JP5927112B2 - 電界スペクトル測定装置および物体測定装置 - Google Patents

電界スペクトル測定装置および物体測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5927112B2
JP5927112B2 JP2012505757A JP2012505757A JP5927112B2 JP 5927112 B2 JP5927112 B2 JP 5927112B2 JP 2012505757 A JP2012505757 A JP 2012505757A JP 2012505757 A JP2012505757 A JP 2012505757A JP 5927112 B2 JP5927112 B2 JP 5927112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spectrum
wave
reference wave
measurement
measured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012505757A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011115232A1 (ja
Inventor
達俊 塩田
達俊 塩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saitama University NUC
Original Assignee
Saitama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saitama University NUC filed Critical Saitama University NUC
Publication of JPWO2011115232A1 publication Critical patent/JPWO2011115232A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5927112B2 publication Critical patent/JP5927112B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/45Interferometric spectrometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/02083Interferometers characterised by particular signal processing and presentation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/0209Low-coherence interferometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/45Interferometric spectrometry
    • G01J3/453Interferometric spectrometry by correlation of the amplitudes
    • G01J3/4535Devices with moving mirror

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、参照波路を伝播する参照波および参照波路と基点を同一とする1つまたは2つ以上の測定波路を伝播する測定波を受け取り、たとえば参照波のスペクトルと、参照波と測定波の合成波の二乗に比例する信号とに基づき、測定波の種々のスペクトルを取得することができるスペクトル測定装置、および前記スペクトル測定装置を用いて被測定物体の空間情報,エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等を取得することができる物体測定装置に関する。
従来、ミラー掃引により干渉信号の計測を行う技術(特許文献1,特許文献2)が知られている。これらの技術は、白色光源を用いることで高い分解能の測定ができ、簡単なスペクトル情報も得ることができる。
しかし、特許文献1,特許文献2の技術では、分光情報を空間分解することができない。
本発明の目的は、参照波のスペクトルと、参照波と測定波の合成波の二乗に比例する信号とに基づき測定波の種々のスペクトルを取得する(または、参照波の自己相関および参照波と測定波の相互相関に基づき測定波の種々のスペクトルを取得する)ことができるスペクトル測定装置を提供することである。
本発明の他の目的は、前記スペクトル測定装置を用いて被測定物体の空間情報,エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率の少なくとも1つを取得することができる物体測定装置を提供することである。
本発明のスペクトル測定装置の第1態様は(1)および(2)を要旨とする。
(1)
参照波路を伝播する参照波と、前記参照波路と同一の基点を持つ測定波路を伝播する測定波とを受け取り、前記測定波のスペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記測定波のスペクトルであり、
前記参照波のスペクトルと、
前記参照波と前記測定波の合成波の二乗に比例する信号とに基づき、
前記測定波のスペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。
