JPH11155530A - 円柱状食品の製造方法および装置 - Google Patents

円柱状食品の製造方法および装置

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JPH11155530A
JPH11155530A JP9339403A JP33940397A JPH11155530A JP H11155530 A JPH11155530 A JP H11155530A JP 9339403 A JP9339403 A JP 9339403A JP 33940397 A JP33940397 A JP 33940397A JP H11155530 A JPH11155530 A JP H11155530A
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electrodes
food material
food
pair
water
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Hiroshi Hoshino
弘 星野
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Frontier Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牛蒡巻などの練製品巻き物で代表される円柱
状複合食品など、円柱状をなす食品を製造するにあたっ
て、その生産性を向上させるとともに、製造設備の小型
化を図る。 【解決手段】 ペースト状の軟質食品材料を円柱状に整
形するとともに、そのペースト状の軟質食品材料を加熱
硬化させて円柱状食品を製造するにあたり、整形・加熱
前の食品材料を一対の電極間に位置させ、その一対の電
極間に電圧を加えて食品材料に通電させることにより食
品材料を加熱すると同時に、一対の電極間において少な
くとも一方の電極の側から食品材料に回転力を与えて食
品材料を転動させることにより食品材料を円柱状に整形
することを特徴とする、円柱状食品の製造方法およびそ
の装置。特に芯材の周囲にペースト状の軟質食品材料を
配して複合円柱状に整形および通電加熱するに適してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、魚肉練製品など
の円柱状(丸棒状)の食品の製造方法および装置に関
し、特に牛蒡(ごぼう)などの野菜類、あるいは海老、
烏賊の足(げそ)などの魚介類、その他の各種の固形食
品材料などを芯材とし、その周囲に魚肉すり身などのペ
ースト状軟質食品材料を巻付けて円柱状に整形するとと
もに、そのペースト状の軟質食品材料を加熱硬化させ
て、牛蒡巻あるいは海老巻、げそ巻などの筒状複合食品
を製造するに適した方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】おでん種などとして知られる練製品の一
種である牛蒡巻は、牛蒡を芯材とし、その周囲にすり身
を巻付けて円柱状に整形し、加熱してすり身をゲル化
(硬化)させたものであり、一般には“巻き物”と称さ
れており、牛蒡巻のほか海老巻、げそ巻など、種々のも
のが知られている。
【0003】この種の巻き物の製造方法としては、短冊
状に切断して必要に応じ予め茹でた牛蒡などの芯材の外
周上に偏平な魚肉すり身を付着させ、全体として円柱状
をなすように整形した後、高温蒸気やガスなどの外部熱
源を用いて外側から加熱して魚肉すり身をゲル化(硬
化)させ、その後必要に応じて焼色を付けたりするため
に外面側から焼いたり、あるいは油で揚げたりする方法
が一般的である。なおこの場合芯材の外周上に魚肉すり
身を付着させて円柱状に整形する工程は、偏平な魚肉す
り身の中央に芯材を配置し、魚肉すり身を折り畳むよう
にして巻付け、その後必要に応じて平板上を転動させて
円柱状に整形したり、あるいは中空円筒状のリテーナ内
に挿入したりすることによって行なうのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の牛
蒡巻などの巻き物の製造方法では、円柱状に整形した後
に、外部熱源を用いて外側から加熱する方式を適用して
いるが、このような外側から加熱する方式では、内部ま
で均一に温度上昇しにくく、そのため内部の温度上昇が
遅れ、内部まで充分にゲル化させるためには長時間を要
し、そのため生産性が低くならざるを得ないとともに、
設備も大型化せざるを得ない問題がある。
【0005】ところで最近では魚肉練製品のうちでも蒲
鉾などの製造については、魚肉すり身を所定の形状に成
形した後、電極で挟んで通電し、すり身の有する電気抵
抗により内部から発熱させる所謂ジュール加熱(通電加
熱)を適用する方法が開発・実用化されている。このよ
うな通電加熱方式によれば、すり身がその内部から発熱
するため、すり身全体を均一かつ短時間で温度上昇させ
ることができる。そこで前述のような牛蒡巻などの巻き
物の製造についても、牛蒡などの芯材を中心として魚肉
すり身を円柱状に整形した後の加熱手段として通電加熱
を適用すれば、生産性の向上、設備の小型化が図られる
と考えられる。
【0006】しかしながら、牛蒡巻などの巻き物は、通
常の蒲鉾とは形態が全く異なり、中心部に牛蒡などの芯
材が配置されて全体として円柱状をなすという特殊な形
態であるため、通電加熱を適用しにくいと考えられてお
り、そのため従来は巻き物の製造には通電加熱が適用さ
れていなかったのが実情である。
【0007】また一方、前述のような従来の牛蒡巻など
の巻き物の製造方法では、芯材を中心に配置して円柱状
に整形する工程と、その後の加熱工程とが全く別の工程
とされている。そして巻き物の製造における生産性の向
上、装置の小型化も、整形工程と加熱工程とを飽くまで
別工程とすることを前提として考えられていたに過ぎな
い。しかしながらこのような発想では、生産性の向上、
装置の小型化にも限界がある。
【0008】そこで本発明者等は、牛蒡巻などの巻き物
の製造について、生産性の向上、装置の小型化を図り得
る方法、装置を開発するべく鋭意実験・検討を重ねた結
果、牛蒡などの芯材を中心に配置してすり身を円柱状に
整形しながらすり身に通電加熱することによって、すり
身に対する通電加熱を円滑に行なうことが可能となり、
しかも整形工程と通電加熱工程とを兼ねて一工程で整形
・加熱を行なうことによって、従来よりも大幅な生産性
の向上と設備の小型化を図り得ることを見出し、この発
