JP3840558B2 - 同時検出同位体比質量分析計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2つ或はそれ以上の質量分散イオンビームを同時に検出できる磁気セクタ質量分析計であり、例えば水素、炭素、並びに酸素等の低原子質量の元素に関する同位体組成の決定に特に有用である磁気セクタ質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】
質量分析器による同位体組成の正確な決定は、通常、その質量分散焦点面に沿って配置された複数のコレクタを有する磁気セクタ質量分析器によって実行される。そうした分析計において、各コレクタは所与の質量対電荷比のイオンのみを受け取るべく位置決めされ、所与の期間中に受け取ったイオンの数を読み取る手段が備えられている。結果として、異なる質量対電荷比の幾つかのイオンビームの到着によって生成される信号の比は、イオン化源への試料流速とイオン源効率等のパラメータにおける変動に影響されず、よって両ビームに同等に影響して、例えば、試料における1元素の同位体組成が非常に正確に決定可能となるように両ビームに同等に影響する。磁気セクタ質量分析計に対する従来の多重コレクタ・アレイの1例は、Stacey等の「Int. J. Mass Spectrom. and Ion Phys.」1981年,第39冊,第167〜180頁に記載されている。
【0003】
ある同位体が隣接した質量対電荷比を有する他の同位体に対して小さな割合でのみ存在している場合、質量分析計のアバンダンス(存在度)感度として知られる特性が極めて重要となる。アバンダンス感度は、M±1でのより大きな信号の存在による任意の所与質量対電荷比Mでの干渉信号の分量である。もし特別な予防措置が採られなければ、そのより大きなピークは典型的には「テール(tail)」を有し、通常、ピークの低質量側で最大であり、しばしば隣接する質量まで延びて、その質量での信号の真のゼロにおける不確定性を生ずる。
【0004】
低質量テールの主要な原因は、分析計ハウジング内においての中性ガス分子との衝突によって、主要ピーク内に構成されたイオンの散乱であると考えられている。典型的には、これら衝突でエネルギー損失が生じて、それら衝突を被ったイオンは結果としてのスペクトルの質量対電荷軸上の真の位置の低質量上に現れる。
【0005】
分析計のアバンダンス感度を改善すべく種々の構成が知られている。第1として、磁気セクタ角度、ポールフェース(poleface)傾斜、曲率、並びに、入口及び出口スリットの位置及びサイズ等々の分析器のイオン光学的構成が選択され得て、高い分散を作り出して、1ユニットの質量対電荷比で異なるイオンを含む数々のビーム間における検出器での重なり又は部分的重複を最小化している。このアプローチで例としては、Wollnikの「Int. J. Mass Spectrom. and Ion Phys.」1979年,第30冊,第137〜154頁、Prosserの「Int. J. Mass Spectrom. and Ion Proc.」1993年,第125(2−3)冊,第241〜266頁、並びに、Prosser及びScrimegour「Anal. Chem.」1995年,第67冊,第1992〜1997頁が挙げられる。このアプローチは同時衝突分析計にうまく採用され得るが、質量分散を増大することは必然的にはアバンダンス感度を改善せず、それは、数々の隣接質量ピークの幅が対応して増大される一方でそれら数々の隣接質量ピークの重心が更に離間させられるからである。代替的なアプローチは、静電レンズ或は遅延電極構成を分析器の出口アパーチャと検出器自体との間に提供することである。この電極はバイアスされ得て、イオンが検出器に到達すべく乗り越えなければならない又は打ち勝たなければならない電位障壁を提供する。もし正しくセットされたならば、エネルギーを喪失し且つそれ故にピークの不要な低質量テールに含まれるイオンはその障壁を乗り越えるには不十分なエネルギーを有して、検出器に到達することが妨げられることになる。