JP4174993B2 - 感光性平版印刷版材料及び感光性平版印刷版材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版材料およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、耐刷性、汚し回復性及びリニアリティに優れた感光性平版印刷版材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、親水化表面処理を行った支持体上に、光重合性層及び保護層を積層した感光性平版印刷版材料が知られている。また、特に近年は、迅速に高解像度の平版印刷版材料を得るため、また、フィルムレス化を目的として、レーザーを使用する画像情報に基づくデジタル露光を行い、これを現像して平版印刷版を製造する方法が汎用化されている。
【0003】
例えば一例を挙げると、電子製版システムや画像処理システム等からの出力信号ないしは通信回線等により伝送された画像信号により、光源を変調し、感光性平版印刷版材料に直接走査露光をして、平版印刷版を形成するシステムが知られている。
【0004】
光重合性層は、一般的にアクリル系単量体、アルカリ可溶性樹脂及び光重合性開始剤、更に必要に応じて(特にレーザー書込みを行う際)波長に適合させるために増感色素を含有することが知られている。
【0005】
また、酸素による重合阻害を防止する目的で、保護層(酸素遮断層)を設けることも知られている。
【0006】
光重合型の感光性平版印刷材料を露光・製版する光源としては、Arレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視光源が用いられている。さらに近年では、例えば、InGaN系やZnSe系の材料を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザーが実用段階となっている。これらの短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザーが構造上、安価に製造できるため、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。さらに、従来のFD−YAGやArレーザーを使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な感光域がより短波長な感光性平版印刷版材料が使用できる可能性がある。
【0007】
光重合型の感光性平版印刷版材料では通常、画像露光、必要に応じ加熱処理を行った後、保護層除去のための水洗、未露光部分を溶解除去するための現像処理、水洗処理、非画像部の親水化のためのフィニッシャーガム処理を行い、平版印刷版を得ている。
【0008】
このような光重合型の感光性平版印刷版材料は、一般的には耐刷力が弱く、耐刷力をアップするためにシランカップリング剤や特開2001−249444公報に記載される様にジアゾニウム塩化合物を使用する技術が知られている。しかし、こうした技術を採用しても、耐刷力はまだ不十分であり、更に非画線部にインクが付着してしまうという問題を抱えていることが判明した。
【0009】
また、前者の技術においては、空気中の水分等で縮合ゲル化を起こし塗布液の安定性が悪いという問題も発現し、更に、後者の技術ではジアゾニウム塩化合物自体の安全性の問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明においては、光重合層と支持体との接着性に優れ、耐刷力と非画線部の汚れ改良の両立が可能であり、更には、高解像度な平版印刷版を得ることができ、また、塗布液の安定性にも優れ、安全性にも優れる感光性平版印刷版材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下により達成された。
【0012】
1.ポリビニルホスフォン酸を含有する水系溶媒により処理を行った粗面化された金属支持体上に、開環重合性基を有する化合物及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0013】
2.ポリビニルホスフォン酸を含有する水系溶媒により処理を行った粗面化された金属支持体上に、開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0015】
3.粗面化された金属支持体上に、エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷版材料であって、光重合性層と金属支持体の間に開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する中間層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0016】
4.粗面化された金属支持体が、ポリビニルホスフォン酸を含有する水溶液にて処理されたことを特徴とする上記3記載の感光性平版印刷版材料。
【0017】
5.粗面化された金属支持体上に、順次、中間層、光重合性層及びオーバーコート層を有する感光性平版印刷版材料の製造方法に於いて、該中間層が、開環重合性基を2個以上有する化合物並びに酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する中間層塗布液を塗布して形成することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0018】
6.粗面化された金属支持体上に、エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷版材料の製造方法であって、以下のAからEの複数の工程を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
A) 金属支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工程
B) 前記金属支持体表面をポリビニルホスフォン酸を含む水溶液で処理する工程
C) 前記処理された金属支持体上に、「開環重合性基を有する化合物及びエチレン性付加重合性基を有する化合物」、および/または、「開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物」を含有する層を設ける工程
D) エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる光重合性層を設ける工程
E) オーバーコート層を設ける工程
7.前記複数の工程に、金属支持体を機械的に粗面化する工程を含んでなることを特徴とする上記6に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0019】
以下に本発明を更に詳しく説明する。
(金属支持体)
本発明に係る金属支持体(以下、支持体とも言う)は、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が使用でき、また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用され、この場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金であってもかまわない。
【0020】
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金等が用いられる。
【0021】
