JP3834224B2 - 化学物質検出方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学物質検出方法及び装置に係り、特に、赤外線多重内部反射法により化学物質の同定及びその定量化を行う化学物質検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学物質の種類を同定し或いはその濃度を定量化することは、様々な局面において要請されている。例えば、半導体装置の製造プロセスにおいては、製造歩留まりを向上して高品質の半導体装置を製造するために、製造過程にある半導体基板上に付着した有機汚染物質などの化学物質を測定・管理することが必要である。また、大気中に存在する化学物質、例えば、ゴミ焼却施設等から排出されるダイオキシン類などの微量な化学物質に起因する環境汚染や、新築住宅やマンションの建材に含まれるVOC(揮発性有機物質:Volatile Organic Compond)と称される化学物質による健康障害が社会問題となっており、大気中に含まれる化学物質を測定・管理することが急務となっている。
【0003】
このような化学物質を測定する一手段として、本願発明者等は、赤外線多重内部反射法により化学物質を検出する方法を既に提案している(例えば、特開2000−55815号公報、特願平11−231495号明細書等を参照)。
【0004】
特開2000−55815号公報に記載の化学物質検出方法は、赤外透過基板の内部を多重反射した後に放出される赤外線を分析することにより、基板上に付着した化学物質の種類を同定し、その濃度を定量化するものである。赤外透過基板の一端に赤外線を特定の入射角度で入射すると、赤外線は基板内部を両表面で全反射を繰り返しながら伝搬する。その際、基板表面に赤外線が滲み出し(エバネッセント光)、表面に付着した化学物質により特定波長域の赤外線が吸収される。したがって、基板の他端から放出された伝搬光をFT−IRによって分光分析することにより、基板表面に付着した化学物質の検出、同定が可能である。
【0005】
また、特願平11−231495号明細書に記載の化学物質検出方法は、特開2000−55815号公報に記載の化学物質検出方法を用いて大気中の化学物質の濃度を測定するものである。測定対象の環境中に赤外透過基板を曝した後、この基板を用いて赤外線多重内部反射法により化学物質の測定を行うことで、基板上に付着した化学物質の付着量から大気中の化学物質の濃度を算出することができる。
【0006】
これら測定法は、GC/MS法などに比べて同等の感度をもつとともに、測定にリアルタイム性があり、且つ、簡便で経済的である。また、この測定法は非破壊測定であり、製造プロセス中にある半導体基板をそのまま測定することも可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の化学物質検出方法では、透過赤外線の吸光度に基づいて化学物質の付着量を算出するが、化学物質による吸収以外の赤外光量の変化が見られる場合には、正確な付着量を求めることができなかった。
【0008】
例えば、赤外光源から発せられる赤外線の光量は、室温の変化によって変化する。赤外線の光源は通常1000℃程度の発熱体であるが、光源に入力される電力が一定であった場合、光源の温度は室温により決定される。したがって、室温が低ければ光源の温度が下がり、光量が減少する。その逆に、室温が高ければ光量が増加する。
【0009】
また、多重内部反射基板が半導体基板であった場合、基板の温度が変化すると基板内のフリーキャリアの量が変化する。フリーキャリアは赤外線を吸収するため、基板温度の変化によって多重内部反射基板の赤外線の透過率が変化する。
【0010】
これら要因によって基板を透過する赤外線の光量が変化すると、従来の化学物質検出方法では、光量の変化が基板表面に付着した化学物質による吸収のためであるのか他の要因によるものであるのかを区別することができず、正確な化学物質の量を算出することができなかった。
【0011】
本発明の目的は、基板に付着した化学物質以外の要因によって透過赤外線の光量が変動した場合であっても化学物質の付着量を正確に算出することができる化学物質検出方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、赤外透過基板に赤外線を入射し、前記赤外透過基板の内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて前記赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、前記赤外透過基板の基準状態において、前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の波長域において第2の光量を測定し、前記赤外透過基板の基準状態において、第5の光量を有する赤外光源を用いて、前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において第3の光量を測定し、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の光量と前記第2の光量との光量の比を用いて前記第5の光量を補正した第6の光量を有する赤外光源を用いて、前記第2の波長域において第4の光量を測定し、前記第3の光量及び前記第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物質検出方法により達成される。
【0013】
また、上記目的は、赤外透過基板に赤外線を入射し、前記赤外透過基板の内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて前記赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、前記赤外透過基板の基準状態において、前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の波長域において第2の光量を測定し、前記赤外透過基板の基準状態において、第1の透過特性を有するフィルタを介して、前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において第3の光量を測定し、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の光量と前記第2の光量との光量の比を用いて前記第1の透過特性を補正した第2の透過特性を有するフィルタを介して、前記第2の波長域において第4の光量を測定し、前記第3の光量及び前記第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物質検出方法により達成される。
【0016】
また、上記の化学物質検出方法において、前記化学物質は、複数種類の化学物質を含み、前記第2の波長域は、前記複数種類の化学物質のそれぞれについて実質的に赤外吸収が生じる複数の波長域を含み、前記複数の波長域について前記第3の光量及び前記第4の光量をそれぞれ測定することにより、前記複数種類の化学物質の付着量をそれぞれ算出するようにしてもよい。
【0017】
上記の化学物質検出方法において、前記複数種類の化学物質のうち一の化学物質により吸収が生じる波長域での前記基準状態と前記被測定状態とにおける光量変化に影響を及ぼす他の化学物質の吸収を考慮して、前記一の化学物質を定量化するようにしてもよい。
【0018】
また、上記の化学物質検出方法において、前記第1の波長域は、前記第2の波長域の近傍の波長域であることが望ましい。
【0019】
また、上記の化学物質検出方法において、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量に基づいて、大気中における前記化学物質の濃度を算出するようにしてもよい。
【0020】
また、上記目的は、赤外透過基板と、前記赤外透過基板に赤外線を入射する赤外光源と、前記赤外透過基板内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出赤外線に基づいて前記赤外透過基板上に付着した前記特定化学物質の付着量を算出する化学物質分析手段とを有し、前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において測定した第1の光量と、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記第1の波長域において測定した第2の光量との光量の比を考慮して、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する化学物質検出装置であって、前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において第5の光量を有する前記赤外光源を用いて前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において測定された第3の光量、及び前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記光量の比を用いて前記第5の光量を補正した第6の光量を有する前記赤外光源を用いて前記第2の波長域において測定された第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物質検出装置により達成される。