そうした装置は、Kaiser及びStevensの「Report No ANL-7393 of Argonne National Laboratory」(1997年11月出版)、Merrill,Collins,並びに,Petersonの「27th An. Confr. on Mass Spectrometry and Allied Topics」1979年,7月,シアトル,第334頁、Freeman, Daly及びPowellの「Rev. Sci. Instrum.」1967年,第38(7)冊,第945〜948頁等々によって教示されている。この方法は、典型的には、同時衝突質量分析器には適用されなかった。その理由は、電位障壁を乗り越えるような必要イオンの遅延が、任意の成分であってそれらの移動方向に直交する速度を有し得るそれら成分の相対的寄与を増幅し、数々の隣接質量ピーク間におけるより大きな重なり又は部分重複を実際に生じ得るからである。
【0006】
遅延電極の設置に対する改善は、磁気セクタ分析器及びイオン検出器間にエネルギー分析装置を使用することである。White, Rourke及びSheffield著の「Appld. Spectroscopy」1958年(2)第46〜52頁での3段質量分析計は、静電エネルギー分析器が追従される2つの磁気セクタ分析器を備え、改善されたアバンダンス感度を提供することが意図されている。しかしながら、最終的な静電分析器による質量対電荷焦点面の範囲に課せられた制限がこの箇所でのマルチ・コレクタ検出器の使用を排除した。代わりに、「低質量」イオンビームが、それが第2磁気セクタを離れると共に補助電子マルチ・プライヤ内に偏向され、高質量イオンビームだけがエネルギー分析器に入った。こうして、ウラニウムの同位体分析のその意図された目的に対して使用された際、238Uイオンビームはエネルギー分析器内へ入り、235Uビームが第2磁石の後に阻止される。与えられた例において、238Uビームは235Uビームよりも140倍以上の強度であったので、エネルギー分析器の存在は235Uコレクタを打つ喪失エネルギーを有する238Uイオンを防止することがなく、それはそのコレクタがエネルギー分析器の上流に配置しているからである。それ故にこの先行技術が教示することは、エネルギー・フィルタが最大のアバンダント(abundant)・イオンビームを濾過すべく使用されるべきであるが、著者が明確にしているように、同時収集モードで使用された際に、アバンダンス感度に関する改善は、静電分析器からではなく、2つの磁気セクタ分析器の存在から引き出されることである。より小さいアバンダント・ビームに対して使用されるコレクタ通過に続いての最大強度のイオンビームのエネルギー濾過は、そのコレクタでの信号に対して喪失エネルギーを有する最大アバンダント・ビームにおけるイオンからの干渉に対して何等影響し得ないことは明らかである。
【0007】
90°の球状セクタ・エネルギー分析器を有する同位体比マルチ・コレクタ分析計は、Zhangが「Nucl. Instrum. and Methods in Phys. Research」1987年,第B26冊,第377〜380頁で説明されている。この器具ではエネルギー・フィルタが、他のイオンビーム用のコレクタがエネルギー分析器の入口スリット前に配置されて、それらコレクタがより低い質量のイオンビームのみを遮断するようにしている一方で、最高質量のイオンビームだけ(即ち、与えられた例での238U)を濾過すべく配列されている点で、White, Rourke及びSheffieldによって説明されたものと同様である。結果として、より早期の器具におけるように、同時収集モードで使用されたならば、この器具はより小さいアバンダント235U,236U,237Uビームに対する干渉を低減できない。与えられた例が提案することは、アバンダンス感度における改善を獲得するために、器具は従来通りの単一コレクタ・モードで使用されて磁場が走査(スキャン)されることである。
【0008】
米国特許第5,220,167号及び国際出願第WO97/15944号は、検出器での異なる質量対電荷比のビーム間の分離を増大するために、同位体比質量分析計における磁気セクタ質量分析器と、コレクタ・アレイとの間に配置された静電レンズの使用を教示している。そうした構成は上述したようにアバンダンス感度を改善しない。
【0009】
