JP3847361B2 - 感光性平版印刷版材料 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光ないし赤外線の照射で重合する光重合性感光層を支持体上に有する画像形成材料に関し、更に詳しくは、光カチオン重合系の光重合性感光層を有する画像形成材料(以下、感光性平版印刷版材料とも称す。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光重合性組成物は、ネガ型の感光性平版印刷版の画像形成層用の感光性組成物として数多く用いられており、特公昭46−32714号公報には、樹脂、モノマー及び開始剤を含有する光重合性組成物の基本的組成が開示されている。
【0003】
その後、光重合による硬化効率を改善する目的で種々の提案がなされている。例えば、特公昭49−34041号公報には、樹脂に不飽和二重結合を導入することにより感度の改善を図る技術、特公昭48−38403号、同53−27605号公報等には新規な開始剤を用いた感光性組成物が開示されている。
【0004】
しかしながら、これらの感光性組成物は感度が甚だ不十分であるとともに、分光感度は紫外領域に限られていた。
【0005】
近年、レーザーの発展により、可視光感光性の感光性組成物が盛んに検討され提案されている(例えば、特開平2−306247号公報等)。しかしながら、これらはいずれもラジカル重合プロセスを使用しており、ラジカル重合の本質的な問題である酸素による重合阻害を受けてしまう。このため、硬化性を充分に高めるためには、酸素遮断層の導入が必要になり、生産性及びコストの面から不利であった。
【0006】
このようなラジカル重合の欠点を回避する技術として、光カチオン重合が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の感光性組成物も公開されている(例えば、特開平6−43633号公報等)。
【0007】
しかし、該技術は、酸素による重合阻害は無いものの、湿度、アルカリ等による重合阻害が生じたり、また、感度的に低く後処理(画像露光後現像処理前の加熱、以下「後加熱」ともいう)工程が必要等プロセス的に煩雑であった。
【0008】
可視光硬化性組成物として、ラジカル重合とカチオン重合との併用タイプの感光性組成物が例えば特開平4−181944号公報に開示されており、該感光性組成物は重合阻害は無く酸素遮断層を必要としないが、感度的にはレーザーでの高速書き込みに対応するには不十分で、また高感度化のためにはポストベーク等の後処理工程を必要とするものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の技術の欠点に鑑み、酸素遮断層のない感光層単層で、可視光ないし赤外線の領域に発振波長を有するレーザーによる露光に対応可能な新規な感光性画像形成材料を提供することである。本発明の他の目的は、高感度で後加熱が不要な感光性平版印刷版材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的を達成する本発明の構成は下記(1)ないし(4)である。
【0011】
(1)少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有する化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0012】
(2)アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物が平均官能基数3以上、平均分子量500以上の化合物であることを特徴とする(1)に記載の感光性平版印刷版材料。
【0013】
(3)感光層が更に水素供与体を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の感光性平版印刷版材料。
【0014】
(4)少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有するトリアジン化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
本発明の感光層に含有させる少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基(以下「(メタ)アクリロイル基」と略記することがある)を有する化合物としては、公知のモノマーを特に制限なく使用することができる。具体的モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクルレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物、あるいはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレートに代えた化合物等を挙げることができる。
【0018】
この他に特開昭58−212994号、同61−6649号、同62−46688号、同62−48589号、同62−173295号、同62−187092号、同63−67189号、特開平1−244891号公報等に記載の化合物等を挙げることができ、さらに「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物等も本発明においては好適に用いることができる。
【0019】
また適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与した、いわゆるプレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。
【0020】
本発明において、より好ましくは(メタ)アクリロイル基含有化合物が平均官能基数3以上、平均分子量500以上の化合物であり、この様な化合物としては、例えばジペンタエリスリトール骨格を有する化合物、ジトリメチロールプロパン骨格を有するモノマー類と適当な分子量を有するオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入し光重合性を付与したいわゆるプレポリマー等が挙げられる。
【0021】
このようなプレポリマーとしては、従来公知の物が制限なく好適に使用できる。例えば、ポリエステルオリゴマー、ウレタンオリゴマー、シリコーンオリゴマー、エポキシオリゴマー、ブタジエンオリゴマー、メラミンオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入した化合物が挙げられる。
【0022】
これらの中でも、官能基当量(=平均分子量/官能基数)の高い化合物が特に好ましく、官能基当量は、好ましくは500以下、特に好ましくは300以下である。
【0023】
本発明ではこれらのモノマーあるいはプレポリマーのうち1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
(メタ)アクリロイル基を含有する化合物の含有量は、感光層中の全固形分に対し、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜70重量%が特に好ましい。
【0025】
本発明の感光層に含有させるビニルエーテル基を有する化合物におけるビニルエーテル基は−O−CH=CH−又は−O−CH=CH2を意味し、該化合物は、かかるビニルエーテル基を少なくとも1つ有するモノマー又はオリゴマーであり、オニウム塩等のカチオン重合開始剤の光分解により生じる酸によりカチオン重合又は架橋を生じる化合物であり、一般的には、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等の1官能ビニルエーテル化合物、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAのジビニルエーテル等の2官能ビニルエーテル化合物等が挙げられる。またビニルエーテル基を導入したオリゴマーも好適に使用することができ、本発明のより好ましい実施形態である。
【0026】
ビニルエーテル基を有する化合物は1種を用いてもまた2種以上を併用して含有させることも好ましい。該化合物の含有量は感光層の全固形分に対して5〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。
【0027】