また、上記の化学物質検出装置において、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に透過する帯域透過フィルタを更に有し、前記化学物質分析手段は、前記帯域透過フィルタを通過した赤外線を分析するようにしてもよい。
【0021】
また、上記目的は、前記赤外透過基板に赤外線を入射する赤外光源と、前記赤外透過基板内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出赤外線に基づいて前記赤外透過基板上に付着した前記特定化学物質の付着量を算出する化学物質分析手段とを有し、前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において測定した第1の光量と、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記第1の波長域において測定した第2の光量との光量の比を考慮して、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する化学物質検出装置であって、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に透過する帯域透過フィルタを更に有し、前記化学物質分析手段は、前記帯域透過フィルタを通過した赤外線を分析するものであって、前記赤外透過基板の基準状態において第1の透過特性を有する前記帯域透過フィルタを介して前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において測定された第3の光量、及び前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記光量の比を用いて前記第1の透過特性を補正した第2の透過特性を有する前記帯域透過フィルタを介して前記第2の波長域において測定された第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物質検出装置により達成される。
【0022】
また、上記の化学物質検出装置において、前記帯域透過フィルタは、前記第1の波長域の赤外線を選択的に透過する第1のフィルタと、前記第2の波長域の赤外線を選択的に透過する第2のフィルタとを有するようにしてもよい。
【0023】
また、上記の化学物質検出装置において、前記帯域透過フィルタは、前記第1の波長域及び前記第2の波長域に透過帯域を変化できるようにしてもよい。
【0024】
また、上記の化学物質検出装置において、前記赤外光源は、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質による赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線を発するようにしてもよい。
【0025】
また、上記の化学物質検出装置において、前記赤外光源は、前記第1の波長域の赤外線を発する第1の光源と、前記第2の波長域の赤外線を発する第2の光源とを有するようにしてもよい。
【0026】
また、上記の化学物質検出装置において、前記赤外光源は、前記第1の波長域及び前記第2の波長域に赤外線の発光波長域を変化できるようにしてもよい。
【0027】
また、上記の化学物質検出装置において、前記化学物質分析手段は、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質による赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に検出する赤外検出器を有するようにしてもよい。
【0028】
また、上記の化学物質検出装置において、前記赤外検出器は、前記第1の波長域の赤外線を検出する第1の検出素子と、前記第2の波長域の赤外線を検出する第2の検出素子とを有するようにしてもよい。
【0030】
また、上記の化学物質検出装置において、前記化学物質は、複数種類の化学物質を含み、前記第2の波長域は、前記複数種類の化学物質のそれぞれについて実質的に赤外吸収が生じる複数の波長域を含み、前記化学物質分析手段は、前記第1の光量と前記第2の光量との比を用いて、前記赤外透過基板上の化学物質の量が変化した状態で前記複数の波長域において測定された光量のそれぞれを補正し、前記基準状態における前記複数の波長域にいて測定された光量及び補正後の前記赤外透過基板上の化学物質の量が変化した状態で前記複数の波長域において測定された光量に基づき、前記複数種類の化学物質のそれぞれを定量化するようにしてもよい。
【0031】
また、上記の化学物質検出装置において、前記化学物質分析手段は、前記複数種類の化学物質のうち一の化学物質により吸収が生じる波長域での前記基準状態と前記被測定状態とにおける光量変化に影響を及ぼす他の化学物質の吸収を考慮して、前記一の化学物質を定量化するようにしてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態による化学物質検出方法及び装置について図1乃至図6を用いて説明する。
【0033】
図1は本実施形態による化学物質検出装置の構造を示す概略図、図2は帯域透過フィルタの赤外線透過スペクトルを示すグラフ、図3は本実施形態による化学物質検出装置における帯域透過フィルタの一例を示す図、図4は本実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を説明する図、図5は吸光度と基板上に付着した残留炭素との関係を示すグラフ、図6は基板上に付着した化学物質の付着量と大気中における化学物質の濃度との関係を示すグラフである。
【0034】
〔1〕 化学物質検出装置の全体構成
本実施形態による化学物質検出装置の構造について図1を用いて説明する。
【0035】
赤外透過基板10の一端面側には、赤外透過基板10内に赤外線を入射して内部多重反射させるための赤外光源20が設けられている。赤外透過基板10の他端面側には、赤外透過基板12内部を多重反射した後に放出される赤外線を検出し、検出赤外線に基づいて赤外透過基板10上に付着している化学物質を分析する化学物質分析手段30が設けられている。
【0036】
化学物質検出手段30は、赤外透過基板を透過した赤外線を検出して電気信号に変換する赤外検出器32と、赤外検出器32から出力された電気信号をデジタル変換するA/Dコンバータ34と、A/Dコンバータ34からの出力信号に基づき赤外透過基板10上に付着している化学物質の付着量を算出する演算装置36と、化学物質の定量化の際に参照されるデータベース38とを有している。
【0037】
赤外光源20と赤外透過基板10との間にはチョッパ40が、赤外検出器32とA/D変換器34との間にロックインアンプ42が設けられ、チョッパ40及びロックインアンプ42にはチョッパ駆動回路44が設けられており、チョッパ駆動回路44によりチョッパ40のチョッピング周波数と赤外検出器32による赤外線の検出とを同期させることができるようになっている。
【0038】
赤外透過基板10と赤外検出器32との間には、透過帯域が異なる少なくとも2つのフィルタを有する帯域透過フィルタ50が設けられている。帯域透過フィルタ50には、フィルタ駆動回路52が接続されており、帯域透過フィルタ50の種類を代えて赤外検出器32によって検出される赤外線の透過帯域を制御できるようになっている。
【0039】
以下、本実施形態による環境モニタ装置の各構成部分について詳述する。
【0040】
(a) 赤外透過基板10
赤外透過基板10は、測定対象である基板(例えば半導体基板)、或いは、測定対象である雰囲気中の化学物質を吸着して測定に供するための基板であり、被測定対象化学物質の分子振動に対応する波長域の光を透過する材料であることが必要である。代表的な化学物質である有機物質の基本振動に対応する波数域は、500cm-1(波長20μm)〜5000cm-1(波長2μm)程度の赤外・近赤外域である。したがって、赤外透過基板10を構成する材料はこれら波数域(波長域)の光を透過しうる赤外透過物質群のなかから選択する。
【0041】
赤外・近赤外域の光を透過する材料としては、例えば、シリコン(Si:透過波長域:1.2〜6μm)、臭化カリウム(KBr:透過波長域0.4〜22μm)、塩化カリウム(KCl:透過波長域0.3〜15μm)、セレン化亜鉛(ZnSe:透過波長域0.6〜13μm)、フッ化バリウム(BaF2:透過波長域0.2〜5μm)、臭化セシウム(CsBr:透過波長域0.5〜30μm)、ゲルマニウム(Ge:透過波長域2〜18μm)、フッ化リチウム(LiF:透過波長域0.2〜5μm)、フッ化カルシウム(CaF2:透過波長域0.2〜8μm)、サファイア(Al23:透過波長域0.3〜5μm)、ヨウ化セシウム(CsI:透過波長域0.5〜28μm)、フッ化マグネシウム(MgF2:透過波長域0.2〜6μm)、臭化タリウム(KRS−5:透過波長域0.6〜28μm)、硫化亜鉛(ZnS:透過波長域0.7〜11μm)などがある。したがって、これら材料により赤外透過基板10を構成することができる。なお、これら材料の中には、潮解性を有し、使用環境によっては適さないものもある。赤外透過基板10を構成する材料は、使用環境や必要な透過波長域に応じて適宜選択することが望ましい。
【0042】