英国特許出願第2230896号は、遅延レンズ及び四重極質量フィルタの配置を教示し、同時収集質量分析計内においてイオンビームの内の1つを受け取って、そのビームからの散乱による喪失エネルギーを有する異なる質量対電荷比のイオンを削除する。米国特許第5,545,894号は水素同位体比質量分析計を説明しており、そこでは、同重干渉が、水素、重水素、トリチウム(三重水素)、ヘリウムのイオンをそれらイオンが通過しなければならない薄い箔を含む検出装置内へ通すことによって低減されている。H、D、並びに、Tの原子イオンが負イオンとしてその箔を出て、その箔の下流側に配置された静電エネルギー分析器を走査させることによって分離可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、先行する同一のサイズ及びコストのものよりも、より高いアバンダンス感度を有する同時収集同位体比質量分析計を提供することである。他の目的は、ヘリウムガスが存在する状態で水素同位体比の決定に適合できるそうした質量分析計を提供することである。本発明の更なる他の目的は、そうした同時収集質量分析計を用いて同位体組成を決定する方法を提供することであり、またその他の目的はヘリウムガスが存在する状態で水素の同位体組成を決定する改善された方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これら目的に従って、提供された同位体比用多重コレクタ型の質量分析計であって、
a)試料から初期運動エネルギーを有するイオンを生成するイオン化源と、
b)前記イオンをそれらの運動量に従って、相互に異なる質量対電荷比の複数のイオンをそれぞれが実質的に含む複数のイオンビームに分散して、それらビームの各々を焦点面における相互に異なる位置に焦点が合うように為す磁気セクタ分析器であり、使用に際して、前記複数のビームが、少なくとも、第1イオンビームと、該第1イオンビームよりも高強度の第2イオンビームとを含むことから成る磁気セクタ分析器と、
c)前記第1イオンビーム内に含まれる第1質量対電荷比のイオンを受け取るべく、前記焦点面内に配置された第1イオン検出手段と、
d)前記第1イオンビーム以外の、前記複数のイオンビームの内のその他のイオンビーム内に含まれる第2質量対電荷比のイオンを受け取るべく、前記焦点面内に配置された第2イオン検出手段と、
e)前記第1イオン検出手段及び前記第2イオン検出手段によって生成された信号から、前記第1質量対電荷比を有するイオンの数の、前記第2質量対電荷比を有するイオンの数に対する比を決定する手段と、を備え、
前記第1イオン検出手段が、前記初期運動エネルギーを実質的に有するイオンのみを収集電極へ前進させ、それによって当該第1イオン検出手段から前記信号を生成することを可能とするイオン-エネルギー・フィルタを含むことを特徴とする質量分析計である。
【0012】
好適実施例において、分析計はヘリウムガスが存在する状態での水素同位体比の決定に適合されている。この実施例において、第1イオンビームは少数派の同位体HD+(質量対電荷比3)を含み得るものであり、第2のより高強度のイオンビームは、決定されるべきではないがイオン源での発生が避けることができないHe+(質量対電荷比4)を含む。好ましくはビーム・ストップが第2イオンビームの経路内に設けられて、He+イオンを放電する。第2イオン検出手段が質量対電荷比2の多数派同位体H2 +を受け取るべく配置される。本発明に従えば、エネルギー・フィルタが質量対電荷比3のイオンを受け取るべく配置された第1イオン検出手段に設けられて、イオン源で形成された際の初期運動エネルギーを近似的に有するイオンだけがコレクタ電極に到達して信号を生成することになる。この構成によって、イオン源から焦点面までの移行中に中性ガス分子との衝突を介しての喪失エネルギーを有するHe+イオン(質量対電荷比4)から、即ち質量対電荷比4の位置での焦点面を通過するよりか、質量対電荷比3の第1イオン検出手段に入り得るそうしたイオンから、さもなければ生ずることになる質量対電荷比3の信号に対する干渉を大きく削除し、質量対電荷比3の分析計におけるアバンダンス感度が収集電極に到達するそれらイオンを防止することによって改善される。
【0013】
