JP3838656B2 - ポリペプチドのボンベシン拮抗物質 - Google Patents

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Description

本発明は、N.C.I.(NIH)によって認められた、政府の支持の元で作成されたものである。アメリカ合衆国政府は、本出願に特定の権利を有している。
本発明の分野
本発明は、ヒトにおける癌性の腫瘍の生育に影響を及ぼす新規なペプチドに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、C末端の位置にTac、MTac、またはDMTac残基を有するψ8-9プソイドペプチドであるボンベシン拮抗物質、その塩、および薬剤組成物、これらのペプチドの合成方法および上記ペプチドに関する使用方法に関するものである。これらのペプチドは、ボンベシンまたはボンベシン様ペプチドに対する拮抗特性を有する。
本発明の背景
本発明は、ボンベシン若しくはボンベシン様ペプチド(ガストリン放出ペプチド(GRP)、ニューロメジンC等の)に対する拮抗特性(以降、ボンベシン拮抗特性と称する)を有するポリペプチド化合物に関するものであり、これらは、例えば、ヒト等の温血動物における悪性の病気の治療において有用である。本発明は、新規なポリペプチド化合物およびそれらの製造方法;上記ポリペプチド化合物を含む新規な薬剤組成物およびヒト等の温血動物においてボンベシン拮抗効果を得るのに使用するための上記化合物を含む薬剤の製造方法を含むものである。
ボンベシンは、カエル、ボンビナ ボンビナ(Bombina bombina)の皮膚から初めて単離されたテトラデカペプチドアミドである(アナスタシ(Anastasi)、エルスパマー(Erspamer)およびブッチ(Bucci)、エックスペリエンティア(Experientia)、1971年、27巻、ページ166)。ボンベシンはマウスのスイス 3T3(mouse Swiss 3T3)繊維芽細胞の強力なミトゲンであり(ローゼンガルト(Rozengurt)およびシンネット−スミス(Sinnett-Smith)、プロシ ナショル アカデ サイ アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、1983年、80巻、ページ2936)、モルモットの膵臓の腺房からのアミラーゼの分泌を刺激する(ジェンセン(Jensen)、ジョーンズ(Jones)、フォルカーズ(Folkers)およびガードナー(Gardner)、ネイチャー(Nature)、1984年、309巻、ページ61)ことが知られている。また、ボンベシン様ペプチドはヒトの肺小細胞癌(SCLC)細胞によって製造および分泌され(ムーディ(Moody)、パート(Pert)、ガズダー(Gazdar)、カーネイ(Carney)およびミンナ(Minna)、サイエンス(Science)、1981年、214巻、ページ1246)、外因的に加えられたボンベシン様ペプチドはイン ビトロ(in vitro)でヒトのSCLC細胞の生育を刺激でき(カーネイ(Carney)、カッティタ(Cuttita)、ムーディ(Moody)およびミンナ(Minna)、カンサー リサーチ(Cancer Research)、1987年、47巻、ページ821)、さらにボンベシンおよびGRPのC末端領域に特異的なモノクローナル抗体は受容体へのGRPの結合を遮断し、イン ビトロ(in vitro)およびイン ビボ(in vivo)の両方でヒトのSCLC細胞の生育を阻害できる(カッティタ(Cuttita)、カーネイ(Carney)、マルシャイン(Mulshine)、ムーディ(Moody)、フェドルコ(Fedorko)、フィシュラー(Fischler)およびミンナ(Minna)、ネイチャー(Nature)、1985年、316巻、ページ823)ことも知られている。
ボンベシン様特性を有するGRPは、ブタの腸から単離された27アミノ酸を有するく市販されているペプチドアミドであり(マクドナルド(McDonald)、ジョーンヴァル(Jornvall)、ニルソン(Nilsson)、ヴァーン(Vagne)、ガテイ(Ghatei)、ブルーム(Bloom)およびマット(Mutt)、バイオケム バイオフィズ レス コミュニ(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、1979年、90巻、ページ227)、上記ペプチドアミドにおけるC末端のアミノ酸配列はボンベシンのものとほぼ一致している。ニューロメジンCは、デカペプチドアミドであり、その構造はGRPのC末端領域における最後の10アミノ酸が一致しており、イヌの小腸から単離された(リーブ(Reeve)、ワルシュ(Walch)、チュー(Chew)、クラーク(Clark)、ホウク(Hawke)およびシヴェリー(Shively)、ジェー バイオル ケム(J. Biol. Chem.)、1983年、258巻、ページ5582)。GRPは、体循環におけるガストリンの放出等の、様々な生物学的反応を刺激する。また、GRPは、3T3マウスの繊維芽細胞および肺小細胞癌(SCLC)細胞の生長因子としても機能する。このため、GRPは、オートクラインの生長メカニズムを経由したSCLCの発達において直接的な病態生理学的な役割を果たしていると考えられてきた。
ボンベシン、ニューロメジンCおよびGRPのC末端ノナペプチドの構造は以下に示す通りである:
ボンベシン pGlu-Gln-Arg-Leu-Gly-Asn-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-Met-NH2
ニューロメジンC H-Gly-Asn-His-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-Met-NH2
GRPのC末端ノナペプチド Asn-His-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-Met-NH2
他の両生類のボンベシン様ペプチドに関する調査によって、リトリン(Litorin)、即ちパプア、ニューギニアのカエルの皮膚内のノナペプチド(pGlu-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-Met-NH2)が単離され、このペプチドは非常に強力なボンベシン類似体であることが分かっている(ヤスカラ(Yasukara)ら、ケム ファーム バル(Chem. Pharm. Bull.)、1979年、27巻、ページ492)。ボンベシン類似体に関する研究によって、ボンベシンの6から14番目の位置の9アミノ酸残基の最小断片がボンベシン活性の全スペクトルを有することが分かった。
様々な種類のボンベシン拮抗物質が現在知られている。ボンベシンとわずかなアミノ酸配列の相同性を有する物質P(Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-Phe-Gly-Leu-Met-NH2)はボンベシンおよびボンベシン類ペプチドの結合を阻害しないが、(D-Arg1、D-Pro2、D-Trp7,9、Leu11)物質Pおよび(D-Arg1、D-Phe5、D-Trp7,9、Leu11)物質P等のいくつかのL−アミノ酸をD−アミノ酸で置換することによって修飾された物質Pの類似体(ムーディ(Moody)ら、フェド プロシーディングス(Fed. Proceedings)、1987年、46巻、ページ2201)は、膵臓の腺房細胞内のボンベシンの分泌を遮断し、スイス 3T3(Swiss 3T3)細胞におけるボンベシンの成長促進効果に拮抗するが分かった。例えば、(D-Phe6、D-Phe12)のボンベシン、および[Leu13-psi-Leu14]のボンベシン等の、ボンベシン由来の2タイプのボンベシン拮抗物質(コイ(Coy)ら、ジェー バイオル ケム(J. Biol. Chem.)、1988年、263巻、ページ5056およびペプチズ(Peptides)、1989年、10巻、ページ587)は、イン ビトロ(in vitro)およびイン ビボ(in vivo)においてボンベシン反応の強力な阻害剤であることが知られている。
ハイムブルック(Heimbrook)ら(バイオ ケム(Bio. Chem.)、1989年、264巻、ページ11258)によって明らかにされた他のタイプのボンベシン拮抗物質は、C末端のメチオニン残基がGRP(20−27)類似体から欠損した、N−アセチル−GRP(20−26)およびその類似体である。コイ(Coy)[ジェー バイオル ケム(J. Biol. Chem.)、264巻、1989年、25、ページ14691]は、[D-Phe6、Leu13-psi-Phe14]ボンベシン−(6−14)および[D-Phe6、Leu13-psi-Leu14]ボンベシン−(6−14)等のリトリン(Litorin)配列を基礎とした短鎖のボンベシン拮抗物質によっては上記に相当する親ペプチド(parent peptide)[Leu13-psi-Leu14]ボンベシンよりかなり強い力を示すことを報告した。
GRPの直鎖の(環状でない)ボンベシン類似体および必要であればCH2−NHの非ペプチド結合を有する両生類のボンベシンは、PCT特許出願WO 90/03980号に(および関連した類似体WO 91/02746号)に記載されている。これらの類似体は、天然のボンベシンペプチドの阻害剤としての作用に関していえば、以下の式を有する:
Figure 0003838656
ただし、R1及びR2はHであり;A0は欠損てもよく;各位置の多くの可能なアミノ酸のうち、A1はD-Phe、D-Trp、またはD-Nalであり;A2はGlnであり;A4はAlaであり;A5はValであり;A6はGlyであり;A7はHisであり;およびWは以下の式で表わされる:
Figure 0003838656
ただし、R4はCH2−NHであり;場合によっては、Z1はLeuと同じ側鎖、つまり−CH2CH(CH32であり;Z2はCys若しくはMetと同一の側鎖、つまり−CH2−SH若しくは−(CH22−SH−CH3であり;VはN(R6)R7[但し、R6、R7及びR8はHであり;R1及びR2はH若しくはCOE1(但し、E1はC1-20アルキルである)である]である。
また、ボンベシンの直鎖のペプチド類似体は、EP 0 309 297号にも記載されている。これらのペプチドはC末端のMet残基およびC末端とその付近の残基との間に[CH2−NH]プソイドペプチド結合を有する。
本発明の要約
本発明は、強力なボンベシン拮抗物質である新規なポリペプチド;これらのポリペプチドの合成方法;および上記ポリペプチドからなる薬剤組成物による及び上記ポリペプチドの或いは薬剤活性物質としての組成物の医療への適用を提供するものである。
A.合成ペプチド
さらに詳しくは、第一の実施態様は、以下の式Iの強力なボンベシン拮抗物質であるプソイドペプチド(pseudopeptide)を提供するものである:
X-A1-A2-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-A9-Q I
ただし、Xは、水素、
2がGluである際にはA2の3−プロピオニル部分上のγ−カルボキシル部分にA1のα−アミノ基が結合した単結合、または
式R1CO−の基であり、
但し、R1は、以下よりなる郡から選ばれたものであり;
a) 水素、C1-10アルキル、フェニル、フェニル−C1-10−アルキル、p−Hl−フェニル、p−Hl−フェニル−C1-10−アルキル、ナフチル、ナフチル−C1-10−アルキル、インドリル、インドリル−C1-10−アルキル、ピリジル、ピリジル−C1-10−アルキル、チエニル、チエニル−C1-10−アルキル、シクロヘキシルまたはシクロヘキシル−C1-10アルキル等であり(但し、HlはF、Cl、Br、OH、CH3若しくはOCH3である);
b)
Figure 0003838656
