JPH1031312A - 感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の作成方法 - Google Patents

感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の作成方法

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JPH1031312A
JPH1031312A JP18619896A JP18619896A JPH1031312A JP H1031312 A JPH1031312 A JP H1031312A JP 18619896 A JP18619896 A JP 18619896A JP 18619896 A JP18619896 A JP 18619896A JP H1031312 A JPH1031312 A JP H1031312A
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達一 前橋
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晋治 松本
Iku Fukumuro
郁 福室
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー記録に適し保存性及び形成した印刷
版の耐刷性に優れる感光性平版印刷版材料及び平版印刷
版の作成方法を提供する。 【解決手段】 親水性表面を有する支持体の該親水性
表面上に、アミノ基、グリシジル基及びメルカプト基か
ら選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング
剤を有する中間層、400〜1200nmの波長の光に
感度を有する光重合性感光層及び保護層をこの順に有す
る感光性平版印刷版材料、親水性表面を有する支持体
の該親水性表面上に、ラジカル付加重合可能な基を有す
るシランカップリング剤を有する中間層、該中間層形成
後少なくとも30分間のエージング処理を施して後設け
られた、400〜1200nmの波長の光に感度を有す
る光重合性感光層及び保護層をこの順に有する感光性平
版印刷版材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版材
料及びそれを用いる平版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、親水性表面を有する支持体の
該親水性表面上に可視光感光性の光重合性層及び保護層
を積層した感光性平版印刷版材料は知られている。これ
は、露光部を重合硬化せしめ、未重合の非露光部を現像
液(一般にはアルカリ成分や、水溶性有機溶剤を含有す
る水溶液)を用いて溶解除去して印刷版を作成する。こ
の様な光重合性感光層を有する感光性平版印刷版材料は
非常に高感度とすることができ、レーザーによる書き込
み用に多く用いられている。
【0003】光重合性層は一般に(メタ)アクリル系単
量体とアルカリ可溶性重合体及び光重合開始剤を含有す
る。アクリル系単量体及びその重合物は一般的に親油性
であるため親水性支持体上に画像形成したものは平版印
刷版として好適に用いられる。しかし一般には光重合性
層と親水性支持体との接着性が必ずしも十分でなく、大
部数の印刷をした場合、画像が欠落するなどの不具合を
生じることがあった。
【0004】親水性支持体と光重合性層間の接着性を高
める試みとして、例えば特開平4−161957号には
特定構造のシランカップリング剤を感光層中に含有させ
る技術が開示されているが、感光層中にシランカップリ
ング剤を含有せしめた場合、平版印刷版作成後、経時で
感光層と支持体との接着力が増加したり、感光層内でシ
ランカップリング剤同士の結合が起こって非画像部の溶
出性が徐々に低下し、印刷時に非画像部に汚れが発生す
る場合がある。
【0005】特開昭59−192250号には支持体と
感光層との間にシランカップリング剤を含有する非感光
性中間層を設ける技術が開示されている。しかし光重合
性の感光層にこの様な中間層を組み合わせると、露光部
と非露光部の現像性の差が十分大きく得られず、耐刷性
と非画像部の溶出性の両立が難しい場合がある。
【0006】特開平7−159983号にはラジカル付
加重合可能な官能基を有するシランカップリング剤を親
水性表面に結合させた支持体上に光重合性感光層を設け
る事が記載されているが、安定な耐刷性等を得るのが難
しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
よりなされたものであり、その目的は、レーザー記録に
適し保存性及び形成した印刷版の耐刷性に優れる感光性
平版印刷版材料及び平版印刷版の作成方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 親水性表面を有する支持体の該親水性表面上に、ア
ミノ基、グリシジル基及びメルカプト基から選ばれる少
なくとも1種を有するシランカップリング剤を有する中
間層、400〜1200nmの波長の光に感度を有する
光重合性感光層及び保護層をこの順に有する感光性平版
印刷版材料、前記中間層が前記シランカップリング剤を
含有する溶液を用いて形成されたこと、 親水性表面を有する支持体の該親水性表面上に、ラ
ジカル付加重合可能な基を有するシランカップリング剤
を有する中間層、該中間層形成後少なくとも30分間の
エージング処理を施して後設けられた、400〜120
0nmの波長の光に感度を有する光重合性感光層及び保
護層をこの順に有する感光性平版印刷版材料、前記中間
層が前記シランカップリング剤を含有する非水溶性有機
溶剤の溶液を用いて形成されたこと、及びにおいて
中間層が光重合性であること、及び これらの感光性平版印刷版材料の保護層側からレー
ザーを走査して画像露光を行い、現像処理により非露光
部の感光層を除去する平版印刷版の作成方法、により達
成される。
【0009】以下、本発明について項目毎に詳述する。
【0010】《中間層》本発明の感光性平版印刷版材料
は、第1に中間層がアミノ基、グリシジル基及びメルカ
プト基から選ばれる少なくとも1種を有するシランカッ
プリング剤を有することを特徴とする。
【0011】本発明の感光性平版印刷版材料は、第2に
