JPH0931106A - パーアルトロ−β−シクロデキストリン - Google Patents
パーアルトロ−β−シクロデキストリンInfo
- Publication number
- JPH0931106A JPH0931106A JP18530995A JP18530995A JPH0931106A JP H0931106 A JPH0931106 A JP H0931106A JP 18530995 A JP18530995 A JP 18530995A JP 18530995 A JP18530995 A JP 18530995A JP H0931106 A JPH0931106 A JP H0931106A
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- Japan
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- cyclodextrin
- peraltro
- water
- compound
- reaction
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- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 構成単位としてアルトロースを含むシクロデ
キストリンであり、環構造が柔軟でゲスト包接の際、ゲ
スト分子を的確に捉え得る新規な包接性を有する化合物
を得るものである。 【解決手段】 下記式 【化1】 で表されるパーアルトロ−β−シクロデキストリンであ
る。
キストリンであり、環構造が柔軟でゲスト包接の際、ゲ
スト分子を的確に捉え得る新規な包接性を有する化合物
を得るものである。 【解決手段】 下記式 【化1】 で表されるパーアルトロ−β−シクロデキストリンであ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下記式
【0002】
【化2】 で表される包接性を有する新規化合物パーアルトロ−β
−シクロデキストリン(Per−altro−β−cy
clodextrin)に関する。
−シクロデキストリン(Per−altro−β−cy
clodextrin)に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、包接性を有する化合物として、グ
ルコース鎖からなるα、β、γ等のシクロデキストリン
が知られていた。
ルコース鎖からなるα、β、γ等のシクロデキストリン
が知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のグル
コース鎖からなるシクロデキストリンとは異なる、構成
単位としてアルトロースを含むシクロデキストリンであ
り、環構造が柔軟でゲスト包接の際、ゲスト分子を的確
に捉え得る新規な包接性を有する化合物を提供するもの
である。
コース鎖からなるシクロデキストリンとは異なる、構成
単位としてアルトロースを含むシクロデキストリンであ
り、環構造が柔軟でゲスト包接の際、ゲスト分子を的確
に捉え得る新規な包接性を有する化合物を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルトロース
の7分子重合体からなる下記式
の7分子重合体からなる下記式
【0006】
【化3】 で表されるパーアルトロ−β−シクロデキストリンであ
る。
る。
【0007】本発明のパーアルトロ−β−シクロデキス
トリンを合成するにあたっては、原料としてβ−シクロ
デキストリンを用いる。β−シクロデキストリンとt−
ブチルジメチルシリルクロリドを混合させることによっ
てパーシリル−β−シクロデキストリンを得る。この反
応にあたってピリジンの存在下、β−シクロデキストリ
ン1モル当たりt−ブチルジメチルシリルクロリド1.
2〜1.5モルを用い、0℃〜室温にて15〜24時間
反応せしめればよい。
トリンを合成するにあたっては、原料としてβ−シクロ
デキストリンを用いる。β−シクロデキストリンとt−
ブチルジメチルシリルクロリドを混合させることによっ
てパーシリル−β−シクロデキストリンを得る。この反
応にあたってピリジンの存在下、β−シクロデキストリ
ン1モル当たりt−ブチルジメチルシリルクロリド1.
