JP2002350342A - 表面状態測定方法及び装置 - Google Patents

表面状態測定方法及び装置

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JP2002350342A
JP2002350342A JP2001159418A JP2001159418A JP2002350342A JP 2002350342 A JP2002350342 A JP 2002350342A JP 2001159418 A JP2001159418 A JP 2001159418A JP 2001159418 A JP2001159418 A JP 2001159418A JP 2002350342 A JP2002350342 A JP 2002350342A
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organic molecule
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JP2001159418A
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Haruo Yoshida
春雄 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定基板の局所的な表面状態の高感度測定
を簡単且つ低廉に実現し、被測定基板表面の有機汚染物
質等の分布を測定しうる表面状態測定方法及び装置を提
供する。 【解決手段】 広帯域赤外光源14から被測定基板10
に照射した赤外線を、機械的チョッパー20によってパ
ルス化し、被測定基板10で反射される赤外線をパルス
化のタイミングと同期して複数回検出し、検出結果の加
算平均に基づいて被測定基板10の所定位置における表
面状態を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線分光法によ
り被測定基板の表面状態の二次元分布を製造現場におい
てその場測定(in-situ monitoring)しうる表面状態測
定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハや液晶ガラス基板等の基板
の有機汚染等の表面状態を知ることは、それらの基板を
用いて製造されるデバイスの歩留まり、品質の信頼性を
確保する上で非常に重要なことである。例えば、半導体
ウェハ表面の有機汚染は、製造プロセスにおける成膜異
常や界面抵抗の増加を引き起こす原因となることが知ら
れている。
【0003】このような基板表面の有機汚染を検出する
測定方法としては、例えば、被測定基板を透過した赤外
線をフーリエ分光することにより有機汚染を測定するフ
ーリエ変換分光分析(Fourier Transformation Infrare
d Spectroscopy : FT−IR)装置が、米国ニコレー
社等によって商品化されている(以下、透過方式とい
う)。
【0004】また、本願発明者等は、赤外多重内部反射
法によって半導体ウェハの表面状態を測定する方法を提
案している(例えば、特願平11−95853号明細書
を参照。以下、多重内部反射方式という)。半導体ウェ
ハの一端に赤外線を特定の入射角度で入射すると、赤外
線は半導体ウェハ内部を両表面で内部反射を繰り返しな
がら伝搬する。このとき、半導体ウェハ表面で赤外線が
反射するときに滲み出る光(エバネッセント光)の周波
数成分が半導体ウェハ表面に付着した有機汚染物質の分
子振動周波数と一致していると共鳴吸収される。従っ
て、そのスペクトルを分析することにより、半導体ウェ
ハ表面に付着した有機汚染物質の種類と量を特定するこ
とができる。この方法によれば、半導体ウェハ内部を繰
り返し多重反射をした赤外線、すなわち、表面に付着し
た有機汚染物質の情報を累積した赤外線を分光分析する
ため、信号対雑音比(S/N比)が向上され、検出感度
を高くすることができる。
【0005】また、例えば、特開平8−233746号
公報、特開平7−221148号公報には、赤外線を被
測定基板表面に照射し、表面で反射した赤外線をフーリ
エ分光して被測定基板表面に付着した有機汚染を検出す
る方法が開示されている(以下、反射方式という)。こ
の方法では、有機汚染が被測定基板表面に均一に分布し
ていることを前提に、測定室の壁に設けられた鏡により
赤外線を被測定基板表面の異なる場所で順次反射するこ
とによりS/N比の向上が図られている。そして、被測
定基板表面の異なる場所で複数回反射した赤外線を分光
分析することにより、高感度で有機汚染を検出すること
が可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透過方
式では、被測定基板を一回のみ透過する赤外線の基板表
面に付着した有機汚染物質による吸収を分析することに
より有機汚染を検出するため、装置の検出系のS/N比
が悪く、有機汚染の検出感度は低くなってしまってい
た。また、被測定基板を透過した赤外線を分光分析する
ため、被測定基板の表裏両面の情報を同時に検出するこ
ととなり、片面のみの表面状態を測定することはできて
いなかった。
【0007】また、多重内部反射方式では、通常円板状
の半導体ウェハのほぼ中心の径に沿って赤外線が内部を
多重反射する。このため、赤外線の光路上の表面に付着
した有機物質を平均値として検出することとなり、表面
に付着した有機汚染物質の分布を詳細に測定することは
できなかった。すなわち、付着した有機汚染物質の表面
における分布を測定しようとしても、半導体ウェハの赤
外線の光路上の平均値を知ることしかできなかった。ま
た、この方法では、半導体ウェハ内部で多重反射した赤
外線、すなわち半導体ウェハの両面で内部反射を繰り返
した赤外線を分析するため、表面と裏面との識別ができ
ず、測定結果が両面の表面状態を反映したものとなって
いた。更に、赤外線が半導体ウェハ内部で多重反射をす
る結果その光路長が長くなるため、赤外線の透過波長帯
域が狭くなり有機汚染物質の同定に必要な情報が欠落し