本発明の感光層に含有させる重合開始剤として、トリハロメチル基に置換されたs−トリアジン化合物(例えば2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び特開平2−306247号記載の化合物等)、鉄アレーン錯体(例えば(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート等)、オニウム塩(例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジブチルフェナシルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジブチル(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルテルロニウムヘキサフルオロアンチモネート、米国特許4,258,128号、J,Polym,Sci.,Polym.Chem.Ed.(ジャーナル・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミカル・エディション),17,977(1979)、同18,2677(1980)、同18,2697(1980)、Advance in Polym.Sci(アドバンス・イン・ポリマー・サイエンス),62,1(1984)記載の化合物等)、アリールジアゾニウム塩、ジアゾケトン、o−ニトロベンジルエステル、スルホン酸エステル、シラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0028】
本発明に於いては、特にトリハロメチル基で置換された化合物が好適に用いられる。このような化合物としては、従来公知の物が特に制限なく使用できる。例えば「Bulletin of Chemical Society of Japan」;42,2924(1969)記載の化合物、例えば2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、「J,Org,Chem.」;29,1527(1964)記載の化合物例えば2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−s−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−s−トリアジン、英国特許第1388492号記載の化合物、例えば2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、特開昭53−133428号記載の化合物、例えば2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン等が挙げられる。
【0029】
特に好ましい化合物はトリハロメチル基が1分子中に2個以上含有している化合物である。
【0030】
本発明の感光層に含有させる増感色素としては、可視光から近赤外まで波長増感させる化合物が好ましく用いられる。このような化合物としては、例えば、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポリメチン、ベンゾピラン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物やスクワリリウム化合物等が挙げられ、さらに欧州特許0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同第5,227,227号等に記載された化合物も本発明において好適に用いることができる。
【0031】
オニウム塩化合物等と増感色素を組合わせてより長波の光に感光性を持たせることも知られている。例えば特開昭60−76740号、特開昭60−78443号、特開昭60−88005号、米国特許第4,304,923号には、シアニン、フタロシアニン、ポリフィリン等の色素を分光増感色素として使用する技術が開示されている。これらの技術を本発明に適用することができる。
【0032】
これらの増感色素の中で好ましい増感色素は、シアニン、クマリン、ケトクマリン、スクワリリウム塩、ポルフィルルフィルン又はスチリル系の化合物であり、より好ましくは、シアニン、クマリン及びケトクマリン化合物である。
【0033】
本発明の感光層に含有させる水素供与体としては、従来公知の任意の化合物が使用できる。
【0034】
この様な水素供与体は、例えばオキシ置換基の酸素原子及び/又はアミン置換基の窒素原子に及び/又はメルカプト置換基の硫黄原子に結合している化合物であり、具体的には特開昭56−1932号記載のヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリールオキシ基等を有する化合物、アミノ基、アミド基等を有する化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、メルカプト基等を有する化合物類等が挙げられる。
【0035】
その他、特公昭50−9177号、特開昭53−702号、特開昭60−138540号記載の複素環式窒素含有化合物、複素環式のメルカプタン化合物等も好適に使用できる。
【0036】
本発明の感光層には、必要に応じ本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤を添加することができる。好ましい添加剤として下記のようなものが挙げられる。
【0037】
熱重合禁止剤
熱重合防止剤としては、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく用いられる。例えばハイドロキノン、ピロガロール、p−メチキシフェノール、カテコール、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部程度添加される。
【0038】
酸素クエンチャー
酸素クエンチャーとしてはN,N−ジアルキルアニリン誘導体が好ましく、例えば米国特許第4,772,541号明細書に記載の第11カラム58行目から第12カラム35行目に記載の化合物が挙げられる。
【0039】
可塑剤
可塑剤としては、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル酸、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正リン酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類等が挙げられる。
【0040】
酸化防止剤
酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物等が挙げられ、特開昭59−182785号、同60−130735号、同61−159644号、特開平1−127387号、「11290の化学商品」化学工業日報社、p.862〜868等に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料に耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0041】
フィラー
フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。
【0042】
界面活性剤
樹脂
ネガ型感光性平版印刷版の感光層に含有させる公知の樹脂が挙げられる。添加量は感光層の全固形分の0〜50重量%が適当であり、好ましくは0〜40重量%である。
【0043】
本発明の画像形成材料の支持体としては、寸度的に安定な板状物が好適に使用できる。かかる支持体としては、紙、合成紙(例えばポリプロピレンを主成分とする合成紙)、樹脂のフィルム又はシート、更には前記樹脂を2層以上積層してなるプラスチックフィルム又はシート、あるいは各種高分子材料、金属(アルミニウム、亜鉛、銅)、セラミック若しくは木材パルプやセルロースパルプ、サルファイトパルプ等で抄造された紙等に前記樹脂層を積層したフィルム又はシート等を挙げることができる。更に前記フィルム又はシートの片面あるいは両面に多孔質構造の顔料塗工層を設けたものも好適に用いることができる。
【0044】
このような樹脂のフィルム又はシートを構成する樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラバン酸、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、弗素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系等が挙げられる。
【0045】
これらの支持体の中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、がラミネートされた紙、又はアルミニウム板が好ましい。
【0046】
