JP2003098688A - 平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法 - Google Patents

平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法

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JP2003098688A JP2001294484A JP2001294484A JP2003098688A JP 2003098688 A JP2003098688 A JP 2003098688A JP 2001294484 A JP2001294484 A JP 2001294484A JP 2001294484 A JP2001294484 A JP 2001294484A JP 2003098688 A JP2003098688 A JP 2003098688A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線を放射する固体レーザー及び半
導体レーザーを用いてコンピューター等のデジタルデー
タから記録することにより直接製版が可能な赤外線感光
性平版印刷版原版の製版方法であって、赤外線レーザー
に対し高感度でかつ良好な耐刷性を有し、アブレーショ
ンによる汚染の少ない、製版方法を提供すること。 【解決手段】 親水性支持体上に(A)赤外線吸
収剤、(B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化
合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重
合開始剤を含有する画像形成層を有する赤外線感光性平
版印刷版原版を赤外線で画像露光し、現像した後、紫外
線で全面露光することを特徴とする、平版印刷版の製版
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線波長域に感
応性を有する平版印刷版原版の製版方法に関し、詳しく
は、コンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを
用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な
ネガ型平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目ざまし
く、特に波長760nm〜1200nmの赤外線を放射
する固体レーザおよび半導体レーザ(以下、「赤外線レ
ーザ」という場合がある)は、高出力かつ小型のものが
容易に入手できるようになった。これらの赤外線レーザ
は、コンピュータ等のデジタルデータにより直接印刷版
を製版する際の記録光源として非常に有用である。従っ
て、このような赤外線記録光源に対し、感応性の高い画
像記録材料、すなわち、赤外線照射により現像液に対す
る溶解性が大きく変化する画像記録材料への要望が近年
高まっている。このような赤外線レーザにて記録可能な
ネガ型の画像記録材料として、赤外線吸収剤、酸発生
剤、レゾール樹脂及びノボラック樹脂より成る記録材料
がUS5,340,699号に記載されている。しか
し、このようなネガ型の画像記録材料は、画像形成のた
めにはレーザー露光後に加熱処理が必要であり、このた
め、露光後の加熱処理を必要としないネガ型の画像記録
材料が所望されていた。また、高出力レーザを用いた高
パワー密度の露光を用いる方法では、露光領域に瞬間的
な露光時間の間に大量の光エネルギーが集中照射して、
光エネルギーを高率的に熱エネルギーに変換し、その熱
により化学変化、相変化、形態や構造の変化などの熱変
化を起こさせ、その変化を画像記録に利用するが、従来
の平版印刷版原版の感光層において、記録感度を向上さ
せるため赤外線吸収剤の添加量を増加させると、感光層
のアブレーション(飛散)によって、レーザー露光装置
や光源が汚染される可能性がある。また、光重合系を利
用したものも有用であるが、支持体からの放熱のため、
支持体と界面付近の硬化が不十分なため、良好な耐刷性
が得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーを用いて
コンピューター等のデジタルデータから記録することに
より直接製版が可能な赤外線感光性平版印刷版原版の製
版方法であって、赤外線レーザーに対し高感度でかつ良
好な耐刷性を有し、アブレーションによる汚染の少な
い、製版方法を提供することにある。また本発明の目的
は、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザー
を用いてコンピューター等のデジタルデータから記録す
ることにより直接製版が可能であり、赤外線レーザーに
対し高感度でかつ良好な耐刷性を有し、アブレーション
による汚染の少ない、赤外線感光性平版印刷版原版を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、赤外線を
放射して直接製版することのできる光重合性ネガ型平版
印刷版原版に紫外線重合開始剤を含有させ、赤外線画像
露光及び現像をした後、紫外線で全面露光する製版方法
により、得られた平版印刷版が鮮明な画像を有し、かつ
耐刷性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成し
【0005】すなわち、本発明は、 1.支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発
生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダー
ポリマー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像
形成層を有する赤外線感光性平版印刷版原版を赤外線で
画像露光し、現像した後、紫外線で全面露光することを
特徴とする、平版印刷版の製版方法、 2.上記1の製版方法において、全面露光時の露光量が
少なくとも画像露光量と等量であることを特徴とする製
版方法、 3.上記1または2の製版方法において、全面露光時、
版面温度を30〜150℃に加熱することを特徴とする
