JP3851950B2 - シリコンゲルマニウム膜の作製方法、エピタキシャル成長用基板、多層膜構造体及びヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents
シリコンゲルマニウム膜の作製方法、エピタキシャル成長用基板、多層膜構造体及びヘテロ接合電界効果トランジスタ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置、特に歪シリコンチャネルを有する電界効果トランジスタなどの作製において好適に用いることのできる、シリコンゲルマニウム膜の作製方法、並びにエピタキシャル成長用基板、多層膜構造体及び前記エピタキシャル成長用基板上に形成されたシリコン膜、ヘテロ接合電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属−酸化膜−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、及び変調ドープ電界効果トランジスタ(MODFET)などの高速化を図るための手段として、チヤネル領域に歪を導入することによりキャリア移動度を向上させる試みが行われてきた。具体的には、シリコン基板上に歪緩和させたシリコンゲルマニウム膜を堆積し、さらにそのシリコンゲルマニウム膜上にシリコン膜を堆積することによって前記シリコン膜に引張歪をかけ、この引張歪を有するシリコン膜をチャネル層として利用するヘテロ接合電界効果トランジスタ構造が、例えばIEEE Trans. Electron. Dev. ED−33(1996)p.633において提案されている。
【0003】
前述したような歪シリコンチャネル層を形成するためには、前記シリコンチャネル層を構成する前記シリコン膜の下地層としての前記シリコンゲルマニウム膜中の貰通欠陥密度を十分に低減して、内部歪みを緩和する必要がある。Applied Physics Letters 62(1993)p.2853にも報告されているように、従来は、前記シリコンゲルマニウム膜中の、ゲルマニウム組成を前記シリコン基板側から前記シリコン膜へ向けて徐々に増加させ、前記シリコンゲルマニウム膜中の歪みを段階的に緩和させるという手法が取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法におけるシリコンゲルマニウム膜中の歪緩和メカニズムは、前記シリコンゲルマニウム膜中に、転位の変位ベクトル(バーガースベクトル)と転位線とが60°の角度をなす転位(60°転位)が導入される結果もたらされるものである。
【0005】
図1は、シリコンゲルマニウム膜中に60°転位が導入された状態を示す図である。図1(a)は、前記状態を断面方向から見た場合の図であり、図1(b)は、前記状態を上方から見た場合の図である。
【0006】
図1において、参照数字“1”はシリコン基板を表し、参照数字“4”はシリコンゲルマニウム膜を表す。また、参照数字“6”は60°転位を表し、参照数字“8”は転位線を表し、参照数字“9”はバーガースベクトルを表す。
【0007】
図1に示すように、シリコンゲルマニウム膜4中に導入された60°転位は、シリコンゲルマニウム膜4の、シリコン基板1に対する界面と垂直方向の成分と水平方向の成分とを有し、いわゆる螺旋転位としての性質を有するようになる。この結果、シリコンゲルマニウム膜4の結晶格子は、シリコン基板1との前記界面に対して傾斜するとともに、前記界面に平行な面内において回転して、モザイク構造を呈するようになる。
【0008】
このようなモザイク構造のシリコンゲルマニウム膜4は、内部歪みが等方的かつ均一に緩和されていない。したがって、シリコンゲルマニウム膜4上にシリコン膜を形成してヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製しようとしても、前記シリコン膜には引張歪みが等方的に負荷されなくなり、前記シリコン膜におけるバンド構造変調が局所的に変化して、目的とする高いキャリア移動度を実現することができないという問題が生じていた。
【0009】
本発明は、シリコンゲルマニウム膜中の内部歪みを等方的かつ均一に緩和させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するため、本発明は、
シリコン基板を準備する工程と、
前記シリコン基板上に、ゲルマニウムを含む界面層を形成する工程と、
前記界面層上にシリコンゲルマニウム膜を形成する工程とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むようにすることを特徴とする、シリコンゲルマニウム膜の作製方法に関する。
【0011】
また、本発明は、
シリコン基板を準備する工程と、
前記シリコン基板上に、GaAsを含む界面層を形成する工程と、