本発明に係る支持体は、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。
【0022】
本発明における粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電気化学的方法等が挙げられるが、酸性媒体中で電気化学的に祖面化することが好ましく、この場合に、機械的に祖面化する方法を組合せてもよい。
【0023】
電気化学的に粗面化する方法としては特に限定されるものではないが、酸性媒体すなわち酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましい。電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896,563号公報、特開昭53−67507号公報に記載されている方法を用いることができる。
【0024】
この粗面化法は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から電圧を設定することが好ましい。
【0025】
電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、50〜150A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。
【0026】
この粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶことが好ましい。
【0027】
電解液として硝酸系電解液を用いて電気化学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、シュウ酸等を加えることができる。
【0028】
電解液として塩酸系電解液を用いる場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲から選ぶことが好ましい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用いることができるが、50〜150A/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm2、更には200〜1000c/dm2の範囲から選ぶことが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、シュウ酸等を加えることができる。
【0029】
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸またはアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。また、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0030】
また、本発明に係る機械的に粗面化する方法も特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。また、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×103〜10×103個/cm2の密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
【0031】
上記の方法で粗面化した後、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸またはアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0032】
上記の如くの機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、また、組合せて粗面化してもよいが、組合せて祖面化する方法が好ましい。
【0033】
次に、上記支持体は、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、硫酸及び/または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第1,412,768号公報に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム酸、シュウ酸、マロン酸等を1種または2種以上含む溶液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
【0034】
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0035】
更に、これらの処理を行った後に、本発明においては、上記の支持体の表面をポリビニルホスフォン酸を含有する水系溶媒で処理することが好ましく、水系溶媒が水溶液であることが好ましい。
【0036】
ポリビニルホスフォン酸を含有する水溶液とは、ポリビニルホスフォン酸を濃度として、0.01〜30%含有する水溶液が好ましく、特に好ましくは、0.05〜10%の水溶液を用いることが好ましい。これより含有濃度が小さいと本発明の効果が小さく、多いと液粘度が高く取り扱いが困難となる場合があり、上記の範囲を好ましい範囲として用いることができる。
【0037】
また、上記水溶液にはポリビニルホスフォン酸以外の化合物を更に含有する場合も好ましく、含有される化合物としては、従来公知の水溶性樹脂、水分散性無機微粒子、酸類、塩基類などを挙げる事が出来る。
【0038】
具体的には、水溶性樹脂としては、これら親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド、無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0039】
また、水分散性無機微粒子としては、コロイダルシリカ、特開2001−232746記載のネックレス状コロイダルシリカ等を挙げられる。
【0040】
また、酸類としては、リン酸、硫酸、硝酸、塩酸、その他の強酸またはその塩が挙げられる。
【0041】
また、塩基類としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。
【0042】
本発明に於いて、これらポリビニルホスフォン酸とともに含有して使用できる化合物は、その濃度として、0〜40%が好ましく、更に、0〜20%の範囲で含有する場合が好ましい。
【0043】
本発明に係るポリビニルホスフォン酸を含有する水溶液にて処理する処理時間は、0.5秒から3分以内が好ましく、より好ましくは1秒から1分以内が好ましく、特に、2秒から30秒が好ましい。これより少ないと本発明の効果が小さくなる場合もあり、また、これより多いと生産性の点で劣ることから、上記範囲が好ましい。
【0044】
また、上記水溶液での処理時の処理温度としては、水溶液温度および被処理支持体が、40℃〜100℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは50℃〜90℃、特に、60℃〜80℃がこのましい。これより低い温度では本発明の効果が小さい場合があり、これより高い温度では生産安定性の観点から、上記した範囲が好ましい。
【0045】
(開環重合性基を含有する化合物)
本発明に係る開環重合性基を有する化合物における開環重合性基とは、3員環以上の環状の開環性重合性基が好ましく、活性水素反応性の基が好ましい。
【0046】