ていた。
【0008】一方、従来の反射方式では、被測定基板の
片面を反射した赤外線を分光分析するので表面と裏面と
を区別して表面状態の測定を行うことができる。しかし
ながら、従来の反射方式は、片方の表面の汚染状態を平
均値として評価するものであり、被測定基板表面に付着
した有機汚染物質の二次元分布を取得することを意図し
たものではなかった。
【0009】上述のように、従来の赤外線を用いた表面
状態の測定方法は、基板表面の状態を表面全体或いは表
裏両面の平均値として評価する手法であるため、クリー
ンルーム中における基板の汚染状態の測定などについて
は有用なものであった。これは、クリーンルームにおい
ては、有機汚染物質はほぼ均一に基板表面に付着するも
のと考えられるからである。このような均一な汚染状態
であれば、表面全体或いは表裏両面の平均値として評価
することによっても、ある程度的確に表面状態を把握す
ることができる。
【0010】しかし、基板の表面状態は、例えば洗浄ム
ラなどのように常に均一であるわけではない。従って、
表面状態の測定結果を半導体製造ライン等にフィードバ
ックして生産歩留まりの向上等を図るためには、平均値
的な手法で得られた基板表面の情報では必ずしも十分な
ものとはいえなかった。このため、洗浄ムラなどのよう
に基板表面に不均一に付着した分子の二次元的分布を測
定できる表面状態の測定方法の開発が望まれていた。
【0011】また、従来の赤外線を利用した表面状態の
測定方法では、通常、窒素温度に冷却したInSbやH
gCdTe等の素子に検出すべき赤外線を照射して電気
信号に変換することが行われていた。しかしながら、こ
れら検出素子自身の有する1/f雑音が、赤外線を検出
する感度を制約する一因となっていた。
【0012】本発明の目的は、被測定基板の局所的な表
面状態の高感度測定を簡単且つ低廉に実現し、被測定基
板表面の有機汚染物質等の分布を測定しうる表面状態測
定方法及び装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被測定基板
の所定位置に赤外線を照射し、前記被測定基板の表面で
反射される赤外線を検出し、検出した赤外線に基づいて
前記被測定基板の表面の状態を測定する表面状態測定方
法であって、赤外線をパルス化し、前記被測定基板から
放出される赤外線をパルス化のタイミングと同期して複
数回検出し、検出結果の加算平均に基づいて前記被測定
基板の前記所定位置における表面状態を測定することを
特徴とする表面状態測定方法により達成される。
【0014】また、上記の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の表面に付着した有機分子の吸収帯域を
含む波長成分を有する赤外線を照射し、検出した赤外線
を分光分析することにより、前記有機分子の種類を同定
し及び/又は前記有機分子の存在量を算出するようにし
てもよい。
【0015】また、上記の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の表面に付着した特定の有機分子の吸収
帯域を含む波長成分を有する赤外線を照射し、前記特定
の有機分子の吸収帯域の赤外線のみをバンドパスフィル
タを介して検出し、検出した赤外線の強度を分析するこ
とにより、前記特定の有機分子の存在量の算出を行うよ
うにしてもよい。
【0016】また、上記の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の表面に付着した特定の有機分子が吸収
する特定波長の赤外線を照射し、検出した赤外線の強度
を分析することにより、前記特定の有機分子の存在量の
算出を行うようにしてもよい。
【0017】また、上記の表面状態測定方法において、
前記被測定基板の表面で反射される赤外線をヘテロダイ
ン方式により検出するようにしてもよい。
【0018】また、上記の表面状態測定方法において、
前記被測定基板表面に照射する赤外線の位置を変化しな
がら前記被測定基板の表面状態を測定することを繰り返
し、前記被測定基板の所定の範囲における表面状態の測
定を行うようにしてもよい。
【0019】また、上記目的は、被測定基板の表面に赤
外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線をパルス化す
る赤外線パルス化手段と、前記赤外線パルス化手段によ
るパルス化のタイミングと同期して前記被測定基板の表
面で反射した赤外線を複数回検出する赤外線検出手段
と、前記赤外線検出手段により検出された赤外線を分析
し、前記被測定基板の赤外線を照射した位置の表面状態
を測定する表面状態測定手段とを有することを特徴とす
る表面状態測定装置により達成される。
【0020】また、上記の表面状態測定装置において、
前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段による検
出結果を加算平均し、検出結果の加算平均に基づいて前
記被測定基板の赤外線を照射した位置の表面状態を測定
するようにしてもよい。
【0021】また、上記の表面状態測定装置において、
前記赤外線照射手段は、前記被測定基板の表面に付着し
た有機分子の吸収帯域を含む赤外線を照射し、前記表面
状態測定手段は、前記赤外線検出手段により検出された
赤外線を分光分析することにより前記有機分子の種類を
同定し及び/又は前記有機分子の存在量を算出するよう
にしてもよい。
【0022】また、上記の表面状態測定装置において、
前記赤外線照射手段は、前記被測定基板の表面に付着し
た特定の有機分子の吸収帯域を含む波長成分を有する赤
外線を照射し、前記赤外線照射手段より照射された赤外
線のうち前記特定の有機分子の吸収帯域の赤外線のみを
透過するバンドパスフィルタを更に有し、前記表面状態
測定手段は、前記赤外線検出手段により検出された赤外
線の強度を分析することにより、前記特定の有機分子の
存在量を算出するようにしてもよい。
【0023】また、上記の表面状態測定装置において、
前記赤外線照射手段は、前記被測定基板表面に付着した
