JP3844653B2 - 車体組立方法及び車体組立ライン - Google Patents

車体組立方法及び車体組立ライン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体組立方法及び車体組立ラインに係るものであり、特に、メインラインの短縮化と、生産性を向上することができる車体組立方法及び車体組立ラインに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車体組立ラインとしては、メイン部品を組付けるメインラインの他に、サブ部品を組立てるサブラインを設け、このサブラインにより部品を集約化してサブアッセンブリした状態でメインラインに供給するようにしている。
例えば、塗装ラインを経て組立ラインに搬送された車体は、艤装ライン、足廻り組付けライン等のラインからなるメインラインを経て組立てられる。このメインラインでの組立てに際しては、メインラインに接続されたサブラインにてサブアッセンブリされた部品が供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、自動車に対する消費者のニーズの多様化に対応するために、従来の少機種大量生産から多機種少量生産に移行している中で、異なる機種を同一のラインで生産する多機種混合生産方式が一般化しており、上記メインラインの長さが長くなる傾向にある。
すなわち、機種毎に異なるアッセンブリ形態、装備、仕様、部品点数等を考慮すると最も部品点数の多い機種を基準にライン設定をしなければならず、これに伴いライン長を長くせざるを得ないからである。したがって、ライン長が延びることにより、実質的な生産能力が低下すると共に付帯設備等も増加し、コストアップにつながるという問題がある。
【0004】
また、部品点数の異なる車両を同一のラインで組立てるため、例えば搬送台車に載置された異なる機種の車両に応じて作業工数が変化する。そのため、部品点数の少ない機種が搬送されてきた場合には、部品点数の多い機種が搬送されてきた場合に必要だった作業者の仕事がなくなり、無駄が生じてしまうという問題がある。このような無駄な労力は結果的に生産効率の低下やコストアップの原因となってしまう。
そこで、この発明は、メインラインの短縮化と、生産性を向上することができる車体組立方法及び車体組立ライン提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、単一のメインライン(例えば、実施形態におけるメインライン1)に順次搬送される種類の異なる車体(例えば、実施形態における車体2)に、部品を順次組付ける車体組立方法において、異なる機種間において共通する部品(例えば、実施形態におけるメイン部品MB1)と、該共通部品以外の部品(例えば、実施形態におけるメイン部品MB)のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品(例えば、実施形態におけるメイン部品MB2)とをメインライン工程で組付け、前記共通部品以外の部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できない部品(例えば、実施形態におけるメイン部品MB3)についてはサブライン工程でユニット化して組立てるようにし、サブライン工程においてはメインライン工程と同期することができる部品(例えば、実施形態におけるサブ部品SB1)をサブラインのメインラインと直結した工程で組付けてメインライン工程に供給し、メインライン工程と同期できない部品(例えば、実施形態におけるSB2)と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できない部品とを、非同期工程において組立ててストックしておき、必要が生じた場合に各々サブラインのメインラインと直結した工程とメインライン工程に供給することを特徴とする。
【0006】
このように構成することで、例えば、機種毎に異なる組付工数はメインライン工程に何ら影響を与えずにサブライン工程で吸収し、サブライン工程においては、サブラインのメインラインと直結した工程において、できる限り共通する部品をメインライン工程と同期させながら組付けを行ない、非同期工程においてメインライン工程と同期できない部品と、前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないユニット化した部品とを各々組立ててストックし必要に応じてサブラインのメインラインに直結した工程及びメインライン工程に供給できる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、上記メインライン工程で組立てられる機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品は、部品組立て時の治具利用、作業方法の改善、自動化、仕様統合により機種偏差を吸収することを特徴とする。
【0008】
