JPH10315598A - 平版印刷版材料の製造方法 - Google Patents

平版印刷版材料の製造方法

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JPH10315598A
JPH10315598A JP13097897A JP13097897A JPH10315598A JP H10315598 A JPH10315598 A JP H10315598A JP 13097897 A JP13097897 A JP 13097897A JP 13097897 A JP13097897 A JP 13097897A JP H10315598 A JPH10315598 A JP H10315598A
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JP
Japan
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photosensitive layer
lithographic printing
overcoat layer
printing plate
plate material
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Application number
JP13097897A
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English (en)
Inventor
Tatsuichi Maehashi
達一 前橋
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Toshiya Takagi
利也 高木
Shinji Matsumoto
晋治 松本
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度でありながら生保存性と印刷性能(イ
ンクの付着性、耐刷性)に優れ、かつ画像欠陥の発生し
難い平版印刷版材料の製造法を提供する。 【解決手段】 親水性支持体上に、少なくとも光重合性
感光層、オーバーコート層を順次塗布により設けて成る
平版印刷版材料の製造方法において、該光重合性感光層
の残留溶剤量を1μg〜100mg/m2に乾燥した
後、オーバーコート層の塗布を行うことを特徴とする平
版印刷版材料の製造方法。親水性支持体上に、少なくと
も光重合性感光層、オーバーコート層を順次塗布により
設けて成る平版印刷版材料の製造方法において、該光重
合性感光層を塗布・乾燥した後、40℃以下の温度で1
時間以上放置した光重合性感光層上にオーバーコート層
の塗布を行うことを特徴とする平版印刷版材料の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性感光層を
有する平版印刷版材料の製造方法に関し、詳しくは、感
度、インク着肉性、耐刷性、印刷版の生保存性、搬送性
に優れた平版印刷版材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル製版の普及に伴い、画像
情報に基づいてレーザー露光を行い、平版印刷版を製造
する所謂レーザーダイレクト刷版技術が検討されてい
る。このようなレーザーを用いた露光に対し、従来型の
ジアゾ樹脂を含有する平版印刷版材料は、分光増感及び
高感度化が困難である欠点を有しており、現在では、光
重合系を用いた平版印刷版材料の検討が多数なされてい
る。
【0003】光重合系を用いた平版印刷版材料は、一般
的には、親水性を有する支持体上に、エチレン性不飽和
結合を有する化合物及び光重合開始剤を含有する光重合
性感光層(以下、単に「感光層」とも略記する)と、酸
素による重合阻害を防止する目的で酸素遮断性のオーバ
ーコート層を有している。
【0004】このオーバーコート層は、基本的に、感光
層上に水溶性樹脂を主成分とする組成物の水溶液を塗布
・乾燥して設けられる。
【0005】前記平版印刷版材料から平版印刷版を作製
するには、感光層を適当な光源により画像露光した後、
オーバーコート層と感光層の未露光部とをアルカリ性処
理剤で除去を行う。この時、オーバーコート層成分が感
光層の露光部から十分に除去されない場合、印刷開始時
にインクの付着が悪く、損紙が増加して好ましくない。
【0006】感光層上に設けられたオーバーコート層の
除去性を高めるために、感光層上にオーバーコート層を
貼合することも提案されているが、貼合したオーバーコ
ート層では、平版印刷版材料の経時により感度低下を起
こし易い上、感光層に十分な感度を与えることが難し
い。更に、貼合したオーバーコート層は、取扱い時、露
光前の工程搬送時に部分的に剥離を起こし易く、剥離し
た部分が平版印刷版形成時に画像欠陥となる等の欠点を
有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決することを目的とする。即ち、高感度でありながら生
保存性と印刷性能(インクの付着性、耐刷性)に優れ、
かつ画像欠陥の発生し難い平版印刷版材料の製造法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に発明者らは鋭意検討を重ね、光重合性感光層とオーバ
ーコート層との塗布条件を制御することで目的を達成し
得ることを見い出し本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、光重合性感光層の残留
溶剤量を1μg〜100mg/m2に乾燥した後、オー
バーコート層の塗布を行う、あるいは光重合性感光層
の塗布・乾燥後、40℃以下の温度で1時間以上放置し
た該光重合性感光層上にオーバーコート層の塗布を行う
平版印刷版材料の製造方法である。勿論、との組合
せも好ましい態様である。
【0010】更に、オーバーコート層の乾燥を、光重
合性感光層の乾燥温度より低温で行うこと、オーバー
コート層の乾燥を、光重合性感光層が含有するバインダ
ー成分のガラス転移温度(Tg)以下の温度で行うこ
と、オーバーコート層の乾燥を、及びの少なくと
も一方の条件で行い、かつ光重合性感光層とオーバーコ
ート層間の剥離力が35g/10mm以上となるオーバ
ーコート層塗工液を用いることも、本発明の好ましい実
施態様である。
【0011】以下、本発明の平版印刷版材料について、
親水性支持体、バインダー、光重合性化合物、光重合開
始剤、各種添加剤、光重合性感光層の塗布、オーバーコ
ート層、オーバーコート層の塗工方法、平版印刷版を用
いての画像形成の順に詳述する。
【0012】親水性支持体 親水性表面を有する支持体としては、例えばアルミニウ
ム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板;例えば
ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等のプラスチックフィルムや紙、合成
紙、樹脂コーティングした紙に前述の金属薄膜をラミネ
ート又は蒸着したもの;例えばポリエステルフィルム、
塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水
化処理を施したもの等が挙げられる。前述のプラスチッ
クフィルムの親水化処理方法としては、硫酸処理、酸素
プラズマエッチング処理、コロナ放電処理、水溶性樹脂
層塗設などが好ましく用いられる。
【0013】印刷版としては、表面を砂目立て、陽極酸
化処理、封孔処理を施したアルミニウム板が特に好まし
い。砂目立て処理の方法としては、例えば機械的方法、
電解エッチング方法が挙げられる。機械的方法として
は、ボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによ
る研磨法、バフ研磨法などが挙げられる。アルミニウム
材の組成等に応じて、上述の各種方法を単独又は組み合
わせて用いることができる。中でも好ましいのは、電解
エッチング方法である。
【0014】電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝
酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した浴で行われ