特定の有機分子が吸収する特定波長の赤外線を照射し、
前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段により検
出された赤外線の強度を分析することにより、前記特定
の有機分子の存在量を算出するようにしてもよい。
【0024】また、上記の表面状態測定装置において、
前記赤外線検出手段は、ヘテロダイン方式によって赤外
線を検出するものであるようにしてもよい。
【0025】また、上記の表面状態測定装置において、
前記被測定基板に照射する赤外線の位置を変化する位置
変化手段と、赤外線を照射した前記被測定基板の位置情
報と前記表面状態測定手段の測定結果とを関連付けて記
憶する記憶手段とを更に有するようにしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による表面状態測定方法及び装置について図1乃
至図3を用いて説明する。図1は、本実施形態による表
面状態測定装置の構造を示す概略断面図、図2は、ヘテ
ロダイン赤外検出方式の一般的な装置構成を示す概略
図、図3は、赤外線検出部の構成を示す概略図である。
【0027】〔1〕 表面状態測定装置 まず、本実施形態による表面状態測定装置の全体構成に
ついて図1を用いて説明する。
【0028】可動式基板搭載台12上には、測定すべき
表面を上に向けて被測定基板10が載置されている。被
測定基板10上方には、被測定基板10の測定すべき表
面に所定の角度で赤外線を集光して照射する広帯域赤外
光源14と、被測定基板10表面で反射された赤外線を
集光して赤外線検出部16へと導く反射光集光系18と
が設けられている。
【0029】広帯域赤外光源14と被測定基板10との
間には、機械的チョッパー20が配置され、広帯域赤外
光源14より放出された赤外線をパルス化できるように
なっている。機械的チョッパー20には、チョッパー駆
動回路22が接続されている。
【0030】また、被測定基板10と反射光集光系18
との間には、被測定基板10表面で反射した赤外線のう
ち、所定の波長域の赤外線のみを透過するバンドパスフ
ィルタ24が配置されている。
【0031】反射光集光系18により集光された赤外線
を検出する赤外線検出部16には、解析部26が接続さ
れている。
【0032】解析部26は、赤外線検出部16より入力
された検出信号をA/D変換するA/D変換器28と、
A/D変換された検出結果を記憶する記憶装置30と、
記憶装置30に記憶された検出結果の演算・解析及び可
動式基板搭載台12と機械的チョッパー20の駆動制御
を行う演算・制御装置32と、演算・制御装置32によ
る解析結果を表示する表示装置34とから構成されてい
る。演算・制御装置32には、可動式基板搭載台12と
チョッパー駆動回路22とが接続されている。
【0033】このように、本実施形態による表面状態測
定装置は、照射される赤外線に対する被測定基板10の
位置を変化する可動式基板搭載台12を有することに特
徴がある。これにより、被測定基板10表面に付着した
汚染物質等の特定の官能基を有する分子の二次元的な分
布を測定することができる。また、被測定基板10表面
に照射される赤外線を機械的チョッパー20によりパル
ス化し、検出信号を機械的チョッパー20と同期して取
り込み、加算平均することに特徴がある。これにより、
S/N比を向上することができ、検出感度を高めること
ができる。あわせて、赤外線検出部16にヘテロダイン
赤外検出方式によるものを用いることにより、赤外線検
出器に用いられる素子自身による1/f雑音を回避する
ことができ、さらに検出感度を向上することができる。
【0034】次に、本実施形態による表面状態測定装置
の各構成要素について図1乃至図3を用いて詳述する。
【0035】(a)可動式基板搭載台12 可動式基板搭載台12は、被測定基板10を搭載して測
定に供するものであり、XYZ方向への移動及び回転が
可能である。これにより、広帯域赤外光源14から照射
される赤外線に対して被測定基板14表面の位置を変化
することが可能である。可動式基板搭載台12には駆動
回路(図示せず)が内蔵されており、演算・制御装置3
2より駆動回路に入力される制御信号によって、可動式
基板搭載台12のXYZ方向への移動及び回転が制御さ
れる。
【0036】このように、可動式基板搭載台12によっ
て被測定基板10の位置を変化することにより、被測定
基板10表面の全面或いは全位置にわたって赤外線を照
射することができ、被測定基板10の表面状態の二次元
分布を測定することが可能となる。
【0037】(b)広帯域赤外光源14 広帯域赤外光源14は、表面状態測定のプローブ光とな
る赤外線を集光して被測定基板10の表面に照射するも
のである。広帯域赤外光源14により照射される赤外線
は、測定すべき汚染物質等の有機分子の特定官能基の赤
外吸収帯域を含む広い波長成分(例えば2〜20μm)
をもつ赤外線である。広帯域赤外光源14が被測定基板
10表面に照射する赤外線のスポットサイズは、表面状
態の二次元分布測定における分解能を決定するものであ
るため、要求される分解能に応じ、被測定基板10に照
射する赤外線のスポットサイズを調整することが望まし
い。
【0038】(c)機械的チョッパー20、チョッパー
駆動回路22 機械的チョッパー20は、広帯域赤外光源14より被測
定基板10表面に向けて照射された赤外線を断続的に遮
断することにより時間的にパルス化するものである。機
械的チョッパー20によるチョッピングのタイミング
は、演算・制御装置32より同期信号が入力されたチョ
ッパー駆動回路22によって決定される。
【0039】チョッパー駆動回路22は、演算・制御装
置32から入力された同期信号に基づき、機械的チョッ
パー20を駆動し、赤外線のパルス化と記憶装置30に
よる検出信号の取り込みとを同期する。このように、赤
外線のパルス化と検出信号の取り込みとを同期し、取り
込んだ検出信号を加算平均することによりS/N比の向
上を図ることができる。
【0040】(d)バンドパスフィルタ24 バンドパスフィルタ24は、被測定基板10表面で反射