製版方法、 4.支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発
生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダー
ポリマー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像
形成層を有することを特徴とする平版印刷版原版、に関
する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法は、支持体
上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発生剤、
(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマ
ー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像形成層
を使用するものである。このような画像形成層を赤外線
レーザーによる画像様露光を行うことにより、露光部の
(A)赤外線吸収剤が光熱変換し、発生した熱により、
(B)ラジカル発生剤が分解してラジカルを発生し、こ
のラジカルにより(C)ラジカル重合性化合物と、
(D)バインダーポリマーとを含む画像形成層が硬化し
て画像部を形成する。これを現像した後、任意に不感脂
化処理等の後処理を行う。前記後処理の後または前に前
記画像露光量と同じ量の露光量の紫外線で全面露光を行
うことにより、驚くべきことに鮮明な画像を有し、かつ
高い耐刷力を有する平版印刷版を得ることができる。
【0007】本発明の製版方法における、全面露光時の
光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンラ
ンプ、各種レーザー光などが挙げられる。全面露光時の
露光量は、少なくとも現像前の画像露光時の露光量と等
量であり、より好ましくは少なくとも2倍であり、最も
好ましくは少なくとも10倍である。更に、十分な耐刷
性を得るためには全面露光量としては少なくとも100
mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは150m
J/cm2以上であり、更に好ましくは、200mJ/
cm2以上である。光源の光強度としては、20mW/
cm2以上のものが好ましい。上記全面露光時に同時に
加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷
性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流
オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装
置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。
このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ま
しく、より好ましくは35〜130℃であり、更に好ま
しくは、40〜120℃である。
【0008】本発明における画像露光の光源としては、
波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体
レーザ、半導体レーザ、サーマルヘッド等が用いられ
る。レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時
間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用い
ることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は2
0μ秒以内であることが好ましい。記録材料に照射され
る画像露光量は10〜500mJ/cm2であり、より
好ましくは30〜300mJ/cm2であることが好ま
しい。
【0009】以下、画像形成層を設けるための画像形成
材料について説明する。 (E)紫外線重合開始剤 初めに、本発明の方法の特徴である、画像形成層に含ま
れる、(E)紫外線重合開始剤について説明する。本発
明の紫外線重合開始剤は、300〜430nmに吸収極
大を有する。この化合物が有する紫外線に感光する光重
合開始剤の構造としては、ベンジル類、ベンゾインエー
テル類、ミヒラーズケトン類、アントラキノン類、(チ
オ)キサントン類、アクリジン類、フェナジン類、ベン
ゾフェノン類、メタロセン類、トリハロメチルトリアジ
ン類等を挙げることができる。このうち、好ましいの
は、ベンゾインエーテル類、チオキサントン類、メタロ
セン類、トリハロメチルトリアジン類である。トリハロ
メチルトリアジン類としては、例えば、下記一般式
(I)で示される化合物を挙げることができる。紫外線
重合開始剤の添加量としては、組成物全成分に対して5
〜80質量%、好ましくは20〜75質量%であり、単
独で用いても、2種以上併用してもよい。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Halはハロゲン原子を表わす。
Yは−C(Hal)3、−NH2、−NHR’、−NR’
2、−OR’を表わす。ここでR’はアルキル基、置換
アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。ま
たRは−C(Hal)3、アルキル基、置換アルキル
基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を
表わす。置換アルキル、置換アリール、及び置換アルケ
ニルにおける各置換基は、ハロゲン、アルキル、アシ
ル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロ
アリールアルケニル、及びヘテロアリールアルキニルか
らなる群から選択される置換基である。なお上記定義に
おいて、好ましくは、アルキル基はC1〜10アルキル
基、アルケニル基はC1〜10アルケニル基、アルキニル
基はC1〜10アルキニル基、アシル基はC1〜10アシル
基、アリール基はC1〜12アリール基、ヘテロアリール
基はC1〜12ヘテロアリール基である。) 具体的には、若林ら著、Bull.Chem.Soc.
