JP3841040B2 - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器に係り、特に、光反射層を備えた表示装置として好適な電気光学装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種電子機器に設けられる表示手段として、電気光学装置の一種である液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、一対の基板間に液晶が封入された基本セル構造を有する。このような液晶表示装置には、外光の一部を表示光として利用する反射型の液晶表示装置があり、従来から、携帯型電子機器を中心として一般的に用いられてきた。また、近年、暗所ではバックライトの光を利用する透過型表示が可能で、明所では外光を利用する反射型表示が可能な、半透過反射型の液晶表示装置も市場に提供されている。
【0003】
上記の反射型の液晶表示装置、或いは、半透過反射型の液晶表示装置では、上記基本セル構造の内部における液晶の背面側(観察側の反対側)に反射層を設ける場合が多い。この反射層には、アルミニウム等の金属薄膜が一般的に用いられている。半透過反射型の液晶表示装置では、反射層において画素毎に開口部(窓部)が設けられ、この開口部にバックライトの光を通過させることにより透過型表示が可能になるように構成される。この反射層は、液晶に電界を付与するための電極としての機能をも有する反射電極として構成される場合があり、また、反射層とは別に透明電極等を設けることにより、反射層を光の反射機能のみを有するものとする場合もある。
【0004】
ところで、近年、携帯電話等に用いられる比較的小型の液晶表示装置においても、カラー化や高精細化が要求されるようになってきていることから、反射型や半透過反射型の液晶表示装置においてより明るい反射型表示が必要になってきている。このため、近年、反射層を形成する金属薄膜の材料として、アルミニウムよりも高い反射率を有するAPC(Ag−Pd−Cu)合金などの銀合金が用いられるようになっている。この銀合金は低い電気抵抗を有するための電極や配線の材料としても用いられる。ところが、APC合金は一般的に耐水性に劣るため、たとえば、製造工程中において湯水に接触することによりパターン形成されたAPC合金の薄膜から電気的にイオン化された金属が溶け出したり、印加電圧によりエレクトロマイグレーションや電蝕が発生したりするという問題点がある。また、銀合金は一般にガラス基板との密着性が悪いため、基板上に直接形成することが難しい。このように、APC合金を単独で用いると種々の問題が生ずるので、これを防止するために、反射層の上層又は下層にITO(Indium Tin Oxide)を積層した積層構造を設ける方法が提案されている。
【0005】
上記のように銀合金を用いた反射層を備えた電気光学装置(液晶表示装置)は、たとえば、以下の特許文献1及び特許文献2などに開示されている。特許文献1には、一対の基板のうち一方の基板上に、ITOで構成された透明導電膜と、銀合金膜とが順次積層され、透明導電膜と銀合金膜とを同幅に構成した液晶表示装置が開示されている。また、特許文献2には、ITOで構成された下地層上に銀合金で構成された反射性導電膜が形成され、さらに、この反射性導電膜上にITOで構成された金属酸化物膜が形成され、反射性導電膜が下地層と金属酸化物膜とによって封入された断面構造を有する液晶装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−229050号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−049035号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の液晶表示装置においては、銀合金と液晶との間に配向膜だけが存在する場合には、対向する透明電極と材質が異なることから極性の偏りが発生したり、銀合金が液晶に溶出したりするという不具合が知られている。このため、上記の特許文献2に開示されているように、銀合金膜の上層にITOなどの導電性金属酸化物の薄膜を積層形成してなる積層構造を設ける方法を採用することが考えられるが、そうすると、上層から受ける応力や上層形成時の加熱プロセスなどにおいてヒロック(突起)等の形状異常が発生しやすくなるという問題点がある。したがって、銀合金膜を電極や配線として用いる場合に、形状異常による電気的短絡などが生じやすくなるため、電気的信頼性が低下し、製造ラインの歩留まりも低下する。
【0009】