された赤外線のうち、例えばC−H基のような検出すべ
き特定の官能基の振動波長域の赤外線のみを透過するも
のである。
【0041】特定の官能基の振動波長域に対応したバン
ドパスフィルタは、例えば米国のスペクトロゴン(SPEC
TROGON)社より販売されている。同社からは、例えば、
O−H基の分子振動に対応する波長域を透過するフィル
タや、C−H基の分子振動に対応する波長域を透過する
フィルタ、Si−H基の分子振動に対応する波長域を透
過する波長域を透過するフィルタ等が入手可能となって
いる。本実施形態による表面状態装置のバンドパスフィ
ルタ24は、このようなフィルタを適用することができ
る。
【0042】本実施形態による表面状態測定装置では、
検出すべき特定の官能基に応じて、対応する透過波長域
のバンドパスフィルタ24を選択する。これにより、被
測定基板10表面における検出すべき特定の官能基の二
次元分布を迅速かつ簡便に測定することができる。特定
の官能基を検出するために必要な波長域の赤外線のみを
分析するので、測定データの処理に長時間要することも
ない。また、このように表面状態測定装置を構成するこ
とにより、高価な赤外干渉計(FT−IR装置)を用い
る必要がないので、装置価格を低廉なものにすることが
できる。
【0043】(e)反射光集光系18、赤外線検出部1
6 反射光集光系18は、凹面鏡、反射鏡等で構成され、被
測定基板10表面で反射しバンドパスフィルタ24を透
過した赤外線を集光して赤外線検出部16に導くもので
ある。
【0044】赤外線検出部16は、赤外線検出器に通常
用いられる窒素冷却されたInSn、HgCdTe等の
素子自身のもつ1/f雑音を回避して検出感度を向上す
べく、ヘテロダイン赤外検出方式によるものである。
【0045】一般に、ヘテロダイン赤外検出方式の装置
構成は、図2に示すように、検出すべき赤外線が入射さ
れるハーフミラー36と、ハーフミラー36を透過した
赤外線の+1次回折光の周波数をシフトする音響光学的
周波数シフタ38と、音響光学的周波数シフタ38によ
ってシフトする周波数の設定を行う変調用発振器40
と、音響光学的周波数シフタ38により周波数シフトさ
れた+1次回折光を集光してもとの光路に周波数を2倍
にして戻す凹面鏡42と、周波数シフトされもとの光路
に戻された+1次回折光をハーフミラー36を介して検
出する赤外線検出器44と、赤外線検出器44による検
出信号を変調用発振器40の発振周波数の2倍の周波数
で同期検波するロックインアンプ46とからなる。
【0046】音響光学周波数シフタ38は、物質に超音
波を印加すると屈折率が正弦波的に変化し位相回折格子
として振る舞うという現象を利用したものである。この
とき、+1次回折光の周波数変位は、印加された超音波
の周波数に等しいものとなる。
【0047】検出すべき赤外線は、ハーフミラー36を
透過した後、音響光学的周波数シフタ38によりその+
1次回折光の周波数がシフトされる。このときシフトさ
れる周波数は、窒素冷却されたInSn、HgCdTe
等の素子自身のもつ1/f雑音が白色雑音と交差する周
波数fcより高い周波数となるように、変調用発振器4
0により設定される。
【0048】上述のように周波数シフトされた+1次回
折光は、凹面鏡42により反射されてもとの光路に導か
れる。このとき、+1次回折光の周波数は、反射前と比
べて2倍となる。凹面鏡42によってもとの光路に導か
れた+1次回折光は、ハーフミラー36を介して赤外線
検出器44により検出されて電気信号に変換される。
【0049】赤外線検出器44により得られた電気信号
は、変調用発振器40の発振周波数の2倍で周波数変調
されているので、その出力をロックインアンプ46によ
り変調用発振器40の発振周波数の2倍の周波数で同期
検波する。こうして、赤外線検出器に通常用いられる素
子自身のもつ1/f雑音を回避した検出信号を得ること
ができる。
【0050】なお、有機物質の基本振動に対応する2〜
20μmの波長域にわたって有効に働く音響光学的周波
数シフタ38は存在しない。そこで、本実施形態による
表面状態測定装置では、図3に示すように、赤外線検出
部16を、ドップラー周波数シフトを利用するヘテロダ
イン赤外検出方式の装置構成とする。図3に示す赤外検
出部16の構成は、図2の音響光学的周波数シフタ38
の代わりに移動回折格子48を用いる点以外は、図2に
示す一般的な装置構成とほほ同じものとなっている。
【0051】ハーフミラー36には、表面状態測定装置
の反射光集光系18により被測定基板10表面で反射し
た赤外線が導かれる。ハーフミラー36を透過した赤外
線は、図示するように、赤外線の入射方向に対して垂直
に振動している移動回折格子48に導かれ、移動回折格
子48により回折される。この際、赤外線の+1次回折
光の周波数がシフトする。移動回折格子48には、回折
格子駆動回路50を介して変調用発振器40が接続され
ている。これにより、+1次回折光の周波数シフトが周
波数fcより高い周波数となるように、移動回折格子4
8の振動が制御されている。こうして周波数シフトした
+1次回折光は、図2の場合と同様に、凹面鏡42によ
り再びもとの光路に導かれ、ハーフミラー36を介して
赤外線検出器44により検出される。
【0052】赤外線検出器44により得られた電気信号
は、変調用発振器40の発振周波数の2倍で周波数変調
されているので、その出力をロックインアンプ46によ
り変調用発振器40の発振周波数の2倍の周波数で同期
検波する。
【0053】こうしてロックインアンプ46により同期
検波された検出信号は、表面状態測定装置の解析部26
に送られる。
【0054】上述のようにして、ヘテロダイン赤外検出
方式の赤外線検出部16を用いることにより、赤外線検
出器44に用いられる窒素冷却されたInSn、HgC
dTe等の素子自身のもつ1/f雑音に起因する制約を
取り除くことができる。従って、赤外線の検出感度を向
上することが可能となる。
【0055】(f)解析部26(A/D変換器28、記
憶装置30、演算・制御装置32、表示装置34) A/D変換器28は、赤外線検出部16からの検出信号