支持体は必要に応じ表面処理される。例えばアルミニウム板は、砂目立て処理、珪酸ソーダ、フッ化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液へ浸漬処理、或いは陽極酸化処理等の1又は2以上の組合わせによる表面処理がなされていることが好ましい。
【0047】
プラスチックの表面を有する支持体の場合には、化学的処理、放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波グロー放電処理、活性プラズマ処理等の1又は2以上の組合わせによる表面処理がなされていることが好ましい。
【0048】
本発明においては、支持体として親水性支持体を使用した感光性平版印刷版用として使用できる感光性画像形成材料が好ましい実施態様である。該親水性支持体としては感光性平版印刷版の支持体として公知のものを用いることができ、例えば、アルミニウム、鉄、銅、あるいはこれらの合金等の金属板、紙支持体、特に合成紙(ポリプロピレン、ポリエチレンラミネート紙等)、プラスチック支持体(例えば、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリシチレン、塩化ビニリデン等)等が挙げられる。また、特開昭57−74197号公報記載の耐水性支持体上に親水層及び画像受理層が順次積層された支持体、特公平2−11440号公報記載のアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、特公昭57−125095号公報記載のアクリルアミド又はその誘導体とアクリルエステル誘導体との共重合体等を用いた親水性層を設けた支持体も使用することができる。本発明の親水性支持体として特に好ましいのはアルミニウム支持体である。
【0049】
アルミニウム支持体には、純アルミニウム及びアルミニウム合金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
【0050】
アルミニウム支持体は、粗面化に先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。
【0051】
感光層との密着性を良好にし、且つ保水性を改善するために行われる砂目立て処理方法としては、機械的に表面を粗面化するいわゆる機械的粗面化方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニング研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独又は組合わせて用いることができる。好ましいのは電解エッチングによる方法である。
【0052】
電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した電解液中で交流あるいは直流によって支持体を電解処理する。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリあるいは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗する。このような処理としては、例えば特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53−12739号公報に記載されている硫酸デスマット法等の処理方法が挙げられる。
【0053】
陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して行われる。陽極酸化では、硫酸及び/又はリン酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく、形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(VI):20gを1lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の重量変化測定等から求められる。
【0054】
封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例として挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対して、水溶液高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0055】
更にアルミニウム支持体は、陽極酸化処理後(封孔処理を施した場合は更にその後)、親水性処理を施す、即ち、親水性層を設けることが好ましい。親水性層としては、アルカリ金属珪酸酸塩、親水性セルロース、特開昭60−149491号公報及び同63−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用いた親水性層が挙げられる。
【0056】
更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層の擦り傷発生を防ぐために、また現像時の現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−151136号、同57−63293号、同60−73538号、同61−67863号、特開平6−35174号等に記載されている、支持体裏面に保護層を設ける処理を行うことができる。
【0057】
本発明の感光層は、前記感光層の成分を溶媒に分散あるいは溶解して塗工液を調製し、この塗工液を前記支持体上に塗布し乾燥する塗工法や、剥離可能なシート上に前記の層を形成した後、支持体上に加熱及び/又は加圧して転写する転写法等により形成することができる。
【0058】
上記塗工法に用いる溶媒としては、水、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、クロルベンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホルム、トリクロルエチレン)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。前記塗工には、従来から公知のグラビアロール塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することができる。
【0059】
本発明の感光性画像形成材料に対する画像露光は感光層が含有する重合開始剤及び/又は増感色素の吸収波長の電磁波を発生する光源を用いて行うことができ、そのような光源であれば公知の光源を特に制限なく使用することができる。そのような光源として、例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧・超高圧水銀灯等をあげることができる。キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧・超高圧水銀灯等を用いて一括露光する場合には、感光性画像形成材料の感光層側に、所望露光画像パターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わせて露光すればよい。
【0060】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能である。この場合はマスク材料を使用せず、直接書き込みを行うことができる。
【0061】
レーザーの場合には、光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光が可能であるため、マスク材料を使用せず、直接書き込みを行うのに適している。またレーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0062】
本発明の感光性画像形成材料に用いられるレーザー光源は、可視光領域に発振波長を有するものであれば、一般によく知られているYAGレーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー、He−Neレーザー、CO2レーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、He−Cdレーザー等の気体レーザー、その他の放電励起分子レーザー、エキシマーレーザー、化学レーザー、色素レーザー、半導体レーザー、等を使用することができる。その中でも、YAGレーザー、He−Neレーザー、半導体レーザー及びArイオンレーザーが好ましい。
【0063】
これらの光源による画像露光後、液体現像液によるウォッシュオフ工程を経て画像を形成する。本発明の感光性画像形成材料に用いられる液体現像液については、特に制限なく従来公知の現像液を感光層の組成に応じて適宜選択すればよい。
