JP3882811B2 - 感光性平版印刷版及びその製版方法 - Google Patents
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Description
(請求項1)支持体上に、1)光重合開始剤、2)350〜1000nmに吸収波長を有する増感色素、3)フッ素系界面活性剤及び4)下記一般式(1)で示される単位を有しかつカルボキシル基を有するビニル系高分子重合体を含有する光重合性組成物を含む感光層、該感光層上に水溶性高分子、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶媒に可溶な有機高分子重合体の接着性付与剤及びフッ素系界面活性剤を含む保護層を設けてなる感光性平版印刷版であって、前記保護層の前記感光層に対する剥離力が3.5g/mm以上であることを特徴とする感光性平版印刷版。
式中、R 1 及びR 2 は各々水素原子又はメチル基を表し、R 3 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。ただし、R 2 がメチル基のときR 3 は水素原子である。Lは2価の連結基を表す。
(請求項2)請求項1に記載の感光性平版印刷版を合い紙を用いることなく重ねて用いることを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項3)前記接着性付与剤が少なくとも1つの窒素原子を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版。
(請求項4)前記接着性付与剤が少なくとも1つの窒素原子を含有することを特徴とする請求項2記載の感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項5)前記支持体が砂目立て及び陽極酸化処理を行ったアルミニウム支持体であることを特徴とする請求項1または3に記載の感光性平版印刷版。
(請求項6)前記支持体が砂目立て及び陽極酸化処理を行ったアルミニウム支持体であることを特徴とする請求項2または4に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
〔1〕保護層
本発明において感光層上に設けられる保護層は、例えば感光層上に保護層として使用可能な高分子化合物を溶剤に溶解した塗布液を支持体に塗布することにより設けられる。保護層に用いるものとしては、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶媒に可溶な水溶性高分子、詳しくは水溶性の有機高分子重合体であることが好ましく、このような有機高分子重合体の具体例としては、加水分解されたポリ酢酸ビニルやポリアクリル酸等、又ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル部分ケン化物等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、或いはメチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体、或いはポリビニルアルコール及びそれが上記のような溶剤可溶性であるために必要とされる未置換ビニルアルコール単位を含むポリビニルアルコールの部分エステル、エーテル及びアセタール、その他澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミンポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。これらは単独で或いは混合して用いられるが、これらの化合物のうちポリビニルアルコールが好適に用いられる。
〔2〕感光層
本発明における感光層は、光重合性組成物を含む。該光重合性組成物は、公知の光重合性組成物であればその何れをも使用することができるが少なくとも、1〕下記一般式(1)で示される単位を有しかつカルボキシル基を有するビニル系高分子重合体及び2〕重合性二重結合を1分子中に少なくとも1個有するモノマー又はオリゴマー又はプレポリマーを含有し、更に3〕光重合開始剤、4〕フェノール系、アミン系、イオウ系又はリン系の重合禁止剤、5〕有機過酸化物及び6〕オニウム塩を適宜含有してなる。
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えば、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート等。
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えば、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
(5)α,β−不飽和カルボン酸類、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
(6)置換又は無置換のアルキルアクリレート、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等。
(7)置換又は無置換のアルキルメタクリレート、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(8)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
(9)フッ化アルキル基を含有するモノマー、例えば、トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
(10)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
(11)ビニルエステル類、例えば、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
(12)スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
(13)ビニルケトン類、例えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
(14)オレフィン類、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
