JP4477645B2 - コイル搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は,鋼板を巻取ったコイルを搬送するコイル搬送装置に関する。
近年では,例えば鋼板の熱間圧延ライン等で熱延等の処理がされたコイルを次の処理設備に搬送する際に,コイルの穴が横向きに(即ち,水平方向に平行に)なるようにしてコイルを搬送台車に積載し,軌条走行させる方法がよく用いられている。コイルの穴を横向きにしてコイルを搬送することで,コイルの穴を縦向きにしてコイルを搬送する場合に生じるコイル端部の疵及び変形が防止される。
コイルを搬送台車で搬送する際の1つの問題点は,搬送するコイルの重量が最大45ton程度と大きいので,例えば1台の搬送台車が1つのコイルを積載して走行する際の走行速度が100〜200mpm程度と非常に遅くなってしまうことである。また,もう1つの問題点は,熱間圧延ラインでコイル製造を行う場合には,1コイル当たり分単位のピッチで生産されるので1コイル毎の搬出を分単位で続けて行わなければならないことである。このため,搬送経路を複数の走行区間に分割し,各搬送台車が別個の走行区間を走行するようにして,コイルをバケツリレー式に搬送するコイル搬送技術がよく用いられる。これにより,1台の搬送台車が走行する距離を短くでき,搬送サイクルが短縮され,分単位で生産されるコイルを次々に搬送することができる。ただし,この方法では,搬送路が長くなった場合に搬送距離に比例して必要な搬送台車の台数が増加し,設備費が高くなるという課題がある。
また,特許文献1に記載のコイル搬送装置では,搬送効率を向上させるように,1台の親台車に複数台の子台車が搭載された構成を有する親子台車が,搬送台車として用いられている。これら複数台の子台車の各々が,穴部分を横向きの状態にした1つのコイルを積載することができる。即ち,特許文献1に記載のコイル装置は,1台の親子台車を用いた1回の搬送で複数のコイルを搬送可能であり,前述の複数の搬送台車を設置してコイルをバケツリレー式に搬送する場合と比較して,コイル装置を安価に実現する手段として有効である。
特許文献2及び特許文献3には,複数の車両を連結する連結装置が開示されている。かような連結装置を用いることにより,例えば特許文献4に記載のコイルを1ずつ搬送する搬送台車同士を互いに連結し,連結された複数の搬送台車で複数のコイルを搬送し,搬送効率を向上させることができる。上記特許文献2の連結装置では,隣接する車両間に設けられる連結装置の占有空間を小さくすることができる利点を有している。また,上記特許文献3の連結装置では,コイル搬送台車の走行方向(即ち,連結方向)に伸縮自在であり,コイル搬送台車を無端ループ状に連結した際にも連結装置に生じた熱膨張や熱収縮を吸収することが可能である。
特開平5−84516号公報 特開2002−316643号公報 特開平6−263217号公報 特開平5−338537号公報
ところで,上述した種々のコイル搬送技術は,勾配区間や曲線区間を有する搬送経路に適用するのが非常に困難である。例えば,前述のバケツリレー方式を適用すると,約20mのピッチの中継スキッドの配置が勾配区間や曲線区間に入らざるを得なくなる場合に,以下の課題が生じる。即ち,勾配区間で搬送台車を停止状態から加速させると,走行モータは加速に加えて登板トルクを発生させる必要があり,走行モータの能力を過大に設計することとなるばかりか,車輪スリップの可能性があり,結果として勾配設計規制などの大きい課題を抱える。また,同様に曲線区間に中継スキッドがある場合には,加速中の内輪外輪走行距離差吸収のための制御が非常に複雑となるため,例えば外輪を非駆動として対応する場合,前述の勾配部と同様に走行モータ能力の過大設計やスリップの問題が生じる。
また,上記特許文献1に記載のコイル搬送装置では,搭載される子台車の数に比例して,親子台車(親台車)の搬送方向の長さが長くなってしまう。このため,内輪差及び外輪差が大きくなるので,上記特許文献1の親子台車は,曲率半径の大きい曲線状の搬送路しか走行できない。また,上記特許文献1の親子台車は車体の傾斜角度を上下に急激に変化させることもできないので,勾配が急な搬送路を走行することも難しい。即ち,上記特許文献1に記載のコイル搬送装置は,直線状の搬送路に適用して搬送効率を向上させることは可能であるが,曲線区間や勾配区間を有する搬送路に適用することは困難である。
また,上記特許文献2及び上記特許文献3に記載の連結装置を用いてコイルを搬送する搬送台車を複数連結させた場合には,互いに連結した複数の搬送台車が曲線区間や勾配区間を走行する際に各搬送台車間に速度差が生じてしまうため,搬送台車の駆動制御が非常に難しい。これは,特に,走行区間の変化点を走行する場合,例えば,直線区間から曲線区間に走行する際,曲線区間から直線区間に走行する際,水平区間から勾配区間に走行する際,勾配区間から水平区間に走行する際等において大きな問題になる。
さらに,走行中には,互いに連結された複数の搬送台車間だけでなく,各搬送台車が各々備える車輪間においても速度差が生じてしまう。例えば上記特許文献4に記載されているように,走行方向の前側と後側に左右1対の車輪を有する搬送台車が曲線形状の走行区間を走行する際には,幅方向において曲線形状の凹側(即ち,内側)の車輪の走行距離が凸側(即ち,外側)の車輪の走行距離よりも短くなり,凹側の車輪と凸側の車輪の間に速度差が生じることになる。このため,互いに連結された複数の搬送台車が曲線区間や勾配区間を有する搬送路としての軌道上を走行する場合には,複数の搬送台車の各車輪間に生じる速度差を考慮する必要があり,適切な駆動制御が非常に複雑化してしまう。