(2)
前記測定波のスペクトルがパワースペクトルであり、当該パワースペクトルが、
[参照波と測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
で表されることを特徴とする(1)に記載のスペクトル測定装置。
たとえば、スペクトル測定装置は、参照波路を伝播する参照波Srと、前記参照波路と同一の基点を持つ測定波路を伝播する測定波Ssとを受け取り、前記測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)、パワースペクトル|Es(ω)|2、振幅スペクトルAs、位相スペクトルφsの少なくとも1つを求めることができる。この場合に、前記参照波Srの自己相関Irrをフーリエ変換(フーリエ変換Frr)して前記参照波Srのパワースペクトル|Er2を求めるとともに、
前記参照波Srと前記測定波Ssとの相互相関Irsのフーリエ変換(フーリエ変換Frs)の二乗を求め、
前記参照波Srのパワースペクトル|Er2と前記相互相関Irsの前記フーリエ変換Frsに基づき、前記スペクトルの少なくとも1つを求める
ことができる。
ここで、パワースペクトル|Es2は、
|Es2=(相互相関Irsの前記フーリエ変換Frs2
/(参照波Srの自己相関Irrのフーリエ変換Frr
で表される。
本発明の物体測定装置の第1態様は(3)および(4)を要旨とする。
(3)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(1)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波のスペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることを特徴とする物体測定装置。
(4)
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(3)に記載の物体測定装置。
たとえば、物体測定装置は、スペクトル測定装置の機能を持つ属性特定装置を備える。
物体測定装置において、参照波路および測定波路は、同一の光源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波Ssの、パワースペクトル|Es2、振幅スペクトルAs、位相スペクトルφsの少なくとも1つに基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
この物体測定装置では、被測定物体の位置に全反射ミラーをセットし、参照波路がこの全反射ミラーで折り返すように構成できる。
本発明のスペクトル測定装置の第2態様は(5)を要旨とする。
(5)
参照波路を伝播する参照波と、前記参照波路と同一の基点を持つ測定波路を伝播する測定波とを受け取り、前記測定波のスペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記参照波のスペクトルを求めるとともに、
前記参照波と前記測定波との相互相関のフーリエ変換を求め、
前記参照波のスペクトルと前記相互相関の前記フーリエ変換に基づき、前記スペクトルを求める、
ことを特徴とするスペクトル測定装置。
具体的には、
電界スペクトルEs(ω)は、
測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)の複素共役Es *
=(相互相関Irsの前記フーリエ変換Frs
/(参照波Srの電界スペクトル)
s *はEsの複素共役
で表される。
本発明の物体測定装置の第2態様は(6)および(7)を要旨とする。
(6)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(5)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波の前記スペクトルに基づき、前記被測定物体の、属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
(7)
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(6)に記載の物体測定装置。
本発明のスペクトル測定装置の第3態様は(8)および(9)を要旨とする。
(8)
参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波とを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルであり、
前記参照波のスペクトルと、
前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波の各合成波の二乗に比例する各信号とに基づき、
前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。
(9)
前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルがパワースペクトルであり、当該第k測定波(kは、1,2,・・・,Nの何れか)のパワースペクトルが、
[参照波と第k測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
で表されることを特徴とする(8)に記載のスペクトル測定装置。
