JP4278319B2 - 平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線波長域に感応性を有する平版印刷版原版の製版方法に関し、詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なネガ型平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザおよび半導体レーザ(以下、「赤外線レーザ」という場合がある)は、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになった。これらの赤外線レーザは、コンピュータ等のデジタルデータにより直接印刷版を製版する際の記録光源として非常に有用である。従って、このような赤外線記録光源に対し、感応性の高い画像記録材料、すなわち、赤外線照射により現像液に対する溶解性が大きく変化する画像記録材料への要望が近年高まっている。
このような赤外線レーザにて記録可能なネガ型の画像記録材料として、赤外線吸収剤、酸発生剤、レゾール樹脂及びノボラック樹脂より成る記録材料がUS5,340,699号に記載されている。しかし、このようなネガ型の画像記録材料は、画像形成のためにはレーザー露光後に加熱処理が必要であり、このため、露光後の加熱処理を必要としないネガ型の画像記録材料が所望されていた。
また、高出力レーザを用いた高パワー密度の露光を用いる方法では、露光領域に瞬間的な露光時間の間に大量の光エネルギーが集中照射して、光エネルギーを高率的に熱エネルギーに変換し、その熱により化学変化、相変化、形態や構造の変化などの熱変化を起こさせ、その変化を画像記録に利用するが、従来の平版印刷版原版の感光層において、記録感度を向上させるため赤外線吸収剤の添加量を増加させると、感光層のアブレーション(飛散)によって、レーザー露光装置や光源が汚染される可能性がある。
また、光重合系を利用したものも有用であるが、支持体からの放熱のため、支持体と界面付近の硬化が不十分なため、良好な耐刷性が得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーを用いてコンピューター等のデジタルデータから記録することにより直接製版が可能な赤外線感光性平版印刷版原版の製版方法であって、赤外線レーザーに対し高感度でかつ良好な耐刷性を有し、アブレーションによる汚染の少ない、製版方法を提供することにある。また本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーを用いてコンピューター等のデジタルデータから記録することにより直接製版が可能であり、赤外線レーザーに対し高感度でかつ良好な耐刷性を有し、アブレーションによる汚染の少ない、赤外線感光性平版印刷版原版を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、赤外線を放射して直接製版することのできる光重合性ネガ型平版印刷版原版に紫外線重合開始剤を含有させ、赤外線画像露光及び現像をした後、紫外線で全面露光する製版方法により、得られた平版印刷版が鮮明な画像を有し、かつ耐刷性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成した
【0005】
すなわち、本発明は、
1.支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像形成層を有する赤外線感光性平版印刷版原版を赤外線で画像露光し、現像した後、紫外線で全面露光することを特徴とする、平版印刷版の製版方法、
2.上記1の製版方法において、全面露光時の露光量が少なくとも画像露光量と等量であることを特徴とする製版方法、
3.上記1または2の製版方法において、全面露光時、版面温度を30〜150℃に加熱することを特徴とする製版方法、
4.支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像形成層を有することを特徴とする平版印刷版原版、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法は、支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)ラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)紫外線重合開始剤を含有する画像形成層を使用するものである。このような画像形成層を赤外線レーザーによる画像様露光を行うことにより、露光部の(A)赤外線吸収剤が光熱変換し、発生した熱により、(B)ラジカル発生剤が分解してラジカルを発生し、このラジカルにより(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含む画像形成層が硬化して画像部を形成する。これを現像した後、任意に不感脂化処理等の後処理を行う。前記後処理の後または前に前記画像露光量と同じ量の露光量の紫外線で全面露光を行うことにより、驚くべきことに鮮明な画像を有し、かつ高い耐刷力を有する平版印刷版を得ることができる。
【0007】
本発明の製版方法における、全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。全面露光時の露光量は、少なくとも現像前の画像露光時の露光量と等量であり、より好ましくは少なくとも2倍であり、最も好ましくは少なくとも10倍である。更に、十分な耐刷性を得るためには全面露光量としては少なくとも100mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは150mJ/cm2以上であり、更に好ましくは、200mJ/cm2以上である。光源の光強度としては、20mW/cm2以上のものが好ましい。上記全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは35〜130℃であり、更に好ましくは、40〜120℃である。
【0008】
本発明における画像露光の光源としては、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザ、半導体レーザ、サーマルヘッド等が用いられる。レーザの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。記録材料に照射される画像露光量は10〜500mJ/cm2であり、より好ましくは30〜300mJ/cm2であることが好ましい。
【0009】
以下、画像形成層を設けるための画像形成材料について説明する。
(E)紫外線重合開始剤
初めに、本発明の方法の特徴である、画像形成層に含まれる、(E)紫外線重合開始剤について説明する。本発明の紫外線重合開始剤は、300〜430nmに吸収極大を有する。この化合物が有する紫外線に感光する光重合開始剤の構造としては、ベンジル類、ベンゾインエーテル類、ミヒラーズケトン類、アントラキノン類、(チオ)キサントン類、アクリジン類、フェナジン類、ベンゾフェノン類、メタロセン類、トリハロメチルトリアジン類等を挙げることができる。このうち、好ましいのは、ベンゾインエーテル類、チオキサントン類、メタロセン類、トリハロメチルトリアジン類である。トリハロメチルトリアジン類としては、例えば、下記一般式(I)で示される化合物を挙げることができる。紫外線重合開始剤の添加量としては、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましくは20〜75質量%であり、単独で用いても、2種以上併用してもよい。
【0010】
【化1】
Figure 0004278319
【0011】