ラジカル付加重合可能な基を有するシランカップリング
剤を有する中間層を形成後少なくとも30分間のエージ
ング処理を施して後、光重合性感光層及び保護層が設け
られたことを特徴とする。
【0012】本発明においてシランカップリング剤は、
4価のケイ素原子に少なくとも2種の反応性基又は反応
性原子が、直接或いは連結基を介して結合している化合
物を言う。
【0013】本発明のシランカップリング剤は反応性基
として、置換又は非置換のアミノ基、メルカプト基、エ
ポキシエチル基やエポキシエチレン基の様なグリシジル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等を
1分子中に1種又は2種以上有する。
【0014】他の反応性基として、ケイ素原子に直接結
合した少なくとも1つのアルコキシ基(好ましくはメト
キシ基、エトキシ基の様な炭素原子数1〜4のもの)、
アシルオキシ基(好ましくはアセチルオキシ基、ブチリ
ルオキシ基の様な炭素原子数2〜4のアルキルカルボニ
ルオキシ基)、アンモニウム化合物残基(例えばオクタ
デシルメチルアンモニウムクロライド残基等の第4級ア
ンモニウム化合物残基)、ハロゲン原子(好ましくはク
ロル原子)を有することが好ましい。
【0015】連結基としては、例えばエチレン基、プロ
ピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素
原子数1〜5のアルキレン基;トリメチレンオキシメチ
レン基、エチレンオキシエチレン基等の炭素原子数2〜
8のアルキレンオキシアルキレン基;トリメチレンアミ
ノエチレン基の様な炭素原子数2〜8のアルキレンアミ
ノアルキレン基;エチレンオキシカルボニル基;トリメ
チレンオキシカルボニル基、アルキレンアミノアルキレ
ンアミノフェニレン基等を挙げることができる。
【0016】本発明に用いるシランカップリング剤の具
体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリメ
トキシシリルプロピル)アミン、N−((3−トリメト
キシシリル)プロピル)トリエチレンテトラミン、N−
3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジア
ミン、γ−アニリノトリメトキシシラン、N,N−ビス
(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジア
ミン、3−(N−アリル−N−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−
N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−(N−アリル−N−メタクリロイル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、p−(N−(2−アミノエチ
ル)アミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリス(トリメチルシロキシ)シラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−グリ
シジル−N,N−ビス(3−(メチルジメトキシシリ
ル)プロピル)アミン、N−グリシジル−N,N−ビス
(3−トリメトキシシリル)プロピル)アミン、3−
(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(トリメチ
ルシロキシ)シラン、トリメトキシシリルビニルビシク
ロ(2,2,1)へプタン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0017】上記シランカップリング剤を有する中間層
を支持体上に設けるには、シランカップリング剤を溶媒
に溶解して適当な濃度に調製した溶液を用いればよい。
【0018】溶媒としては、水、メタノール,エタノー
ル,イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、シクロパンタノン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、トルエン、キシ
レン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
【0019】アミノ基を有するシランカップリング剤の
様に特異的に水溶媒中で安定性が高いもの以外は、中間
層形成溶液の安定性を得るために、十分に脱水されたア
ルコール類、或いは非水溶性溶媒を用いることが好まし
い。非水溶性溶媒としては、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタ
ノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸
エチル、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。
【0020】溶媒は単独又は2種以上の併用で用いるこ
とができる。更に界面活性剤を添加してもよい。
【0021】中間層形成溶液を塗布するには、従来公知
の、面順次塗別け塗布法、押出し塗布法、ワイヤーバー
塗布法、ロール塗布法、ディップ塗布等を適宜採用する
ことができる。
【0022】シランカップリング剤を有する中間層の膜
厚は、0.001〜0.5μm程度、好ましくは0.0
1〜0.3μmである。
【0023】中間層を感光層と同様の光重合性にするこ
とにより平版印刷版の耐刷性のみならず解像度を向上さ
せることができる。光重合性とするには、感光層と同様
にエチレン性不飽和結合を有する化合物及び光重合開始
剤を含有せしめる。
【0024】エチレン性不飽和結合を有する化合物とし
ては、公知の重合性モノマー類を使用することができ
る。具体的化合物として、例えば、2−エチルヘキシル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリル
酸エステル及びその誘導体或いはこれらのアクリレート
をメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレ
エート等に代えた化合物、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビ
スフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物の
ジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル及びその
誘導体或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、
イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化
合物、或いはトリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ピロ
ガロールトリアクリレート等の多官能アクリル酸エステ
ル及びその誘導体或いはこれらのアクリレートをメタク
リレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等
に代えた化合物等を挙げることができる。
【0025】また適当な分子量のオリゴマーにアクリル
酸、又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与し
た、所謂プレポリマーと呼ばれるものも好適に使用でき
る。
【0026】この他に特開昭58−212994号、同
61−6649号、同62−46688号、同62−4
8589号、同62−173295号、同62−187
092号、同63−67189号、特開平1−2448
91号公報等に記載の化合物等を挙げることができ、更
に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.28
6〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハン
ドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に
記載の化合物等も好適に用いることができる。
【0027】これらの中で、分子内に2個以上のアクリ
ル基又はメタクリル基を有する化合物が好ましく、更に
分子量が10,000以下、更には5,000以下のも
のが好ましい。また本発明ではこれらのモノマー或いは
プレポリマーのうち1種又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0028】光重合開始剤としては、例えばJ.Kos
ar著“Light sensitive syste
ms”第5章に記載されている様なカルボニル化合物、
有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ
並びにジアゾ化合物、ハロゲン化物、光還元性色素等を
挙げることができ、例えば、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメト
キシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導
体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロルベンゾフェノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン
誘導体;2−クロルチオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロル
アントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアント
ラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルア
クリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシア
セトフェノン;ベンジル;フルオレノン;キサントン;
ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号、同61
−9621号並びに特開昭60−60104号に記載の
トリアジン誘導体;特開昭59−1504号、同61−
243807号に記載の有機過酸化物;特公昭43−2
3684号、同44−6413号、同44−6413
号、同47−1604号並びに米国特許第3,567,
453号に記載のジアゾニウム化合物;米国特許第2,
848,328号、同2,852,379号、同2,9
40,853号に記載の有機アジド化合物;特公昭36
−22062号、同37−13109号、同38−18
015号、同45−9610号に記載のオルトキノンジ
アジド類;特公昭55−39162号、特開昭59−1
4023号、“Macromolecules”10
p.1307(1977)に記載の各種オニウム化合
物;特開昭59−142205号に記載のアゾ化合物;
特開平1−54440号、欧州特許第109,851
号、欧州特許第126712号、“Journal o
f Imaging Science”30,p.17
4(1986))に記載の金属アレン錯体、特願平4−
56831号、同4−89535号に記載の(オキソ)
スルホニウム有機ホウ素錯体;特開昭61−15119
7号に記載のチタノセン類;“Coordinatio
n Chemistry Review”84,p.8
5〜277(1988)、特開平2−182701号に
記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯
体;特開平3−209477号に記載の2,4,5−ト
リアリールイミダゾール2量体、4臭化炭素;特開昭5
9−107344号に記載の有機ハロゲン化合物等が挙
げられる。
【0029】中間層を光重合性とするときの感光波長領
域は、光重合性感光層と実質的に同じであっても良い
し、異なっていても良いが、同じである方が画像露光の
みで印刷版として十分な特性を得ることができるために
好ましい。
【0030】中間層を光重合性とするときの好ましい組
成は、シランカップリング剤0.1〜60重量部、より
好ましくは1〜50重量部、エチレン性不飽和結合を有
する化合物5〜95重量部、より好ましくは5〜80重
量部、光重合開始剤0.1〜20重量部、より好ましく
は1〜15重量部である。更に必要に応じて、バインダ
ー樹脂、重合禁止剤、界面活性剤等を含有せしめてもよ