たとえば、スペクトル測定装置は、参照波路を伝播する参照波Srと、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNとを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs(ω)を求めることができる。
この場合に、スペクトル測定装置は、参照波路を伝播する参照波Srと、前記参照波路と同一の基点を持つ第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNとを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)、パワースペクトル|Es1(ω)|2,|Es2(ω)|2,・・・,|EsN(ω)|2、振幅スペクトルAs1(ω),As2(ω),・・・,AsN(ω)、位相スペクトルφs1(ω),φs2(ω),・・・,φsN(ω)の少なくとも1つを求めることができる。
スペクトル測定装置は、前記参照波Srの自己相関Irrをフーリエ変換して(フーリエ変換Frr)前記参照波Srのパワースペクトル|Er2を求めるとともに、
前記参照波Srと前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNとの相互相関Irs1,Irs2,・・・,IrsNのフーリエ変換Frs1,Frs2,・・・,FrsNの二乗をそれぞれ求め、
前記参照波Srのパワースペクトル|Er2と前記相互相関Irs1,Irs2,・・・,IrsNの前記フーリエ変換Frs1,Frs2,・・・,FrsNの二乗に基づき、前記スペクトルの少なくとも1つを求めることができる。
本発明の物体測定装置の第3態様は(10)および(11)を要旨とする。
(10)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(9)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
(11)
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
前記参照波が、伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿った成分の遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(10)に記載の物体測定装置。
たとえば、物体測定装置は、スペクトル測定装置の機能を持つ属性特定装置を備える。
物体測定装置において、参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の光源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)に基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
本発明のスペクトル測定装置の第4態様は(12)を要旨とする。
(12)
参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波を受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の電界スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記参照波のスペクトルを求めるとともに、
前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波との各相互相関のフーリエ変換をそれぞれ求め、
前記参照波のスペクトルと前記各相互相関の前記各フーリエ変換に基づき、前記スペクトルを求める、
ことを特徴とするスペクトル測定装置。
本発明の物体測定装置の第4態様は(13)および(14)を要旨とする。
(13)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、請求項12に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の電界スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
(14)
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(13)に記載の物体測定装置。
物体測定装置は、スペクトル測定装置の機能を持つ属性特定装置を備えている。
第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源(光源)を基点とし、第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体Oを貫通するように形成される。
属性特定装置は、測定した第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)に基づき、被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
《第1基本態様》
第1基本態様は、(1),(2)のスペクトル測定装置および(3)の物体測定装置に対応する。
本発明の第1基本態様を、参照波Sr,測定波Ssが光である場合を例に、図1および図2により説明する。なお、本発明は、光のほか、X線、テラヘルツ波、ラジオ波、ミリ波等にも適用できる。
図1および図2に示すように、物体測定装置100は、発生源(光源11)と、干渉計12と、属性特定装置13とを備えている。光源11から出射される光は、典型的には白色光源のような広帯域光である。干渉計12は、本態様ではビームスプリッタ121と参照ミラー122と参照ミラー駆動部123を備えている。