但し、R2は、水素、C1-10アルキル、フェニルまたはフェニル−C1-10−アルキルであり、
3は、水素若しくはC1-10アルキルであり;
c) R4−O
但し、R4は、C1-10アルキル、フェニルまたはフェニル−C1-10−アルキルであり;
1は、Phe、p-Hl-Phe、pGlu、Nal、Pal、Tpi、置換されないTrp若しくはベンゼン環内でF、Cl、Br、NH2及びC1-3アルキルからなる群より選ばれた1つまたはそれ以上の基で置換されたTrpからなる群から選ばれたD-、L-若しくはDL-アミノ酸残基;またはA2のα−アミノ部分にR1CO−のアシル部分が結合したペプチド結合であり;
2は、Gln、Glu[-]、Glu(Y)またはHisであり、
但し、[-]は、Xが単結合でありA2がGluである際にはA2の3−プロピオニル部分上のγ−カルボキシル部分とA1のα−アミノ部分とが結合した単結合であり、
Yは、以下のいずれかであり、
a) −OR5(但し、R5は、水素、C1-3アルキル若しくはフェニルであり);または、
b)
Figure 0003838656
であり、
但し、R6は、水素若しくはC1-3アルキルであり;
7は、水素、C1-3アルキル若しくは−NHCONH2であり、さらに、
Leu−psi−は、A9残基付近のα−アミノ部分との−CH2−部分の結合がプソイドペプチド結合であるようにLeuのC=O部分が−CH2−に置換されたLeuの還元型であり;
9は、Tac、MTac、若しくはDMTacであり;
さらに、
Qは、NH2若しくは−OQ1(但し、Q1は、水素、C1-10アルキル、フェニル若しくはフェニル−C1-10−アルキルであり)である;
および製薬上使用できるこれらの酸または塩。
1が単結合である際には、式Iのプソイドペプチドはオクタペプチドであるが、A1がアミノ酸若しくはこの類似体である際には、このプソイドペプチドはノナペプチドである。
9は、Tac、MTac、若しくはDMTacであるので、A9には5員の複素環が存在する。この環は、通常、式Iのノナペプチドの合成において所定の位置のA9残基の側鎖を、好ましくはホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドで酸化し、側鎖をA9のα−アミノ基で環化することによって形成される。このようにして得られた環化されたA9残基の性質は、元の酸化されていないA9および使用される酸化剤の性質によって変化する。
したがって、Cys9の−CH2−SH基がホルムアルデヒドとの反応におけるLeu-psi−プソイドペプチド結合付近のCys9のα−アミノ基で環化する際には、得られた環は以下の式IIAの構造を有する(式Iのノナペプチドの-Leu8psi-Tac9-NH2断片として示される);
Figure 0003838656
これらのプソイドペプチドは、A9がCysまたはPenである非環状の実施態様より大きな生物学的活性及びより長期間の安定性を有する。しかしながら、A9が環状でない際の式Iのペプチドの好ましい実施態様としては、X、A2、及びQが上記と同様であり、A9がCysまたはPenであり、さらにA1がL-若しくはD-Pal、L-若しくはD-TpiまたはHcaからなる群より選ばれた非天然に生成するアミノ酸である。
好ましい実施態態としては、XはR1CO(但し、R1は水素若しくはC1-10アルキルであり、好ましくはメチルである);A1はD-Cpa、D-Nal、D-Phe、D-或いはL-Tpi、またはD-Trpであり;A2はClnであり;A9はTac若しくはDMTacであり;およびQはNH2である。
しかしながら、他の好ましい実施形態では、A1はA2のα−アミノ基にR1CO−のアシル部分が結合したペプチド結合であり;A2はGlnまたはHisであり;A9はTac、M-Tac若しくはDM-Tacであり;およびQはNH2である。これらのペプチドの好ましい形態としては、XはHca、Hna、Paa、Mpp、Hpp若しくはNaaであり;A2はGlnであり、A9はTacである。
B.合成方法
式Iのボンベシン拮抗物質は固相合成(solid phase syn thesis)によって合成される。第一のプロトコルとしては、すべてのアミノ酸を、C末端残基を樹脂の支持相に連結した後、順次それぞれ結合していく。全アミノアシル残基を樹脂に連結した直後、プソイドペプチドの5員の複素環を、C末端残基の側鎖を酸化剤と反応させることによって形成する。次に、プソイドペプチドをHF処理し、樹脂の支持相からペプチド部分を外す。この反応によって、側鎖の保護基も除去される。
第二のプロトコルとしては、式Iのプソイドペプチドを固相および液相によって構築される2断片として合成する。C末端を含むトリペプチドをオリゴペプチドと連結し、式Iの全ボンベシン拮抗物質を形成する。
5員の複素環を、A9の側鎖を酸化剤と反応させることによって形成する。次に、このペプチドをHF処理することによって、すべてのアミノアシル残基の側鎖の保護基を除去し、樹脂からペプチドを切断する。
C.医療への使用
式Iのプソイドペプチドは薬剤組成物中に使用し、製薬用の担体に含まれる有効量のプソイドペプチド若しくはこの治療学的に使用できる酸或いは塩を投与することによって、ある種の哺乳動物の癌および他の症状を治療することができる。これらの化合物は、1日に1kgの体重当たり約1〜1,000μgの投与量で治療学的に使用できる担体と共に投与される。このような組成物は、非経口的に、静脈内に、皮下に、筋肉内に、鼻腔内に、肺用のエアロゾルによって若しくは貯蔵形態(depot form)で投与することができる。
図の説明
図1は、表2、実施例7のデータに基づいた、特定のボンベシン拮抗物質を投与することによるMXTマウス乳癌に関する効果を示すグラフである。
図2は、表4、実施例8のデータに基づいた、特定のボンベシン拮抗物質を投与することによるヌードマウスにおけるSCLC腫瘍の容積に関する効果を示すグラフである。
図3は、表5、実施例9のデータに基づいた、特定のボンベシン拮抗物質を投与することによるヌードマウスにおけるMIA PACA−2の膵臓の腫瘍の容積に関する効果を示すグラフである。
図4は、表6、実施例10のデータに基づいた、特定のボンベシン拮抗物質を投与することによるヌードマウスにおけるCAPAN−2の膵臓の腫瘍の容積に関する効果を示すグラフである。
好ましい実施態様の説明
A.合成ペプチド
1.命名法
本発明を説明する上で便宜上、アミノ酸、ペプチドおよびこれらの誘導体の従来の略称を、ペプチド分野において通常用いられているようにおよびアイユーピーエーシー−アイーユービー コミッション オン バイオケミカル ノーメンクラチャー(IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature)[ヨーロッピアン ジェー バイオケム(European J. Biochem.)、1984年、138巻、ページ9〜37]によって推奨されているように用いる。
個々のアミノ酸残基の略称は、アミノ酸の普通名称をもとにしており、例えば、Alaはアラニン、Cysはシステイン、Glnはグルタミン、Gluはグルタミン酸、pGluはピログルタミン酸、Glyはグリシン、Hisはヒスチジン、Leuはロイシン、Pheはフェニルアラニン、Trpはトリプトファン、及びValはバリンである。Gluはγ−カルボキシル側鎖に連結する官能基を有する:[-]またはYは上記したのと同様である。Dpaは、2,3−ジアミノプロピオン酸(2,3-diaminopropionic acid)である。アミノ酸残基が異性体を有する際には、アミノ酸の記号の前にD−若しくはDL−による記載のない限りL−体のアミノ酸を表している。
本発明において用いられる通常使用されないアミノ酸の略称は以下の通りである:
Cpaは、パラ−クロロフェニルアラニンである。
Dpaは、2,3−ジアミノプロピオン酸(2,3-diaminopropionic acid)である。
pGluは、ピログルタミン酸である。
Nalは、3−(2−ナフチル)−アラニン(3-(2-naphthyl)-alanine)である。
Palは、3−(3−ピリジル)−アラニン(3-(3-pyridyl)-alanine)である。
Penは、ペニシラミンである。
Tpiは、2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−ピリド−[3,4−b]インドール−3−カルボン酸(2,3,4,9-tetrahydro-1H-pyrido-[3,4-b]indole-3-carboxylic acid)である。
Tacは、チアゾリジン−4−カルボン酸(thiazolidine-4-carboxylic acid)である。
MTacは、2−メチル−チアゾリジン−4−カルボン酸(2-Methyl-thiazolidine-4-carboxylic acid)でである。
DMTacは、5,5−ジメチル−チアゾリジン−4−カルボン酸(5,5-Dimethyl-thiazolidine-4-carboxylic acid)である。
アミノ酸類似体としては以下のものが挙げられる:
Hcaは、ヒドロ桂皮酸(hydrocinnamic acid)またはデス−アミノ−フェニルアラニン(des-amino-phenylalanine)である。
Hnaは、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(3-hydroxy-2-naphthoic acid)である。
Hppは、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(3-(4-hydroxyphenyl)propionic acid)である。
Mppは、3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸(3-(4-methoxyphenyl)propionic acid)である。
Naaは、ナフチル酢酸である。
Paaは、フェニル酢酸である。
使用する他の省略事項は、以下の通りである:
Figure 0003838656
Figure 0003838656
Figure 0003838656
ペプチド配列は従来法に従って記載され、N末端のアミノ酸が左側でC末端のアミノ酸が右側にくる。しかしながら、完全なボンベシン拮抗物質のテトラデカペプチドにおける相当する位置による断片的なペプチドのアミノ酸残基の番号付けは特記されない限り従来法に基づかないことに注意する。従来法に従うと、本明細書に記載された式Iのノナペプチドの残基は6〜14番目であり、ボンベシン拮抗物質のTrp-Ala-Val-Gly-His-Leuの核はA8−A9−A10−A11−A12−A13と番号付けられる。混乱を防ぐために、ボンベシン拮抗物質は以下のように番号付けられる:N末端アミノ酸(またはアミノ酸類似体)残基はA1である;C末端アミノ酸(またはアミノ酸類似体)残基はA9である;および間の残基はA2(N末端残基A1の付近)から順次A8(C末端残基A9の付近)に番号が増加するように番号が付けられる。
2.好ましい実施態様
好ましい実施態様は、以下の式Iのボンベシン拮抗物質ペプチドである。
X-A1-A2-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-A9-Q I
ただし、X、A1、A2、Leu-psi、A9及びQは上記と同様である。
これらのボンベシン拮抗物質プソイドペプチドは、アミノ酸配列、特にA1、A2及びA9の残基に特徴を有する;さらにA8とA9との間のプソイドペプチド結合の存在にも特徴を有する;さらに必要であれば、A9における5員の複素環をも特徴とするものである。この環状構造は、A9残基の特性およびこれを酸化するのに使用する化合物によって決定される。したがって、ホルムアルデヒドを用い、A9がCysである場合には、得られる環は、以下の式IIAのTac構造[式Iのペプチドの-Leu8-psi-Tac9-Q断片(但し、QはNH2である)として示される]を有する:
Figure 0003838656
Cysがアセトアルデヒドで酸化される場合には、得られた5員の複素環は、以下の式IIBのMTac構造[式Iのペプチドの-Leu8-psi-MTac9-Q断片(但し、QはNH2である)として示される]を有する:
Figure 0003838656
9がPenでありホルムアルデヒドで酸化される場合には、得られる環は、以下の式IIC[式Iのペプチドの-Leu8-psi-DMTac9-Q断片(但し、QはMH2である)として示される]のDMTac構造を有する:
Figure 0003838656
これらの好ましい実施態様において、XはHまたはAcであり、A1はD-Pheであり、A2はGlnであり、QはNH2であることが望ましい。
本発明において特に最も好ましいプソイドペプチドのボンベシン拮抗物質を以下に示す。
Figure 0003838656
Figure 0003838656
本発明において特に好ましい実施態様としては以下が挙げられる:
Figure 0003838656
B.合成方法
1.概説
式Iのプソイドペプチドは、ペプチド分野における当業者に公知の技術によって調製できる。よく利用される技術の要旨は、エム ボダンスキー(M.Bodanszky)、プリンシプルズ オブ ペプチド シンテシス(Principles of Peptide Synthesis)、スプリンガー−フェルラグ(Springer-Verlag)、ハイデルベルグ(Heidelberg)、1984年に記載されている。
すべての式Iのプソイドペプチドは固相合成法によって合成できる。特に好ましいこれらのペプチド及びこれらの中間ペプチドの調製方法は固相合成である。固相合成の技術は、ほとんど、ジェー エム スチュワート(J.M.Stewart)およびジェー ディー ヤング(J.D.Young)、ソリッド フェイズ ペプチド シンテシス(Solid Phase Peptide Synthesis)、ピアス ケム コーポレーション(Pierce Chem Co.)、ロックフォード、アイエル(IL)、1984年(2版)の本およびジー バラニー(G.Barany)ら、イント ジェー ペプチド プロテイン レス(Int.J.Peptide Protein Res.)、第30巻、ページ705〜739,1987年の雑誌に掲載されている。(C末端のA9残基を酸化し、残基の特徴的な側鎖をそのα−アミノ基で環化するさらなる段階は式Iのペプチドの合成の様々な段階で行われる。)
少なくとも2つの合成プロトコルによって、式Iのプソイドペプチドのボンベシン拮抗物質が製造できる。第一のプロトコルでは、すべてのアミノ酸を、C末端残基、A9を樹脂の支持相に連結した後、順次それぞれ結合していく。第二のプロトコルでは、トリペプチドを樹脂上に構築する。さらに、このトリペプチドを残りのアミノ酸を有するオリゴペプチドに連結することによって、ボンベシン拮抗物質を形成する。これらプロトコルは2つとも、合成がC末端のA9残基で始まり、アミノ酸残基を順次付加することによってN末端残基に向かって成長させる。
1.(a)第一のプロトコル
プソイドペプチドの固相合成で用いられる樹脂支持相は、ベンズヒドリルアミン(benzhydrylamine)(BHA)樹脂またはジビニルベンゼンで1%架橋されたクロロメチル化ポリスチレン樹脂であり、これらは両方とも市販されている。C末端のA9残基をカルボキシル基を介して上記樹脂に結合させる。これら2つの残基間の反応は、樹脂に連結する前に各A9残基のα−アミノ基に化学保護基(chemical protecting group)を結合させることによって阻害される。A9残基、および順次連結されるアミノ酸残基のα−アミノ基に対する保護基は、9−フルオロエニルメチルオキシカルボニル(9-fluorenylmethyloxycarbonyl)(Fmoc)またはt−ブトキシカルボニル(tert-butoxycarbonyl)(Boc)基のいずれかである。Fmocは、Bocを除去する反応によってC末端のA9の残基から側鎖の保護基をも除去するため、C末端のA9からA2の残基に連結する(coupling)際に、好ましい。これらの連結反応の間、アミノ酸残基によっては特徴的な側鎖の官能基を、連結反応の前に化学保護基(A9に対しては好ましくはBut)を結合させることによって、望ましくない化学反応が起こらないように保護してもよい。
C末端のFmoc−A9(But)残基を支持相に結合させた後、そのα−アミノ基を脱保護し、Fmoc−Leu−CHOを連結し、プソイドペプチド結合を形成する。
残りの残基、A5、A4、A3及びA2はFmocによって保護されるのが好ましく、A1はBocによって保護されるのが好ましいが、これらを逆の番号順(A7、A6等)で順番に付加し、目的とするプソイドペプチドを構築する。
HisまたはGluがプソイドペプチド中に存在する際には、これらの側鎖は、これらの連結反応中または他の残基の連結反応中に望ましくない化学反応を受けやすい。したがって、連結反応でこれらのアミノ酸を連結する前に、化学保護基をこのような側鎖に結合させてもよい。
すべてのアミノ酸残基をBHA樹脂に連結させた後、N末端のプソイドペプチドのBocを除去する。Tac、MTac若しくはDMTacの5員の複素環を、Cysの暴露した−CH2−SH部分(またはPenの−C(CH32SH)およびA8及びA9残基(即ち、A9のα−アミノ)を結合させる還元された結合の第2級アミンとホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の酸化剤との反応によって形成する。中間プソイドペプチドは、側鎖の保護基を有したままだが、HF処理を行うことによって、樹脂の支持相から切断し、さらに側鎖の保護基をも除去する。
2.(b)第二のプロトコル
第二のプロトコルにおいては、固相合成経路を経た後、トリペプチドをBHA樹脂上に構築し、保護されたトリペプチド樹脂を形成する:
Boc-His(Bom)7-Leu8-psi-Cys(But)9-BHA樹脂
Boc1基及びBut基を除去し、Cysの−CH2−SH部分をA8及びA9残基を結合する還元された結合の第2級アミンで環化し、His(Bom)7-Leu8-psi-Tac9-BHA樹脂を得る。HF処理後、遊離したトリペプチドHis7-Leu8-psi-Tac9-NH2を得る。Boc-A1-A2-Trp-Ala-Val-Gly-OCH2-樹脂を、固相合成の標準方法にしたがってGly-OCH2-樹脂上に順次構築し、さらに、1% KCNを含有する95%メタノール中で12時間処理し、Boc−オリゴペプチドを切断する。2断片を構築した後、Boc−オリゴペプチドを、BOP試薬を用いて遊離したHis7-Leu8-psi-Tac9-NH2のトリペプチドに連結する。次に、Boc基を除去し、目的とするペプチドを得る。
式Iのボンベシン拮抗物質の合成を詳細に記載する前に、上記プロトコルの1つ若しくは両方に共通する様々な合成操作を以下に記載する。
2.ポリペプチド合成に関する一般的な操作
操作1:特定の合成残基または反応体の形成
a)L−およびD−Tpi
2.04g(10mM)のL−Tpiを2.1gのクエン酸を含む25mlの沸騰した水に溶解する。0.5mlの40%ホルムアルデヒド水溶液を加えると、固体が即座に形成し始める。この混合物を氷浴中で冷却し、沈殿物を収集し、冷却水及び空気で洗浄し、さらに室温で乾燥させると、2.14g若しくは99%の固体[融点(分解)[m.p.(decomposition)]は約310℃]が得られる。D−体はD−Trpから同様にして形成され、約310℃の融点(分解)を有する。
b)L−およびD−Boc−Tpi
10.8g(50mM)のD−Tpiを懸濁した250mlの0.2N NaOH及び7.5ml トリエチルアミンの攪拌された懸濁液に、10gのジ−t−ブチルジカルボネート(Di-tert-butyl dicarbonate)を添加し、この混合物を4時間攪拌した後、10gのジカルボネート(dicarbonate)をさらに加え、さらに3時間攪拌した後10gをさらにまた加えた。この混合物を一晩攪拌し、エーテルで抽出(2×100ml)し、エーテルは捨てる。クエン酸を水層にpHが3〜5になるまで添加した。固体を収集し、水で洗浄し、一晩風乾した。
固体を100mlのテトラヒドロフラン中に懸濁する。ほとんどすべての固体が溶解する。不溶物を濾過によって除き、THFを真空下で除去する。残渣をエーテルで粉砕することによって9.20g若しくは58%の物質が得られる。この物質は出発材料と同じ融点を有するが、溶解度及び85:15:0.5のCHCl3:MeOH:HOAcを用いたシリカによるTLCが異なる。
2.55gのL−Tpiを使用する以外同様の方法を用いるによって、2.22g若しくは59%のBoc−Tpiが得られる。
c)Fmoc−Leu−CHO
窒素雰囲気下で乾燥トルエン(250ml)中に溶解したFmoc−ロイシン メチルエステル(Fmoc-Leucine methyl ester)(35g、134ミリモル)を、乾燥氷/アセトンで冷却し、150mlの25% 水酸化ジイソブチルアルミニウム(di-isobutyl-aluminium hydride)のトルエン溶液を30分かけて加える。水酸化ジイソブチルアルミニウムを添加し終わった後、この混合物を乾燥氷/アセトン浴中で20分間攪拌し、さらに、メタノール(15ml)を注意深く加える。この混合物を1000mlの氷冷水中に注ぎ、振盪、瀘過する。トルエンを分離し、水相をエーテルで再抽出する(3×300ml)。トルエン及びエーテル抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥する。このようにして得られた油状物を、1500ml 15%EtOAc/ガソリン中で素早くシリカゲルカラム(3×50cm)に通す。Fmoc−Leu−CHOが固体として得られる(27.6g)。
d)合成アミノ酸またはアミノ酸類似体
ボンベシン拮抗物質プソイドペプチド中に導入される合成アミノ酸またはアミノ酸類似体は、通常市販されているものである。したがって、Hcaは、ダブルアイ 53233,ミルウォーキー,セント ポール アヴェニュー 1001(1001 St. Paul Avenue, Milwaukee, WI 53233)のアルドリッヒ コーポレーション(Aldrich Co.)より市販されているものである。Boc−若しくはFmoc−保護アミノ酸は、ケーワイ 40228,ルイスヴィレ,ファーン ヴァレー ロード 5609(5609 Fern Valley Road, Louisville, KY 40228)のアドバンスド ケムテック(Advanced ChemTech);またはシーエー 90505,トーランス,カシワ ストリート 3132(3132 Kashiwa Street, Torrance, CA 90505)のバケム カルフォルニア(Bachem California)より市販されているものである。
操作2:樹脂の調製およびA9残基の付加
BHA樹脂を、10% TEAのCH2Cl2溶液で各々3分間ずつ2回処理(中和)することによって調製し、CH2Cl2で6回洗浄する。1.35ミリモルのFmoc−A9(But)及び1.50ミリモルの1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(1-hydroxybenzotriazole)(HOBt)のDMF溶液を加え、3分間混合することによって、Fmoc−A9(But)残基を樹脂に結合させる。20% 1,3−ジイソプロピル−カルボジイミド(1,3-diisopropyl-carbodiimide)(DIC)のCH2Cl2溶液(1.3ミリモル)を加える。この混合物を室温で60分間振盪する。このようにして得られたFmoc−A9(But)−BHA樹脂を、CH2Cl2及びメタノールでそれぞれ2回、さらにCH2Cl2で3回洗浄した後、カイザーテスト(Kaiser test)(アナル バイオケム(Anal. Biochem.)、34巻、ページ595(1970年))を行った。不完全な連結が行われた場合には、この工程を繰り返す。