また,上記特許文献2及び上記特許文献3の連結装置の構成では,連結した搬送台車同士が曲線区間や勾配区間を有する搬送路を走行する際に衝突してしまう恐れがあるうえに,曲率半径の小さい曲線区間を走行することができない。さらに,連結部が連結方向に伸縮可能であるため,搬送台車間で速度差がつきやすいという問題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり,曲線区間や勾配区間を有する搬送路としての軌道上を走行可能な搬送台車で構成され,搬送効率の向上されたコイル搬送装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために,本発明によれば,軌道上を走行し,鋼板を巻取ったコイルを搬送するコイル搬送装置であって,コイルが1つずつ載置される独立四輪駆動式の搬送台車を複数備え,それら複数の搬送台車は,隣接する搬送台車間に各々設けられた連結部により互いに相対変位可能に直列に連結されており,且つ各搬送台車の各車輪を個別に駆動制御可能な制御装置を有し,前記制御装置は,前記複数の搬送台車に連結された制御台車に設けられていることを特徴とする,コイル搬送装が提供される。
また,上記コイル搬送装置において,前記軌道が幅方向の一方側にだけ凸の曲線形状を有し,前記連結部は,幅方向において前記曲線形状の凹側に設けられていてもよい。
また,上記コイル搬送装置において,前記制御装置は,各搬送台車の各車輪の駆動をドループ制御してもよい。
また,上記コイル搬送装置において,前記制御装置は,各搬送台車が前記軌道の曲線形状の区間を走行する際に,幅方向において前記曲線形状の凹側の車輪だけを駆動させるように制御してもよい。
また,上記コイル搬送装置において,前記連結部による隣接する搬送台車間の相対変位を規制可能な規制装置を有していてもよい。
本発明によれば,直列に接続された複数の搬送台車同士を互いに相対変位可能に構成し,各搬送台車の各車輪を個別に駆動制御するようにしたことにより,曲線区間や勾配区間を有する搬送路としての軌道上を走行する際に各搬送台車の各車輪の駆動制御が非常に容易化されるうえに,複数の搬送台車同士の速度差をなくすことができる。また,従来よりも曲率半径の小さい曲線区間や,従来よりも勾配の急な勾配区間を有する軌道上を走行することが可能になり,極めて複雑なコイル搬送ルートに対応しつつ,例えば分単位で生産される例えば最大重量45ton程度のコイルを同時に複数個搬送できるという利点を有する。さらに,搬送台車が曲線形状の区間を走行する際に,幅方向において前記曲線形状の凹側の車輪だけを駆動させるように制御を行うことによって,曲率半径の小さい曲線区間を適切に走行可能になる。また,軌道が幅方向の一方側にだけ凸の曲線形状を有する場合には,前記連結部を幅方向において前記曲線形状の凹側(即ち,内側)に設けることによって,曲率半径の極めて小さい曲線区間を走行することができる。また,特にコイルを搬送する距離が長い場合には,搬送台車の走行区間を分割する従来のバケツリレー方式の搬送装置よりも搬送路の設計容易化と台車の必要台数・駆動装置仕様レベルの低減により,設備費用が軽減され,安定した操業が可能になる。このコイル搬送装置は,コイル搬送路が既設のコイル置き場によって規定される場合の,即ちコイル穴横搬送化改造の場合に特に有効に機能発揮するものである。
以下,図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について説明をする。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は,本発明の実施の形態に係るコイル搬送装置1を説明する図である。図1に示すように,コイル搬送装置1は,第1のスキッド群2から第2のスキッド群3まで配設された軌道としてのレール4と,このレール4上を走行してコイル5を搬送する搬送台車群6とで構成される。本実施の形態では,レール4の長さは,第1のスキッド群2から第2のスキッド群3までの長さが約200mである。なお,レール4は,200m以上の任意の長さであってよい。
本実施の形態では,図1に示すように,第1のスキッド群2から第2のスキッド群3まで配設されたレール4は,曲率半径Rの略曲線状に延在する曲線区間ABを有する。曲率半径Rの値は,例えば約8m程度と極めて小さい値であってよい。さらに,レール4の曲線区間ABに続いてBC区間は,勾配を有する区間である。勾配は,例えば40/1000程度と急勾配であってよい。図2は,本実施の形態に係るレール4の区間ACの鉛直方向における高さの変化を示した図である。図2に示すように,レール4の曲線区間ABは,略水平区間であり,続いてBC区間において勾配を有する形状となっている。
本実施の形態では,搬送台車群6が搬送するコイル5は,例えば幅が約600〜2200mm,外径が約900〜2000mm,内径が約750mm程度の大きさであり,質量が約9〜45tonである。第1のスキッド群2は,コイル5を載置可能な複数のスキッド7で構成される。第2のスキッド群3は,コイル5を載置可能な複数のスキッド8で構成される。本実施の形態では,熱延されたコイル5は次に酸洗処理されるので,第2のスキッド群3が酸洗設備前面冷却場9に近接して配設されている。第1のスキッド群2は,図1に示すように,複数のスキッド7がレール4に沿って所定間隔で配置された構成を有する。同様に,第2のスキッド群3は,図1に示すように,複数のスキッド8がレール4に沿って所定間隔で配置された構成を有する。本実施の形態では,第1のスキッド群2及び第2のスキッド群3は,各々,5台のスキッド7及び8で構成される。