【0064】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、当然のことではあるが、本発明は以下述べる実施例に限定されるものではない。
【0065】
実施例1
[支持体の形成]
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。次いで、このアルミニウム板を1.0重量%の塩酸水溶液において、温度25℃、電流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を15%硫酸溶液中で、温度25℃、電流密度10Amp/dm2、電圧15Vの条件で1分間陽極酸化処理を行い、更に3%珪酸ソーダ、温度90℃で封孔処理を行って支持体を作成した。
【0066】
[感光性画像形成材料の作成]
上記支持体上に、下記組成の感光層用塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚1.5μmとなるように塗布し、80℃で2分間熱処理して感光層を形成し、感光性画像形成材料である感光性平版印刷版を作成した。
【0067】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
作成した感光性平版印刷版について、感度を下記の方法で測定した。
【0068】
感度測定方法
干渉フィルター(Y−47、東芝硝子(株)社製)、シャープカットフィルター(KL−49、東芝硝子(株)社製)及び熱線吸収フィルター(HA−30、HOYA(株)社製)を組み合わせて光源からArイオンレーザー(488nm)に近い光を取り出し、予めこの光の照度をOptical Power Meter TQ8210(AdvanTest社製)の488nmモードで測定しておく。(露光エネルギーと露光時間の検量線を作成)
前記平版印刷版について、UgraプレートコントロールウェッジPCW82(ミカ電子(株)社製)の連続階調ウェッジを密着させ、一定露光エネルギーを与えた時の現像後のベタの段階から感度を算出した。現像は、自動現像機で、コニカ(株)製ネガ現像液SDN−21の5倍希釈液で30℃で行った。
【0069】
実施例2
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0070】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
実施例3
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0071】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー:新中村化学(株)製 U−15HA)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
実施例4
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0072】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー:新中村化学(株)製 U−15HA)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
比較例1
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0073】
感光層用塗布液
アクリロイル含有化合物 900重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
比較例2
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0074】
感光層用塗布液
エポキシ化合物 150重量部
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート)
アクリロイル含有化合物 250重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 50重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 50重量部
(ジフェニルヨードニウム塩ヘキサフルオロホスフェート)
ポリビニルカルバゾール 100重量部
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
ジオキサン 4000重量部
比較例3
感光層上にポリビニルアルコールからなる酸素遮断層を乾燥膜厚2.0μmとなるように設け、現像条件をジオキサンで30℃、30秒としたほかは比較例2と同様の実験を行った。
【0075】
比較例4
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用い、現像条件を2重量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液で30℃、30秒間とした以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0076】
感光層用塗布液
ヘキサメトキシメチルメラミン 400重量部
(三井サイアナミッド(株)製サイメル301)
バインダー 1000重量部
(ポリ−p−ヒドロキシスチレン 丸善石油(株)製 レジンM)
スクワリリウム色素 10重量部
重合開始剤 80重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
エチルセロソルブ 10000重量部
比較例5
画像露光後、現像前に、感光性平版印刷版に100℃で10分間の後加熱を加えた以外は比較例4と同様の実験を行った。
【0077】
実験例5
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用い、評価方法を下記とした以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0078】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー、新中村化学(株)製 U−15HA)
シアニン色素 20重量部
(日本化薬(株)製 CY−9)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
評価方法(レーザー感度)
前記感光性記録材料の塗布面に半導体レーザーLTO90MD/MF(シャープ社製、波長830nm、最大光出力100mW)のレーザー光を集光して直径約6μm(強度が中心部の13.5%となるまでの径)のビームとし、走査速度2〜11m/秒で照射した。このときの露光面上での光出力は60mWであった。
【0079】
画像露光後、自動現像機にて現像を行った。現像液の温度は30℃に保ち、コニカ(株)製ネガPS現像液SDN−21を5倍希釈で用いた。
【0080】
感度評価は、画像の線幅が露光径(6μm)と等しくなる露光エネルギーを感度とした。
【0081】
以上の結果を下記表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、ラジカル重合系光重合性感光層における酸素遮断層を必要とせず、可視光ないし赤外線の領域に発振波長を有するレーザー露光に対応可能な新規な光重合系感光層を有する感光性画像形成材料が得られる。また、本発明によれば、高感度で後加熱(画像露光後現像処理前の加熱)が不要な上記光重合系感光層を有する感光性平版印刷版が得られる。
【0084】
また、本発明によれば、上記効果により、感光性画像形成材料製造コスト低減及び後加熱不要の感光性画像形成材料と現像装置の共用が可能であり、かつ処理の迅速化が可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光ないし赤外線の照射で重合する光重合性感光層を支持体上に有する画像形成材料に関し、更に詳しくは、光カチオン重合系の光重合性感光層を有する画像形成材料(以下、感光性平版印刷版材料とも称す。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光重合性組成物は、ネガ型の感光性平版印刷版の画像形成層用の感光性組成物として数多く用いられており、特公昭46−32714号公報には、樹脂、モノマー及び開始剤を含有する光重合性組成物の基本的組成が開示されている。
【0003】