前記界面層上にシリコンゲルマニウム膜を形成する工程とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むようにすることを特徴とする、シリコンゲルマニウム膜の作製方法に関する。
【0012】
さらに、本発明は、
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成されたゲルマニウムを含む界面層と、
前記界面層上に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むことを特徴とする、エピタキシャル成長用基板に関する。
【0013】
また、本発明は、
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成されたGaAsを含む界面層と、
前記界面層上に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むことを特徴とする、エピタキシャル成長用基板に関する。
【0014】
なお、90°転位とは、転位の変位ベクトル(バーガースベクトル)と転位線とが90°の角度をなす転位を意味する。
【0015】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、シリコン基板上に形成されたシリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側において、従来の60°転位に代えて90°転位を形成するようにすることにより、前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子はモザイク構造を呈することなく、等方的となり、その結果、前記シリコンゲルマニウム膜中の内部歪みが等方的かつ均一に緩和されることを見出した。
【0016】
図2は、シリコンゲルマニウム中に90°転位が導入された状態を示す図である。図2(a)は、前記状態を断面方向から見た場合の図であり、図2(b)は、前記状態を上方から見た場合の図である。図2において、参照数字“11”はシリコン基板を表し、参照数字“14”はシリコンゲルマニウム膜を表す。また、参照数字“16”は90°転位を表し、参照数字“18”は転位線を表し、参照数字“19”はバーガースベクトルを表す。
【0017】
図2に示すように、シリコンゲルマニウム膜14中に導入された90°転位は、シリコンゲルマニウム膜14の、シリコン基板1に対する界面と垂直方向の成分のみを有するようになる。また、バーガースベクトル19は転位線18に対して常に直交するので、前記界面に対して平行な回転成分を有しない。したがって、シリコンゲルマニウム膜14の結晶格子はモザイク構造を呈することなく、等方的となる。
【0018】
したがって、このようなシリコンゲルマニウム膜14上にシリコン膜を形成してヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製した際に、前記シリコン膜に対して引張歪みが等方的に負荷されるようになり、前記シリコン膜において、目的とする高いキャリア移動度を実現することができるようになる。
【0019】
なお、本発明においては、前記シリコン基板と前記シリコンゲルマニウム膜との間に所定の厚さの界面層を形成することにより、前記界面層は転位制御層として機能するので、前述した90°転位は、前記シリコンゲルマニウム膜中に簡易に形成することができる。このとき、前記界面層はゲルマニウム又はGaAsを含むことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
図3は、本発明のエピタキシャル成長用基板の一例を示す構成図である。図3に示すエピタキシャル成長用基板20は、シリコン基板11上において、順次に形成されたゲルマニウム界面層12、シリコンゲルマニウム中間層13及びシリコンゲルマニウム膜14を具えている。
【0021】
シリコンゲルマニウム膜14内の、少なくともシリコン基板11側には、図2に示すような90°転位が形成されている。ゲルマニウム界面層12は転位制御層として機能し、これによって前記90°転位をシリコンゲルマニウム膜14内に簡易に形成するようにしている。なお、ゲルマニウム界面層12が存在しない場合においては、シリコンゲルマニウム膜14内に前記90°転位を形成することが困難になり、上述した60°転位が生成しやすくなる。ゲルマニウム界面層12の厚さは0.1nm〜10nmであることが好ましく、さらには1nm〜5nmであることが好ましい。
【0022】
シリコンゲルマニウム中間層13は、目的とするシリコンゲルマニウム膜14がゲルマニウム界面層12から表面偏析したゲルマニウム元素と混合して、シリコンゲルマニウム膜14の結晶品質が劣化するのを抑制するために設けられているものである。シリコンゲルマニウム中間層13の厚さは1nm〜50nmであることが好ましく、さらには5nm〜10nmであることが好ましい。
