JP3849264B2 - 円柱状複合食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、二種以上の食品材料を複合一体化した魚肉練製品などの円柱状の加工食品の製造方法に関するものであり、特に魚肉すり身などのペースト状の軟質な食品材料を二種以上用いて多層円柱状に成形し、さらにはその成形と同時に加熱する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、魚肉練製品の需要の拡大を図るとともに、消費者の嗜好の多様化に対応するため、魚肉練製品として、単純な一種類のすり身から作られたものではなく、二種以上のすり身を組合せて複合一体化させた練製品、あるいはすり身と、チーズなどのすり身以外の材料とを組合せて複合一体化させた製品が望まれるようになっている。
【0003】
このような複合製品の形態の一種としては、中心部の材料と外層部の材料とを異ならしめた二層構造の円柱状の複合食品、さらにはその外層部分を異なる材料で二重、三重に形成した三層以上の多層構造の円柱状複合食品が考えられている。
【0004】
従来この種の円柱状の複合食品、例えば中心部の材料と外層部の材料とを異ならしめた二層構造の円柱状複合食品を製造するために二種以上の材料を複合一体化させかつ円柱状に成形するための方法としては、先ず中心部を構成する材料を丸棒状に成形し、その丸棒状の中心部材料を芯材としてその外周上に外層部材料を作業者が手作業で巻付けるか、あるいは手作業で巻付けた後、リテーナ等の中空容器に挿入して整形するか、さらには押出機を用い、丸棒状の中心部材料を中心としてその外周上に外層部材料を押出成形するなどの方法が知られている。
【0005】
一方、一般に魚肉練製品の製造においては、材料としてのペースト状の魚肉すり身を加熱してゲル化(硬化)させる工程、さらには最終的に殺菌のために加熱する工程が必要であり、その他の食品材料の場合も、調理や殺菌等のために加熱する工程が必要となるのが通常であり、したがって前述のような円柱状の複合食品を製造する場合も、二種以上の食品材料を複合一体化させて円柱状に成形する工程のみならず、加熱する工程が必要となるのが通常である。そして従来一般に蒲鉾等の魚肉練製品の製造のために魚肉すり身を加熱するにあたっては、所定の形状にすり身を成形した後、高温蒸気やガスなどの熱源を用いて外側から加熱する方法が適用されており、そこで魚肉すり身を用いて前述のような円柱状複合食品を製造する場合も、二種以上の食品材料を複合一体化させて円柱状に成形した後、改めて外側から熱源を用いて加熱する方法を適用することが考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
円柱状複合食品を製造するために二種以上の食品材料を複合一体化して円柱状に成形するために、前述のように丸棒状の芯材を中心としてその外周上に外層部材料を手作業で巻付ける方法では、作業が自動化されないため、生産性が低いという根本的な問題がある。一方、丸棒状の芯材を中心として外層部材料を押出機で押出成形する方法では、自動化は可能であるが、押出機が高価とならざるを得ないため、高コスト化を招くという問題が生じる。
【0007】
また、前述のように複合一体化して円柱状に成形した後、熱源を用いて外側から加熱する方式では、内部まで均一に温度上昇しにくく、そのため内部の温度上昇が遅れ、内部まで充分に加熱するためには長時間を要し、そのため生産性が低くならざるを得ないとともに、設備も大型化せざるを得ない問題がある。
【0008】
ところで最近では魚肉練製品のうちでも蒲鉾などの製造については、魚肉すり身を所定の形状に成形した後、電極で挟んで通電し、すり身の有する電気抵抗により内部から発熱させる所謂ジュール加熱(通電加熱)を適用する方法が開発・実用化されている。このような通電加熱方式によれば、すり身がその内部から発熱するため、すり身全体を均一かつ短時間で温度上昇させることができる。そこで前述のような円柱状複合食品の製造についても、複合一体化および成形後の加熱手段として通電加熱を適用すれば、生産性の向上、設備の小型化が図られると考えられる。
【0009】
しかしながら、円柱状複合食品は、通常の蒲鉾とは形態が異なり、二種以上の食品材料が複合一体化されて全体として円柱状をなすという特殊な形態であるため、通電加熱を適用しにくいと考えられていた。
【0010】
また一方、前述のように円柱状複合食品を製造するにあたっては、従来は二種以上の食品材料を複合一体化して円柱状に成形する工程と、その後の加熱工程とを全く別の工程とすることが常識とされていた。そして円柱状複合食品の製造における生産性の向上、装置の小型化も、複合一体化・成形工程と加熱工程とを飽くまで別工程とすることを前提として考えられていたに過ぎない。しかしながらこのような発想では、生産性の向上、装置の小型化にも限界がある。
【0011】
そこで本発明者等は、円柱状複合食品の製造について、低コスト化、生産性の向上、装置の小型化を図り得る方法を開発するべく鋭意実験・検討を重ねた結果、高価な押出機を用いることなく、簡単かつ安価な装置で二種以上の食品材料を複合一体化して円柱状に自動的に成形し得ることを見出し、また同時にその複合一体化・円柱状成形と同時に通電加熱を行ない得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0012】
したがってこの発明は、円柱状複合食品を製造するにあたって、簡単かつ安価な装置により低コストで製造することができ、かつ生産性の向上、装置の小型化を図り得る方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜請求項4の発明の円柱状複合食品の製造方法は、いずれも二種以上の食品材料を複合一体化させるとともにこれを円柱状に成形する方法について規定したものである。
【0014】
具体的には、請求項1の発明の円柱状複合食品の製造方法は、水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向するほぼ水平な面を有する押え部材を配設しておき;
前記第1の帯状走行体を連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と押え部材との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1の帯状走行体と押え部材との対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1の帯状走行体と押え部材との対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1の食品材料が押え部材により第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