特に、特許文献2に記載されているように銀合金膜を上下のITO膜によって封入した断面構造を形成する場合、銀合金膜の厚さにより構成されるサイド部の段差面を完全に被覆するには、銀合金膜の上層にあるITO膜をかなり厚く形成しなければならないので、この上層のITO膜において内部応力が増大するとともに、銀合金膜とITO膜との熱膨張率の差に起因して熱履歴により生ずる熱応力が生ずるため、銀合金膜への応力集中がさらに高まるという問題点がある。このような内部応力や熱応力は、銀合金膜における上述のヒロック等の形状異常の主要な原因になっているものと推定される。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、銀単体若しくは銀合金で構成される反射層を有する電気光学装置において、反射層におけるヒロック等の形状異常の発生を低減することのできる構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の電気光学装置は、シール材を介して対向してなる一対の基板と、当該一対の基板間における前記シール材の内側に配置された電気光学物質と、を有する電気光学装置において、前記シール材の内側においては、一方の前記基板上に、導電性金属酸化物で構成された下地導電層、銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層、及び、透明導電層が積層されてなる積層構造を備えた電極が表示領域に設けられると共に、前記下地導電層、前記反射性導電層、及び、前記透明導電層が積層されてなる積層構造を備えた内部配線が設けられており、前記シール材の外側においては、前記積層構造のうち前記下地導電層及び前記透明導電層のみを備えた外部配線が設けられ、前記電極の前記下地導電層及び前記外部配線の下地導電層は、100〜200nmの厚さを有し、前記電極の前記透明導電層及び前記外部配線の前記透明導電層は、5〜30nmの厚さを有し、前記内部配線においては、前記反射性導電層の外縁が前記下地導電層の外縁よりも内側に設けられ、前記透明導電層が前記反射性導電層の外縁と前記下地導電層の外縁との間にも設けられていると共に、前記反射性導電層の側面の一部のみが前記透明導電層に接していることを特徴とする。
本発明の電気光学装置において、前記反射性導電層は、150〜250nmの厚さを有することを特徴とする。
本発明の電気光学装置において、前記下地導電層及び前記透明導電層は、ITOからなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、基板上に、下地導電層、反射性導電層及び透明導電層が積層されてなる積層構造を有し、この積層構造において、反射性導電層の上層にある透明導電層が下地導電層よりも薄く形成されていることにより、透明導電層が反射性導電層に与える応力負荷を低減することが可能になり、その結果、反射性導電層にヒロック等の形状異常が生ずることを抑制できる。したがって、電気光学装置の電気的信頼性を向上させることができ、製品の歩留まりを高めることができる。一方、下地導電層の厚さを透明導電層よりも厚く形成したことにより、上述のように透明導電層を薄く形成しても、下地導電層によって電気伝導性を確保できるため、その積層構造によって構成される電極や配線の電気抵抗の増加を抑制乃至は低減できる。
【0013】
ここで、反射性導電層は銀単体若しくは銀合金で構成されるが、いずれの場合でも、高い反射率と低い電気抵抗の双方を満たすことができる。また、この場合、透明導電層よりも厚い下地導電層と低電気抵抗の反射性導電層とが積層されていることにより、電極や配線をさらに低抵抗化することができるから、より良好な電気特性を備えた電気光学装置を構成できる。さらに、反射性導電層の上に透明導電層が形成されていることにより、銀単体若しくは銀合金のマイグレーション等の発生を抑制することができるので、反射面の平滑性を維持することができるとともに、電気的信頼性をさらに向上できる。
【0014】
また、本発明の別の電気光学装置は、一対の基板間に配置された電気光学物質と、該電気光学物質に電界を印加する手段とを有する電気光学装置において、前記電気光学物質が封入された物質封入領域を有し、前記物質封入領域においては、一方の前記基板上に、導電性金属酸化物で構成された下地導電層、銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層、及び、透明導電体で構成された透明導電層が積層されてなる積層構造を備えた反射電極が構成され、前記物質封入領域の外側においては、前記反射電極に導電接続されているとともに、前記積層構造のうち前記下地導電層を備えた外部配線、或いは、前記積層構造のうち前記下地導電層及び前記透明導電層を備えた外部配線が構成され、前記透明導電層の厚さは、前記下地導電層よりも薄く形成されていることを特徴とする。
【0015】
電気光学装置の物質封入領域の内部では、下地導電層、反射性導電層及び透明導電層が積層された反射電極が構成されている一方、物質封入領域の外側では、前記積層構造のうち下地導電層を備えた、或いは、前記積層構造のうち下地導電層及び透明導電層を備えた外部配線が構成されているため、反射性導電層を被覆する透明導電層が薄くても、反射性導電層の銀単体若しくは銀合金の腐食や電蝕を防止することができる。
【0016】
なお、上記の物質封入領域の内部では、上記反射電極と同様に、下地導電層、反射性導電層及び透明導電層の積層構造によって構成された内部配線が設けられていることが望ましい。これによって物質封入領域内における配線抵抗を低減することができる。
【0017】
本発明において、前記透明導電層は5nm以上30nm以下の厚さを有することが好ましい。透明導電層の厚さが5nm以上であることにより、実用的な製造方法を用いた場合であっても、反射性導電層の表面が部分的に透明導電層によって被覆されずに露出してしまうといったことを防止することができる。また、透明導電層が30nm以下であることにより、透明導電層が反射性導電層に与える応力負荷を低減できるため、反射性導電層においてヒロック等の形状異常が生ずることを防止できる。
【0018】