操作3:プソイドペプチド結合の形成
50% ピペリジンのDMF溶液を添加し、30分間混合し;DMFで洗浄(6×1分)し;次に、i)1% AcOHを含むDMFに溶解したFmoc−Leu−CHO(3当量)を加え;さらに、iiDMFに溶解したNaBH3CN(3.5当量)を加え60分間振盪することによって、Fmoc基のA9からの脱保護を行う。この後、50% MeOH(3×1分);100% MeOH(3×1分);およびDMF(3×1分)で洗浄する。
操作4:アミノ酸の連結およびペプチド結合の形成
9残基のα−アミノ基、および各々順次連結されるアミノ酸残基に対する保護基は、9−フルオルエニルメチルオキシカルボニル(9-fluorenylmethyloxycarbonyl)(Fmoc)またはt−ブトキシカルボニル(tert-butoxycarbonyl)(Boc)基のいずれかである。Fmocは、Bocを除去する反応によってA9の側鎖の保護基をも除去するため、A9からN末端のアミノ酸残基付近のアミノ酸残基に向かって連結する(coupling)際に、好ましい。
A)Fmoc−アミノ酸を用いる
Fmocアミノ酸をFmoc−中間ペプチドに導入するために、以下の工程を行う。
(1)Fmoc−中間ペプチドを脱保護および中和した後、CH2Cl2(3×1分)およびDMF(3×1分)で洗浄する。
(2)Fmoc−アミノ酸を脱保護された中間ペプチドに以下のようにして連結する:
i)DMFに溶解したFmocアミノ酸(3当量)及びHOBt(3.3当量)を中間ペプチドに添加(3分)する;ii3当量のDIC(20%のCH2Cl2溶液になるように)を添加し、混合物を90分間振盪する。
(3)次に、混合物をエタノール(3×1分)およびDMF(3×1分)で洗浄する。
さらに残基を連結するために、新たに連結されたFmoc−アミノ酸を、50% ピペリジンのDMF溶液によって30分間脱保護し、DMFで洗浄する(6×1分)。ステップ(2)に記載したのと同様にしてさらに連結を行う。
新たなアミノ酸を樹脂またはペプチドに連結するたびに、カイザーテストを行う;連結が不完全である場合には、反応を繰り返す。
Fmoc−Gly及びFmoc−Glnを連結するために、上記操作のステップ(2)を以下のように修飾する:3当量のDIC(20%のCH2Cl2溶液になるように)を、Fmocアミノ酸(3.0当量)及びHOBt(3.3当量)の混合DMF溶液に0℃で15分間及び室温で15分間かけて添加する。反応混合物をペプチド樹脂に添加し、Fmoc−Glyの場合には1時間振盪し、Fmoc−Glnの場合には2時間振盪する。
B)Boc−アミノ酸を用いる
Boc−アミノ酸をFmoc−中間ペプチドに導入するために、以下の工程を行う。
(1)Boc基を、50% TFAのCH2Cl2溶液を添加することによって除去する;
(2)5% メルカプトエタノール及び5% アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液を25分間かけて加える;および
(3)CH2Cl2(2回、1分)、MeOH(2回、1分)、およびDMF(3回、1分)で洗浄する。
(4)DMFに溶解した3当量のBoc−アミノ酸及び3.3当量のHOBtを添加し、3分間混合することによって、Boc−アミノ酸残基の連結を行う。次に、3当量の20% ジイソプロピル−カルボジイミドのCH2Cl2溶液を加え、90分間振盪する。この反応混合物を、MeOHで洗浄(3回、1分)した後、さらにCH2Cl2で洗浄する(3回、1分)。
(5)5% メルカプトエタノール(5分)及び5% アニソール(25分)を含む50% TFAのCH2Cl2溶液でステップ(5)の生成物を洗浄することによって、Boc基を除去(脱保護)する。さらに、CH2Cl2(2回、1分)、MeOH(2回、1分)、およびDMF(3回、1分)で洗浄する。
Boc基が除去されることによってA9の側鎖に連結されたBut保護基も除去されることに留意しなければならない。したがって、Boc基の除去は、A9残基の環化直前まで、一般的に行われない。
操作5:5員の複素環の形成
式IIAの環構造は、脱保護されたCys9を有する中間ペプチドを50% AcOH、3.7% HCHO及びDMFの混合物(1:1:8)中で室温で3分間振盪することによって形成され、これを瀘過する。この生成物を、DMF、MeOH及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄する。
式IIBの環構造は、脱保護されたCys9を有する中間ペプチドを50% AcOH、10% CH3CHO及びDMFの混合物(1.5:0.5:8)中で室温で10分間振盪することによって形成され、これを瀘過する。この生成物を、DMF、MeOH及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄する。
式IICの環構造は、脱保護されたPen9を有する中間ペプチドを50% AcOH、3.7% HCHO及びDMFの混合物(1:1:8)中で室温で10分間振盪することによって形成され、これを瀘過する。この生成物を、DMF、MeOH及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄する。
操作6:樹脂からのペプチドの分離
すべての目的とするアミノ酸残基を付加した後、中間ペプチド樹脂を、アニソールの存在下で液状HFで処理し、ポリペプチドを支持相から切断する。この反応によって、側鎖の保護基も同様に除去される。BHA樹脂を用いる際には、得られた中間ペプチドはQがNH2である。
XがH以外のときには、X基は、すでにX基を有するアミノ酸(例えば、Ac−D−Phe)を導入することによって;または中間プソイドペプチドのN末端のA1における脱保護されたα−アミノ基を適当な試薬と反応させることによって、N末端に位置させる。このようにして、樹脂支持相から除去された完全なペプチドは、KOCNと反応させて、XをNH2CO−とすることが好ましい。
操作7:ペプチドの精製
式Iのプソイドペプチドは、通常、アップル マッキントッシュ プラス コンピューター(Apple Macintosh Plus computer)によって制御されている3機のライニン ラッビット エッチピー HPLCポンプ(Rainin Rabbit HP HPLC pump)、レオダイン インジェクター(Rheodyne injector)及びナウアー モデル 87 可変波長UVモニター(Knauer Model 87 variable wavelength UV monitor)から構成されるライニン HPLC システム(Rainin HPLC System)(ライニン インク コーポレーション(Rainin Inc. Co.)製、ウォバーン(Woburn)、エムエー(MA))で行われる逆相カラムによる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製される。未精製のペプチド(10〜40mg)を、球状のC18シリカゲル(ポアサイズ:300オングストローム;粒子サイズ:12μm)(ライニン インク コーポレーション(Rainin Inc. Co.)製)が充填されたダイナマックス マクロ(Dynamax Macro)カラム(21.2×250mm)にのせ、2.0ml/分の流速で(A)0.1% TFAおよび(B)0.1% TFAを含む70% アセトニトリル水溶液からなる溶媒システムを用いて直線的な濃度勾配をつけて溶出する。すべての分画について、以下に記載の分析用HPLC(Analytical HPLC)によって精製度および保持時間(retention time)を調べた。
未精製および精製ペプチドの品質および溶出特性は、220及び280nmにセットされたダイオード捕獲検出器(diode array detector)および逆相4.6×250mmダブル−ポレックス(W-porex)C18カラム(ポアサイズ:300オングストローム、粒子サイズ:5μm)を備えたヒューレット−パッカード(Hewlett-Packard)モデル 1090液体クロマトグラフィーによる分析用HPLC(Analytical HPLC)によって行った。上記の溶媒システム(A)及び(B)の流速を1.2ml/分に維持し、室温で分離を行った。
ほとんどの場合、濃度勾配の条件のわずかに変えたのみで同様のカラムによる再クロマトグラフィーによって、プソイドペプチドのボンベシン拮抗物質をさらに精製した。精製されたペプチドの等質性は、分析用HPLCにおいて97%以上精製されていることが分かった。
必要であれば、式Iのプソイドペプチドのアミノ酸分析を、0.2% 3−(2−アミノエチル)−インドール(3-(2-aminoethyl)-indole)を含む4Mメタン−硫酸(methanesulfonic acid)を用いて真空密閉されたチューブ中で110℃、20時間、加水分解されたサンプルについて、ベックマン(Beckman)6300アミノ酸分析器で行ってもよい。
C.合成中間体
1.側鎖の保護基
固相合成において、様々なアミノ酸部分またはペプチド断片の反応性を有する側鎖の官能基を保護することは共通する事柄である。これらの側鎖の官能基は、望ましくない化学反応が側鎖で起こることを防止するために保護される。したがって、適当な残基に連結される側鎖の保護基を有するペプチド鎖において目的とする配列中に位置するそれぞれのアミノアシル残基を含む中間ペプチドを生産することは共通する。
ペプチドの合成に使用される特定の側鎖の保護基を選択する際には、以下のような規則に通常従う:(a)保護基は連結条件下で自身の保護特性を維持することが好ましい、(b)保護基は、連結試薬に対して安定でなければならず、各合成段階におけるα−アミノ保護基を除去するために選択された連結反応条件下で安定であることが好ましい、および(c)側鎖の保護基は、ペプチド鎖が望ましくないように変化しないような反応条件下で、目的とするアミノ酸配列の合成が終了した時点で除去可能でなければならない。
側鎖の保護基は、既知の方法によってアミノ酸残基に結合する。Hisに対する側鎖の保護基としてはBomが好ましく挙げられ;GluおよびCysに対する側鎖の保護基としてはButが好ましく挙げられる。
2.合成中間体
以下の合成段階における中間ペプチドも本発明の概念に含まれると解する。3段階におけるペプチド番号2のペプチド(以降、ペプチド2と称する)の中間ペプチドを以下に詳細に説明する:
段階A:すべてのアミノ酸及び樹脂の連結後:
Boc-D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂(“1/02/A”);
段階B:N末端のBoc−基の除去後:
D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys-BHA樹脂(“1/02/B”);
段階C:A9の環化後:
D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Tac-BHA樹脂(“1/02/C”)。
以下の実施例2におけるペプチド番号17の合成においてはさらに一段階、つまり段階Dが付加される。段階Dの中間体は、樹脂から除去されるが、A2にA1を連結する単結合Xは持たない。
医療への使用
ボンベシン拮抗物質は、悪性貧血、慢性の萎縮性胃炎、ゾーリンガー−エリソン症候群(Zollinger-Ellison Syndrome)、及び白斑等の、胃腸のクロマフィン様細胞(gastric enterochromaffin-like cell)の広範な過形成に関連した、ハイパーガストリノーマ(hypergastrinemia)、および発達の危険性の高いものでは、多病巣性の胃のカルチノイドの症状を治療するのに有用である。さらに、腸のクロマフィン様細胞(enterochromaffin-like cell)の過形成は、ハイパーガストリノーマ(hypergastrinemia)を患う動物において容易に生じる。