(16)シアノ基を有するモノマー、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−シアノスチレン、m−シアノスチレン、p−シアノスチレン等。
(17)アミノ基を有するモノマー、例えば、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジェンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
(1)カップリング剤
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、特開平2−4258号、特開平4−161957号記載のカップリング剤。カップリング剤は全固形分に対し1〜20質量%添加される。
(2)熱重合禁止剤
熱重合防止剤としては、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく用いられる。例えば、ハイドロキノン、ピロガロール、p−メトキシフェノール、カテコール、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは0.01〜5質量部程度添加される。
(3)酸素クエンチャー
酸素クエンチャーとしてはN,N−ジアルキルアニリン誘導体が好ましく、例えば米国特許4,772,541号の第11カラム58行目から第12カラム35行目に記載の化合物が挙げられる。
(4)可塑剤
可塑剤としては、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その他飽和或いは不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正リン酸エステル、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類等が挙げられる。
(5)酸化防止剤
酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物等が挙げられ、特開昭59−182785号、同60−130735号、同61−159644号、特開平1−127387号、「11290の化学商品」化学工業日報社、p862〜868等に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料に耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
(6)フィラー
フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。
(7)界面活性剤
界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、高分子帯電防止剤及び導電性微粒子等のほか「11290の化学商品」化学工業日報社、p875〜876等に記載の化合物等が挙げられる。好ましく用いられる界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤である。更に好ましくは末端の炭素原子が十分にフッ素化されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートの共重合体、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基/親水性基又は親油性基又は親水性基及び親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基/親油性基含有ウレタン、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオロアルキルテトラエチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物等が用いられ、具体的な化合物としては、販売している製品で旭硝子(株)製サーフロンシリーズ、住友3M(株)製フロラードFC−95、FC−98、FC−128、FC−134、FX−161、FC−170、FC−176、FC−430、FC−431、バイエルジャパン(株)製FT−248、FT−448、FT−548、FT−624、FT−718、FT−738及び大日本インキ(株)製メガファックシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔3〕感光性平版印刷版
本発明の感光性平版印刷版は、適当な溶媒、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、乳酸メチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン、モノクロベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロルエタン、パークロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;テトロヒドロフラン;N−メチルピロリドン;ジメチルイミダゾリジノン及びこれらの混合溶媒を用い、上記の光重合性組成物の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥し、感光層を形成することにより得ることができる。
実施例1
(バインダーの合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコにメタアクリル酸メチル70部、アクリロニトリル8部、メタアクリル酸エチル10部、エタノール500部、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1部を加え、3時間反応させ目的の化合物を得た。
(支持体の作製)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱脂処理を行なった後水洗した。この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。次いで、このアルミニウム板を0.3質量%の硝酸水溶液において、温度25℃、電流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化を行なった後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行なった。デスマット処理を行なった粗面化アルミニウム板を15%硫酸溶液中で、温度25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件で1分間陽極酸化処理を行ない、更に3%硅酸ソーダ、温度90℃で封孔処理を行なって支持体を作製した。