【0023】
図3に示すエピタキシャル成長用基板20は、本発明のシリコンゲルマニウム膜の作製方法を実行することによって得ることができる。
【0024】
最初に、シリコン基板11を準備し、このシリコン基板11を100℃〜400℃ に加熱するとともに、MBE法などの公知の成膜手法を用いることにより、シリコン基板11上にゲルマニウム界面層12を形成する。次いで、シリコン基板11を同温度に保持した状態において、同じくMBE法などの公知の成膜手法を用いて、ゲルマニウム界面層12上にシリコンゲルマニウム中間層13を形成する。次いで、シリコン基板11を300℃〜700℃に設定した後、同じくMBE法などの公知の成膜手法を用いることにより、シリコンゲルマニウム中間層13上にシリコンゲルマニウム膜14を形成し、エピタキシャル成長用基板20を作製する。
【0025】
エピタキシャル成長用基板20を用いて、例えばヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製するような場合は、エピタキシャル成長用基板20、すなわちシリコンゲルマニウム膜14上にシリコン膜などを所定の厚さにエピタキシャル成長させて形成する。この場合、前記シリコン膜にはシリコンゲルマニウム膜14から等方的かつ均一な引張歪みが負荷されるので、前記シリコン膜におけるキャリア移動度が増大し、チャネル層として十分に機能するようになる。
【0026】
なお、前記シリコン膜を形成した後は、前記エピタキシャル成長用基板20及び前記シリコン膜からなる多層膜構造体を、例えば不活性雰囲気中において、500℃〜800℃で、1分〜120分加熱することが好ましい。これによって、貫通転位の運動を活性化し、前記多層膜構造体中における貫通転位密度を低減することができる。
【0027】
図4は、本発明のエピタキシャル成長用基板の他の例を示す構成図である。図4に示すエピタキシャル成長用基板30は、シリコン基板11上において、順次に形成されたGaAs界面層22及びシリコンゲルマニウム膜14を具えている。シリコンゲルマニウム膜14内の、少なくともシリコン基板11側には、図2に示すような90°転位が形成されている。
【0028】
GaAs界面層22は転位制御層として機能し、これによって前記90°転位をシリコンゲルマニウム膜14内に簡易に形成するようにしている。なお、GaAs界面層22が存在しない場合においては、シリコンゲルマニウム膜14内に前記90°転位を形成することが困難になり、上述した60°転位が生成しやすくなる。GaAs界面層22の厚さは0.1nm〜10nmであることが好ましく、さらには1nm〜5nmであることが好ましい。
【0029】
なお、図4に示すエピタキシャル成長用基板30においては、GaAs界面層22とシリコンゲルマニウム膜14との間に、図3に示すようなシリコンゲルマニウム中間層を設けていないが、同様の目的でシリコンゲルマニウム中間層を設けることもできる。
【0030】
図4に示すエピタキシャル成長用基板30は、本発明のシリコンゲルマニウム膜の作製方法を実行することによって得ることができる。最初に、シリコン基板11を準備し、このシリコン基板11を100℃〜400℃ に加熱するとともに、MBE法などの公知の成膜手法を用いることにより、シリコン基板11上にGaAs界面層22を形成する。次いで、シリコン基板11を300℃〜700℃に設定した後、同じくMBE法などの公知の成膜手法を用いることにより、GaAs界面層22上にシリコンゲルマニウム膜14を形成し、エピタキシャル成長用基板30を作製する。
【0031】
エピタキシャル成長用基板30を用いて、例えばヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製するような場合は、エピタキシャル成長用基板30、すなわちシリコンゲルマニウム膜14上にシリコン膜などを所定の厚さにエピタキシャル成長させて形成する。この場合、前記シリコン膜にはシリコンゲルマニウム膜14から等方的かつ均一な引張歪みが負荷されるので、前記シリコン膜におけるキャリア移動度が増大し、チャネル層として十分に機能するようになる。
【0032】
なお、前記シリコン膜を形成した後は、前記エピタキシャル成長用基板30及び前記シリコン膜からなる多層膜構造体を、例えば不活性雰囲気中において、500℃〜800℃で、1分〜120分加熱することが好ましい。これによって、貫通転位の運動を活性化し、前記多層膜構造体中における貫通転位密度を低減することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