る。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリ又は酸
の水溶液によってデスマット処理を行い、中和して水洗
する。
【0015】陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロ
ム酸、蓚酸、燐酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む
溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解を行う。
形成された陽極酸化被覆量は1〜50mg/dm2が適
当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。
【0016】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、珪
酸ナトリウム処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例
として挙げられる。この他に、アルミニウム板支持体に
対して、水溶性高分子化合物や弗化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0017】親水性支持体は、その表面の水に対する接
触角が60度以下が好ましく、より好ましくは40度以
下である。親水性支持体の厚さは50〜1000μm、
好ましくは75〜500μmの範囲である。
【0018】バインダー バインダーとしての高分子重合体は、例えばポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリウレタン、ポリビニルクロライド及びそのコポリマ
ー、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール
樹脂、シェラック、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ア
クリル樹脂等が挙げられる。
【0019】これらの中で好ましい高分子重合体は、下
記(1)〜(17)に記載のモノマーの混合物を共重合
して得られた共重合高分子重合体である。
【0020】上記モノマー混合物には、該モノマーと共
重合し得る他のモノマーを混合してもよい。又、高分子
重合体は、上記モノマーの共重合体によって得られる共
重合体を、例えばグリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート等によって修復したものでもよい。
【0021】1)芳香族水酸基を有するモノマー、例え
ばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−
(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート
等。
【0022】2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例え
ば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリ
レート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−
ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキ
シルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)ア
クリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0023】3)アミノスルホニル基を有するモノマ
ー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニル
メタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフ
ェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェ
ニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)アクリルアミド等。
【0024】4)スルホンアミド基を有するモノマー、
例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミ
ド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド
等。
【0025】5)α,β−不飽和カルボン酸類、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0026】6)置換又は無置換のアルキルアクリレー
ト、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、
アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−
2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレート、グリシジルアクリレート等。
【0027】7)置換又は無置換のアルキルメタクリレ
ート、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチ
ル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート等。
【0028】8)アクリルアミド又はメタクリルアミド
類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エ
チルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0029】9)弗化アルキル基を含有するモノマー、
例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロ
エチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタク
リレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オ
クタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペ
ンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタ
クリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチ
ル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0030】10)ビニルエーテル類、例えば、エチル
ビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0031】11)ビニルエステル類、例えばビニルア
セテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレー
ト、安息香酸ビニル等。
【0032】12)スチレン類、例えばスチレン、メチ
ルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0033】13)ビニルケトン類、例えばメチルビニ
ルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン等。
【0034】14)オレフィン類、例えばエチレン、プ
ロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0035】15)N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0036】16)シアノ基を有するモノマー、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテン
ニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シア
ノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノ
スチレン等。
【0037】17)アミノ基を有するモノマー、例えば
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタ
ンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリ
ロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0038】これらの共重合体は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された重
量平均分子量が1〜20万であるものが好ましいが、こ
の範囲に限定されるものではない。
【0039】本発明においては、上記高分子化合物の中
でもアクリル系重合体が特に好ましい。
【0040】上記高分子重合体には、必要に応じてポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹
脂、天然樹脂等、他の任意の高分子重合体を併用しても
よい。
【0041】感光層組成物中における高分子重合体の含
有量は、10〜90重量%の範囲が好ましく、15〜7
0重量%の範囲が更に好ましく、20〜50重量%の範
囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
【0042】更に樹脂の酸価については10〜150の
範囲で使用するのが好ましく、30〜120の範囲がよ
り好ましく、50〜90の範囲で使用することが、感光
層全体の極性のバランスをとる観点から特に好ましく、
これにより感光層塗布液での顔料の凝集を防ぐことがで
きる。
【0043】光重合性化合物 光重合性化合物としては、分子中にエチレン性不飽和結
合を有する化合物が好ましく、公知の重合性モノマー類
を使用することができる。このような化合物としては、
例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導体、
あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタ
コネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合
物;ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールジアクリレート、ビスフェノールAジアク
リレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート等の2
官能アクリル酸エステル及びその誘導体、あるいはこれ
らのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、ク
ロトネート、マレエート等に代えた化合物;あるいはト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキ
シ変性されたイソシアヌル酸のトリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能アク
リル酸エステル及びその誘導体、あるいはこれらのアク
リレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネー
ト、マレエート等に代えた化合物等を挙げることができ
る。
【0044】又、適当な分子量のオリゴマーに、アクリ
ル酸又はメタクリル酸を導入して光重合性を付与した、
所謂プレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。
【0045】この他に、特開昭58−212994号、
同61−6649号、同62−46688号、同62−
48589号、同62−173295号、同62−18
7092号、同63−67189号、特開平1−244
891号等に記載の化合物などを挙げることができ、更
に、「11290の化学薬品」化学工業日報社,286
〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブ
ック(原料編)」高分子刊行会,11〜65頁に記載の
化合物なども好適に用いることができる。
【0046】これらの中で、分子内に2個以上のアクリ
ル基又はメタクリル基を有する化合物が好ましく、更
に、分子量が10,000以下、より好ましくは5,0
00以下のものが挙げられる。本発明では、これらのモ
ノマー又はプレポリマーの内、1種又は2種以上を混合
して用いることができる。
【0047】これらのエチレン性不飽和結合を有する化
合物の添加量としては、感光層の組成物全量の10〜9
0重量%が好ましく、25〜80重量%が更に好まし
く、40〜70重量%の範囲が特に好ましく、最も好ま
しくは50〜60重量%の範囲であり、これによって、
より高感度でレーザーに対応可能な平版印刷版材料を提
供できる。
【0048】光重合開始剤 光重合開始剤系として、例えばJ.コーサー(J.Ko
sar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5
章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合
物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ
化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ
る。更に具体的な化合物は英国特許1,459,563
号に開示されている。
【0049】即ち、光重合開始剤としては、次のような
ものを使用することができる。
【0050】ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−
i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェ
ニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェ
ノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイ
ル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロ
チオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等の
チオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2
−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N
−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリ
ドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベン
ジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の
他、特公昭59−1281号、同61−9621号なら
びに特開昭60−60104号記載のトリアジン誘導
体;特開昭59−1504号、同61−243807号
記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号、同4
4−6413号、同44−6413号、同47−160
4号ならびに米国特許3,567,453号記載のジア
ゾニウム化合物;米国特許2,848,328号、同
2,852,379号ならびに同2,940,853号
記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062b
号、同37−13109号、同38−18015号なら
びに同45−9610号記載のo−キノンジアジド類;
特公昭55−39162号、特開昭59−14023号
ならびに「マクロモレキュルス(Macromolec
ules)」10巻,1307頁(1977年)記載の
各種オニウム化合物;特開昭59−142205号記載
のアゾ化合物;特開平1−54440号、ヨーロッパ特
許109,851号、同126,712号ならびに「ジ
ャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Im
ag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記
載の金属アレン錯体;特願平4−56831号及び同4
−89535号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素
錯体;特開昭61−151197号記載のチタノセン
類;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー
(Coordination Chemistry R
eview)」84巻,85〜277頁)(1988
年)ならびに特開平2−182701号記載のルテニウ
ム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−2
09477号記載の2,4,5−トリアリールイミダゾ
ール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号
記載の有機ハロゲン化合物等。
【0051】光源にレーザー光を用いる場合、好ましく
は感光層に増感色素を添加する。
【0052】可視光から近赤外まで波長増感させる化合
物としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシ
アニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フ
ルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナ
ジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェ
ニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジ
ン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジ
ゴ、スチリル、ピリリウム化合物等が挙げられ、更に欧
州特許568,993号、米国特許4,508,811
号、同5,227,227号等に記載の化合物も用いら
れる。
【0053】これら重合開始剤の配合量は特に限定され
ないが、好ましくは、付加重合又は架橋可能な化合物1
00重合部に対して0.1〜20重量部である。光重合
開始剤と増感色素の配合比率は、モル比で1:100〜
100:1の範囲が好ましい。
【0054】各種添加剤 着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好
適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本
顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス
便覧等に述べられているものが挙げられる。
【0055】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔
料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的に
は、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウ
ム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウ
ムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジ
ゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフ
ェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシ
アニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙
げられる。
【0056】これらの中で、レーザーに対応した分光増
感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を添
加することが好ましく、レーザー波長での積分球を用い
た顔料の反射吸収が0.05以下であることが好まし
い。又、顔料の添加量としては、感光層総固形分に対し
0.1〜10%が好ましく、より好ましくは0.2〜5
%である。
【0057】露光光源としてアルゴンレーザー(488
nm)又はSHG−YAGレーザー(532nm)を使
用する場合には、上記の感光波長領域での顔料吸収及び
現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用
いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコ
バルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレー
キ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレー
キ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブル
ーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、イ
ンジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロン
バイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロン
BC等を挙げることができる。これらの中で、より好ま
しくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレット
である。
【0058】光重合性感光層の塗布 これら感光性組成物は、組成物の溶解性、分散性等を考
慮し、適当な溶媒に適当な濃度に溶解、又は分散して塗
布される。好ましい溶剤を以下に掲げる(括弧内は沸
点:℃) エタノール(78.3)、プロパノール(97.3)、
i−プロパノール(82.3)、ブタノール(117.
7)、i−ブタノール(108.3)、2−メチル−2
−ブタノール(101.8)、2−エチル−1−ブタノ
ール(147)、2、4−ジメチル−3−ペンタノール
(140)、ヘキサノール(157.2)、2−ヘキサ
ノール(160)、シクロヘキサノール(161.
1)、1−ヘプタノール(175)、1−オクタノール
(195.2)等のアルコール類;ジオキソラン(7
4)、メチルジオキソラン(81)、3−メトキシ−3
−メチルブタノール(174)、プロピレングリコール
モノメチルエーテル(120.6)、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル(190)、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル(243)、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル(170.2)、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート(14
6)、メチルカルビトール(193.6)、エチルカル
ビトール(202.8)等のエーテル類;アセトン(5
6)、メチルエチルケトン(79.6)、メチルプロピ
ルケトン(102)、メチル−i−ブチルケトン(11
5.1)、メチルアミルケトン(151)、ジエチルケ
トン(102.8)、3−ヒドロキシ−2−ブタノン
(148)、4−ヒドロキシ−2−ブタノン(18
2)、シクロペンタノン(129)、シクロヘキサノン
(155.4)、ジアセトンアルコール(169.2)
等のケトン類;乳酸メチル(144.8)、乳酸エチル
(154)、乳酸ブチル(188)、酢酸エチル(7
7)、酢酸プロピル(102)、酢酸−i−プロピル
(88.7)、酢酸ブチル(126.6)、酪酸メチル
(102.3)、酪酸エチル(120)、酪酸ブチル
(166.4)、γ−ブチロラクトン(206)等のエ
ステル類;ヘキサン(68.7)、シクロヘキサン(8
0.7)、ヘプタン(98.4)、オクタン(125.