Japan,42、2924(1969)記載の化合
物、たとえば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロ
ルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロル
メチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6
−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,
4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジ
ン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−
S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリ
クロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−
トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特
許第1388492号明細書記載の化合物、たとえば、
2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S
−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−
ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p
−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン
等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえ
ば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6
−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4
−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリ
クロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エト
キシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−ト
リクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメ
トキシ−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロ
ルメチル−S−トリアジン、2−(アセナフト−5−イ
ル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジ
ン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、
たとえば下記の化合物を挙げることができる。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】また、F.C.Schaefer等による
J.Org.Chem.;29、1527(1964)
記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス(ト
リブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリ
ス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,8
−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−ア
ミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリア
ジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチ
ル−S−トリアジン等を挙げることができる。さらに特
開昭62−58241号記載の化合物、たとえば下記の
化合物を挙げることができる。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】更に特開平5−281728号記載の化合
物、例えば
【0018】
【化6】 等をあげることができる。
【0019】その他の画像形成層の各構成成分につき、
順次説明する。 (A)赤外線吸収剤 本発明の目的は、赤外線を発するレーザで画像記録する
ことである。このためには、(A)赤外線吸収剤を用い
ることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線
を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱に
より、ラジカル発生剤が分解し、ラジカルを発生する。
本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760
nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料
である。
【0020】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシ
アニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メ
チン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリ
ウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0021】好ましい染料としては、例えば、特開昭5
8−125246号、特開昭59−84356号、特開
昭59−202829号、特開昭60−78787号等
に記載されているシアニン染料、特開昭58−1736
96号、特開昭58−181690号、特開昭58−1
94595号等に記載されているメチン染料、特開昭5
8−112793号、特開昭58−224793号、特
開昭59−48187号、特開昭59−73996号、
特開昭60−52940号、特開昭60−63744号
等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−1
12792号等に記載されているスクワリリウム色素、
英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げ
ることができる。
【0022】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号に開示されているピリリ
ウム化合物も好ましく用いられる。
【0023】また、染料として好ましい別の例として米
国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、
(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げる
ことができる。
【0024】これらの染料のうち特に好ましいものとし
ては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シ
アニン色素が好ましく、特に下記一般式(II)で示され
るシアニン色素が最も好ましい。
【0025】
【化7】
【0026】一般式(II)中、X1は、ハロゲン原子、
またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子また
は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭
化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭
素原子数1〜12の炭化水素基を示す。画像形成層塗布
液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個
以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1
とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成し
ていることが特に好ましい。
【0027】Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっ
ていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水
素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベン
ゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好まし
い置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素
基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ
基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっ
ていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下の
ジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同
じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い
炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置
換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、
カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R
7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、
水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示
す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。ま
た、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のい
ずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要
ない。好ましいZ1-は、画像形成層塗布液の保存安定性
から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオ
ロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオ
ン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、
過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、
およびアリールスルホン酸イオンである。
【0028】本発明において、好適に用いることのでき
る一般式(II)で示されるシアニン色素の具体例として
は、特開2001−133969号公報の段落番号[0
017]〜[0019]に記載されたものを挙げること
ができる。
【0029】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。
【0030】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、
ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性ア
ゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ
顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、
ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、
アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍
光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックで
ある。
【0031】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤
を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップ
リング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を
顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面
処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。
【0032】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の画像画像形成層塗布液中での安
定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画
像形成層の均一性の点で好ましくない。
【0033】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年刊)に記載されている。
【0034】これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一
の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加して
もよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、画像
形成層の波長760nm〜1200nmの範囲における
吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあるこ
とが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くな
る傾向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と
記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度
は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の
光学濃度は常法により測定することができる。測定方法
としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾
燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適
宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度
計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上
に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げら
れる。
【0035】(B)ラジカル発生剤 本発明において用いられる(B)ラジカル発生剤は30
0nmより短波長に吸収極大を有し、(A)赤外線吸収
剤と組み合わせて用い、赤外線レーザを照射した際にラ
ジカルを発生する化合物を指す。ラジカル発生剤として
は、オニウム塩、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド
化合物、キノンジアジドなどが挙げられるが、オニウム
塩が高感度であり、好ましい。本発明においてラジカル
重合開始剤として好適に用い得るオニウム塩について説
明する。好ましいオニウム塩としては、ヨードニウム
塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本
発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではな
く、ラジカル重合の開始剤として機能する。本発明にお
いて好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(II
I)〜(V)で表されるオニウム塩である。
【0036】
【化8】
【0037】式(III)中、Ar11とAr12は、それ
ぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20
個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を
有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、
ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原
子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12
個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロ
ゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレート
イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびス
ルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表
し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホス
フェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンであ
る。
【0038】式(IV)中、Ar21は、置換基を有して
いても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭
素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以
下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオ
キシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭
素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数
12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12
個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z 21-はZ
11-と同義の対イオンを表す。
【0039】式(V)中、R31、R32及びR33は、それ
ぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していて
も良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ま
しい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原
子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下の
アルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリール
オキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオン
を表す。
【0040】本発明において、ラジカル発生剤として好
適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、
特開2001−133969号公報の段落番号[003
0]〜[0033]に記載されたものを挙げることがで
きる。
【0041】本発明において用いられるラジカル発生剤
は、極大吸収波長が400nm以下であることが好まし
く、さらに360nm以下であることが好ましい。この
ように吸収波長を紫外線領域にすることにより、平版印
刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0042】これらのラジカル発生剤は、画像形成層塗
布液の全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは
0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の
割合で画像形成層塗布液中に添加することができる。添
加量が0.1質量%未満であると感度が低くなり、また
50質量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生す
る。これらのラジカル発生剤は、1種のみを用いても良
いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのラジ
カル発生剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、
別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0043】(C)ラジカル重合性化合物 本発明に使用される(C)ラジカル重合性化合物は、少
なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジ
カル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を
少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から
選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広
く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に
限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマ
ー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリ
ゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合
体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合
体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド
類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の
求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミ
ド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキ
シ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボ
ン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、
イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有