赤外透過基板10の外形としては、例えば図1に示すように、端面を45°のテーパ状に加工した短冊状の形状を適用することができる。また、例えば特願平11−231495号明細書に記載のような、複数の赤外線伝搬長を有する基板を適用してもよい。また、例えば特開2000−55815号公報に記載のように、300mmシリコンウェーハをそのまま用いることもできる。
【0043】
(b) 赤外光源20
赤外光源20としては、有機分子の分子振動に対応する2〜25μm帯域の赤外線を発する光源を適用することができる。
【0044】
例えば、フィラメントとしてのシリコンカーバイド(SiC)やニクロム線に電流を印加して発する熱線を光源として用いることができる。SiCグローバ灯などのSiCを用いた光源は、1.1〜25μm帯域の赤外線を発し、且つ、空気中でむき出しで使用しても焼損がないという特徴がある。
【0045】
また、赤外・近赤外域に発光波長を有する半導体レーザや発光ダイオードを赤外光源として用いることもできる。半導体レーザや発光ダイオードを用いた光源は、小型であるとともに基板端面に小さな焦点を結びやすいという特徴がある。
【0046】
また、光源の効率を高め、赤外線の強度を大きくするために適当な形状の反射板を設けてもよい。例えば特願平11−95853号明細書に記載の種々の赤外光源を適用することができる。
【0047】
(c) 帯域透過フィルタ50
帯域透過フィルタ50は、透過帯域が異なる2つのフィルタを少なくとも有する。透過帯域の異なる2つのフィルタのうちの1つは、測定対象である化学物質に特有な官能基(例えば、C−H基、O−H基、Si−H基など)の分子振動に対応する波長域の赤外線を透過する帯域透過フィルタである。例えば、C−H伸縮振動による赤外吸収を示す化学物質を測定する場合、例えば波数2800〜3000cm-1付近に透過帯域を有するフィルタを用いる。もう一つのフィルタは、測定対象である化学物質に特有な官能基の分子振動に対応する波長域近傍の波長域であって実質的に赤外吸収のない波長域の赤外線を透過する帯域透過フィルタである。例えば、C−H伸縮振動による赤外吸収を示す化学物質を測定する場合、例えば波数2700cm-1付近又は波数3100cm-1付近に透過帯域を有するフィルタを用いる。複数の官能基の分子振動に基づいて化学物質の測定を行う場合には、所定の官能基に対応するフィルタの組を複数設ける。
【0048】
特定官能基の分子振動波長に対応した赤外帯域透過フィルタは、例えば米国のスペクトロゴン(SPECTROGON)社より販売されている。図2は同社より販売されている赤外帯域透過フィルタの赤外線透過スペクトルの例を示すグラフである。図2(a)、図2(b)、図2(c)は、それぞれ、O−H基の分子振動に対応する波長域を透過するフィルタ、C−H基の分子振動に対応する波長域を透過するフィルタ、Si−H基の分子振動に対応する波長域を透過するフィルタである。本実施形態による化学物質検出装置の帯域透過フィルタ50には、このようなフィルタを適用することができる。
【0049】
帯域透過フィルタ50にはフィルタ駆動回路52が接続されており、測定系を制御する制御装置により、フィルタ駆動回路52を介して上記フィルタを切り換えることができる。例えば図3に示すように、透過帯域の異なる複数のフィルタ54a〜54fを回転板56の同心円周上に配設してなる帯域透過フィルタ50を用意し、回転板56を回転軸に沿って回転することにより、赤外透過基板10から放出された赤外線が透過するフィルタ54a〜54fを切り換えることができる。
【0050】
(d) 化学物質分析手段30
化学物質分析手段30は、図1に示されるように、赤外透過基板を透過した赤外線を検出して電気信号に変換する赤外検出器32と、赤外検出器32から出力された電気信号をデジタル変換するA/Dコンバータ34と、A/Dコンバータ34からの出力信号に基づき赤外透過基板10上に付着している化学物質の付着量を算出する演算装置36と、化学物質の定量化の際に参照されるデータベース38とを有している。
【0051】
赤外透過基板10から放出された赤外線は、帯域透過フィルタ50を通過した後に化学物質検出手段30に入射する。赤外透過フィルタ50のフィルタを、測定対象の化学物質に特有な官能基の分子振動に対応する波長域を透過するフィルタに設定しておくと、赤外検出器32により検出される赤外線の強度には、赤外透過基板10に付着している化学物質の付着量が反映される。したがって、赤外検出器32により検出される赤外線の強度を所定の基準量と比較することにより、赤外透過基板10上の化学物質の付着量を算出することができる。
【0052】
化学物質の種類と検量線は別途データベース38に蓄えられており、測定データはそれらのデータを参照して定量化される。また、データベース38には、赤外透過基板10の表面に吸着した化学物質の量と大気中の化学物質の量との関係がデータベースとして蓄えられており、検出された赤外透過基板10表面の化学物質の量から大気中の化学物質の濃度を算出することも可能である。化学物質の付着量及び濃度の定量化の手法については、後述する。
【0053】
また、演算装置36に接続して表示装置(図示せず)を設け、演算装置36による分析結果を表示するようにしてもよい。
【0054】
なお、本実施形態による化学物質検出装置では、赤外光源20と赤外透過基板10との間にチョッパ40を設け、チョッパ駆動回路44により駆動するようにし、赤外検出器32とA/D変換器34との間にロックインアンプ42を設けている。チョッパ40のチョッピング周波数と赤外線の検出とを同期させることにより、S/N比を向上することができる。なお、チョッパ40、チョッパ駆動回路44、ロックインアンプ42は、必ずしも設ける必要はない。
【0055】
〔2〕 赤外透過基板上における化学物質の付着量の定量化
本実施形態による化学物質検出方法における基板上に付着した化学物質の付着量を算出する方法について図4及び図5を用いて説明する。
【0056】
本実施形態による化学物質検出方法では、赤外透過基板10上における化学物質の付着量は、複数の波長域における光量を測定し、それらの光量の絶対値及び相対的な関係から光量の変化を補正し、その補正値に基づいて算出する。以下、付着量の算出方法について詳細に説明する。
【0057】
一般に、光量I0の光が、厚さd、吸収係数αの物体を透過すると、その物体により吸収を受けた光の透過光量I1は、
1 = I0exp(−αd) …(1)
として表される。したがって、吸収係数αと厚さdが決定されれば、(1)式の指数関数の部分は定数となる。すなわち、入射光の光量I0の変動に比例して透過光の光量I1も変動する。このとき、I1/I0の値は一定値となる。なお、多重内部反射による吸収の場合も、その吸収量と等価な厚みをもつ物体の透過光として取り扱うことができる。
【0058】
しかしながら、赤外吸収のある領域での光量は、(1)式で記述される基板表面に付着した物体(化学物質)による吸収のほかに、光源の光量の変化や基板温度の変化に伴うフリーキャリア吸収による光量の変化によっても影響を受けると考えられる。したがって、基板表面に付着した物質による光の吸収のみを正確に求めるには、検出した透過光量を補正する必要がある。
【0059】
次に、基板表面に付着した物質による光の吸収のみを正確に求めるための手順を図4を用いて説明する。
【0060】
まず、基準状態において、測定対象の化学物質のもつ吸収波長域における光量S0と、この波長域近傍で且つ吸収のない波長域の光量R0との測定を行う(図4(a))。なお、基準状態とは、基板の洗浄直後など、基板上に化学物質が付着していないと考えられる状態のみならず、洗浄前や表面処理前などの必ずしも表面が清浄でない状態をもいうものとする。
【0061】
次いで、被測定状態にある基板について、測定対象の化学物質のもつ吸収波長域における光量S1と、この波長域近傍で且つ吸収のない波長域の光量R1との測定を行う。なお、被測定状態とは、基準状態に対して基板上の化学物質の量が変化した状態をいうものとする。
【0062】
ある量の化学物質が基板上に付着したとき、被測定状態における光量R1が基準状態における光量R0と等しい場合には、光量の比I1/I0と吸収の起こる帯域の光量の比S1/S0は等しと考えられる。したがって、光量の比S1/S0から、基板上に付着した化学物質のみによる正確な吸光度を算出することができる。(図4(b))。
【0063】
これに対し、被測定状態における光量R1′が基準状態における光量R0と異なる場合には、光量の比I1/I0と吸収の起こる帯域の光量の比S1′/S0とは異なるものとなり、光量の比S1′/S0から基板上に付着した化学物質のみによる正確な吸光度を算出することはできない(図4(c))。ここで、光量R1′は、基準状態における光量R0と異なる場合の光量R1を表し、光量S1′は、光量R0と光量R1とが異なる場合における吸収の起こる帯域での光量S1を表す。なお、光量R0と光量R1とが異なる場合における入射光量I1と透過光量IoとをそれぞれI1′、I0′とすると、光量が変化しても(1)式の条件は成立するので、光量の比I1′/I0′は、
1′ / I0′ = I1 / I0 …(2)
となる。
【0064】
そこで、吸収波長域の光量を補正するために、この領域の透過光量S1′に吸収の起こらない領域での光量の変化率の逆数(R0/R1′)を掛ける。すなわち、補正後の光量S1″は、次の式で表される。
【0065】
1″= S1′× (R0 / R1′) …(3)
また、補正後の吸光度Aは、
A = −log10(S1″/ S0) …(4)