このような治療は、シメチジン等のH2−拮抗薬はハイパーガストリノーマを引き起こし、ヒトのカルチノイドを生じさせることがあるため、現状の薬剤に比べて好ましいものである。さらに、H2−拮抗薬による治療を中止すると、ハイパーガストリノーマが存在するために、潰瘍が即座に再発する。
本発明の上記した化合物はボンベシン/GRPレセプターの拮抗物質であるため、肺癌、結腸癌及び胃癌の治療に使用できる。
本発明の式Iのボンベシン拮抗物質は、酸付加塩(acid addition salt)等の、製薬上使用できる毒性のない酸または塩の形態で投与される。このような酸付加塩としては、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、タンニン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、琥珀酸塩、アルギン酸塩、パモエート、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩等が挙げられる。
これらの薬剤組成物は、式Iのプソイドペプチドを既知の製薬上使用できる担体と組み合わせて含むが、この際、生理食塩水が例えば担体として使用できるが、他の既知の担体も使用できる。
これらの薬剤組成物による被験者の治療は、LHRHの他の作用薬および拮抗薬、またはソマトスタチン類似体を用いた臨床治療と同様にして行われる。したがって、式Iのボンベシン拮抗物質は、静脈内に、皮下に、筋肉内に、鼻孔内にまたは肺用のエアロゾルによって若しくは生分解性の適当なポリマー(DL−ラクチド−コグリコリド(DL-lactide-coglycolide)等)から配合された貯蔵された形態(in a depot form)(例えば、マイクロカプセル、マイクロ顆粒(microgranule)若しくはシリンダー状の棒様の移植片)で投与されされる。連続点滴、注入ポンプ及びマイクロカプセル等の所定の時間で放出される形態(time-release mode)などの、他の同様な投与形態もまた本発明の概念に含まれる。
式Iのペプチドの有効投与量は、投与形態および処置される哺乳動物の種類によって変化する。投与量は、非経口投与の場合、1日当たり患者の1kgの体重当たり約1〜1,000μgのペプチドである。上記投与量の範囲は単に好ましいというだけでより高い投与量も場合によっては選択される。注入量が約15〜約30日またはそれ以上継続するように計算された貯蔵された形態(depot form)である以外は、ペプチドを含有する生理食塩水を1日当たり約0.01〜0.20mg/体重1kgの範囲の投与量になるように投与してもよい。
以下の実施例では、3種類のチャラクターコード(character code)を用いて、特定の合成段階における中間ペプチドを特定する。“1/01/A”と名付けられたペプチドは、合成の段階Aが終了した実施例“1”で作製されたペプチド“01”に対する中間ペプチドを表わす。同様にして、“2/08/B”及び“4/19/C”は、それぞれ合成段階B及びCが終了した実施例“2”及び“4”で作製されたペプチド“08”及び“19”の中間ペプチドを表わす。
実施例(1)
ペプチド#
Figure 0003838656
これらのペプチドは、共通の中間体I−1、Fmoc-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂から適宜合成され、以下のようにして合成される。
Fmoc-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂を以下のようにして得る:2.0g BHA樹脂(0.55ミリモルNH2/g)を、20ml 10% TEAのCH2Cl2溶液でそれぞれ3分間2回処理(中和)し、20ml CH2Cl2で6回洗浄し;次に、DMFに溶解された3.3ミリモルのFmoc−Cys(But)及び3.6ミリモルのHOBtと3分間混合する。3当量のDIC(CH2Cl2において20%溶液となるように)を添加する。この混合物を室温で90分間振盪する。このようにして得られたFmoc−Cys(But)−BHA樹脂を、CH2Cl2、メタノールで各2回、さらにCH2Cl2で3回洗浄した後、カイザーテスト(Kaiser test)を行った。
プソイドペプチド結合を形成するためのFmoc−Leu−CHOの連結を以下のようにして行う。A9からのFmoc基の脱保護を、15ml 50% ピペリジンのDMF溶液を加え、30分間混合し、15ml DMFで洗浄する(6×1分)ことによって、Fmoc基のA9からの脱保護を行う。さらに、1% AcOHを含む3.3ミリモルのFmoc−Leu−CHO(3当量)のDMF溶液を添加し、DMFに溶解したNaBH3CN(3.5当量)を添加し、さらに、1時間振盪する。この後、15ml 50% MeOH(3×1分);15ml 100% MeOH(3×1分);および15ml DMF(3×1分)で洗浄する。
Fmoc-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂からのFmoc基の除去(脱保護)を操作4Aと同様にして行う。
Fmoc-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂からFmoc基を除去し中和した後、Fmoc−His(Bom)の連結を操作4Aに記載したようにして行う。
Fmoc−Glyの連結を操作4と同様にして行う。20% 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(1,3-diisopropylcarbodiimide)のCH2Cl2溶液(3.3ミリモル)を、0℃で、3.3ミリモルのFmoc−Gly及び3.6ミリモルのHOBtのDMF溶液に加え、冷却しながら15分間攪拌し、さらに室温で15分間攪拌し、沈殿物を瀘過し、樹脂に加え、60分間振盪した。次に、アミノ酸残基、Fmoc−Val、Fmoc−AlaおよびFmoc−Trpを順次同様にして導入し、3.80gの中間I−1、Fmoc-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂の構造を有する保護されたペプチド樹脂を得た。
Fmoc−Gln及びBoc−D−pGluを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-pGlu-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/01/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Pheを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/02/A”)。
Fmoc−Gln及びAc−D−Pheを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Ac-D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/04/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Cpaを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Cpa-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/05/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Nalを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Nal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/07/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−Palを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/08/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Palを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/09/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Trpを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Trp-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/10/A”)。
Fmoc−Gln及びAc−D−Trpを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Ac-D-Trp-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/11/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−Tpiを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-Trp-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/12/A”)。
Fmoc−Gln及びBoc−D−Tpiを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/13/A”)。
Fmoc−Gln及びHcaを中間ペプチドI−1にさらに連結することによって以下が得られる:
Hca-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“1/14/A”)。
さらに、中間ペプチド1/01/AのN末端のBoc基を、5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液を用いて1回目は5分間及び2回目は25分間の計2回処理することによって除去する。次に、中間ペプチドを、CH2Cl2(2回、1分)、MeOH(2回、1分)及びDMF(3回、1分)で洗浄する。これによって、CysからBut保護基をも除去され、これによって中間ペプチド、D-pGlu-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys-BHA樹脂(“1/01/B”)が得られ、さらにこれをCH2Cl2、MeOH及びDMFで3回ずつ1分間洗浄する。
この時点で、中間ペプチド1/01/BのCysの側鎖は、酸化によって環化し、操作5のように式IIA中に示される5員の複素環を形成する。AcOH、3.7% HCHO及びDMFの10mlの混合物(1:1:8)を添加する。この反応混合物を室温で3分間振盪し、水、DMF及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄することによって、中間ペプチド1/01/C、D-pGlu-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Tac-BHA樹脂が得られる。
次に、中間ペプチド1/01/Cを操作6と同様にしてHF及びアニソールで処理し、HisからBom保護基を除去し、同時に樹脂支持相からノナペプチドを切断することによって、C末端にNH2であるQ基を形成する。このペプチドを操作7と同様にしてHPLCで精製する。このようにして、ボンベシン拮抗物質ペプチド番号1が得られる。