また請求項2の発明の円柱状複合食品の製造方法は、水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が同方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも低くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
さらに請求項3の発明の円柱状複合食品の製造方法は、水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が同方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも高くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第2の食品材料が第1の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に前方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその前方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
そしてまた請求項4の発明の円柱状複合食品の製造方法は、水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が反対方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも低くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行方向の相異および走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
また請求項5の発明は、特に中心部の食品材料の外周上に異なる食品材料が巻付けられた状態となるように複合一体化された円柱状複合食品を製造する方法について規定したものである。
【0019】
具体的には、請求項5の発明の円柱状複合食品の製造方法は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の円柱状複合食品の製造方法において、前記第1の食品材料および第2の食品材料を食品材料供給位置においてそれぞれ第1の帯状走行体上に供給するにあたって、第1の食品材料については、予め円柱状に成形した状態でその軸線が第1の帯状走行体の走行方向に対し直交しかつ水平方向に沿うように供給し、一方第2の食品材料については偏平状に供給し、これにより前記対向面間で第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化する際に、円柱状の第1の食品材料の周囲に、第2の食品材料が巻付けられるようにして、最終的に第1の食品材料を中心部に有しかつ外周側に層状に第2の食品材料を有する円柱状複合食品を得ることを特徴とするものである。
【0020】
さらに請求項6、請求項7の各発明は、二種以上の食品材料を複合一体化しかつ円柱状に成形すると同時に、その食品材料に通電加熱を行なう方法について規定したものである。
【0021】
具体的には、請求項6の発明の円柱状複合食品の製造方法は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の円柱状複合食品の製造方法において、第1の帯状走行体と押え部材もしくは第2の帯状走行体との間に電圧を加え、これにより第1の帯状走行体と押え部材もしくは第2の帯状走行体との対向面間に挟まれながら転動する食品材料に対して通電加熱を行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
また請求項7の発明の円柱状複合食品の製造方法は、請求項6に記載の円柱状複合食品の製造方法において、前記対向面間に電圧を加えるにあたり、前記各帯状走行体の少なくとも一方を透水性フイルムによって構成し、かつその透水性フイルムの背面側に電極を配置して、その電極から透水性フイルムを介して食品材料に通電するようにしたことを特徴とするものである。
【0023】
なおここで、透水性フイルムとは、例えば布、ネット(網)、不織布、紙、セロファン等のように水分を吸収する性質を有する薄膜であればどのようなものでも良く、通常、親水性フイルム、吸水性フイルム、あるいは保水性フイルム等と称される種々の膜材を用いることができ、この明細書においてはこれらの膜材を総称して透水性フイルムと称している。
【0024】
【発明の実施の形態】
【0025】
【実施例】
図1には、二種の軟質な食品材料を複合一体化して円柱状に成形すると同時に通電加熱を行なうようにした方法を実施している状況、すなわち請求項1、請求項6、請求項7の発明の方法を実施している状況の一例を概略的に示す。
【0026】
図1において、全体として無端環状をなす第1の帯状走行体1Aが左右のプーリ3A,3Bに巻掛けられて、図示しない走行駆動手段により上面側の部分が図1の左側から右側へ向い水平に連続走行するように配設されている。ここで、第1の帯状走行体1Aとしては、透水性フイルム、例えば吸水性を有する布もしくはネット等が用いられている。さらにこの透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aに対しては、水や塩水などの水分を与えるための湿潤手段5が対設されている。この湿潤手段5は、例えば水や塩水を透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1A上にスプレーもしくは滴下させたり、あるいは透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aを水や塩水中に浸漬させるなどの構成とすれば良い。
【0027】
また透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面側走行部分の背面側(下側)には、例えば平板状をなす導電性材料からなる第1電極7Aが水平に配設されている。したがって透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aは、第1電極7Aの上面に沿って走行することになる。
【0028】
さらに透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面側走行系路における走行方向後端側の領域、すなわち左端部付近の領域は、第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bを供給するための食品材料供給領域11とされている。そして透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面側走行系路における食品材料供給領域11よりも右側の部分、すなわち食品材料供給領域11よりも走行方向前方の位置の上方には、導電性材料からなる押え部材兼第2電極7Bが配設されている。この押え部材兼第2電極7Bは、全体として平板状をなすように作られたものであって、その下面が透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面に対向するようにほぼ水平に配設されている。また第1電極7Aおよび押え部材兼第2電極7Bには、高周波電源あるいは商用交流電源などの電源装置13が電気的に接続されており、この電源装置13によって第1電極7Aと押え部材兼第2電極7Bとの間に電圧が加えられるようになっている。