図3は,本発明の実施の形態に係るスキッド7,8の斜視図である。なお,スキッド7とスキッド8は,同一に構成され,同一に機能するので,以下では,スキッド7について説明する。スキッド7は,厚みのある平板形状の基部20と,この基部20上に設けられた1対のコイル支持体21a,21bとで構成される。
コイル支持体21a,21bは,図3に示すように,長方形と直角三角形を,直角三角形の頂角と長方形の頂角が180度の角を形成するように結合させた形状の底面を有する柱体形状をしている。コイル支持体21a及び21bは,同一形状をしており,各々の傾斜面22a及び22bが互いに対向するように,基部20上に配置される。これにより,コイル支持体21a及び21bは,互いに協働して,図3に示すように,傾斜面22a,22bの間に穴部分を横向きの状態にしたコイル5を支持することができる。
基部20は,図3に示すように,レール4側に若干突出した平板形状のレール用基部23と,このレール用基部23の上に配設された子台車用レール24とを,コイル支持体21a及び21bの間に備えている。これにより,搬送台車群6を構成する後述の親子台車30の子台車40が子台車用レール24上を走行して,スキッド7のコイル支持体21a及び21bの間に進入し,コイル支持体21a及び21b上にコイル5を載置することが可能になる。同様に,子台車40が,コイル支持体21a及び21b上に載置されたコイル5を回収することも可能になる。
図4は,搬送台車群6の側面図である。図4に示すように,搬送台車群6は,コイル5を搬送可能な搬送台車としての複数の親子台車30が連結部31によって互いに相対変位可能に直列に連結された構成を有する。この構成により,複数の親子台車30が搬送台車群6として一緒に走行することが可能になる。直列に連結された複数の親子台車30は,第1のスキッド群2又は第2のスキッド群3に隣接して停車する際に,親子台車30の各々が各スキッド7又は8に1対1に対応する構成にされている。
さらに,曲線部の台車走行駆動において駆動制御実施上の問題があった。即ち,図示しない制御装置(走行モータ駆動制御装置と走行制御装置)の配置において,制御装置を地上に設置し,台車との通信手段として通常の無線通信を採用した場合には確実性の懸念があった。そのため,遠隔通信で最も信頼性の高い光通信を台車との通信手段として選定すると,特に曲線部分では,上記光通信が途絶えてしまうために,台車の走行を制御する走行制御装置と台車の走行モータを駆動制御する走行モータ駆動制御装置(例えばインバータ等)とを搬送台車上に搭載する必要が生じる。この配置を前提にして,各親子台車30の各々に走行制御装置および走行モータ駆動制御装置を個別に配置した場合,各親子台車30の長さが少し長くなり,スキッド7,8全体の長さが長くなるという問題が生じる。この問題は,図4に示すように,走行モータ駆動制御装置51aと走行制御装置51bと(まとめて制御装置51とする)を複数親子台車分をまとめて搭載した制御台車50を前後に連結することにより解決される。本実施の形態では親子台車30を駆動させる無駆動の制御台車50を親子台車30の前後に配置している。図4の例では,5台の親子台車30のうちの先頭の親子台車30に連結された制御台車50に,前側3台の親子台車30の制御装置51(走行モータ駆動制御装置51a及び走行制御装置51b)を搭載し,最後尾の親子台車30に連結された制御台車50に,後側2台の親子台車30の制御装置51(走行モータ駆動制御装置51a及び走行制御装置51b)を搭載している。スキッド全体の長さが少々長く取れる場合には各親子台車30に制御装置51(走行モータ駆動制御装置51a及び走行制御装置51b)を搭載してもよい。これらの重量は搭載するコイルに比較して小さいので,構造的または経済的に問題にならない。
図5は,本発明の実施の形態に係る親子台車30の斜視図である。図5に示すように,親子台車30は,コイル5を支持して走行可能な子台車40と,この子台車40を搭載してレール4上を走行可能な親台車32とで構成される。
親子台車30の親台車32は,図5に示すように,厚みのある平板形状の下部支持体33に,1対のコイル支持体34a,34bが設けられた構成を有する。下部支持体33は,親台車32の走行方向の前側及び後側の側面に他の親子台車32と連結する連結部31を備えている。この連結部31は,親台車32同士を互いに屈折自在に且つ台車間隔を変えずに連結することができる。下部支持体33には,複数の車輪36が設けられている。駆動装置(図示せず)によって複数の車輪36を駆動させることで,親台車32はレール4上を走行可能である。本実施の形態では,下部支持体33には左右で対をなす車輪36が走行方向の前側と後側に合計4つ設けられており,親子台車30は,4つの車輪36の各々に設けられた駆動装置としてのモータ(図示せず)が制御装置51によって別個独立に駆動制御可能な独立四輪駆動式になっている。また,4つの車輪36は,いずれも回転水平軸を鉛直軸線回りに旋回して向きを変更できるように構成されている。
本実施の形態では,図1に示すように,軌道としてのレール4が有する曲線区間はABだけであり,この曲線区間ABは,幅方向の一方側だけに凸の曲線形状になっている。親子台車30が曲線区間ABを走行する際には,幅方向において曲線形状の凹側(即ち,内側)の車輪の走行距離が凸側(即ち,外側)の車輪の走行距離よりも短くなる。このため,4つの車輪36のうち,幅方向において曲線区間ABの曲線形状の凹側(即ち,内側)の2つの車輪36は,下部支持体33に対して固定されているのに対し,曲線区間ABの曲線形状の凸側(即ち,外側)の2つの車輪36は,下部支持体33に対して少なくとも幅方向に可動できるように構成されている。この可動部分の機構としては,例えば特開2004−210546号公報に開示されている二重旋回ベアリングの構成が用いられている。