として算出することができる。この補正により、I1′/I0′=S1″/S0となるため、正確な吸光度を算出することができる。
【0066】
なお、上記のようにして光量S1′の絶対値を補正する代わりに、赤外光源20の光量や帯域透過フィルタ50の透過特性を変化することによっても、同様の補正を行うことができる。
【0067】
赤外光源20の光量を変化させる場合、赤外光源20の光量をI1′として光量R0、R1′の測定を行った後、赤外光源20の光量をI1′×(R0 / R1′)に変化して光量S1′の測定を行う。これにより、吸光度Aは、
A = −log10(S1′/ S0) …(5)
により算出することができる。
【0068】
同様に、帯域透過フィルタ50の透過特性を変化する場合、帯域透過フィルタの透過率をTとして光量R0、R1′の測定を行った後、帯域透過フィルタの透過率をT×(R1′/R0)に変化して光量S1′の測定を行う。これにより、吸光度Aは(5)式により算出することができる。
【0069】
基板上の単位面積当たりの化学物質の付着量を算出するには、例えば次の手順により検量線を予め作成しておき、この検量線に基づいて定量化を行う。
【0070】
▲1▼ まず、化学物質を揮発性溶媒中に希釈した濃度の異なる複数の溶液を用意する。
【0071】
▲2▼ 次いで、基板上にこの溶液を一定量塗布する。
【0072】
▲3▼ 次いで、溶液を塗布した基板を適当な時間放置し、溶媒を蒸発させる。
【0073】
▲4▼ 次いで、内部多重反射法により、基板に付着した化学物質による吸光度の大きさを算出する。なお、吸光度を算出するに当たっては、上述したような透過光量の補正を行う。
【0074】
▲5▼ 次いで、溶液の濃度、塗布量、基板面積から、単位面積当たりの化学物質の付着量を算出する。
【0075】
▲6▼ 次いで、付着量と吸光度の関係から検量線を作成する。
【0076】
このように作成した検量線において、被測定状態における吸光度と付着量との関係を読み取ることにより、赤外透過基板10に付着した化学物質の絶対量を求めることができる。
【0077】
図5は、300mmシリコンウェーハ上にエタノールで希釈したDOPを均一に塗布した試料を用いて作成した吸光度と残留炭素量との関係を示す検量線である。図5に示す検量線の場合、赤外線の吸光度が0.01の場合、ウェーハ上の残留炭素量は1×1015cm-2であることを示している。
【0078】
図5に示すような検量線を予め作成してデータベース38に蓄えておくことで、赤外線の吸光度から赤外透過基板10上に付着した化学物質の付着量を算出することができる。
【0079】
〔3〕 雰囲気中の化学物質濃度の定量化
本実施形態による化学物質検出方法における大気中の化学物質の濃度を算出する方法について図6を用いて説明する。
【0080】
本発明による化学物質検出方法では、赤外線透過基板10に付着し或いはその近傍に存在する化学物質の量を内部多重反射赤外分光法によって測定し、雰囲気中の化学物質濃度に換算する。つまり、雰囲気中の化学物質濃度を直接測定しているわけではない。したがって、赤外透過基板10の近傍に存在する化学物質の量から雰囲気中の化学物質の濃度を求めるためには、雰囲気中の化学物質濃度と赤外線吸収ピークの吸光度の大きさとの関係を予め求めておき、検量線を作成しておく必要がある。雰囲気中の化学物質濃度を算出することのみを目的とする場合には、上述のようにして赤外透過基板10に付着した化学物質の絶対値を算出する必要はない。
【0081】
雰囲気中の化学物質濃度と吸収ピークの吸光度の大きさとの関係を表す検量線を求めるにあたり、まず、これらの関係について考察する。
【0082】
雰囲気中の化学物質濃度が高くなるほどに、化学物質は赤外透過基板10に付着しやすくなる。したがって、雰囲気中の化学物質濃度の増加により赤外透過基板10上に付着する化学物質の量も増加する。ここで、雰囲気中の化学物質濃度をC、付着量と濃度の換算係数をK1、化学物質の赤外透過基板10への付着量をWとすると、これらの間には以下の関係式が成立する。
【0083】
C = K1 × W …(6)
一方、赤外透過基板10に化学物質が付着した後の透過光量I1は、付着前の透過光量をI0、内部反射回数をN、1回の反射が起こるときの単位付着量あたりの吸光係数をαとすると、以下の式により表すことができる。
【0084】
1 = I0 × exp(−W × N × α) …(7)
また、吸光度Aは、
A = −log10(I1 / I0) …(8)
として表される。したがって、(7)式及び(8)式を用いると、吸光度Aは、次式のように書き直すことができる。
【0085】
A ∝ W × N × α …(9)
したがって、(6)式は、吸光度と濃度の換算係数をK2とすると、次式のように書き直すことができる。
【0086】
C = K2 × A …(10)
(6)式及び(10)式より、化学物質の濃度と基板への付着量、化学物質の濃度と吸光度との間には比例関係が成立することが判る。したがって、雰囲気中に曝露した赤外透過基板10に付着した化学物質の量を吸光度の大きさから求め、これに換算係数を掛けることにより雰囲気中の化学物質の濃度を算出することができる。
【0087】
換算係数の測定は、例えば以下の手順により行うことができる。
【0088】
▲1▼ まず、化学物質が一定濃度で存在する空間に赤外透過基板10を曝露する。
【0089】
▲2▼ 次いで、気体中の化学物質の濃度を別手段(ガス検知管、ガスクロマトグラフ等)により測定する。
【0090】
▲3▼ 次いで、赤外透過基板10に付着した化学物質による吸収ピークの吸光度の大きさを内部多重反射法により測定する。
【0091】
▲4▼ 次いで、複数の化学物質濃度の空間について上記▲1▼〜▲3▼を繰り返し、▲2▼、▲3▼の結果の比から換算係数を求める。
【0092】
なお、基板の曝露時間は一定であることが望ましい。曝露時間が異なると同一の化学物質の濃度でも付着量が変わることがあり、この場合には曝露時間が等しくなるように吸光度の大きさの換算を行う必要があるからである。このためには、赤外透過基板10を雰囲気中に曝露しながら適当な間隔で吸光度の大きさの測定を行い、曝露時間と吸光度の大きさの関係を予め求めておくことが必要である。
【0093】
また、正確な測定のためには内部反射条件が等しいことが必要であり、同一の基板又は同一形状の基板に同一条件で赤外線を入射させる必要がある。また、吸光係数は化学物質の種類によって異なるので、正確な定量測定を行うためには測定したいすべての物質について予め換算係数の測定を行う必要がある。
【0094】
図6は、24時間放置による化学物質の空気中濃度と赤外透過基板としてのシリコンウェーハ表面汚染との関係を示すグラフである。DOP(ジオクチルフタレート)の場合、例えば1ng/m3のDOP濃度の大気中にウェーハを24時間放置すると、ウェーハ表面への付着量は1012CH2 unit/cm2であることを示している。逆に言えば、24時間放置後のウェーハ表面の付着量が1012CH2 unit/cm2であれば、大気中のDOP濃度が1ng/m3であることが判る。一方、TBP(リン酸トリブチル:難燃剤)やシロキサン(シリコンコーキング剤からの揮発物質)の場合に示されるように、空気中濃度と付着量との関係は、化学物質、放置時間等の条件によって異なる。したがって、測定対象とする物質毎に空気中濃度と付着量の関係を予め求めておくことが必要である。
【0095】
図6に示すような検量線を予め作成してデータベース38に蓄えておくことで、赤外透過基板10上に付着した化学物質量から雰囲気中に存在する化学物質の濃度を算出することができる。また、図6に示す検量線の代わりに、雰囲気中の化学物質濃度と吸収ピークの吸光度の大きさとの関係を示す検量線を予め作成してデータベース38に蓄えておき、雰囲気中に存在する化学物質の濃度を算出するようにしてもよい。
【0096】
〔4〕 化学物質検出方法
本実施形態による化学物質検出方法について図1を用いて説明する。
【0097】
はじめに、被測定基板の測定に先立ち、基準状態における測定を行う。なお、基準状態における測定は、被測定基板の測定毎に行ってもよいし、定期的(例えば所定枚数の処理毎など)に行ってもよい。
【0098】
まず、洗浄直後の基板など、表面上に化学物質が付着していない標準基板を、化学物質検出装置内に設置する。
【0099】
次いで、赤外光源20から発せられた赤外線を、標準基板に入射する。標準基板内に入射された赤外線は、基板の表裏の表面において多重内部反射した後、基板の外部に放出される。
【0100】
次いで、赤外透過基板10から放出された赤外線を、赤外検出器32により検出する。この際、複数の波長を測定するため、帯域透過フィルタ50の種類を変えて、少なくとも2回の測定を行う。1回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域波長を透過する帯域透過フィルタを通過した赤外線の検出を行う。2回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域の近傍の波長帯域であって化学物質による吸収のない波長帯域を透過する帯域透過フィルタを通過した赤外線の検出を行う。なお、前述の測定は、いずれを先に行ってもよい。
【0101】