他の好適実施例において、本発明の分析計は、固体或は液体の試料から、水素、HD、並びに、ジュウテリウム(重水素)のガス状試料を生成できるインレット・システム、例えば欧州特許第EP0419167 B1号に教示された構成等を更に備える。そうした連続流導入システムは大量のヘリウムガスをイオン源に導入することは避けられず、従来の質量分析計で決定されるHD/H2同位体比の精度はHD+検出器による散乱He+の検出によって損なわれる可能性がある。しかしながら、本発明に従った分析計の改善されたアバンダンス感度は、質量対電荷比3の非常に小さな信号に対する散乱He+からのHD+によっての干渉を低減することになり、HD+/H2 +比決定の精度を改善する。
【0014】
他の好適実施例での分析計は、他の少数派の同位体ビームを受け取るべく配置された追加のイオン検出手段を備えることができ、それらの内の少なくとも幾つかは第1イオン検出手段で利用されたものと同様のエネルギー・フィルタを備えることができる。典型的には、第2イオン検出手段は多数派の同位体ビームを受け取り、エネルギー・フィルタを必要としないが、その設置を排除するものではない。この実施例は、もしその分析計がイオン源に導入された二酸化炭素のガス状試料からの酸素或は炭素の同位体をモニタするに適合されていれば特に有用である。この目的が意図された従来のマルチ・コレクタ質量分析計において、質量対電荷比44の多数派同位体ビーム(CO2 +)からの散乱イオンは、質量対電荷比45及び46の少数派ビームの精度を低減できる。本発明に従った分析計は、この問題を克服するために、質量対電荷比45のイオンを受け取る第1検出手段、質量対電荷比46のイオンを受け取るべく第1検出手段に使用されたものと同様なエネルギー・フィルタを有する他のイオン検出手段、並びに、第2ビーム、即ち質量対電荷比44の多数派同位体を受け取る第2イオン検出手段(エネルギー・フィルタ無し)を配列することによって適合させることができる。明らかに、そうした実施例においてはビーム・ストップが第2イオンビームの経路内に設けられない。
【0015】
理解して頂けるように、本発明に従った分析計は広範囲の異なる基本的種又は元素種の同位体組成を決定するために、先行技術での分析計における少数派同位体強度測定の精度を低減することになる隣接質量の強力なイオンビームが存在している状態で、少数派同位体ビームを受け取るべくエネルギー・フィルタが具備されたイオン検出手段を用いることによって適合させることができる。本発明は、より強力なビームが実際に決定されようが否かにかかわらず、そのより強力なビームに隣接する少数派の同位体ビームに関しての分析計のアバンダンス感度を改善する。
【0016】
本発明は質量分散焦点面の範囲や、それ故の、上述した先行技術に係る分析計のエネルギー・フィルタによって課せられる同時にモニタされ得るイオンビームの数に対する制限を克服しており、それは各フィルタには1つの特定質量対電荷比のイオンのみを透過することが要求されているからである。
【0017】
好ましくは、第1検出器に含まれるエネルギー・フィルタは小さな円筒形状セクタ分析器を備え、それが正しい初期イオン・エネルギーを有するイオンの焦点を、同位体比マルチ-コレクタ質量分析計に従来より用いられていたタイプのファラディー・バケットを含むコレクタ電極に合わせるように為す。しかしながら他のタイプのエネルギー・フィルタも利用され得る。
【0018】
他の局面から見ると、本発明は多重コレクタ質量分析計を用いて同位体組成を決定する方法を提供しており、
a)試料から初期運動エネルギーを有するイオンを生成する段階と、
b)前記イオンをそれらの運動量に従って、相互に異なる質量対電荷比の複数のイオンをそれぞれが実質的に含む複数のイオンビームに磁気セクタ分析器によって分散する段階であり、それらビームの各々を焦点面における相互に異なる位置に焦点が合うように為し、使用に際して、前記複数のビームが、少なくとも、第1イオンビームと、該第1イオンビームよりも高強度の第2イオンビームとを含むことから成るように為す段階と、
c)前記初期運動エネルギーと前記第1イオンビーム内に含まれる第1質量対電荷比とを有する該第1イオンビーム内に含まれるイオンを前記焦点面内に配置された第1イオン検出手段で受け取る段階と、
d)前記初期運動エネルギーと(前記第1イオンビーム以外の)前記複数のイオンビームの内のその他のイオンビーム内に含まれる第2質量対電荷比とを有する、(前記第1イオンビーム以外の)前記複数のイオンビームの内のその他のイオンビーム内に含まれるイオンを、前記焦点面内に配置された第2イオン検出手段で受け取る段階と、