下部支持体33は,平板形状のレール用基部37と,このレール用基部37の上に配設された子台車用レール38とを,コイル支持体34a及び34bの間に備えている。なお,親台車32のレール用基部37は,親台車32がスキッド7,8に隣接して停車した際に,親台車32の子台車用レール38がスキッド7,8の子台車用レール24と接続されて,子台車40が親台車32とスキッド7,8との間を移動できるように,スキッド7,8側に若干突出した形状をしている。
親台車32のコイル支持体34a,34bは,スキッド7,8のコイル支持体21a,21bと同様に,図5に示すように,長方形及び直角三角形を,直角三角形の頂角と長方形の頂角が180度の角を形成するように結合させた形状の底面を有する柱体形状をしている。コイル支持体34a及び34bは,同一形状をしており,各々の傾斜面35a及び35bが互いに対向するように,下部支持体33上に配置される。これにより,コイル支持体34a及び34bは,互いに協働して,図5に示すように,傾斜面35a,35bの間に穴部分を横向きの状態にしたコイル5を支持することができる。
親子台車30の子台車40は,図5に示すように,複数の車輪41を備えた下部支持体42に,昇降機構43が設けられた構成を有する。駆動装置(図示せず)によって複数の車輪41を駆動させることで,子台車40は子台車用レール38及び24上を走行可能である。昇降機構43は,下部支持体42上に設けられた支持体44と,この支持体44によって支持され昇降可能なプランジャ45と,プランジャ45の上部にコイル5を支持可能に設けられたコイル支持板46とで構成されている。コイル支持板46の上面は,子台車40の走行方向に平行な中心線部分が最低位置になり,その両側の縁辺部分が最高位置になるように,鉛直方向断面がV字状の傾斜面が形成されている。これにより,コイル支持板46上に載置されたコイル5が安定して保持することができる。
図1に示す酸洗入側冷却場9は,熱延されたコイル5を土間置き空冷するための区域であり,コイル5は空冷後に酸洗処理してから冷間圧延される。本実施の形態では,第2のスキッド群3のスキッド8上に載置されたコイル5が,クレーン(図示せず)等によって冷却場9内に搬入されるように構成されている。
次に,上述したように親台車32同士(即ち,親子台車30同士)を互いに屈折自在に連結する連結部31の構成の一例について説明する。図6は,連結部31の構成の一例を示す平面図である。図6に示す例では,隣接する親子台車30を連結するように各親台車32の連結方向端部に各々設けられた連結部31は,幅方向の一端に配置されている。連結部31は,隣接する親子台車30を相対変位可能にして連結する連結機構52と,連結機構52によって連結される親子台車30の相対変位を規制する変位規制装置53とを有している。また,各親台車32の幅方向の他端には,隣接する親台車32同士の衝突を防止するように当接部材67が設けられている。なお,連結方向とは,隣接する親子台車30を連結する方向であり,親子台車30の幅方向と直交する方向を意味している。
本実施の形態では,図1に示すように,レール4が有する曲線区間ABは幅方向の一方側にだけ凸の曲線形状になっているため,連結部31は,図6に示すように,幅方向において曲線区間ABの曲線形状の凹側(即ち,内側)の端部に設けられている。
図7は,図6に示す連結部31を拡大して示した平面図である。また,図8は,図7に示す連結部31の支持部材59付近を拡大して示した平面図である。図6〜図8に示す連結部31の例では,後述するように,親子台車30同士の間隔を一定に保持する状態と,親子台車30同士の間隔の変化を(所定の範囲内で)許容する状態との2つの状態を任意に切替可能な構成になっている。以下,図6〜図8を用いて連結部31の構成について説明する。
連結機構52は,隣接する親台車32の各下部支持体33にそれぞれ設けられた連結用基部56同士を連結部材57で接続する構成になっている。図6に示すように,連結用基部56は,各親子台車30(即ち,下部支持体33)の連結方向端部において,幅方向における一端に設けられており,各下部支持体33から連結方向に突出した形状になっている。一方,各親子台車30の連結方向端部において幅方向における他端には,当接部材用基部76が設けられている。各当接部材用基部76には,当接部材67が各々設けられており,走行中に万一隣接する親子台車30同士が,曲線区間ABの曲線形状の凹側に揺動した場合にも親子台車30同士が直接衝突しないようになっている。
図7及び図8に示すように,対向する連結用基部56のうちの一方の連結用基部56aには,一対のストッパー58(即ち,58a,58b)が親子台車30の連結方向に離間して設けられている。これら一対のストッパー58間には,略水平面内を一軸回りに揺動することにより親子台車30の連結方向に変位することが可能な支持部材59が設けられている。
連結部材57は,一方の連結用基部56aに対して,支持部材59を介して接続されている。このため,支持部材59の変位が許容された状態では,隣接する親子台車30の相対変位が許容されることになり,支持部材59の変位を規制された状態では,隣接する親子台車30の相対変位が規制されることになる。