(001)シリコン基板を準備し、このシリコン基板を200℃に加熱するとともに、MBE法を用いることによって、前記シリコン基板上にゲルマニウム界面層を厚さ5nmに形成した。次いで、前記シリコン基板を同温度に保持した状態において、前記ゲルマニウム界面層上にMBE法によってシリコンゲルマニウム中間層を厚さ5nmに形成した。次いで、前記シリコン基板を400℃にまで加熱し、MBE法を用いることによって前記シリコンゲルマニウム中間層上にシリコンゲルマニウム膜を厚さ100nmに形成し、エピタキシャル成長用基板を作製した。得られたエピタキシャル成長用基板の表面原子力間顕微鏡像を図5に示す。
【0034】
(比較例1)
ゲルマニウム界面層を形成しない以外は、実施例1と同様にしてエピタキシャル成長用基板を作製した。得られたエピタキシャル成長用基板の表面原子力間顕微鏡像を図6に示す。
【0035】
図5から明らかなように、実施例1で得たエピタキシャル成長用基板においては、その表面に凹凸部がランダムに形成されており、前記エピタキシャル成長用基板の最上層に位置する前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は等方的であることが分かる。すなわち、前記シリコンゲルマニウム膜中の転位は大部分が90°転位であり、60°転位はほとんど形成されていないことが分かる。
【0036】
一方、図6から明らかなように、比較例1で得たエピタキシャル成長用基板においては、その表面に周期的な4回対称の凹凸部(クロスハッチパターン)が観測され、前記エピタキシャル成長用基板の最上層に位置する前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は、60°転位に起因したモザイク構造となっていることが分かる。
【0037】
(実施例2)
(001)シリコン基板を準備し、このシリコン基板を250℃に加熱するとともに、MBE法を用いることによって、前記シリコン基板上にGaAs界面層を厚さ5nmに形成した。次いで、前記シリコン基板を400℃にまで加熱し、MBE法を用いることによって、前記GaAs界面層上にシリコンゲルマニウム膜を厚さ200nmに形成し、エピタキシャル成長用基板を作製した。前記シリコンゲルマニウム膜中の転位密度をTEMによって計測したところ、90°転位の転位密度は8×108/cm2であり、60°転位の転位密度は5×107/cm2であり、大部分の転位が90°転位であることが判明した。
【0038】
(比較例2)
GaAs界面層を形成しない以外は、実施例2と同様にしてエピタキシャル成長用基板を作製した。このときのシリコンゲルマニウム膜中の転位密度をTEMによって観察したところ、90°転位は観察されず、ほとんど総ての転位が60°転位から構成されていることが判明した。
【0039】
以上、実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従って作製したエピタキシャル成長用基板においては、最上層に位置するシリコンゲルマニウム膜中の転位はほとんどが90°転位から構成されていることが分かる。したがって、このようなエピタキシャル成長用基板上にシリコン膜を形成して、ヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製した場合において、前記シリコン膜に対して等方的かつ均一な引張歪みを負荷することができる。その結果、前記シリコン膜のキャリア移動度は向上し、チャネル層として十分に機能するようになる。
【0040】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシリコンゲルマニウム膜の作製方法及びエピタキシャル成長用基板によれば、シリコンゲルマニウム膜中の内部歪みを等方的かつ均一に緩和させることができる。したがって、前記エピタキシャル成長用基板、すなわち前記シリコンゲルマニウム膜上にシリコン膜を形成して、ヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製した場合において、前記シリコン膜に対して等方的かつ均一な引張歪みを負荷することができる。その結果、前記シリコン膜のキャリア移動度は向上し、チャネル層として十分に機能するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリコンゲルマニウム膜中に60°転位が導入された状態を示す図である。
【図2】 シリコンゲルマニウム中に90°転位が導入された状態を示す図である。
【図3】 本発明のエピタキシャル成長用基板の一例を示す構成図である。
【図4】 本発明のエピタキシャル成長用基板の他の例を示す構成図である。
【図5】 本発明に従って得たエピタキシャル成長用基板の表面原子力間顕微鏡像である。
【図6】 従来のエピタキシャル成長用基板の表面原子力間顕微鏡像である。
【符号の説明】
1、11 シリコン基板
4、14 シリコンゲルマニウム膜
