H,t,J=7.3Hz), 3.15−3.22(1H,m), 3.57−3.72(4H,m), 4.12−4.20(2H,m), 4.94(1H,s), 5.22(1H,s), 5.96(1H,d,J=11.2Hz), 6.18(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 262, λmin 221
IR(neat)cm−1: 2960, 2950, 2900, 2870, 1740, 1720, 1480, 1260, 1110, 840,
780
【0018】
実施例4 化合物(9)の合成
【化14】
化合物(8) 50mg(0.053mmol)をテトラヒドロフラン 3mlに溶解し、1M テトラブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン溶液) 793μl(0.793mmol)を加えてAr雰囲気下、16時間40℃で加熱攪拌した。反応混合物に、酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル
ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の化合物(9) 20mg(63%)を得た。
【0019】
−1H−NMR(CDCl3) δ: 0.55(3H,s), 0.92(3H,d,J=5.6Hz), 1.42(6H,s), 2.31(2H,t,J=7.3Hz), 2.41(2H,t,J=7.3Hz), 3.23−3.30(1H,m), 3.57−3.92(4H,m), 4.21−4.27(1H,m), 4.27−4.33(1H,m), 5.08(1H,s), 5.49(1H,s), 6.04(1H,d,J=10.9Hz), 6.36(1H,d,J=10.9Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264, λmin 228
IR(neat)cm−1: 3450(br), 2950, 2860, 1730, 1470, 1070, 920, 760
MS(m/z): 604(M+), 55(100%)
【0020】
実施例5 化合物(10)の合成
【化15】
Ar雰囲気下、−20℃で化合物(4)
【化16】
490.7mg(1.0mmol)、テトラヒドロフラン5ml、ピリジン0.5mlの混合液に、化合物(11)
【化17】
282mg(1.0mmol)の5mlテトラヒドロフラン溶液を20分かけて滴下した。同温度で1時間攪拌後、さらに同条件で化合物(11) 141mg(0.5mmol)の4mlテトラヒドロフラン溶液を滴下し、1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、氷水20mlで反応を終了した。分液ロートに移し水層を除いた。有機層は希塩酸、重炭酸水、食塩水、各50mlで2回ずつずつ洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、濾過し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1:0〜2:1)で粗精製した。化合物(10)の粗精製物444mg(収率59.8%)および原料化合物(4) 94mg(回収率19%)を得た。得られた化合物(10)の粗精製物はさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=3:1〜2:1)で精製し、化合物(10) 156.7mg(収率21.3%)を得た。
【0021】
【図1】
【0022】
実施例6 化合物(12)の合成
【化18】
化合物(10) 150mg、テトラヒドロフラン230mlの混合液に、200mlバイコールフィルター中、氷冷下、Ar雰囲気下で高圧水銀灯の光を90秒間照射した。反応液をテトラヒドロフラン50mlで共洗して300mlフラスコ中に移しかえ、150分間還流した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1〜3:1)で精製し、化合物(12) 35.0mg(収率23.3%)を得た。
【0023】
【図2】
【0024】
実施例7 化合物(13)の合成
【化19】
化合物(12) 35.0mgのテトラヒドロフラン4.5ml、水1.8ml、1M−NaH2PO4 0.9mlの混合液に氷冷下、Ar雰囲気下で亜鉛末900mgを加えて1時間反応した。反応液を水50ml中に展開し、濾過した。濾液に6N−HCl 4ml、ジクロロメタン50mlを加え、有機層を分取した。有機層を水30mlで洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮乾固し、化合物(13) 23.2mg(収率80.7%)を得た。
【0025】
【図3】
【0026】
UV(MeOH)nm: λmax 263.8
IRcm−1: 3413,2947,2929,2926,2873,1732,1458,1377,1196,1149,1111,1070,914
【0027】
【発明の効果】
本発明の化合物は、2位に置換基を有するビタミンD誘導体の測定において有用な抗体を作成するのに有用なハプテンである。本発明の化合物をハプテンとして得られた抗体を用いるエンザイムイムノアッセイ、ラジオイムノアッセイなどの方法により、微量なビタミンDを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(10)のNMRチャートである。
【図2】化合物(12)のNMRチャートである。
【図3】化合物(13)のNMRチャートである。
【産業上の利用分野】
本発明は、2位に置換基を有するビタミンD誘導体に関する。さらに詳しくはカルボキシアルキルカルボニル基を置換基として有するビタミンD誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来2位に置換基を有するビタミンD誘導体としては、たとえば特公平6−23185号公報記載の2位に置換低級アルコキシ基を有するビタミンDが知られており、これらの化合物の中には骨粗鬆症治療薬として有望な化合物も存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来2位に置換基を有するビタミンD誘導体の有効な測定法は存在しなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)
【化4】