このように構成することで、上記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品の組立時に治具を利用して組立て時間を短縮化し、作業方法の改善により作業時間を短縮化し、自動化による作業時間と作業人員を削減し、仕様統合することにより、作業者の習熟度を高めて組付け時間を短縮することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、単一のメインラインに順次搬送される種類の異なる車体に、部品を順次組付ける車体組立ラインにおいて、異なる機種間において共通するメイン部品と、該共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できるメイン部品とを組付けるメインラインと、前記共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品をユニット化すると共にサブ部品を組立てるサブラインとを備え、該サブラインはメインラインと同期することができるサブ部品を組付けてメインラインに接続するサブメインライン(例えば、実施形態におけるサブメインライン3)と、メインラインと同期できないサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とを組立てる非同期部品製造エリア(例えば、実施形態における非同期部品製造エリア4)と、この非同期部品製造エリアにおいて組立てられたサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とをストックしておき前記サブメインライン及びメインラインへの供給を待つストレージエリア(例えば、実施形態におけるストレージエリア5)とを備えていることを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、異なる機種間において共通するメイン部品と、該共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できるメイン部品とをメインラインで組付け、前記共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とサブ部品とをサブラインで組立て、サブラインにおいてメインラインと同期することができるメイン部品をサブラインのサブメインラインで搬送しながら組付けてメインラインに供給し、サブラインにおいてメインラインと同期できないサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とを非同期部品製造エリアおいて組立ててストレージエリアにストックしておき、必要が生じた場合にサブメインライン及びメインラインに供給することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1はこの発明の実施形態に係るメインラインの説明図である。図2は図1に対応する機種ごとの部品点数の違いを示した説明図である。図1、2において1は単一のメインラインを示し、前段の、例えば塗装工程において塗装が施され順次搬送されてくる種類の異なる車体2に、各種部品を順次組付けるものである。このメインライン1は具体的には伝達/通線ゾーンZA、室内ソーンZB、足廻りゾーンZC、エクステリアゾーンZD、複合保証ゾーンZEを備え、メインライン1での組立てが終了した車体2は次段の検査工程に搬送される。このメインライン1はメインライン工程に対応する。
【0012】
ここで、例えば、伝達/通線ゾーンZAでは、配線、配管、ケーブ類の配索、エンジンルーム内作業、その他の組付け前作業を行ない、室内ソーンZBではインストルメントパネル、ペダル類、床マット、天井ライニング、サイドライニングその他の内装作業を行ない、足廻りゾーンZCではサスペンション、エンジン、その他の下側からの作業を行ない、エクステリアゾーンZDではタイヤ、ウインドウガラス、バンパ、ドア、シート、エンジンルーム後作業、その他の外装作業を行ない、複合保証ゾーンZEでは液注入作業、バッテリの搭載、燃料の注入、エンジン始動確認等の検査を行なう。
【0013】
上記各ゾーンは機能別に分割されたもので、従来は係りごとで行なっていた作業を機能別に分けると共に、各機能毎、つまり各ゾーン毎に機能保証を行なうことで組立て後の分解再組立てを防止している。例えば、伝達/通線ゾーンではトランクリッド開閉用ケーブルの両端を所定の部品に取付けた後に作動確認まで行なうため、後段ゾーンで組立て不良が発覚し分解して組立て直すというようなことが生じないのである。
【0014】
すなわち、従来のように係り毎に組立てを行なった場合には、例えば、ケーブルの前端を取付ける係りと、ケーブルの後端を取り付ける係りとが異なるが、ケーブルの前端を取付ける係りがケーブルに所定の遊びを与えないで取付けたような場合には、ケーブルの後端を取付ける係りがこれを見つけるまで組立て不良が発覚せず、不良が判明したら、場合によっては周囲の部品を分解して再組立てを行なわなければならないのである。
【0015】
ここで、図2において示される機種毎の棒グラフは、各ゾーンにおける水平の線を境にしたメイン部品(上側)MBとサブ部品(下側)SBの割合を示している。そして、このメイン部品MBとサブ部品SBとに分ける基準としては、メイン部品MBにあっては、全機種適用部品、サブラインで機能保証された部品、車体直付け部品、ユニットにできない部品、メインラインで機能保証する部品が挙げられ、一方、サブ部品SBにあっては、装備、仕様、構造差のある部品、車体に直付けされない部品、ユニットにできる部品、メインラインでは作業姿勢の悪い部品、サブ部品とすることで工数を削減できる部品、サブ部品とすることで自動化、治具利用できる部品が挙げられる。