e)前記第1イオン検出手段及び前記第2イオン検出手段によって生成された信号から、前記第1質量対電荷比を有するイオンの数の、前記第2質量対電荷比を有するイオンの数に対する比を決定する段階と、の諸段階を含み、
前記初期運動エネルギーを有するイオンのみを収集電極へ前進させて、前記第1イオン検出手段から前記信号を生成することを可能とするために、前記イオンが前記第1イオン検出手段に入った後にそれらイオンをエネルギー濾過する追加段階を特徴とする方法である。
【0019】
より好ましい方法は上述された方法であり、水素同位体比がヘリウムガス存在状態で決定されている。この好ましい方法において、第1イオンビームはHD+を含み、第2イオンビームはHe+を含み、第2イオン検出手段は多数派の同位体成分H2 +を受け取るべく配置されている。第2イオンビームは、好ましくは、その経路内に配置されたビーム・ストップによって妨害又は遮断される。更に好ましい方法において、例えば欧州特許第0419167 B1号で教示されている方法によって、ガス状水素及びHDの連続流が試料からヘリウム搬送ガスの流れの中に生成される。
【0020】
更に好ましい方法において、1つ或はそれ以上の追加のイオン検出手段が提供され得て、そうした追加の検出手段の少なくとも幾つかに入ったイオンはエネルギー濾過されて、初期イオン・エネルギーを近似的に有するイオンのみがコレクタ電極に到達して、それらから信号を生成する。この方法は、二酸化炭素ガスの試料から、炭素或は酸素同位体比を決定するのに特に適用可能である。そうした決定において、第1及び第3のイオン検出手段にはエネルギー・フィルタが具備され、45及び46の質量対電荷比を有するイオンを検出すべく使用され、第2ビームは44の質量対電荷比の多数派同位体のイオンを含む。エネルギー・フィルタ無しの第2イオン検出手段が使用されて、第2イオンビームを測定しており、明らかに第2イオンビームはビーム・ストップで遮断されない。
【0021】
更なる好ましい方法において、第1イオン検出手段に入ったイオンは、それらイオンを円筒形状セクタ静電エネルギー分析器に通過させることによってエネルギー濾過しており、その分析器は初期エネルギーを近似的に有するイオンの焦点を、同位体比多重コレクタ質量分析計に従来より利用されているタイプのファラディー・バケットを含むコレクタ電極に合わせている。
【0022】
以下、本発明の好適実施例を、例示のみの目的で、図面を参照してより詳細に説明する。
【0023】
【発明を実施する形態】
先ず図1で参照されるように、符号1で全体的に示される同位体比マルチ・コレクタ質量分析計は、真空ハウジング(不図示)と、サンプル(試料)から正のイオンを生成するイオン源3とを備える。過度のヘリウム搬送ガス内の水素同位体を含むガス試料はインレット・パイプ4を通じてイオン源3へ導入される。磁気セクタ分析器5は、イオン源3及び分析器入口スリット7間に維持されている電位で決定される初期エネルギーを有したイオンを含むイオン源3によって生成されたイオンビーム6を受け取る。電源2はイオン源3及び入口スリット7間に電位差(典型的には約4キロボルト)を維持する。磁気セクタ分析器5はイオンをそれらの質量対電荷比に従ってビーム6に分散し、それぞれが質量対電荷比2、3並びに4を有するイオンを含んだ複数のビーム8、9、並びに10を作り出す。これらはビームは分析器5の焦点面14における異なる位置(11、12、並びに、13)に該分析器5によって焦点が合わされる。
【0024】
質量対電荷比3のイオン(HD+)を含む第1イオンビーム9は焦点面14上の位置12に焦点が合わされ、検出器入口スリット15、エネルギー・フィルタ16、並びに、収集電極17を備える第1イオン検出手段に入る。エネルギー・フィルタ16は、従来の円筒状セクタ分析器の場合のように、電源18によって、検出器入口スリット15の電位に対してそれぞれ正及び負に維持された一対の円筒状電極19及び43を備える。フィルタ16の半径及びセクタ(扇形)角度と、電極19及び43に印加された電位とは、検出器入口スリット15を通過して収集電極17に入るような正しい初期イオン・エネルギーを有するイオンを偏向すべく選択される。収集電極17は、好ましくは、例えば欧州特許出願第0762472 A1号で教示されたようなマルチプル・コレクタ質量分析計で従来より採用されているタイプの従来型ファラディー・バケット・コレクタを備える。フィルタ16は、検出器入口スリット15のイオン画像が、その焦点合わせ作用の結果として、収集電極17上に作り出されるようにも配列されている。