6 60°転位
8、18 転位線
9、19 バーガースベクトル
12 ゲルマニウム界面層
13 シリコンゲルマニウム中間層
16 90°転位
20、30 エピタキシャル成長用基板
22 GaAs界面層
Claims (18)
- シリコン基板を準備する工程と、
前記シリコン基板上に、ゲルマニウムを含む界面層を形成する工程と、
前記界面層上にシリコンゲルマニウム膜を形成する工程とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むようにすることを特徴とする、シリコンゲルマニウム膜の作製方法。 - 前記界面層と前記シリコンゲルマニウム膜との間に、シリコンゲルマニウム中間層を形成する工程を具えることを特徴とする、請求項1に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- 前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は、等方的になることを特徴とする、請求項1または2に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- 前記界面層の厚さが0.1nm〜10nmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- シリコン基板を準備する工程と、
前記シリコン基板上に、GaAsを含む界面層を形成する工程と、
前記界面層上にシリコンゲルマニウム膜を形成する工程とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むようにすることを特徴とする、シリコンゲルマニウム膜の作製方法。 - 前記界面層と前記シリコンゲルマニウム膜との間に、シリコンゲルマニウム中間層を形成する工程を具えることを特徴とする、請求項5に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- 前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は、等方的になることを特徴とする、請求項5または6に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- 前記界面層の厚さが0.1nm〜10nmであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一に記載のシリコンゲルマニウム膜の作製方法。
- シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成されたゲルマニウムを含む界面層と、
前記界面層上に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むことを特徴とする、エピタキシャル成長用基板。 - 前記界面層と前記シリコンゲルマニウム膜との間に形成された、シリコンゲルマニウム中間層を具えることを特徴とする、請求項9に記載のエピタキシャル成長用基板。
- 前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は等方的になることを特徴とする、請求項9または10に記載のエピタキシャル成長用基板。
- 前記界面層の厚さが0.1nm〜10nmであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一に記載のエピタキシャル成長用基板。
- シリコン基板と、
前記シリコン基板上に形成されたGaAsを含む界面層と、
前記界面層上に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを具え、
前記シリコンゲルマニウム膜の、少なくとも前記シリコン基板側に90°転位を含むことを特徴とする、エピタキシャル成長用基板。 - 前記界面層と前記シリコンゲルマニウム膜との間に形成された、シリコンゲルマニウム中間層を具えることを特徴とする、請求項13に記載のエピタキシャル成長用基板。
- 前記シリコンゲルマニウム膜の結晶格子は等方的になることを特徴とする、請求項13または14に記載のエピタキシャル成長用基板。
- 前記界面層の厚さが0.1nm〜10nmであることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか一に記載のエピタキシャル成長用基板。
- 請求項9〜16のいずれか一に記載のエピタキシャル成長用基板と、
前記エピタキシャル成長用基板上に形成されたシリコン膜と、
を具えることを特徴とする、多層膜構造体。 - 請求項17に記載の多層膜構造体を含むことを特徴とする、ヘテロ接合電界効果トランジスタ。
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