する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官
能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオ
ール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオ
キシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エス
テルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコ
ール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好
適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン
酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換
えた化合物群を使用する事も可能である。
【0044】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物である
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン
酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エス
テル、マレイン酸エステルの具体例は、特開2001−
133969号公報の段落番号[0037]〜[004
2]に記載されており、これらを本発明にも適用するこ
とができる。
【0045】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926号、特公昭51−47334号、
特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコ
ール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭
59−5241号、特開平2−226149号各公報記
載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−16561
3号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用い
られる。
【0046】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例と
しては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへ
キシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0047】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号公報中に記載されている1分子に2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記式(VI)で示される水酸基を含有するビ
ニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性
ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。
【0048】 一般式(VI) CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH (ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示
す。)
【0049】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−
49860号、特公昭56−17654号、特公昭62
−39417、特公昭62−39418号記載のエチレ
ンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適で
ある。
【0050】さらに、特開昭63−277653,特開
昭63−260909号、特開平1−105238号に
記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有
するラジカル重合性化合物類を用いても良い。
【0051】その他の例としては、特開昭48−641
83号、特公昭49−43191号、特公昭52−30
490号、各公報に記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を
反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリ
レートやメタクリレートをあげることができる。また、
特公昭46−43946号、特公平1−40337号、
特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、
特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合
物等もあげることができる。また、ある場合には、特開
昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を
含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会
誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1
984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして
紹介されているものも使用することができる。
【0052】これらのラジカル重合性化合物について、
どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用する
か、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終
的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定でき
る。例えば、次のような観点から選択される。感度の点
では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好まし
く、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像
部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以
上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性
基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合
物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物
等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方
を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物
や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、
現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく
無い場合がある。また、画像形成層中の他の成分(例え
ばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶
性、分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使
用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用
や、2種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させ
うることがある。また、支持体、オーバーコート層等の
密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択すること
もあり得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配
合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多す
ぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記
録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層
成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液から
の析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点か
ら、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの
場合、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましく
は20〜75質量%である。また、これらは単独で用い
ても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合
性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解
像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から
適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場
合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法
も実施しうる。
【0053】(D)バインダーポリマー 本発明においては、さらに(D)バインダーポリマーを
使用する。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマ
ーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリ
マー」としては、どれを使用しても構わない。好ましく
は水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするため
に、水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である
線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、
画像形成層を形成するための皮膜形成剤としてだけでな
く、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての
用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポ
リマーを用いると水現像が可能になる。このような線状
有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラ
ジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公
昭54−34327号、特公昭58−12577号、特
公昭54−25957号、特開昭54−92723号、
特開昭59−53836号、特開昭59−71048号
に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合
体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロト
ン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マ
レイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン
酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水
酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものな
どが有用である。
【0054】特にこれらの中で、ベンジル基またはアリ
ル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリ
ル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れてお
り、好適である。
【0055】また、特公平7−12004号、特公平7
−120041号、特公平7−120042号、特公平
8−12424号、特開昭63−287944号、特開
昭63−287947号、特開平1−271741号、
特開平11−352691号公報等に記載される酸基を
含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強
度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利であ
る。
【0056】さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーと
して、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド
等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにア
ルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリ
エーテル等も有用である。
【0057】本発明で使用されるポリマーの重量平均分
子量については好ましくは5000以上であり、さらに
好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量に
ついては好ましくは1000以上であり、さらに好まし
くは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに
好ましくは1.1〜10の範囲である。これらのポリマ
ーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフト
ポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーである
ことが好ましい。
【0058】本発明で使用されるポリマーは従来公知の
方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒と
しては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロ
リド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶
媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。本発明で
使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル
重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等
公知の化合物が使用できる。
【0059】本発明で使用されるバインダーポリマーは
単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマー
は、画像形成層塗布液の全固形分に対し20〜95質量
%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40
〜85質量%の割合で画像形成層中に添加される。添加
量が20質量%未満の場合は、画像形成した際、画像部
の強度が不足する。また添加量が95質量%を越える場
合は、画像形成されない。またラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機ポリマ
ーは、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好まし
い。
【0060】[画像形成層のその他の成分]本発明で
は、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添
加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染
料を画像の着色剤として使用することができる。具体的
には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#10
3、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラッ
クBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−50
5(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピ
ュアブルー、クリスタルバイオレット(CI4255
5)、メチルバイオレット(CI42535)、エチル
バイオレット、ローダミンB(CI145170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)等、及び特開昭62−29324
7号に記載されている染料を挙げることができる。ま
た、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラ
ック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができ
る。
【0061】これらの着色剤は、画像形成後、画像部と
非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好まし
い。なお、添加量は、画像形成層塗布液全固形分に対
し、0.01〜10質量%の割合である。
【0062】また、本発明においては、画像形成層塗布
液の調製中あるいは保存中においてラジカル重合可能な
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重
合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加すること
が望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノ
ン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベン
ゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N
−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げ
られる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対
して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必
要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘ
ン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添
加して、塗布後の乾燥の過程で画像形成層の表面に偏在
させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物
の約0.1質量%〜約10質量%が好ましい。
【0063】また、本発明における画像形成層塗布液中
には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特
開昭62−251740号や特開平3−208514号
に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭5
9−121044号、特開平4−13149号に記載さ
れているような両性界面活性剤を添加することができ
る。
【0064】非イオン界面活性剤の具体例としては、ソ
ルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセ
リド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が
挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像
形成層塗布液中に占める割合は、0.05〜15質量%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0065】さらに、本発明に係る画像形成層塗布液中
には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可
塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、
クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン
酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチ
ル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられ
る。
【0066】本発明の平版印刷版原版を製造するには、
通常、画像形成層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶
かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用
する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ
エチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテ
ート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラ
クトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに
限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合
して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固
形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
【0067】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画
像形成層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、
平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0
g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方
法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗
布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ
塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等
を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、
見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす画