1回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量S0としてデータベースに蓄積される。また、2回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量R0としてデータベース38に蓄積される。
【0102】
次に、被測定基板の測定を行う。
【0103】
まず、被測定基板である赤外透過基板10を、化学物質検出装置内に設置する。なお、赤外透過基板10を測定すべき雰囲気中に設置し、この雰囲気中に含まれる化学物質の検出を行うようにしてもよい。
【0104】
次いで、赤外光源20から発せられた赤外線を、赤外透過基板10内に入射する。赤外透過基板10内に入射された赤外線は、赤外透過基板10の表裏の表面において多重内部反射されると同時に赤外透過基板10の表面に吸着している化学物質の情報を累積してプロービングし、赤外透過基板10の外部に放出される。
【0105】
次いで、赤外透過基板10から放出された赤外線を、赤外検出器32により検出する。この際、帯域透過フィルタ50の種類を変えて、少なくとも2回の測定を行う。1回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域波長を透過する帯域透過フィルタを通過した赤外線の検出を行う。2回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域の近傍の波長帯域であって化学物質による吸収のない波長帯域を透過する帯域透過フィルタを通過した赤外線の検出を行う。なお、前述の測定は、いずれを先に行ってもよい。
【0106】
1回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量S1′としてデータベースに蓄積される。また、2回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量R1′としてデータベース38に蓄積される。
【0107】
次いで、データベース38に蓄積された光量S0,R0,S1′,R1′から、透過光量を補正した吸光度Aを求める。すなわち、吸光度Aは、
A = −log10(S1′× (R0 / R1′)/ S0
により算出することができる。
【0108】
次いで、データベース38に蓄えられている所定の検量線を参照し、赤外透過基板10上に付着した化学物質の付着量、或いは、雰囲気中の化学物質の濃度を算出する。
【0109】
このように、本実施形態によれば、赤外透過基板に赤外線を入射し、赤外透過基板の内部を多重反射した後に赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、赤外透過基板の基準状態において化学物質による赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、赤外透過基板上に化学物質が付着した状態で第1の波長域において第2の光量を測定し、第1の光量と第2の光量との光量の比を考慮して、赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出するので、基板に付着した化学物質以外の要因によって透過赤外線の光量が変動した場合であっても、化学物質の付着量を正確に算出することができる。
【0110】
なお、上記実施形態では、赤外透過基板10と赤外検出器32との間に帯域透過フィルタ50を設けたが、赤外光源20と赤外透過基板10との間に帯域透過フィルタ50を設けてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、透過帯域の異なる複数のフィルタを用いて化学物質の検出を行っているが、複数のフィルタを用いる代わりに、透過帯域が可変できる帯域透過フィルタを用いて同様の測定を行うようにしてもよい。
【0112】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による環境モニタ方法及び装置について図7及び図8を用いて説明する。なお、図1乃至図6に示す第1実施形態による化学物質検出方法及び装置と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
【0113】
図7は本実施形態による化学物質検出装置の構造を示す概略図、図8は本実施形態による化学物質検出装置における赤外光源の変形例を示す概略図である。
【0114】
本実施形態による化学物質検出装置は、図7に示すように、帯域透過フィルタ50を設ける代わりに、発光波長が可変可能な赤外光源22を用いたことに特徴がある。このようにして化学物質検出装置を構成することによっても、測定対象の化学物質のもつ吸収波長域における吸光度の測定と、この波長域近傍で且つ吸収のない波長域における吸光度の測定とを行うことができる。
【0115】
波長可変型の赤外光源22としては、例えば波長可変型の半導体発光素子や、擬似位相整合を用いた光パラメトリック発振素子を利用することができる。
【0116】
波長可変型の半導体発光素子としては、波長可変型の赤外半導体レーザや赤外発光ダイオードが市販されている。これら素子では、注入電流や温度の制御により発光波長を制御することができる。
【0117】
擬似位相整合を用いた光パラメトリック発振素子とは、LiNbO3やLiTaO3などの強誘電体非線形光学結晶の誘電分極方向を周期的に180度反転して積層した積層体を共振器の中に置いた素子であり、励起光の入射により所定の発振波長を有する出力光を得ることができる(例えば、応用物理、第67巻、第9号、1046〜1050頁(1998)を参照)。この素子では、積層体に印加する電圧や温度を制御することにより発光波長を制御することができる。
【0118】
赤外光源22は、赤外光源駆動回路24に接続されており、赤外光源駆動回路24により発光波長を制御できるようになっている。赤外光源駆動回路24は、赤外光源22に印加する駆動電圧や注入電流を制御し、或いは、赤外光源22を構成する発光素子に取り付けられたペルチェ素子などの温度可変素子(図示せず)を制御して発光素子の温度を制御することにより、赤外光源22から発せられる赤外線の波長を制御する。
【0119】
赤外光源駆動回路24は、演算装置36にも接続されている。赤外光源駆動回路24は、赤外光源22から発せられる赤外線の波長設定信号を演算装置36に出力する。これにより、赤外光源22から発せられる赤外線の波長と検出赤外線の情報とを関連づけて分析することができる。
【0120】
なお、本実施形態による化学物質検出装置では、赤外光源22と赤外透過基板10との間にチョッパ40を設け、チョッパ駆動回路44により駆動するようにし、赤外検出器32とA/D変換器34との間にロックインアンプ42を設けている。チョッパ40のチョッピング周波数と赤外線の検出とを同期させることにより、S/N比を向上することができる。なお、チョッパ40、チョッパ駆動回路44、ロックインアンプ42は、必ずしも設ける必要はない。
【0121】
また、チョッパ40及びチョッパ駆動回路44を設ける代わりに、赤外光源駆動回路24から出力した周波数変調信号をロックインアンプ42に入力するように構成し、この周波数変調信号を同期信号として用いるようにしてもよい。
【0122】
次に、本実施形態による化学物質検出方法について図7を用いて説明する。
【0123】
はじめに、第1実施形態による化学物質検出方法と同様にして、基準状態における測定を行う。
【0124】
まず、洗浄直後の基板など、表面上に化学物質が付着していない標準基板を、化学物質検出装置内に設置する。
【0125】
次いで、赤外透過基板10から放出された赤外線を、赤外検出器32により検出する。この際、赤外光源22から発せられる赤外線の発光波長域を変えて、少なくとも2回の測定を行う。1回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域波長を有する赤外線を用いて透過赤外線の検出を行う。2回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域の近傍の波長帯域であって化学物質による吸収のない波長帯域を有する赤外線を用いて透過赤外線の検出を行う。なお、前述の測定は、いずれを先に行ってもよい。
【0126】
1回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量S0としてデータベースに蓄積される。また、2回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量R0としてデータベース38に蓄積される。
【0127】
次に、被測定基板の測定を行う。
【0128】
まず、被測定基板である赤外透過基板10を、化学物質検出装置内に設置する。なお、赤外透過基板10を測定すべき雰囲気中に設置し、この雰囲気中に含まれる化学物質の検出を行うようにしてもよい。
【0129】
次いで、赤外光源20から発せられた赤外線を、赤外透過基板10内に入射する。赤外透過基板10内に入射された赤外線は、赤外透過基板10の表裏の表面において多重内部反射されると同時に赤外透過基板10の表面に吸着している化学物質の情報を累積してプロービングし、赤外透過基板10の外部に放出される。
【0130】