その後、光重合による硬化効率を改善する目的で種々の提案がなされている。例えば、特公昭49−34041号公報には、樹脂に不飽和二重結合を導入することにより感度の改善を図る技術、特公昭48−38403号、同53−27605号公報等には新規な開始剤を用いた感光性組成物が開示されている。
【0004】
しかしながら、これらの感光性組成物は感度が甚だ不十分であるとともに、分光感度は紫外領域に限られていた。
【0005】
近年、レーザーの発展により、可視光感光性の感光性組成物が盛んに検討され提案されている(例えば、特開平2−306247号公報等)。しかしながら、これらはいずれもラジカル重合プロセスを使用しており、ラジカル重合の本質的な問題である酸素による重合阻害を受けてしまう。このため、硬化性を充分に高めるためには、酸素遮断層の導入が必要になり、生産性及びコストの面から不利であった。
【0006】
このようなラジカル重合の欠点を回避する技術として、光カチオン重合が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の感光性組成物も公開されている(例えば、特開平6−43633号公報等)。
【0007】
しかし、該技術は、酸素による重合阻害は無いものの、湿度、アルカリ等による重合阻害が生じたり、また、感度的に低く後処理(画像露光後現像処理前の加熱、以下「後加熱」ともいう)工程が必要等プロセス的に煩雑であった。
【0008】
可視光硬化性組成物として、ラジカル重合とカチオン重合との併用タイプの感光性組成物が例えば特開平4−181944号公報に開示されており、該感光性組成物は重合阻害は無く酸素遮断層を必要としないが、感度的にはレーザーでの高速書き込みに対応するには不十分で、また高感度化のためにはポストベーク等の後処理工程を必要とするものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の技術の欠点に鑑み、酸素遮断層のない感光層単層で、可視光ないし赤外線の領域に発振波長を有するレーザーによる露光に対応可能な新規な感光性画像形成材料を提供することである。本発明の他の目的は、高感度で後加熱が不要な感光性平版印刷版材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的を達成する本発明の構成は下記(1)ないし(4)である。
【0011】
(1)少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有する化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0012】
(2)アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物が平均官能基数3以上、平均分子量500以上の化合物であることを特徴とする(1)に記載の感光性平版印刷版材料。
【0013】
(3)感光層が更に水素供与体を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の感光性平版印刷版材料。
【0014】
(4)少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有するトリアジン化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
本発明の感光層に含有させる少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基(以下「(メタ)アクリロイル基」と略記することがある)を有する化合物としては、公知のモノマーを特に制限なく使用することができる。具体的モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクルレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物、あるいはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレートに代えた化合物等を挙げることができる。
【0018】
この他に特開昭58−212994号、同61−6649号、同62−46688号、同62−48589号、同62−173295号、同62−187092号、同63−67189号、特開平1−244891号公報等に記載の化合物等を挙げることができ、さらに「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物等も本発明においては好適に用いることができる。
【0019】
また適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与した、いわゆるプレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。
【0020】
本発明において、より好ましくは(メタ)アクリロイル基含有化合物が平均官能基数3以上、平均分子量500以上の化合物であり、この様な化合物としては、例えばジペンタエリスリトール骨格を有する化合物、ジトリメチロールプロパン骨格を有するモノマー類と適当な分子量を有するオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入し光重合性を付与したいわゆるプレポリマー等が挙げられる。
【0021】
このようなプレポリマーとしては、従来公知の物が制限なく好適に使用できる。例えば、ポリエステルオリゴマー、ウレタンオリゴマー、シリコーンオリゴマー、エポキシオリゴマー、ブタジエンオリゴマー、メラミンオリゴマーにアクリル酸又はメタアクリル酸を導入した化合物が挙げられる。
【0022】
これらの中でも、官能基当量(=平均分子量/官能基数)の高い化合物が特に好ましく、官能基当量は、好ましくは500以下、特に好ましくは300以下である。
【0023】
本発明ではこれらのモノマーあるいはプレポリマーのうち1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
(メタ)アクリロイル基を含有する化合物の含有量は、感光層中の全固形分に対し、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜70重量%が特に好ましい。
【0025】
本発明の感光層に含有させるビニルエーテル基を有する化合物におけるビニルエーテル基は−O−CH=CH−又は−O−CH=CH2を意味し、該化合物は、かかるビニルエーテル基を少なくとも1つ有するモノマー又はオリゴマーであり、オニウム塩等のカチオン重合開始剤の光分解により生じる酸によりカチオン重合又は架橋を生じる化合物であり、一般的には、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等の1官能ビニルエーテル化合物、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAのジビニルエーテル等の2官能ビニルエーテル化合物等が挙げられる。またビニルエーテル基を導入したオリゴマーも好適に使用することができ、本発明のより好ましい実施形態である。
【0026】
ビニルエーテル基を有する化合物は1種を用いてもまた2種以上を併用して含有させることも好ましい。該化合物の含有量は感光層の全固形分に対して5〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。
【0027】
本発明の感光層に含有させる重合開始剤として、トリハロメチル基に置換されたs−トリアジン化合物(例えば2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び特開平2−306247号記載の化合物等)、鉄アレーン錯体(例えば(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート等)、オニウム塩(例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジブチルフェナシルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジブチル(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルテルロニウムヘキサフルオロアンチモネート、米国特許4,258,128号、J,Polym,Sci.,Polym.Chem.Ed.(ジャーナル・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミカル・エディション),17,977(1979)、同18,2677(1980)、同18,2697(1980)、Advance in Polym.Sci(アドバンス・イン・ポリマー・サイエンス),62,1(1984)記載の化合物等)、アリールジアゾニウム塩、ジアゾケトン、o−ニトロベンジルエステル、スルホン酸エステル、シラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0028】