【0029】
ここで、上側の押え部材兼第2電極7Bの配置については、前述の説明では“ほぼ水平”と記載したが、これは厳密に水平である必要はないことを意味する。すなわち、上側の押え部材兼第2電極7Bは入口側(図1の左端側)から出口側(図1の右端側)へ向ってわずかに下降するように配設しても良く、このように押え部材兼第2電極7Bをわずかに傾斜状に設置することによって、下側の第1電極7Aと上側の押え部材兼第2電極7Bとの間の間隔が入口側から出口側へ向けてテーパー状に狭くなり、このような場合をもこの発明では含むこととする。なお上記のテーパーは実際はほんのわずかであり、例えば押え部材兼第2電極7Bの勾配としては0.1〜10%程度のテーパーとすることが望ましい。
【0030】
図1に示される構成において、第1の食品材料9Aとしては、例えば魚肉すり身などのペースト状の軟質な食品材料を予めほぼ円柱状に成形したものが食品材料供給領域11に供給される。この第1の食品材料9Aの外径(したがって第1の帯状走行体1A上の食品材料9Aの高さ)H1 は、第1の帯状走行体1Aの上面と押え部材兼第2電極7Bの下面との対向面間の間隔Wよりも若干大きくなるように定められる。一方の第2の食品材料9Bとしては、前記第1の食品材料9Aとは異なる素材あるいは異なる色の素材を用いた魚肉すり身などのペースト状の軟質な食品材料を偏平なシート状としたものが食品材料供給領域11に供給される。この第2の食品材料9Bの厚み(したがって第1の帯状走行体1A上の食品材料9Bの高さ)H2 は、第1の帯状走行体1Aの上面と押え部材兼第2電極7Bの下面との対向面間の間隔Wよりも小さくなるように定められる。なお第1の食品材料9A、第2の食品材料9Bのうち、少なくとも一方としては、魚肉すり身の如く粘着性を有するものを用いる。
【0031】
さらに、食品材料供給領域11において第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bを供給する態様については、第1の食品材料9Aが第1の帯状走行体1A上において第2の食品材料9Bよりも前方側を走行するように供給する。したがって例えば第1の食品材料9Aと第2の食品材料9Bとの両者を食品材料供給領域11において透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1A上に同時に供給する場合には、第1の食品材料9Aを第2の食品材料9Bの供給位置よりも前方の位置に供給する。また例えば第1の食品材料9Aと第2の食品材料9Bをほぼ同じ位置において順次第1の帯状走行体1A上供給する場合には、先ず第1の食品材料9Aを透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1A上に供給し、続いて第1の帯状走行体1Aの走行に伴なって第1の食品材料9Aが若干前方へ移動してから第2の食品材料9Bを第1の帯状走行体1A上に供給する。
【0032】
上述のようにして食品材料供給領域11において第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bを、第1の食品材料9Aが前方を走行するように透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1A上に供給すれば、その第1および第2の食品材料9A,9Bは、第1の帯状走行体1Aの走行に伴ない、図1の右方へ連続的に搬送され、透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面と押え部材兼第2電極7Bとの対向面間に順次差しかかることになる。このとき、第1の食品材料9Aはその高さH1 が対向面間の間隔Wよりも大きいため、押え部材兼第2電極7Bの下面に接し、この抵抗によって図1の反時計方向へ転動せしめられる。すなわち、第1の帯状走行体1Aに対して相対的に後方へ転動せしめられる。もちろん第1の帯状走行体1A自体は右方(前方)へ連続的に走行しているから、結局第1の食品材料9Aは、反時計方向へ転動しながら第1の帯状走行体1Aの走行速度の1/2の速度で右方へ搬送されることになる。すなわち、第1の食品材料9Aはその転動により右方搬送速度が1/2に減速されることになる。一方第2の食品材料9Bはその高さH2 が第1の帯状走行体1Aと押え部材兼第2電極7Bとの対向面間の間隔Wよりも小さいため、その対向面間に差しかかっても押え部材兼第2電極7Bには接触せず、したがって第1の帯状走行体1Aの走行速度のまま右方へ搬送される。
【0033】
このようにして前方を走行する第1の食品材料9Aが対向面間で転動せしめられてその搬送速度が減速されることによって、後方の第2の食品材料9Bが前方の第1の食品材料9Aに追いつき、第1の食品材料9Aがその反時計方向転動により後方の第2の食品材料9Bに乗り上る。ここで、第1の食品材料9A、第2の食品材料9Bは、いずれか少なくとも一方は粘着性を有しているから、第1の食品材料9Aと第2の食品材料9Bとはその粘着性によって接合され、さらに第1の食品材料9Aの反時計方向転動によって第2の食品材料9Bが第1の食品材料9Aの外周上に巻上げられることになる。
【0034】
このようにして第1の食品材料9Aの外周上に第2の食品材料9Bが巻付けられて両者が複合一体化し、続いてその複合一体化された食品材料9が第1の帯状走行体1Aの走行に伴なって対向面間で転動しつつ連続的に右方へ搬送される。そしてこの転動により外周面の形状が次第に整形され、最終的に断面形状が真円もしくは真円に近い円柱形状に整形されることになる。
【0035】
一方、下側の第1電極7Aと上側の押え部材兼第2電極7Bとの間には電源装置13によって電圧が加えられ、また透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aには水分によって導電性が与えられているから、透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aと押え部材兼第2電極7Bとの対向面間において食品材料(第2の食品材料9Bと複合一体化する前の第1の食品材料9A、および複合一体化した後の食品材料9)には電流が流れ、その食品材料の電気抵抗によって発熱し、内部から温度上昇していわゆる通電加熱(ジュール加熱)がなされる。
【0036】