像形成層の皮膜特性は低下する。
【0068】本発明に係る画像形成層塗布液には、塗布
性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−
170950号に記載されているようなフッ素系界面活
性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画
像形成層の材料固形分中0.01〜1質量%、さらに好
ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0069】〔オーバーコート層〕光重合層の重合を阻
害する酸素を遮断するため、光重合層の上に、酸素遮断
性オーバーコート層を設けてもよい。オーバーコート層
としては、セルロース、ポリビニルアルコール及びその
誘導体、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン等の酸素
遮断性ポリマーの薄膜を設けることができる。
【0070】〔支持体〕本発明の方法に係るネガ型画像
形成材料は、前記画像形成層を支持体上に塗布して形成
される。ここで用い得る支持体としては、寸度的に安定
な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラス
チック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、
アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム
(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金
属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチック
フィルム等が例示される。好ましい支持体としては、ポ
リエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。
【0071】本発明の平版印刷版原版に使用する支持体
としては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優れた
アルミニウム板を使用することが好ましい。この目的に
供されるアルミニウム材質としては、JIS 1050
材、JIS 1100材、JIS 1070材、Al−
Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合
金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金などが
挙げられる。
【0072】好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含
む前記の如き合金板であり、更にアルミニウムがラミネ
ートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよ
い。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、
鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の
含有量は10質量%以下である。アルミニウム板として
は、純アルミニウムが好ましいが、完全に純粋なアルミ
ニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元
素を含有するものでもよい。このように、アルミニウム
板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公
知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することが
できる。前記アルミニウム板の厚みとしては、およそ
0.1〜0.6mm程度が好ましく、0.15〜0.4
mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが特に好まし
い。
【0073】前記アルミニウム板を粗面化するに先立
ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば
界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによ
る脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化
処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的
に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する
方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行
われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研
磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を
用いることができる。また、電気化学的な粗面化法とし
ては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行
う方法がある。
【0074】この様に粗面化されたアルミニウム板は、
必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理さ
れた後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるた
めに陽極酸化処理が施される。陽極酸化による、陽極酸
化皮膜の量は、1.0g/m 2以上が好ましい。陽極酸
化皮膜の量が、1.0g/m2未満の場合には、耐刷性
が不十分であったり、平版印刷版として用いた場合に
は、非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分
にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる
ことがある。前記陽極酸化処理を施された後、前記アル
ミニウムの表面は、必要に応じて親水化処理が施され
る。また、このようなアルミニウム支持体は陽極酸化処
理後に有機酸またはその塩による処理または、画像形成
層塗布の下塗り層を適用して用いることができる。
【0075】なお支持体と画像形成層との密着性を高め
るための中間層を設けてもよい。密着性の向上のために
は、一般に中間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアルミニウ
ムに吸着するリン酸化合物等からなっている。中間層の
厚さは任意であり、露光した時に、上層の画像形成層と
均一な結合形成反応を行い得る厚みでなければならな
い。通常、乾燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割
合がよく、5〜40mg/m2が特に良好である。中間
層中におけるジアゾ樹脂の使用割合は、30〜100質
量%、好ましくは60〜100質量%である。
【0076】支持体表面に以上のような処理或いは、下
塗りなどが施された後、支持体の裏面には、必要に応じ
てバックコートが設けられる。かかるバックコートとし
ては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合
物および特開平6−35174号記載の有機または無機
金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属
酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
【0077】平版印刷版用支持体として好ましい特性と
しては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmであ
る。0.10μmより低いと画像形成層と密着性が低下
し、著しい耐刷の低下を生じてしまう。1.2μmより
大きい場合、印刷時の汚れ性が悪化してしまう。さらに
支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜
0.65であり、0.15より白い場合、画像露光時の
ハレーションが強すぎ画像形成に支障をきたしてしま
い、0.65より黒い場合、現像後の検版作業において
画像が見難くく、著しく検版性が悪いものとなってしま
う。
【0078】以上のようにして、所定の処理を行って得
られた支持体上に、先に述べた画像形成層、さらには、
表面保護層、バックコート層等の他の任意の層を形成す
ることで、本発明の方法を適用しうるネガ型画像形成材
料を得ることができる。本発明の方法では、この画像形
成材料に、上述した赤外線レーザで画像記録を行う。ま
た、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も
可能である。
【0079】〔現像液及び補充液〕現像液及び補充液と
しては、pH9〜14の範囲のアルカリ性水溶液が用い
られる事が好ましい。アルカリ性水溶液作成のために用
いられるアルカリ性化合物としては、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ土類金属水酸化物、珪酸塩、アルカリ金
属の炭酸塩及び炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸塩
及び炭酸水素塩、アンモニウムの炭酸塩及び炭酸水素
塩、アミン類等の有機塩基等を挙げることができる。ま
た、各種界面活性剤(ノニオン性、カチオン性、アニオ
ン性)を含有させることも有用である。
【0080】この画像形成材料は赤外線レーザにより露
光した後、先に詳細に述べた本発明特有の弱アルカリ性
水溶液にて現像される。以上記述した現像液及び補充液
を用いて現像処理された画像形成材料は、所望により水
洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガム
や澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理されたのち、平
版印刷版として使用される。
【0081】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く
用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後
処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液
槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ
ーノズルから吹き付けて現像処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する
方法も知られている。このような自動処理においては、
各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充し
ながら処理することができる。また、電気伝導度をセン
サーにて感知し、自動的に補充することもできる。ま
た、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨
て処理方式も適用できる。本発明の方法によれば、経時
的な炭酸ガスによる現像性の低下や現像液に起因する耐
刷性の低下の懸念がないため、これらの自動現像機のい
ずれにも本発明の方法を好適に適用することができる。
【0082】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61
−2518号、同55−28062号、特開昭62−3
1859号、同61−159655号の各公報に記載さ
れているような整面液で処理することが好ましい。