(式中、Halはハロゲン原子を表わす。Yは−C(Hal)3、−NH2、−NHR’、−NR’2、−OR’を表わす。ここでR’はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またRは−C(Hal)3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表わす。置換アルキル、置換アリール、及び置換アルケニルにおける各置換基は、ハロゲン、アルキル、アシル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルケニル、及びヘテロアリールアルキニルからなる群から選択される置換基である。なお上記定義において、好ましくは、アルキル基はC1 10アルキル基、アルケニル基はC1 10アルケニル基、アルキニル基はC1 10アルキニル基、アシル基はC1 10アシル基、アリール基はC1 12アリール基、ヘテロアリール基はC1 12ヘテロアリール基である。)
具体的には、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、たとえば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許第1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、たとえば下記の化合物を挙げることができる。
【0012】
【化2】
Figure 0004278319
【0013】
【化3】
Figure 0004278319
【0014】
また、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,8−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。さらに特開昭62−58241号記載の化合物、たとえば下記の化合物を挙げることができる。
【0015】
【化4】
Figure 0004278319
【0016】
【化5】
Figure 0004278319
【0017】
更に特開平5−281728号記載の化合物、例えば
【0018】
【化6】
Figure 0004278319
等をあげることができる。
【0019】
その他の画像形成層の各構成成分につき、順次説明する。
(A)赤外線吸収剤
本発明の目的は、赤外線を発するレーザで画像記録することである。このためには、(A)赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、ラジカル発生剤が分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
【0020】
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0021】
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0022】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0023】
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0024】
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(II)で示されるシアニン色素が最も好ましい。
【0025】
【化7】
Figure 0004278319
【0026】
一般式(II)中、X1は、ハロゲン原子、またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。画像形成層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
【0027】
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ1-は、画像形成層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0028】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(II)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。
【0029】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0030】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0031】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0032】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像画像形成層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像形成層の均一性の点で好ましくない。
【0033】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0034】
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、画像形成層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
【0035】
(B)ラジカル発生剤
本発明において用いられる(B)ラジカル発生剤は300nmより短波長に吸収極大を有し、(A)赤外線吸収剤と組み合わせて用い、赤外線レーザを照射した際にラジカルを発生する化合物を指す。ラジカル発生剤としては、オニウム塩、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、キノンジアジドなどが挙げられるが、オニウム塩が高感度であり、好ましい。本発明においてラジカル重合開始剤として好適に用い得るオニウム塩について説明する。好ましいオニウム塩としては、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、ラジカル重合の開始剤として機能する。本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩である。
【0036】
【化8】
Figure 0004278319
【0037】
式(III)中、Ar11とAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
【0038】
式(IV)中、Ar21は、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0039】
式(V)中、R31、R32及びR33は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオンを表す。
【0040】
本発明において、ラジカル発生剤として好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。
【0041】
本発明において用いられるラジカル発生剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、平版印刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0042】
これらのラジカル発生剤は、画像形成層塗布液の全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で画像形成層塗布液中に添加することができる。添加量が0.1質量%未満であると感度が低くなり、また50質量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。これらのラジカル発生剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのラジカル発生剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0043】