参照波路PTHrは、光源11を基点として、ビームスプリッタ121を介して参照ミラー122に到達し、参照ミラー122を折り返して、さらにビームスプリッタ121を介し属性特定装置13に到達する。
図2に参照されるように、測定波路PTHsは、光源11を基点として、ビームスプリッタ121を介して被測定物体Oに到達し、被測定物体Oにて折り返して、さらにビームスプリッタ121を介し属性特定装置13に到達する。
属性特定装置13は、スペクトル測定装置としての機能を備えており、光検出器131と演算処理部132とを有している。演算処理部132は、参照波Srの自己相関Irrを求めてこれをフーリエ変換、さらに参照波Srと測定波Ssとの相互相関Irsを求めこれをフーリエ変換する。
そして、これらのフーリエ変換Frr,Frsとから、測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)、パワースペクトル|Es(ω)|2、振幅スペクトルAs(ω)、位相スペクトルφs(ω)の少なくとも1つを求めることができる。
自己相関Irrを求めるときは、たとえば、図1に示すように被測定物体Oの位置に全反射ミラー124を設けておく。
演算処理部132は、演算器1321と、前述したメモリ1322とを備えている。演算器1321は、自己相関Irrを求め、フーリエ変換し、フーリエ変換Frrはメモリ1322に記憶される。
一方、被測定物体Oの測定に際しては、図2に示すように光検出器131は、参照波Srおよび被測定物体Oにて反射された測定波Ss(干渉波)ビームスプリッタ121を介して受光する。
演算器1321は、光検出器131が検出した干渉波を電気信号として受け取り、参照波Srと測定波Ssとから相互相関Irsを求め、フーリエ変換する(フーリエ変換Frsとする)。
そして、演算器1321は、メモリ1322に記憶された自己相関Irrのフーリエ変換Frrと、相互相関Irsのフーリエ変換Frsとから測定波Ssのパワースペクトル|Es2を、
|Es2=(相互相関Irsのフーリエ変換Frs2
/(参照波Srの自己相関Irrのフーリエ変換Frr
として求めることができる。
また、演算処理部132は、測定した測定波Ssのパワースペクトル|Es2に基づき、被測定物体Oの、空間情報、エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つを求めることができる。
《第2基本態様》
第2基本態様は、(5)のスペクトル測定装置および(6)の物体測定装置に対応する。
本発明の第2基本態様を、参照波Sr,測定波Ssが光である場合を例に、図3および図4により説明する。
図3および図4に示すように、物体測定装置200は、発生源(光源21)と、干渉計22と、属性特定装置23とを備えている。
光源21から出射される光は、典型的には白色光源のような広帯域光である。干渉計22は、本態様ではビームスプリッタ221と参照ミラー222と参照ミラー駆動部223を備えている。参照波路PTHrは、光源21を基点として、ビームスプリッタ221を介して参照ミラー222に到達し、参照ミラー222を折り返して、さらにビームスプリッタ221を介し属性特定装置23に到達する。
図4に参照されるように、測定波路PTHsは、光源21を基点として、ビームスプリッタ221を介して被測定物体Oに到達し、被測定物体Oにて折り返して、さらにビームスプリッタ221を介し属性特定装置23に到達する。属性特定装置23は、スペクトル測定装置としての機能を備えており、光検出器231と演算処理部232と電界スペクトル測定部233とビームスプリッタ234とを有している。
参照波Srの電界スペクトルEr(ω)は電界スペクトル測定部233により求めることができる。電界スペクトル測定部233は、補助信号生成部2331と、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333と、周波数選択部2334を有している。
電界スペクトルEr(ω)を測定するときは、たとえば、図3に示すように被測定物体Oの位置に光吸収板224を設けておく等により、光検出器231が参照波Srのみを検出するように(すなわち、被測定物体Oからの反射波が光検出器231に到達しないように)する。補助信号生成部2331は、たとえば2波長モードロック広帯域レーザであり、周波数中間値が参照波成分srm,srn(周波数間隔Δω)の周波数の間に設定され、周波数間隔が2つの参照波成分srm,srnの周波数間隔と同一の2つの補助信号uam,uanを生成する。
相対位相検出部2332は、2つの参照波成分srm,srnと2つの補助信号uam,uanとから、周波数が低い参照波成分srmと補助信号uamとのビート信号BTm(図示せず)、および周波数が高い参照波成分srnと補助信号uamとのビート信号BTn(図示せず)を生成し、これら2つのビート信号の乗算信号を生成する。この乗算信号の直流成分から、検出系により定まる定数を取り除けば、参照波成分srmとsrnとの相対位相φrn−φrmを検出することができる。また、振幅検出部2333は、補助信号uamと参照波成分srmのビート信号BTm(図示せず)から参照波成分srmの振幅Armを測定することができるし、補助信号uamを参照波成分srnのビート信号BTn(図示せず)から参照波成分srnの振幅Arnを測定することができるし検出することができる。