次に、本発明の電気光学装置の製造方法は、シール材を介して対向してなる一対の基板と、当該一対の基板間における前記シール材の内側に配置された電気光学物質と、を有する電気光学装置の製造方法において、前記一対の基板のうち一方の前記基板上に導電性金属酸化物で構成される下地導電層を100〜200nmの厚さで形成する工程と、前記シール材の内側となるべき第1の領域内に形成された前記下地導電層上に、銀単体若しくは銀合金で構成される反射性導電層を形成し、当該反射性導電層をパターニングして前記シール材の外側に形成された前記反射性導電層を除去する工程と、前記第1の領域に形成された前記下地導電層及び前記反射性導電層上と、前記シール材の外側となるべき第2の領域に形成された前記下地導電層上と、に透明導電層を5〜30nmの厚さで形成する工程と、前記下地導電層及び前記透明導電層を一括してパターニングして、前記シール材の内側の表示領域に電極及び内部配線を形成し、前記シール材の外側に外部配線を形成する工程と、有し、前記内部配線を形成する際には、前記下地導電層の外縁を前記反射性導電層の外縁よりも外側に設けると共に、前記反射性導電層の側面の一部のみが前記透明導電層に接するように、前記反射性導電層の外縁と前記下地導電層の外縁との間にも前記透明導電層を設けることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法において、前記反射性導電層は、150〜250nmの厚さで形成されることを特徴とする。
本発明の電気光学装置の製造方法において、前記下地導電層及び前記透明導電層は、ITOからなることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、下地導電層を形成してから反射性導電層を形成することによって反射導電層の密着性を向上させることができるとともに、積層構造によって電極や配線の抵抗を低減することができる。また、反射性導電層の上に透明導電層を形成することにより、反射性導電層のマイグレーション等に起因する反射率の低下や電気的信頼性の低下を抑制することができる。さらに、透明導電層を下地導電層よりも薄く形成することによって、透明導電層が反射性導電層に与える応力負荷を低減できるため、反射性導電層においてヒロック等の形状異常が生ずることを防止できる。一方、下地導電層の厚さを透明導電層よりも厚く形成したことにより、上述のように透明導電層を薄く形成しても、下地導電層によって電気伝導性を確保できるため、その積層構造によって構成される電極や配線の電気抵抗の増加を抑制乃至は低減できる。
【0020】
次に、本発明の別の電気光学装置の製造方法は、一対の基板間に配置された電気光学物質と、該電気光学物質に電界を印加する手段とを有する電気光学装置の製造方法において、前記一対の基板のうち一方の前記基板上に導電性金属酸化物で構成される下地導電層を形成する工程と、前記下地導電層上に、前記電気光学物質が封入される物質封入領域となるべき第1の領域内に限定して選択的に銀単体若しくは銀合金で構成される反射性導電層を形成する工程と、前記第1の領域では前記反射性導電層及び前記下地導電層上に、前記物質封入領域の外側に配置されるべき第2の領域では前記下地導電層上に、それぞれ前記下地導電層よりも薄い透明導電体で構成される透明導電層を形成する工程と、前記下地導電層及び前記透明導電層を一括してパターニングする工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、物質封入領域に相当する第1の領域内では、下地導電層、反射性導電層及び透明導電層の積層構造を形成し、物質封入領域の外側に相当する第2の領域では、下地導電層及び透明導電層の積層構造を形成することができる。ここで、下地導電層と透明導電層とを一括してパターニングすることにより少ない工程数で電気光学装置を製造できる。
【0022】
本発明において、前記透明導電層を5nm以上30nm以下の厚さに形成することが好ましい。透明導電層の厚さが5nm以上であることにより、実用的な製造方法を用いた場合であっても、反射性導電層の表面が部分的に透明導電層によって被覆されずに露出してしまうといったことを防止することができる。また、透明導電層が30nm以下であることにより、透明導電層が反射性導電層に与える応力負荷を低減できるため、反射性導電層においてヒロック等の形状異常が生ずることを防止できる。
【0023】
次に、本発明の電子機器は、上記いずれかに記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。この電子機器としては、野外で使用することが多く、しかも、電源容量に制限がある携帯型電子機器に用いることが、反射型の電気光学装置、或いは、半透過反射型の電気光学装置となりうる電気光学装置を備えている点で好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
[液晶表示装置の構造]
最初に、液晶表示装置200の構造について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る電気光学装置の実施形態である液晶表示装置200の概略斜視図であり、図2は、同液晶表示装置200の断面構造を模式的に示す概略断面図であり、図3は、同液晶表示装置200の平面配置を模式的に示す平面透視図である。
【0026】