【0016】
ところで、各ゾーンでは異なる機種の車体2が搬送されることとなるが、例えば足廻りゾーンZCにおけるメイン部品MBの機種毎の有無を図3に示すと、機種の違いにより部品点数、組付工数が異なることがわかる。よって、機種の違いによって組付工数に偏差が発生するのである。
具体的には機種Aではメイン部品NO.1からメイン部品NO.8まで存在するが機種Bではメイン部品NO.2、NO.7は存在していない。機種の違いにより装備が異なる等で部品点数が一致しないのである。また、機種Cではメイン部品NO.1、メイン部品NO.4、メイン部品NO.6が存在していない。
【0017】
つまり、メインライン1の足廻りゾーンZCにおいて第1に組付けられるメイン部品MB1は、機種A、機種B、機種Cの共通部品であるメイン部品NO.3、メイン部品NO.5、メイン部品NO.8である。具体的には、例えば足廻りゾーンZCにおけるサスペンション、フューエルタンクである。
次に、前記メインライン1において組付けられる第2のメイン部品MBは、機種の違いによって発生する組付工数偏差(以下、「機種間偏差」という)を吸収できるメイン部品MB2と機種間偏差を吸収できないメイン部品MB3(サブラインで組立てられる)であり、図3に示した部品では、共通部品以外のメイン部品である、残りのメイン部品NO.1、NO.2、NO.4、NO.6、NO.7である。
【0018】
これらの部品のうち、機種間偏差を吸収できるメイン部品MB2とは、図4の機種Aを例にして示すように、自動化、後組付けにより機種間偏差を吸収できるメイン部品MB21と、治具化、仕様統合、作業方法の改善により機種間偏差を吸収できるメイン部品MB22である。具体的には自動化により作業時間と作業人員を削減し、組立て時に治具を利用して組立て時間を短縮化し、仕様統合することにより作業者の習熟度を高めて組付け時間を短縮し、例えば、作業姿勢の改善等の作業方法の改善により作業時間を短縮化してメインラインでの組付けを可能とする。具体的には、例えば足廻りゾーンZCにおけるリアサスマウント、スペアータイヤキャリアーである。
【0019】
また、機種間偏差を吸収できないメイン部品MB3は、図4に示すように後述するサブラインの非同期部品製造エリアにて組立てられた後、メインライン1に供給される。具体的には、例えば足廻りゾーンZCにおけるブレーキ小組である。
【0020】
図5は前記足廻りゾーンZCの一部、具体的にはリヤサスペンションRRのサブライン3が接続された部位及びその周辺を詳細に示したものである。
前記メインライン1にはサブラインが接続されている。該サブラインは、メインライン1と同期することができるサブ部品SB1(図4に示す)を搬送しながら組付けてメインライン1に直結した状態で接続されるサブメインライン3と、メインライン1と同期できないサブ部品SB2と前記機種間偏差を吸収できない前記メイン部品MB3とを各々を組立てる非同期部品製造エリア4と、この非同期部品製造エリア4において組立てられたサブ部品SB2と前記機種間偏差を吸収できないメイン部品MB3とをストックしておき前記サブメインライン3及びメインラインへ1の供給を待つストレージエリア5とを備えている。上記サブラインがサブライン工程に対応し、サブメインライン3がサブラインのメインライン1に直結する工程に対応し、非同期部品製造エリア4が非同期工程に対応する。
【0021】
サブメインライン3は図5に示すように搬入端にリヤサスペンションの右アッセンブリRRRと左アッセンブリRRLとを前記ストレージエリア5から搬入してメインライン1に向かって順次組立ユニット化しメインライン1への搬送を行なうものである。このサブメインライン3はメインライン1と同期しており、メインライン1の供給位置に到着する車体2のタイミングに合わせて組み上がったリヤサスペンションRRを順次を供給し、車体2とドッキングするようになっている。
【0022】
前記非同期部品製造エリア4は、サブ部品SB2と前記メイン部品MBのうち機種間偏差を吸収するためにユニット化されるメイン部品MB3を製造するエリアであり、ブレーキ小組ラインのようなサブメインライン3へのサブラインを設けたり、更には非同期で部品を製造することもできるもので、作業内容を細分化して分担し、例えば、ハブ圧入やドライブシャフト圧入作業を行なうことができる。
前記ストレージエリア5は、非同期製造エリア4において製造されたサブ部品SB2と前記機種間偏差を吸収するためにユニット化されたメイン部品MB3とを仮置きしておき、サブメインライン3やメインライン1への供給要求があるまで待機させておく場所である。
【0023】
図5の例では非同期部品製造エリア4に、サブメインライン3で製造されるリアサスペンションRRの右アッセンブリRRRと左アッセンブリRRLが製造されるスペース41がサブメインライン3寄りに配置され、この各アッセンブリはストレージエリア5に左右が別々(図では上下)にストックされ、隣接するサブメインライン3の搬入側の左右に振り分けて投入されるようになっている。尚、各横列は機種毎に分けられており投入し易いようになっている。