(C)ラジカル重合性化合物
本発明に使用される(C)ラジカル重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0044】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物であるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステルの具体例は、特開2001−133969号公報の段落番号[0037]〜[0042]に記載されており、これらを本発明にも適用することができる。
【0045】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
【0046】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0047】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(VI)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0048】
一般式(VI) CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH
(ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示す。)
【0049】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
【0050】
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いても良い。
【0051】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0052】
これらのラジカル重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、画像形成層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させうることがある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましくは20〜75質量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0053】
(D)バインダーポリマー
本発明においては、さらに(D)バインダーポリマーを使用する。バインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、画像形成層を形成するための皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0054】
特にこれらの中で、ベンジル基またはアリル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
【0055】
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号公報等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。
【0056】
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0057】
本発明で使用されるポリマーの重量平均分子量については好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0058】
本発明で使用されるポリマーは従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
【0059】
本発明で使用されるバインダーポリマーは単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマーは、画像形成層塗布液の全固形分に対し20〜95質量%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%の割合で画像形成層中に添加される。添加量が20質量%未満の場合は、画像形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が95質量%を越える場合は、画像形成されない。またラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機ポリマーは、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。
【0060】
[画像形成層のその他の成分]
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。
【0061】
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像形成層塗布液全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
【0062】
また、本発明においては、画像形成層塗布液の調製中あるいは保存中においてラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像形成層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.1質量%〜約10質量%が好ましい。
【0063】
また、本発明における画像形成層塗布液中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
【0064】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像形成層塗布液中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0065】
さらに、本発明に係る画像形成層塗布液中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0066】
本発明の平版印刷版原版を製造するには、通常、画像形成層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
【0067】
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像形成層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす画像形成層の皮膜特性は低下する。
【0068】
本発明に係る画像形成層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画像形成層の材料固形分中0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0069】
〔オーバーコート層〕
光重合層の重合を阻害する酸素を遮断するため、光重合層の上に、酸素遮断性オーバーコート層を設けてもよい。オーバーコート層としては、セルロース、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン等の酸素遮断性ポリマーの薄膜を設けることができる。
【0070】
〔支持体〕
本発明の方法に係るネガ型画像形成材料は、前記画像形成層を支持体上に塗布して形成される。ここで用い得る支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が例示される。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。