明をなすに至ったのである。
【0009】したがってこの発明は、牛蒡巻で代表され
る魚肉練製品巻き物、そのほか各種の食品材料を芯材と
してその周囲に魚肉すり身などのペースト状軟質食品材
料を巻付けて円柱状に整形するとともに、そのペースト
状の軟質食品材料を加熱硬化させて円柱状の複合食品を
製造するにあたり、従来よりも大幅な生産性の向上と設
備の小型化を図ることを主な目的としたものである。
【0010】なおこの発明では、上述のような芯材を備
えている複合食品のみならず、全体が練製品からなる円
柱状の食品を製造する場合についても、前記同様に従来
よりも大幅な生産性の向上と設備の小型化を図ることを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の円柱状
食品の製造方法は、ペースト状の軟質な食品材料を円柱
状に整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材
料を加熱硬化させる円柱状食品の製造方法において、整
形・加熱前のペースト状の軟質な食品材料を一対の電極
間に位置させ、その一対の電極間に電圧を加えて食品材
料に通電させることにより食品材料を加熱すると同時
に、一対の電極間において少なくとも一方の電極の側か
ら食品材料に電極面とほぼ平行な軸線を中心とした回転
力を与えて食品材料を転動させることにより食品材料を
円柱状に整形することを特徴とするものである。
【0012】また請求項2の発明は、特に牛蒡巻などの
巻き物で代表される円柱状複合食品を製造するための方
法についてのものである。具体的には請求項2の発明
は、請求項1に記載の円柱状食品の製造方法において、
整形・加熱前のペースト状の軟質食品材料の内側に予め
別の食品材料からなる芯材を挿入しておき、その複合食
品材料を一対の電極間に位置させるにあたり、芯材が電
極面とほぼ平行となるように位置させ、かつ一対の電極
間に電圧を加えて通電加熱すると同時に少なくとも一方
の電極の側から複合食品材料に回転力を与えるにあた
り、芯材の長さ方向の軸線を中心とした回転力を与えて
複合食品材料を転動させ、これによって芯材を中心とす
る円柱状の複合食品を製造するものである。
【0013】また請求項3の発明の円柱状食品の製造方
法は、請求項1もしくは請求項2に記載の円柱状食品の
製造方法において、一対の電極間に整形・加熱前の食品
材料を位置させるにあたり、少なくとも一方の電極の表
面と食品材料との間に透水性フイルムを介在させた状態
で食品材料を電極間に位置させ、前記透水性フイルムを
電極表面に沿って走行させることによりその透水性フイ
ルムに接する食品材料に対して回転力を与えるととも
に、透水性フイルムを介して食品材料に通電することを
特徴とするものである。
【0014】なおここで、透水性フイルムとは、例えば
布、ネット(網)、不織布、紙、セロファン等のように
水分を吸収する性質を有する薄膜であればどのようなも
のでも良く、通常、親水性フイルム、吸水性フイルム、
あるいは保水性フイルム等と称される種々の膜材を用い
ることができ、この明細書においてはこれらの膜材を総
称して透水性フイルムと称している。
【0015】さらに請求項4の発明の円柱状食品の製造
方法は、請求項1もしくは請求項2に記載の円柱状食品
の製造方法において、一対の電極間に整形・加熱前の食
品材料を位置させるにあたり、少なくとも一方の電極の
表面と食品材料との間に透水性フイルムを介在させた状
態で食品材料を電極間に位置させ、その透水性フイルム
を電極とともに走行させることにより透水性フイルムに
接する食品材料に回転力を与えるとともに、透水性フイ
ルムを介して食品材料に通電することを特徴とするもの
である。
【0016】さらに請求項5の発明の円柱状食品の製造
方法は、請求項3もしくは請求項4に記載の円柱状食品
の製造方法において、前記透水性フイルムに水分を与え
て湿潤させながら走行させることを特徴とするものであ
る。
【0017】一方請求項6の発明の円柱状食品の製造装
置は、ペースト状の軟質な食品材料を付着させて円柱状
に整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料
を加熱硬化させる円柱状食品の製造装置において:ほぼ
平行に配置された一対の電極と;前記一対の電極間に電
圧を加えるための電源装置と;前記一対の電極のうち、
一方の電極の表面に沿って配置された透水性フイルム
と;前記透水性フイルムを前記一対の電極間の入口側か
ら出口側へ向い電極表面に沿って走行させるための走行
駆動手段;とを有してなり、整形・加熱前のペースト状
の軟質な食品材料を、前記一対の電極間の入口側から一
方の電極表面の透水性フイルムと他方の電極表面との間
に挿入し、前記透水性フイルムを入口側から出口側へ向
けて走行させることにより食品材料を転動させつつ前記
一対の電極間に電圧を加えて透水性フイルムを介し食品
材料に通電するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0018】また請求項7の発明の円柱状食品の製造装
置は、ペースト状の軟質な食品材料を円柱状に整形する
とともに、そのペースト状の軟質な食品材料を加熱硬化
させる円柱状食品の製造装置において:ほぼ平行に配置
された一対の電極と;前記一対の電極間に電圧を加える
ための電源装置と;前記各電極の表面に沿って配置され
た一対の透水性フイルムと;前記各透水性フイルムを、
前記一対の電極間の入口側から出口側へ向い各電極の表
面に沿って相対的に速度差をもって走行させるための走
行駆動手段;とを有してなり、整形・加熱前のペースト
状の軟質な食品材料を、前記一対の電極間の入口側から
前記一対の透水性フイルムの間に挿入し、各透水性フイ
ルムを入口側から出口側へ向けて速度差をもって走行さ
せることにより食品材料を転動させつつ前記一対の電極
間に電圧を加えて透水性フイルムを介し食品材料に通電
するようにしたことを特徴とするものである。
【0019】そしてまた請求項8の発明の円柱状食品の
製造装置は、ペースト状の軟質な食品材料を円柱状に整
形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料を加
熱硬化させる円柱状食品の製造装置において:ほぼ平行
に配置された一対の電極と;前記一対の電極間に電圧を
加えるための電源装置と;前記各電極の表面に沿って配
置された一対の透水性フイルムと;前記一対の透水性フ
イルムのうち一方の透水性フイルムを、前記一対の電極