い。
【0031】光重合性の中間層も、その成分を適当な溶
媒に溶解、分散して塗布乾燥すればよい。溶媒としては
メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等
を用いることができる。
【0032】光重合性の中間層の膜厚は0.005〜
2.0μm、好ましくは0.01〜1.0μmの範囲で
ある。
【0033】中間層形成溶液を所定の乾燥膜厚になる様
に塗布した後、加熱して溶媒を蒸発させる。加熱温度は
40〜120℃、好ましくは60〜100℃の範囲、加
熱時間は10〜120秒、好ましくは15〜90秒であ
る。
【0034】安定な性能を得るために、中間層形成後、
エージング処理を行って後に光重合性感光層及び保護層
を形成することが好ましい。エージング処理の条件は中
間層を形成した支持体の形状によって異なるが、処理温
度20〜100℃程度、好ましくは25〜80℃、処理
時間1分〜14日間程度、好ましくは30分〜7日間で
ある。
【0035】《支持体》親水性表面を有する支持体とし
ては、例えばアルミニウム,ステンレス,クロム,ニッ
ケル等の金属板、例えばポリエステルフィルム,ポリエ
チレンフィルム,ポリプロピレンフィルム等のプラスチ
ックフィルムや紙、合成紙及び樹脂コーティングした紙
に前述の金属の薄膜をラミネート又は蒸着したもの、例
えばポリエステルフィルム,塩化ビニルフィルム,ナイ
ロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が挙
げられる。その様なプラスチックフィルムの親水化処理
方法としては、硫酸処理、酸素プラズマエッチング処
理、コロナ放電処理、水溶性樹脂層塗布層を設ける、等
が好ましく用いられる。印刷版として用いるには、表面
を砂目立て、陽極酸化処理、封孔処理を施したアルミニ
ウム板が特に好ましい。
【0036】砂目立て処理の方法としては、例えば、機
械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられ
る。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラ
シ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法が
挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各
種方法を単独もしくは組合せて用いることができる。中
でも好ましいのは、電解エッチングによる方法である。
【0037】電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝
酸等の無機酸を単独ないし2種以上混合した浴で行われ
る。砂目立て処理の後、必要に応じて、アルカリ或いは
酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗
する。
【0038】陽極酸化処理は、電解液として硫酸、クロ
ム酸、シュウ酸、燐酸、マロン酸等を一種又は二種以上
含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して
行われる。形成される酸化被覆量は、1〜50mg/d
2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2
ある。この酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸
クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム:
20gを1リットルの水に溶解して作製)に浸積し、酸
化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の重量変化測定等か
ら求められる。
【0039】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケ
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0040】親水性表面の水に対する接触角は60度以
下、より好ましくは40度以下である。また支持体の厚
さは、50〜1000μm程度、好ましくは75〜50
0μmの範囲である。
【0041】《光重合性感光層》光重合性感光層は少な
くとも、エチレン性不飽和結合を有する化合物及び40
0〜1200nmの波長の光でラジカルを発生する光重
合開始剤を含有する。
【0042】エチレン性不飽和結合を有する化合物及び
光重合開始剤は、前述の中間層を光重合性とする場合に
採用するものと同様のものを用いることができる。エチ
レン性不飽和結合を有する化合物として特に好ましいの
はアクリル酸エステル系及びメタクリル酸エステル系の
モノマーである。
【0043】感光層には必要に応じてバインダー樹脂が
用いられる。バインダー樹脂としては、バインダーとし
て機能するものであればその種類は任意であるが、酸価
が20〜250の範囲のアルカリ可溶性でかつ親油性高
分子化合物であることが好ましい。その様な高分子化合
物としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニ
ルクロライド、及びそのコポリマー、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れる。これらの中で好ましいのは、下記(1)〜(1
7)に記載のモノマーの混合物を共重合して得られた共
重合高分子化合物である。
【0044】(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例
えば、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニル
アクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、
m−ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0045】(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキ
シブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアク
リレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6
−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘ
キシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)
アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタク
リルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0046】(3)アミノスルホニル基を有するモノマ
ー、例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレ
ート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、
m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミ
ノフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)アクリルアミド等。
【0047】(4)スルホンアミド基を有するモノマ
ー、例えば、N−(p−トルエンスルホニル)アクリル
アミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルア
ミド等。
【0048】(5)α、β−不飽和カルボン酸類、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0049】(6)置換又は無置換のアルキルアクリレ
ート、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート等。
【0050】(7)置換又は無置換のアルキルメタクリ
レート、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリルデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタ
クリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等。
【0051】(8)アクリルアミド若しくはメタクリル
アミド類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリル
アミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0052】(9)フッ化アルキル基を含有するモノマ
ー、例えば、トリフルオロエチルアクリレート、トリフ
ルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピル
メタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフル
オロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシ
ルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキ
シエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド
等。
【0053】(10)ビニルエーテル類、例えば、エチ
ルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル類。
【0054】(11)ビニルエステル類、例えば、ビニ
ルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレ
ート、安息香酸ビニル等。
【0055】(12)スチレン類、例えば、スチレン、
メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0056】(13)ビニルケトン類、例えば、メチル
ビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケ
トン、フェニルビニルケトン等。
【0057】(14)オレフィン類、例えば、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等。
【0058】(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0059】(16)シアノ基を有するモノマー、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテ
ンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シ
アノエチルアクリレート、o−シアノスチレン、m−シ
アノスチレン、p−シアノスチレン等。
【0060】(17)アミノ基を有するモノマー、例え
ばN、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレ
タンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0061】上記モノマーの混合物には、上記モノマー
と共重合し得る他のモノマーを混合してもよい。又、高
分子化合物は、上記モノマーの共重合によって得られる
共重合体を例えば、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等によって修飾したものであってもよ
い。
【0062】用いる共重合体は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)によって、測定された重
量平均分子量が1万〜20万であるものが好ましいが、
重量平均分子量はこの範囲に限定されるものではない。
【0063】上記高分子化合物には、必要に応じて、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック
樹脂、天然樹脂等、他の任意の高分子化合物を併用して
もよい。感光性組成物中におけるこれら高分子化合物の
含有量は、20〜90重量%の範囲が好ましく、30〜
70重量%の範囲が更に好ましい。