液晶表示装置200は、無アルカリガラスなどのガラスやプラスチック等で構成される基板211及びその内面上に構成された電極や配線等を含む背面側基体210と、上記基板211と同様の基板221及びその内面上に構成された電極や配線等を含む前面側基体220とをシール材230にて貼り合わせ、このシール材230の内側に電気光学物質である液晶232を封入してなる基本セル構造を有する。
【0027】
基板211上には、図1に示す表示領域A内において後述する積層構造を備えた反射電極212が形成されるとともに、この反射電極212に導電接続されるように一体に構成された内部配線218aがシール材230によって封鎖された液晶封入領域内に形成されている。反射電極212及び内部配線218aは、それぞれ帯状に構成されているとともに、複数がストライプ状に配列されている。また、基板211を含む背面側基体210には、基板221を含む前面側基体220の外形よりも外側に張り出した基板張出部210Tが設けられている。この基板張出部210Tには、内部配線218aに対して導電接続された外部配線218bが形成されている。また、基板張出部210Tには、シール材230から引き出されるように構成された外部配線218cも形成されている。
【0028】
一方、基板221上には、図1に示す表示領域AにおいてITO等の透明導電体で構成された透明電極222が形成されている。透明電極222は帯状に形成され、複数がストライプ状に配列されている。透明電極222は、表示領域Aから出て内部配線228に導電接続されている。この内部配線228は、シール材230の一部などにより構成される上下導通部230x(図3参照)を介して上記の外部配線218cに導電接続されている。
【0029】
上記基板張出部210Tには、半導体ICチップ261が実装されている。基板張出部210Tに引き出された上記の外部配線218b及び218cは半導体ICチップ261の図示しないチップ端子に導電接続されている。この半導体ICチップ261は、たとえば液晶駆動回路が内部に構成されたものである。半導体ICチップ261は、基板張出部210Tに設けられた入力端子219にも導電接続されている。この入力端子219には、図1に一点鎖線で示すフレキシブル配線基板263が実装される。
【0030】
なお、カラー表示可能な液晶表示装置を構成する場合には、図2に示すように、基板221の内面上に、着色層223と、着色層223を被覆する保護膜224とを有するカラーフィルタが形成される。着色層223は透明な有機樹脂中に顔料や染料を添加したもので構成される。また、後述する画素200P(図2参照)の間には、必要に応じて黒色樹脂等で構成される遮光層223BMが設けられる。さらに、保護膜224はアクリル樹脂等の透明素材により構成される。このカラーフィルタ上には上記透明電極222が形成される。
【0031】
背面側基体210と前面側基体220の表面には、ポリイミド樹脂等で構成される配向膜216及び226がそれぞれ形成されている。これらの配向膜216,226には、ラビング処理などの配向処理が施され、液晶232の初期配向状態を決定する配向能が付与される。また、図3に示すように、上記の反射電極212と透明電極222とは相互に平面的に直交し、両電極が平面的に重なる領域が図2に示す画素200Pとなっている。
【0032】
次に、液晶表示装置200の細部構造についてより詳細に説明する。基板211の内面上には、図4(a)に示すように、ITO等の導電性金属酸化物で構成される下地導電層212Aと、この下地導電層212A上に形成された銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層212Bと、この反射性導電層212B上に形成されたITO等の透明導電体で構成される透明導電層212Cとが積層されてなる反射電極212が形成されている。
【0033】
ここで、下地導電層212Aは、反射性導電層212Bと基板211との密着性を向上させるとともに、反射電極212の面積抵抗率を低下させるためのものである。この目的を達成するために、下地導電層212Aの厚さは、100〜200nm程度であることが好ましく、特に150nm程度であることが望ましい。
【0034】
また、反射性導電層212Bは、銀単体や各種の銀を主体とする合金によって構成できる。特に、上記のAPC合金が好ましいが、たとえば、重量%で98%程度の銀(Ag)に白金(Pt)及び銅(Cu)を添加してなる合金、同じ量の銀(Ag)に銅(Cu)及び金(Au)を添加してなる合金、同じ量の銀(Ag)にルテニウム(Ru)及び銅(Cu)を添加してなる合金などが好ましいものとして挙げることができる。この反射性導電層212Bの厚さは、合金の電気抵抗率にもよるが、150〜250nm程度であることが好ましく、特に200nm程度であることが望ましい。
【0035】
透明導電層212Cは、反射性導電層212Bの表面をすべて被覆するように形成される。なお、図示例では、下地導電層212Aが反射性導電層212Bよりもやや広い範囲に亘って形成されており、透明導電層212Cは、反射性導電層212Bによって覆われていない下地導電層212Aの表面上にも形成されている。透明導電層212Cは、一般に、或る程度の透明性を有するとともに、電気光学物質(液晶)に対する電極として用いるに充分な導電性を有するものであればよいが、通常、光透過性を有する導電性金属酸化物で構成される。特にITOであることが望ましい。