2〜1.5モルを用い、0℃〜室温にて15〜24時間
反応せしめればよい。
【0008】次いで、パーシリル−β−シクロデキスト
リンに水素化ナトリウムを反応させた後、ベンゼンスル
ホニルクロリドを混合させることによってパーシリルパ
ーエポキシ−β−シクロデキストリンを得る。この反応
にあたっては、ジメチルホルムアミドを溶媒として用
い、パーシリル−β−シクロデキストリン1モルに対
し、水素化ナトリウムを20〜30モル、ベンゼンスル
ホニルクロリドを8〜10モルを用いる。室温〜60℃
にて0〜5時間反応せしめればよい。
リンに水素化ナトリウムを反応させた後、ベンゼンスル
ホニルクロリドを混合させることによってパーシリルパ
ーエポキシ−β−シクロデキストリンを得る。この反応
にあたっては、ジメチルホルムアミドを溶媒として用
い、パーシリル−β−シクロデキストリン1モルに対
し、水素化ナトリウムを20〜30モル、ベンゼンスル
ホニルクロリドを8〜10モルを用いる。室温〜60℃
にて0〜5時間反応せしめればよい。
【0009】次に、パーシリルパーエポキシ−β−シク
ロデキストリンにテトラブチルアンモニウムフルオリド
を反応させることによってパーエポキシ−β−シクロデ
キストリンを得る。この反応にあたってはテトラヒドロ
フランを溶媒とし、パーシリルパーエポキシ−β−シク
ロデキストリン1モルに対して、テトラブチルアンモニ
ウムフルオリドを5〜10モル用いる。室温にて、0〜
1時間反応せしめればよい。最後にパーエポキシ−β−
シクロデキストリンに水を作用させ、パーアルトロ−β
−シクロデキストリンを得る。この反応にあたっては水
の存在下、100〜120℃にて60時間反応せしめれ
ばよい。
ロデキストリンにテトラブチルアンモニウムフルオリド
を反応させることによってパーエポキシ−β−シクロデ
キストリンを得る。この反応にあたってはテトラヒドロ
フランを溶媒とし、パーシリルパーエポキシ−β−シク
ロデキストリン1モルに対して、テトラブチルアンモニ
ウムフルオリドを5〜10モル用いる。室温にて、0〜
1時間反応せしめればよい。最後にパーエポキシ−β−
シクロデキストリンに水を作用させ、パーアルトロ−β
−シクロデキストリンを得る。この反応にあたっては水
の存在下、100〜120℃にて60時間反応せしめれ
ばよい。
【0010】上記のようにして得られたパーアルトロ−
β−シクロデキストリンは、クロマトグラフィー、好適
には逆相クロマトグラフィーにて精製すればよい。
β−シクロデキストリンは、クロマトグラフィー、好適
には逆相クロマトグラフィーにて精製すればよい。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例にて説明するが、本発
明は何らこれらによって限定されるものではない。 実施例1 フラスコに乾燥ピリジン85mlを取り、ドライボック
ス中でβ−シクロデキストリン9.04g(8.0mm
ol)を少量づつ入れて溶かした。0℃でt−ブチルジ
メチルシリルクロリド(10.0g)の乾燥ピリジン
(40ml)溶液を加え、0℃で2時間、室温で15時
間攪拌した。これを氷水1100mlに注ぎ、10分間
攪拌し、白色沈澱を濾取し、氷水で洗浄後、酢酸エチル
に溶解した。次いで、5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濾過後減圧濃縮し、粗化合物を得た。これ
をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/
エタノール/水)にて精製し、パーシリル−β−シクロ
デキストリン12.6gを得、後述の実施例2に供し
た。
明は何らこれらによって限定されるものではない。 実施例1 フラスコに乾燥ピリジン85mlを取り、ドライボック
ス中でβ−シクロデキストリン9.04g(8.0mm
ol)を少量づつ入れて溶かした。0℃でt−ブチルジ
メチルシリルクロリド(10.0g)の乾燥ピリジン
(40ml)溶液を加え、0℃で2時間、室温で15時
間攪拌した。これを氷水1100mlに注ぎ、10分間
攪拌し、白色沈澱を濾取し、氷水で洗浄後、酢酸エチル
に溶解した。次いで、5%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濾過後減圧濃縮し、粗化合物を得た。これ
をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/
エタノール/水)にて精製し、パーシリル−β−シクロ
デキストリン12.6gを得、後述の実施例2に供し
た。
【0012】実施例2 フラスコに水素ナトリウム0.76gを秤量し、窒素置
換後ヘキサンで洗浄した。ヘキサンを除いた後ジメチル
ホルムアミド60mlを加え、パーシリル−β−シクロ
デキストリン2.00gのジメチルホルムアミド20m
l溶液を加え、60℃で4時間攪拌し、18℃でベンゼ
ンスルホニルクロリド1.08mlのジメチルホルムア
ミド20ml溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応
液を濾過した後、氷水1200ml中に注ぎ、食塩を飽
和させ、白色沈澱を濾取し、水で洗浄して真空乾燥し
た。得られた粗製のパーシリルパーエポキシ−β−シク
ロデキストリン1.92gを得、後述の実施例3に供し
た。
換後ヘキサンで洗浄した。ヘキサンを除いた後ジメチル
ホルムアミド60mlを加え、パーシリル−β−シクロ
デキストリン2.00gのジメチルホルムアミド20m
l溶液を加え、60℃で4時間攪拌し、18℃でベンゼ
ンスルホニルクロリド1.08mlのジメチルホルムア
ミド20ml溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応
液を濾過した後、氷水1200ml中に注ぎ、食塩を飽
和させ、白色沈澱を濾取し、水で洗浄して真空乾燥し
た。得られた粗製のパーシリルパーエポキシ−β−シク
ロデキストリン1.92gを得、後述の実施例3に供し
た。