をアナログ−デジタル変換してデジタル化するものであ
る。
【0056】記憶装置30は、演算・制御装置32から
の制御信号に基づき、A/D変換器28によってデジタ
ル化された検出信号を機械的チョッパー20による赤外
線のパルス化と同期して所定の回数取り込んで記憶す
る。また、記憶装置30には、有機分子の種類や検量
線、参照スペクトル等が別途データベースとして蓄えら
れており、測定データは、それらのデータを参照して定
量化される。
【0057】演算・制御装置32は、記憶装置30に所
定の回数取り込んで記憶された検出信号を加算平均す
る。これによりS/N比を向上することができる。この
とき、S/N比の向上は、加算平均回数の平方根に比例
することが知られている。
【0058】また、演算・制御装置32は、機械的チョ
ッパー20の駆動と記憶装置30の検出信号の取り込み
とを同期する制御信号をチョッパー駆動回路22及び記
憶装置30に入力する。また、可動式基板搭載台12の
位置を変化する制御信号を可動式基板搭載台12の駆動
回路に入力する。
【0059】〔2〕 表面状態測定方法 次に、本実施形態による表面状態測定方法について図1
を用いて説明する。
【0060】本実施形態による表面状態測定方法は、被
測定基板10表面に付着した分子の特定の官能基による
赤外線の吸光度の大きさに基づき、特定の官能基の表面
における濃度を算出する。したがって、特定の官能基の
表面における濃度と吸光度との関係を示す検量線を表面
状態の測定に先立ち作成しておく必要がある。
【0061】まず、表面の清浄な被測定基板10を可動
式基板搭載台12上に載置する。
【0062】続いて、広帯域赤外光源14によって、赤
外線を被測定基板10表面の所定の位置に向けて照射す
る。同時に機械的チョッパー20を記憶装置30の検出
信号を取り込むタイミングと同期して駆動し、被測定基
板10表面に照射する赤外線をパルス化する。
【0063】次いで、被測定基板10表面で反射した赤
外線を、バンドパスフィルタ24を介して反射光集光系
18により集光して赤外線検出部16に導く。ここで、
バンドパスフィルタ24は、検出すべき特定の官能基の
吸収波長域のみを透過するものとする。
【0064】次いで、反射光集光系18からの赤外線を
赤外線検出部16により検出し、検出信号として電気信
号に変換してから解析部26に入力する。
【0065】次いで、解析部26において、赤外線検出
部16から入力された検出信号をA/D変換器28によ
りデジタル化する。そして、デジタル化した検出信号
を、機械的チョッパー20による赤外線のパルス化と同
期して記憶装置30に所定の回数取り込む。このとき検
出信号を取り込む回数は、要求される測定精度、測定時
間との関係等から適宜調整することができる。
【0066】続いて、所定の回数取り込んだ検出信号
を、演算・制御装置32により加算平均する。こうし
て、分子の付着していない清浄な状態の被測定基板10
表面について検出信号の平均強度I0を算出する。
【0067】次いで、特定の官能基を有する分子を希釈
して、一定の濃度にして定量を表面の被測定対象領域に
均一に塗布する。この被測定基板10表面について、上
述の清浄な状態の場合と同様にして検出信号の平均強度
s1を算出する。
【0068】同様に、特定の官能基を有する分子の濃度
を順次一桁ずつ変えて測定を行い、得られた検出信号の
平均強度を、Is2、Is3、Is4、…、Isn、…とする。
【0069】続いて、それぞれの場合について、吸光度
abs1、Iabs2、Iabs3、…、Iab sn、…を以下の式に
従い算出する。
【0070】Iabsn=−log(Isn/I0) 次いで、得られた吸光度と、そのときの基板表面の分子
の濃度とをプロットすることにより、特定の官能基を有
する分子の基板表面における濃度と吸光度との関係を示
す検量線が得られる。
【0071】上述のようにして求めた検量線を参照する
ことにより、表面状態を測定すべき被測定基板10表面
の所定の位置について得られた吸光度から、所定の位置
における特定の官能基の濃度を決定することができる。
【0072】次に、測定すべき被測定基板10表面にお
ける特定の官能基の濃度の二次元分布の測定手順につい
て以下に説明する。
【0073】まず、表面状態を測定すべき表面を上向き
にして、被測定基板10を可動式基板搭載台12上に載
置する。
【0074】続いて、検量線を作成したときと同様にし
て、被測定基板10表面を反射した赤外線のうち検出す
べき特定の官能基の吸収波長域の赤外線の検出信号の平
均強度を算出する。この算出結果と、予め同様にして清
浄表面について測定しておいた検出信号の平均強度I0
とから、現在測定している被測定基板10表面の位置で
の赤外線の吸光度を算出する。
【0075】次いで、算出された吸光度を、予め作成し
ておいた特定の官能基の基板表面における濃度と吸光度
との関係を示す検量線と比較する。この比較結果から現
在赤外線を照射している被測定基板10表面の位置にお
ける特定の官能基の基板表面での濃度を決定する。
【0076】こうして被測定基板10表面の所定の位置
について得られた測定結果を、その位置情報とともに記
憶装置30に記憶する。
【0077】続いて、可動式基板搭載台12により被測
定基板10の位置を移動して、赤外線の照射位置を変え
て同様の測定を行う。被測定基板10表面の別の位置に
おける測定すべき官能基の濃度を算出し、位置情報とと
もに記憶装置30に記憶する。こうして、被測定基板1
0表面の全面、或いは所定の領域にわたって順次測定す
べき特定の官能基の濃度を算出し、被測定基板10表面
における位置情報とともに記憶装置30に記憶してい
く。
【0078】次いで、測定すべき特定の官能基の濃度
を、同時に記録した位置情報をもとに、被測定基板10
表面における二次元分布図として表示装置34に表示す
る。こうして、表面状態の測定を終了する。
【0079】なお、本実施形態による表面状態測定方法
及び装置では、上述のように被測定基板10表面で反射
した赤外線を分析することにより表面状態の測定を行う
ので、被測定基板10の赤外透過性の有無を問題としな