Boc基及びBut基の除去および還元された結合の第2級アミンによるCysの−CH2−SH基の環化の段階を同様にして中間ペプチド1/02/A、1/05/A、1/07/A、1/08/A、1/09/A、1/10/A及び1/12/Aについて行い、以下の中間ペプチドを得る:
Figure 0003838656
未精製のペプチドをBHA樹脂から切断した後、操作6及び7によって精製、精製ペプチド2、4、5、及び7〜14を得る。
これらのペプチドの保持時間は以下の通りである。
Figure 0003838656
または、5員の複素環を以下の方法によって溶液中に形成してもよい。
0.8mlの氷酢酸中に固相合成から得られた25mgのLeu−psi−Cys−NH2の構造を有する中間ペプチドを100μlの1%ホルムアルデヒド(水における重量%溶液)と室温で30秒間混合した後、20μlの50%酢酸アンモニウム溶液を添加する。この反応混合物を精製し、−Leu−psi−Tac−NH2の構造を有する目的とするペプチドを得る。
実施例(2)
ペプチド#
Figure 0003838656
本実施例におけるペプチドは、0.5g BHA樹脂(0.55ミリモルNH2/g)上に構築された、共通の中間体I−2、Fmoc-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂から適宜合成される。中間ペプチドI−2を実施例(1)に記載された操作および方法にしたがって調製される。次に、150mgの中間ペプチドI−2の一部を3つのアリコートに分け、操作4に記載された方法によってさらに2連結行い、最終のノナペプチド樹脂を得る。
Fmoc−His(Bom)及びBoc−D−Pheを中間ペプチドI−2にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Phe-His(Bom)-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“2/15/A”)
Fmoc−Glu(OMe)及びBoc−D−Pheを中間ペプチドI−2にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Phe-Glu(OMe)-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“2/16/A”)
Fmoc−Glu(But)及びBoc−D−Pheを中間ペプチドI−2にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Phe-Glu(But)-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“2/17/A”)
操作4と同様にして5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液を用いて、中間ペプチド2/15/AからBoc基を除去する。この反応によって、残基A9からBut基も除去され、これによって以下の中間ペプチド2/15/Bが得られる:
D-Phe-His(Bom)-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys-BHA樹脂
この時点で、中間ペプチド2/15/BのCysの側鎖は、酸化によって環化され、操作5と同様にして式IIA中に示される5員の複素環を形成する。AcOH、3.7% HCHO及びDMFの10mlの混合物(1:1:8)を添加する。この反応混合物を室温で3分間振盪し、水、DMF及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄することによって以下の中間ペプチド2/15/Cが得られる:
D-Phe-His(Bom)-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Tac-BHA樹脂
次に、中間ペプチド2/15/Cを、新たに蒸留されたHF(5ml)及びアニソール(0.25ml)で0℃で1時間処理することによって、HisからBom保護基をも除去する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチルで洗浄し、70〜80%の酢酸水溶液で抽出し、凍結乾燥する。精製後、ボンベシン拮抗物質ペプチド番号15が得られる。
N末端のBocを除去し、Cys9を環化し、BHA樹脂から中間ペプチドを除去し、さらにHPLCで精製する段階を中間ペプチド2/16/A及び2/17/Aについて同様にして行うことによって、ペプチド番号16及び以下の中間ペプチド2/17/Dが得られる:
D-Phe-Glu-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Tac-NH2
15mgの2/17/D、および0℃の15mg HOBtを含む0.8mlのDMFの混合物を、50μl 25% ジイソプロピルカルボジイミド(1,3-diisopropylcarbodiimide)のCH2Cl2溶液に添加し、0℃で2時間攪拌する。D−Phe1のα−アミノがGlu2の3−プロピオニル部分のγ−カルボキシル部分に連結したペプチド17の単結合を形成させる:
Figure 0003838656
反応混合物を操作7にしたがってHPLCによる精製を行う。
保持時間は以下の通りである。
Figure 0003838656
実施例(3)
ペプチド#
Figure 0003838656
これらのボンベシン拮抗物質は、共通の中間体I−3、即ち、Fmoc-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂から適宜合成される。この中間体は、Fmoc−Cys(But)で始まり、Fmoc−Leu−CHO(NaBH3CNによる);Fmoc−Cys(Bom)等[さらには実施例(1)に従う]が続く実施例(1)に記載された固相合成操作によって順次連結することによって1.0g BHA樹脂(0.55ミリモル NH2/g)上に構築される。Fmoc−Glnを操作4にしたがってN末端に連結し、中間体I−3を形成する。中間体I−3へのBoc−D−PheまたはBoc−D−Cpaの最終的な連結は、操作4における方法にしたがって行われ、これによって中間ペプチド“3/3/A”または“3/6/A”がそれぞれ形成される。
Boc基の除去を、操作4と同様にして5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液を用いて行う。
この時点で、中間ペプチド3/3/BのCysの側鎖は、酸化によって環化され、操作5と同様にして式IIB中に示される5員の複素環を形成する。50% AcOH、10% CH3CHO及びDMFの10mlの混合物(1.5:0.5:8)を添加する。この反応混合物を室温で10分間振盪し、水、DMF及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄することによって、以下の中間ペプチド3/3/Cが得られる:
D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-MTac-BHA樹脂
中間ペプチド3/3/C及び3/6/Cを、HF(5ml)及びアニソール(0.25ml)で0℃で1時間処理することによって、操作6と同様にして樹脂から除去する。この工程によって、HisからBom保護基をも除去され、これによってノナペプチド3及び6が得られる。
これらのペプチドを操作7と同様にしてHPLCを用いて精製する;保持時間は以下の通りである。
Figure 0003838656
または、25mgのLeu−psi−Cys−NH2の構造を有する中間ペプチドに0.8mlの氷酢酸を添加し、さらに100μlの1%アセトアルデヒド室温で混合することによって、5員の複素環を溶液中に形成してもよい。なお、この混合は5分間行われる;その後、100μlの酢酸アンモニウムを添加する。この反応混合物を精製し、Leu−psi−MTac−NH2の構造を有する目的とするペプチドを得る。
実施例(4)
ペプチド#
Figure 0003838656
これらのポリペプチドは、共通の中間体I−4、Fmoc-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂から適宜合成される。この中間体は、実施例(1)及び(2)に記載されたのと同様にして固相合成の標準方法にしたがってベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂上に順次構築される。
したがって、1.0g BHA樹脂(0.55ミリモルNH2/g)を、操作2にしたがって調製し、10ml 10% TEAのCH2Cl2溶液でそれぞれ3分間2回処理(中和)し、10ml CH2 Cl2で6回洗浄する;次に、DMFに溶解した1.6ミリモルのFmoc−Pen(But)及び1.8ミリモルの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1-hydroxybenzotriazole)(HOBt)と3分間混合する。1.6ミリモル濃度である20% 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(1,3-diisopropylcarbodiimide)(DIC)のCH2Cl2溶液を添加する。この混合物を室温で90分間振盪する。このようにして得られたFmoc−Pen(But)−BHA樹脂を、CH2Cl2、メタノールで各2回、さらにCH2Cl2で3回洗浄した後、カイザーテスト(Kaiser test)を行う。
Fmoc−Pen(But)−BHA樹脂からのFmoc−基の除去(脱保護)を操作4Aと同様にして行う。
Fmoc−Leu−CHOの連結を操作3にしたがって行う。A9(But)−BHA樹脂をDMFで2回洗浄する。次に、1% AcOHを含む1.6ミリモルのFmoc−Leu−CHOのDMF溶液を加えた後、1.8ミリモルのNaBH3CNのDMF溶液を添加する。この反応混合物を60分間振盪した後、50%メタノール水溶液で2回、100%メタノールで2回、及びCH2Cl2で3回、それぞれ1分間ずつ洗浄する。
Fmoc−Leu−psi−Pen(But)−BHA樹脂からFmoc基を除去し中和した後、Fmoc−His(Bom)の連結を操作4と同様にして行う。
Fmoc−Glyの連結を操作4と同様にして行う。20% 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(1.5ミリモル)のCH2Cl2溶液を、1.5ミリモルのFmoc−Gly及び1.65ミリモルのHOBtを含むDMF溶液に0℃で添加し、冷却しながら15分間および室温で15分間攪拌し、沈殿物を瀘過し、樹脂に加え、60分間振盪する。次に、アミノ酸残基Fmoc−Val、Fmoc−Ala及びFmoc−Trpを同様にして順次連結することによって導入し、1.9gのFmoc-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂の構造を有する保護されたペプチドである中間体I−4が得られる。
0.91gの中間ペプチドI−4を5つのアリコート(各約200mg)に分け、これを用いて操作4に記載された方法にしたがって保護されたポリペプチド樹脂を合成する:
Fmoc−Gln及びBoc−D−Pheを中間ペプチドI−4にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂 (“4/18/A”)
中間ペプチドI−4にFmoc−Glnを連結した後Ac−D−Pheをさらに連結することによって以下が得られる:
Ac-D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂 (“4/19/A”)