【0083】その方法としては、該整面液を浸み込ませ
たスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、
整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する
方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。ま
た、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、そ
の塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与え
る。整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2
(乾燥重量)が適当である。
【0084】整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、
富士写真フイルム(株)より販売されているバーニング
プロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱され
る。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。
【0085】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている
処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を
含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのい
わゆる不感脂化処理を省略することができる。本発明の
画像形成方法によって得られた平版印刷版はオフセット
印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0086】[実施例]以下、実施例により、本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 [支持体の作成]99.5%以上のアルミニウムと、F
e 0.30%、Si 0.10%、Ti0.02%、C
u 0.013%を含むJIS A1050合金の溶湯を
清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理には、溶湯中
の水素などの不要なガスを除去するために脱ガス処理
し、セラミックチューブフィルタ処理をおこなった。鋳
造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの
鋳塊を表面から10mm面削し、金属間化合物が粗大化
してしまわないように550℃で10時間均質化処理を
行った。 次いで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉
中で500℃60秒中間焼鈍した後、冷間圧延を行っ
て、板圧0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧
延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中
心線平均表面粗さRaを0.2μmに制御した。その
後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにか
けた。
【0087】次に平版印刷版支持体とするための表面処
理を行った。まず、アルミニウム板表面の圧延油を除去
するため10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃で30
秒間脱脂処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃で30
秒間中和し、スマット除去処理を行った。
【0088】次いで支持体と画像形成層の密着性を良好
にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表
面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理を行った。1
%の硝酸と0.5%の硝酸アルミを含有する水溶液を4
5℃に保ち、アルミウェブを水溶液中に流しながら、間
接給電セルにより電流密度20A/dm2、デューティ
ー比1:1の交番波形でアノード側電気量240C/d
2を与えることで電解砂目立てを行った。その後10
%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃で30秒間エッチン
グ処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃で30秒間中
和し、スマット除去処理を行った。
【0089】さらに耐摩耗性、耐薬品性、保水性を向上
させるために、陽極酸化によって支持体に酸化皮膜を形
成させた。電解質として硫酸20%水溶液を35℃で用
い、アルミウェブを電解質中に通搬しながら、間接給電
セルにより14A/dm2の直流で電解処理を行うこと
で2.5g/m2の陽極酸化皮膜を作成した。
【0090】この後印刷版非画像部としての親水性を確
保するため、シリケート処理を行った。処理は3号珪酸
ソーダ1.5%水溶液を70℃に保ちアルミウェブの接
触時間が15秒となるよう通搬し、さらに水洗した。S
iの付着量は10mg/m2であった。以上により作成
した支持体のRa(中心線表面粗さ)は0.25μmで
あった。
【0091】[下塗り]次に、このアルミニウム支持体
に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥
装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被服
量は10mg/m2であった。
【0092】 <下塗り液> ・エチルメタクリレートと2−アクリルアミド−2−メチル−1− プロパンス ルホン酸ナトリウム塩のモル比75:15の共重合体 0.1g ・2−アミノエチルホスホン酸 0.1g ・メタノール 50g ・イオン交換水 50g
【0093】[画像形成層]次に、下記画像形成層塗布
液[P]を調整し、上記の下塗り済みのアルミニウム板
にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて1
15℃で45秒間乾燥して画像形成層を形成し、ネガ型
平版印刷版原版[P−1]を得て実施例1とした。乾燥
後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であっ
た。
【0094】 <画像形成層塗布液[P]> ・赤外線吸収剤[IR−6] 0.08g ・オニウム塩[OI−6] 0.30g ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.00g ・アリルメタクリレートとメタクリル酸の モル比80:20の共重合体 (重量 平均分子量12万) 1.00g ・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.04g ・フッ素系界面活性剤 0.01g (メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 9.0g ・メタノール 10.0g ・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g ・紫外線重合開始剤(後述) 0.3g
【0095】
【化9】
【0096】[露光]得られたネガ型平版印刷版原版
[P−1]を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載
したCreo社製Trendsetter3244VF
Sにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版
面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dp
iの条件で露光した。
【0097】[現像処理]露光後、富士写真フイルム
(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理
した。現像液は、仕込み液、補充液ともに下記処方の現
像液[1](25℃におけるpH9.9)を用いた。現
像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、
富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液を
用いた。なお、以下に示す現像液のpHはいずれも25
℃で測定した結果を示す。
【0098】 <現像液[1]> ・炭酸ナトリウムの1水和物 10g ・炭酸水素カリウム 10g ・イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 15g ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム 15g ・エチレングリコールモノナフチルエーテル モノスルフェートのナトリウム塩 10g ・亜硫酸ナトリウム 1g ・エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム 0.1g ・イオン交換水 938.9g
【0099】現像後、表1の条件で全面露光を行い、下
記に示すように耐刷性の評価を行った。 [耐刷性]平版印刷版[P−1]を、小森コーポレーシ
ョン(株)製印刷機リスロンを用いて印刷した。この
際、印刷開始後、充分にインキがのった印刷物をどれだ
けの枚数得られるかを目視にて評価した(表1)。ベタ耐
刷性は全面画像部の刷了枚数を評価した。ハイライト耐
刷性は、3%網点部の点が約半分になる枚数を評価し
た。
【0100】
【表1】
【0101】上記表1において紫外線重合開始剤は下記
のものを使用した。
【化10】
【発明の効果】紫外線重合開始剤を含む画像形成層を露
光し、現像した後に紫外線による全面露光を行う本発明
の製版方法により製造された平版印刷版の耐刷性が、飛
躍的に向上する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に(A)赤外線吸収剤、
    (B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、
    (D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重合開始
    剤を含有する画像形成層を有する赤外線感光性平版印刷
    版原版を赤外線で画像露光し、現像した後、紫外線で全
    面露光することを特徴とする、平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 全面露光時の露光量が少なくとも画像
    露光量と等量であることを特徴とする請求項1に記載の
    製版方法。
  3. 【請求項3】 全面露光時、版面温度を30〜150
    ℃に加熱することを特徴とする請求項1または2に記載
    の製版方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に(A)赤外線吸収剤、
    (B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、
    (D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重合開始
    剤を含有する画像形成層を有することを特徴とする平版
    印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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