【0036】
透明導電層212Cの厚さは、5〜30nm程度の範囲内とされる。ここで、厚さが5nmを下回ると、透明導電層212Cを反射性導電層212Bの表面全体に欠損なく形成することが難しくなり、反射性導電層212Bの一部に透明導電層212Cで覆われていない露出領域が生じやすくなる。このようになると、製造プロセス中の熱履歴等によるマイグレーションが発生しやすくなり、反射性導電層212の表面が荒れて反射率が低下し、反射性導電層212Bの表面を透明導電層212Cにより保護することができなくなるために腐食や電蝕が発生しやすくなる。また、反射性導電層が露出することにより、対向する透明電極222と材質が異なることとなるため、液晶駆動時において極性に偏りが生じたり、反射性導電層の材料が液晶中に溶出したりするといった不具合がある。
【0037】
一方、厚さが30nmを上回ると、透明導電層212Cの内部応力が増大するとともに、温度履歴に起因して反射性導電層212Bが透明導電層212Cから受ける熱応力が増大し、反射性導電層の縁部に応力が集中しやすくなるので、ヒロック等の形状異常が発生しやすくなり、特に電気的信頼性を低下させる原因となる。
【0038】
また、図4(b)に示すように、シール材230の内側に配置された内部配線218aもまた、上記反射電極212とまったく同様の積層構造によって構成されている。すなわち、ITO等の導電性金属酸化物で構成された下地導電層218A、銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層218B及びITO等の透明導電体で構成された透明導電層218Cである。ここで、下地導電層218Aは、上記反射電極212の下地導電層212Aと同時に一体に形成されたものであり、下地導電層212Aと同じ材料で同じ厚さに形成されている。また、反射性導電層218Bは、上記反射電極212の反射性導電層212Bと同時に一体に形成されたものであり、反射性導電層212Bと同じ材料で同じ厚さに形成されている。さらに、透明導電層218Cは、上記反射電極212の透明導電層212Cと同時に一体に形成されたものであり、透明導電層212Cと同じ材料で同じ厚さに形成されている。
【0039】
上記の反射電極212及び内部配線218a上には、図2に示すように、透明な絶縁体、例えば、TiOやSiOなどの無機化合物、或いは、アクリル樹脂等の透明な有機樹脂で構成される保護膜215が形成される。この保護膜215は、上記反射電極212を保護するとともに、背面側基体210と前面側基体220との間に異物が混入したときに、当該異物を介して反射電極212と透明電極222との間が電気的に短絡することを防止するためのものである。
【0040】
図4(a)及び(b)に示す基板211上の反射電極22と内面配線218aは、図3に示す領域Xに亘って形成されている。すなわち、上記の下地導電層、反射性導電層及び透明導電層の3層構造は、シール材230の内側である液晶封入領域内に限定されて形成されている。換言すれば、反射性導電層212B,218Bが液晶封入領域内に限定して形成されている。
【0041】
一方、液晶封入領域の外側には、外部配線218b及び218c並びに入力端子219が形成されているが、これらは、図4(c)に示すように、上記の下地導電層218A及び透明導電層218Cのみで構成されている。すなわち、液晶封入領域の外側に配置された、これらの外部配線218b及び218cにおいては、上記の内部配線218aに設けられている反射性導電層218Bが形成されていない。通常、液晶封入領域内はシール材230によって密閉されているが、液晶封入領域の外側では、最終的に基板張出部210Tがシリコーン樹脂等によってモールドされる場合があるものの、液晶封入領域に比べて外部汚染に曝されやすい。しかし、外部配線218b及び218c並びに入力端子219には反射性導電層218Bが設けられていないため、反射性導電層218Bに腐食や電蝕が生ずることを防止できる。特に、本実施形態では、反射性導電層212B,218Bの上に形成される透明導電層212C,218Cが上述のように薄く形成されているため、上記特許文献2に開示されている積層構造に比べて積層構造自体では反射性導電層の耐食性に関して劣っている。したがって、液晶封入領域の外側にある外部配線を上記のように反射性導電層を含まない構造(すなわち図4(c)に示す構造)に構成したことは、電気光学装置全体において耐食性を高める上で特に有効である。
【0042】
[液晶表示装置の製造方法]
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法の実施形態として、上記液晶表示装置200の製造方法について説明する。最初に、図5を参照して、背面側基体210の製造工程のうち、基板211上に反射電極212、内部配線218a、外部配線218b,218c、入力端子219を形成する製造段階について説明する。なお、図5には、反射電極212の形成部分のみについて示してある。
【0043】
最初に、図5(a)に示すように、基板211の表面上に、スパッタリング法等によってITOで構成された下地導電層212A(218A)を形成する。下地導電層212A(218A)の厚さは上記のようにたとえば150nmである。下地導電層212A(218)を基板211上に被着した後には、必要に応じて適宜の温度(たとえば150〜230℃)でアニール(或いは焼成)を実施する。