間の入口側から出口側へ向い各電極表面に沿って走行さ
せるとともに、他方の透水性フイルムを前記一対の電極
間の出口側から入口側へ向って前記一方の透水性フイル
ムの走行速度よりも低い走行速度で走行させるための走
行駆動手段;とを有してなり、整形・加熱前のペースト
状の軟質な食品材料を、前記一対の電極間の入口側から
前記一対の透水性フイルムの間に挿入し、各透水性フイ
ルムを互いに逆方向へ速度差をもって走行させることに
より食品材料を入口側から出口側へ向けて転動させると
同時に、前記一対の電極間に電圧を加えて透水性フイル
ムを介し食品材料に通電するようにしたことを特徴とす
るものである。
【0020】また請求項9の発明の円柱状食品の製造装
置は、請求項6、請求項7、請求項8のいずれかに記載
の円柱状食品の製造装置において:前記ペースト状の軟
質な食品材料とは別の食品材料を芯材とし、その周囲に
ペースト状の軟質な食品材料を付着させて円柱状に整形
するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料を加熱
硬化させるためのものであり;ペースト状の軟質な食品
材料の内側に別の食品材料からなる芯材を挿入した整形
・加熱前の複合食品材料を、その芯材の軸線を中心とし
て電極間で転動させるようにしたことを特徴とするもの
である。
【0021】さらに請求項10の発明の円柱状食品の製
造装置は、請求項6、請求項7、請求項8のいずれかに
記載の円柱状食品の製造装置において、前記一対の電極
の間隔を、入口側よりも出口側が狭くなるようにテーパ
ー状に設定したことを特徴とするものである。
【0022】また請求項11の発明の円柱状食品の製造
装置は、請求項6、請求項7、請求項8のいずれかに記
載の円柱状食品の製造装置において、前記一対の電極の
うち、少なくとも一方の電極を平板状の固定された電極
によって構成したことを特徴とするものである。
【0023】また請求項12の発明の円柱状食品の製造
装置は、請求項6、請求項7、請求項8のいずれかに記
載の円柱状食品の製造装置において、前記一対の電極の
うち、少なくとも一方の電極が、回転可能な複数の電極
ローラを平行に配列してなる電極ローラ群によって構成
されていることを特徴とするものである。
【0024】また請求項13の発明の円柱状食品の製造
装置は、請求項6、請求項7、請求項8のいずれかに記
載の円柱状食品の製造装置において、前記一対の電極の
うち、一方を上方に、他方を下方に配置し、かつ少なく
とも下側の電極の表面に沿って前記透水性フイルムが走
行するように透水性フイルムを配置し、しかも下側の電
極を分割構造として、隣り合う各区分電極の間にスリッ
トを形成したことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】図1には、例えば固形食品材料などを芯材と
する複合円柱状食品を製造する場合にこの発明の製造方
法を適用した一例を、この発明の製造装置の一例ととも
に概略的に示す。
【0027】図1において、全体として長板状をなす電
極1A,1Bが上下に所定間隔を置いてほぼ水平かつ相
互にほぼ平行に配設されている。これらの電極1A,1
Bには、高周波電源あるいは商用交流電源などの電源装
置2が電気的に接続されており、上側電極1A、下側電
極1Bとの間に電圧が加えられるようになっている。ま
た下側の電極1Bに対しては、その表面(上側表面)に
沿うように、透水性フイルム3、例えば吸水性を有する
布もしくはネットが配設されている。この透水性フイル
ム3は、全体として無端環状をなすように作られてお
り、下側電極1Bの左右に配設された走行駆動用プーリ
5A,5Bに巻掛けられて、下側電極1Bの表面に沿い
その長手方向(図1の右方から左方)へ向って走行する
ようになっている。なおこれらの走行駆動用プーリ5
A,5Bのうち少なくとも一方は図示しないモータ等か
らなる回転駆動源に連結されている。さらに透水性フイ
ルム3に対しては、水や塩水などの水分を与えるための
湿潤手段7が対設されている。この湿潤手段7は、例え
ば水や塩水を透水性フイルム3上にスプレーもしくは滴
下させたり、あるいは透水性フイルム3を水や塩水中に
浸漬させるなどの構成とすれば良い。
【0028】ここで、電極1A,1Bの配置関係につい
ては、前述の説明では“ほぼ水平かつ相互にほぼ平行”
と記載したが、これは厳密に水平かつ相互に厳密に平行
である必要はないことを意味する。すなわち、図1の例
では、下側電極1Bは水平に配置しているが、上側電極
1Aは入口側(図1の右端側)から出口側(図1の左端
側)へ向ってわずかに下降するように配設しており、こ
のように上側電極1Aをわずかに傾斜状に設置すること
によって、電極1A,1B間の間隔Wが入口側から出口
側へ向けてテーパー状に狭くなっており、このような場
合をもこの発明では含むこととする。なお図1において
は図示の都合上電極間間隔Wのテーパーをかなり極端に
示しているが、実際のテーパーはほんのわずかであり、
例えば上側電極1Aの勾配として0.1〜5%程度のテ
ーパーとすることが望ましい。
【0029】図1に示される構成において、魚肉すり身
などのペースト状の軟質食品材料9の内側に例えば牛蒡
のような棒状固形食品材料などからなる芯材11を内側
に挿入した整形・加熱前の複合食品材料13は、下側電
極1Bの右端部に相当する部位の透水性フイルム3上に
供給される。ここで、上記の整形・加熱前の複合食品材
料13は、例えば芯材を内側にして偏平なシート状の軟
質食品材料を折込んだ形状とされている。なお複合食品
材料13を供給するにあたっては、その芯材11が下側
電極1Bの電極面とほぼ平行となりかつ透水性フイルム
3の走行方向に対しほぼ直角となるように配置される。
【0030】上述のようにして下側電極1Bの右端部の
透水性フイルム3上に供給された整形・加熱前の複合食
品材料13は、透水性フイルム3の走行に伴なって左方
へ搬送され、下側電極1B上の透水性フイルム3と上側
電極1Aとの間に挟まれる状態となる。このとき、透水
性フイルム3は左方へ連続的に走行している一方、上側
電極1Aは固定されているから、複合食品材料13には
図1の時計方向への回転力が与えられる。したがって複
合食品材料13は上側電極1Aと透水性フイルム3との
間で図1の時計方向へ自転しながら左方へ移動せしめら
れる。このようにして複合食品材料13は転動しつつ図
1の左方へ搬送され、その転動によって外周面の形状が
次第に整形され、最終的に真円もしくは真円に近い断面