7)、トルエン(110.6)、キシレン(139)等
の炭化水素類;その他、水(100)、ジメチルジグリ
コール(162)等。
【0059】これら溶剤を単独又は2種以上混合して使
用する。溶剤中の感光性組成物の固形分濃度は3〜40
重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0060】オーバーコート層 オーバーコート層は、後述する現像液(通常はアルカリ
水溶液)への溶解性が高いことが好ましい。具体的化合
物例として、ポリビニルアルコール、ポリサッカライ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、
ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオク
タアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナ
トリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、
ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリ
アミド等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種
以上混合したものを主成分として用いることができる。
【0061】光重合性感光層上に設けるオーバーコート
層は、酸素遮断性を有していることが好ましく、オーバ
ーコート層の主成分として、ポリビニルアルコール、ポ
リサッカライドを含有することが特に好ましい。
【0062】本発明の平版印刷版材料では、感光層とオ
ーバーコート層間の剥離力が35g/10mm以上であ
ることが好ましく、より好ましくは50g/10mm以
上、更に好ましくは75g/10mm以上である。好ま
しいオーバーコート層の組成としては特願平8−161
645号に記載されるものが挙げられる。
【0063】本発明における剥離力は、オーバーコート
層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを
貼り、それを平版印刷版材料の平面に対して90度の角
度でオーバーコート層と共に剥離する時の力を測定し
た。
【0064】オーバーコート層には、更に必要に応じて
界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記
オーバーコート層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上
に塗布・乾燥してオーバーコート層を形成する。塗布溶
剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i
−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ま
しい。
【0065】オーバーコート層の厚みは0.1〜5.0
μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmで
ある。
【0066】塗工方法 感光層を支持体の親水性表面上に塗工する方法として
は、従来公知の方法、例えばエアドクタコータ法、ブレ
ードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディッ
プコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ
法、キャストコーティング法、カーテンコータ法、押出
しコータ法等を挙げることができる。塗布後の乾燥は、
通常、所定温度に保った乾燥ゾーンに所定時間滞留させ
ることで行われる。その他、赤外線ヒーターによる加熱
乾燥、熱ロールに接触させることによる加熱乾燥、温風
を吹き付けることによる加熱乾燥が好ましい。
【0067】乾燥条件は、使用する溶剤、塗布液量によ
り設定されるが、本発明においては、塗布・乾燥後の感
光層中の残留溶剤が1μg〜100mg/m2の範囲に
ある時にオーバーコート層を塗布することが好ましい。
又、感光層を塗布・乾燥した後、40℃以下の温度で1
時間以上放置した感光層上にオーバーコート層の塗布を
行うことも本発明の好ましい態様である。
【0068】本発明での残留溶剤量の測定は、ヘッドス
ペース/ガスクロマトグラフィー(HP7694/HP
5890:HP製)を用い、試料16cm2を20ml
のバイアル瓶に封入し、120℃で30分加熱して残留
溶剤を抽出し、ガスクロマトグラフィーで定量分析し
た。感光層とオーバーコート層は、塗布工程内で連続し
て塗布してもよいし、感光層を塗布・乾燥後、一旦巻き
取り、又は所定の大きさに断裁したものを適当な時間を
経過させた後、オーバーコート層を連続に、又は枚葉に
塗布し乾燥してもよい。
【0069】オーバーコート層の塗布方法としても、上
記例に挙げた公知の方法を好適に用いることができる。
オーバーコート層の乾燥温度は、感光層の乾燥温度より
も低い方がより好ましい。好ましくは感光層乾燥温度と
の差が10℃以上、より好ましくは20℃以上である。
又、オーバーコート層の乾燥温度が、感光層が含有する
バインダーのガラス転移温度(Tg)より低いことも本
発明の好ましい実施態様である。オーバーコート層の乾
燥温度と、感光層が含有するバインダーのガラス転移温
度(Tg)の差は20℃以上であることが好ましく、よ
り好ましくは40℃以上である。
【0070】画像形成方法 本発明の平版印刷版材料に画像露光する光源としては、
例えばレーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュ
ランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハ
ライドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、
無電極光源等を挙げることができる。キセノンランプ、
ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドラ
ンプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光
源等を用いて一括露光する場合には、感光層上に、所望
露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成したマスク
材料を重ね合わせ、露光すればよい。
【0071】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等
の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像
信号に応じたデジタル露光をすることが可能であり好ま
しい。この場合は、マスク材料を使用せず、直接書込み
を行うことができる。
【0072】レーザーの場合には、光をビーム状に絞
り、画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク
材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を
微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形
成が可能となる。
【0073】レーザー光源としては、アルゴンレーザ
ー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体
レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。レ
ーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走
査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料
を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露
光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動
を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記
録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光
学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に
主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平
行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。
平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθ
レンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記
録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円
筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録
には適している。
【0074】画像露光した感光層は露光部が硬化し、こ
れによりアルカリ現像液で現像処理することで未露光部
が除去され画像形成が可能となる。このような現像液と
しては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用で
きる。例えば珪酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニ
ウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;
炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水
素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;硼酸ナト
リウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無
機アルカリ剤が挙げられる。
【0075】又、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ
−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールア
ミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、
エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用い
られる。
【0076】これらのアルカリ剤は、単独又は2種以上
組み合わせて用いられる。
【0077】又、該現像液には、必要に応じてアニオン
性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を
加えることができる。
【0078】
【実施例】以下に、合成例、支持体作製例、実施例を具
体的に示すが、本発明の実施態様は、これ等に限定され
るものでない。尚、実施例における「部」は、特に断り
ない限り「重量部」を表す。
【0079】(バインダーの合成)窒素気流下の三ツ口
フラスコに、メタクリル酸12部、メタクリル酸メチル
70部、アクリロニトリル8部、メタクリル酸エチル1
0部、エタノール500部及びα、α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイル
バスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニ
ウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート1部
を加えて3時間反応させ、目的の化合物を得た。GPC
を用いて測定した重量平均分子量は約50,000、D
SC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度
(Tg)は約85℃であった。
【0080】(支持体の作製)厚さ0.24mmのアル
ミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保
たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の
脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム
板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸
漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウ
ム板を、0.3重量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流
密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒
間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸
化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行
った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板
を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/d
2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行
い、更に3%硅酸ナトリウムで90℃で封孔処理を行っ
て支持体を作製した。
【0081】この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は
0.6μmであった。
【0082】(平版印刷版材料の作製…本発明)上記支
持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥膜厚
1.4μmになるようワイヤーバーで塗布・乾燥した
後、該感光層上に、下記組成のオーバーコート層塗工液
を乾燥膜厚2.0μmになるようアプリケーターで塗布
・乾燥して感光層上にオーバーコート層を有する平版印
刷版材料(本発明試料No.1〜12)を作製した。