電界スペクトル測定部233は、上記の処理を、周波数が異なる多数の参照波成分srnの対について行うことで、参照波Srの電界スペクトルEr(ω)を得ることができる。この電界スペクトルEr(ω)は、演算処理部232のメモリ2322に記憶される。
一方、被測定物体Oの測定に際しては、図4に示すように光検出器231は、参照波Srおよび被測定物体Oにて反射された測定波Ss(干渉波)ビームスプリッタ221を介して受光する。
演算処理部232は、演算器2321と、前述したメモリ2322とを備えている。演算器2321は、相互相関の演算を演算する機能を備えている、光検出器231が検出した干渉波を電気信号として受け取り、参照波Srと測定波Ssとから相互相関Irsを求め、これをフーリエ変換する(フーリエ変換Frsとする)。
そして、演算器2321は、メモリ2322に記憶された電界スペクトルEr(ω)と、フーリエ変換Frsとから測定波Ssの電界スペクトルEsを、
測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)の複素共役Es *
=(相互相関Irsのフーリエ変換Frs
/(参照波Srの電界スペクトル)
として求めることができる。
演算処理部232は、測定した測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)に基づき、被測定物体Oの、空間情報、エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つを求めることができる。
なお、サンプリングに際しては、「サンプリング定理」に従って、λ/2cの時間よりも短い時間でサンプリングする必要がある。
《第3基本態様》
第3基本態様は、(4),(7)の物体測定装置に対応する。
本発明では、参照波Srが伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間(または進み時間)が漸次変化する特性を持つようにできる。図5(A),(B)は、時間遅れのイメージ図であり、図5(A)は時間遅れが生じる前の参照波Srであり、図5(B)は時間遅れが生じた後の参照波Srである。図5(B)では、Sr参照波は伝播方向に垂直な仮想線gに沿って遅延時間Δtが漸次変化する特性を示している。この場合には、被測定物体Oの点の深さ方向の属性が得られる。すなわち、光検出器131,231は、画素が一次元配列されセンサを使用することができ、センサの各画素は、被測定物体OのcΔtの深さに対応する情報を持つ光を検出する。
また、本発明では、参照波Srの伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿った成分の遅延時間(進み時間)が漸次変化するようにできる。図6(A),(B)は、時間遅れのイメージ図であり、図6(A)は時間遅れが生じる前の参照波Srであり、図6(B)は時間遅れが生じた後の参照波Srである。図6(B)では、Sr参照波は伝播方向に垂直な仮想面Gに沿って遅延時間Δtが漸次変化する特性を示している。この場合には、被測定物体Oの切断線の深さ方向の属性が得られる。すなわち、光検出器131,231は、画素が二次元配列されセンサを使用することができ、センサのX方向の画素群は、Y座標に対応する点における被測定物体OのcΔtの深さに対応する情報を持つ光を検出する。
《応用態様》
本発明では、上記の基本態様を拡張し、N層の被測定物体Oについても、電界スペクトルEs(ω)、パワースペクトル|Es(ω)|2、振幅スペクトルAs(ω)、位相スペクトルφs(ω)の少なくとも1つを求めることができる。この応用態様は、(8),(9),(12)のスペクトル測定装置および(10),(11),(13),(14)の物体測定装置に対応する。その説明は、後述する。
汎用のスペクトル計測装置で不均一な内部構造を有する被測定物体を計測する場合、複雑な分光スペクトル情報が積算された(入り混じった)スペクトル情報が観測される。
これに対して、本発明の手法を用いると、被測定物体の深さごと(解像度は数ミクロン)の属性情報、たとえば、空間情報のほか、エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率等を同時に測定することができる。
特に、本発明では、2次元断層像をイメージセンサのフレームレートで計測するのでリアルタイムな断層画像計測と分光スペクトル情報の取得が可能である。
医療用途では、たとえば、光コヒーレンストモグラフィーがすでに実用化され、光による非侵襲・非接触な内部組織の構造を計測する需要が高まっている。眼科の眼底検査や皮膚癌、内科の胃癌など消化器系の疾患を診断するための断層画像計測を行える検査機器がすでに実用化されている。しかし、形態から癌などの疾患を判断するには熟練した経験や知識が必要となる。本発明により、組織毎のスペクトル情報を得ることもできるので、客観的に癌組織の判別を行うことが可能となる。
なお、本発明は、参照側に多重反射を利用すれば、長距離(たとえば、数十メートル)離れた被測定物体の測定も可能である。