次いで、赤外透過基板10から放出された赤外線を、赤外検出器32により検出する。この際、複数の波長を測定するため、赤外光源22から発せられる赤外線の発光波長域を変えて、少なくとも2回の測定を行う。1回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域波長を有する赤外線を用いて透過赤外線の検出を行う。2回目の測定では、測定対象の化学物質による吸収帯域の近傍の波長帯域であって化学物質による吸収のない波長帯域を有する赤外線を用いて透過赤外線の検出を行う。なお、前述の測定は、いずれを先に行ってもよい。
【0131】
1回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量S1′としてデータベースに蓄積される。また、2回目の測定により検出された赤外線の光量は、例えば光量R1′としてデータベース38に蓄積される。
【0132】
次いで、データベース38に蓄積された光量S0,R0,S1′,R1′から、透過光量を補正した吸光度Aを求める。すなわち、吸光度Aは、
A = −log10(S1′× (R0 / R1′)/ S0
により算出することができる。
【0133】
次いで、データベース38に蓄えられている所定の検量線を参照し、赤外透過基板10上に付着した化学物質の付着量、或いは、雰囲気中の化学物質の濃度を算出する。
【0134】
このように、本実施形態によれば、赤外透過基板に赤外線を入射し、赤外透過基板の内部を多重反射した後に赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、赤外透過基板の基準状態において化学物質による赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、赤外透過基板上に化学物質が付着した状態で第1の波長域において第2の光量を測定し、第1の光量と第2の光量との光量の比を考慮して、赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出するので、基板に付着した化学物質以外の要因によって透過赤外線の光量が変動した場合であっても、化学物質の付着量を正確に算出することができる。
【0135】
なお、現状で入手可能な波長可変型の発光素子においては、官能基の分子振動波長に対応する波長領域をすべて含む波長領域で発光波長を掃引することはできない。広範囲の赤外線の波長掃引が必要な場合には、赤外光源22を例えば以下のように構成することにより対応できる。
【0136】
前述のように、波長可変型の発光素子は素子自体に印加する電気的信号或いは温度によって制御することができる。したがって、発光素子を、電気的信号及び温度の双方によって制御することにより、電気的信号或いは温度を単独で制御する場合よりも広い範囲で発光波長を制御することができる。なお、発光素子の温度は、発光素子に取り付けられたペルチェ素子などの温度可変素子に印加する電気的信号を制御することにより、制御することができる。
【0137】
また、例えば図8に示すように、発光波長域の異なる複数の赤外光源22a〜22fを回転板56の同心円周上に配設してなる赤外光源22を用意し、回転板60を回転軸に沿って回転するとともに、赤外光源22a〜22fから出射される赤外線の波長を順次掃引することにより、赤外光源22a〜22fにより網羅される広範囲の波長領域において赤外線の発光波長を掃引するようにしてもよい。
【0138】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による化学物質検出方法及び装置について図9乃至図11を用いて説明する。図9は、本発明による化学物質検出方法における複数種類の化学物質の定量化方法を説明する図、図10は、本実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を説明する図、図11は、本実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を適用する場合の赤外吸収スペクトルの具体例を示す図である。
【0139】
第1実施形態においては、1種類の化学物質について定量化を行っていたが、複数種類の化学物質についても定量化をすることが可能である。図9は、第1及び第2の化学物質の2種類の化学物質の定量化方法を示した図である。図示するように、第1及び第2の化学物質の各化学物質に対応する帯域の基準状態と被測定状態での基板から放出される赤外線の光量を測定する。同様に、化学物質の存在による吸収がない帯域での基準状態と被測定状態での光量を測定し、基準状態と被測定状態での光量の変化率を求める。そして、この光量の変化率に基づき第1実施形態と同様の手順に従い、第1の化学物質に対応する帯域での被測定状態における光量を補正する。同様に、第2の化学物質に対応する帯域での被測定状態における光量についても補正する。こうして、補正後の被測定状態における光量を用いて、第1実施形態と同様にして、第1及び第2の化学物質のそれぞれを正確に定量化することが可能である。なお、ここでは2種類の化学物質の定量化について述べたが、2種類のみならず、同様にして更に複数種類の化学物質を定量化することができる。
【0140】
しかしながら、複数種類の化学物質に対応する帯域が近接している場合には、次のような問題が生じる場合がある。すなわち、広い吸収帯域有する化学物質による吸収が、隣接する化学物質に対応する帯域における吸収に影響を及ぼす場合がある。例えば、図10に示すように、第1及び第2の化学物質を定量化する場合に、広帯域の吸収を有する第1の化学物質による吸収が、第2の化学物質に対応する帯域における吸収に影響を及ぼすことがある。したがって、複数種類の化学物質を定量化する場合には、隣接する化学物質に対応する帯域における吸収の影響を考慮する必要がある場合がある。
【0141】
本実施形態による化学物質検出方法は、上記の隣接する化学物質に対応する帯域における吸収の影響を考慮し、複数種類の化学物質の定量化を高い精度で行うものである。以下、本実施形態による化学物質検出方法における複数種類の化学物質の定量化について、図10に示す第1及び第2の化学物質を定量化する場合を例に説明する。なお、本実施形態による化学物質検出方法には、第1又は第2実施形態による化学物質検出装置を適用することができる。
【0142】
まず、第1及び第2の化学物質の各化学物質に対応する帯域の基準状態と被測定状態での基板から放出される赤外線の光量を測定する。同様に、化学物質の存在による吸収がない帯域での基準状態と被測定状態での光量を測定し、基準状態と被測定状態での光量の変化率を求める。そして、この光量の変化率に基づき第1実施形態と同様の手順に従い、第1の化学物質に対応する帯域での被測定状態における光量を補正する。こうして、第1の化学物質に対応する帯域での基準状態における光量と補正後の被測定状態における光量とから第1実施形態と同様に、第1の化学物質による正確な吸光量を求め定量化する。
【0143】
同様に、第2の化学物質に対応する帯域での被測定状態における光量についても、化学物質の存在による吸収がない帯域での光量の変化率に基づき補正する。そして、第2の化学物質に対応する帯域について、基準状態における光量と補正後の被測定状態における光量とから吸光量を求める。
【0144】
さらに、求められた第2の化学物質に対応する帯域での吸光量については、第1の化学物質による吸収の影響分を除去する。すなわち、求められた第1の化学物質による吸光量に所定の係数を乗じたものを、補正後の第2の化学物質に対応する帯域での吸光量から除去する。ここで用いる係数は、以下のようにして求めることができる。
【0145】
理想的な条件下で、第1の化学物質のみが赤外透過基板上に存在する場合について、第1の化学物質に対応する帯域での吸光量を測定する。このとき、同時に、第1の化学物質による第2の化学物質に対応する帯域での吸光量を測定する。
【0146】
赤外透過基板上の第1の化学物質の濃度を変化して同様の測定を行い、第1の化学物質に対応する帯域での吸光量と、第2の化学物質に対応する帯域での吸光量との関係を求める。
【0147】
そして、得られた関係から、第1の化学物質に対応する帯域での吸光量に対する第2の化学物質に対応する帯域での吸光量の比として係数を求める。
【0148】
上述のようにして、第1の化学物質の吸収の影響分を除去した第2の化学物質に対応する帯域での吸光量から第2の化学物質を定量化する。
【0149】
このように、本実施形態による化学物質検出方法では、広い吸収帯域を有する化学物質による吸収が、隣接する化学物質に対応する帯域における吸収に影響を及ぼす場合に、その影響分を考慮して定量化することに主たる特徴を有する。これにより、複数種類の化学物質を定量化する場合であっても、それぞれの化学物質を正確に定量化することができる。
【0150】
広い吸収帯域を有する化学物質の吸収が、隣接する化学物質に対応する帯域における吸収に影響を及ぼす場合の具体例について図11を用いて説明する。
【0151】
図11に示すスペクトルでは、3400cm-1付近を中心とするO−H基による赤外吸収が広帯域な吸収スペクトルを示している。この多くは水分による吸収によるものである。そして、このO−H基による広帯域にわたる吸収が、2900cm-1付近を中心とする有機物質のC−H基による吸収にまで影響を与えていることが分かる。
【0152】
図11に示す場合には、3400cm-1を中心とする帯域(第1の測定帯域)と、2900cm-1を中心とする帯域(第2の測定帯域)と、化学物質の存在による吸収がない例えば2400cm-1を中心とする帯域(リファレンス測定帯域)とのそれぞれについて基準状態と被測定状態とで光量を測定する。そして上記手順に従い、リファレンス測定帯域の光量の変化率に基づきO−H基による吸収帯域及びC−H基による吸収帯域での被測定状態における光量を補正する。