したがって例えば第1の食品材料9A、第2の食品材料9Bのいずれか一方または双方が、魚肉すり身の如く加熱によってゲル化する性質を有するものである場合には、そのすり身の部分が通電加熱によりゲル化して硬化することになる。そしてこの場合、ゲル化によってすり身の部分の保形性が次第に高まって行くため、転動時に形状が崩れてしまうことを充分に防止して、断面形状がより真円に近い形状となるように成形することが可能となる。またそのほか、通電加熱条件によっては、加熱による殺菌の効果も期待することができる。
【0037】
以上のようにして、第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bは、透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aと押え部材兼第2電極7Bとの対向面間において、複合一体化されるとともに、断面が真円もしくは真円に近い形状となるように円柱状に成形されながら通電加熱がなされ、最終的に図1の右端側(出口側)から排出される。
【0038】
なお図1の例では第1電極7Aを全体として一体な平板形状としているが、図2に示すように第1電極7Aを複数の電極片(区分電極)15からなる分割構造とし、隣り合う各電極片間にスリット状の間隙17を設けた構成としても良い。このように構成すれば、湿潤手段5によって過剰な水分が透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aに与えられた場合に、その過剰な水分を間隙17から排出することができるため、過剰な水分が第1電極7Aの表面に滞留して加熱すべき複合食品材料9の温度低下、すなわち加熱不足を招いてしまうことを未然に防止することができる。
【0039】
ここで、押え部材兼第2電極7Bを入口側(左側)から出口側(右側)へ向って若干下降するように配設して、第1の帯状走行体1Aと押え部材兼第2電極7Bとの対向面間の間隔が入口側から出口側へ向ってテーパー状にわずかに狭くなる構成としておけば、第1の食品材料9Aをその対向面間の入口側において対向面間に容易に喰い込ませることが可能となり、しかも複合食品材料9は入口側から出口側へ向って転動するに従って次第に全体的に丸く細くなって、最終的に複合食品材料9を断面形状がより真円に近い円柱状に成形することが可能となる。
【0040】
以上の図1、図2の各例においては、上側の押え部材兼第2電極7Bを固定しているが、この固定された押え部材兼第2電極7Bに代えて、第2の帯状走行体1Bおよび第2電極7Cを用いることもできる。これは請求項2、請求項3、請求項4の各発明で規定している構成に対応する例であり、そのうち請求項2の発明に対応する例を図3に示す。なお図3において、下側の第1の帯状走行体1A、第1電極7A、食品材料供給領域11、第1および第2の食品材料9A,9Bについては図1の場合と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図3において、第2の帯状走行体1Bは、第1の帯状走行体1Aと同様に布やネットなどの透水性フイルムからなるものであり、左右のプーリ19A,19Bに巻き掛けられて、図示しない走行駆動手段によりほぼ水平に連続走行するように構成されている。そして第2の帯状走行体1Bは、その下面側走行部分が第1の帯状走行体1Aの上面側走行系路における食品材料供給領域11よりも前方(右方)の位置において、第1の帯状走行体1Aの上面に対して対向するように配設されている。なお第2の帯状走行体1Bは図3では水平に配設しているが、実際には、図1に関して押え部材兼第2電極7Bについて説明したと同様に、入口側(左側)よりも出口側(右側)がわずかに下降するように配設しても良いことはもちろんである。
【0042】
さらに第2の帯状走行体1Bの下面側走行部分の背面(上面)には、導電性材料からなる平板状の第2電極7Cが配設されており、この第2電極7Cの下面に沿って第2の帯状走行体1Bの下面側走行部分が連続走行するようになっている。
【0043】
なお透水性フイルムからなる第2の帯状走行体1Bに対しても、第1の帯状走行体1Aに対してと同様に、水分を与えるための湿潤手段20が対設されている。そして下側の第1電極7Aと上側の第2電極7Cとの間には電源装置13が電気的に接続されている。
【0044】
図3に示される構成において、透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aの上面側走行部分には、食品材料供給領域11において第1および第2の食品材料9A,9Bが供給される。このとき、第1の食品材料9Aが第2の食品材料9Bよりも前方を走行するように供給する点は、図1の場合と同様である。また第2の帯状走行体1Bは、その下面側走行部分が第1の帯状走行体1Aの上面側走行部分と同方向に走行するように走行方向が設定されている。但し、上側の第2の帯状走行体1Bの走行速度は、下側の第1の帯状走行体1Aの走行速度よりも低い速度となるように定められる。
【0045】
食品材料供給領域11において第1の帯状走行体1Aの上面側走行部分に供給された第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bは、図1において説明したと同様に、第1の帯状走行体1Aの右方向への走行に伴なって第1の食品材料9Aが先行した状態で、第1の帯状走行体1Aと第2の帯状走行体1Bとの対向面間へ向けて搬送される。第1の食品材料9Aがその対向面間に至れば、第1の食品材料9Aの高さH1 が対向面間の間隔Wよりも大きいため、第1の食品材料が第2の帯状走行体1Bの下面側走行部分に接する。このとき、第2の帯状走行体1Bの右方向走行速度は第1の帯状走行体1Aの右方向走行速度よりも低いため、その走行速度差により第1の食品材料9Aに反時計方向の回転力が与えられ、反時計方向へ転動せしめられることになる。すなわち、第1の食品材料9Aは第1の帯状走行体1Aの走行方向に対し相対的に後方へ転動せしめられ、その右方向搬送速度が第1の帯状走行体1Aの走行速度より減速させられる。具体的には、第1の帯状走行体1Aの速度と第2の帯状走行体1Bの走行速度との中間の搬送速度となる。一方、第2の食品材料9Bはその高さH2 が第1、第2の帯状走行体1A,1Bの対向面間の間隔Wよりも小さいため、対向面間に至っても第2の帯状走行体1Bに接触せず、したがって第1の帯状走行体の走行速度で右方へ搬送されることになる。このようにして、図1の場合と同様に先行する第1の食品材料9Aの搬送速度が第2の食品材料9Bの搬送速度よりも低くなるため、先行する第1の食品材料9Aに後方の第2の食品材料9Bが追いついて、第1の食品材料9Aが第2の食品材料9Bに乗り上げ、既に述べたと同様に両者が複合一体化するとともに円柱状に成形される。
【0046】
なお図3の場合も、透水性フイルムからなる第1および第2の帯状走行体1A,1Bの対向面間においては、水分を付与されて導電性が与えられた透水性フイルムからなる第1および第2の帯状走行体1A,1Bを介して第1電極7A、第2電極7Cから電流が流れ、食品材料に対する通電加熱がなされる。すなわち食品材料の複合一体化・成形と同時に通電加熱がなされる。
【0047】
図4には、請求項3の発明に対応する例を示す。なお図4の例において、図3の例と異なる点は、第1および第2の食品材料9A,9Bの供給位置関係と、第1の帯状走行体1Aおよび第2の帯状走行体1Bの走行速度関係だけであり、その他の構成は図3の例と同様である。
【0048】
図4の例において、第1の帯状走行体1Aの上面側走行部分における食品材料供給領域11に第1の食品材料9Aおよび第2の食品材料9Bを供給するにあたっては、図3の例とは逆に、第2の食品材料9Bが第1の食品材料9Aよりも先行して搬送されるように供給する。また上側の第2の帯状走行体1Bの走行速度は、下側の第1の帯状走行体1Aの速度よりも高い速度に設定されている。
【0049】
このような図4の例においては、第1の食品材料9Aが第1の帯状走行体1Aの走行に伴なって右方へ搬送され、第1および第2の帯状走行体1A,1Bの対向面間に至って第2の帯状走行体1Bに接したときには、第2の帯状走行体1Bの走行速度が第1の帯状走行体1Aの走行速度よりも高いため、第1の食品材料9Aに対して図4の時計方向への回転力が第2の帯状走行体1Bから与えられて、図4の時計方向へ転動せしめられる。したがって第1の食品材料9Aは第1の帯状走行体1Aに対し相対的に前方へ転動せしめられ、その右方向移動速度が第1の帯状走行体1Aの走行速度よりも高くなる。一方第2の食品材料9Bは、第1の帯状走行体1Aの走行速度と同じ速度で右方へ搬送される。したがって増速された第1の食品材料9Aが第2の食品材料9Bに追いつき、その第2の食品材料9Bに乗り上げ、前記同様に両者が複合一体化するとともに円柱状に成形される。なお透水性フイルムからなる第1、第2の帯状走行体1A,1Bの間において通電加熱がなされる点は、図3の場合と同様である。
【0050】
図5には、請求項4の発明に対応する例を示す。この図5の例においては、図3に示す例と異なる点は第2の帯状走行体1Bの走行方向の点だけであり、その他の点は図3の例と同様である。
【0051】
図5の例においては、第1、第2の食品材料9A,9Bは、第1の食品材料9Aが第2の食品材料9Bよりも先行して走行するように食品材料供給領域11において第1の帯状走行体1A上に供給される。一方第2の帯状走行体1Bは、その下面側走行部分が第1の帯状走行体1Aの走行方向と反対方向に走行するように、すなわち図4の左方へ向って走行するように走行方向が定められている。但し、第2の帯状走行体1Bの走行速度自体は、第1の帯状走行体1Aの走行速度よりも低い速度に定められている。
【0052】
このような図5の例においても、第1の食品材料9Aが第1、第2の帯状走行体1A,1Bの対向面間に至れば、第1の食品材料9Aに対して第2の帯状走行体1Bから反時計方向への回転力が与えられ、その第1の食品材料9Aが第1の帯状走行体1Aの走行方向に対し相対的に後方へ転動せしめられる。但し、第2の帯状走行体1Bの左方向走行速度は第1の帯状走行体1Aの右方向速度よりも低いため、第1の食品材料9Aの搬送方向自体は右方のままであり、その右方向搬送速度が減速されることになる。そのため既に図3について述べたと同様に、第1の食品材料9Aに対して後方の第2の食品材料9Bが追いつき、第1の食品材料9Aが第2の食品材料9Bに乗り上げて両者が複合一体化され、さらに全体として円柱状に成形されることになる。なお第1および第2の帯状走行体1A,1Bの対向面間において通電加熱がなされることは、既に述べた図3の例と同様である。
【0053】
前述の図1、図3〜図5の各例では、下側の第1電極7Aとして平板状の電極を用い、また図2の例では下側の第1電極7Aとして分割構造の平板状電極を用いているが、第1の電極7Aは、平板状のものに限らず、それぞれ複数のローラ状電極からなるローラ電極群によって構成しても良い。また図3〜図5の各例における上側の第2電極7Cとしても平板状の電極が用いられているが、この上側の第2電極7Cも複数のローラ状電極からなるローラ電極群によって構成しても良い。
【0054】
図1に示される装置における下側の平板状の第1電極7Aに代えてローラ電極群を用いた例を図6に示す。
【0055】
図6において、下側の第1電極7Aは、それぞれ少なくとも外周面を導電性材料によって形成した複数の電極ローラ21Aによって構成されており、これらの複数の電極ローラ21Aは、相互に平行となるように所定間隔を置いて配列されかつそれぞれ水平な軸線を中心として回転可能となるように支持されている。そしてこれらの複数の電極ローラ21Aは電気的に電源装置13の一方の端子に共通接続され、上側の押え部材兼第2電極7Bは電源装置13の他方の端子に電気的に接続されている。そして透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aは、第1電極7Aを構成する複数の電極ローラ21Aの外周面上側に接しながら走行するように配設されている。
【0056】
また図3に示される装置における下側の平板状の第1電極7Aと上側の平板状の第2電極7Cとの両者をそれぞれローラ電極群に代えた例を図7に示す。
【0057】
図7において、下側の第1電極7Aは、それぞれ少なくとも外周面を導電性材料によって形成した複数の電極ローラ21Aによって構成されており、これらの複数の電極ローラ21Aは、相互に平行となるように所定間隔を置いて配列されかつそれぞれ水平な軸線を中心として回転可能となるように支持されている。また上側の第2電極7Cも、それぞれ少なくとも外周面を導電性材料によって構成した複数の電極ローラ21Bによって構成されており、これらの電極ローラ21Bも、相互に平行となるように所定間隔を置いて配列されかつそれぞれ水平な軸線を中心として回転可能に支持されている。下側の複数の電極ローラ21Aは、それぞれ電気的に電源装置13の一方の端子に共通接続され、上側の複数の電極ローラ21Bは、それぞれ電源装置13の他方の端子に電気的に共通接続されている。そして下側の透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aは下側の第1の電極7Aを構成する複数の電極ローラ21Aの外周面上側に接しながら走行するように、また上側の透水性フイルムからなる第2の帯状走行体1Bは上側の複数の電極ローラ21Bの外周面下側に接しながら走行するように配設されている。
【0058】
なお図7では、下側の第1電極7Aと、上側の第2電極7Cとの両者をそれぞれローラ電極群によって構成しているが、下側の第1電極7Aと上側の第2電極7Cとのうち一方のみをローラ電極群によって構成し、他方を図3の例と同様に平板状電極としても良いことはもちろんである。
【0059】
図6あるいは図7に示すように電極としてローラ電極群を用いた場合も、第1の食品材料9A、第2の食品材料9Bの供給位置関係と各帯状走行体1A,1Bの走行方向、走行速度を、既に述べた各例と同様に設定することによって、図1、図3〜図5の例と全く同様に2種の食品材料の複合一体化および円柱状成形と、通電加熱とを同時的に行なうことができる。
【0060】
図6あるいは図7に示すように、下側の第1電極7Aもしくは上側の第2電極7Cをローラ電極群によって構成した場合、各電極ローラ21A,21Bは透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bの走行に伴なって回転するため、電極ローラ21A,21Bと透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bとの間の摩擦抵抗を少なくして、帯状走行体1A,1Bの走行を円滑かつ容易に行なうことが可能となる。
【0061】
また特に下側の第1電極7Aについては、これを複数の電極ローラ21Aによって構成することによって、図2に示したように第1電極7Aを分割構造とした場合と同様な効果が得られる。すなわち第1電極7Aを構成する各電極ローラ21Aの相互の間では間隙(スリット)17が存在するから、図2の例について説明したと同様に、その間隙17から過剰な水分を排出することができ、そのため食品材料の加熱不足が生じることを未然に防止できる。
【0062】
なお下側の第1電極7Aを構成する複数の電極ローラ21A、上側の第2電極7Cを構成する複数の電極ローラ21Bは、それぞれ単に回転自在に支持するだけではなく、外部から図示しない回転駆動源により回転力を与えて、透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bの走行と同期して回転するように構成しても良い。
【0063】
さらに図1に示される装置における下側の第1電極7Aあるいは図3に示される装置の下側の第1電極7Aと上側の第2電極7Cとのうち一方または双方をキャタピラ状の電極で構成して、透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aもしくは第2の帯状走行体1Bがそのキャタピラ状電極とともに走行するように構成しても良く、その場合の一例を図8に示す。
【0064】
図8において、下側の第1電極7Aは、平行に配列された多数の短い平板状の電極片(キャタピラ片)23Aの幅方向両側を無端環状の走行用チェーン25Aに小間隔を置いて取付けて、キャタピラ状に構成したものであり、その走行用チェーン25Aが左右の駆動用スプロケット27A,27Bに巻掛けられて、図示しない駆動手段によって連続的に走行せしめられるようにしている。そしてこのようにキャタピラ状に構成された第1電極7Aの外周上に透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aが巻掛けられている。一方上側の第2電極7Cも、平行に配列された多数の短い平板状の電極片23Bの幅方向両側を無端環状の走行用チェーン25Bに小間隔を置いて取付けて、キャタピラ状に構成したものであり、その走行用チェーン25Bが左右の駆動用スプロケツト29A,29Bに巻掛けられて、図示しない駆動手段によって連続的に走行せしめられるようになっている。そしてこのようにキャタピラ状に構成された第2電極7Cの外周上に透水性フイルムからなる第2の帯状走行体1Bが巻掛けられている。
【0065】
このような図8の例においては、キャタピラ状の第1電極7A、第2電極7Cが走行するに伴なって透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bも走行することになり、したがってキャタピラ状の第1電極7A、第2電極7Cを走行させるための駆動手段が、透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bを走行させるための駆動手段を兼ねていることになる。また特に下側のキャタピラ状の第1電極7Aについては、図2に示した例と同様に各電極片23Aの間にスリット17が存在するため、過剰な水分を排出する作用を得ることができる。
【0066】
なお図8の例においても、第1の食品材料9A、第2の食品材料9Bの供給位置関係、およびキャタピラ状の各電極7A,7Cの走行に伴なう透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bの走行方向、走行速度については、図3〜図5の各例について説明したと同様な3種類の態様を適用することができる。
【0067】
ここで、図8の例では、第1電極7A、第2電極7Cの両者をキャタピラ状に構成しているが、場合によってはいずれか一方の電極については図3〜図5に示すように平板状の電極で構成し、他方の電極のみを図8の例と同様にキャタピラ状の電極で構成しても良い。
【0068】
また図8の例は、図3〜図5の例に対応するものであるが、図1に示したように上側の電極として押え部材兼第2電極7Bを用いた場合においても、下側の第1電極7Aとして図8に示すようなキャタピラ状の電極を用い得ることはもちろんである。
【0069】
以上の各例では、帯状走行体1A,1Bとして透水性フイルムを用い、その帯状走行体1A,1Bの背面に電極を配置して、各電極から透水性フイルムからなる帯状走行体1A,1Bを介して食品材料に通電されるように構成しているが、場合によっては帯状走行体1A,1Bのうちの一方または双方を、金属ベルトなどの導電性を有する無端環状のものを用いても良く、その場合には帯状走行体が電極を兼ねることができる。その例を図9に示す。
【0070】
図9の例は、図1の例に対応するものであって、可撓性を有する金属などの導電性無端環状ベルトからなる第1の帯状走行体1Aは、左右の走行駆動用プーリ31A,31Bに巻掛けられていて、この第1の帯状走行体1Aが下側の第1電極を兼ねている。なお上側の押え部材兼第2電極7Bは、図1の例と同様に構成されている。そして第1の帯状走行体1Aと押え部材兼第2電極7Bとが電源装置13に電気的に接続されている。
【0071】
そのほか、図3〜図5の各例における下側の第1帯状走行体1Aと上側の第2帯状走行体1Bとのうち、一方または双方として導電性ベルトを用いてこれを電極と兼ねても良い。
【0072】
但し、上述のように導電性材料、例えば金属からなるベルトは、たとえ可撓性を有していても、布やネットなどの透水性フイルムと比較すれば格段に可撓性が劣り、しかも高価であるから、耐久性、コストの点から問題が生じることがある。これに対し布やネットなどの透水性フイルムは、一般に大きな可撓性を有しており、また引張り強度では金属などと比較して劣るものの、それ自体のコストは金属のベルトと比較して格段に安価であり、したがって実用上は耐久性、コストの点で特に問題となることはない。したがって金属ベルトを用いるよりも、図1〜図8に示したように透水性フイルムを用いてこれを固定電極あるいはローラ状電極もしくはキャタピラ状電極と組合せて使用することが望まれる。
【0073】
もちろん、図9に示すような金属ベルトを用いてこれを電極と兼ねた場合にも、その金属ベルトの外周上に透水性フイルムを巻掛けて、透水性フイルムが金属ベルトとともに走行するように構成することもできる。
【0074】
さらに各帯状走行体1A,1Bとしては、図9に示すような無端環状の金属ベルトに代えて、アルミニウム箔などの導電性金属箔からなるフイルムを用いることもでき、その場合の代表的な例を図10に示す。
【0075】
図10において、下側の第1の帯状走行体1Aおよび上側の第2の帯状走行体1Bはいずれも金属フイルムによって構成されており、この金属フイルムからなる帯状走行体1A,1Bは、それぞれ供給側ロール41A;41Bから連続的に繰出され、巻取側ロール43A;43Bによって連続的に巻取られるようになっている。そしてこれらの金属フイルムからなる帯状走行体1A,1Bは既に述べた第1電極7A、第2電極7Cを兼ねている。なおこの場合図10中の鎖線で示すように、下側の第1の帯状走行体1Aの背面(下面)、上側の第2の帯状走行体1Bの背面(上面)を支持するための絶縁性の基台45A,45Bを設けても良い。
【0076】
このように金属フイルムを帯状走行体として用いてこれを電極と兼ねる場合、電極を使い捨てとすることもできるため、無端環状金属ベルトを用いた場合のような耐久性は要求されない。またこの場合、使い捨てとすることによって電極表面の汚れが問題となることも少ない。
【0077】
以上の各例の説明においては、第1の食品材料9Aと第2の食品材料9Bとを複合一体化しかつ円柱状に成形すると同時に、食品材料に対する通電加熱を行なうものとしたが、場合によっては通電加熱は行なわず、複合一体化および円柱状成形のみを行なっても良い。この場合電源装置は不要となり、また各例における電極を省くことができ、さらには帯状走行体を電極と兼ねる必要もなくなる。そしてまたこの場合、帯状走行体1Aあるいは1Bとしては、ゴムもしくは合成樹脂等の絶縁性のものを用いることができる。
【0078】
但し、魚肉すり身の如く加熱によってゲル化する性質のものを対象とする場合は、既に述べたように加熱によって次第に硬化して保形性が高まるため、複合一体化・円柱状成形と加熱とを同時に行なうことによって、断面が真円に近い円柱状に成形することが可能となるから、通電加熱を同時に行なうことが望ましい。
【0079】
さらに前述の説明では、第2の食品材料9Bとして偏平な形状のものを用い、円柱状の第1の食品材料9Aの外周上へ偏平な第2の食品材料9Bを巻付けて、中心部の第1の食品材料の外周上に第2の食品材料が位置する複合食品を得るものとしたが、第2の食品材料9Bとして団子状あるいは塊状、さらには円柱状などの任意の形状のものを用いても良く、この場合はランダムに第1の食品材料と第2の食品材料とが接合一体化した円柱状複合食品を得ることができる。
【0080】
そしてまた、この発明の方法を応用すれば、予め第1の食品材料9Aを円柱状に成形しておく工程を、その後の複合一体化・円柱状成形の工程と連続して行なうことができる。その場合の例を図11に示す。
【0081】
図11に示す例は、図3に示す装置の構成を基本とし、これに第1の食品材料9Aを予め円柱状に成形するための構成を付加したものであって、図11の右側約半分の部分、すなわち食品材料供給領域11より右側の部分は、図3に示した構成と同様である。そして透水性フイルムからなる第1の帯状走行体1Aは、食品材料供給領域11よりも左側、すなわち走行方向手前の側に延長されており、その部分の上面側に、第3の帯状走行体1Cがほぼ水平に配設されている。この第3の帯状走行体1Cは左右のプーリ53A,53Bに巻掛けられて、図示しない走行駆動手段によりほぼ水平に連続走行するように構成されている。またこの第3の帯状走行体1Cにおける下面側走行部分の背面(上面)には、必要に応じて例えば平板状の第3電極7Dが配設されている。そして第3の帯状走行体1Cよりも左側の部分(入口側の部分)の第1の帯状走行体1Aの走行系路の上面側は、成形前の第1の食品材料9Aを供給するための予備供給領域50とされている。なお第3の帯状走行体1Cは、第2の帯状走行体1Bと同じ走行方向、走行速度に定められている。
【0082】
図11に示す例の場合、塊状もしくは団子状など、任意の形状の第1の食品材料9Aが第1の帯状走行体1Aの左端部付近の予備供給領域50に供給される。但し予備供給領域50に供給される第1の食品材料9Aの高さH3 は、第1の帯状走行体1Aと第3の帯状走行体1Cとの対向面間の間隔よりも若干大きくなるように定められている。
【0083】
予備供給領域50に供給される第1の食品材料9Aは、第1の帯状走行体1Aの右方向走行に伴なって右方へ搬送されて、第1の帯状走行体1Aと第3の帯状走行体1Cとの対向面間に至る。この対向面間においては、両帯状走行体1A,1Cの走行速度差によって第1の食品材料9Aに反時計方向への回転力が与えられて、反時計方向へ転動しつつ右方へ移動することになる。そしてこの転動によって第1の食品材料9Aは断面が真円もしくは真円に近い円柱状に成形される。
【0084】
このようにして円柱状に成形された第1の食品材料9Aは、第1および第3の帯状走行体1A,1Cの対向面間から右方へ排出されて既に述べた食品材料供給領域11に至る。この食品材料供給領域11においては、既に述べたように第2の食品材料9Bが、第1の食品材料1Aよりも後方において走行するように供給される。
【0085】
その後のプロセスについては既に述べたと同様であり、第1の帯状走行体1Aと第2の帯状走行体1Bとの対向面間において第1の食品材料9Aと第2の食品材料9Bとが複合一体化されるとともに円柱状に成形される。
【0086】
なお図11の場合も、第1電極7Aと第3電極7Dとの間に電圧を加えることにより、第1および第3の帯状走行体1A,1Cの対向面間で第1の食品材料を通電加熱しながら円柱状に成形することができるが、もちろんこのプロセスでは通電加熱を行なわないようにしても良い。通電加熱を行なわない場合には、第3の帯状走行体1Cとしてはゴムや合成樹脂などの絶縁性のものを用いることができる。
【0087】
なお第3の帯状走行体1Cの走行方向、走行速度は、図4あるいは図5の例における第2の帯状走行体1Bと同様に設定しても良い。また第3の電極7Dについても、既に述べたようなローラ状電極群あるいはキャタピラ状電極によって構成しても良いことはもちろんである。
【0088】
【発明の効果】
この発明の方法によれば、二種以上の食品材料を複合一体化した円柱状の複合食品を製造するにあたって、押出機の如く高価な装置を必要とせずに複合一体化および円柱状成形を自動的に行なうことができ、そのため低コストかつ高い生産性で円柱状複合食品を製造することができる。またこの発明の方法によれば、円柱状複合食品を製造するにあたって、複合一体化および円柱状成形の工程と加熱工程とを同時に行なうことができ、そのためそれぞれを別工程で行なう場合と比較して格段に生産性を向上させることができるとともに、製造設備の小型化、短尺化を図ることができ、特に中心部の食品と外層側の食品とを異ならしめた二重円柱状の複合食品を製造する場合には、これらの効果を有効に発揮することができる。またこの発明の方法では、加熱のために通電加熱を用いることができるため、複合食品材料が内部から発熱して温度上昇し、そのため短時間で均一に加熱することができ、したがってこのことも生産性の向上、設備の小型化に寄与している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施している状況の第1の例を示す略解的な側面図である。
【図2】この発明の方法を実施している状況の第2の例を示す略解的な側面図である。
【図3】この発明の方法を実施している状況の第3の例を示す略解的な側面図である。
【図4】この発明の方法を実施している状況の第4の例を示す略解的な側面図である。
【図5】この発明の方法を実施している状況の第5の例を示す略解的な側面図である。
【図6】この発明の方法を実施している状況の第6の例を示す略解的な側面図である。
【図7】この発明の方法を実施している状況の第7の例を示す略解的な側面図である。
【図8】この発明の方法を実施している状況の第8の例を示す略解的な側面図である。
【図9】この発明の方法を実施している状況の第9の例を示す略解的な側面図である。
【図10】この発明の方法を実施している状況の第10の例を示す略解的な側面図である。
【図11】この発明の方法を実施している状況の第11の例を示す略解的な側面図である。
【符号の説明】
1A 第1の帯状走行体
1B 第2の帯状走行体
7A 第1電極
7B 押え部材兼第2電極
7C 第2電極
9 複合食品材料
9A 第1の食品材料
9B 第2の食品材料
11 食品材料供給領域
Claims (7)
- 水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向するほぼ水平な面を有する押え部材を配設しておき;
前記第1の帯状走行体を連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と押え部材との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1の帯状走行体と押え部材との対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1の帯状走行体と押え部材との対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1の食品材料が押え部材により第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。 - 水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が同方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも低くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。 - 水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が同方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも高くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第2の食品材料が第1の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に前方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその前方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。 - 水平に連続走行するように第1の帯状走行体を配設しておき、その第1の帯状走行体の走行系路における走行方向後端側の領域を食品材料供給領域とし、第1の帯状走行体の走行系路における前記食品材料供給領域よりも走行方向前方の位置に、第1の帯状走行体の上面に対向してほぼ水平に連続走行するように第2の帯状走行体を配設しておき;
前記第1の帯状走行体と第2の帯状走行体とを、相互に対向する面が反対方向に走行するようかつ第2の帯状走行体の走行速度が第1の帯状走行体の走行速度よりも低くなるように設定して連続走行させ;
前記食品材料供給領域において、第1の食品材料と第2の食品材料とを、第1の帯状走行体上の第1の食品材料の高さが第1の帯状走行体と第2の帯状走行体との対向面間の間隔よりも大きくかつ第2の食品材料の高さが前記対向面間の間隔よりも小さくなるように、しかも第1の食品材料が第2の食品材料よりも前方を走行するように、それぞれ第1の帯状走行体上に供給して、これらの食品材料を第1および第2の帯状走行体の対向面間へ向けて連続的に搬送させ;
前記第1の食品材料が第1および第2の帯状走行体の対向面間に至ったときに、第1の食品材料が前記対向面間に挟まれて、第1および第2の帯状走行体の走行方向の相異および走行速度の差により第1の食品材料が第1の帯状走行体に対し相対的に後方へ転動せしめられ、これにより第1の食品材料がその後方を走行する第2の食品材料に押し付けられて、第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化されるとともに、複合一体化された複合食品材料が前記対向面間で続けて転動されることにより、複合食品材料が全体として円柱状に成形されるようにしたことを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の円柱状複合食品の製造方法において、前記第1の食品材料および第2の食品材料を食品材料供給位置においてそれぞれ第1の帯状走行体上に供給するにあたって、第1の食品材料については、予め円柱状に成形した状態でその軸線が第1の帯状走行体の走行方向に対し直交しかつ水平方向に沿うように供給し、一方第2の食品材料については偏平状に供給し、これにより前記対向面間で第1の食品材料と第2の食品材料とが複合一体化する際に、円柱状の第1の食品材料の周囲に、第2の食品材料が巻付けられるようにして、最終的に第1の食品材料を中心部に有しかつ外周側に層状に第2の食品材料を有する円柱状複合食品を得ることを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の円柱状複合食品の製造方法において、第1の帯状走行体と押え部材もしくは第2の帯状走行体との間に電圧を加え、これにより第1の帯状走行体と押え部材もしくは第2の帯状走行体との対向面間に挟まれながら転動する食品材料に対して通電加熱を行なうようにしたことを特徴とする、円柱状複合食品の製造方法。
- 請求項6に記載の円柱状複合食品の製造方法において、前記対向面間に電圧を加えるにあたり、前記各帯状走行体の少なくとも一方を透水性フイルムによって構成し、かつその透水性フイルムの背面側に電極を配置して、その電極から透水性フイルムを介して食品材料に通電するようにした、円柱状複合食品の製造方法。
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