(式中、R1,R2は、同一または異なって水素原子または−CO(CH2)nCO2Hを示し、nは1から5の整数を示す。ただしR1,R2が同時に水素原子であることはない)で表される化合物が2位に置換基を有するビタミンD誘導体の測定において有用な抗体を作成するためのハプテンとして有用であることを見いだし本発明を完成した。
【0005】
本発明の化合物は特に化合物(1)
【化5】
化合物のハプテンとして有用である。
【0006】
本発明の化合物のうち一般式(II)
【化6】
(式中、nは1から5の整数を示す)で表される化合物および、一般式(III)
【化7】
(式中、nは1から5の整数を示す)で表される化合物は、特にハプテンとして有用であり、なかでもnが3である化合物が特に好ましい。
【0007】
本発明の化合物のうち一般式(III)で表される化合物はたとえば以下のようにして合成できる。
【化8】
(式中、R3はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、A1,A2,A3はそれぞれ保護基を示し、nは1から5の整数を示す。)
【0008】
すなわち、化合物(1)の25位以外の水酸基を適当な保護基で保護したのち、R3(CH2)nCOOH(R3はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す)で表される化合物あるいはその酸ハロゲン化物、活性エステル体などの反応性の誘導体を反応させ、化合物(3)を得る。用いられる保護基は本縮合反応に不活性で、保護、脱保護の過程でビタミンD骨格に影響を与えないものであればかまわないが、好ましくは置換シリル基、さらに好ましくはt−ブチルジメチルシリル基があげられる。化合物(3)を脱保護反応に付すことにより本発明の化合物(III)が得られる。
【0009】
また、本発明の化合物のうち一般式(II)で表される化合物はたとえば以下のようにして合成できる。
【化9】
(式中、R4はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す。)
【0010】
すなわち、プロビタミンD3誘導体(化合物(4))にR4(CH2)nCOOH(R4はカルボキシル基またはカルボキシル基に変換し得る基たとえばアルコキシカルボニル基、好ましくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基を示し、nは1から5の整数を示す)で表される化合物あるいはその酸ハロゲン化物、活性エステル体などの反応性の誘導体を反応させ、化合物(5)を得る。得られた化合物(5)を常法により、光照射、熱異性化反応に付すことにより、本発明の化合物(II)が得られる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
実施例1 化合物(6)の合成
【化10】
化合物(1)
【化11】
60mg(0.22mmol)をジメチルホルムアミド3mlに溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロリド166mg(1.1mmol)、イミダゾール150mg(2.2mmol)を加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し無色油状の化合物(6) 76mg(75%)を得た。
【0013】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.03−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.87−0.92(30H,m), 1.21(6H,s), 3.21−3.29(1H,m), 3.63−3.78(4H,m), 4.08−4.30(2H,m), 4.98(1H,s), 5.27(1H,s), 6.00(1H,d,J=10.8Hz), 6.22(1H,d,J=10.8Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264, λmin 228
IR(neat)cm−1: 3430(br), 2980, 2950, 2910, 2880, 1480, 1270, 1120, 850, 790
MS(m/z): 832(M+),73(100%)
【0014】
実施例2 化合物(7)の合成
【化12】
グルタル酸モノトリクロロエチルエステル 111mg(0.45mmol)をテトラヒドロフラン3mlに溶解し、トリエチルアミン 69.5μl(0.50mmol)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド154.8μl(0.5mmol)を加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。この反応混合物を 化合物(6)のテトラヒドロフラン 2ml溶液に室温で滴下し、ジメチルアミノピリジン 50mgを加えてAr雰囲気下、3時間室温で攪拌した。さらにグルタル酸モノトリクロロエチルエステル 140mg(0.57mmol)、トリエチルアミン 69.5μl(0.50mmol)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド154.8μl(0.5mmol)、テトラヒドロフラン 3mlより同様に調整した無水物を加えて1時間40℃で加熱攪拌後、ジメチルアミノピリジン 20mgを加え14時間室温で攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し無色油状の化合物(7) 30mgを得、原料化合物(6) 51mgを回収した。(収率 97% 但し原料回収分を除く)
【0015】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.03−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.87−0.92(30H,m), 1.43(6H,s), 2.33(2H,t,J=7.5Hz), 2.53(2H,t,J=7.5Hz), 3.21−3.29(1H,m), 3.60−3.78(4H,m), 4.17−4.23(2H,m), 4.75(2H,s), 4.98(1H,s), 5.27(1H,s), 6.00(1H,d,J=10.8Hz), 6.22(1H,d,J=10.8Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 260, λmin 223
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MS(m/z): 1080(M++2), 1077(M++1)
【0016】