変位規制装置53は,支持部材59を一対のストッパー58のうちのいずれか一方に選択的に押付けて固定する押圧機構61を有している。本実施形態では,押圧機構61は,一方の下部支持体33の側面に設けられた油圧シリンダが用いられている。油圧シリンダ61は,シリンダ61a内から延在するプランジャ61bが進退することにより伸縮できるように構成されている。油圧シリンダ61の一端では,シリンダ61aがピン結合により下部支持体33に接続されており,他端では,プランジャ61bが後述するピン59bを介して支持部材59に接続されている。これにより,押圧機構としての油圧シリンダ61は,シリンダ61aと下部支持体33の接続部を支点として略水平面内で揺動できるようになっている。
支持部材59は,一方の連結用基部56aに対して親子台車30の連結方向に平行な面(即ち,水平面)上で,一軸回りに揺動可能にして設けられている。本実施形態では,支持部材59は,平面視略長方形をなす板形状をしている。支持部材59は,ストッパー58間を横断するように配置された状態で,長手方向における一端Mを一方の連結用基部56aに対してピン59aを介して接続されている。これにより,支持部材59は,ピン59aを揺動中心として一方のストッパー58aから他方のストッパー58bまでの範囲内で略水平面上を揺動することができるようになっている。
支持部材59の長手方向における他端Nには,支持部材59の長手方向に略直交する長穴59cが形成されている。この長穴59cは,ピン59aを中心とする円弧状に形成されている。プランジャ61bを支持部材59に接続するピン59bは,長穴59cに対して,長穴59cに沿って移動可能に係合されている。このため,支持部材59とプランジャ61bとの間には,長穴59cの円弧の長さ分の遊びが確保されている。
連結部材57は,略棒状の部材であって,その一端57aは,ピン70aを介して支持部材59に接続されている。図7に示すように,連結部材57の一端57aは,支持部材59の長穴59cとピン59aとの間の中間位置に接続されている。本実施の形態では,ピン70aの先端は,球状に形成されており,連結部材57の一端57aに設けられた球ブッシュ(玉軸受)に回動可能に接続されている。これにより,連結部材57は,一方の連結用基部56a側において,ピン70aを回動中心として,支持部材59に対して略水平面内の二次元的な回動に加えて鉛直方向の回動を行うことができるようになっている。即ち,連結部材57は,一方の連結用基部56aに対して三次元的に回動可能になっている。
また,連結部材57の他端57bは,他方の連結用基部56bに対してピン70bを介して接続されている。ピン70bの先端についてもピン70aと同様に球状に形成されており,連結部材57の他端57bに設けられた球ブッシュ(玉軸受)に回動可能に接続されている。これにより,連結部材57は,他方の連結用基部56bに対してもピン70bを回動中心として,三次元的に回動することが可能になっている。
上述したように,連結部材57の両端57a,57bが両側の親子台車30に三次元的に回動可能に接続されているため,連結された親子台車30が略水平な走行区間を走行する場合には,連結部材57は,一端57aがピン70aを揺動中心として,連結用基部56a(支持部材59)に対して略水平面上で相対的に揺動し,他端57bがピン70bを揺動中心として,連結用基部56bに対して略水平面上で相対的に揺動することが可能である。そして,連結された親子台車30が傾斜した走行区間を走行する場合には,連結部材57は連結用基部56a,56bに対して前述した略水平面上の揺動に加えて,鉛直方向にも揺動することが可能である。
押圧機構としての油圧シリンダ61は,支持部材59のうち,支持部材59の揺動中心であるピン59aの位置に対して,連結部材57との接続位置(即ち,ピン70aの位置)よりも遠くに離間した位置(即ち,支持部材59の他端N近傍)を押圧するように構成されている。これにより,押圧機構61が支持部材59を固定するのに要する力が小さくて済み,押圧機構61の小型化,低コスト化を図ることができる。本実施形態では,押圧機構61を構成する油圧シリンダのプランジャ61bは,その先端がピン59bを介して支持部材59の他端Nに接続されている。これにより,プランジャ61bをシリンダ61a内から退出する方向に伸張させることによって,図8の一点鎖線で示すように,支持部材59をストッパー58bに押付けて固定することができる。また,プランジャ61bをシリンダ61a内に進入させる方向に伸縮させることによって,図8の二点鎖線で示すように,支持部材59をストッパー58aに押付けて固定することができる。
図7に示すように,連結部材57は,一方の連結用基部56aに接続される側を構成する第1連結部材62と,他方の連結用基部56bに接続される第2連結部材63とを有している。第1連結部材62は,他方の連結用基部56a側の端部が中空円筒形状をなしており,この端部内に第2連結部材63の一方の連結用基部56a側の端部が挿入されるようになっている。第1連結部材62の他方の連結用基部56b側の端部には,この端部より離間した位置に外フランジ62aが設けられている。第2連結部材63の一方の基部56a側の端部には,この端部より離間した位置に外フランジ63aが設けられている。
これら外フランジ62a,63aの間には,連結部材57と略同軸にして圧縮コイルばね64が設けられている。また,これら外フランジ62a,63aは,連結部材57と略平行にして,かつ外フランジ62a,63aに対して摺動可能にして,ガイドロット65に挿通されている。ガイドロット55の両端には外フランジ62a,63aを受ける抜け止め65aが設けられている。即ち,第1連結部材62と第2連結部材63とは,ガイドロット65の長さの範囲内でガイドロット65に沿って(連結部材57の長手方向に沿って)相対変位可能とされている。