【0064】感光層を支持体の親水性表面上に設けるに
は、感光層組成物を適当な溶媒に溶解して塗布、乾燥す
れば良い。溶媒としては、水、アルコール類(例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ジアセトンアル
コール)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、プロピレングリコールモノエチルエー
テル)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、クロル
ベンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
4−ヒドロキシ−2−ブタノン、ジエチルケトン)、エ
ステル系溶剤(例えば乳酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオ
キサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホルム、トリクロ
ルエチレン)、アミド系溶剤(例えばジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドン)、ジメチルスルホキシド
等が挙げられる。これらの溶媒はその溶解物又は分散物
に合わせて、1種或いは2種以上混合したものを用い
る。
【0065】塗工には、グラビアロールによる塗布法、
押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等
従来から公知の方法を採用することができる。
【0066】感光性層の厚みは通常0.2〜10.0μ
m、好ましくは0.5〜5.0μmの範囲である。
【0067】《保護層》光重合系における酸素による反
応阻害を防止するために保護層を設ける。保護層は後述
する現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高
いことが好ましい。具体的には、ポリビニルアルコー
ル、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエ
チレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴ
ム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニ
ウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミンポリエ
チレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリ
ル酸、水溶性ポリアミド等を適当な溶剤に溶解し、感光
層上に塗布乾燥して保護層を形成する。
【0068】保護層の厚みは0.1〜5.0μm程度、
好ましくは0.5〜3.0μmである。
【0069】保護層には、必要に応じて更に、界面活性
剤、マット剤等を含有せしめることができる。
【0070】《平版印刷版の作成》本発明の感光性平版
印刷版材料は、保護層側から画像露光した後に現像液で
処理し、非画像部を除去して平版印刷版とする。
【0071】画像露光には、通常のアナログ光源も使用
可能であるが、レーザー光の走査露光が特に適してい
る。画像露光を行うレーザー光源は、感光層の感光波長
や感度に合わせて任意のものが使用できる。
【0072】レーザー光源としてはヘリウムカドミウム
レーザー、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザー、
He−Neレーザー、YAGレーザー、YAGレーザー
と光学素子を組み合わせて半波長にしたもの、等を好適
に用いることができる。
【0073】レーザーの走査方法としては、円筒外面走
査、円筒内面走査、平面走査等がある。円筒外面走査で
は、感光性平版印刷版材料を外面に巻き付けたドラムを
回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主
走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走
査では、ドラムの内面に感光性平版印刷版材料を固定
し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又
は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行
い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移
動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査で
は、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を
組み合わせてレーザー光の主走査を行い、感光性平版印
刷版材料の移動により副走査を行う。円周外面走査及び
円周内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記
録には適している。
【0074】現像液としては、従来より知られているア
ルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、第二燐酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、重炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同
アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤の水溶液が
挙げられる。又、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられ
る。これらのアルカリ剤は、単独もしくは、二種以上組
合せて用いられる。
【0075】又、該現像液中に必要に応じ、アニオン性
界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加
えることができる。
【0076】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0077】実施例1(実験No.1〜14) 《感光層形成組成物に用いるアクリル系共重合体バイン