実施例3 化合物(8)の合成
【化13】
化合物(7) 30mg(0.028mmol)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、1M NaH2PO4 2ml、活性化した亜鉛粉末800mgを加えてAr雰囲気下、激しく3時間室温で攪拌した。亜鉛粉末を1gさらに加え2時間攪拌した。反応混合物をろ過後、酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の化合物(8) 21mg(80%)を得た。
【0017】
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.04−0.10(18H,m), 0.53(3H,s), 0.79−0.89(30H,m), 1.42(6H,s), 2.31(2H,t,J=7.3Hz), 2.42(2H,t,J=7.3Hz), 3.15−3.22(1H,m), 3.57−3.72(4H,m), 4.12−4.20(2H,m), 4.94(1H,s), 5.22(1H,s), 5.96(1H,d,J=11.2Hz), 6.18(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 262, λmin 221
IR(neat)cm−1: 2960, 2950, 2900, 2870, 1740, 1720, 1480, 1260, 1110, 840,
780
【0018】
実施例4 化合物(9)の合成
【化14】
化合物(8) 50mg(0.053mmol)をテトラヒドロフラン 3mlに溶解し、1M テトラブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン溶液) 793μl(0.793mmol)を加えてAr雰囲気下、16時間40℃で加熱攪拌した。反応混合物に、酢酸エチルを加え、水で洗浄。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取TLC(シリカゲル
ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の化合物(9) 20mg(63%)を得た。
【0019】
−1H−NMR(CDCl3) δ: 0.55(3H,s), 0.92(3H,d,J=5.6Hz), 1.42(6H,s), 2.31(2H,t,J=7.3Hz), 2.41(2H,t,J=7.3Hz), 3.23−3.30(1H,m), 3.57−3.92(4H,m), 4.21−4.27(1H,m), 4.27−4.33(1H,m), 5.08(1H,s), 5.49(1H,s), 6.04(1H,d,J=10.9Hz), 6.36(1H,d,J=10.9Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264, λmin 228
IR(neat)cm−1: 3450(br), 2950, 2860, 1730, 1470, 1070, 920, 760
MS(m/z): 604(M+), 55(100%)
【0020】
実施例5 化合物(10)の合成
【化15】
Ar雰囲気下、−20℃で化合物(4)
【化16】
490.7mg(1.0mmol)、テトラヒドロフラン5ml、ピリジン0.5mlの混合液に、化合物(11)
【化17】
282mg(1.0mmol)の5mlテトラヒドロフラン溶液を20分かけて滴下した。同温度で1時間攪拌後、さらに同条件で化合物(11) 141mg(0.5mmol)の4mlテトラヒドロフラン溶液を滴下し、1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、氷水20mlで反応を終了した。分液ロートに移し水層を除いた。有機層は希塩酸、重炭酸水、食塩水、各50mlで2回ずつずつ洗浄した。無水硫酸ナトリウムで脱水後、濾過し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=1:0〜2:1)で粗精製した。化合物(10)の粗精製物444mg(収率59.8%)および原料化合物(4) 94mg(回収率19%)を得た。得られた化合物(10)の粗精製物はさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=3:1〜2:1)で精製し、化合物(10) 156.7mg(収率21.3%)を得た。
【0021】
【図1】
【0022】
実施例6 化合物(12)の合成
【化18】
化合物(10) 150mg、テトラヒドロフラン230mlの混合液に、200mlバイコールフィルター中、氷冷下、Ar雰囲気下で高圧水銀灯の光を90秒間照射した。反応液をテトラヒドロフラン50mlで共洗して300mlフラスコ中に移しかえ、150分間還流した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1〜3:1)で精製し、化合物(12) 35.0mg(収率23.3%)を得た。
【0023】
【図2】
【0024】
実施例7 化合物(13)の合成
【化19】
化合物(12) 35.0mgのテトラヒドロフラン4.5ml、水1.8ml、1M−NaH2PO4 0.9mlの混合液に氷冷下、Ar雰囲気下で亜鉛末900mgを加えて1時間反応した。反応液を水50ml中に展開し、濾過した。濾液に6N−HCl 4ml、ジクロロメタン50mlを加え、有機層を分取した。有機層を水30mlで洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮乾固し、化合物(13) 23.2mg(収率80.7%)を得た。
【0025】
【図3】
【0026】
UV(MeOH)nm: λmax 263.8
IRcm−1: 3413,2947,2929,2926,2873,1732,1458,1377,1196,1149,1111,1070,914
【0027】
【発明の効果】
本発明の化合物は、2位に置換基を有するビタミンD誘導体の測定において有用な抗体を作成するのに有用なハプテンである。本発明の化合物をハプテンとして得られた抗体を用いるエンザイムイムノアッセイ、ラジオイムノアッセイなどの方法により、微量なビタミンDを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(10)のNMRチャートである。
【図2】化合物(12)のNMRチャートである。
【図3】化合物(13)のNMRチャートである。
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