【0044】
次に、図5(b)に示すように、上記の下地導電層212A(218A)の上に、銀単体若しくは銀合金をスパッタリング法や蒸着法などによって被着し、反射性導電層212B(218B)を形成する。この反射性導電層の厚さはたとえば200nmである。続いて、この反射性導電層をパターニングし、図5(c)に示すように、上述の反射電極212や内部配線218aを構成する部分を選択的に形成する。すなわち、図3に示す領域Xにおいて、反射領域212及び内部配線218aを構成する帯形状のパターンを複数ストライプ状に残し、基板211上の残りの領域では反射性導電層をすべて除去する。したがって、反射性導電層は、液晶封入領域に相当する基板211上の第1領域の内部にのみ残存することになる。
【0045】
上記の反射性導電層212B(218B)のパターニングは、たとえば、感光性レジストを用いた公知のフォトリソグラフィ法によって行うことができる。すなわち、感光性レジストを露光・現像によってパターニングすることによりマスクを構成し、このマスクを用いて反射性導電層をエッチングする。このエッチングに用いるエッチング液としては、反射性導電層に対するエッチング速度が大きく、下地導電層に対するエッチング速度の小さいもの、すなわち選択比の大きいものを用いる。このようなエッチング液としては、例えば、燐酸系混酸エッチング液が挙げられる。
【0046】
次に、上記のようにパターニングされた反射性導電層212B(218B)及び露出した下地導電層212A(218A)の上に、図5(d)に示すように、ITOで構成された透明導電層212C(218C)を形成する。この透明導電層212C(218C)は、上記の下地導電層と同様に、スパッタリング法で被着し、その後、所定温度で焼成することが好ましい。この透明導電層の厚さは、たとえば10nmである。ここで、上記反射性導電層が存在しない領域、すなわち、液晶封入領域に相当する上記第1領域の外側の第2領域においては、下地導電層212A(218A)の上に直接透明導電層212C(218C)が形成される。
【0047】
次に、下地導電層212A(218A)及び透明導電層212C(218C)をパターニングし、上述の反射電極212、内部配線218a、外部配線218b,218c、及び、入力端子219を形成する。このパターニング工程では、所定のマスクを用いて余分な部分を一括して除去する。すなわち、基板211上における反射電極212、内部配線218a、外部配線218b,218c及び入力端子219以外の部分を一括して除去する。このときのエッチング液としては、王水などの強酸を用いることができる。このように、下地導電層と透明導電層とを一括してパターニングすることにより、製造工程の工数を低減し、製造コストを低減できる。
【0048】
[積層構造の特性]
次に、上記反射電極212、内部配線218aの3層構造についてより詳細に説明する。この3層構造においては、下地導電層212A,218Aと反射性導電層212B,218Bとによって、電極又は配線として要求される面積抵抗率を実現するとともに、透明導電層212C,218Cによって反射性導電層212B,218Bの表面を覆い、銀単体若しくは銀合金のマイグレーションや機械的損傷を低減するように構成されている。
【0049】
ここで、最も上層の透明導電層212C,218Cは、図6(a)に示すように、下地導電層212A(218A)の厚さよりも薄く構成されている。これは、図6(b)のように、反射性導電層212B(218B)の上に厚い(例えば150〜200nm程度の)透明導電層212C′(218C′;図示せず)を形成してしまうと、反射性導電層212B(218B)が透明導電層212C′(218C′)から受ける、透明導電層の内部応力に起因する機械的応力や熱履歴に起因する熱応力機械的応力や熱応力(反射性導電層と透明導電層との間の熱膨張率の差によって生ずる。)が大きくなり、それによって反射性導電層の一部(たとえば縁部など)において局所的に圧力或いは歪が増大すると、ヒロックなどの形状異常が発生しやすくなるからである。この形状異常によって、隣接する反射電極212や内部配線218a同士で、或いは、液晶132を挟んで対向する透明電極222などとの間で、それぞれ電気的短絡が発生する可能性が高くなるため、この反射性導電層の形状異常により液晶表示装置200自体の電気的信頼性が低下し、歩留まりも低下してしまう。
【0050】
透明導電層212C,218Cの厚さは5〜30nmの範囲内とすることが好ましい。透明導電層212C,218Cが5nm未満であるときには、反射性導電層212B,218Bの表面全体を覆うことが困難であり、部分的に反射性導電層の表面が露出してしまう恐れがある。このように反射性導電層の表面が露出すると、マイグレーション等によって表面が荒れることにより反射率が低下してしまったり、ヒロック等の形状異常が発生したりする可能性が高くなり、液晶駆動時の極性の偏りや銀の溶出などが発生しやすくなる。
【0051】
一方、透明導電層が30nmを越えると、その厚さが増大することによって、反射性導電層212B,218Bが透明導電層212C,218Cから受ける応力が増大し、これによって反射性導電層の内部歪が局部的に増大し、ヒロック等の形状異常を引き起こす可能性が高くなる。
【0052】