形状を有する円柱状に整えられることになる。
【0031】ここで、図1の例では上側電極1Aを入口
側(右側)から出口側(左側)へ向って若干下降するよ
うに配設して、上側電極1Aと下側電極1Bとの間の間
隔Wが入口側から出口側へ向ってテーパー状にわずかに
狭くなる構成としているため、複合食品材料13を電極
1A,1B間の入口側において電極1A,1Bに容易に
喰い込ませることが可能となり、しかも複合食品材料1
3は入口側から出口側へ向って転動するに従って次第に
全体的に丸く細くなって、断面形状がより真円に近い円
柱状に整形することが可能となる。
【0032】一方上側電極1Aと下側電極1Bとの間に
は電源装置2によって電圧が加えられ、また透水性フイ
ルム3には水分によって導電性が与えられているから、
上側電極1Aと透水性フイルム3との間に挟まれて転動
する間に複合食品材料13に電流が流れ、その電気抵抗
によって発熱し、内部から温度上昇していわゆる通電加
熱がなされる。したがって例えば軟質食品材料9が魚肉
すり身の如く、加熱によってゲル化する性質を有するも
のである場合には、そのすり身の部分が通電加熱により
ゲル化して硬化することになる。そしてこの場合、ゲル
化によってすり身の部分の保形性が次第に高まって行く
ため、転動時に形状が崩れてしまうことを充分に防止し
て、断面形状がより真円に近い形状に整形することが可
能となる。またそのほか、通電加熱条件によっては、加
熱による殺菌の効果も期待することができる。
【0033】以上のようにして、複合食品材料13は図
1の右端側(入口側)から上下の電極1A,1B間(よ
り正確には上側電極1Aと透水性フイルム3との間)に
供給されて、その間を左方へ移動しつつ転動して断面が
真円もしくは真円に近い形状となるように円柱状に整形
されながら通電加熱がなされ、最終的に図1の左端側
(出口側)から排出される。
【0034】なお図1の例では下側電極1Bを全体とし
て一体な平板形状としているが、図2に示すように下側
電極1Bを複数の電極片(区分電極)15A〜15Eか
らなる分割構造とし、隣り合う各電極片間にスリット状
の間隙17を設けた構成としても良い。このように構成
すれば、湿潤手段7によって過剰な水分が透水性フイル
ム3に与えられた場合に、その過剰な水分を間隙17か
ら排出することができるため、過剰な水分が下側電極1
Bの表面に滞留して整形・加熱すべき複合食品材料13
の温度低下、すなわち加熱不足を招いてしまうことを未
然に防止することができる。
【0035】なお図2に示すように下側電極1Bを分割
構造とした場合についても、図1の例と同様に上側電極
1Aと下側電極1Bとの間隔Wが入口側から出口側へ向
ってテーパー状に狭くなるように構成することによっ
て、断面形状がより真円に近い円柱形状に整形するとが
できる。
【0036】さらに図1の例では透水性フイルム3を下
側の電極1Bの表面に沿って走行する構成としている
が、場合によっては逆に透水性フルイム3が上側の電極
1Aの表面(下側表面)に沿って走行するように構成し
ても良く、その一例を図3に示す。
【0037】図3の場合は、複合食品材料13は上側電
極1Aの表面を走行する透水性フイルム3と下側電極1
Bとの間に挟まれて、図3の反時計方向へ自転しつつ左
方へ搬送されて円柱状に整形され、かつその間に通電加
熱がなされることになる。但し図3の例の場合は、下側
電極1Bの側からは搬送力が与えられないから、整形・
加熱前の複合食品材料13を供給するにあたっては、こ
れを下側電極1Bと上側電極1A表面の透水性フイルム
3との間に押し込む必要がある。
【0038】なお図3に示す例の場合においても、図1
の例に準じて、上側電極1Aと下側電極1Bとの間の間
隔Wが入口側(図3の右側)から出口側(図3の左側)
へ向ってテーパー状に狭くなるように構成することが望
ましい。
【0039】さらに、以上の各例では透水性フイルム3
を上側電極1Aと下側電極1Bとのうちいずれか一方の
表面に沿って走行する構成としているが、場合によって
は一対の透水性フイルム3A,3Bを用い、上側電極1
Aの表面と下側電極1Bの表面とのそれぞれに沿って各
透水性フイルム3A,3Bが走行するように構成しても
良い。その場合の一例を図4に示す。
【0040】図4において、無端環状のベルト状をなす
吸水性を有する布やネット等の第1の透水性フイルム3
Aは上側電極1Aの左右の走行駆動用プーリ51A,5
1Bに巻掛けられて、上側電極1Aの表面に沿って図の
左方へ走行するように構成されている。また同じく無端
環状のベルト状をなす前記同様な第2の透水性フイルム
3Bは下側電極1Bの左右の走行駆動用プーリ52A,
52Bに巻掛けられて、下側電極1Bの表面に沿って図
の左方へ走行するように構成されている。そして上側の
第1の透水性フイルム3Aおよび下側の第2の透水性フ
イルム3Bの両者に対してそれぞれ前記同様な湿潤手段
7が配設されている。ここで、下側の第2の透水性フイ
ルム3Bの走行速度は、上側の第1の透水性フイルム3
Aの走行速度よりも高くなるように設定されている。
【0041】図4に示される例では、複合食品材料13
は上側電極1A表面の透水性フイルム3Aと下側電極1
B表面の透水性フイルム3Bとの間に挟まれて図4の左
方へ搬送されることになるが、上側の透水性フイルム3
Aの走行速度よりも下側の透水性フイルム3Bの走行速
度の方が高いため、その走行速度差によって複合食品材
料13に図の時計方向への回転力が与えられ、その方向
へ自転しながら左方へ搬送せしめられることになる。同
時に、複合食品材料13には電極1A,1Bから透水性
フイルム3A,3Bを介して電流が流れ、通電加熱が行
なわれる。
【0042】なお図5の例では下側の透水性フイルム3
Bの走行速度を上側の透水性フイルム3Aの走行速度よ
りも高く設定しているが、場合によっては逆に上側の透
水性フイルム3Aの走行速度を下側の透水性フイルム3
Bの走行速度より高くしても良く、その例を図5に示
す。図5の場合には、複合食品材料13には反時計方向
の回転力が与えられ、その方向へ自転しながら図の左方
へ搬送されることになる。
【0043】なおまた、図4の例および図5の例のいず
れにおいても、図1に示したと同様に上側電極1Aと下
側電極1Bとの間隔Wを入口側(右側)から出口側(左
側)へ向って狭くなるようにテーパー状に設定すること
が望ましく、また図2に示したと同様に下側電極1Bを
分割構造として各区分電極間にスリットを形成した構成
としても良い。
【0044】さらに図6には、上側電極1Aの側の透水