このように構成される連結部材57に対して,長手方向に沿った向きに衝撃が加わると,第1連結部材62と第2連結部材63とが近接する。すると,第1連結部材62の外フランジ62aと第2連結部材63の外フランジ63aとの間に配置される圧縮コイルばね64が圧縮されて,圧縮コイルばね64によってこの衝撃のエネルギーが吸収される。即ち,第1連結部材62,第2連結部材63,及び圧縮コイルばね64は,連結機構52に加わる衝撃を緩衝する衝撃緩衝装置66を構成している。これにより,親子台車30が急停車した場合等,親子台車30間に強い力が加わっても,親子台車30や連結機構52に損傷が生じにくい。
以上のように構成された搬送台車群6を用いたコイル5の搬送について説明する。熱間圧延ラインで熱延されたコイル5が,例えばクレーン(図示せず)等によって第1のスキッド群2を構成する5台のスキッド7の全てに穴部分を横向きの状態にして載置される。
コイル5を保持しない搬送台車群6がレール4上を走行し,第1のスキッド群2に隣接して停車する。この際に,搬送装置6を構成する5台の親子台車30の各々が,第1のスキッド群2の5台のスキッド7に1対1に対応するように停車する。これにより,第1のスキッド群2の各スキッド7の子台車用レール24と,各親子台車30の親台車32に設けられた子台車用レール38とが近接し,接続される。なお,搬送台車群6を停車させる際には,変位規制装置53による規制を解除し,各親子台車30の相対変位が許容された状態で位置合わせを行う。コイル5を保持しない子台車40が,子台車用レール24,38を走行し,各親台車32から各スキッド7に進入する。
スキッド7に進入した子台車40は,コイル支持体21a及び21bの間に停車し,コイル5の下に位置する。子台車40の昇降機構43が作動し,低位置に停止していたコイル支持板46が,プランジャ45と共に上昇する。この上昇に伴い,コイル支持体21a及び21b上に支持されていたコイル5が,コイル支持板46上に移載される。コイル支持板46は,そのまま高位置で停止する。子台車40は,コイル支持板46でコイル5を支持した状態で子台車用レール24,38を走行し,スキッド7から親台車32に進入する。
親台車32に進入した子台車40は,コイル支持体34a及び34bの間に停車する。子台車40の昇降機構43が作動し,高位置で停止していたコイル支持板46が,コイル5を支持した状態でプランジャ45と共に下降する。この下降に伴い,コイル支持板46上に支持されていたコイル5が,コイル支持体34a及び34b上に移載される。このようにして,搬送装置6を構成する5台の親子台車30は,各々,5台のスキッド7からコイル5を回収する。
コイル5を受け取った搬送台車群6は,レール4上を走行し,曲線区間ABおよび傾斜した勾配区間BCを経由し走行する。なお,搬送台車群6を走行させる前に,変位規制装置53による規制を設定し,各親子台車30の相対変位を規制した状態で走行を開始させる。これにより,各親子台車30の速度差が生じてしまう事態を防止できる。
曲線区間走行の場合には,内周・外周の曲率半径差により内輪・外輪の速度差が大きく発生する。かつ正確な速度指令は走行車輪とレールの位置関係により微妙に変動するために設定が困難であり,このために,例えば外輪をフリーランとする制御を行う。即ち,曲線区間ABの曲線形状の凹側(即ち,内側)の車輪だけを駆動させる。さらに水平部分と勾配部分の乗り移りや直線部分と曲線部分の乗り継ぎ部分では隣接する親子台車30の間や,各親子台車30の前後車輪の間で微妙な速度差が生じるために,設定速度に対して実績速度差を許容する速度制御,いわゆるドループ制御を実施する。これら制御の必要から,本実施の形態では,複数の親子台車30の各駆動装置に,独立四輪駆動方式を採用する。当該方式を採用することにより,各個別車輪の摩耗量が異なった場合にも,4車輪に均一な走行トルクを分配することが可能になり,安定走行を実現できる。
ドループ制御について説明する。搬送台車群6がレール4上を走行する際には,互いに直列に連結した各親子台車30は,レール4上での各位置が異なっており走行条件が必ずしも同一でない。例えば搬送台車群6の先頭の親子台車30が図1に示す勾配区間BCに進入した時点では,後続の親子台車30はまだ水平な曲線区間ABを走行している。このように,各親子台車30の車輪36に加わる負荷は各親子台車30毎に異なっている。さらに,親子台車30が曲線区間ABを走行する場合には,曲線形状の凸側を走行する車輪36の方が凹側を走行する車輪36よりも走行距離が長くなる等,同一の親子台車30が有する4つの車輪36の間でも,車輪に加わる負荷は相違している。本実施の形態では,制御装置51によって各親子台車30の各車輪36の駆動をドループ制御し,例えば各車輪36に加わる負荷が大きい場合には回転数を小さくし,負荷が小さい場合には回転数を大きくする等,各々の負荷の値に応じて各車輪36の回転数を個別に変化させることで,各車輪36の回転駆動を協働させることが可能になる。これにより,各親子台車30間の速度差を低減又は解消することができる。