たとえば、透明導電層においては、図7に示すように、厚さの増加とともに正の内部応力が増大するので、通常負の内部応力を有する反射性導電層との整合性が悪化し、反射性導電層にヒロック等の形状異常を生じさせやすくなる。図7は、透明導電層212C,218Cの厚さと、その内部応力(残留応力)との関係を示すものである。ここで、内部応力が正(図示上方)の場合は、層内に引張性の残留応力が内在している状態にあることを示し、内部応力が負(図示下方)の場合は、層内に圧縮性の残留応力が内在している状態にあることを示す。30nm以下の領域では薄くなる程引張性の内部応力が増大するが、この引張性の内部応力が増大しても、反射性導電層も通常引張性の内部応力を有するために透明導電層からの影響は生じにくく、しかも、その膜厚領域では透明導電層の膜厚が薄いために反射性導電層が受ける力自体が大きくならないため影響は少ない。透明導電層212,218の厚さが30nmを越えると、圧縮性の内部応力が増大する。透明導電層における圧縮性応力の増大は、反射性導電層の表面近傍に作用し、ヒロック等の形状異常の原因となる。
【0053】
本実施形態では、透明導電層の厚さが30nmを越えると、反射性導電層212B,218Bの形状異常の発生確率が徐々に増大し、電気的不良につながるケースも見られた。一方、透明導電層の厚さを5nm未満にすると、膜としての緻密性が不十分になり、マイグレーション等により反射率の低下や電蝕等が発生した。
【0054】
本実施形態では、上記のように反射性導電層212B,218B上には薄い透明導電層212C,218Cが形成されるだけであるので、電極や配線の電気抵抗を十分に低下させるためには、下地導電層212A,218Aと、反射性導電層212B,218Bの厚さを確保する必要がある。本実施形態の場合には、両者を合わせた厚さが少なくとも150nm程度は必要となる。
【0055】
ところが、本実施形態では、主として下地導電層218Aによって外部配線218b、218c及び入力端子219が構成されるため、下地導電層212A,218Aの厚さは、単独でも配線を構成できる程度の面積抵抗率を有するように設定する必要がある。したがって、外部配線等の電気抵抗を十分に下げるためには、下地導電層212A,218Aの膜厚は単独で120nm以上であることが好ましい。
【0056】
[電子機器]
最後に、図8及び図9を参照して、本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。この実施形態では、上記電気光学装置の液晶パネル200を電子機器の表示手段として用いる場合の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の電子機器における液晶パネル200に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294とを含む表示制御回路290を有する。
【0057】
また、上記と同様の液晶パネル200には、上記表示領域A(図1及び図3参照)を駆動する駆動回路261(上記図示例では液晶パネルに直接実装された半導体ICチップで構成される液晶駆動回路)を有する。
【0058】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0059】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路261へ供給する。駆動回路261は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0060】
図9は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話を示す。この携帯電話1000は、操作部1001と、表示部1002とを有する。操作部1001の前面には複数の操作ボタンが配列され、送話部の内部にマイクが内蔵されている。また、表示部1002の受話部の内部にはスピーカが配置されている。
【0061】
上記の表示部1002においては、ケース体の内部に回路基板1100が配置され、この回路基板1100に対して上述の液晶パネル200が実装されている。ケース体内に設置された液晶パネル200は、表示窓200Aを通して表示面を視認することができるように構成されている。
【0062】
尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態に示す電気光学装置はいずれも液晶パネルを有する液晶表示装置であるが、この液晶パネルの代わりに、無機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)装置などの各種電気光学パネルを有するものも用いることができる。また、上記の実施形態は、所謂COGタイプの構造を有してICチップを直接、少なくとも一方の基板上に実装する構造の液晶パネルに関するものであるが、COF構造と呼ばれる、液晶パネルをフレキシブル配線基板やTAB基板を接続し、これらの配線基板上にICチップなどを実装したものであっても構わない。
【0063】