この様なものとしては、以下の様な骨格を有する化合物が挙げられる。すなわち、3員環としては、グリシジルエーテル骨格、エチレンイミン骨格、エチレンスルフィド骨格、4員環以上としては、オキセタン骨格、チエタン骨格、テトラヒドロフラン骨格、ピロリジン骨格、スルフォラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピペリジン骨格、ε−カプロラクタム骨格、ジオキサン骨格、モルホリン骨格等を挙げることができる。
【0047】
具体的には、エポキシ類(エポキシ化合物a;1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物であり、エポキシ当量70〜5,000、好ましくは80〜3,000のものを好適に使用することができ、代表例として、例えば、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ジエステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エチル−3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキシメチルオキセタン、エポリードGT300(ダイセル化学工業(株)製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)及び下記式
【0048】
【化1】
【0049】
で表される化合物などの脂環式エポキシ基を含有するエポキシ化合物b;例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、フタル酸ジグリシジルエステル。3−エチル−3−グリシジルオキシメチルオキセタンなどの脂肪族エポキシ基を含有するエポキシ化合物c;例えば、ビニルシクロヘキセンジオキサイド。リモネンジオキサイドなどの脂環式エポキシ基及び脂肪族エポキシ基を含有するエポキシ化合物d;また、上記エポキシ化合物のうち1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物に炭素原子数6〜33を有する脂肪酸(例えば、ラウリン酸、オレイン酸、アマニ油脂肪酸など)をエポキシ基の一部に反応させてなる1分子中にエポキシ基と脂肪酸エステル基とを有する脂肪酸変性エポキシ化合物などを挙げることができる。
【0050】
また、下記するオキセタン化合物、すなわち、
【0051】
【化2】
【0052】
で表されるオキセタン環を分子中に少なくとも1個含有する化合物であり、例えば、下記一般式(1)または(2)で表される化合物などを挙げることができる。
【0053】
【化3】
【0054】
上記一般式(1)及び(2)において、R1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、一般式(2)においては、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。R3は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルキレン基、ヒドロキシアルキル基、炭素原子数2〜10の水酸基で置換されていてもよいアルコキシアルキル基、炭素原子数7〜12の水酸基で置換されていてもよいアリール基、アラルキル基、アリールオキシアルキル基を表す。また、R4は炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基、炭素原子数4〜30のポリアルキレンオキシ基を表す。
【0055】
上記一般式(1)で表されるオキセタン化合物の代表例としては、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシ−3′−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシ−3′−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−[2′−(2′′−エトキシエチル)オキシメチル]オキセタン、3−エチル−3−(2′−ブトキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(p−tert−ブチルベンジルオキシメチル)オキセタンなどを挙げることができる。
【0056】
上記一般式(2)で表されるオキセタン化合物の代表例としては、上記一般式(2)において、両方のR1がいずれもエチル基で、R4がメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基である化合物などを挙げることができる。
【0057】
また、オキセタン化合物としては、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物以外に、例えば、ビス(3−エチルオキセタニル−3−メチル)オキサイドなどを挙げることができる。
【0058】
また、スルフィド類を挙げることができ、具体的には、
【0059】
【化4】
【0060】
で表される化合物を挙げることができる。ここで、R5は炭素数1〜8のアルキル基またはハロゲン原子を表し、直鎖状のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子の場合は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。また、R6としては、
【0061】
【化5】
【0062】
で表される基が好ましい(ここで、R7はアダマンチル基などの脂環式基を表し、xは0〜5の整数を表す。)。また、エピスルフィド誘導体の3〜5量体であるチオアルデヒド環状3量体、チオアルデヒド環状4量体、チオアルデヒド環状5量体なども挙げることができる。これら環状化合物は、例えば対応する環状エーテルの酸素原子をイオウ原子で置換することで合成することができる。例えば、一般式(3)で表される化合物は、エポキシ誘導体のエタノール溶液を氷水浴等で冷却し、例えばイソチオシアン化カリウムまたはチオシアン化アンモニウム等を滴下しながら反応させて得ることができる。
【0063】
以上の様なもの等が例示として挙げることができるが、本発明において好ましくは、グリシジルエーテル、オキセタン、スルフィド骨格を有する化合物である。具体的な構造としては下記のような置換基を有する化合物であり、これらの化合物を本発明において好ましく使用することができる。
【0064】
【化6】
【0065】
本発明に係る開環重合性基を有する化合物はこれらの置換基を、分子内に2個以上有する化合物が好ましく、2個以上10個以下の場合が更に好ましく、より好ましくは2個以上5個以下である。2個以上の上記置換基を連結する基は特に限定しないが、−(CH2CH2O)n−基で連結する場合が好ましく、この場合、n=1以上20以下が好適で、4以上10以下がより好ましい。
【0066】
本発明に係る開環重合性基を有する化合物は、当該開環重合性基の他に分子内に有する構造としては特に限定はしないが、好ましくは−(CH2CH2O)n−OH基を有することが好ましく、この場合、n=1以上20以下が好適で、4以上10以下がより好ましい。
【0067】
(エチレン性付加重合性基を有する化合物)
本発明の光重合性層(以下、単に感光層と称する場合もある)に用いるエチレン性付加重合性基を有する化合物は、公知の単量体(以下、単に単量体と称する場合もある)を挙げることができるが、具体的なものとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができ、これらのオリゴマーも使用することができる。