い。従って、例えばガラス基板等のように、赤外線を透
過しない基板であっても、その表面状態を測定すること
ができる。
【0080】このように、本実施形態によれば、機械的
チョッパー20によりパルス化された赤外線を被測定基
板10表面に照射し、表面で反射した赤外線の検出信号
を赤外線のパルス化と同期して取り込んで加算平均を行
うので、S/N比を向上することができる。また、可動
式基板搭載台12により赤外線の被測定基板への照射位
置を変化することにより、表面に付着した特定の有機分
子の存在量の二次元分布を測定することができる。更
に、赤外検出部16にヘテロダイン赤外検出方式による
ものを用いることにより、1/f雑音を回避して検出感
度を向上することができる。
【0081】なお、上記実施形態では、広帯域赤外光源
14を用いて、検出すべき官能基の分子振動に等しい波
長域の赤外線をバンドパスフィルタ24を介して検出し
ていたが、特定の波長域の赤外線を放出する赤外光源を
用いて、バンドパスフィルタを用いない構成としてもよ
い。すなわち、図4に示すように、検出すべき特定の官
能基の分子振動と等しい波長域の赤外線を放出する特定
波長域赤外光源52を用いることにより、上記実施形態
では必要であったバンドパスフィルタ24が不要とな
る。特定波長域赤外光源52としては、例えば、半導体
レーザや、YAGレーザ励起型LiNbO3ドメイン反
転型赤外光源などを用いることができる。このような構
成により、予め検出すべき官能基が明確である場合等
に、その濃度の二次元分布を簡便に測定することができ
る。
【0082】[第2実施形態]本発明の第2実施形態に
よる表面状態測定方法及び装置について図5を用いて説
明する。図5は、本実施形態による表面状態測定装置の
構造を示す概略断面図である。なお、第1実施形態によ
る表面状態測定方法及び装置と同一の構成要素について
は同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡略にする。
【0083】図5に示すように、本実施形態による表面
状態測定方法及び装置は、基本的な構成は、第1実施形
態によるものと同一である。本実施形態では、被測定基
板10と反射光集光系18との間に配置されていたバン
ドパスフィルタ24が省かれ、赤外線検出部16の前段
に、反射光集光系18により集光された赤外線をスペク
トル成分に分解する赤外分光光度計54が設けられてい
る。
【0084】このように本実施形態による表面状態測定
装置は、赤外分光光度計54を設けることにより、被測
定基板10表面で反射した赤外線を分光分析し、被測定
基板10表面に存在する分子種の同定及び/又はその濃
度の算出が可能であることに特徴がある。
【0085】次に、本実施形態による表面状態測定方法
について図5を用いて説明する。
【0086】まず、可動式基板搭載台12上に載置した
被測定基板10表面の所定の位置に向けて広帯域赤外光
源14より赤外線を照射する。同時に、機械的チョッパ
ー20を、記憶装置30の検出信号を取り込むタイミン
グと同期して駆動し、被測定基板10表面に照射する赤
外線をパルス化する。
【0087】機械的チョッパー20によりパルス化され
た赤外線が被測定基板10表面で反射するとき、その赤
外線のうち表面に付着した分子の振動数と一致する振動
数の赤外線が共鳴吸収される。
【0088】次いで、被測定基板10表面で反射した赤
外線を反射光集光系18により集光して赤外分光光度計
54に導いてスペクトル成分に分解する。
【0089】次いで、赤外分光光度計54によりスペク
トル成分に分解された赤外線を赤外線検出部16により
検出し、検出信号として電気信号に変換してから解析部
26に入力する。
【0090】次いで、解析部26において、赤外線検出
部16から入力された検出信号をA/D変換器28によ
りデジタル化した後、機械的チョッパー20と同期して
記憶装置30に所定の回数取り込む。このとき検出信号
を取り込む回数は、要求される測定精度、測定時間との
関係等から適宜調整することができる。
【0091】上述のようにして、被測定基板10表面で
反射した赤外線の各波長成分毎に検出信号を加算平均を
することにより、S/N比を向上した赤外分光分析スペ
クトルを得ることができる。
【0092】このように、本実施形態では、従来の赤外
多重内部反射法において赤外線を被測定基板内部を多重
反射することによりS/N比を光学的に向上していたも
のを、パルス化した赤外線の検出信号を加算平均するこ
とにより電気的に行うものである。
【0093】従来の赤外多重内部反射法では、被測定基
板内部での赤外線の反射回数が多くなり光路が長くなる
につれて、長波長側の赤外線が被測定基板に吸収される
ため、赤外線の透過波長域が狭くなる。この結果、分子
種同定のために必要な赤外線の長波長側の情報が欠落す
るということが起きていた。しかし、本実施形態によれ
ば、被測定基板の反射光を測定し、電気的に検出信号の
加算平均を行うことによりS/N比の向上を図るので、
従来の赤外多重内部反射法にみられた赤外線の長波長側
の情報の欠落を回避することができる。これにより、よ
り精度の高い分子種の同定を実現することができる。
【0094】上述のようにして得られた赤外分光分析ス
ペクトルより、現在赤外線を照射している位置に存在す
る分子種の同定を行い、あわせて第1実施形態と同様に
してその分子種の濃度を算出する。こうして得られた測
定結果を位置情報とともに、記憶装置30に記憶する。
【0095】続いて、可動式基板搭載台12により被測
定基板10の位置を移動して、赤外線の照射位置を変え
て同様の測定を行い、被測定基板10表面の別の位置に
おける分子種の同定及びその濃度の算出を行い、位置情
報とともに記憶装置30に記憶する。こうして、被測定
基板10表面の全面、或いは特定の領域にわたって順次
分子種の同定及びその濃度の算出を行い、被測定基板1
0表面における位置情報とともに記憶装置30に記憶し
ていく。
【0096】次いで、同定された分子種とその濃度を、
同時に記録した位置情報をもとに、被測定基板10表面