このように搬送台車群6は,曲線区間AB及び勾配区間BCを経由して,第2のスキッド群3に隣接して停車する。搬送台車群6は湾曲した曲線区間ABを走行する際に,連結部31の連結部材57の両端57a,57bを各々回動軸にして各親子台車30の向きを適切に変化させることで,レール4の形状に沿って適応し走行する。また,搬送台車群6が略水平な曲線区間ABから傾斜した勾配区間BCに進入する際や,傾斜した勾配区間BCから退出する際に,隣接する親子台車30の間の連結部材57の両端57a,57bが各々鉛直方向に回動し,各親子台車30の傾斜角度に差が生じても問題なく走行させることができる。さらに,勾配区間BCの傾斜角度が一定でない場合にも連結部材57の両端57a,57bが回動することによって,各親子台車30の傾斜角度の差に対応可能である。
また,搬送台車群6が第2のスキッド群3に隣接して停車する際には,搬送台車群6を構成する5台の親子台車30の各々が,第2のスキッド群3の5台のスキッド8に1対1に対応するように停車する。これにより,第2のスキッド群3の各スキッド8の子台車用レール24と,各親子台車30の親台車32に設けられた子台車用レール38とが近接し,接続される。なお,搬送台車群6を停車させる際には,変位規制装置53による規制を解除し,各親子台車30の相対変位が許容された状態で位置合わせを行う。
親台車30からスキッド8へコイルを移載する際には次の手順の作業が行われる。子台車40の昇降機構43が作動し,低位置に停止していたコイル支持板46が,プランジャ45と共に上昇する。この上昇に伴い,コイル支持体34a及び34b上に支持されていたコイル5が,コイル支持板46上に移載される。コイル支持板46は,そのまま高位置で停止する。子台車40が,コイル支持板46でコイル5を支持した状態で子台車用レール24,38を走行し,親台車32からスキッド8に進入する。
スキッド8に進入した子台車40は,コイル支持体21a及び21bの間に停車する。子台車40の昇降機構43が作動し,高位置に停止していたコイル支持板46が,プランジャ45と共に下降する。この下降に伴い,コイル支持板46上に支持されていたコイル5が,コイル支持体21a及び21b上に移載される。コイル支持板46は,そのまま低位置で停止する。子台車40は,コイル5を保持しない状態で子台車用レール24,38を走行し,スキッド8から親台車32に進入する。このようにして,搬送装置6を構成する5台の親子台車30は,各々,5台のスキッド8にコイル5を載置する。
第2のスキッド群3のスキッド8上に載置されたコイル5は,クレーン(図示せず)によって冷却場9に搬入される。冷却場9に搬入されたコイル5は,例えば酸洗処理され,その後,冷延処理される。
一方,コイル5を載置した搬送装置6は,レール4上を走行し,再び,第1のスキッド群2に向かう。そして,上述したコイル5の回収と載置を周期的に繰返す。
以上の実施の形態によれば,搬送台車群6の複数の親子台車30を互いに相対変位可能に直列に連結された構成にすると共に,各親子台車30の各車輪36を制御装置51によって個別に駆動制御されるようにしたので,曲線区間ABや勾配区間BCを有する搬送路としてのレール4上を走行する際に駆動制御が非常に容易化される。例えば,制御装置51によって各車輪36の駆動を個別にドループ制御することによって,車輪36の位置や他の車輪の駆動速度とを意識せずに制御することが可能になり,従来公知のコイル搬送技術の場合のように,複数の親子台車30の各親子台車30のレール4上の位置に基づいて駆動速度を算出し,各親子台車30を制御するという非常に複雑な制御が不要になる。さらに,このように個別に駆動制御した場合には,複数の親子台車30同士の速度差を従来よりも軽減又は解消することができる。搬送台車群6は,曲率半径Rが例えば8m程度に小さい曲線区間ABを有するレール4上を走行し,複数のコイル5を1度に搬送することができる。同様に,搬送台車群6は,例えば40/1000程度の勾配のある勾配区間BCを有するレール4上を走行し,複数のコイル5を1度に搬送することができる。
特に,搬送台車群6の複数の親子台車30が曲線形状である曲線区間ABを走行する際に,曲線区間ABを走行する親子台車30の4つの車輪36のうち,幅方向において曲線形状の凹側(即ち,内側)の2つの車輪36だけを駆動させ,曲線形状の凸側(即ち,外側)の2つの車輪36を駆動せずにフリーランとすることによって,曲線区間ABを適切に走行可能になる。さらに,曲線形状の凹側の車輪36と凸側の車輪36との間の速度差を軽減又は解消することができる。また,本実施の形態のようにレール4の有する曲線区間ABが幅方向の一方側にだけ凸の曲線形状になっている場合には,親子台車30同士を連結する連結部31を幅方向においてこの曲線形状の凹側(即ち,内側)に設けることによって,親子台車30同士の距離を最小化し,従来よりも曲率半径の極めて小さい曲線区間を走行することが可能になる。
さらに,従来のバケツリレー方式の搬送方法等のように,複数の親子台車30の走行区間を別個に設ける必要がないので,勾配区間や曲線部分途中に中継スキッドを設置することなく,即ち,複数の親子台車30の必要台数が軽減されるのみならず,搬送路設計の容易化と台車走行装置仕様レベルの低減が図られる。結果として大幅な設備費用の削減が可能である。例えば搬送路長200mの場合には,本発明の搬送台車群6は親子台車5台と制御台車2台で対応可能であるが,バケツリレー方式を採用すると,親子台車30が10台程度必要なうえに台車走行駆動装置の仕様レベルが高くなってしまう。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においては,搬送台車群6が5台の親子台車30で構成される場合について説明したが,搬送台車群6は,2以上の任意の台数の親子台車30で構成されてもよい。