また、上記実施形態は反射型の液晶表示装置を例にとり説明したが、上記反射性導電層において画素200P(図2参照)毎に開口部を設けることにより半透過反射型の液晶表示装置を構成することもできる。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層を有する電気光学装置において、反射性導電層にヒロック等の形状異常が発生する可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電気光学装置の実施形態である液晶表示装置の全体構成を示す概略斜視図である。
【図2】 同液晶表示装置の断面構造を模式的に示す概略断面図である。
【図3】 同液晶表示装置の平面構成を模式的に示す平面透視図である。
【図4】 同液晶表示装置の背面側基体における基板上の構造を示す概略部分断面図(a)、(b)及び(c)である。
【図5】 同液晶表示装置の背面側基体における基板上の構造を製造する工程を示す工程断面図(a)乃至(d)である。
【図6】 同液晶表示装置の背面側基体における基板上の構造を示す概略部分断面図(a)と、比較例の構造を示す概略部分断面図(b)である。
【図7】 透明導電層の内部応力と膜厚との関係を示すグラフである。
【図8】 液晶表示装置を備えた電子機器の表示制御系の構成を示す構成ブロック図である。
【図9】 電子機器の一例としての携帯電話の概観を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
200…液晶表示装置、210…背面側基体、211…基板、212…反射電極、212A,218A…下地導電層、212B,218B…反射性導電層、212C,218C…透明導電層、218a…内部配線、218b,218c…外部配線、219…入力端子、220…前面側基体、221…基板、222…透明電極、228…内部配線

Claims (7)

  1. シール材を介して対向してなる一対の基板と、当該一対の基板間における前記シール材の内側に配置された電気光学物質と、を有する電気光学装置において、
    前記シール材の内側においては、一方の前記基板上に、導電性金属酸化物で構成された下地導電層、銀単体若しくは銀合金で構成された反射性導電層、及び、透明導電層が積層されてなる積層構造を備えた電極が表示領域に設けられると共に、前記下地導電層、前記反射性導電層、及び、前記透明導電層が積層されてなる積層構造を備えた内部配線が設けられており、
    前記シール材の外側においては、前記積層構造のうち前記下地導電層及び前記透明導電層のみを備えた外部配線が設けられ、
    前記電極の前記下地導電層及び前記外部配線の下地導電層は、100〜200nmの厚さを有し、
    前記電極の前記透明導電層及び前記外部配線の前記透明導電層は、5〜30nmの厚さを有し、
    前記内部配線においては、前記反射性導電層の外縁が前記下地導電層の外縁よりも内側に設けられ、前記透明導電層が前記反射性導電層の外縁と前記下地導電層の外縁との間にも設けられていると共に、前記反射性導電層の側面の一部のみが前記透明導電層に接していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記反射性導電層は、150〜250nmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記下地導電層及び前記透明導電層は、ITOからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. シール材を介して対向してなる一対の基板と、当該一対の基板間における前記シール材の内側に配置された電気光学物質と、を有する電気光学装置の製造方法において、
    前記一対の基板のうち一方の前記基板上に導電性金属酸化物で構成される下地導電層を100〜200nmの厚さで形成する工程と、
    前記シール材の内側となるべき第1の領域内に形成された前記下地導電層上に、銀単体若しくは銀合金で構成される反射性導電層を形成し、当該反射性導電層をパターニングして前記シール材の外側に形成された前記反射性導電層を除去する工程と、
    前記第1の領域に形成された前記下地導電層及び前記反射性導電層上と、前記シール材の外側となるべき第2の領域に形成された前記下地導電層上と、に透明導電層を5〜30nmの厚さで形成する工程と、
    前記下地導電層及び前記透明導電層を一括してパターニングして、前記シール材の内側の表示領域に電極及び内部配線を形成し、前記シール材の外側に外部配線を形成する工程と、を有し、
    前記内部配線を形成する際には、前記下地導電層の外縁を前記反射性導電層の外縁よりも外側に設けると共に、前記反射性導電層の側面の一部のみが前記透明導電層に接するように、前記反射性導電層の外縁と前記下地導電層の外縁との間にも前記透明導電層を設けることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  5. 前記反射性導電層は、150〜250nmの厚さで形成されることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記下地導電層及び前記透明導電層は、ITOからなることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気光学装置。
  7. 請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。
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