JP3835747B2 - 自動倉庫用移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫内で有人フォークリフトとスタッカクレーンとの間の荷物の移載に用いる自動倉庫用移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7の平面図に示すように、従来、自動倉庫内に乗り入れた有人フォークリフト101とスタッカクレーン102との間で荷物を受渡しする時には、直接にフォークリフト101とスタッカクレーン102との間で荷物を受渡しせずに、移載装置103を介して受渡しするようにしている。
【0003】
この移載装置103は電動台車とこれの上側に90°旋回可能に支持した旋回テーブルとを備え、スタッカクレーン走行路104の前側のフォークリフト通路105に臨む第1ステージST1と、その後方でスタッカクレーン走行路104に臨む第2ステージST2との間を往復するように構成される。
【0004】
フォークリフト101からスタッカクレーン102に荷物を渡す時には、その荷物は第1ステージST1で、該フォークリフト101によって旋回テーブルの上に載せられ、この後、旋回テーブルを90°旋回させてから、前記電動台車103を第1ステージST1から第2ステージST2に後退させ、この第2ステージST2で旋回テーブルからスタッカクレーン102のスライドフォークに荷取する。
【0005】
荷物をスタッカクレーン104からフォークリフト101に荷物を渡す時は、スタッカクレーン104を第2ステージST2に臨むスタッカクレーン走行路104の前端部(ホームポジション)に移動し、スタッカクレーン102のスライドフォークで第2ステージST2にある旋回テーブルに荷物を載せ、この後、電動台車を第1ステージST1に移動させ、更に、第1ステージST1で旋回テーブルを90°逆旋回させた後、旋回テーブルからフォークリフト101に荷取りする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、4輪台車構造を採用する場合、前記第1ステージと第2ステージとの間で前記電動台車の方向を90°転換させるためには、かなり急カーブで電動台車を旋回させる必要があり、一般に台車に採用されている片フランジ型又は両フランジ型の車輪を備える電動台車では旋回半径を一定以下に小さくすることができず、それ以下ではフランジがレールの上に乗上げて脱線するという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記問題を解決し、従来よりも小さい旋回半径で旋回できる電動台車を提供するために、フレームに対する回転軸心の方向が固定されている従来のフランジ付き車輪に代えて、それぞれの球心を中心に任意の回転軸心の回りに回転可能に支持される球体を用いる。
【0008】
即ち、前記電動台車は、平面視において直角四辺形に内接する形状に形成されたフレームと、前記直角四辺形の4隅部で前記フレームの下部にそれぞれの球心を中心に任意の回転軸心の回りに回転可能に支持された4個の球体と、これらの球体のほかに設けられた駆動輪を駆動して該電動台車を往復させる駆動系とを備えるという構成を採用することが好ましい。
【0009】
この構成を採用することに対応して、前記案内レールの断面プロフィルは、旋回外側又は旋回内側のいずれか一方に、上面に前記球体が自由に転動する案内溝を有するガイドレールが設けられる。このガイドレールを旋回内側に設けるか、旋回外側に設けるかは自由に選択できるが、旋回半径を小さくするためには、旋回外側にガイドレールを設けることが好ましい。
【0010】
上面に案内溝を形成したガイドレールで旋回外側(又は旋回内側)の2個の球体を案内すると、この2個の球体の移動軌跡が一致するので、反対側の2個の球体は、旋回中心を中心とする同心円から外側((又は内側)にずれて移動することになる。又、この2個の球体が移動する面は、電動台車の振動を防止するためにできるだけ平坦であることが好ましい。又、ガイドレールに転動させる2個の球体と反対側の球を受ける面は、旋回部分で幅がガイドレール側に膨らむ部分も平坦面に形成されることが好ましい。
【0011】
この平坦面を形成する方法は特に限定されず、例えば床面を一定以上の平滑度を備えるように仕上る方法を採用してもよいが、上面が平坦に形成されたフラットレールを用い、例えばシム(薄板)調整によりその上面の高低調整をすると、簡単に平滑度の高い平面を得ることができる。
【0012】
ところで、前記駆動系で駆動される駆動輪は、床面に直接転接させてもよいが、床面の凹凸を拾うことにより電動台車が振動することを防止するためにその走行面をできるだけ平坦にすることが好ましく、この観点から上面が平坦なレール、即ち、ドライブレールを敷設することが好ましい。又、駆動輪は電動台車のフレームに昇降可能に支持させ、フレームと駆動輪との間にバネを介在させてこのバネに走行面の凹凸を吸収させるようにすることも好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例に係る自動倉庫用移載装置を図面に基づき具体的に説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施例に係る自動倉庫用移載装置の平面図であり、この図1に示すように、この自動倉庫用移載装置は、スタッカクレーン走行路1の前側でフォークリフト走行路2に臨む第1ステージST1と、前記スタッカクレーン走行路1の前端部に横側から臨む第2ステージST2との間を往復する電動台車3と、前記第1ステージST1と第2ステージST2との間で前記電動台車3をその方向が90°転換するように案内する案内レール4とを備える。