【0068】
また、上記単量体によるプレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、またはメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種または2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/またはオリゴマーと混合して用いてもよい。
【0069】
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン−(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック−エピクロルヒドリン−(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール−アジピン酸−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート−キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン−プロピレングリコール−トリレンジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン−ジイソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
【0070】
本発明の感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
【0071】
本発明に好ましく用いられる単量体として、少なくとも1つのエチレン性二重結合を含有する燐酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、燐酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、分子内にエチレン性二重結合を有していればよく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
【0072】
この他に特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2個以上のアクリル基またはメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
【0073】
本発明に係る感光層には、上記した単量体を、感光層を塗布する感光性組成物の1.0〜80.0質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは3.0〜70.0質量%の範囲である。
【0074】
(1分子中に開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物)
本発明に係る上記記載の開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を1分子中に少なくとも1つずつ有していれば特に限定されないが、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどの(メチル)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー;3,4・エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ基含有重合性不飽和モノマーなどや下記式で表される化合物を挙げることができる。
【0075】
【化7】
【0076】
(上記式において、R8は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R9は水素原子又はメチル基である)、また、水酸基含有オキセタン(例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなど)に該水酸基と反応し且つオキセタン環とは実質的に反応しない官能基(例えば、イソシアネート基、メチルエステル基等)及びエチレン性不飽和基(アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基など)を含有する不飽和モノマー(例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メチル(メタ)アクリレートなど)とを反応させてなる化合物なども挙げることができる。
【0077】
上記式(化7)表される化合物の具体例としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどを挙げることができる。
【0078】
また、共栄社化学株式会社のライトエステルG、テトラヒドロフルフリルアリレート並びに下記化合物(化8)が好ましい。
【0079】
これらの化合物を1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
また、下記化合物(化8)において、nは1以上20以下が好ましく、4以上10以下である場合がより好ましい。
【0080】
【化8】
【0081】
(酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物)
本発明に係る酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物の酸遊離基とは、従来公知の活性水素を遊離させる基を指す。この様なものとしては、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。また、エチレン性付加重合性基を有する化合物のエチレン性付加重合性基とは、上記した如くのものを挙げることができる。
【0082】
そして本発明に係る酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物は、1分子中に酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を使用することが好ましく、この様な化合物としては従来公知のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどを好適に使用することができ、具体的な例としては、後述する実施例において挙げた化合物を本発明において採用することができる。
【0083】
(高分子結合剤)
本発明に係る感光層及び中間層等は、高分子結合剤(バインダー)を含有することが好ましい。当該高分子結合材は、下記(1)〜(17)に記載のモノマー(単量体)の少なくとも1種からなるビニル系共重合体を含有することが好ましい。
【0084】
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(またはp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(またはp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0085】
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0086】
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(またはp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(またはp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