【0025】
収集電極17を打つイオンは、増幅器20の入力抵抗を流れる電流を発生して、第1イオン検出手段から信号を生成する。
【0026】
エネルギー・フィルタ16は、検出器入口スリット15を通過したとしても、(中性ガス分子との衝突の結果としての)形成のために喪失エネルギーを有するイオンが収集電極17に到達することを防止する。これらイオンのエネルギー・フィルタ16を通る弾道又はトラジェクトリはより小さな半径を有することで、イオンはフィルタの内部電極を打つか、或は、収集電極17を打つことがないように出るかの何れかである。典型的にはこれらイオンは多数存在する散乱されたHe+イオンであり、それらの低エネルギーのために、正規エネルギーのイオンよりもこの磁気セクタ分析器5内でより小さな半径の弾道に沿って偏向させられ、検出器スリット15を通過しない第2ビーム10内に閉じ込められる代わりに、検出器入口スリット15を通過する。結果として、同様サイズの従来の質量分析計と比較して、HD+を表す小さな信号に対する散乱ヘリウムからの干渉は著しく低減される(即ち、アバンダンス感度は改善される)。
【0027】
説明したように、この実施例においてHe+イオン(質量対電荷比4)は磁気セクタ分析器5から出て第2ビーム10内に入って、ビーム・ストップ21によって遮断される。質量対電荷比2でのH2 +イオンは、磁気セクタ分析器5から出てビーム8内に入って、焦点面14の位置11に配置された第2イオン検出手段22で受け取られる。このビームはHD+ビーム9よりも不変的に極度に高強度であり且つHe+ビーム10からより大きな距離で分離されているので、エネルギー・フィルタを設ける必要性はなく、検出器22は従来のファラディー・バケット・コレクタのみを備える。増幅器23は検出器22によって生成された信号を増幅する。
【0028】
適切な入力装置を具備するディジタル・コンピュータ24は、(HD+及びH2 +イオンのイオン強度をそれぞれ表す)2つの増幅器20及び23からの信号を受信して、それらの比を決定し、それによって試料ガス内のH及びDの比の正確な測定を提供する。従来の同位体比分析計におけるように、基準試料がイオン源内にシステムを較正すると共に高精度の決定を為すべく試料と交互に導入され得る。
【0029】
図3は、HD+ピークに関しての分析計のアバンダンス感度を改善している本発明の効果を示している。図3において、縦軸は第1イオン検出手段(図1における15,16,17)によって生成された信号を表し、横軸は分析器5の磁場強さである。このスペクトルは、質量対電荷比3のイオンのビームが検出器入口スリット15にわたって走査されるように磁場強さを走査することによって獲得された。ピーク25はHD+イオンを表し、非常に大きなピーク26はイオン源内に導入された典型的な試料に対する質量対電荷比4でのHe+ピークの一部である。He+ピークのサイズにもかかわらず、完全な基線分離がピーク間に存在することは明らかである。
【0030】
次に図2を参照すると、二酸化炭素の同位体組成の決定に適合する本発明に係る分析計27が示されている。3つのイオン検出手段が設けられて、質量対電荷比44の多数派の同位体と質量対電荷比45及び46の2つの少数派の同位体とを同時にモニタする。磁気セクタ分析器5は、図示の如くに、焦点面14内における地点31,32,33に焦点が合った3つのビーム28,29,30を発生する。これらビーム28,29,30は質量対電荷比44,45,46にそれぞれ対応したイオンを含む。最大強度ビーム28(第2ビーム)は従来のファラディー・バケットを含む第2イオン検出手段34内で受け取られるが、第1イオン検出手段は少数派のビーム29を受け取ると共に、地点33に位置決めされた入口スリット、エネルギー・フィルタ35、並びに、収集電極36を備える。他の少数派の同位体ビーム30は、地点33に位置決めされた検出器入口スリット、エネルギー分析器35における第2分析チャネル、並びに、他の収集電極37を備える第3イオン検出手段内で受け取られる。図1での実施例のように、収集電極36及び37は従来のファラディー・バケット・コレクタを含むものであって良い。