【0015】
前記スタッカクレーン走行路1の前端部の周囲には、第2ステージST2に臨む部分を除いて安全柵5が設けられ、この安全柵5の前部横側に設けた扉6からスタッカクレーン走行路1に出入りできるようにしている。又、このスタッカクレーン走行路1の前端部にはクレーン管理盤7と、スタッカクレーン及び移載装置を制御して荷棚8への荷物の出納を管理する管理手段9とが設けられる。
【0016】
なお、荷棚8は第2ステージST2よりも後方でスタッカクレーン走行路1の左右両側に設けられる。
【0017】
図2は第1ステージST1に位置する前記電動台車3の平面図であり、この図2の紙面下側がスタッカクレーン走行路1側、即ち、旋回内側であり、上側が旋回外側である。又、紙面の左側からフォークリフトが荷物を受渡しし、第2ステージST2で旋回内側からスタッカクレーンのスライドフォークが出し入れされる。
【0018】
ところで、この電動台車3は、平面視において略正方形に内接する形状に形成されたフレーム10を備え、このフレーム10は前記正方形の4隅部に配置された脚11と、内外に並ぶ脚11の中間高さ部どうしを連結する前後のクロスビーム12と、走行方向、即ち、前後方向に並ぶ脚11の中間高さ部どうしを連結する内外のサイドビーム13と、これらクロスビーム12の中間部及びサイドビーム13の中間部を連結する十文字枠14とを備える。
【0019】
図3は前記第1ステージST1に位置する電動台車3をフォークリフト走行路2側から見た電動台車3の正面図であり、この図3に示すように荷物15を載せたパレット16がフォークリフト走行路側から前記4隅の脚11の上にフォークリフトによって積み下ろしされる。
【0020】
図4は前記第2ステージST2に位置する電動台車3をスタッカクレーン走行路1側から見た電動台車3の側面図であり、この図4に示すように、前記脚11の上の載置されたパレット16とサイドビーム13との間にスタッカクレーンのスライドフォーク17が抜き差しされる。
【0021】
そして、図3及び図4に示すように、各脚11の下部にはそれぞれ球心を中心にして、この球心を通る任意の回転軸の回りに回転自在に球体18が支持されている。
【0022】
又、図2と図3に示すように、前記十文字枠14の下側に、クロスビーム12の軸方向と平行な軸心回りに回転する駆動輪19と、これを駆動する減速機及びブレーキを組付けた電動モータからなる駆動系20が配置される。
【0023】
ここで、駆動輪19は、90°旋回部分での電動台車3の旋回を助長するために、旋回外側の2個の球体18と同列に配置したり、直進部分での電動台車3の直進性を確保するために旋回外側の2個の球体18と旋回内側の2個の球体18との中央に配置したりしてもよいが、ここではこれら旋回の助長と直進性の確保という要請を調和よく実現させるために、旋回外側の球体18と旋回内側の球体18との間で、旋回外側に適当に偏倚させた位置に駆動輪19が配置される。
【0024】
図3と図4とに示すように、前記駆動輪19はガイドシャフト21を案内にして十文字枠14に対して所定の範囲内で昇降可能に支持させたホルダ22に回転可能に支持され、この駆動輪19が直結される前記駆動系20はこのホルダ22に固定される。
【0025】
又、このホルダ22と十文字枠14との間には該ホルダ22を介して駆動輪19を下方に付勢する例えば圧縮コイルバネからなるバネ23が設けられ、このバネ23により走行面の凹凸及び走行面から与えられるショックを吸収すると共に、所定の走行力を得るために、駆動輪19を一定の安定した圧力で走行面に押圧している。
【0026】
ところで、図1に示すように、前記案内レール4は、旋回外側の2個の球体18を案内するガイドレール24と、旋回内側の2個の球体18を支承するフラットレール25と、これらの間で駆動輪19が走行するドライブレール26とを備えている。
【0027】
図5はこのガイドレール24の軸に直角な断面を示す断面図であり、この図5に示すように、ガイドレール24の上面には旋回外側の2個の球体18が転動する案内溝27が形成され、下面には軸方向に適当な間隔を置いてベース28が固定される。
【0028】
前記案内溝27の断面形状は、旋回内外方向に球体18が位置決めされる形状であればよく、例えば弦月形、逆台形、V字形、U字形などを採用すればよく、この実施例では曲率半径が球体18の半径と同じ弦月形を採用している。
【0029】
また、前記ベース28と床面FLとの間には適当に決められた枚数の板厚が異なる複数種類のシム(薄板)29を挿入し、そのシム29の合計高さを調整することによりガイドレール24のレベル調整をしている。
【0030】