本発明の第1基本態様の構成図であり、参照波の自己相関を測定する様子を示す図である。 本発明の第1基本態様の構成図であり、参照波と測定波との相互相関および測定波の各種スペクトルならびに被測定物体の属性を測定する様子を示す図である。 本発明の第2基本態様の構成図であり、参照波の電解スペクトルを測定する様子を示す図である。 本発明の第2基本態様の構成図であり、参照波と測定波との相互相関および測定波の各種スペクトルならびに被測定物体の属性を測定する様子を示す図である。 被測定物体の属性を点深さについて測定する際に参照波を時間遅れさせるイメージ説明図であり、(A)は時間遅れが生じる前の参照波であり、(B)は時間遅れが生じた後の参照波である。 被測定物体の属性を線深さについて測定する際に参照波を時間遅れさせるイメージ説明図であり、(A)は時間遅れが生じる前の参照波であり、(B)は時間遅れが生じた後の参照波である。 本発明の第1実施形態の構成図であり、被測定物体の位置に全反射ミラーをセットして参照波の自己相関を測定する様子を示す図である。 本発明の第1実施形態の構成図であり、被測定物体が2つの境界面を持つ場合の、参照波と測定波との相互相関および測定波の各種スペクトルならびに被測定物体の属性を測定する様子を示す図である。 本発明の第1実施形態の構成図であり、被測定物体が複数の境界面を持つ場合の、参照波と測定波との相互相関および測定波の各種スペクトルならびに被測定物体の属性を測定する様子を示す図である。 本発明の第2実施形態の第1構成例を示す図であり、図3および図4の物体測定装置を具体化例を示す図である。 図10の第1構成例の相対位相検出部と振幅検出部を詳細に示す図である。 本発明の第2実施形態の第2構成例を示す図であり、図3および図4の物体測定装置を具体化例を示す図である。る。 図12の第2構成例の相対位相検出部と振幅検出部を詳細に示す図である。 本発明の第2実施形態における補助信号の周波数と参照波成分の周波数との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態において位相を検出するときの正規化直流成分と相対位相との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態にいて正規化直流成分が、みかけ上2つ検出されたときの「真の相対位相」を判定する方法を示す説明図である。 本発明において使用される干渉計の第1構成例(マッハツェンダー型)の説明図である。 図17に示した干渉計に使用される変調器を示す図である。 本発明において使用される干渉計の第2構成例(マッハツェンダー型)の説明図である。 図19に示した干渉計に使用される変調器を示す図である。 本発明において使用される干渉計の第3構成例(マッハツェンダー型)の説明図である。 本発明において使用される干渉計の第4構成例(マッハツェンダー型)の説明図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態においては、「波」として「光」を使用しているので、本発明における、「発生源」を「光源」に置き換えて説明する。
≪第1実施形態≫
図7から図9により、本発明の物体測定装置100の第1実施形態を説明する。本実施形態では、参照波Srの自己相関と、参照波Srと測定波Ssとの相互相関ととから、測定波のパワースペクトル,位相等を求め、被測定物体の空間情報,エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等を取得する例を説明する。
まず、〔1〕被測定物体位置に全反射ミラーをセットし自己相関を取得しこれをフーリエ変換して、測定光のパワースペクトルを求める。
次に、〔2〕被測定物体位置に被測定物体Oをセットして、相互相関を取得しこれをフーリエ変換する。
そして、〔3〕自己相関のフーリエ変換と、相互相関のフーリエ変換に基づき、被測定物体のパワースペクトル,位相等を求める。
〔1〕自己相関の取得、そのフーリエ変換および参照光のパワースペクトルの取得
図7に示すように、被測定物体位置に全反射ミラー124を設置し、干渉光(自己相関Irr(t))を測定し、そのフーリエ変換から参照波Srのパワースペクトルを求める。
(A)参照光の自己相関のフーリエ変換が電界スペクトルであることの証明
干渉計において、自己相関のフーリエ変換が、光源11のパワースペクトルとなることを検証する。
光源11のパワースペクトルが|A(ω)|2(以下、A(ω)2と記すこともある)であるとすると、干渉計12から出力される参照波Srの電界Er(t,τ)は、(1)式で表される。
r(t,τ)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLr/c)}〕・・・(1)
0:参照波路PTHr,測定波路PTHsにおける屈折率
c:光速
r:参照波Srの光路長(参照波路PTHrの路長)
τ:参照ミラーが距離変位したときの時間変位
一方、干渉計12から出力される、全反射ミラー124からの反射光(測定波Ss)の電界Emirr(t)は、(2)式で表される。
mirr(t)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLs/c)}〕・・・(2)
s:測定波Ssの光路長(測定波路PTHsの光路長)
参照波Srの電界Er(t,τ)と、測定波Smirrの電界Emirr(t)との干渉出力Irr(t)は(3)式のように表される。
rr(t)
=A(ω)2+A(ω)2exp〔j{〔−(n0ω/c)(Lr−Ls)}〕
=A(ω)2+A(ω)2exp(jωτ)・・・(3)
rr(t)は、正弦波であり、この変動成分のフーリエ変換は、(4)式で表される。
A(ω)A(ω)*=A(ω)2・・・(4)
A(ω)*:A(ω)の複素共役
これにより、A(ω)はウィーナー・キンチンの定理を満たす。すなわち、干渉光(t)は自己相関Irrを与え、(5)式に示すように、そのフーリエ変換F[Irr(t)]から電界スペクトルErr(ω)が得られることが証明される。
rr(ω)=F[Irr(t)]・・・(5)
(B)本実施形態では、まず、干渉光(自己相関Irr(t))を測定しそのフーリエ変換を求める。(A)で証明したように、このフーリエ変換は参照波Srのパワースペクトルである。