【0087】
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
【0088】
(5)α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0089】
(6)置換または無置換のアルキルアクリレート、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等。
【0090】
(7)置換または無置換のアルキルメタクリレート、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等。
【0091】
(8)アクリルアミドまたはメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0092】
(9)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0093】
(10)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0094】
(11)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
【0095】
(12)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0096】
(13)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
【0097】
(14)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0098】
(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0099】
(16)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(またはm−,p−)シアノスチレン等。
【0100】
(17)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0101】
上記高分子結合剤には、必要に応じてポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等、他の任意の高分子結合剤が、上記の本発明に係るビニル系共重合体と併用されてもよい。
【0102】
本発明に係る感光層を塗布する組成物中における上記高分子結合剤の含有量は、感光層について10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。更に、上記のビニル系共重合体は、該高分子結合剤において、50〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
【0103】
本発明に係る高分子結合剤に含まれる重合体の酸価については、10〜150の範囲で使用するのが好ましく、30〜120の範囲がより好ましく、50〜90の範囲で使用することが、感光層全体の極性のバランスをとる観点から特に好ましく、これにより感光層塗布液での顔料の凝集を防ぐことなどができる。
【0104】
(活性光線によりラジカルを発生させる化合物)
本発明に係る光重合性層(感光層)には活性光線によりラジカルを発生させる化合物(以下、光重合開始剤とも言う)を用いることが好ましく、光重合開始剤として好ましく使用できるものは、例えばJ.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5章に記載されるような、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、英国特許第1,459,563号に開示されている化合物も好ましい。
【0105】
具体的には、以下の例を挙げることができるが、これらに限定されない。すなわち、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号公報、同61−9621号公報並びに特開昭60−60104号公報に記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号公報、同61−243807号公報に記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号公報、同44−6413号公報、同44−6413号公報、同47−1604号公報並びに米国特許第3,567,453号に記載のジアゾニウム化合物;米国特許第2,848,328号、同2,852,379号並びに同2,940,853号に記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062号公報、同37−13109号公報、同38−18015号公報並びに同45−9610号公報に記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号公報、特開昭59−14023号公報並びに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物;特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、同126,712号並びに「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特開平5−213861号及び同5−255347号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(CoordinationChemistry Review)」84巻,85〜277頁)(1988年)並びに特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号公報に記載の有機ハロゲン化合物等。
【0106】
中でも好ましい物は、チタノセン類である。チタノセン類の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス―フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0107】
光源にレーザー光を用いる場合、好ましくは感光層に増感色素を添加することが好ましい。
【0108】
可視光から近赤外まで波長増感させる化合物としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が挙げられ、更に欧州特許第568,993号、米国特許第4,508,811号、同第5,227,227号、特開2001−125255公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物も用いられる。
【0109】
本発明において、上記の光重合開始剤と増感色素の組合せの好ましい具体例としては、特開2001−125255公報、特開平11−271969号公報に記載のある組合せが挙げられる。
【0110】
これら重合開始剤の感光層中での含有量は特に限定されないが、本発明に係るエチレン性付加重合性基を有する化合物100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましい。また、光重合開始剤と増感色素の配合比率は、モル比で1:100〜100:1の範囲が、好ましい。
【0111】
(中間層)