図6は前記フラットレール25の軸に直角な断面を示す断面図であり、この図6に示すように、前記フラットレール25は上下面が平坦な板材で構成され、ガイドレール24と同様に、その下面には軸方向に適当な間隔を置いてベース30が固定され、シム29を用いてレベル調整している。
【0031】
このフラットレール25の上面に転接する旋回内側の2個の球体18は、電動台車3が90°方向転換をする旋回部分ではガイドレール24と同心の円弧よりも旋回外側(ガイドレール24側)を通るので、図1に示すように、このフラットレール25の幅は旋回部分で旋回外側に拡大される。
【0032】
前記ドライブレール26は、図1に示すように、電動台車3が直進する部分ではガイドレール24と平行に、電動台車3が旋回する部分ではガイドレール24と同心に曲がる幅が一様な板材からなり、図3に示すように、ガイドレール24及びフラットレール25と同様に、シム29を用いてしてレベル調整される。
【0033】
なお、図3の電動台車3の旋回外側に、ガイドレール24と平行に前記駆動系20に電力を供給するために電線を配置し、この電線に接触させる給電トロリーシュー31が旋回外側のいずれか一方の脚11に支持させる。
【0034】
さて、前記駆動系20を作動させてこの電動台車3を例えば第1ステージST1から第2ステージST2まで移動させると、ガイドレール24の案内溝27が旋回外側の2個の球体18を案内することにより電動台車3の進行方向がスタッカクレーン走行路1の前方向から、スタッカクレーン走行路1の横でスタッカクレーン走行路1の前から後に向かう方向に90°転換される。
【0035】
従って、パレット16及びこれに載せた荷物15を90°旋回させるための旋回テーブル及び駆動系は不要になり、これら旋回テーブルと旋回テーブルを駆動する駆動系とを省略することにより、部品点数を削減できると共に、構成を簡単にすることができ、又、これにより電動台車を安価にすることができる。
【0036】
もちろん、この移載装置では荷物15とこれを載せたパレット16を90°旋回させるので、これらを搬送するフォークリフトが90°旋回するために必要なスペースよりも狭いスペースで荷物15及びパレット16を90°旋回させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、電動台車と、該電動台車の進行方向が転換するように案内する案内レールとを備える自動倉庫用移載装置において、前記電動台車のフレームの下部にそれぞれ球心を中心に任意の回転軸心の回りに回転可能に支持された4個の球体と,これらの球体の他に設けられた駆動輪を駆動して該電動台車を往復させる駆動手段とを備え、前記案内レールは、上面に旋回外側の2個の球体が転動する案内溝を有するガイドレールと、上面が平坦で、こん上面に旋回内側の2個の球体が転接するフラットレールとを備えているので、前記電動台車を移動させると前記案内レールに案内されて電動台車が旋回するので、旋回テーブル及びこれを駆動する駆動系が不要になるという作用を得ることができる。
【0038】
そして、この作用により、旋回テーブル及びこれを駆動する駆動系を省略して電動台車の部品点数を削減できると共に、構成を簡単にすることができるという効果を得ることができる。
【0039】
又、旋回テーブル及びこれを駆動する駆動系を省略することにより、電動台車の制御が簡単になり、電動台車の制御系の部品点数を削減できると共に、構成を簡単にすることができる。
【0040】
更に、旋回テーブル及びこれを駆動する駆動系を省略して、部品点数を削減すると共に、構成を簡単にすることにより、又、自走台車の制御系の部品点数を削減し、構成を簡単にすることにより、電動台車を大幅に安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面図である。
【図2】本発明の電動台車の平面図である。
【図3】本発明の電動台車の正面図である。
【図4】本発明の電動台車の側面図である。
【図5】本発明のガイドレールの断面図である。
【図6】本発明のフラットレールの断面図である。
【図7】従来例の平面図である。
【符号の説明】
3 電動台車
4 案内レール
10 フレーム
18 球体
19 駆動輪
20 駆動系
24 ガイドレール
25 フラットレール
26 ドライブレール
27 案内溝
Claims (2)
- 電動台車と、該電動台車の進行方向が転換するように該電動台車を案内する案内レールとを備える自動倉庫用移載装置において、
前記電動台車は、フレームの下部にそれぞれの球心を中心に任意の回転軸心の回りに回転可能に支持された4個の球体と、これらの球体の他に設けられた駆動輪を駆動して該電動台車を往復させる駆動系とを備え、前記案内レールは、上面に旋回外側の2個の球体が転動する案内溝を有するガイドレールと、上面が平坦で、この上面に旋回内側の2個の球体が転接するフラットレールとを備えていることを特徴とする自動倉庫用移載装置。 - 前記駆動輪は、旋回外側の2個の球体と旋回内側の2個の球体との間に配置され、前記案内レールがこの駆動輪を転接させる上面が平坦なドライブレールを備える請求項1に記載の自動倉庫用移載装置。
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