ダーの合成》窒素気流下の三つ口フラスコにメタアクリ
ル酸12重量部、メタアクリル酸メチル70重量部、ア
クリロニトリル8重量部、メタアクリル酸エチル10重
量部、エタノール500重量部、α,α′−アゾビスイ
ソブチロニトリル3重量部を投入し、窒素気流中、80
℃のオイルバスで6時間反応させた後、トリエチルアン
モニウムクロライド3重量部、グリシジルメタクリレー
ト1重量部を加え、3時間反応させて目的の化合物を得
た。重量平均分子量50,000。
【0078】《支持体の作成》厚さ0.24mmのアル
ミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保
たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱
脂処理を行った後水洗した。脱脂したアルミニウム板を
25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して
中和した後水洗した。次いで、このアルミニウム板を
1.0重量%の塩酸水溶液において、温度25℃、電流
密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間
電界粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナ
トリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行っ
た。更に20%硫酸溶液中で、温度30℃、電流密度4
A/dm2の条件で6分間陽極酸化処理を行い、珪酸ナ
トリウムで封孔処理を行って支持体を作成した。
【0079】《中間層の形成》下記組成の中間層形成溶
液を、各々調製30分後にワイヤーバーを用いて、乾燥
付量0.1mg/m2になる様に塗布し、中間層付支持
体1〜7を作成した。又、各溶液を25℃で24時間保
存したものを同様に塗布し、中間層付支持体8〜14を
作成した。
【0080】 (中間層形成溶液1) γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部 メチルエチルケトン 99重量部 (中間層形成溶液2) γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 1重量部 シクロペンタノン 99重量部 (中間層形成溶液3) ビニルトリエトキシシラン 1重量部 イソプロピルアルコール 99重量部 (中間層形成溶液4) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部 メチルエチルケトン 99重量部 (中間層形成溶液5) γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 1重量部 水 98重量部 フッ素系界面活性剤 1重量部 〔大日本インキ製造(株)製:メガファックF−120〕 (中間層形成溶液6) ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン 1重量部 メチルエチルケトン 99重量部 (中間層形成溶液7) γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 1重量部 メチルエチルケトン 99重量部 《感光性平版印刷版材料の作成》作成した中間層付支持
体を25℃、50%RHの環境下で60分放置後、遮光
しながら下記感光層形成組成物を乾燥後の塗布量が、
1.4g/m2になる様に塗布し、95℃で60秒乾燥
して感光層を形成した。次いで、該感光層上に下記処方
の保護層形成組成物を乾燥後の塗布量が1.4g/m2
になる様に塗布し、60℃で60秒乾燥して感光性平版
印刷版材料1〜14を作成した。
【0081】 (感光層形成組成物) バインダー 35.0重量部 3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン 1.0重量部 7−ジエチルアミノ−3−(ナフト[1,2−d]チアゾリル)クマリン 1.0重量部 3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル) ベンゾフェノン 4.0重量部 エチレンオキサイド変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌルエート 40.0重量部 ポリテトラメチレングリコールジアクリレート 10.0重量部 フタロシアニン顔料〔御国色素(株)製:MHI454〕 1.0重量部 2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5− メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート 0.5重量部 フッ素系界面活性剤〔3M社製:フロラードFC431〕 1.0重量部 シクロペンタノン/メチルエチルケトン=1/4溶液に
て固形分が8重量%になる様に調製した。
【0082】 (保護層形成組成物) ポリビニルアルコール〔日本合成化学(株)製:GL−05〕99重量部 界面活性剤〔大日本インキ(株)製:メガファックF142D〕1重量部 水 900重量部 《平版印刷版の作成及び評価》作成した各感光性平版印
刷版材料について、保護層側に光源がくるようにドラム
に巻き付け、ドラムを回転させながら、30mWアルゴ
ンイオンレーザーでビーム径を5.0μmに集光して露
光し、コニカ(株)製PS版用現像液:KD−52を水
で6倍に希釈したものを用いて30℃で20秒間現像し
て非露光部の感光層を溶出したものを、水洗後乾燥して
画像を形成し平版印刷版を作成した。
【0083】ドラムの回転数を一定にして、レーザー光
強度の1/e2に相当するところの線幅と形成された画
像の線幅が等しいところの光強度(μW/cm2)を求
め、照射時間との積を感度とした。
【0084】この様にして求めた適性な露光量で、17
5線で2〜98%相当の網点パッチをレーザー露光し、
同じ条件で現像処理して得た平版印刷版を用いて耐刷性
の評価を行った。即ち、ハイデル社製印刷機:GTO
で、東洋インキ製造(株)製印刷インキ:ハイプラスM