【0083】光重合性感光層塗工液 アクリル系共重合体(合成バインダー,分子量Mw=5万) 35.0部 3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジブチルアミノ) クマリン 2.0部 7−ジエチルアミノ−3−(ナフト[1,2−d] チアゾリル)クマリン 2.0部 3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシ カルボニル)ベンゾフェノン 4.0部 EO変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌル酸 (アロニクスM−315:東亞合成社製) 35.0部 ポリテトラメチレングリコールジアクリレート (PTMGA−250:共栄社化学社製) 10.0部 多官能ウレタンアクリレート (U−15HA:新中村化学工業社製) 5.0部 フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ −5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート (スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部 弗素系界面活性剤(FC−431;住友スリーエム社製) 0.5部 メチルエチルケトン(沸点=79.6℃) 80部 シクロペンタノン(沸点=129℃) 820部オーバーコート層塗工液 ポリビニルアルコール(GL−03:日本合成化学社製) 89部 水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部 界面活性剤(F142D:大日本インキ工業社製) 0.5部 水 900部 (平版印刷版材料の作製…比較)塗工条件を表1に示す
ように変更した以外は、上記本発明試料と同様にして比
較の平版印刷版材料(比較試料No.1及び2)を作製
した。
【0084】各試料をサンプリングして、残留溶剤量を
測定した。平版印刷版材料の作製条件、残留溶剤量、オ
ーバーコート層と感光層間の剥離力は表1の通りであ
る。
【0085】
【表1】
【0086】(画像形成)このようにして作製した光重
合型平版印刷版材料について、Arレーザー光源を搭載
したCTP露光装置(PI−R1080:大日本スクリ
ーン製造社製)を用いて4000dpiの解像度で画像
露光を行った。次いで、現像液(KD−52:コニカ社
製,水で6倍に希釈)に35℃で40秒浸漬してオーバ
ーコート層及び未露光部を除去した後、水洗した。
【0087】版面上に、画線部保護のためのガム液(S
GU−3:コニカ社製)を塗布・乾燥して平版印刷版を
作製した。
【0088】(平版印刷版の評価)上記のようにして得
られた平版印刷版について、以下の評価をした。
【0089】≪感度≫175線・50%の網点露光部
が、作製した平版印刷版面上で50%に再現できる露光
量を適性露光量とし、その露光量を感度とした。
【0090】≪インク着肉性、耐刷性≫175線の画像
を適性露光量で露光、現像して作製した平版印刷版を、
印刷機(ハイデルGTO:ハイデルベルグ社製)で、コ
ート紙、印刷インキ(ハイプラスM紅:東洋インキ製造
社製)及び湿し水(SEU−3:コニカ社製,2.5%
水溶液)を用いて印刷を行い、安定した印刷ができる迄
の枚数をインク着肉性の指標とし、ハイライト部の点細
り、シャドウ部の絡みの発生する印刷枚数を耐刷性の指
標とした。
【0091】≪保存性≫露光、現像処理する前の生試料
を、55℃・20%RH及び40℃・80%RHの条件
で恒温槽(TABI ESPEC:CORP製)に7日
間投入した後、上記と同様に露光、現像を行い、印刷時
の非画線部の汚れの発生有無を評価した。
【0092】≪搬送性≫前記CTP露光装置を用いて、
菊全サイズ(1030×800mm)の平版印刷版材料
を各50枚連続して画像形成を行い、オーバーコート層
の傷、剥離による画像欠陥を生じた枚数を計測した。
【0093】結果を併せて表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】本発明が全ての点で比較例に勝っているこ
とが明白である。
【0096】
【発明の効果】本発明により、高感度でありながら生保
存性と印刷性能(インクの付着性、耐刷性)に優れ、か
つ画像欠陥の発生し難い平版印刷版材料を提供できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/38 501 G03F 7/38 501 (72)発明者 松本 晋治 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性支持体上に、少なくとも光重合性
    感光層、オーバーコート層を順次塗布により設けて成る
    平版印刷版材料の製造方法において、該光重合性感光層
    の残留溶剤量を1μg〜100mg/m2に乾燥した
    後、オーバーコート層の塗布を行うことを特徴とする平
    版印刷版材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 親水性支持体上に、少なくとも光重合性
    感光層、オーバーコート層を順次塗布により設けて成る
    平版印刷版材料の製造方法において、該光重合性感光層
    を塗布・乾燥した後、40℃以下の温度で1時間以上放
    置した光重合性感光層上にオーバーコート層の塗布を行
    うことを特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 親水性支持体上に、少なくとも光重合性
    感光層、オーバーコート層を順次塗布により設けて成る
    平版印刷版材料の製造方法において、該光重合性感光層
    の残留溶剤量を1μg〜100mg/m2に乾燥した
    後、40℃以下の温度で1時間以上放置した光重合性感
    光層上にオーバーコート層の塗布を行うことを特徴とす
    る平版印刷版材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 オーバーコート層の乾燥を、光重合性感
    光層の乾燥温度より低温で行うことを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の平版印刷版材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 オーバーコート層の乾燥を、光重合性感
    光層が含有するバインダー成分のガラス転移温度(T
    g)以下の温度で行うことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の平版印刷版材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 オーバーコート層の乾燥を、請求項4及
    び請求項5の少なくとも一方の条件で行い、かつ光重合
    性感光層とオーバーコート層間の剥離力が35g/10
    mm以上となるオーバーコート層塗工液を用いることを
    特徴とする平版印刷版材料の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062614A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物及び平版印刷法
JP2008062613A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物及び平版印刷法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062614A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物及び平版印刷法
JP2008062613A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Fujifilm Corp 平版印刷用湿し水組成物及び平版印刷法

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