本発明に係る中間層は、感光性平版印刷版材料のいかなる位置に層が設けられていても構わないが、光重合性層と支持体との間に設けられることが好ましく、また、中間層の構成は、1層でも、2層以上の複数層からなる中間層であっても構わない。
【0112】
また、感光性平版印刷版材料としての中間層の厚みは、塗布付量として、0.1〜1000mg/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜500mg/m2が好ましく、特に好ましくは1〜300mg/m2である。これより少ないと耐刷性が劣化し、これより多いと経時での現像不良の要因となる場合があり、上記の範囲が好ましい。この場合の中間層の厚みとは、複数層からなる場合には、これらの全てを合計した厚みを言う。
【0113】
当該中間層は、上記した高分子結合剤を含み、そのほかに本発明に係る上記した、開環重合性基を有する化合物、エチレン性付加重合性基を有する化合物、開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物、酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物などを含有してなることが好ましいが、これら以外の添加剤を含有していてもよい。
【0114】
上記の化合物は中間層を形成する組成物中の含有量として、5〜100質量%含有している事が好ましく、より好ましくは10〜100質量%、特に好ましくは20〜100質量%での使用である。これより少ないと本発明の効果が小さくなる場合があり、上記範囲が好ましい。
【0115】
上記において、上限は特に限定されなく、これは中間層の特性として耐刷性向上成分(上記した化合物)比率が多い液を微量塗工[数mg/m2]したものでも、耐刷性向上成分比率の低い液を多く塗工[数100mg/m2]したものでも、同様の耐刷性性能を得る事ができるため、特に上限を限定するものではない。本発明の性能に必要な耐刷性向上成分量は、付量と耐刷性向上成分との掛け合わせ関数で規定できる。
【0116】
すなわち、0.1≦耐刷性向上成分付量[mg/m2]×添加比率[100%=1]≦1000が好ましく、特に好ましくは1≦耐刷性向上成分付量[mg/m2]×添加比率[100%=1]≦300である。
【0117】
(各種添加剤)
本発明に係る光重合性感光層の塗布組成物には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版材料の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0118】
重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固形分の質量に対して、0.01〜5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の0.5〜10%が好ましい。
【0119】
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
【0120】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、並びに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
【0121】
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。また、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
【0122】
露光光源として、アルゴンレーザー(488nm)またはSHG−YAGレーザー(532nm)を使用する場合には、上記の感光波長領域での顔料吸収及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。この様なものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
【0123】
また、上記組成物は、本発明の性能を損わない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することができる。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
【0124】
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
【0125】
(塗布)
本発明に係る光重合性感光層や中間層などの塗布組成物を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、またエーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、またエステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
【0126】
調製された塗布組成物(層塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することができる。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤーバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
【0127】
感光層等の乾燥温度は、低いと十分な耐刷性を得ることができず、また高過ぎるとマランゴニーを生じてしまうばかりか、非画線部のカブリを生じてしまう。好ましい乾燥温度範囲としては、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
【0128】
(オーバーコート層)
本発明に係る感光層の上側には、オーバーコート層(保護層ないし酸素遮断層とも言う)を設けることが好ましい。該保護層(酸素遮断層)は、後述する現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましい。
【0129】
該保護層を構成する素材として好ましい例は、ポリビルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等が挙げられる。これらの化合物を単独または2種以上併用し塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。
【0130】
保護層塗布組成物を調製するには、上記の素材を適当な溶剤に溶解して塗布液とすることができ、この塗布液を本発明に係る感光層上に塗布し、乾燥して保護層を形成することができる。保護層の厚みは感光性平版印刷版材料として、0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。
【0131】
保護層の塗布方法としても、上記例に挙げた公知の方法を好適に用いることができる。保護層の乾燥温度は、感光層の乾燥温度よりも低い方がより好ましい。好ましくは感光層乾燥温度との差が10℃以上、より好ましくは20℃以上である場合が好ましく、その場合の上限はせいぜい50℃程度が好ましい。
【0132】
また、保護層の乾燥温度が、感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。保護層の乾燥温度と、感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)の差は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上であり、その差の上限はせいぜい60℃程度が好ましい。