【0153】
O−H基については、第1の測定帯域での基準状態における光量と補正後の被測定状態における光量とから第1実施形態と同様に、O−H基による正確な吸光量を求め定量化する。
【0154】
C−H基については、まず、第2の測定帯域での基準状態における光量と補正後の被測定状態における光量とから吸光量を求める。さらに、求められた第2の測定帯域での吸光量から、上述した定量化方法に従い、O−H基による吸収の影響分を除去する。こうして、C−H基による正確な吸光量を求めることができる。そして、O−H基による吸収の影響分を除去することにより得られたC−H基による正確な吸光量に基づきC−H基を定量化する。
【0155】
このように、本実施形態によれば、赤外透過基板に赤外線を入射し、前記赤外透過基板の内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて前記赤外透過基板上に付着している複数種類の化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、赤外透過基板の基準状態において、化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、複数種類の化学物質のそれぞれについて吸収が生じる波長域における光量をそれぞれ測定し、赤外透過基板の被測定状態で、第1の波長域において第2の光量を測定し、複数種類の化学物質のそれぞれについて吸収が生じる波長域における光量をそれぞれ測定し、第1の光量と前記第2の光量との比を用いて、被測定状態での複数種類の化学物質について吸収が生じる波長域における光量のそれぞれを補正し、基準状態における複数種類の化学物質について吸収が生じる波長域における光量及び補正後の被測定状態での複数種類の化学物質について吸収が生じる波長域における光量に基づき、赤外透過基板上に付着した複数種類の化学物質のそれぞれを定量化するので、複数種類の化学物質について同時に同定及び定量化することが可能であり、基板に付着した化学物質以外の要因によって透過赤外線の光量が変動した場合であっても、複数種類の化学物質の付着量を正確に算出することができる。このとき、複数種類の化学物質のうち一の化学物質により吸収が生じる波長域での基準状態と被測定状態とにおける光量変化に影響を及ぼす他の化学物質の吸収を考慮するので、複数種類の化学物質の付着量をさらに正確に算出することができる。
【0156】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0157】
例えば、上記実施形態では、特定波長域の赤外線を赤外検出器により検出するように化学物質検出装置を構成しているが、赤外検出器の前段に赤外干渉計を配置して共鳴吸収スペクトルを得るようにしてもよい。例えば、赤外透過基板10から出射した赤外線を赤外干渉計に入射し、赤外検出器により電気信号に変換し、電気信号に変換したインタフェログラムを演算装置によりフーリエ変換して波長(周波数)領域に変換することにより、波長領域での共鳴吸収スペクトルを得ることができる。赤外干渉計を用いる場合、検出された共鳴吸収スペクトルから複数の波長領域を切り出して光量を求めることにより、上記実施形態と同様の手順によって化学物質の分析を行うことができる。なお、赤外干渉計(FT−IR装置)は高価なため、装置価格の低廉化を図るうえでは上記実施形態に記載の構成とすることが望ましい。
【0158】
また、上記第1実施形態においてフィルタを用いる代わりに、検出波長域の異なる複数個の赤外検出素子を複数有する赤外検出器32を構成し、測定対象の化学物質のもつ吸収波長域における吸光度の測定と、この波長域近傍で且つ吸収のない波長域における吸光度の測定とを、各検出素子を用いてそれぞれ行うようにしてもよい。或いは、赤外検出器32の前段にプリズムや回折格子などの分光手段を設け、赤外検出器32に入射する赤外線を複数の波長域に分解し、各波長域の赤外線を別々の赤外検出素子により検出するようにしてもよい。
【0159】
また、上記第1実施形態においてフィルタを用いる代わりに、検出波長域が可変できる赤外検出器32を構成し、測定対象の化学物質のもつ吸収波長域における吸光度の測定と、この波長域近傍で且つ吸収のない波長域における吸光度の測定とを、検出波長域を変化して順次測定するようにしてもよい。
【0160】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、赤外透過基板に赤外線を入射し、赤外透過基板の内部を多重反射した後に赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、赤外透過基板上に化学物質が付着していない状態で化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、赤外透過基板上に化学物質が付着した状態で第1の波長域において第2の光量を測定し、第1の光量と第2の光量との光量の比を考慮して、赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出するので、基板に付着した化学物質以外の要因によって透過赤外線の光量が変動した場合であっても、化学物質の付着量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による化学物質検出装置の構造を示す概略図である。
【図2】帯域透過フィルタの赤外線透過スペクトルの例を示すグラフである。
【図3】本発明の第1実施形態による化学物質検出装置における帯域透過フィルタの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を説明する図である。
【図5】吸光度と基板上に付着した残留炭素との関係を示すグラフである。
【図6】基板上に付着した化学物質の付着量と大気中における化学物質の濃度との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態による化学物質検出装置の構造を示す概略図である。
【図8】本発明の第2実施形態による化学物質検出装置における赤外光源の変形例を示す概略図である。
【図9】本発明による化学物質検出方法における複数種類の化学物質の定量化方法を説明する図である。
【図10】本発明の第3実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を説明する図である。
【図11】本発明の第3実施形態による化学物質検出方法における化学物質の定量化方法を適用する場合の赤外吸収スペクトルの具体例を示す図である。
【符号の説明】
10…赤外透過基板
20…赤外光源
22…波長可変赤外光源
24…赤外光源駆動装置
30…化学物質分析手段
32…赤外検出器
34…A/D変換器
36…演算装置
38…データベース
40…チョッパ
42…ロックインアンプ
44…チョッパ駆動回路
50…帯域透過フィルタ
52…フィルタ駆動回路
54…フィルタ
56…回転板

Claims (18)

  1. 赤外透過基板に赤外線を入射し、前記赤外透過基板の内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて前記赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、
    前記赤外透過基板の基準状態において、前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、
    前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の波長域において第2の光量を測定し、
    前記赤外透過基板の基準状態において、第5の光量を有する赤外光源を用いて、前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において第3の光量を測定し、
    前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の光量と前記第2の光量との光量の比を用いて前記第5の光量を補正した第6の光量を有する赤外光源を用いて、前記第2の波長域において第4の光量を測定し、
    前記第3の光量及び前記第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  2. 赤外透過基板に赤外線を入射し、前記赤外透過基板の内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出した赤外線の強度に基づいて前記赤外透過基板上に付着している化学物質の付着量を算出する化学物質検出方法において、
    前記赤外透過基板の基準状態において、前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において第1の光量を測定し、
    前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の波長域において第2の光量を測定し、
    前記赤外透過基板の基準状態において、第1の透過特性を有するフィルタを介して、前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において第3の光量を測定し、