(光重合性感光材料(感光性平版印刷版用)の作製)
上記砂目支持体上に以下に示す光重合性組成物の塗布液(以下、感光層塗布液)をワイヤーバーを用いて、乾燥膜厚2.0μmとなるように塗布し、遮光下で80℃/2分熱処理して感光層を形成した。
(感光層塗布液1)
アクリル系共重合体(合成バインダー) 35.0部
分子量Mw=5万
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7− 2.0部
(ジブチルアミノ)クマリン
7−ジエチルアミノ−3− 2.0部
(ナフト[1.2−d]チアゾリル)クマリン
3,3′,4,4′−テトラキス 4.0部
(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート 40.0部
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート 10.0部
フタロシアニン顔料(MHI454;御国色素製) 1.0部
2−ter−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2− 0.5部
ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート
フッ素系界面活性剤(FC−431;住友スリーエム(株)製) 1.0部
シクロペンタノン/MEK=1/4で固形分8%になるように調液した。
(保護層塗布液1)
ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製 GL−05) 89.1部
接着性付与剤(表1参照) 9.9部
界面活性剤(表1参照) 1部
水 900部
このようにして得られた感光性平版印刷版1〜4について、保護層側が光源側になるようにドラムに巻き付け、ドラムを回転しながら、30mWアルゴンイオンレーザーを露光した。露光後10数分後に以下の組成の現像液中に25℃、45秒浸漬して未露光部の感光層を溶出したものを、水洗後乾燥して画像を作製した。現像液の温度は30℃に保った。
(現像液)
A珪酸カリ(SiO2;26%,K2O;13.5) 200部
水酸化カリウム(50%水溶液) 170部
プロピレングリコール 130部
トリエタノールアミン 60部
ペレックスNBL 180部
(花王:t−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム)
エマルゲン147(花王:ノニオン性界面活性剤) 1部
亜硫酸カリウム 170部
p−terブチル安息香酸 33部
EDTA 3部
グルコン酸 60部
水 3000部
(評価)
−剥離力−
得られた感光性平版印刷版(24mm×10mm)に粘着テープ(ニチバン(株)製セロテープ(R))を密着し3時間放置したものについて、引き剥がし装置(不動工業(株)RHEOMETER NRM−2002J)を用いて、引張り速度300mm/minで連続的に引き剥がしたときの荷重を測定した。
−搬送性評価−
レーザー露光装置(大日本スクリーン製造(株)製PI−R 1080)に、得られた感光性平版印刷版(1030mm×810mm)を材料間の合い紙を抜いて20枚セットし、一連の搬送及び露光作業を行わせた。
AQナイロンP−70:東レ(株)製
イソバン110:クラレ(株)製
レオジック830L:日本純薬(株)製
表1から明らかなように、本発明の感光性平版印刷版1〜3は、感光層に対する保護層の剥離力が3.5g/mm以上であるため、保護層の欠損及び傷が無いなど搬送性に非常に優れていることが分かる。しかし、感光性平版印刷版4は剥離力が3.5g/mmに満たないため保護層に多数の欠損部が見られるなど実用に耐えないことが分かる。
参考例2
実施例1で得られた感光性平版印刷版1の感光層上に、保護層塗布液を表2のように変更して塗布した以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版4〜7を得た。尚、用いた保護層塗布液2の組成を以下に示す。
(保護層塗布液2)
上記ポリビニルアルコール 89.1部
接着性付与剤(表2参照) 9.9部
界面活性剤(表2参照) 1部
水 700部
イソプロピルアルコール 200部
実施例1で得られた感光性平版印刷版1の保護層塗布液の界面活性剤及び感光層塗布液を表2のように変更した以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版8〜10を作製した。尚、用いた感光層塗布液2の組成を以下に示す。
(感光層塗布液2)
アクリル系共重合体(合成バインダー) 35.0部
分子量Mw=5万
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7− 2.0部
(ジブチルアミノ)クマリン
7−ジエチルアミノ−3− 2.0部
(ナフト[1.2−d]チアゾリル)クマリン
3,3′,4,4′−テトラキス 4.0部
(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート 40.0部
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート 10.0部
フタロシアニン顔料(MHI454;御国色素製) 1.0部
2−ter−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2− 0.5部
ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート
界面活性剤(TO−106;日光ケミカル(株)製) 1.0部
シクロペンタノン/MEK=1/4で固形分8%になるように調液した。
(評価)
−接触角−
協和接触角計CA−D(協和科学(株)製)を用いて、感光層表面に対する保護層塗布液(液温25度)の接触角を測定した。
−起泡度−