【0133】
(製造方法)
本発明に係る感光性平版印刷版材料は、次の様な製造方法により製造されることが好ましい。すなわち、上記の如くの粗面化された金属支持体上に、上記したエチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有する光重合性層を上記の如く塗布形成する方法が好ましく、更には、以下のAからEの工程を順次有する製造方法がより好ましい。
A) 上記の如くの金属支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工程
B) 前記金属支持体表面を上記の如くのポリビニルホスフォン酸を含む水溶液で処理する工程
C) 前記処理された金属支持体上に、開環重合性基を有する化合物及びエチレン性付加重合性基を有する化合物および/または開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する層を設ける工程
D) 更に、上記の如くのエチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる光重合性層を設ける工程
E) そして、オーバーコート層(酸素遮断層)を設ける工程
(画像形成方法)
本発明の感光性平版印刷版材料に画像露光する光源としては、例えばレーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光源等を挙げることができる。キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光源等が用いることができる。
【0134】
一括露光する場合には、感光性平版印刷版材料上に、所望の露光画像のパターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わせ、全面に露光すればよい。
【0135】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能であり好ましい。この場合は、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うことができる。
【0136】
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。また、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0137】
レーザー光源としては、アルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部または全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部または全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組合せてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
【0138】
(現像液)
画像露光した光重合性感光層は露光部が硬化する。これをアルカリ現像液で現像処理することにより、未露光部が除去され画像形成が可能となる。この様な現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば珪酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現像液が挙げられる。
【0139】
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
【0140】
これらのアルカリ剤は、単独または2種以上組合せて用いられる。また、該現像液には、必要に応じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0141】
本発明に係る現像では、珪酸アルカリを含有するpH12.5未満の現像液で現像することが好ましく、pH10.5〜12.4の範囲がより好ましい。
【0142】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
【0143】
実施例1
(バインダーの合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸12部、メタクリル酸メチル70部、アクリロニトリル8部、メタクリル酸エチル10部、エタノール500部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート2部を加えて3時間反応させ、アクリル系共重合体1を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定した質量平均分子量は約50,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
【0144】
(支持体の作製)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行った。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
【0145】
(支持体の前処理)
上記処理を行った後、続けて表に記載のシリケート処理またはポリビニルホスフォン酸処理を行った。該シリケート処理及びポリビニルホスフォン酸処理は、下記の様な条件にて行った。
【0146】
(シリケート処理)
上記の支持体を、3号ケイ酸ソーダ(SiO2=28〜30%、Na2O=9〜10%、Fe=0.02%以下、但し左記は濃度%)の2.5質量%、pH=11.2、70℃の水溶液に15秒浸漬し、続いて水洗した。表面の蛍光X線分析により求めたSi元素量から、表面シリケート量は10mg/m2であった。
【0147】
(ポリビニルホスフォン酸処理)
ポリビニルホスフォン酸1.5%及びビニルホスフォン酸0.2%の80℃の溶液中にアルミニウム板を30秒間通し、乾燥した。
【0148】
(感光性平版印刷版材料の作製)
上記支持体上に、下記組成の光重合性の感光層塗工液を乾燥時1.4g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥した。その後、更に該感光層上に、下記組成のオーバーコート層塗工液を乾燥時2.0g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上にオーバーコート層を有する平版印刷版材料を作製した。
【0149】
【0150】
【化9】
【0151】
【化10】
【0152】
(画像形成)
以上の様に作製した感光性平版印刷版材料について、FD−YAGレーザー光源を搭載したCTP露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用いて2540dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像露光を行った。次いで、現像前にオーバーコート層を除去する前水洗部、下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(PHW32−V:Technigraph社製)でプレヒート/現像処理を行い、平版印刷版を得た。
【0153】
現像液組成(下記添加剤を含有する水溶液)
Aケイ酸カリ 8.0質量%
ペレックスNBL:花王(株)製 3.0質量%
苛性カリ pH=12.3となる添加量
(平版印刷版の評価)