性フイルム3Aの走行方向と下側電極1Bの側の透水性
フイルム3Bの走行方向とを互いに反対方向とした例を
示す。
【0045】図6の例では上側の透水性フイルム3Aは
上側電極1Aの表面に沿って搬送方向とは逆方向(すな
わち図の右方向)に走行するように設定され、一方下側
の透水性フイルム3Bは下側電極1Bの表面に沿って搬
送方向(図の左方向)と同方向に走行するように設定さ
れている。但し上側の透水性フイルム3Aの右方への走
行速度は、下側の透水性フイルム3Bの左方への走行速
度よりも低くなるように定められている。
【0046】このような図6の例においては、下側の透
水性フイルム3Bの左方への走行速度が上側の透水性フ
イルム3Aの右方への走行速度よりも高いため、その速
度差によって複合食品材料13に時計方向の回転力が与
えられ、かつ左方へ搬送せしめられる。すなわち複合食
品材料13は時計方向へ自転しながら入口側(右側)か
ら出口側(左側)へ向って搬送され、その間に整形され
ることになる。もちろんその間に複合食品材料に対して
通電加熱がなされることは前述の各例と同様である。
【0047】なお図6の例においても、図1の例と同様
に上下の電極間の間隔Wにテーパーを持たせることが望
ましく、また図2の例と同様に下側の電極を分割電極と
しても良いことはもちろんである。
【0048】前述の図1、図3〜図6の各例では、上下
の電極1A,1Bをそれぞれ平板状のものとし、また図
2の例では上側の電極を平板状のものとするとともに下
側の電極1Bを分割構造の平板状電極としているが、上
下の電極1A,1Bは、平板状のものに限らず、それぞ
れ複数のローラ状の電極からなるローラ電極群によって
構成しても良い。その場合の一例を図7に示す。
【0049】図7において、上側電極1Aは、それぞれ
少なくとも外周面を導電性材料によって形成した複数の
電極ローラ31Aによって構成されており、これらの複
数の電極ローラ31Aは、相互に平行となるように所定
間隔を置いて配列されかつそれぞれ水平な軸線を中心と
して回転可能となるように支持されている。また下側電
極1Bも、それぞれ少なくとも外周面を導電性材料によ
って構成した複数の電極ローラ31Bによって構成され
ており、これらの電極ローラ31Bも、相互に平行とな
るように所定間隔を置いて配列されかつそれぞれ水平な
軸線を中心として回転可能に支持されている。上側の複
数の電極ローラ31Aは、それぞれ電気的に電源装置2
の一方の端子に共通接続され、下側の複数の電極ローラ
31Bは、それぞれ電源装置2の他方の端子に電気的に
共通接続されている。そして上側の透水性フイルム3A
は上側の複数の電極ローラ31Aの外周面下側に接しな
がら走行するように、また下側の透水性フイルム3Bは
下側の複数の電極ローラ31Bの外周面上側に接しなが
ら走行するように配設されている。なおこの場合も、上
側の複数の電極ローラ31Aと下側の複数の電極ローラ
31Bとの上下方向の間隔Wは、入口側の間隔よりも出
口側の間隔がわずかに小さくなるように設定することが
望ましい。また、透水性フイルム3A,3Bの走行方
向、走行速度については、上下の透水性フイルム3A,
3Bの走行方向を同方向として、図4に示した例と同様
に下側の透水性フイル3Bの走行速度を上側の透水性フ
イルム3Aの走行速度よりも高く設定しても、あるいは
逆に図5に示した例と同様に上側の透水性フイルム3A
の走行速度を下側の透水性フイルム3Bの走行速度より
も高く設定しても良く、さらには図6に示した例と同様
に上下の透水性フイルム3A,3Bの走行速度を相互に
反対方向として下側の透水性フイルム3Bの走行速度を
上側の透水性フイルム3Aの走行速度よりも高く設定し
ても良い。
【0050】図7に示すように、上側電極1A、下側電
極1Bとしてそれぞれ複数の電極ローラ31A,31B
を用いた場合、各電極ローラ31A,31Bは透水性フ
イルム3A,3Bの走行に伴なって回転するため、電極
ローラ31A,31Bと透水性フイルム3A,3Bとの
間の摩擦抵抗を少なくして、透水性フイルム3A,3B
の走行を円滑かつ容易に行なうことが可能となる。
【0051】また特に下側電極1Bについては、これを
複数の電極ローラ31Bによって構成することによっ
て、図2に示したように下側電極1Bを分割構造とした
場合と同様な効果が得られる。すなわち下側電極1Bを
構成する各電極ローラ31Bの相互の間では隙間(スリ
ット)17が存在するから、図2の例について説明した
と同様に、その隙間17から過剰な水分を排出すること
ができ、そのため食品材料の加熱不足が生じることを未
然に防止できる。
【0052】なお上側の電極1Aを構成する複数の電極
ローラ31A、下側電極1Bを構成する複数の電極ロー
ラ31Bは、それぞれ単に回転自在に支持するだけでは
なく、外部から図示しない回転駆動源により回転力を与
えて、透水性フイルム3A,3Bの走行と同期して回転
するように構成しても良い。
【0053】さらに図7の例では、上側電極1A、下側
電極1Bの両者をそれぞれ複数の電極ローラ31A,3
1Bによって構成しているが、場合によっては上側電極
1A、下側電極1Bの一方のみを複数のローラ状の電極
によって構成しても良い。その場合の例を図8、図9に
示す。
【0054】図8は上側電極1Aを複数の電極ローラ3
1Aによって構成し、下側電極1Bは平板状の電極とし
た例を示し、図9は逆に下側電極1Bを複数の電極ロー
ラ31Bによって構成し、上側電極1Aは平板状の電極
とした例を示す。
【0055】また図8、図9の各例では、上面側、下面
側の両方に透水性フイルム3A,3Bを設けて、両者を
走行させる構成としているが、ローラ状の電極を用いる
場合においても、図1あるいは図2に示したように、上
面側、下面側のいずれか一方にのみ透水性フイルムを配
置しても良い。その場合の例を図10、図11に示す。
【0056】図10に示す例では、上側電極1Aは図1
の例と同様に平板状に形成し、下側の電極1Bを図7の
例と同様に複数の電極ローラ31Bによって構成して、
その電極ローラ31Bの上面に沿って透水性フイルム3
Bが走行するように構成している。
【0057】また図11に示す例では、下側電極1Bは
図2の例と同様に平板状の電極によって構成し、上側電
極1Aを図7の例と同様に複数の電極ローラ31Aによ
って構成して、その電極ローラ31Aの下面に沿って透
水性フイルム3Aが走行するように構成している。
【0058】さらに上側電極1A、下側電極1Bのいず
れか一方または双方を、キャタピラ状の電極で構成し