【0013】実施例3 窒素雰囲気下、室温で粗製のパーシリルパーエポキシ−
β−シクロデキストリン1.92gを乾燥テトラヒドロ
フラン80ml中、テトラブチルアンモニウムフルオリ
ド(1Mテトラヒドロフラン溶液)7.6mlと混合さ
せた。1時間攪拌の後、テトラヒドロフランを減圧留去
し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/エタノール/水)で分離し、パーエポキシ−β
−シクロデキストリン0.91gを得、後述の実施例4
に供した。
β−シクロデキストリン1.92gを乾燥テトラヒドロ
フラン80ml中、テトラブチルアンモニウムフルオリ
ド(1Mテトラヒドロフラン溶液)7.6mlと混合さ
せた。1時間攪拌の後、テトラヒドロフランを減圧留去
し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/エタノール/水)で分離し、パーエポキシ−β
−シクロデキストリン0.91gを得、後述の実施例4
に供した。
【0014】実施例4 パーエポキシ−β−シクロデキストリン100.0mg
と水50mlの混合物を120℃で5日間加熱還流し
た。反応液をメンブランフィルターで濾過した後、逆相
カラム(Merck社、Rp−18、SizeB)を用
い、水を溶離液にして分離した。生成物に該当する糖発
色のある分画を集め、減圧濃縮後、凍結乾燥し、パーア
ルトロ−β−シクロデキストリン82.0mgを得た。 FABMASS m/z 1135(M+H+ )115
7(M+Na+ ) 〔α〕D =+63.4(c=0.4、H2 O) また、本化合物の13C−NMRスペクトルは図1に、 1
H−NMRスペクトルは図2に、13C− 1HCOSY−
NMRスペクトルは図3に、 1H− 1HCOSY−NM
Rスペクトルは図4にそれぞれ示した。
と水50mlの混合物を120℃で5日間加熱還流し
た。反応液をメンブランフィルターで濾過した後、逆相
カラム(Merck社、Rp−18、SizeB)を用
い、水を溶離液にして分離した。生成物に該当する糖発
色のある分画を集め、減圧濃縮後、凍結乾燥し、パーア
ルトロ−β−シクロデキストリン82.0mgを得た。 FABMASS m/z 1135(M+H+ )115
7(M+Na+ ) 〔α〕D =+63.4(c=0.4、H2 O) また、本化合物の13C−NMRスペクトルは図1に、 1
H−NMRスペクトルは図2に、13C− 1HCOSY−
NMRスペクトルは図3に、 1H− 1HCOSY−NM
Rスペクトルは図4にそれぞれ示した。
【図1】本発明の化合物の13C−NMRスペクトル(1
25Hz、D2 O)である。
25Hz、D2 O)である。
【図2】本発明の化合物の 1H−NMRスペクトル(5
00Hz、D2 O)である。
00Hz、D2 O)である。
【図3】本発明の化合物の13C− 1HCOSY−NMR
スペクトル(D2 O)である。
スペクトル(D2 O)である。
【図4】本発明の化合物の 1H− 1HCOSY−NMR
スペクトル(D2 O)である。
スペクトル(D2 O)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野上 靖純 福岡県筑紫野市二日市37−20 (72)発明者 那須 恭子 福岡県福岡市南区大橋4−1−5
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式 【化1】 で表されるパーアルトロ−β−シクロデキストリン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18530995A JPH0931106A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | パーアルトロ−β−シクロデキストリン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18530995A JPH0931106A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | パーアルトロ−β−シクロデキストリン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931106A true JPH0931106A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16168605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18530995A Withdrawn JPH0931106A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | パーアルトロ−β−シクロデキストリン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931106A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111318239A (zh) * | 2020-02-26 | 2020-06-23 | 上海应用技术大学 | 一种基于环氧基-β-环糊精的香精纳米胶囊及其制备方法 |
-
1995
- 1995-07-21 JP JP18530995A patent/JPH0931106A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111318239A (zh) * | 2020-02-26 | 2020-06-23 | 上海应用技术大学 | 一种基于环氧基-β-环糊精的香精纳米胶囊及其制备方法 |
CN111318239B (zh) * | 2020-02-26 | 2022-06-10 | 上海应用技术大学 | 一种基于环氧基-β-环糊精的香精纳米胶囊及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |