JPH0958143A - 平版印刷用原版及び平版印刷版の作製方法 - Google Patents

平版印刷用原版及び平版印刷版の作製方法

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JPH0958143A
JPH0958143A JP21468995A JP21468995A JPH0958143A JP H0958143 A JPH0958143 A JP H0958143A JP 21468995 A JP21468995 A JP 21468995A JP 21468995 A JP21468995 A JP 21468995A JP H0958143 A JPH0958143 A JP H0958143A
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JP
Japan
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resin layer
lithographic printing
printing plate
hydrophilic
lipophilic
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JP21468995A
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English (en)
Inventor
Shinji Matsumoto
晋治 松本
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Tatsuichi Maehashi
達一 前橋
Sota Kawakami
壮太 川上
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で、画像形成層の地汚れを防止し、そ
れぞれ支持体、親水性樹脂層及び親油性樹脂層間の接着
力を強化して耐刷力を向上させた平版印刷用原版及び平
版印刷版の作製方法の提供。 【構成】 支持体上に親水性樹脂層及び親油性樹脂層を
設けた平版印刷用原版において、該親水性樹脂層及び親
油性樹脂層の少なくともいずれか一方がレーザー光を吸
収して熱に変換する物質を、又該親水性樹脂層及び親油
性樹脂層が、該レーザー光とは異なる波長域の光によっ
て光架橋又は光重合可能な化合物群を含有してなること
を特徴とする平版印刷用原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザー光を利用した平
版印刷版用原版及び平版印刷版の作製方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷方式は大別して、凹版、平版
(オフセット)及び凸版(グラビア方式を含む)が知ら
れ採用されているが、平版印刷が製版及び印刷のしやす
さをはじめ、装置も他と比較して安価である等から、近
年、印刷の分野で伸長している。特に、事務用印刷にお
いては平版印刷は最も有効である。
【0003】平版印刷版の製版は、感光性層を塗布した
アルミニウム板、亜鉛板等の版材にスクリーンを密着さ
せ、これに画像照射を行い、続いて現像、親水化処理を
施すという手段、又は電子写真感光体を版材とし、帯
電、露光、現像後、親水化処理を施すという手段が採用
されている。
【0004】例えば、コンピューター等に蓄積された印
刷情報や、スキャナーで読み取られる情報、原版等から
直接オフセット印刷版が簡便に得られるという目的か
ら、特開平3−53991号、同3−197191号に
は、少なくとも表面が親水性を示す基板上に、レーザー
光を吸収する色素及び熱可塑性樹脂を主成分とする画像
形成層を設けたレーザー製版用オフセット印刷原版が開
示されている。しかしながら、この印刷原版は、レーザ
ー光により穿孔された画像形成層が完全に除去されず残
ってしまい、親水性基板が十分に露出されず、そこにイ
ンクが付着して地汚れの原因となり、画像の鮮鋭性に欠
けるという問題を生じていた。
【0005】又、親油性層と親水性層を支持体上に設
け、レーザー光を照射することにより熱的に破壊し、像
形成することが提案されている。例えば、特開昭55−
105560号には、支持体上にインキ感脂性層を介し
て親水性層被服層を設けてなる平板印刷板の上からレー
ザー光を照射し、親水性層被服層の照射部を除去すると
同時にインキ感脂性層をも該照射部におけるレーザー光
の強度に対応した深度に除去することで画像を形成する
レーザー製版方法が開示されているが、このような、支
持体上にインキ感脂性層、親水性層被服層を順に設けて
なる平板印刷板は、インキ感脂性層と親水性層間、及び
支持体とそのすぐ上層(親水性被服層又はインキ感脂性
層)との接着力が得られないため耐刷力が非常に低く、
到底実用に供し得ないことが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の問題に鑑みてなされたものである。即ち、支持体上に
親水性樹脂層及び親油性樹脂層を設けた平版印刷用原版
において、レーザー光照射により穿孔された画像形成層
の地汚れを防止し、それぞれ支持体、親水性樹脂層及び
親油性樹脂層間の接着力を強化して耐刷力を向上させた
平版印刷用原版及び平版印刷版の作製方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下の構
成により達成された。
【0008】(1) 支持体上に親水性樹脂層及び親油
性樹脂層を設けた平版印刷用原版において、該親水性樹
脂層及び親油性樹脂層の少なくともいずれか一方がレー
ザー光を吸収して熱に変換する物質を、又該親水性樹脂
層及び親油性樹脂層が、該レーザー光とは異なる波長域
の光によって光架橋又は光重合可能な化合物群を含有し
てなることを特徴とする平版印刷用原版。
【0009】(2) 支持体上に、レーザー光を吸収し
て熱に変換する物質と、該レーザー光とは異なる波長域
の光によって光架橋又は光重合可能な化合物群とを含有
する親水性樹脂層、該化合物群を含有する親油性樹脂層
がこの順に積層された平版印刷用原版を像様にレーザー
光で露光する工程を経た後、該レーザー光とは異なる波
長の光で全面を露光して平版印刷版を作製することを特
徴とする平版印刷版の作製方法。
【0010】(3) 支持体上に、レーザー光を吸収し
て熱に変換する物質と、該レーザー光とは異なる波長域
の光によって光架橋又は光重合可能な化合物群とを含有
する親油性樹脂層、該化合物群を含有する親水性樹脂層
がこの順に積層された平版印刷用原版を像様にレーザー
光で露光する工程を経た後、該レーザー光とは異なる波
長の光で全面を露光して平版印刷版を作製することを特
徴とする平版印刷版の作製方法。
【0011】本発明は、上記構成を採用することによ
り、平版印刷版の 1.レーザー光照射により穿孔された上層(親水性樹脂
層又は親油性樹脂層)が一括して除去されやすく、その
結果穿孔された上層(親油性樹脂層又は親水性樹脂層)
の粉塵及び非画像部の残留下層により生じる地汚れを防
止し、 2.後露光でモノマーを硬化させ、それぞれ支持体、親
水性樹脂層及び親油性樹脂層間のそれぞれの接着力を強
化して耐刷力を向上するという効果を奏するものであ
る。
【0012】以下、本発明を詳述する。
【0013】〔1〕平版印刷用原版 本発明の平版印刷用原版は、支持体上に親水性樹脂層及
び親油性樹脂層を設けた平版印刷用原版において、該親
水性樹脂層及び親油性樹脂層の少なくともいずれか一方
がレーザー光を吸収して熱に変換する物質を、又該親水
性樹脂層及び親油性樹脂層が、該レーザー光とは異なる
波長域の光によって光架橋又は光重合可能な化合物群を
含有してなることを特徴とするものである。
【0014】支持体としては、例えばアルミニウム、ス
テンレス、クロム、ニッケル等の金属板、例えばポリエ
ステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜
をラミネート又は蒸着したもの、又例えばポリエステル
フィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の
表面を親水化処理を施したもの等、基本的に水に対する
接触角(θ)が小さく親水性であるものが挙げられる。
好ましい支持体としてアルミニウムを用いられ、純アル
ミニウム及びアルミニウム合金よりなる支持体が挙げら
れ、アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、
例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、
亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニウム
との合金が挙げられる。
【0015】アルミニウムの表面を、以下のように保水
化処理を施すことができる。
【0016】アルミニウム支持体は、粗面化に先立って
アルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる方法、ケシロンとトリエタノ
ール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理を
挙げることができる。又、脱脂処理に苛性ソーダ等のア
ルカリの水溶液を用いることもできる。苛性ソーダ等の
アルカリの水溶液を用いた場合、上記した通常の脱脂処
理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去できる。
【0017】前述のプラスチックフィルムの親水化処理
方法としては、硫酸処理、酸素プラズマエッチング処
理、コロナ放電処理、水溶性樹脂の塗布液を設ける等が
好ましく用いられる。平版印刷版としては、表面を砂目
立て、陽極酸化処理、封孔処理を施したアルミニウム板
が特に好ましい。
【0018】砂目立て処理の方法としては、例えば、機
械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられ
る。
【0019】機械的方法としては、例えば、ボール研磨
法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ
研磨法が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて
上述の各種方法を単独もしくは組合せて用いることがで
きる。
【0020】好ましいのは、電解エッチングによる方法
である。電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等
の無機酸を単独ないし2種以上混合した浴で行われる。
砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリ或いは酸の
水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗す
る。このような処理としては、例えば特公昭48−28
123号に記載されているアルカリエッチング法や特開
昭53−12739号に記載されている硫酸デスマット
処理等の方法が挙げられる。
【0021】陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロ
ム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を一種又は二種以上
含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して
行われる。形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg
/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/d
2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板
を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化ク
ロム(VI):20gを1lの水に溶解して作製)に浸積
し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の重量変化測
定等から求められる。
【0022】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケ
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。親水
性支持体はその表面の水に対する接触角が60度以下、
より好ましくは40度以下である。親水性支持体の厚さ
は、50〜1000μm、好ましくは75〜500μm
の範囲である。
【0023】陽極酸化処理後、親水化処理を施す、即ち
親水性層を設けることが好ましい。
【0024】親水性層としては、アルカリ金属珪酸塩、
親水性セルロース、特開昭60−149491号、同6
3−165183号に記載のアミノ酸及びその塩、特開
昭60−232998号に記載の水酸基を有するアミン
類及びその塩、特開昭62−19494号に記載のリン
酸塩、特開昭59−101651号に記載のスルホ基を
有するモノマー単位を含む高分子化合物が挙げられる。
【0025】更に、感光層への擦り傷を防ぐために、又
現像時の現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐた
めに、特開昭50−151136号、同57−6329
3号、同60−73538号、同61−67863号、
特開平6−35174号等に記載されている支持体表面
に保護層を設ける処理を行うことができる。
【0026】親水性樹脂層は、主として親水性樹脂、後
述するレーザー光を吸収して熱に変換する物質、即ち光
熱変換物質、該レーザー光とは異なる波長域の光によっ
て光架橋又は光重合可能な化合物群、即ち親水性モノマ
ー及び開始剤、ラジカル発生剤、架橋剤、重合禁止剤な
どからなり、以下に述べる具体的材料を適宜組み合わせ
て構成される。
【0027】具体的な親水性樹脂としては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ニカ
ワ、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メ
チルルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクロ
ーズオクタアセテート、アルギン酸ナトリウム、ポリビ
ニルアミンポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。又、水溶性ポリ
エステルなど、親水性基を導入した樹脂を挙げることも
できる。又、水溶性ナイロン、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸ナトリウム、メチルセルロース、水溶性ポリビ
ニルホルマール、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性
ポリビニルブチラール、水溶性ポリエステル、水溶性ポ
リウレタン、ヒドロキシプロピルセルロース又はこれら
樹脂を構成するモノマー成分の共重合体、又はこれら樹
脂の混合物などが用いられる。中でも、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポ
リビニルアルコールが好ましい。
【0028】親水性のモノマーとしては、水に25℃で
1%以上溶解するものであれば、用いることができる。
例えば、親水性(水溶性)のエチレン性不飽和結合を有
する化合物が挙げられる。親水性のエチレン性不飽和結
合を有する化合物としては、従来公知のものを特に制限
なく使用することが可能であり、この様な化合物として
は例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ソ
ーダ、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−
シアノエチル(メタ)アクリレート、β−エトキシエチ
ルセロソルブ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アルデヒド、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、2−ヘキシルオキシエチル−N−メタクリロイ
ルカルバマート、(メタ)アクリル酸アリル、アクリル
酸2−クロロエチル、2,2−ビス[4(メタクリロキ
シ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、アクリル酸ジ
エチレングリコールエトキシレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロ
イルイミノ−1−フェニル−5−ピラゾロン、ω−カル
ボキシ−ポリカプロラクトン(n=2)モノアクリレー
ト、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート、イソシアヌルEO変性ジア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッ
ドホスフェート、グリセロールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシメ
チルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル等を挙げることができる。
【0029】これらの中でも特に好ましいものとして
は、25℃に於ける水単位重量に溶解し得るエチレン性
不飽和結合を有する化合物の重量比率が、0.2以上で
あるものであり、そのような化合物としては、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸ソーダ、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル
(メタ)アクリレート、β−エトキシエチルセロソルブ
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアルデヒド、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、2,2−ビス
[4(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロ
パン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等を挙げることが
できる。これらのものについては、単独で使用しても2
種以上を混合して使用しても良い。
【0030】親水性のモノマーとしては、OH基を含有
しているものであれば、上記のものに限定されない。
【0031】親油性樹脂層は、少なくとも親油性樹脂、
後述するレーザー光を吸収して熱に変換する物質、即ち
光熱変換物質、該レーザー光とは異なる波長域の光によ
って光架橋又は光重合可能な化合物群、即ち親油性モノ
マー及び開始剤などからなり、以下に述べる具体的材料
を適宜組み合わせて構成される。
【0032】親油性樹脂としては、ポリアクリレート、
ポリビニルアクリレート、ポリメタクリレートなどアク
リル系の樹脂、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
スチレン、スチレン−ブタジエン樹脂などを挙げること
ができる。又、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、
エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタンポリイミドな
どの熱硬化性樹脂、又は塩化ビニル樹脂 塩化ビニリデ
ン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール、ポリ
エチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミ
ド、ポリアセタール ポリカーボネート、変性ポリフェ
ニレンエーテル、ポリスルフォン、飽和ポリエステル、
ポリフェニレンスルフィド、酢酸繊維素プラスティック
等の熱可塑性樹脂が挙げられる。又、これらの樹脂の他
に特開平開55−527号、特公平2−274054号
に記載されている樹脂を用いることも好ましい。
【0033】親油性モノマーとしては、公知のモノマー
が特に制限なく使用することができる。具体的には、例
えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクルレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導体或
いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネ
ート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールジ(トリ)アクリレート、ビスフェノールAジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート等の
2官能アクリル酸エステル及びその誘導体或いはこれら
のアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロ
トネート、マレエート等に代えた化合物、或いはトリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、ピロガロールトリアクリレ
ート等の多官能アクリル酸エステル及びその誘導体或い
はこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネー
ト、クロトネート、マレエート等に代えた化合物等を挙
げることができる。
【0034】又適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸
又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与した、い
わゆるプレポリマーと呼ばれるものも好適に使用でき
る。この他に特開昭58−212994号、同61−6
649号、同62−46688号、同62−48589
号、同62−173295号、同62−187092
号、同63−67189号、特開平1−244891号
等に記載の化合物などを挙げることができ、さらに「1
1290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜2
94に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック
(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化
合物なども好適に用いることができる。
【0035】これらの中で、分子内に2個以上のアクリ
ル基又はメタクリル基を有する化合物が好ましく、さら
に分子量が10,000以下、より好ましくは5,00
0以下のものが好ましい。又本発明ではこれらのモノマ
ー或いはプレポリマーのうち1種又は2種以上を適宜混
合して用いることができる。
【0036】光熱変換物質としては、レーザー光の波長
を吸収する物質であればどのような物質でも特に制限は
ない。例えば、カーボンブラック、グラファイト、メタ
ルブラックなどの金属蒸着膜、赤外吸収色素などを用い
ることができる。
【0037】赤外吸収色素としては、シアニン色素、ス
クワリリウム色素、メチン系色素、ナフトキノン色素、
キノンイミン系色素、キノンジイミン系色素、フタロシ
アニン色素、ナフタロシアニン色素、ジチオール金属錯
体色素、アントラキノン色素、アゾ系色素、トリスアゾ
系色素、ピリリウム系色素、アミニウム塩系色素等が挙
げられ、特にシアニン色素、フタロシアニン色素、ナフ
タロシアニン色素、ジチオール金属錯体色素が分子吸光
係数が大きく効果的である。
【0038】これら赤外吸収色素を溶剤に溶解させた状
態で分光光度計で溶液の吸収スペクトルの測定を行い、
700nm以上の波長域において色素の吸光度が0.3
以上、より好ましくは0.5以上であることが好まし
い。
【0039】ここで上記の光架橋可能な化合物とは、従
来よりよく知られているものを用いることができる。例
えば、フォトポリマーハンドブックに記載の化合物が挙
げられる。又光重合可能な化合物とは、上記したエチレ
ン性不飽和基を有するモノマーとラジカル発生剤、又は
増感色素の組み合わせを用いることができる。
【0040】光重合可能な化合物が、光架橋可能な化合
物と比較して感度が非常に高いという点で特に好ましく
用いられる。光架橋可能な化合物は通常、数mJ/cm
2であるのに対し、光重合可能な化合物では数百μJ/
cm2以上の高感度の重合系を形成することが可能だか
らである。光重合可能な化合物、即ち親水性樹脂層に対
しては親水性モノマーであり、親油性樹脂層では親油性
モノマーであり、それに対する開始剤としては、光重合
開始剤等を挙げることができる。例えばJ.コーサー
(J.Kosar)著「ライト・センシティブ・システ
ムズ」第5章に記載されているようなカルボニル化合
物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、
アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色
素等が挙げられる。更に具体的な化合物は英国特許第
1,459,563号に開示されている。
【0041】即ち、次のようなものを使用することがで
きる。例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、α,α,−ジメトキシ−α−フ
ェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフ
ェノン、2,4−ジクロルベンゾフェノン、o−ベンゾ
イル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−ク
ロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン
等のチオキサントン誘導体;2−クロルアントラキノ
ン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導
体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等の
アクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノ
ン;ベンジル;フルオレノン;キサントン;ウラニル化
合物;ハロゲン化物等である。又、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの塩素化ト
リアジン、ジフェニルヨードニウム塩、ジ−t−ブチル
ジフェニルヨードニウム塩、スルフォニウム塩、アンモ
ニウム塩などのオニウム塩、鉄アレーン錯体などの金属
アレーン錯体、ビスイミダゾール、チタノセン、3,3
4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、ビス(t−ブチルパーオキシイソ
フタレート)などの有機過酸化物などを用いることもで
きる。更に、分光増感する場合には、以下のような開始
剤色素を添加することも好ましい。このような開始剤色
素としては、ベンゾフェノン色素、キサンテン系色素、
クマリン系色素、スチリル系色素などの紫外光、可視光
吸収色素挙げられる。
【0042】更に親水性樹脂層及び親油性樹脂層の少な
くともいずれか一方に、ラジカル発生剤、架橋剤、重合
禁止剤等を含有することも好ましい。
【0043】界面活性剤としては、従来より公知のノニ
オン、アニオン、カチオン系のものを用いることができ
る。
【0044】平版印刷用原版の好ましい態様としては、
主として以下の2種類を挙げることができる。即ち、 (1)支持体上に、親水性樹脂層、親油性樹脂層をこの
順に積層する。
【0045】(2)支持体上に、親油性樹脂層、親水性
樹脂層をこの順に積層する。
【0046】平版印刷用原版の(1)の態様における親
水性樹脂層には、少なくとも上述した親水性樹脂、光熱
変換剤、光熱変換剤のレーザー光に対し、異なる波長域
の光によって光架橋又は光重合可能な化合物群、即ち親
水性モノマー及び界面活性剤が含有される。又、親油性
樹脂層には、少なくとも上述した親油性樹脂、光熱変換
剤のレーザー光に対し、異なる波長域の光によって光架
橋又は光重合可能な化合物群、即ち親油性モノマー及び
該モノマーに対する開始剤が含有される。尚、光熱変換
剤は、親油性樹脂層、親水性樹脂層のいずれに含有され
てもよいが、この場合下層に積層せれた親水性樹脂層に
含有されることが好ましい。
【0047】親水性樹脂層を支持体上に設けるには、親
水性樹脂層組成物を水に溶解して塗布、乾燥すれば良
い。又、親油性樹脂層では、適当な溶媒に溶解して塗
布、乾燥すれば良い。溶媒としては、アルコール類(例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、ジアセト
ンアルコール)、セロソルブ類(例えばメチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、
クロルベンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、ジエチルケト
ン)、エステル系溶剤(例えば乳酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホ
ルム、トリクロルエチレン)、アミド系溶剤(例えばジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒はその溶
解物又は分散物に合わせて、1種或いは2種以上混合し
たものを用いてもよい。
【0048】塗工には、グラビアロールによる塗布法、
押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等
従来から公知の方法を採用することができる。
【0049】この(1)の態様の親水性樹脂層として
は、該層全体の重量比率を以下のようにすることが好ま
しいが、特にこの量に限定されない。即ち、親水性樹脂
は10〜80%、親水性モノマーは10〜80%、光熱
変換剤は1〜60%、界面活性剤は0.1〜10%の範
囲である。又、膜厚は、0.2〜1.5μmが好まし
い。親油性樹脂層としては、該層全体の重量比率を以下
のようにすることが好ましいが、特にこの量に限定され
ない。即ち、親油性樹脂は10〜80%、開始剤は10
〜80%、ラジカル発生剤は2〜20%、親油性モノマ
ーは10〜80%の範囲である。親油性樹脂層の膜厚は
0.1〜1.5μm、より好ましくは0.3〜1μmで
ある。
【0050】(1)の態様の平版印刷用原版を説明す
る。(1)は、上述した支持体上に親水性樹脂層、親油
性樹脂層をこの順に積層してなるものである。これらの
積層方法としては、親水性樹脂層は上述した親水性樹脂
層組成物を水に分散或いは溶解して塗工液を調製し、こ
の塗工液を直接支持体上に塗布し乾燥する塗工法が挙げ
られ、又親油性樹脂層は上述した親油性樹脂層組成物を
上記の溶媒に分散或いは溶解して塗工液を調製し、親水
性樹脂層と同様にしてこの塗工液を親水性樹脂層上に塗
布し乾燥することで達成される。前記塗工には、従来か
ら公知のグラビアロールによる面順次塗り別け塗布法、
押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等
を採用することができる。
【0051】(2)の態様の平版印刷用原版について
は、上述した支持体上に親油性樹脂層、親水性樹脂層を
この順に積層してなるものである。この(2)の態様は
基本的に(1)の態様と同様であるが、この場合には親
水性樹脂層に開始剤を含有することが必要であり、又下
層の親油性樹脂層に光熱変換剤を添加することが好まし
い。
【0052】〔2〕平版印刷版の作製方法 上記平版印刷用原版を用いて印刷版を作製する方法を、
図1及び図2をもとにして以下に説明する。
【0053】図1は、(1)支持体上に、親水性樹脂
層、親油性樹脂層をこの順に積層するタイプの平版印刷
版の作製方法を示すものである。
【0054】図1(a)は、上述したように支持体3上
に、親水性樹脂層2、親油性樹脂層1をこの順に積層し
た平版印刷用原版4である。平版印刷用原版4を用いて
印刷版を作製するには、(b)の如く、先ずレーザー5
などの光源を用いて像様に露光し、穿孔する。このと
き、光熱変換剤は最下層、即ちこの場合親水性樹脂層2
に添加しておくことが好ましい。最下層に添加すること
によって、最下層とその上層、即ち親油性樹脂層1との
界面が非常に加熱され、上層が剥離しやすくなり、穿孔
されやすくなる。このようにして、像様に露光、穿孔し
た後に、(c)の如く、穿孔に用いた露光光源とは異な
る波長の光源を全面露光6して、親水性樹脂層2及び親
油性樹脂層1を硬化させる。親油性樹脂層1は開始剤を
有しているため、全面露光6の際、該開始剤が親水性樹
脂層2中に侵入し、親水性樹脂層中の親水性モノマーを
硬化させる。即ち、親油性樹脂層1の穿孔されない部分
は、開始剤が存在するために硬化されるが、穿孔部分は
開始剤が残らないため、残留した親水性樹脂層2は硬化
されず、(d)の如く、浸し水により溶解された後除去
されて支持体、例えば親水性の支持体が露出し、平版印
刷版が得られる。親油性樹脂層1が効率よく穿孔された
ため、親水性樹脂層2は浸し水により溶解、除去されて
地汚れが大幅に低減されるという効果を奏する。又、
(c)で説明したように、全面露光6を行うことにより
硬化された親水性樹脂層2及び親油性樹脂層1は、とも
に耐刷性が良好となる。
【0055】図2は、(2)支持体上に、親油性樹脂
層、親水性樹脂層をこの順に積層するタイプの平版印刷
版の作製方法を示すものである。
【0056】図2(e)は、上述したように支持体3上
に、親油性樹脂層1、親水性樹脂層2をこの順に積層し
た平版印刷用原版4′である。平版印刷用原版4′を用
いて印刷版を作製するには、(f)の如く、先ずレーザ
ー5などの光源を用いて像様に露光し、穿孔する。この
とき、光熱変換剤は最下層、即ちこの場合親油性樹脂層
1に添加しておくことが好ましい。このようにして、像
様に露光、穿孔した後に、(g)の如く、穿孔に用いた
露光光源とは異なる波長の光源を全面露光6して、親水
性樹脂層2及び親油性樹脂層1を硬化させる。親水性樹
脂層2は開始剤を有しているため、全面露光6の際、該
開始剤が親油性樹脂層1中に侵入し、親油性樹脂層中の
親油性モノマーを硬化させる。親水性樹脂層2の穿孔さ
れない部分は、開始剤が存在するために硬化され、従っ
て耐刷性が良好な平版印刷版が得られる。
【0057】画像を形成させるための光源としては、光
熱変換剤が吸収しうる波長を有するものであればよい。
その光源としては、例えば、近赤外線領域の波長(70
0〜2000nmの波長範囲)を有し、光熱変換剤に対
して活性な、電磁波は全て用いることができる。例え
ば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュラ
ンプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハラ
イドランプ、タングステンランプ、石英水銀ランプ、高
圧水銀ランプ等を挙げることができる。この際加えられ
るエネルギーは、画像形成材料の種類により、露光距
離、時間、強度を調整することにより適時選択して用い
ることができる。画像情報に応じたデジタル露光をする
場合には、レーザーによる走査露光や、発光ダイオード
アレイ等のアレイ型光源や、ハロゲンランプ、メタルハ
ライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、
PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する。レ
ーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サ
イズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可
能となる。レーザーの場合には、光をビーム状に絞り、
画像データに応じた走査露光が可能であるため、マスク
材料を使用せず、直接書き込みに適している。レーザー
光源は、近赤外線域に波長発振を有するものであればよ
く、一般によく知られている、ルビーレーザー、YAG
レーザー、ガラスレーザーなどの固体レーザー、He−
Neレーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザ
ー、CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザ
ー、N2レーザー、エキシマーレーザーなどの気体レー
ザー、InGaPレーザー、AlGaAsレ−ザ−、G
aAsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsP
レーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザーな
どの半導体レーザー、化学レーザー、色素レーザー等を
挙げることができる。
【0058】全面露光の光源としては、一般にメタルハ
ライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲン
ランプ、レーザー等が用いられる。この場合は、一括露
光であっても走査露光であってもかまわない。露光量或
いは露光強度は、親水性樹脂層2及び親油性樹脂層1の
遮光率により適宜設定される。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0060】実施例1 《平版印刷用原版の作製》下記の層構成からなる平版印
刷用原版を作製した。
【0061】(支持体)支持体は、厚さ0.24mmの
親水性のアルミニウム金属板の表面を砂目処理、陽極酸
化処理したものを用いた。
【0062】上記支持体の砂目処理面上に、下記処方の
親水性樹脂層塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥膜厚
が1.3μmとなるように塗布し、80℃で3分間乾燥
させた。尚、以下、特に断りのない限り、すべて重量部
である。
【0063】 (親水性樹脂層塗布液) ポリビニルアセトアセタール 〔積水化学工(株)製、KX−1〕 7.35 フッ素系界面活性剤(FT248) 0.15 ポリエチレングリコールジアクリレート 〔東亜合成化学工業(株)製、ARONIX M−260〕 3.00 ポリメチン系赤外吸収色素(化合物1) 4.50 蒸留水 85.00
【0064】
【化1】
【0065】親油性樹脂層は、下記処方の親油性樹脂層
塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥膜厚が0.8μm
となるよう親水性樹脂層上に塗布し、80℃で3分間乾
燥させた。
【0066】 (親油性樹脂層塗布液) 2,4−ジエチルチオキサントン 1.50 エチルP−ジメチルアミノベンゾエート 1.50 ペンタエリスリトールトリアクリレート 6.00 アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)社製 BR80〕 6.00 メチルエチルケトン 85.00 作製した平版印刷用原版に対し、波長830nmの半導
体レーザーを用いて出力150mW、エネルギー密度5
0〜500mJ/cm2の条件で像様に露光することに
より平版印刷版を作製した。作製した平版印刷版を以下
のようにして評価を行った。
【0067】《評価》 (感度)ハロゲンランプにより全面露光して、5mW/
cm2(400nmにおける)のエネルギー密度で、2
0秒間照射した。その後、浸し水(SEU3コニカ製)
に20秒間浸漬した。このときの画像部を形成するのに
必要な最低エネルギーを求めて、それを感度とした。
【0068】(地汚れ)浸し水(SEU3コニカ製)に
20秒間浸漬した後、軽く水をふき取り、現像インク
(コニカ製)をスポンジに染み込ませ、非画像部を3往
復して、現像インクを非画像部上に載せた。そして水に
10秒間浸漬させて、現像インクを洗い流した。処理
後、支持体の反射濃度をマクベスで測定した。あらかじ
め測定した支持体のみの反射濃度と比較して、この処理
を行った後の反射濃度が変化しなければ地汚れがないと
する。以下に濃度による評価を示す。
【0069】 ○・・・0 △・・・0.05以下 ×・・・0.3以上 (耐刷性)レーザーを露光して現像した後、印刷機(ハ
イデルベルグ社製 HEISERBERUG−GTO)
を用いて印刷した。印刷物の画像部(網点%が2、3
0、50、98%)の反射濃度を比較して、反射濃度の
増加、減少を評価した。1回目の印刷物の画像部(網点
%が2、30、50、98%)の反射濃度を100%と
する。各印刷回数において印刷物の画像部の反射濃度の
増減が2%以下である場合は、耐刷性があるものとす
る。2%を越える増減が認められる場合には、耐刷性は
ないものと判断する。反射濃度のチェックは100枚ご
とに行う。ここでは耐刷性を、耐刷性のある最大の印刷
枚数で表現した。
【0070】感度、地汚れ、耐刷性の結果を以下の表1
に示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1から明らかなように、高感度でありな
がら非画像部の地汚れがなく、しかも画像部の脱落や版
面の摩耗がないなど、耐刷力に優れた鮮明な印刷物が得
られた。
【0073】実施例2(比較例) 下記の層構成からなる平版印刷用原版作製した。
【0074】(支持体)支持体は、厚さ0.24mmの
親水性のアルミニウム金属板の表面を砂目処理、陽極酸
化処理したものを用いた。上記支持体の砂目処理面上
に、下記処方の親水性樹脂層塗布液をワイヤーバーを用
いて、乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、80
℃で3分間乾燥させた。
【0075】 (親水性樹脂層塗布液) アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)社製 BR80〕 9.00 ポリメチン系赤外吸収色素(IR820B) 6.00 メチルエチルケトン 85.00 作製した平版印刷用原版に対し、波長830nmの半導
体レーザーを用いて出力150mW、エネルギー密度5
0〜500mJ/cm2の条件で像様に露光することに
より平版印刷版を作製した。作製した平版印刷版を実施
例1と同様にして評価を行った。
【0076】表1から明らかなように、親水性樹脂層の
みからなる平版印刷版は、感度が低く、画像部の脱落や
版面の摩耗があるなど耐刷力に劣り、しかも非画像部の
一面に地汚れが発生し、実用に適さないことが分かる。
【0077】実施例3(比較例) (支持体)支持体は、厚さ0.24mmの親水性のアル
ミニウム金属板の表面を砂目処理、陽極酸化処理したも
のを用いた。
【0078】上記支持体の砂目処理面上に、下記処方の
親油性樹脂層塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥膜厚
が0.8μmになるように塗布し、80℃で3分間乾燥
させた。
【0079】 (親油性樹脂層塗布液) アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)社製 BR80〕 15.00 メチルエチルケトン 85.00 親水性樹脂層は、下記処方の親水性樹脂層塗布液をワイ
ヤーバーを用いて、乾燥膜厚が1.3μmになるように
親油性樹脂層上に塗布し、80℃で3分間乾燥させた。
【0080】 (親水性樹脂層塗布液) ポリビニルアセトアセタール 〔積水化学工(株)製、KX−1〕 10.35 フッ素系界面活性剤(FT248) 0.15 ポリメチン系赤外吸収色素(化合物1) 4.50 蒸留水 85.00 作製した平版印刷用原版に対し、波長830nmの半導
体レーザーを用いて出力150mW、エネルギー密度5
0〜500mJ/cm2の条件で像様に露光することに
より平版印刷版を作製した。作製した平版印刷版を実施
例1と同様にして評価を行った。
【0081】表1から明らかなように、レーザー光とは
異なる波長域の光によって光架橋又は光重合可能な化合
物群、すなわち親水性又は親油性モノマーを含有してい
ない平版印刷版は、感度が低く、画像部の脱落や版面の
摩耗があるなど耐刷力に劣り、しかも非画像部の一面に
地汚れが発生し、実用に適さないことが分かる。
【0082】実施例4 親水性樹脂層塗布液を下記の処方にした以外は実施例1
と同様にして親水性樹脂層塗布液を支持体上に塗布し
た。
【0083】 (親水性樹脂層塗布液) ポリビニルアセトアセタール 〔積水化学工(株)製、KX−1〕 7.35 フッ素系界面活性剤(FT248) 0.15 EO変成ビスフェノールAジアクリレート 〔第一工業製薬(株)製ニューフロンティアBPE−30〕 3.00 ポリメチン系赤外吸収色素(化合物1) 4.50 蒸留水 8.50 親油性樹脂層塗布液を下記の処方にした以外は実施例1
と同様にして親水性樹脂層上に親油性樹脂層塗布液を塗
布した。
【0084】 (親油性樹脂層塗布液) 2,4−ジエチルチオキサントン 1.50 エチルP−ジメチルアミノベンゾエート 1.50 ペンタエリスリトールトリアクリレート 6.00 アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)社製 BR80〕 6.00 メチルエチルケトン 85.00 作製した平版印刷用原版に対し、波長830nmの半導
体レーザーを用いて出力150mW、エネルギー密度5
0〜500mJ/cm2の条件で像様に露光することに
より平版印刷版を作製した。作製した平版印刷版を実施
例1と同様にして評価を行った。
【0085】表1から明らかなように、高感度でありな
がら非画像部の地汚れがなく、しかも画像部の脱落や版
面の摩耗がないなど、耐刷力に優れた鮮明な印刷物が得
られた。
【0086】実施例5 親水性樹脂層塗布液を下記の処方にした以外は実施例1
と同様にして支持体上に親水性樹脂層塗布液を塗布し
た。
【0087】 (親水性樹脂層塗布液) ポリビニルアセトアセタール 〔積水化学工(株)製、KX−1〕 7.35 フッ素系界面活性剤(FT248) 0.15 イソシアヌール酸EO変成トリアクリレート 〔東亜合成化学工業(株)製、ARONIX M−315〕 3.00 ポリメチン系赤外吸収色素(化合物1) 4.50 蒸留水 85.00 親油性樹脂層塗布液を下記の処方にした以外は実施例1
と同様にして親水性樹脂層上に親油性樹脂層塗布液を塗
布した。
【0088】 (親油性樹脂層塗布液) 2,4−ジエチルチオキサントン 1.50 エチルP−ジメチルアミノベンゾエート 1.50 ペンタエリスリトールトリアクリレート 6.00 アクリル樹脂〔三菱レイヨン(株)社製 BR80〕 6.00 メチルエチルケトン 85.00 作製した平版印刷用原版に対し、波長830nmの半導
体レーザーを用いて出力150mW、エネルギー密度5
0〜500mJ/cm2の条件で像様に露光することに
より平版印刷版を作製した。作製した平版印刷版を実施
例1と同様にして評価を行った。
【0089】表1から明らかなように、高感度でありな
がら非画像部の地汚れがなく、しかも画像部の脱落や版
面の摩耗がないなど、耐刷力に優れた鮮明な印刷物が得
られた。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で、しかもレー
ザー光照射により穿孔された画像形成層(親油性樹脂
層、親水性樹脂層)の地汚れを防止し、かつ全面露光に
より画像形成層の耐刷力が飛躍的に向上するという顕著
に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】平版印刷版の作製方法を示す断面図。
【図2】平版印刷版の別の作製方法を示す断面図。
【符号の説明】
1 親油性樹脂層 2 親水性樹脂層 3 支持体 4 平版印刷用原版 4′ 平版印刷用原版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に親水性樹脂層及び親油性樹脂
    層を設けた平版印刷用原版において、該親水性樹脂層及
    び親油性樹脂層の少なくともいずれか一方がレーザー光
    を吸収して熱に変換する物質を、又該親水性樹脂層及び
    親油性樹脂層が、該レーザー光とは異なる波長域の光に
    よって光架橋又は光重合可能な化合物群を含有してなる
    ことを特徴とする平版印刷用原版。
  2. 【請求項2】 支持体、親水性樹脂層及び親油性樹脂層
    をこの順に積層し、該親水性樹脂層が上記レーザー光を
    吸収して熱に変換する物質を含有することを特徴とする
    請求項1記載の平版印刷用原版。
  3. 【請求項3】 支持体、親油性樹脂層及び親水性樹脂層
    をこの順に積層し、該親油性樹脂層が上記レーザー光を
    吸収して熱に変換する物質を含有することを特徴とする
    請求項1記載の平版印刷用原版。
  4. 【請求項4】 上記レーザー光とは異なる波長域の光に
    よって光重合可能な化合物群が、光重合性のモノマー及
    び同開始剤であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の平版印刷用原版。
  5. 【請求項5】 親水性樹脂層及び親油性樹脂層が、以下
    の条件を満たすことを特徴とする請求項4記載の平版印
    刷用原版。 (a) 親水性樹脂層が、上記レーザー光を吸収して熱
    に変換する物質及び光重合性のモノマーを含有する。 (b) 親油性樹脂層が、光重合性のモノマー及び同開
    始剤を含有する。
  6. 【請求項6】 親油性樹脂層及び親水性樹脂層が、以下
    の条件を満たすことを特徴とする請求項4記載の平版印
    刷用原版。 (a) 親油性樹脂層が、上記レーザー光を吸収して熱
    に変換する物質及び光重合性のモノマーを含有する。 (b) 親水性樹脂層が、光重合性のモノマー及び同開
    始剤を含有する。
  7. 【請求項7】 支持体が、表面に保水化処理を施したア
    ルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の平版印刷用原版。
  8. 【請求項8】 700nm以上の波長域において、上記
    レーザー光を吸収して熱に変換する物質が、吸光度が
    0.5以上の赤外吸収色素であることを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれか1項に記載の平版印刷用原版。
  9. 【請求項9】 支持体上に、レーザー光を吸収して熱に
    変換する物質と、該レーザー光とは異なる波長域の光に
    よって光架橋又は光重合可能な化合物群とを含有する親
    水性樹脂層、該化合物群を含有する親油性樹脂層がこの
    順に積層された平版印刷用原版を像様にレーザー光で露
    光する工程を経た後、該レーザー光とは異なる波長の光
    で全面を露光して平版印刷版を作製することを特徴とす
    る平版印刷版の作製方法。
  10. 【請求項10】 支持体上に、レーザー光を吸収して熱
    に変換する物質と、該レーザー光とは異なる波長域の光
    によって光架橋又は光重合可能な化合物群とを含有する
    親油性樹脂層、該化合物群を含有する親水性樹脂層がこ
    の順に積層された平版印刷用原版を像様にレーザー光で
    露光する工程を経た後、該レーザー光とは異なる波長の
    光で全面を露光して平版印刷版を作製することを特徴と
    する平版印刷版の作製方法。
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