て、透水性フイルムがそのキャタピラ状電極とともに走
行するように構成しても良く、その場合の例を図12に
示す。
【0059】図12において、上側電極1Aは、平行に
配列された多数の短い平板状の電極片(キャタピラ片)
33Aの幅方向両側を無端環状の走行用チェーン35A
に小間隔を置いて取付けて、キャタピラ状に構成したも
のであり、その走行用チェーン35Aが左右の駆動用ス
プロケット37A,37Bに巻掛けられて、図示しない
駆動手段によって連続的に走行せしめられるようにして
いる。そしてこのようにキャタピラ状に構成された上側
電極1Aの外周上に透水性フイルム3Aが巻掛けられて
いる。一方下側電極1Bも、平行に配列された多数の短
い平板状の電極片33Bの幅方向両側を無端環状の走行
用チェーン35Bに小間隔を置いて取付けて、キャタピ
ラ状に構成したものであり、その走行用チェーン35B
が左右の駆動用スプロケツト39A,39Bに巻掛けら
れて、図示しない駆動手段によって連続的に走行せしめ
られるようになっている。そしてこのようにキャタピラ
状に構成された下側電極1Bの外周上に透水性フイルム
3Bが巻掛けられている。
【0060】このような図12の例においては、キャタ
ピラ状の上側電極1A、下側電極1Bが走行するに伴な
って透水性フイルム3A,3Bも走行することになり、
したがってキャタピラ状の上側電極1A、下側電極1B
を走行させるための駆動手段が、透水性フイルム3A,
3Bを走行させるための駆動手段を兼ねていることにな
る。また特に下側のキャタピラ状の電極1Bについて
は、図2に示した例と同様に各電極片33Bの間にスリ
ット17が存在するため、過剰な水分を排出する作用を
得ることができる。
【0061】なお図12の例においても、キャタピラ状
の各電極1A,1Bの走行に伴なう透水性フイルム3
A,3Bの走行方向、走行速度については、図7の例に
ついて説明したと同様な3種類の態様を適用することが
できる。
【0062】ここで、図12の例では、上側電極1A、
下側電極1Bの両者をキャタピラ状に構成しているが、
場合によっては図8に示した例と同様に下側電極1Bは
平板状の電極で構成し、上側電極1Aのみを図12の例
と同様にキャタピラ状の電極で構成したり、あるいは図
9に示した例と同様に上側電極1Aは平板状の電極で構
成し、下側電極1Bのみを図12の例と同様にキャタピ
ラ状の電極で構成しても良い。
【0063】さらに、図12の例では透水性フイルムを
上面側、下面側の両方に設けているが、場合によっては
図10に示す例と同様に上側の電極1Aは固定した平板
状の電極とする一方、下側の電極1Bを図12に示す例
と同様にキャタピラ状の電極によって構成し、そのキャ
タピラ状の下側電極1Bの外周上に透水性フイルム3B
を巻き掛けた構成としても良い。あるいは図11に示す
例と同様に下側の電極1Bは固定した平板状の電極と
し、上側電極1Aを図12に示す例と同様にキャタピラ
状の電極によって構成し、そのキャタピラ状の上側電極
1Aの外周上に透水性フイルム3Aを巻き掛けた構成と
しても良い。
【0064】以上の各例では、電極1A,1Bのいずれ
か一方もしくは双方の表面と複合食品材料13との間
に、電極表面に沿って走行するかまたは電極とともに走
行する透水性フイルムを介在させ、透水性フイルムの走
行により複合食品材料13に回転力を与えかつ搬送する
構成としているが、場合によっては上下の電極のうち、
少なくとも一方の電極として金属などの導電性を有する
無端環状のベルト状のものを用いても良く、その場合に
は透水性フイルムを省くことも可能である。その代表的
な例を図13に示す。
【0065】この図13の例は、図1の例に対応するも
のであって、上側の電極1Aは図1の例と同様に固定し
た平板状の電極によって構成されている。一方下側の電
極1Bは可撓性を有する金属などの導電性無端環状のベ
ルトによって構成されており、左右の走行駆動用プーリ
20A,20Bに巻掛けられて、上側電極1Aに対向す
る側の部分が図の左方へ走行するように構成されてい
る。
【0066】このような図13の例の場合も、ベルト状
の下側電極1Bの走行によって複合食品材料13に図の
時計方向への回転力が与えられる。したがって図の左方
へ搬送されながら時計方向へ自転しつつ通電加熱がなさ
れる。
【0067】そのほか、図3の例における上側電極1A
をベルト状の電極に置き換えるととともに上側の透水性
フイルム3を省いたり、また図4、図5、図6の各例に
おける上側電極1A,下側電極1Bをそれぞれベルト状
の電極に置き換えるとともに上側、下側の各透水性フイ
ルム3A,3Bを省くこともできる。
【0068】但し、このような金属などからなるベルト
状電極は、たとえ可撓性を有していても、布やネットな
どの透水性フイルムと比較すれば格段に可撓性が劣り、
しかも高価であるから、耐久性、コストの点から問題が
生じることがある。これに対し布やネットなどの透水性
フイルムは、一般に大きな可撓性を有しており、また引
張り強度では金属などと比較して劣るものの、それ自体
のコストは金属などのベルト電極と比較して格段に安価
であり、したがって実用上は耐久性、コストの点で特に
問題となることはない。したがってベルト状電極を用い
るよりも、図1〜図11に示したように固定電極あるい
はローラ状電極もしくはキャタピラ状電極と透水性フイ
ルムとを組合せて使用することが望まれる。
【0069】もちろん、図13に示すようなベルト状電
極を用いた場合にも、そのベルト状電極の外周上に透水
性フイルムを巻掛けて、透水性フイルムがベルト状電極
とともに走行するように構成することもできる。
【0070】さらに、図13に示すようなベルト状の電
極に代えて、アルミニウム箔などの導電性金属箔からな
るフイルム状電極を用いることもでき、その場合の代表
的な例を図14に示す。
【0071】図14の例では、上側電極1Aは図13の
例と同様に平板状の電極によって構成されている。一方
下側電極1Bはフイルム状電極によって構成されてお
り、このフイルム状の下側電極1Bは、供給側ロール4
1から連続的に繰出され、巻取側ロール43によって連
続的に巻取られるようになっている。すなわちフイルム
状の下側電極1Bは、供給側ロール41から繰出して巻
取側ロール43によって巻取ることによって、連続的に
走行せしめられることになる。なおこの場合も、透水性
フイルムは省くことができる。またこの場合、図14中
の鎖線で示すように、フイルム状の下側電極1Bの走行
下面を支持するための絶縁性の基台45を設けても良
い。
【0072】ここで、図3の例における上側電極1Aを
フイルム状電極に置き換えるとともに上側の透水性フイ
ルム3Aを省いたり、また図4、図5、図6の各例にお
ける上側電極1A、下側電極1Bをそれぞれフイルム状
電極に置き換えるとともに、上側、下側の各透水性フイ
ルム3A,3Bを省くこともできる。
【0073】このようなフイルム状の電極を用いた場合
は、電極を使い捨てとすることもできるため、ベルト状
電極の場合のような耐久性は要求されない。またこの場
合、使い捨てとすることによって電極表面の汚れが問題
となることも少ない。
【0074】なお、以上の説明では、整形・加熱前のペ
ースト状の軟質な食品材料の内側に予め別の食品材料か
らなる芯材を挿入しておいて、芯材の外周上の軟質な食
品材料を断面形状が真円もしくは真円に近い円柱状に整
形しながら通電加熱して、中心に芯材を有する円柱状の
複合食品を製造するものとしたが、このような複合食品
に限らず、特に芯材を持たない一体構造の円柱状食品を
製造する場合にも、この発明の方法、装置を適用するこ
とができる。すなわち、例えば図1における上側電極1
Aと下側電極1Bとの間の入口側に、団子状あるいは塊
状の魚肉すり身を供給し、これをそのまま円柱状(丸棒
状)に整形しつつ通電加熱することも可能である。
【0075】
【発明の効果】この発明の方法、装置によれば、円柱状
食品を製造するにあたって、円柱状に整形する工程と加
熱する工程とが同時に行なわれるため、それぞれを別工
程で行なっていた従来の方法、設備と比較して格段に生
産性を向上させることができるとともに、製造設備の小
型化、短尺化を図ることができ、特に中心に芯材を配
し、外側を魚肉すり身などで取囲んだ円柱状の複合食品
を製造する場合には、これらの効果を有効に発揮するこ
とができる。またこの発明の方法、装置では、加熱のた
めに通電加熱を用いているため、複合食品材料が内部か
ら発熱して温度上昇し、そのため短時間で均一に加熱す
ることができ、したがってこのことも生産性の向上、設
備の小型化に寄与している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施している状況の第1の例
を示す略解的な側面図である。
【図2】この発明の方法を実施している状況の第2の例
を示す略解的な側面図である。
【図3】この発明の方法を実施している状況の第3の例
を示す略解的な側面図である。
【図4】この発明の方法を実施している状況の第4の例
を示す略解的な側面図である。
【図5】この発明の方法を実施している状況の第5の例
を示す略解的な側面図である。
【図6】この発明の方法を実施している状況の第6の例
を示す略解的な側面図である。
【図7】この発明の方法を実施している状況の第7の例
を示す略解的な側面図である。
【図8】この発明の方法を実施している状況の第8の例
を示す略解的な側面図である。
【図9】この発明の方法を実施している状況の第9の例
を示す略解的な側面図である。
【図10】この発明の方法を実施している状況の第10
の例を示す略解的な側面図である。
【図11】この発明の方法を実施している状況の第11
の例を示す略解的な側面図である。
【図12】この発明の方法を実施している状況の第12
の例を示す略解的な側面図である。
【図13】この発明の方法を実施している状況の第13
の例を示す略解的な側面図である。
【図14】この発明の方法を実施している状況の第14
の例を示す略解的な側面図である。
【符号の説明】
1A,1B 電極 3,3A,3B 透水性フイルム 5 電源装置 7 湿潤手段 9 軟質食品材料 11 芯材 13 複合食品材料

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペースト状の軟質な食品材料を円柱状に
    整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料を
    加熱硬化させる円柱状食品の製造方法において、 整形・加熱前のペースト状の軟質な食品材料を一対の電
    極間に位置させ、その一対の電極間に電圧を加えて食品
    材料に通電させることにより食品材料を加熱すると同時
    に、一対の電極間において少なくとも一方の電極の側か
    ら食品材料に電極面とほぼ平行な軸線を中心とした回転
    力を与えて食品材料を転動させることにより食品材料を
    円柱状に整形することを特徴とする、円柱状食品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の円柱状食品の製造方法
    において、 整形・加熱前のペースト状の軟質食品材料の内側に予め
    別の食品材料からなる芯材を挿入しておき、その複合食
    品材料を一対の電極間に位置させるにあたり、芯材が電
    極面とほぼ平行となるように位置させ、かつ一対の電極
    間に電圧を加えて通電加熱すると同時に少なくとも一方
    の電極の側から複合食品材料に回転力を与えるにあた
    り、芯材の長さ方向の軸線を中心とした回転力を与えて
    複合食品材料を転動させ、これによって芯材を中心とす
    る円柱状の複合食品を製造する、円柱状食品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2に記載の円柱
    状食品の製造方法において、 一対の電極間に整形・加熱前の食品材料を位置させるに
    あたり、少なくとも一方の電極の表面と食品材料との間
    に透水性フイルムを介在させた状態で食品材料を電極間
    に位置させ、前記透水性フイルムを電極表面に沿って走
    行させることによりその透水性フイルムに接する食品材
    料に対して回転力を与えるとともに、透水性フイルムを
    介して食品材料に通電することを特徴とする、円柱状食
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは請求項2に記載の円柱
    状食品の製造方法において、 一対の電極間に整形・加熱前の食品材料を位置させるに
    あたり、少なくとも一方の電極の表面と食品材料との間
    に透水性フイルムを介在させた状態で食品材料を電極間
    に位置させ、その透水性フイルムを電極とともに走行さ
    せることにより透水性フイルムに接する食品材料に回転
    力を与えるとともに、透水性フイルムを介して食品材料
    に通電することを特徴とする、円柱状食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3もしくは請求項4に記載の円柱
    状食品の製造方法において、 前記透水性フイルムに水分を与えて湿潤させながら走行
    させることを特徴とする、円柱状食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 ペースト状の軟質な食品材料を付着させ
    て円柱状に整形するとともに、そのペースト状の軟質な
    食品材料を加熱硬化させる円柱状食品の製造装置におい
    て:ほぼ平行に配置された一対の電極と;前記一対の電
    極間に電圧を加えるための電源装置と;前記一対の電極
    のうち、一方の電極の表面に沿って配置された透水性フ
    イルムと;前記透水性フイルムを前記一対の電極間の入
    口側から出口側へ向い電極表面に沿って走行させるため
    の走行駆動手段;とを有してなり、 整形・加熱前のペースト状の軟質な食品材料を、前記一
    対の電極間の入口側から一方の電極表面の透水性フイル
    ムと他方の電極表面との間に挿入し、前記透水性フイル
    ムを入口側から出口側へ向けて走行させることにより食
    品材料を転動させつつ前記一対の電極間に電圧を加えて
    透水性フイルムを介し食品材料に通電するようにしたこ
    とを特徴とする、円柱状食品の製造装置。
  7. 【請求項7】 ペースト状の軟質な食品材料を円柱状に
    整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料を
    加熱硬化させる円柱状食品の製造装置において:ほぼ平
    行に配置された一対の電極と;前記一対の電極間に電圧
    を加えるための電源装置と;前記各電極の表面に沿って
    配置された一対の透水性フイルムと;前記各透水性フイ
    ルムを、前記一対の電極間の入口側から出口側へ向い各
    電極の表面に沿って相対的に速度差をもって走行させる
    ための走行駆動手段;とを有してなり、 整形・加熱前のペースト状の軟質な食品材料を、前記一
    対の電極間の入口側から前記一対の透水性フイルムの間
    に挿入し、各透水性フイルムを入口側から出口側へ向け
    て速度差をもって走行させることにより食品材料を転動
    させつつ前記一対の電極間に電圧を加えて透水性フイル
    ムを介し食品材料に通電するようにしたことを特徴とす
    る、円柱状食品の製造装置。
  8. 【請求項8】 ペースト状の軟質な食品材料を円柱状に
    整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材料を
    加熱硬化させる円柱状食品の製造装置において:ほぼ平
    行に配置された一対の電極と;前記一対の電極間に電圧
    を加えるための電源装置と;前記各電極の表面に沿って
    配置された一対の透水性フイルムと;前記一対の透水性
    フイルムのうち一方の透水性フイルムを、前記一対の電
    極間の入口側から出口側へ向い各電極表面に沿って走行
    させるとともに、他方の透水性フイルムを前記一対の電
    極間の出口側から入口側へ向って前記一方の透水性フイ
    ルムの走行速度よりも低い走行速度で走行させるための
    走行駆動手段;とを有してなり、 整形・加熱前のペースト状の軟質な食品材料を、前記一
    対の電極間の入口側から前記一対の透水性フイルムの間
    に挿入し、各透水性フイルムを互いに逆方向へ速度差を
    もって走行させることにより食品材料を入口側から出口
    側へ向けて転動させると同時に、前記一対の電極間に電
    圧を加えて透水性フイルムを介し食品材料に通電するよ
    うにしたことを特徴とする、円柱状食品の製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項6、請求項7、請求項8のいずれ
    かに記載の円柱状食品の製造装置において:前記ペース
    ト状の軟質な食品材料とは別の食品材料を芯材とし、そ
    の周囲にペースト状の軟質な食品材料を付着させて円柱
    状に整形するとともに、そのペースト状の軟質な食品材
    料を加熱硬化させるためのものであり;ペースト状の軟
    質な食品材料の内側に別の食品材料からなる芯材を挿入
    した整形・加熱前の複合食品材料を、その芯材の軸線を
    中心として電極間で転動させるようにしたことを特徴と
    する、円柱状食品の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項6、請求項7、請求項8のいず
    れかに記載の円柱状食品の製造装置において、 前記一対の電極の間隔を、入口側よりも出口側が狭くな
    るようにテーパー状に設定したことを特徴とする、円柱
    状食品の製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項6、請求項7、請求項8のいず
    れかに記載の円柱状食品の製造装置において、 前記一対の電極のうち、少なくとも一方の電極を平板状
    の固定された電極によって構成したことを特徴とする、
    円柱状食品の製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項6、請求項7、請求項8のいず
    れかに記載の円柱状食品の製造装置において、 前記一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、回転
    可能な複数の電極ローラを平行に配列してなる電極ロー
    ラ群によって構成されていることを特徴とする、円柱状
    食品の製造装置。
  13. 【請求項13】 請求項6、請求項7、請求項8のいず
    れかに記載の円柱状食品の製造装置において、 前記一対の電極のうち、一方を上方に、他方を下方に配
    置し、かつ少なくとも下側の電極の表面に沿って前記透
    水性フイルムが走行するように透水性フイルムを配置
    し、しかも下側の電極を分割構造として、隣り合う各区
    分電極の間にスリットを形成したことを特徴とする、円
    柱状食品の製造装置。
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