紅及びコニカ(株)製湿し水:SEU−3の2.5%水
溶液を用いてコート紙上に連続印刷を行い、175線2
%の小点が印刷できなくなるまで、或いは非画像部に汚
れが発生するまでの枚数をもって耐刷性とした。
【0085】更に、遮光下で50℃、80%RHの条件
で36時間保存した感光性平版印刷版材料についても同
様にして評価した。
【0086】実施例2(実験No.15〜22) 実施例1の中間層付支持体1及び6について、以下の条
件でエージングしたものを用いた以外は、実施例1と同
様にして感光性平版印刷版材料15〜22を作成し評価
した。
【0087】 実施例3(実験No.23〜25) 下記組成の感光性中間層形成溶液を、各々調製30分後
にワイヤーバーを用いて、遮光しながら乾燥付量0.5
mg/m2になる様に塗布し、感光性中間層付支持体1
5〜18を作成した。
【0088】 (中間層形成溶液8) バインダー 35.0重量部 3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン 2.0重量部 7−ジエチルアミノ−3−(ナフト[1,2−d]チアゾリル)クマリン 2.0重量部 3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル) ベンゾフェノン 4.0重量部 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 35.5重量部 2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ −5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート 0.5重量部 フッ素系界面活性剤〔住友スリーエム(株)製:FC−431〕 1.0重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 20重量部 メチルエチルケトン 900重量部 (中間層形成溶液9)中間層形成溶液8において、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えてビ
ス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを同量で用い
た以外は同様にして調製した。
【0089】(中間層形成溶液10)中間層形成溶液8
において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランに代えてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ンを同量で用いた以外は同様にして調製した。
【0090】作成した中間層付支持体を遮光下で25
℃、50%RHの環境下60分放置後、実施例1と同様
にして感光層、保護層を形成し感光性平版印刷版材料2
3〜25を作成し評価した。
【0091】実施例4(実験No.26〜29) 感光性平版印刷版材料1、6、23、24にイーストマ
ンコダック社製ステップタブレットを重ねて、大日本ス
クリーン(株)製明室プリンター:P−627−HAの
波長から干渉フィルター及びナローカットフィルターを
用いて490±10nmの波長の光を取り出して露光し
た後、実施例1と同様に現像処理を行い、得られた画像
の段数に対応するステップタブレットの濃度から画像形
成に必要な露光量を算出して感度とし、耐刷性及び保存
性も同様にして評価した。
【0092】実施例5(実験No.30) 下記組成によりなる60℃の中間層形成溶液に、支持体
を20秒間浸漬した後に20秒間水洗し、60℃で乾燥
をして中間層付き支持体を作成し、実施1と同様に感光
層、保護層を形成して感光性平版印刷版材料26を作成
し、評価した。
【0093】 ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン 2.0重量部 酢酸 0.01重量部 水 100重量部 比較例 中間層を設けなかった以外は感光性平版印刷版材料1と
同様にして作成した比較の材料について実施例1と同様
にして評価した。
【0094】以上の結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】本発明により、光重合性の感光層を用い
る平版印刷版材料の保存性及び形成した平版印刷版の耐
刷性を向上することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体の該親水性表
    面上に、アミノ基、グリシジル基及びメルカプト基から
    選ばれる少なくとも1種を有するシランカップリング剤
    を有する中間層、400〜1200nmの波長の光に感
    度を有する光重合性感光層及び保護層をこの順に有する
    ことを特徴とする感光性平版印刷版材料。
  2. 【請求項2】 前記中間層が前記シランカップリング剤
    を含有する溶液を用いて形成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
  3. 【請求項3】 親水性表面を有する支持体の該親水性表
    面上に、ラジカル付加重合可能な基を有するシランカッ
    プリング剤を有する中間層、該中間層形成後少なくとも
    30分間のエージング処理を施して後設けられた、40
    0〜1200nmの波長の光に感度を有する光重合性感
    光層及び保護層をこの順に有することを特徴とする感光
    性平版印刷版材料。
  4. 【請求項4】 前記中間層が前記シランカップリング剤
    を含有する非水溶性有機溶剤の溶液を用いて形成された
    ことを特徴とする請求項3に記載の感光性平版印刷版材
    料。
  5. 【請求項5】 前記中間層が光重合性であることを特徴
    とする請求項1、2、3又は4に記載の感光性平版印刷
    版材料。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載の感光性平版印刷
    版材料の保護層側からレーザーを走査して画像露光を行
    い、現像処理により非露光部の感光層を除去することを
    特徴とする平版印刷版の作成方法。
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