Fmoc−Gln及びBoc−D−pheを中間ペプチドI−4にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Cpa-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂 (“4/20/A”)
中間ペプチドI−4にFmoc−Glnを連結した後Boc−Tpiをさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂 (“4/21/A”)
中間ペプチドI−4にFmoc−Glnを連結した後Boc−D−Tpiをさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen(But)-BHA樹脂 (“4/22/A”)
さらに、Boc−基を5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液を用いて中間ペプチド4/18/Aから除去することによって、以下の中間ペプチド4/18/Bが得られる:
D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Pen-BHA樹脂
この時点で、中間ペプチド4/18/BのPenの側鎖は、酸化によって環化され、操作5と同様にして式IIC中に示される5員の複素環を形成する。AcOH、3.7% HCHO及びDMFの10mlの混合物(1:1:8)を添加し、反応混合物を形成し、この反応混合物を室温で3分間振盪し、水、DMF及びCH2Cl2でそれぞれ3回ずつ洗浄することによって以下の中間ペプチド4/18/Cが得られる:
D-Phe-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-DMTac-BHA樹脂
次に、中間ペプチド4/18/Cを5ml CH2Cl2、メタノール及びCH2Cl2で各3回ずつ洗浄し、新たに蒸留されたHF(5ml)及びアニソール(0.25ml)で0℃で1時間処理する。溶媒を真空下で蒸発させ、エーテル若しくは酢酸エチルで洗浄し、70〜80%の酢酸水溶液で抽出し、凍結乾燥することによって未精製のノナペプチド樹脂が得られる。この反応混合物を精製し、ボンベシン拮抗物質ペプチド番号18を得る。
中間ペプチド4/19/A、4/20/A、4/21/A及び4/22/Aについて、同様にして保護基を除去し、脱保護されたA9を環化し、さらに中間ペプチドをBHA樹脂から外すことによって、それぞれペプチド番号19、20、21及び22が得られる。
操作7にしたがって(A)0.1% TFAおよび(B)1% TFAを含む70% アセトニトリル水溶液からなる溶媒システムを用いてHPLCによって精製を行った。これらのペプチドの保持時間は以下の通りである。
Figure 0003838656
または、25mgの−Leu−psi−Pen−NH2の構造を有する遊離ペプチドを100μlの10%ホルムアルデヒドと混合された25mg HOBtを含む0.8mlの氷酢酸に添加し、0℃で30分間攪拌することによって、A9残基を溶液中で環化し、5員の環構造Leu−psi−DMTac−NH2を有するペプチドを得てもよい。
実施例(5)
Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
D-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
Hca-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
これらのペプチドは、共通の中間体I−5、Fmoc-Gln-Trp-Alv-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂から合成される。
Fmoc-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂は以下のようにして得られる:操作2及び3に示された方法によって1.0gBHA樹脂(0.55ミリモルNH2/g)にFmoc−Cys(But)及びFmoc−Leu−CHOを順次連結する。
Fmoc−His(Bom)、Fmoc−Gly、Fmoc−Val、Fmoc−Ala、Fmoc−Trp及びFmoc−Glnを順次連結することによって、中間ペプチドI−5、Fmoc-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂が得られる。
本実施例のすべてのペプチドに共通な上記中間体I−5の150mgのアリコートを操作4に記載された方法によってさらにもう1回連結を行うことによって、最終的なペプチド樹脂を得る。
Boc−Palを中間ペプチドI−5にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“5/08/A”)
Boc−D−Palを中間ペプチドI−5にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“5/09/A”)
Boc−Tpiを中間ペプチドI−5にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“5/12/A”)
Boc−D−Tpiを中間ペプチドI−5にさらに連結することによって以下が得られる:
Boc-D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“5/13/A”)
Hcaを中間ペプチドI−5にさらに連結することによって以下が得られる:
Hca-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(But)-BHA樹脂 (“5/14/A”)
N末端のBoc基を、5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液で第一回目は5分間及び次に25分間の計2回処理することによって、中間ペプチド5/01/Aから除去する。この処理によって、Cysから保護基をも除去する。さらに、このペプチドを、操作4と同様にして、CH2Cl2、MeOH及びDMFで洗浄することによって、以下の中間ペプチド5/08/Bが得られる:
Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys-BHA樹脂
さらに、この中間ペプチド5/08/Bを、新たに蒸留されたHF(5ml)及びアニソール(0.25ml)で0℃で1時間処理することによって、HisからBom保護基をも除去する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチルで洗浄し、70〜80%の酢酸水溶液で抽出し、凍結乾燥することによって以下のペプチドが得られる:
Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His-Leu-psi-Cys-NH2
保護基及びBHA樹脂を中間ペプチド5/08/A、5/09/A、5/11/A、5/12/A、5/13/A及び5/14/Aから除去し、本実施例の冒頭に列挙されたペプチドを得る。これらのペプチドを操作7にしたがって精製試験にかける。
Figure 0003838656
または、固相法の標準的な方法にしたがって、Cys9の−SH基を保護するBzを用いてBocで保護されたアミノ酸を有するBHA樹脂上に、これらのペプチドを適宜順次構築してもよく、これによって以下の中間ペプチドが得られる:
Boc-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(Bz)-BHA樹脂 (“5/08/A”)
Boc-D-Pal-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(Bz)-BHA樹脂 (“5/09/A”)
Boc-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(Bz)-BHA樹脂 (“5/12/A”)
Boc-D-Tpi-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(Bz)-BHA樹脂 (“5/13/A”)
Hca-Gln-Trp-Ala-Val-Gly-His(Bom)-Leu-psi-Cys(Bz)-BHA樹脂 (“5/14/A”)
5%メルカプトエタノール及び5%アニソールを含む50% TFAのCH2Cl2溶液で処理することによってBoc基を除去し、さらにHF及びアニソールで処理することによって、ペプチドを樹脂から切断し、Hisから保護基Bomを、Cysから保護基Bzを除去し、本実施例の冒頭に列挙されたペプチドを得る。
実施例(6):アッセイ法
(A)レセプター結合アッセイ
125I−Tyr4−ボンベシンの結合およびボンベシン拮抗物質プソイドペプチドによる置換を、スイス 3T3(Swiss 3T3)細胞を用いて24−穴の組織培養プレート(ギブコ(GIBCO)製)において試験した。マウスのスイス 3T3(Swiss 3T3)繊維芽細胞を、10% FCBS及び抗真菌剤を含んだDMEMで1週間毎に継代することによって維持した。培養は、37℃で5% CO2濃度の空気中で行った。穴に、105細胞/穴(生存率>95%)で播き、集密及び休止まで生育させた。結合段階は、播種後7日目に行った。細胞を、0.5mlの結合バッファー(20nM HEPES−水酸化ナトリウム(pH7.4)、0.2% BSA及び100μg/mlバシトラシンを含むダルベッコの改変イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium))で2回洗浄した。さらに、細胞を、様々な濃度の拮抗物質の存在下で(6×10-11〜6×10-6M、全量0.4ml)若しくは拮抗物質を存在させないで、0.2nM 125I−Tyr4−ボンベシンと共に培養した。
ザチャリー(Zachary)及びローゼンガルト(Rozengurt)(1985年)およびレイトン(Layton)ら(1988年)によると、37℃での125I−GRPの結合は30分で最高値に達し、以降は減少することから、細胞を37℃で30分間培養する。その後、細胞を氷冷(4℃)した結合バッファーで2回洗浄し、さらに氷冷したリン酸緩衝溶液(PBS、mM):NaCl 138、KCl 2.8、Na2HPO4 8、KH2PO4 1.45、CaCl2 0.91、MgCl2 0.49で2回洗浄した。洗浄された培養物を0.5mlの0.5M水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、放射能値測定用のチューブに移した。穴を、0.5mlの蒸留水(滅菌済)で1回洗浄し、さらに、洗浄液を適当なチューブに入れた。次に、上記サンプルの放射能値を、自動ガンマカウンター(マイクロメディック システム インク(Misromedic System Inc.)製、ハンツヴィル(Huntsville)、アラ(Ala.))で測定した。
マンソン(Munson)およびロッドバード(Rodbard)のプログラムに適したリガンド−PC算定カーブを用いて、レセプター結合のタイプ、解離定数(Kd)、会合定数(Ka)、およびレセプターの最高結合能力(Bmax)を測定した。
本発明におけるポリペプチドの結合データを以下の表1に示す。様々な投写量の標識されないペプチドを用いて、置換された特異的な125I−Tyr4−ボンベシン結合能を測定した。各ペプチド(それぞれ3連で行った)について2〜3の個々の試験の平均値を示す。
Figure 0003838656
実施例(7)
エストロゲン非依存性MXTマウスの乳癌の腫瘍容積に関するボンベシン拮抗物質による治療効果を以下のようにして試験する:
40匹の雌のB6D2F1マウスは、ナショナル カンサー インティテュート(National Cancer Institute)、フレデリック カンサー リサーチ ファシリティ(Frederick Cancer Research Facility)(フレデリック、マリーランド(Frederick,Maryland))より得、21±1℃及び55±5%湿度で飼育する。この動物を12時間照射/12時間暗室に自動的に切り替わる部屋に置き、齧歯動物用の実験飼料50001(rodent laboratory chow 5001)と水道水を無制限に与える。ドクター エーイー ボーデン(Dr. A.E. Bogden)(バイオメジャー インク(Biomeasure Inc.)、ホッキントン、エムエー(Hopkinton, MA))より得られた、エストロゲン非依存性MXT(3.2)/オベックス乳癌の凍結保存された組織(estrogen independent MXT(3.2)/Ovex mammary carcinoma cryo-preserved tissus)を、1mm3のMXT(3.2)/オベックス腫瘍(MXT(3.2)/Ovex tumor)の容積で成熟した雌のマウスの皮下に接種する。
腫瘍を移植してから2日後、マウスを無作為に4つのグループに分け、ペプチドが一様に放出するシステム(sustained delivery system)(マイクロカプセル)による治療を開始する。以下の4群を用いる:
1) コントロール:賦形剤のみを注入;
2) [D-Tpi6,Leu13-psi-Leu14]Bn(6-14);
3) [D-Phe6,Leu13-psi-Tac14]Bn(6-14);
4) 左右の卵巣を外科的にv摘出。
ボンベシン拮抗物質に関するこれらの略称は、以下の既知のペプチド断片の残基の番号付けを用いる:各残基を完全な断片における位置によって番号付けする。しかしながら、ボンベシン拮抗物質は、N末端を「1」として始めて番号付けをした方が本明細書においては他のペプチドと比べて容易である。したがって、「[D−Tpi6,Leu13psi−Leu14]Bn(6−14)」は、D−Tpi1−Gln2−Trp3−Ala4−Val5−Gly6−His7−Leu8psi−Leu9−NH2(以降、「B1」と称する)であり、「[D−Phe6,Leu13psi−Tac14]Bn(6−14)」は上記ペプチド番号2と同じである。
これら2つのボンベシン拮抗物質を固相合成によって合成する。第2群のマウスは「B1」が一様に放出するような製剤(sustained release formulation)を投与され、第3群のマウスは上記ペプチド番号2を含む一様に放出するような製剤を投与される。上記一様に放出するような製剤(sustained release formulation)は、15日間、25μg/日の量でB1またはペプチド番号2を連続して放出し続けた。
一様に放出(sustained delivery)させるために、アルゼット浸透ポンプ(Alzet osmotic pump)(アルゾ コーポレーション(Alzo Co.)製、パロ アルト、シーエー(Palo Alto, CA))を用いた。0.48μl/時間で放出するアルゼットポンプモデル2002(Alzet Pump Model 2002)を背中の下側面領域に皮下移植した。ペプチドを、浸透ミニポンプに満たすために、50%(v/v)のポリプロピレングリコール水溶液に溶解した。
腫瘍が目視でき触知できるようになった後、腫瘍容積を測定し、チェンデ ビー(Szende B.)ら、「グロース インヒビション オブ エムエックスティ マンマリー カルシノマ バイ エンハンシング プログラムド セルデプス(Growth Inhibition of MXT Mammary Carcinoma by Enhancing Programmed Cell Depth)」(LH−RH及びソマトスタチンの類似体によるアポプトシス)、ブレスト カンサー レス トリート(Breast Cancer Res. Treat.)、14巻、ページ307〜314(1989年)に記載されたようにして計算する。
腫瘍の成長が指数的成長相になったところで実験を終了した。第一回目の腫瘍容積測定は10日目であった。コントロールといずれかのボンベシン拮抗物質で処理したものとの腫瘍の容積の差および2つのボンベシン拮抗物質で処理したものの間の腫瘍の容積の差は統計上顕著である。腫瘍容積の測定の結果を表2に示し、図1に詳細に記載する。
Figure 0003838656
実験終了後、マウスをメトフェイン(Metofane)による麻酔下で放血し、腫瘍の重量を測定し、ダンカンテスト(Duncan's test)およびスチューデントテスト(Student's test)による統計学的分析を行った。結果を表3に示す。
Figure 0003838656
実施例(8)
ヌードマウスにおけるヒトの肺小細胞癌への1つのソマトスタチン類似体および3つのボンベシン拮抗物質の効果を以下のようにして試験する:到着時におおよそ6週令の無胸腺の雄のヌードマウスをナショナル カンサー インティテュート(National Cancer Institute)(ベテスダ、エムディ(Bethesda, MD))より得、病原体が制限された条件下で維持する。
ヒトの肺小細胞癌(SCLC、H69系統)を、湿度のある5% CO2濃度の雰囲気下で37℃で10%ウシ血清アルブミン、抗生物質及び抗真菌剤を添加したRPMI 1640(ギブコ(Gibco)製、グランド アイランド、エヌワイ(Grand Island, NY))中に単層として生育させる。細胞組織培養した指数的に成長した細胞のうち1×107個の細胞を5匹のヌードマウスの右側腹部中に皮下注射することによって、異種移植を開始する。3週間たった後の腫瘍を無菌的に切開し、物理的に細かく切り刻む。次に、3mm3の腫瘍組織片を60匹の動物に套管針によって皮下移植する。移植してから2週間たった後、腫瘍を約10mm3の容積になるまで成長させ、動物を無作為に選び、5種類の異なる化合物による処理を行うために5つの実験群に分け、移植後2週間目の日に開始する。5週間に渡り、毎週腫瘍の容積を測定する。腫瘍の容積は、(長さ×幅×高さ×π)/6として計算される。各群において8匹の動物を腫瘍の重量を測定するために剖検した。
ヌードマウスに投与された第一の治療用薬剤化合物は、ソフトスタチン類似体、D-Phe-Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Val-Cys-Trp-NH2であり、本明細書においては「S1」と称する。
3つのボンベシン拮抗物質のうち第一の拮抗物質は、D-Tpi1-Gln2-Trp3-Ala4-Val5-Gly6-His7-Leu8-psi-Leu9-NH2、即ち、B1である。第二のボンベシン拮抗物質は、[Tpi6-Leu13-psi-Tpi14]Bn(6-14)、即ち、D-Tpi1-Gln2-Trp3-Ala4-Val5-Gly6-His7-Leu8-psi-Tpi9-NH2であり、本明細書においては「B2」と称し、さらに、第三の拮抗物質はペプチド番号2のペプチド(以下、ペプチド2と称する)である。
ポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)[poly(DL-lactide-coglycolide)]に含まれるS1のパモエートのマイクロ顆粒(microgranule)を、サイトテック エスエー(Cytotech SA)で調製し、16mgのアリコートから2週間にわたり約100μg/日の量が放出されるように設計する。これらのマイクロ顆粒を腫瘍に対して反対側に毎日15日間にわたり皮下注射する。各ボンベシン拮抗物質は、0.1%ジメチルスルホキシドの生理食塩水に溶解し、20μg/日の投与量で毎日2回皮下注射する。
腫瘍の容積に関する上記薬剤の治療効果を表4に示し、図2に詳細に記載する。
Figure 0003838656
実施例(9)
ボンベシン拮抗物質によるMIA PACA−2膵臓癌腫瘍(MIA PACA-2 pancreatic cancer tumor)に対する効果を以下のようにして測定する:
実施例8と同様のヌードマウスに、実施例8におけるSCLCと同様に生育された細胞組織培養物由来の、MIA PACA−2ヒト膵臓癌細胞注射液(MIA PACA-2 human pancreatic cancer cell injection)を皮下注射する。腫瘍の容積を実施例8と同様にして両方の実験群について測定する。
以下の2実験群を使用する:ボンベシン拮抗物質ペプチド2を投与したマウスの群および注射用賦形剤溶液のみを投与したコントロール群。50μgの注射用賦形剤溶液またはペプチド2を、皮下注射によって毎日2回各マウスに投与する。
腫瘍の容積の測定結果を表5に示し、図3に詳細に記載する。
Figure 0003838656
実施例(10)
CAPAN−2ヒト膵臓癌(CAPAN-2 human pancreatic cancer)を有するヌードマウスに対するボンベシン拮抗物質による治療効果を以下のようにして測定する。
実施例7と同様のヌードマウスに、実施例7と同様にして生育された細胞組織培養物由来のヒトCAPAN−2膵臓腫瘍(human CAPAN-2 pancreatic tumor)の異種移植を行う。マウスの群を、注射用賦形剤溶液のみを投与したコントロール群およびボンベシン拮抗物質ペプチド番号2を投与した群の、2つに分け、それぞれの物質を50mg、皮下注射によって毎日2回マウスに投与する。
実施例8と同様にして腫瘍の容積を測定し、腫瘍の容積の測定結果を表6に示し、図4に詳細に記載する。
Figure 0003838656
本発明は上記好ましい実施態様に関して記載してきたが、当業者に明らかな変化(changes)および修飾(modifications)が、添付した請求の範囲に記載された、本発明の概念を外れない限り可能であることは理解されるべきである。有効性を損なわない程度の既知の置換(substitutions)も本発明において使用できる。
Figure 0003838656
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Claims (9)

  1. D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  2. D−Cpa−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  3. D−Nal−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH2である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  4. Tpi−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  5. D−Tpi−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  6. Hca−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−Tac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  7. Tpi−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−DMTac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  8. D−Tpi−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−psi−DMTac−NH 2 である、ボンベシン拮抗物質ペプチド。
  9. 請求の範囲第1項〜第項のいずれか1項に記載のポリペプチド、またはこの治療学的に使用できる付加塩の形態若しくは複合体および製薬上使用できる液状若しくは固体の担体からなる、癌の治療に使用される薬剤組成物。
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