【0071】
本発明の平版印刷版原版に使用する支持体としては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優れたアルミニウム板を使用することが好ましい。この目的に供されるアルミニウム材質としては、JIS 1050材、JIS 1100材、JIS 1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金などが挙げられる。
【0072】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む前記の如き合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。アルミニウム板としては、純アルミニウムが好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように、アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。前記アルミニウム板の厚みとしては、およそ0.1〜0.6mm程度が好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが特に好ましい。
【0073】
前記アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。
【0074】
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。陽極酸化による、陽極酸化皮膜の量は、1.0g/m2以上が好ましい。陽極酸化皮膜の量が、1.0g/m2未満の場合には、耐刷性が不十分であったり、平版印刷版として用いた場合には、非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなることがある。前記陽極酸化処理を施された後、前記アルミニウムの表面は、必要に応じて親水化処理が施される。
また、このようなアルミニウム支持体は陽極酸化処理後に有機酸またはその塩による処理または、画像形成層塗布の下塗り層を適用して用いることができる。
【0075】
なお支持体と画像形成層との密着性を高めるための中間層を設けてもよい。密着性の向上のためには、一般に中間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアルミニウムに吸着するリン酸化合物等からなっている。中間層の厚さは任意であり、露光した時に、上層の画像形成層と均一な結合形成反応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5〜40mg/m2が特に良好である。中間層中におけるジアゾ樹脂の使用割合は、30〜100質量%、好ましくは60〜100質量%である。
【0076】
支持体表面に以上のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
【0077】
平版印刷版用支持体として好ましい特性としては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmである。0.10μmより低いと画像形成層と密着性が低下し、著しい耐刷の低下を生じてしまう。1.2μmより大きい場合、印刷時の汚れ性が悪化してしまう。さらに支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であり、0.15より白い場合、画像露光時のハレーションが強すぎ画像形成に支障をきたしてしまい、0.65より黒い場合、現像後の検版作業において画像が見難くく、著しく検版性が悪いものとなってしまう。
【0078】
以上のようにして、所定の処理を行って得られた支持体上に、先に述べた画像形成層、さらには、表面保護層、バックコート層等の他の任意の層を形成することで、本発明の方法を適用しうるネガ型画像形成材料を得ることができる。本発明の方法では、この画像形成材料に、上述した赤外線レーザで画像記録を行う。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。
【0079】
〔現像液及び補充液〕
現像液及び補充液としては、pH9〜14の範囲のアルカリ性水溶液が用いられる事が好ましい。アルカリ性水溶液作成のために用いられるアルカリ性化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、珪酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、アンモニウムの炭酸塩及び炭酸水素塩、アミン類等の有機塩基等を挙げることができる。
また、各種界面活性剤(ノニオン性、カチオン性、アニオン性)を含有させることも有用である。
【0080】
この画像形成材料は赤外線レーザにより露光した後、先に詳細に述べた本発明特有の弱アルカリ性水溶液にて現像される。
以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された画像形成材料は、所望により水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理されたのち、平版印刷版として使用される。
【0081】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、電気伝導度をセンサーにて感知し、自動的に補充することもできる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。本発明の方法によれば、経時的な炭酸ガスによる現像性の低下や現像液に起因する耐刷性の低下の懸念がないため、これらの自動現像機のいずれにも本発明の方法を好適に適用することができる。
【0082】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
【0083】
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。
【0084】
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0085】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
本発明の画像形成方法によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0086】
[実施例]
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[支持体の作成]
99.5%以上のアルミニウムと、Fe 0.30%、Si 0.10%、Ti0.02%、Cu 0.013%を含むJIS A1050合金の溶湯を清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理には、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために脱ガス処理し、セラミックチューブフィルタ処理をおこなった。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊を表面から10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。 次いで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中で500℃60秒中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、板圧0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均表面粗さRaを0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。