における二次元分布図として表示装置34に表示する。
こうして、表面状態の測定を終了する。
【0097】このように、本実施形態によれば、機械的
チョッパー20によりパルス化された赤外線を被測定基
板10表面に照射し、表面で反射した赤外線の検出信号
を赤外線のパルス化と同期して取り込んで加算平均を行
うので、S/N比を向上した赤外分光分析スペクトルを
得ることができる。また、可動式基板搭載台12により
赤外線の被測定基板への照射位置を変化することによ
り、表面に付着した有機分子の種類及び/又はその存在
量の二次元分布を測定することができる。更に、赤外検
出部16にヘテロダイン赤外検出方式によるものを用い
ることにより、1/f雑音を回避して検出感度を向上す
ることができる。
【0098】[変型実施形態]本発明の上記実施形態に
よらず種々の変形が可能である。
【0099】例えば、上記実施形態では、機械的チョッ
パー20を広帯域赤外光源14と被測定基板10との間
の赤外線の入射側の光路に配置し、バンドパスフィルタ
24を被測定基板10と反射光集光系18のと間の赤外
線の反射側の光路に配置しているが、機械的チョッパー
20及びバンドパスフィルタ24の配置は、赤外線の入
射側の光路又は反射側の光路のいずれであってもよい。
例えば、機械的チョッパー20及びバンドパスフィルタ
24の両者を広帯域赤外光源14と被測定基板10との
間の赤外線の入射側の光路に配置してもよい。
【0100】また、上記実施形態では、機械的チョッパ
ー20を用いて赤外線を断続的に遮断することにより、
赤外線のパルス化を行っていたが、赤外線のパルス化の
方法は、これに限定されるものではない。例えば、電気
的な強度変調器を用いて、広帯域赤外光源14より放出
される赤外線のパルス化を行ってもよい。この場合も、
電気的な強度変調器による赤外線のパルス化と検出信号
の記憶装置30への取り込みとが同期される。
【0101】また、上記実施形態では、赤外線検出部1
6として、ドップラー周波数シフトを利用するヘテロダ
イン赤外検出方式のものを用いている。しかし、有機物
質の基本振動に対応する2〜20μmの波長域にわたっ
て有効に働く音響光学的周波数シフタが入手可能となれ
ば、音響光学的周波数シフタを用いたヘテロダイン赤外
検出方式としてよい。なお、赤外線線検出部16は、ヘ
テロダイン赤外検出方式によるものに限定されるもので
はない。例えば、赤外線検出部16として、窒素冷却さ
れたInSn、HgCdTe等の素子からなる通常の赤
外線検出器そのものを用いてもよい。
【0102】また、上記実施形態では、表面状態測定装
置を単独で用いているが、半導体製造ライン等に組み込
み、他の製造工程で用いられる装置と組み合わせて使用
してもよい。例えば、基板の洗浄処理装置と組み合わせ
て使用し、表面状態測定装置による基板の表面状態の測
定結果に基づき、洗浄処理を制御するようにしてもよ
い。
【0103】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、赤外線を
パルス化し、被測定基板で反射される赤外線をパルス化
のタイミングと同期して複数回検出し、検出結果の加算
平均に基づいて被測定基板の所定位置における表面状態
を測定するので、被測定基板の局所的な表面状態の高感
度測定を簡単且つ低廉に実現することができる。
【0104】また、被測定基板表面に照射する赤外線の
位置を変化しながら被測定基板の表面状態を測定するこ
とを繰り返し、被測定基板の所定の範囲における表面状
態の測定を行うので、被測定基板表面の有機汚染物質等
の分布を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による表面状態測定装置
の構造を示す概略図である。
【図2】ヘテロダイン赤外検出方式の一般的な装置構成
を示す概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態による表面状態測定装置
における赤外線検出部の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の第1実施形態による表面状態測定装置
の変形例を示す概略図である。
【図5】本発明の第2実施形態による表面状態測定装置
の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
10…被測定基板 12…可動式基板搭載台 14…広帯域赤外光源 16…赤外線検出部 18…反射光集光系 20…機械的チョッパー 22…チョッパー駆動回路 24…バンドパスフィルタ 26…解析部 28…A/D変換器 30…記憶装置 32…演算・制御装置 34…表示装置 36…ハーフミラー 38…音響光学的周波数シフタ 40…変調用発振器 42…凹面鏡 44…赤外線検出器 46…ロックインアンプ 48…移動回折格子 50…回折格子駆動回路 52…特定波長域赤外光源 54…赤外分光光度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G051 AA51 AA73 AB01 BA06 BA08 BA10 BC01 CA02 CA03 CB01 DA07 DA08 EA12 EA14 EC03 FA10 2G059 AA05 BB08 BB16 DD13 EE02 GG01 GG08 HH01 HH06 JJ01 JJ02 JJ05 JJ18 JJ22 JJ24 KK01 MM01 MM03 MM09 MM10 MM12 NN01 PP04 4M106 AA01 BA08 CA42 CB02 DB02 DB07 DB11 DH13 DJ01 DJ03 DJ05 DJ06 DJ12 DJ21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定基板の所定位置に赤外線を照射
    し、前記被測定基板の表面で反射される赤外線を検出
    し、検出した赤外線に基づいて前記被測定基板の表面の
    状態を測定する表面状態測定方法であって、 赤外線をパルス化し、 前記被測定基板から放出される赤外線をパルス化のタイ