また、非同期部品製造エリア4のサブメインライン3とは反対側には機種間偏差を吸収するためにユニット化されたメイン部品MB3の製造スペース42が設けられている。ここにおいて製造されたメイン部品MB3は、前記ストレージエリア5の一部に載置されたり、あるいは直接メインライン1に投入される。
【0024】
上記サブラインのうち、サブメインライン3が同期エリアであり、サブメインライン3を除く範囲であって、非同期部品製造エリア4、ストレージエリア5、及びこれらを台車6等で結びつけるエリアが非同期エリアであり、例えば小組である。尚、図5中Mは作業者を示す。
【0025】
上記実施形態によれば、メインライン1においては、主として異なる機種間において共通するメイン部品MB1と該共通部品以外のメイン部品MBのうち機種間偏差を吸収できるメイン部品MB2とを組付けるようにするため、異なる複数の機種の組立てを行なう場合であっても、メインライン1の長さを短縮することができる。したがって、メインライン1の短縮化により実質的な生産能力が増加すると共に付帯設備等を減少させることができコストダウンを図ることができる。
また、サブラインにおいては、前記共通部品以外のメイン部品MBのうち機種間偏差を吸収できないユニット化したメイン部品MB3とサブ部品SBを組立てるようにしているため、前記メインライン1で生じている機種間偏差を確実に無くすことができる。
【0026】
また、サブラインにおいては、メインライン1と同期することができるサブ部品SB1をサブラインのサブメインライン3で搬送しながら組立ててメインライン1に供給することができるため、メインライン1に何ら影響を与えないで当該サブ部品SB1をスムーズに部品供給することができる。
一方、サブラインにおいてメインライン1と同期できないサブ部品SB2と前記機種間偏差を吸収できないメイン部品MB3は、サブラインの非同期部品製造エリア4おいて組立て、ストレージエリア5にストックしておき、必要が生じた場合にサブメインライン3及びメインライン1に供給することが可能となるため、ストレージエリア5が機種間偏差を吸収できるエリアとして機能する。したがって、メインライン1に供給される車体の機種が増加してもメインライン1を延長することなく柔軟に対応することができる。
【0027】
また、メインライン1における作業者は機種の異なる車体2が搬送されてきても主として共通のメイン部品MB1を組付けるため、機種の違いによって仕事のない作業者が存在することはなくなり、実質的な生産効率を高めることができる。さらに、メインライン1による作業は機種の違いにかかわら定作業となるため作業者の習熟度が高まり、組付け時間を短縮することができると共に、定作業となるため実習期間が短縮できるメリットもある。
また、前記非同期部品製造エリア4においては、メインライン1と非同期でサブ部品SB等を組立てることができるため、メインライン1と同期して作業を行なうことができない作業者をこの非同期部品製造エリア4での作業に従事させることで、作業者に無理な負担をかけることがなくなると共に、作業者の作業能力に応じた人員の配置が可能となり無駄が生じない。
【0028】
そして、上記メインライン1で組立てられる機種間偏差を吸収できるメイン部品MB2は、上記メイン部品の組立て時に治具を利用して組立て時間を短縮化し、作業方法の改善により作業時間を短縮化し、自動化による作業時間と作業人員を削減し、仕様統合することにより作業者の習熟度を高めて組付け時間を短縮することが可能となるため、メインライン1における偏差が原因で生ずるロスを無くすことができ生産効率を向上することができる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、足廻りゾーンZCにおけるリヤサスペンションRRを具体例として説明したが、他のゾーンにおける他の部品についても同様に適用することができる。また、各ゾーンの設定は一例であり、これに限られるものではない。更に、塗装工程を終了した車体の組立ラインに限られるものではなく、塗装工程を終了していない組立ラインに適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、機種の増加に対して柔軟に対応することができ、汎用性が高まるという効果がある。各工程における作業の種類を一定化でき、かつ、各工程に作業の種類の違いに応じた作業配分を行なうことが可能となるため、作業者を無駄なく配置することができ、各工程において作業を連続的に行なうことにより、生産効率を向上することができる効果がある。
【0030】
請求項2に記載した発明によれば、上記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品の組立て時に治具を利用して組立て時間を短縮化し、作業方法の改善により作業時間を短縮化し、自動化による作業時間と作業人員を削減し、仕様統合することにより作業者の習熟度を高めて組付け時間を短縮することが可能となるため、メインライン工程で発生する偏差ロスを吸収することができ、生産効率を向上することができる効果がある。
【0031】