    前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で、前記第1の光量と前記第2の光量との光量の比を用いて前記第1の透過特性を補正した第2の透過特性を有するフィルタを介して、前記第2の波長域において第4の光量を測定し、
    前記第3の光量及び前記第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  3. 請求項1又は2記載の化学物質検出方法において、
    前記化学物質は、複数種類の化学物質を含み、
    前記第2の波長域は、前記複数種類の化学物質のそれぞれについて実質的に赤外吸収が生じる複数の波長域を含み、
    前記複数の波長域について前記第3の光量及び前記第4の光量をそれぞれ測定することにより、前記複数種類の化学物質の付着量をそれぞれ算出する
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  4. 請求項記載の化学物質検出方法において、
    前記複数種類の化学物質のうち一の化学物質により吸収が生じる波長域での前記基準状態と前記被測定状態とにおける光量変化に影響を及ぼす他の化学物質の吸収を考慮して、前記一の化学物質を定量化する
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の化学物質検出方法において、
    前記第1の波長域は、前記第2の波長域の近傍の波長域である
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の化学物質検出方法において、
    前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量に基づいて、大気中における前記化学物質の濃度を算出する
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  7. 赤外透過基板と、
    前記赤外透過基板に赤外線を入射する赤外光源と、
    前記赤外透過基板内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出赤外線に基づいて前記赤外透過基板上に付着した前記特定化学物質の付着量を算出する化学物質分析手段とを有し、
    前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において測定した第1の光量と、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記第1の波長域において測定した第2の光量との光量の比を考慮して、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する化学物質検出装置であって、
    前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において第5の光量を有する前記赤外光源を用いて前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において測定された第3の光量、及び前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記光量の比を用いて前記第5の光量を補正した第6の光量を有する前記赤外光源を用いて前記第2の波長域において測定された第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  8. 請求項記載の化学物質検出装置において、
    前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に透過する帯域透過フィルタを更に有し、前記化学物質分析手段は、前記帯域透過フィルタを通過した赤外線を分析する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  9. 前記赤外透過基板に赤外線を入射する赤外光源と、
    前記赤外透過基板内部を多重反射した後に前記赤外透過基板より放出される赤外線を検出し、検出赤外線に基づいて前記赤外透過基板上に付着した前記特定化学物質の付着量を算出する化学物質分析手段とを有し、
    前記化学物質分析手段は、前記赤外透過基板の基準状態において前記化学物質による実質的な赤外吸収のない第1の波長域において測定した第1の光量と、前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記第1の波長域において測定した第2の光量との光量の比を考慮して、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する化学物質検出装置であって、
    前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に透過する帯域透過フィルタを更に有し、
    前記化学物質分析手段は、前記帯域透過フィルタを通過した赤外線を分析するものであって、前記赤外透過基板の基準状態において第1の透過特性を有する前記帯域透過フィルタを介して前記化学物質により赤外吸収が生じる第2の波長域において測定された第3の光量、及び前記赤外透過基板上の前記化学物質の量が変化した状態で前記光量の比を用いて前記第1の透過特性を補正した第2の透過特性を有する前記帯域透過フィルタを介して前記第2の波長域において測定された第4の光量に基づいて、前記赤外透過基板上に付着した前記化学物質の付着量を算出する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  10. 請求項8又は9記載の化学物質検出装置において、
    前記帯域透過フィルタは、前記第1の波長域の赤外線を選択的に透過する第1のフィルタと、前記第2の波長域の赤外線を選択的に透過する第2のフィルタとを有する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  11. 請求項8又は9記載の化学物質検出装置において、
    前記帯域透過フィルタは、前記第1の波長域及び前記第2の波長域に透過帯域を変化できる
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  12. 請求項記載の化学物質検出装置において、
    前記赤外光源は、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質による赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線を発する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  13. 請求項12記載の化学物質検出装置において、
    前記赤外光源は、前記第1の波長域の赤外線を発する第1の光源と、前記第2の波長域の赤外線を発する第2の光源とを有する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  14. 請求項12記載の化学物質検出装置において、
    前記赤外光源は、前記第1の波長域及び前記第2の波長域に赤外線の発光波長域を変化できる
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  15. 請求項記載の化学物質検出装置において、
    前記化学物質分析手段は、前記第1の波長域の赤外線又は前記第1の波長域の近傍の波長域であって前記特定化学物質による赤外吸収が生じる第2の波長域の赤外線のいずれかを選択的に検出する赤外検出器を有する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  16. 請求項15記載の化学物質検出装置において、
    前記赤外検出器は、前記第1の波長域の赤外線を検出する第1の検出素子と、前記第2の波長域の赤外線を検出する第2の検出素子とを有する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  17. 請求項7乃至16のいずれか1項に記載の化学物質検出装置において、
    前記化学物質は、複数種類の化学物質を含み、
    前記第2の波長域は、前記複数種類の化学物質のそれぞれについて実質的に赤外吸収が生じる複数の波長域を含み、
    前記化学物質分析手段は、前記複数の波長域において測定された前記第3の光量及び前記第4の光量に基づき、前記複数種類の化学物質のそれぞれを定量化する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
  18. 請求項17記載の化学物質検出装置において、
    前記化学物質分析手段は、前記複数種類の化学物質のうち一の化学物質により吸収が生じる波長域での前記基準状態と前記被測定状態とにおける光量変化に影響を及ぼす他の化学物質の吸収を考慮して、前記一の化学物質を定量化する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
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