【0031】
エネルギー・フィルタ35は、2つの外側電極38,39及び内側電極40を備え、これら電極は、2つのビーム29及び30がそれぞれ貫通して移動する2つの別個の円筒形状環状チャネルを提供すべく形作られている。図1の実施例のように、セクタ角度、半径、画像、並びに、分析器の各パーツの対象距離が、それら各々を通過するビームが適切な収集電極に焦点が合うように選択されている。事実上、主要ビーム28からの不要な散乱イオンに関連されたエネルギー損失は典型的には非常に大きいので著しく正確な焦点合わせ為す必要がなく、それらを拒絶するためにエネルギー濾過は極めて先鋭的である必要性がない。結果として、外側電極35及び39は構造の簡略化のために同一半径であってよい。
【0032】
これら3つのコレクタ34,36,37からの信号はそれぞれ対応する別個となった増幅器41,42,43に供給され、ディジタル・コンピュータ24は、従来質量分析計の如くに、質量対電荷比44,45,46に対する3つの信号から適切な同位体比を計算すべくプログラムされている。
【0033】
少数派の同位体ビームのエネルギー濾過の設備で、それら検出器からの信号に対する、衝突を介しての喪失エネルギーを有する質量対電荷比44の主要ビームにおけるイオンによっての干渉を実質的に削除すると共に、本分析計のアバンダンス感度を著しく改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヘリウムが存在する状態での水素同位体比の決定に適合する本発明に係る質量分析計の概略図である。
【図2】図2は、二酸化炭素が存在する状態での同同位体組成の決定に適合する本発明に係る質量分析計の概略図である。
【図3】図3は、図1の装置によって得られる走査された質量スペクトルの一部であり、該装置のアバンダンス感度を示す。
【符号の説明】
1 質量分析計
3 イオン源
4 インレット・パイプ
5 磁気セクタ分析器
6 イオンビーム
7 分析器入口スリット
8,9,10,28,29,30 分散イオンビーム
14 焦点面
15 検出器入口スリット
16,35 エネルギー・フィルタ
17,36,37 収集電極
19,43 円筒形状電極
21 ビーム・ストップ
22,34 第2イオン検出手段
38,39 外側電極
40 内側電極
Claims (8)
- 同位体比用多重コレクタ型の質量分析計であって、
試料から初期運動エネルギーを有するイオン(6)を生成するイオン化源(3)と、
前記イオン(6)をそれらの運動量に従って、相互に異なる質量対電荷比の複数のイオンをそれぞれが実質的に含む複数のイオンビーム(28,29,30)に分散して、それらビームの各々を焦点面(14)における相互に異なる位置(31,32,33)に焦点が合うように為す磁気セクタ分析器(5)であり、使用に際して、前記複数のイオンビーム(28,29,30)が、少なくとも、第1イオンビーム(29)と、該第1イオンビーム(29)よりも高強度の第2イオンビーム(28)と、第3イオンビーム(30)とを含むことから成る磁気セクタ分析器と、
第1質量対電荷比を有する前記第1イオンビーム(29)内のイオンを受け取るべく配置された第1イオン検出手段(25,35,36)と、
第2質量対電荷比を有する前記第2イオンビーム(28)内のイオンを受け取るべく配置された第2イオン検出手段(34)と、
第3質量対電荷比を有する前記第3イオンビーム内のイオンを受け取るべく配置された第3イオン検出手段(26,35,37)と、
前記第1イオン検出手段(25,35,36)、前記第2イオン検出手段(34)、並びに、前記第3イオン検出手段(26,35,37)によって生成された信号から、前記第1質量対電荷比を有するイオン、前記第2質量対電荷比を有するイオン、並びに、前記第3質量対電荷比を有するイオンの同位対比を決定する手段(41,42,43,24)と、を備え、