請求項3に記載した発明によれば、異なる機種間において共通するメイン部品と該共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できるメイン部品とをメインラインで組付け、前記共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品をユニット化すると共にサブ部品をサブラインで組立て、サブラインにおいてメインラインと同期することができるメイン部品をサブラインのサブメインラインで搬送しながら組付けてメインラインに供給し、サブラインにおいてメインラインと同期できないサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とを非同期部品製造エリアおいて組立ててストレージエリアにストックしておき、必要が生じた場合にサブメインライン及びメインラインに供給することが可能となるため、メインラインを短縮化することができる効果がある。
したがって、メインラインの短縮化により実質的な生産能力が増加すると共に付帯設備等を減少させることができコストダウンを図ることができる効果がある。
【0032】
また、メインラインにおける作業者は機種の異なる車体が搬送されてきても共通のメイン部品を組付けるため、機種の違いによって仕事のない作業者が存在することはなくなり、生産効率を高めることができる効果がある。また、前記非同期部品製造エリアにおいては、メインラインと非同期でサブ部品等を組立てることができるため、メインラインと同期して作業を行なうことができない作業者をこの非同期部品製造エリアでの作業に従事させることで、作業者に無理な負担をかけることがなくなると共に、作業者の作業能力に応じた人員の配置が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態のメインラインを示す説明図である。
【図2】 図1に対応する機種ごとの部品点数の違いを示した説明図である。
【図3】 この発明の実施形態の部品単位の偏差を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施形態のメイン部品とサブ部品との振り分けを示す説明図である。
【図5】 この発明の実施形態のラインレイアウトを示す説明図である。
【符号の説明】
1 メインライン
2 車体
3 サブメインライン
4 非同期部品製造エリア
5 ストレージエリア
MB,MB1,MB2,MB3 メイン部品
SB,SB1,SB2 サブ部品

Claims (3)

  1. 単一のメインラインに順次搬送される種類の異なる車体に、部品を順次組付ける車体組立方法において、異なる機種間において共通する部品と、該共通部品以外の部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品とをメインライン工程で組付け、前記共通部品以外の部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できない部品についてはサブライン工程でユニット化して組立てるようにし、サブライン工程においてはメインライン工程と同期することができる部品をサブラインのメインラインと直結した工程で組付けてメインライン工程に供給し、メインライン工程と同期できない部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できない部品とを、非同期工程において組立ててストックしておき、必要が生じた場合に各々サブラインのメインラインと直結した工程とメインライン工程に供給することを特徴とする車体組立方法。
  2. 上記メインライン工程で組立てられる機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できる部品は、部品組立て時の治具利用、作業方法の改善、自動化、仕様統合により機種偏差を吸収することを特徴とする請求項1に記載の車体組立方法。
  3. 単一のメインラインに順次搬送される種類の異なる車体に、部品を順次組付ける車体組立ラインにおいて、異なる機種間において共通するメイン部品と、該共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できるメイン部品とを組付けるメインラインと、前記共通部品以外のメイン部品のうち機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品をユニット化すると共にサブ部品を組立てるサブラインとを備え、該サブラインはメインラインと同期することができるサブ部品を組付けてメインラインに接続するサブメインラインと、メインラインと同期できないサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とを組立てる非同期部品製造エリアと、この非同期部品製造エリアにおいて組立てられたサブ部品と前記機種の違いによって発生する組付工数偏差を吸収できないメイン部品とをストックしておき前記サブメインラインとメインラインへの供給を待つストレージエリアとを備えていることを特徴とする車体組立ライン。
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