振とう法を用いた起泡度測定方法として、写真ゼラチン試験法(パギイ法)を用いた。150ml容量のメスシリンダーに保護層塗布液(液温30度)を50ml入れ、液温30℃にした後、振幅300mm、振動数145回/分の起泡度試験機を用いて、1分間振とうさせる。振とう後、水平な台の上に放置し、振動停止から5分後の泡の容量を読み取った。
−地汚れ−
明室プリンター(大日本スクリーン(株)製 P−627−HA)を用い、UgraプレートコントロールウェッジPCW82(ミカ電子(株)製)による画像を連続諧調ウェッジが4段となるような露光量で露光した後、実施例1で用いた現像液中に25℃、45秒浸漬して未露光部の感光層を溶出したものを水洗後乾燥して平版印刷版を作製した。これを印刷機(ハイデルGTO)でコート紙、印刷インキ(東洋インキ製造(株)製:ハイプラスM紅)及び湿し水(コニカ(株)製:SEU−3 2.5%水溶液)を用いて印刷処理を行い、印刷初期段階(3000枚程度の時点)での印刷物の非画像部の汚れを以下の基準により評価した。
△・・・非画像部の一部が汚れる
×・・・非画像部の全面が汚れる。
−ガム除去性−
明室プリンター(大日本スクリーン(株)製 P−627−HA)を用い、UgraプレートコントロールウェッジPCW82(ミカ電子(株)製)による画像を連続諧調ウェッジが4段となるような露光量で露光した後、実施例1で用いた現像液中に25℃、45秒浸漬して未露光部の感光層を溶出したものを水洗後乾燥した後、平版印刷版用ガム液(コニカ(株)製:SGW−3 水で2倍希釈液)をスポンジで均一に盛り平版印刷版を作製した。この後、地汚れ評価と同様の印刷処理を行い印刷物画像部において、インキ着肉不良が完全に無くなるまでの損紙を数量を計算した。
−保護層塗布性−
感光性平版印刷版の感光層上に各保護層塗布液をワイヤーバーにて塗布し、そのまま室温にて放置した際の塗布状態を目視にて以下の基準で評価した。
△・・・塗布液のはじきはないが、泡による塗布欠陥が生じて固化
×・・・塗布液が感光層上ではじいてしまい、ムラ状になって固化。
サーフロンS−111:旭ガラス(株)製
FT−248:バイエル(株)製
F−120:大日本インキ(株)製
表2から明らかなように、液温25度における保護層塗布液の感光層表面に対する接触角が65度以下である感光性平版印刷版1〜8は、非画像部の汚れが全くなく、又インキ着肉不良が完全に無くなるまでの損紙の数量が少なく抑えられ、しかも塗布液のはじき及び泡故障の発生が無いなど、地汚れ、ガム除去性及び保護層塗布性が非常に優れていることが分かる。更に保護層塗布液の液温30度における起泡度が45cm3以下、かつフッ素系界面活性剤を用いたものは塗布欠陥及び地汚れを生ずることなく、より一層の効果を奏している。一方、感光性平版印刷版8及び9は何れも接触角が65度以下であるものの、感光性平版印刷版8は起泡度が大きいため多少塗布性に問題が生じ、又感光性平版印刷版9はフッ素系界面活性剤を用いなかったために多少の地汚れを発生したが、結果は概ね良好である。しかしながら感光性平版印刷版10は、塗布性、地汚れ及びガム除去性に問題が生じており、実用に耐えないことが分かる。
実施例3
実施例1で得られた感光性平版印刷版1の感光層上に以下の組成の保護層塗布液を2.0μmとなるようにアプリケーターで塗布し、遮光下で80℃/3分熱乾燥、処理して感光性平版印刷版11〜14を得た。
(保護層塗布液3)
上記ポリビニルアルコール 89.1部
接着性付与剤(表3参照) 9.9部
界面活性剤(表3参照) 1部
フィラー(表3参照) 5部
水 900部
(評価)
−ローディング性及び擦傷性−
感光性平版印刷版(1030mm×810mm)に合い紙を挟まない状態で50枚重ねたものを水平にして24時間放置した後、重ねた該印刷版の中心から20枚抜き取り、レーザー露光装置 PI−R1080(大日本スクリーン製造(株)製)にセットし、一連の搬送及び露光作業を行った。露光作業中のローディングトラブルの有無及び露光作業後の該印刷版の表面の擦傷について目視評価した。
・フィラー1
スチレン−アクリル酸−ブチルアクリレート(仕込みモル比45:30:20)共重合体を超音速ジェット粉砕機で粉砕し、分級器を使用して分級することにより得られた数平均粒径(直径)が15μmのフィラー。
・フィラー2
メチルアクリレート−エチルアクリレート−アクリル酸ソーダ(仕込みモル比63:25:12)共重合体を超音速ジェット粉砕機で粉砕し、分級器を使用して分級することにより得られた数平均粒径(直径)が15μmのフィラー。
・珪酸充填剤サイロイド:グレース社製
結果を以下の表3に示す。
Claims (6)
- 支持体上に、1)光重合開始剤、2)350〜1000nmに吸収波長を有する増感色素、3)フッ素系界面活性剤及び4)下記一般式(1)で示される単位を有しかつカルボキシル基を有するビニル系高分子重合体を含有する光重合性組成物を含む感光層、該感光層上に水溶性高分子、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶媒に可溶な有機高分子重合体の接着性付与剤及びフッ素系界面活性剤を含む保護層を設けてなる感光性平版印刷版であって、前記保護層の前記感光層に対する剥離力が3.5g/mm以上であることを特徴とする感光性平版印刷版。
式中、R 1 及びR 2 は各々水素原子又はメチル基を表し、R 3 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。ただし、R 2 がメチル基のときR 3 は水素原子である。Lは2価の連結基を表す。
- 請求項1に記載の感光性平版印刷版を合い紙を用いることなく重ねて用いることを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
- 前記接着性付与剤が少なくとも1つの窒素原子を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版。
- 前記接着性付与剤が少なくとも1つの窒素原子を含有することを特徴とする請求項2記載の感光性平版印刷版の製版方法。
- 前記支持体が砂目立て及び陽極酸化処理を行ったアルミニウム支持体であることを特徴とする請求項1または3に記載の感光性平版印刷版。
- 前記支持体が砂目立て及び陽極酸化処理を行ったアルミニウム支持体であることを特徴とする請求項2または4に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
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