また,上述した実施形態においては,レール4が有する勾配区間と曲線区間とが同一の区間ABCである場合について説明したが,レール4が有する勾配区間と曲線区間は離れた位置に設定されてもよい。また,レール4は,勾配区間又は曲線区間の両方を有していてもよいし,いずれか一方のみを有していてもよい。さらに,レール4が有する勾配区間又は曲線区間は,1つだけでもよいし,複数でもよい。
また,上述した実施形態においては,熱延されたコイル5を酸洗入側冷却場9に搬送する場合について説明したが,熱延されたコイル5の搬送先は,例えば熱延精整設備等のその他の設備であってよい。
また,上述した実施形態においては,連結部材57の両端57a,57bが親子台車30に各々三次元的に回動可能に接続されている場合について説明したが,例えば,搬送台車群6が略水平な走行経路だけを走行する場合には,連結部材57の両端57a,57bが親子台車30に二次元的に回動可能に(即ち,水平面内でだけ揺動可能に)接続された構成にする等,連結部材57による隣接する親子台車30の接続構成を任意の構成にしてもよい。
また,上述した実施形態においては,連結部31の連結用基部56が各親子台車30(即ち,下部支持体33)の連結方向端部において幅方向の一端に設けられている場合について説明したが,例えば,搬送台車群6の走行経路が幅方向において一方側にだけ凸ではない曲線形状になっている軌道を描いている場合には,連結用基部56は,各親子台車30の連結方向端部において幅方向における中央部に設けられていてもよい。
また,上述した実施形態においては,連結部31が変位規制装置53を備えた図6に示す構成である場合について説明したが,連結部31は,変位規制装置53を備えていない構成であってもよいし,その他任意の構成であってよい。
本発明は,例えば,鋼板の熱間圧延ライン等で処理されたコイルを次の搬送先に搬送するコイル搬送装置として有用である。
本発明の実施の形態に係るコイル搬送装置を説明する図である。 本発明の実施の形態の実施に用いられるレールを説明する図である。 本発明の実施の形態の実施に用いられるスキッドの斜視図である。 本発明の実施の形態の実施に用いられる搬送台車群の側面図である。 本発明の実施の形態の実施に用いられる親子台車の斜視図である。 本発明の実施の形態の実施に用いられる連結部31の構成の一例を示す平面図である。 図6に示す連結部31を拡大して示した平面図である。 図7に示す支持部材59付近を拡大して示した平面図である。
符号の説明
1 コイル搬送装置
2,3 スキッド群
4 レール
5 コイル
6 搬送台車群
7,8 スキッド
9 酸洗入側冷却場
A,B,C レール内の地点
R 曲率半径
20 スキッド基部
21a,21b (スキッドの)コイル支持体
22a,22b (スキッドの)コイル支持体傾斜面
23 (スキッドの)レール用基部
24 (スキッドの)子台車用レール
30 親子台車
31 連結部
32 親台車
33 下部支持体
34a,34b (親子台車の)コイル支持体
35a,35b (親子台車の)コイル支持体傾斜面
36 親台車車輪
37 (親子台車の)レール用基部
38 (親子台車の)子台車用レール
40 子台車
41 子台車車輪
42 下部支持体
43 昇降機構
44 昇降装置支持体
45 プランジャ
46 コイル支持板
50 制御台車
51 制御装置
51a 走行モータ駆動制御装置
51b 走行制御装置
52 連結機構
53 変位規制装置
56,56a,56b 連結用基部
57 連結部材
57a,57b 連結部材の端部
58,58a,58b ストッパー
59 支持部材
59a,59b ピン
59c 長穴
61 押圧機構(油圧シリンダ)
61a シリンダ
61b プランジャ
62 第1連結部材
62a,63a 外フランジ
63 第2連結部材
64 圧縮コイルばね
65 ガイドロット
65a 抜け止め
67 当接部材
70a,70b ピン
76,76a,76b 当接部材用基部
M,N 支持部材59の長手方向の端部

Claims (5)

  1. 軌道上を走行し,鋼板を巻取ったコイルを搬送するコイル搬送装置であって,コイルが1つずつ載置される独立四輪駆動式の搬送台車を複数備え,それら複数の搬送台車は,隣接する搬送台車間に各々設けられた連結部により互いに相対変位可能に直列に連結されており,且つ各搬送台車の各車輪を個別に駆動制御可能な制御装置を有し,前記制御装置は,前記複数の搬送台車に連結された制御台車に設けられていることを特徴とする,コイル搬送装置。
  2. 前記軌道が幅方向の一方側にだけ凸の曲線形状を有し,前記連結部は,幅方向において前記曲線形状の凹側に設けられていることを特徴とする,請求項1に記載のコイル搬送装置。
  3. 前記制御装置は,各搬送台車の各車輪の駆動をドループ制御することを特徴とする,請求項1又は2に記載のコイル搬送装置。
  4. 前記制御装置は,各搬送台車が前記軌道の曲線形状の区間を走行する際に,幅方向において前記曲線形状の凹側の車輪だけを駆動させるように制御することを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載のコイル搬送装置。
  5. 前記連結部による隣接する搬送台車間の相対変位を規制可能な規制装置を有することを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載のコイル搬送装置。
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