前記第1イオン検出手段(25,35,36)及び第3イオン検出手段(26,35,37)が前記初期運動エネルギーを実質的に有するイオンのみを収集電極(36,37)へ向けて前進させるイオン-エネルギー・フィルタ(35)を含み、それによって前記第1イオン検出手段(25,35,36)及び前記第3イオン検出手段(26,35,37)から前記信号を生成することを特徴とする質量分析計。 - 前記第1イオン検出手段(25,35,36)が前記初期運動エネルギー及び45の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置されており、前記第3イオン検出手段(26,35,37)が前記初期運動エネルギー及び46の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置されており、第2イオン検出手段(34)が44の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置されていることから成る、請求項1に記載の質量分析計。
- 前記イオン-エネルギー・フィルタ(35)が、前記初期運動エネルギーを有するイオンを前記収集電極(36,37)に焦点が合うように為す円筒形状セクタ分析器を含む、請求項1或は2の何れか一項に記載の質量分析計。
- 前記収集電極(36,37)がファラディー・バケット・コレクタ電極である、請求項1乃至3の内の何れか一項に記載の質量分析計。
- 多重コレクタ型質量分析計を用いて同位体組成を決定する方法であって、
試料から初期運動エネルギーを有するイオン(6)を生成する段階と、
前記イオン(6)を磁気セクタ分析器(5)によってそれらの運動量に従って分散する段階であり、それによって、相互に異なる質量対電荷比の複数のイオンをそれぞれが実質的に含む複数のイオンビーム(28,29,30)を作り出し、それらビームの各々を焦点面(14)における相互に異なる位置(31,32,33)に焦点が合うように為し、使用に際して、前記複数のイオンビーム(28,29,30)が、少なくとも、第1イオンビーム(29)と、該第1イオンビーム(29)よりも高強度の第2イオンビーム(28)と、第3イオンビーム(30)とを含んでいることから成る段階と
前記第1イオンビーム(29)内の第1質量対電荷比を有するイオンを第1イオン検出手段(25,35,36)内で受け取る段階と、
前記第2イオンビーム(28)内の第2質量対電荷比を有するイオンを第2イオン検出手段(34)内で受け取る段階と、
前記第3イオンビーム(30)内の第3質量対電荷比を有するイオンを第3イオン検出手段(26,35,37)内で受け取る段階と、
前記第1イオン検出手段(25,35,36)、第2イオン検出手段(34)、並びに、第3イオン検出手段(26,35,37)によって生成される信号から前記第1質量対電荷比、前記第2質量対電荷比、並びに、前記第3質量対電荷比を有するイオンの同位体比を決定する段階と、の諸段階を含み、
前記イオンが前記第1イオン検出手段(25,35,36)及び前記第3イオン検出手段(26,35,37)に入った後にそれらイオンをエネルギー濾過して、前記初期運動エネルギーを実質的に有するイオンのみを収集電極(36,37)に到着させ、前記第1イオン検出手段(25,35,36)及び前記第3イオン検出手段(26,35,37)から前記信号を生成させる段階を更に含むことから成る方法。 - 前記第1イオン検出手段(25,35,36)が前記初期運動エネルギー及び45の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置され、前記第3イオン検出手段(26,35,37)が前記初期運動エネルギー及び46の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置され、前記第2イオン検出手段(34)が44の質量対電荷比を有するイオンを受け取るべく配置されていることから成る請求項5に記載の方法。
- 前記エネルギー濾過が、前記初期運動エネルギーを有するイオンを収集電極(36,37)に焦点が合うように為す円筒形状セクタ分析器(35)によって実行される、請求項5或は6の何れか一項に記載の方法。
- 前記収集電極(36,37)がファラディー・バケット・コレクタ電極である、請求項5、6、或は、7の何れか一項に記載の方法。
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