    ミングと同期して複数回検出し、 検出結果の加算平均に基づいて前記被測定基板の前記所
    定位置における表面状態を測定することを特徴とする表
    面状態測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面状態測定方法におい
    て、 前記被測定基板の表面に付着した有機分子の吸収帯域を
    含む波長成分を有する赤外線を照射し、 検出した赤外線を分光分析することにより、前記有機分
    子の種類を同定し及び/又は前記有機分子の存在量を算
    出することを特徴とする表面状態測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の表面状態測定方法におい
    て、 前記被測定基板の表面に付着した特定の有機分子の吸収
    帯域を含む波長成分を有する赤外線を照射し、 前記特定の有機分子の吸収帯域の赤外線のみをバンドパ
    スフィルタを介して検出し、 検出した赤外線の強度を分析することにより、前記特定
    の有機分子の存在量の算出を行うことを特徴とする表面
    状態測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の表面状態測定方法におい
    て、 前記被測定基板の表面に付着した特定の有機分子が吸収
    する特定波長の赤外線を照射し、 検出した赤外線の強度を分析することにより、前記特定
    の有機分子の存在量の算出を行うことを特徴とする表面
    状態測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    表面状態測定方法において、 前記被測定基板の表面で反射される赤外線をヘテロダイ
    ン方式により検出することを特徴とする表面状態測定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    表面状態測定方法において、 前記被測定基板表面に照射する赤外線の位置を変化しな
    がら前記被測定基板の表面状態を測定することを繰り返
    し、前記被測定基板の所定の範囲における表面状態の測
    定を行うことを特徴とする表面状態測定方法。
  7. 【請求項7】 被測定基板の表面に赤外線を照射する赤
    外線照射手段と、 赤外線をパルス化する赤外線パルス化手段と、 前記赤外線パルス化手段によるパルス化のタイミングと
    同期して前記被測定基板の表面で反射した赤外線を複数
    回検出する赤外線検出手段と、 前記赤外線検出手段により検出された赤外線を分析し、
    前記被測定基板の赤外線を照射した位置の表面状態を測
    定する表面状態測定手段とを有することを特徴とする表
    面状態測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の表面状態測定装置におい
    て、 前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段による検
    出結果を加算平均し、検出結果の加算平均に基づいて前
    記被測定基板の赤外線を照射した位置の表面状態を測定
    することを特徴とする表面状態測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の表面状態測定装置
    において、 前記赤外線照射手段は、前記被測定基板の表面に付着し
    た有機分子の吸収帯域を含む赤外線を照射し、 前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段により検
    出された赤外線を分光分析することにより前記有機分子
    の種類を同定し及び/又は前記有機分子の存在量を算出
    することを特徴とする表面状態測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8記載の表面状態測定装
    置において、 前記赤外線照射手段は、前記被測定基板の表面に付着し
    た特定の有機分子の吸収帯域を含む波長成分を有する赤
    外線を照射し、 前記赤外線照射手段より照射された赤外線のうち前記特
    定の有機分子の吸収帯域の赤外線のみを透過するバンド
    パスフィルタを更に有し、 前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段により検
    出された赤外線の強度を分析することにより、前記特定
    の有機分子の存在量を算出することを特徴とする表面状
    態測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8記載の表面状態測定装
    置において、 前記赤外線照射手段は、前記被測定基板表面に付着した
    特定の有機分子が吸収する特定波長の赤外線を照射し、 前記表面状態測定手段は、前記赤外線検出手段により検
    出された赤外線の強度を分析することにより、前記特定
    の有機分子の存在量を算出することを特徴とする表面状
    態測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1項に記
    載の表面状態測定装置において、 前記赤外線検出手段は、ヘテロダイン方式によって赤外
    線を検出するものであることを特徴とする表面状態測定
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至12のいずれか1項に記
    載の表面状態測定装置において、 前記被測定基板に照射する赤外線の位置を変化する位置
    変化手段と、 赤外線を照射した前記被測定基板の位置情報と前記表面
    状態測定手段の測定結果とを関連付けて記憶する記憶手
    段とを更に有することを特徴とする表面状態測定装置。
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