上記のようにして得られた平版印刷版について、以下の検討ないし評価を行った。尚、実施例2以下についても同様に行った。
【0154】
《レーザー描画パワー》
画像部の膜減りが観察されず、かつ、175線・50%の網点露光部が、作製した平版印刷版面上で50%に再現できる露光量の2倍の光量で描画した。
【0155】
《耐刷性》
175線の画像を適性露光量で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インク(東洋インク(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、1000枚連続印刷後、クリーナーで版面をふき、ハイライト部の点細り、シャドウ部の絡みの発生する印刷枚数を耐刷力の指標とした。耐刷力1回は1000枚連続印刷後クリーナーでふく作業を指す。多いほど耐刷性が良いことを示す。
【0156】
《汚し回復》
1000枚連続印刷後クリーナーでふき、15分後に印刷を再開し、非画線部の地汚れがなくなる枚数とした。少ないほど良好であることを示す。
【0157】
《90%アミ再現》
上記レーザー描画パワーでリニアリティ未補正でアミ点を描画して、90%に再現されるはずのアミ点領域を500倍の光学顕微鏡で撮影し、2mm×2mmの範囲の画像部の面積を算出してアミ点%として表1に示した。
【0158】
【表1】
【0159】
実施例2
支持体のシリケート処理もしくはポリビニルホスフォン酸処理工程までは実施例1と同様に行った。光重合性の感光層塗工液の塗布の前に下記中間層を塗布した。尚、表2に示す化合物は、それぞれ塗布溶液として1質量%となるように調製し、塗布し乾燥した。乾燥後の付量及び結果について表2に示した。尚、比較化合物として、比較1、2(下記)を使用した。
【0160】
比較1:p−ジアゾフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物の塩化亜鉛複塩(特開2001−249444の実施例1記載の化合物)
比較2:
【0161】
【化11】
【0162】
中間層塗布液
表2に示す化合物 1質量%
メチルエチルケトン 100g
感光層塗工液
実施例1の光重合性の感光層塗工液中の「表1に示す化合物」を除いた他は、実施例1と同様とした。
【0163】
(感光性平版印刷版材料の作製)
この様にして感光層及びオーバーコート層を実施例1と同様に塗布した。尚、該オーバーコート層塗工液は実施例1と同様である。
【0164】
【表2】
【0165】
実施例3
中間層を有さない試料(感光性平版印刷版材料)は、実施例1と同様に作製した。中間層を有する試料は、実施例2と同様に作製した。但し、それぞれ異なる点として、感光層もしくは中間層に添加する化合物及び結果を表3記載のものに変更した。表3記載の化合物の内、変更に係る化合物(1′〜3′、a′〜d′及びI)を以下に示す。
【0166】
【化12】
【0167】
【表3】
【0168】
実施例4
実施例2と同様にして試料を作製した。但し、異なる点として、中間層塗布液調製から塗布までの時間を表4に示す時間にした。結果と共に表4に示した。
【0169】
【表4】
【0170】
実施例5
実施例2で使用した感光層塗工液について、分光増感色素1、2及びIRGACURE784に代えて、下記の様に化合物1〜7を添加した以外は実施例2と同様に、またオーバーコート層塗工液では下記の様に化合物8を含有する塗工液を使用した以外は、実施例2と同様に、中間層、感光層、オーバーコート層を塗布し試料を作製した。
【0171】
化合物1 0.7質量部
化合物2 0.7質量部
化合物3 0.7質量部
化合物4 0.7質量部
化合物5 0.7質量部
化合物6 0.7質量部
化合物7 4.0質量部
オーバーコート層塗工液
ポリビニルアルコール(GL−03:日本合成化学社製) 87部
水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部
化合物8 2部
界面活性剤(F1405:大日本インキ工業社製) 0.5部
水 900部
そして、発振波長405nmのInGaN系半導体レーザーを搭載した自作の装置で実施例1同様に露光した。結果を表5に示す。
【0172】
【表5】
【0173】
【化13】
【0174】
【発明の効果】
本発明は、光重合層と支持体との接着性に優れ、耐刷力と非画線部の汚れ改良の両立ができ、更には、高解像度な平版印刷版を得ることができる感光性平版印刷版材料及びその製造方法を提供することができた。
Claims (7)
- ポリビニルホスフォン酸を含有する水系溶媒により処理を行った粗面化された金属支持体上に、開環重合性基を有する化合物及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
- ポリビニルホスフォン酸を含有する水系溶媒により処理を行った粗面化された金属支持体上に、開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
- 粗面化された金属支持体上に、エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷版材料であって、光重合性層と金属支持体の間に開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する中間層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
- 粗面化された金属支持体が、ポリビニルホスフォン酸を含有する水溶液にて処理されたことを特徴とする請求項3に記載の感光性平版印刷版材料。
- 粗面化された金属支持体上に、順次、中間層、光重合性層及びオーバーコート層を有する感光性平版印刷版材料の製造方法に於いて、該中間層が、開環重合性基を2個以上有する化合物並びに酸遊離基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を含有する中間層塗布液を塗布して形成することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
- 粗面化された金属支持体上に、エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷版材料の製造方法であって、以下のAからEの複数の工程を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。
A) 金属支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工程
B) 前記金属支持体表面をポリビニルホスフォン酸を含む水溶液で処理する工程
C) 前記処理された金属支持体上に、「開環重合性基を有する化合物及びエチレン性付加重合性基を有する化合物」、および/または、「開環重合性基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物」を含有する層を設ける工程
D) エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる光重合性層を設ける工程
E) オーバーコート層を設ける工程 - 前記複数の工程に、金属支持体を機械的に粗面化する工程を含んでなることを特徴とする請求項6に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
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