本発明に於いては、特にトリハロメチル基で置換された化合物が好適に用いられる。このような化合物としては、従来公知の物が特に制限なく使用できる。例えば「Bulletin of Chemical Society of Japan」;42,2924(1969)記載の化合物、例えば2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、「J,Org,Chem.」;29,1527(1964)記載の化合物例えば2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−s−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−s−トリアジン、英国特許第1388492号記載の化合物、例えば2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、特開昭53−133428号記載の化合物、例えば2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン等が挙げられる。
【0029】
特に好ましい化合物はトリハロメチル基が1分子中に2個以上含有している化合物である。
【0030】
本発明の感光層に含有させる増感色素としては、可視光から近赤外まで波長増感させる化合物が好ましく用いられる。このような化合物としては、例えば、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポリメチン、ベンゾピラン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物やスクワリリウム化合物等が挙げられ、さらに欧州特許0,568,993号、米国特許第4,508,811号、同第5,227,227号等に記載された化合物も本発明において好適に用いることができる。
【0031】
オニウム塩化合物等と増感色素を組合わせてより長波の光に感光性を持たせることも知られている。例えば特開昭60−76740号、特開昭60−78443号、特開昭60−88005号、米国特許第4,304,923号には、シアニン、フタロシアニン、ポリフィリン等の色素を分光増感色素として使用する技術が開示されている。これらの技術を本発明に適用することができる。
【0032】
これらの増感色素の中で好ましい増感色素は、シアニン、クマリン、ケトクマリン、スクワリリウム塩、ポルフィルルフィルン又はスチリル系の化合物であり、より好ましくは、シアニン、クマリン及びケトクマリン化合物である。
【0033】
本発明の感光層に含有させる水素供与体としては、従来公知の任意の化合物が使用できる。
【0034】
この様な水素供与体は、例えばオキシ置換基の酸素原子及び/又はアミン置換基の窒素原子に及び/又はメルカプト置換基の硫黄原子に結合している化合物であり、具体的には特開昭56−1932号記載のヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリールオキシ基等を有する化合物、アミノ基、アミド基等を有する化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、メルカプト基等を有する化合物類等が挙げられる。
【0035】
その他、特公昭50−9177号、特開昭53−702号、特開昭60−138540号記載の複素環式窒素含有化合物、複素環式のメルカプタン化合物等も好適に使用できる。
【0036】
本発明の感光層には、必要に応じ本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤を添加することができる。好ましい添加剤として下記のようなものが挙げられる。
【0037】
熱重合禁止剤
熱重合防止剤としては、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく用いられる。例えばハイドロキノン、ピロガロール、p−メチキシフェノール、カテコール、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部程度添加される。
【0038】
酸素クエンチャー
酸素クエンチャーとしてはN,N−ジアルキルアニリン誘導体が好ましく、例えば米国特許第4,772,541号明細書に記載の第11カラム58行目から第12カラム35行目に記載の化合物が挙げられる。
【0039】
可塑剤
可塑剤としては、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル酸、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正リン酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類等が挙げられる。
【0040】
酸化防止剤
酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物等が挙げられ、特開昭59−182785号、同60−130735号、同61−159644号、特開平1−127387号、「11290の化学商品」化学工業日報社、p.862〜868等に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料に耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0041】
フィラー
フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。
【0042】
界面活性剤
樹脂
ネガ型感光性平版印刷版の感光層に含有させる公知の樹脂が挙げられる。添加量は感光層の全固形分の0〜50重量%が適当であり、好ましくは0〜40重量%である。
【0043】
本発明の画像形成材料の支持体としては、寸度的に安定な板状物が好適に使用できる。かかる支持体としては、紙、合成紙(例えばポリプロピレンを主成分とする合成紙)、樹脂のフィルム又はシート、更には前記樹脂を2層以上積層してなるプラスチックフィルム又はシート、あるいは各種高分子材料、金属(アルミニウム、亜鉛、銅)、セラミック若しくは木材パルプやセルロースパルプ、サルファイトパルプ等で抄造された紙等に前記樹脂層を積層したフィルム又はシート等を挙げることができる。更に前記フィルム又はシートの片面あるいは両面に多孔質構造の顔料塗工層を設けたものも好適に用いることができる。
【0044】
このような樹脂のフィルム又はシートを構成する樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラバン酸、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、弗素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系等が挙げられる。
【0045】
これらの支持体の中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、がラミネートされた紙、又はアルミニウム板が好ましい。
【0046】
支持体は必要に応じ表面処理される。例えばアルミニウム板は、砂目立て処理、珪酸ソーダ、フッ化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液へ浸漬処理、或いは陽極酸化処理等の1又は2以上の組合わせによる表面処理がなされていることが好ましい。
【0047】
プラスチックの表面を有する支持体の場合には、化学的処理、放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波グロー放電処理、活性プラズマ処理等の1又は2以上の組合わせによる表面処理がなされていることが好ましい。
【0048】
本発明においては、支持体として親水性支持体を使用した感光性平版印刷版用として使用できる感光性画像形成材料が好ましい実施態様である。該親水性支持体としては感光性平版印刷版の支持体として公知のものを用いることができ、例えば、アルミニウム、鉄、銅、あるいはこれらの合金等の金属板、紙支持体、特に合成紙(ポリプロピレン、ポリエチレンラミネート紙等)、プラスチック支持体(例えば、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリシチレン、塩化ビニリデン等)等が挙げられる。また、特開昭57−74197号公報記載の耐水性支持体上に親水層及び画像受理層が順次積層された支持体、特公平2−11440号公報記載のアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、特公昭57−125095号公報記載のアクリルアミド又はその誘導体とアクリルエステル誘導体との共重合体等を用いた親水性層を設けた支持体も使用することができる。本発明の親水性支持体として特に好ましいのはアルミニウム支持体である。
【0049】
アルミニウム支持体には、純アルミニウム及びアルミニウム合金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
【0050】
アルミニウム支持体は、粗面化に先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。
【0051】
感光層との密着性を良好にし、且つ保水性を改善するために行われる砂目立て処理方法としては、機械的に表面を粗面化するいわゆる機械的粗面化方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニング研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独又は組合わせて用いることができる。好ましいのは電解エッチングによる方法である。
【0052】
電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した電解液中で交流あるいは直流によって支持体を電解処理する。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリあるいは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗する。このような処理としては、例えば特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53−12739号公報に記載されている硫酸デスマット法等の処理方法が挙げられる。
【0053】
陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して行われる。陽極酸化では、硫酸及び/又はリン酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく、形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(VI):20gを1lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の重量変化測定等から求められる。
【0054】
封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例として挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対して、水溶液高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0055】
更にアルミニウム支持体は、陽極酸化処理後(封孔処理を施した場合は更にその後)、親水性処理を施す、即ち、親水性層を設けることが好ましい。親水性層としては、アルカリ金属珪酸酸塩、親水性セルロース、特開昭60−149491号公報及び同63−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用いた親水性層が挙げられる。
【0056】
更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層の擦り傷発生を防ぐために、また現像時の現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−151136号、同57−63293号、同60−73538号、同61−67863号、特開平6−35174号等に記載されている、支持体裏面に保護層を設ける処理を行うことができる。
【0057】
本発明の感光層は、前記感光層の成分を溶媒に分散あるいは溶解して塗工液を調製し、この塗工液を前記支持体上に塗布し乾燥する塗工法や、剥離可能なシート上に前記の層を形成した後、支持体上に加熱及び/又は加圧して転写する転写法等により形成することができる。
【0058】
上記塗工法に用いる溶媒としては、水、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、クロルベンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホルム、トリクロルエチレン)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。前記塗工には、従来から公知のグラビアロール塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することができる。
【0059】
本発明の感光性画像形成材料に対する画像露光は感光層が含有する重合開始剤及び/又は増感色素の吸収波長の電磁波を発生する光源を用いて行うことができ、そのような光源であれば公知の光源を特に制限なく使用することができる。そのような光源として、例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧・超高圧水銀灯等をあげることができる。キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧・超高圧水銀灯等を用いて一括露光する場合には、感光性画像形成材料の感光層側に、所望露光画像パターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わせて露光すればよい。
【0060】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能である。この場合はマスク材料を使用せず、直接書き込みを行うことができる。
【0061】
レーザーの場合には、光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光が可能であるため、マスク材料を使用せず、直接書き込みを行うのに適している。またレーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0062】
本発明の感光性画像形成材料に用いられるレーザー光源は、可視光領域に発振波長を有するものであれば、一般によく知られているYAGレーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー、He−Neレーザー、CO2レーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、He−Cdレーザー等の気体レーザー、その他の放電励起分子レーザー、エキシマーレーザー、化学レーザー、色素レーザー、半導体レーザー、等を使用することができる。その中でも、YAGレーザー、He−Neレーザー、半導体レーザー及びArイオンレーザーが好ましい。
【0063】
これらの光源による画像露光後、液体現像液によるウォッシュオフ工程を経て画像を形成する。本発明の感光性画像形成材料に用いられる液体現像液については、特に制限なく従来公知の現像液を感光層の組成に応じて適宜選択すればよい。
【0064】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、当然のことではあるが、本発明は以下述べる実施例に限定されるものではない。
【0065】
実施例1
[支持体の形成]
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。次いで、このアルミニウム板を1.0重量%の塩酸水溶液において、温度25℃、電流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を15%硫酸溶液中で、温度25℃、電流密度10Amp/dm2、電圧15Vの条件で1分間陽極酸化処理を行い、更に3%珪酸ソーダ、温度90℃で封孔処理を行って支持体を作成した。
【0066】
[感光性画像形成材料の作成]
上記支持体上に、下記組成の感光層用塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚1.5μmとなるように塗布し、80℃で2分間熱処理して感光層を形成し、感光性画像形成材料である感光性平版印刷版を作成した。
【0067】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
作成した感光性平版印刷版について、感度を下記の方法で測定した。
【0068】
感度測定方法
干渉フィルター(Y−47、東芝硝子(株)社製)、シャープカットフィルター(KL−49、東芝硝子(株)社製)及び熱線吸収フィルター(HA−30、HOYA(株)社製)を組み合わせて光源からArイオンレーザー(488nm)に近い光を取り出し、予めこの光の照度をOptical Power Meter TQ8210(AdvanTest社製)の488nmモードで測定しておく。(露光エネルギーと露光時間の検量線を作成)
前記平版印刷版について、UgraプレートコントロールウェッジPCW82(ミカ電子(株)社製)の連続階調ウェッジを密着させ、一定露光エネルギーを与えた時の現像後のベタの段階から感度を算出した。現像は、自動現像機で、コニカ(株)製ネガ現像液SDN−21の5倍希釈液で30℃で行った。
【0069】
実施例2
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0070】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
実施例3
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0071】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー:新中村化学(株)製 U−15HA)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
実施例4
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0072】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー:新中村化学(株)製 U−15HA)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
比較例1
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0073】
感光層用塗布液
アクリロイル含有化合物 900重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 20重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
比較例2
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製し、評価した。
【0074】
感光層用塗布液
エポキシ化合物 150重量部
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート)
アクリロイル含有化合物 250重量部
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ケトクマリン色素 50重量部
(日本感光色素(株)製 NKX−1766)
重合開始剤 50重量部
(ジフェニルヨードニウム塩ヘキサフルオロホスフェート)
ポリビニルカルバゾール 100重量部
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
ジオキサン 4000重量部
比較例3
感光層上にポリビニルアルコールからなる酸素遮断層を乾燥膜厚2.0μmとなるように設け、現像条件をジオキサンで30℃、30秒としたほかは比較例2と同様の実験を行った。
【0075】
比較例4
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用い、現像条件を2重量%のメタケイ酸ナトリウム水溶液で30℃、30秒間とした以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0076】
感光層用塗布液
ヘキサメトキシメチルメラミン 400重量部
(三井サイアナミッド(株)製サイメル301)
バインダー 1000重量部
(ポリ−p−ヒドロキシスチレン 丸善石油(株)製 レジンM)
スクワリリウム色素 10重量部
重合開始剤 80重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
エチルセロソルブ 10000重量部
比較例5
画像露光後、現像前に、感光性平版印刷版に100℃で10分間の後加熱を加えた以外は比較例4と同様の実験を行った。
【0077】
実験例5
感光層用塗布液として下記組成の感光層用塗布液を用い、評価方法を下記とした以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0078】
感光層用塗布液
ビニルエーテル化合物 450重量部
(ヒドロキシブチルビニルエーテル)
アクリロイル含有化合物 500重量部
(ウレタンオリゴマー、新中村化学(株)製 U−15HA)
シアニン色素 20重量部
(日本化薬(株)製 CY−9)
重合開始剤 72重量部
(2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
水素供与体 50重量部
(N,N−ジメチルアニリン)
界面活性剤 10重量部
(旭硝子(株)製 サーフロンS−381)
メチルセロソルブ 5000重量部
メチルプロピレングリコール 5000重量部
(日本乳化剤(株)製 MFG)
評価方法(レーザー感度)
前記感光性記録材料の塗布面に半導体レーザーLTO90MD/MF(シャープ社製、波長830nm、最大光出力100mW)のレーザー光を集光して直径約6μm(強度が中心部の13.5%となるまでの径)のビームとし、走査速度2〜11m/秒で照射した。このときの露光面上での光出力は60mWであった。
【0079】
画像露光後、自動現像機にて現像を行った。現像液の温度は30℃に保ち、コニカ(株)製ネガPS現像液SDN−21を5倍希釈で用いた。
【0080】
感度評価は、画像の線幅が露光径(6μm)と等しくなる露光エネルギーを感度とした。
【0081】
以上の結果を下記表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、ラジカル重合系光重合性感光層における酸素遮断層を必要とせず、可視光ないし赤外線の領域に発振波長を有するレーザー露光に対応可能な新規な光重合系感光層を有する感光性画像形成材料が得られる。また、本発明によれば、高感度で後加熱(画像露光後現像処理前の加熱)が不要な上記光重合系感光層を有する感光性平版印刷版が得られる。
【0084】
また、本発明によれば、上記効果により、感光性画像形成材料製造コスト低減及び後加熱不要の感光性画像形成材料と現像装置の共用が可能であり、かつ処理の迅速化が可能である。
Claims (4)
- 少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有する化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
- アクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物が平均官能基数3以上、平均分子量500以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
- 感光層が更に水素供与体を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の感光性平版印刷版材料。
- 少なくともアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、重合開始剤及び増感色素を含有する感光層を、電解研磨砂目立てし陽極酸化処理したアルミニウム支持体上に有し、前記重合開始剤がトリハロメチル基を有するトリアジン化合物であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
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1996
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