【0087】
次に平版印刷版支持体とするための表面処理を行った。まず、アルミニウム板表面の圧延油を除去するため10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃で30秒間脱脂処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃で30秒間中和し、スマット除去処理を行った。
【0088】
次いで支持体と画像形成層の密着性を良好にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理を行った。1%の硝酸と0.5%の硝酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密度20A/dm2、デューティー比1:1の交番波形でアノード側電気量240C/dm2を与えることで電解砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃で30秒間エッチング処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃で30秒間中和し、スマット除去処理を行った。
【0089】
さらに耐摩耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸化によって支持体に酸化皮膜を形成させた。電解質として硫酸20%水溶液を35℃で用い、アルミウェブを電解質中に通搬しながら、間接給電セルにより14A/dm2の直流で電解処理を行うことで2.5g/m2の陽極酸化皮膜を作成した。
【0090】
この後印刷版非画像部としての親水性を確保するため、シリケート処理を行った。処理は3号珪酸ソーダ1.5%水溶液を70℃に保ちアルミウェブの接触時間が15秒となるよう通搬し、さらに水洗した。Siの付着量は10mg/m2であった。以上により作成した支持体のRa(中心線表面粗さ)は0.25μmであった。
【0091】
[下塗り]
次に、このアルミニウム支持体に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被服量は10mg/m2であった。
【0092】
Figure 0004278319
【0093】
[画像形成層]
次に、下記画像形成層塗布液[P]を調整し、上記の下塗り済みのアルミニウム板にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して画像形成層を形成し、ネガ型平版印刷版原版[P−1]を得て実施例1とした。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。
【0094】
Figure 0004278319
【0095】
【化9】
Figure 0004278319
【0096】
[露光]
得られたネガ型平版印刷版原版[P−1]を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した。
【0097】
[現像処理]
露光後、富士写真フイルム(株)製自動現像機スタブロン900Nを用い現像処理した。現像液は、仕込み液、補充液ともに下記処方の現像液[1](25℃におけるpH9.9)を用いた。現像浴の温度は30℃とした。また、フィニッシャーは、富士写真フイルム(株)製FN−6の1:1水希釈液を用いた。なお、以下に示す現像液のpHはいずれも25℃で測定した結果を示す。
【0098】
Figure 0004278319
【0099】
現像後、表1の条件で全面露光を行い、下記に示すように耐刷性の評価を行った。
[耐刷性]
平版印刷版[P−1]を、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて印刷した。この際、印刷開始後、充分にインキがのった印刷物をどれだけの枚数得られるかを目視にて評価した(表1)。ベタ耐刷性は全面画像部の刷了枚数を評価した。ハイライト耐刷性は、3%網点部の点が約半分になる枚数を評価した。
【0100】
【表1】
Figure 0004278319
【0101】
上記表1において紫外線重合開始剤は下記のものを使用した。
【化10】
Figure 0004278319
【発明の効果】
紫外線重合開始剤を含む画像形成層を露光し、現像した後に紫外線による全面露光を行う本発明の製版方法により製造された平版印刷版の耐刷性が、飛躍的に向上する。

Claims (9)

  1. 支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)極大吸収波長が300nmより短波長である熱によりラジカルを発生するラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)極大吸収波長が300〜430nmである紫外線重合開始剤を含有する画像形成層を有する赤外線感光性平版印刷版原版を赤外線で画像露光し、現像した後、紫外線で全面露光することを特徴とする、平版印刷版の製版方法。
  2. 全面露光時の露光量が少なくとも画像露光量と等量であることを特徴とする請求項1に記載の製版方法。
  3. 全面露光時、版面温度を30〜150℃に加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の製版方法。
  4. (A)赤外線吸収剤の吸収波長が760〜1200nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製版方法。
  5. (E)極大吸収波長が300〜430nmである紫外線重合開始剤の添加量が、画像形成層に含まれる組成物全成分に対して5〜80質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製版方法。
  6. 支持体上に(A)赤外線吸収剤、(B)極大吸収波長が300nmより短波長である熱によりラジカルを発生するラジカル発生剤、(C)ラジカル重合性化合物、(D)バインダーポリマー、及び(E)極大吸収波長が300〜430nmである紫外線重合開始剤を含有する画像形成層を有することを特徴とする平版印刷版原版。
  7. (A)赤外線吸収剤の吸収波長が760〜1200nmであることを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版原版。
  8. (E)極大吸収波長が300〜430nmである紫外線重合開始剤の添加量が、画像形成層に含まれる組成物全成分に対して5〜80質量%の範囲であることを特徴とする請求項6または7に記載の平版印刷版原版。
  9. (E)極大吸収波長が300〜430nmである紫外線重合開始剤が下記一般式(I)で表される化合物である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の平版印刷版:
    Figure 0004278319
    (式中、Halはハロゲン原子を表わす。Yは−C(Hal)3、−NH2、−NHR’、−NR’2、−OR’を表わす。ここでR’はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またRは−C(Hal)3、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基を表わす。置換アルキル、置換アリール、及び置換アルケニルにおける各置換基は、ハロゲン、アルキル、アシル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルケニル、及びヘテロアリールアルキニルからなる群から選択される置換基である。)。
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