〔2〕相互相関の取得、そのフーリエ変換および測定光の電界スペクトルの取得
つぎに、図8に示すように、図7の全反射ミラー124の位置に、表面(境界面B0)が置き換わるように被測定物体Oをセットする。
図8に示すように干渉計12の参照ミラー122を走査して(遅延時間:τ)、参照波Srと被測定物体Oからの測定光(反射光)の干渉を計測する。被測定物体Oは、ΔLs1/2の間隔で隣接する2つの境界面B0,B1を持ち、境界面B0からの測定波Ss1の光路長(境界面B0で折り返す第1測定波路PTHs1の光路長)はL0、境界面B1の反射光(測定波Ss2)の光路長(境界面B1で折り返す第2測定波路PTHs2の路長)はLs1(=L0+ΔLs1)である。
一方、参照波Srの光路長は、前述したように、Lr=L0+(c/n0)τである。
また、境界面B0,B1の間には、屈折率(複素数)がn1(ω)である物質で満たされているとする。被測定物体O以外の空間は、空気のようにほぼ波長に依存しない一定の屈折率n0であるとする。
また、境界面B0,B1での振幅反射率を、それぞれとして、rs0+,rs0-,rs1+,で表し、境界面B0,B1での振幅透過率を、ts0+,ts0-,ts1+,で表す。ここで、+は入射向きを、−は反射向き表す。
ただし、
|rs0+|≦1,|rs0-|≦1,0≦ts0+≦1,0≦ts0-≦1
|rs1+|≦1,0≦ts1+≦1
である。
この場合の参照波Srの電界波形は(6)式((1)式と同じ)で表される。
r(t,τ)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLr/c)}〕
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)+ωτ}〕・・・(6)
一方、被測定物体Oからの2つの反射光(測定波Ss1,Ss2)の電界Es0(t),Es1(t)はそれぞれ、(7)式および(8)式で表される。
s0(t)=〔rs0+A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)}〕
・・・(7)
s1(t)=〔(ts0+s0-s0+)A(ω)/21/2
exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)−(n1(ω)ωΔLs1/c)}〕
・・・(8)
低コヒーレンス光源を用いる場合、ΔLs1がコヒーレンス長より長ければ、Es0(t)とEs1(t)は干渉しない。
そこで、(A)参照波Srの電界Er(t,τ)と反射光(測定波Ss1)の電界Es0(t)との干渉、(B)参照波Srの電界Er(t,τ)と反射光(測定波Ss2)の電界Es1(t)との干渉を検討する。
(A)参照波Srと測定波Ss1の干渉の検討
光検出器131で検出される参照波Srと、境界面B0からの反射波(測定波Ss0)干渉出力Ir(s0)(τ)は(9)式で表される。
r(s0)(τ)=A(ω)2/2+rs0+ 2A(ω)2/2
+rs0+A(ω)2cos{−(n0ω(L0−Lr)/c}
r=L0+cτ/n0なので、
0(τ)=A(ω)2/2+rs0+ 2A(ω)2/2+rs0+A(ω)2cos(ωτ)
・・・(9)
(9)式は正弦波であり、(9)式の変動成分のフーリエ変換で得られる振幅は、(10)式で表される。
{|rs0+2A(ω)2}*δ(ω)=|rs0+|A(ω)2・・・(10)
したがって、(10)式と、(4)式とから(11)式が成り立つ。
F[I0(τ)]2/F[Irr(τ)]={rs0+ 2A(ω)4}/A(ω)2
=rs0+ 2A(ω)2・・・(11)
(11)式は、反射係数分の損失が加わった境界面B0の反射光(測定波Ss1)のパワースペクトルである。
(B)参照波Srと反射光(測定波Ss2)との干渉の検討
一方、本例では、試料に吸収がある場合を想定している。屈折率ns1 re(ω)と、吸収係数c/ω{ns1 im(ω)}を用いて複素屈折率ns1(ω)は、(12)式で表される。
s1(ω)=ns1 re(ω)+jc/ω{ns1 im(ω)}・・・(12)
(12)式を用いて、参照波Srと境界面B1からの反射光(測定波Ss2)との干渉出力Isは、(13)式のように表される。
r(s1)(τ)=A(ω)2/2+(ts0+s0-s1+2A(ω)2/2
+(ts0+s0-s1+2A(ω)2
cos{ωt−(n0ωL0/c)−(n1(ω)ωΔLs1/c)−(n0ωLr/c)}
r=L0+cτ/n0の関係式、および(10)式を用いると、
r(s1)(τ)=A(ω)2/2+(ts0+s0-s1+2A(ω)2/2
+(ts0+s0-s1+2A(ω)2
〔(ts0+s0-s1+)A(ω)2exp{−ns1 im(ω)ΔLs1}〕
cos(ωτ)cos(−ns1 re(ω)ΔLs1/c)
・・・(13)
(13)式の変動成分をフーリエ変換すると、振幅Asが(14)式により、位相φsが(15)式により求められる。
s(ω)=〔(ts0+s0-s1+)A(ω)2exp{−ns1 im(ω)ΔL1}〕・・・(14)
φs(ω)=−ns1 re(ω)ΔLs1/c・・・(15)
反射光E2のパワースペクトルは、式(16)として求められる。
F[Is(τ)]2/F[Irr(τ)]
=(ts0+s0-s1+2A(ω)2exp{−2ns1 im(ω)ΔLs1}・・・(16)
すなわち、(16)式は、吸収係数の波長依存性と、厚さにしたがって元のスペクトルが減衰することを意味する。
さらに、(14)式の振幅A1(ω)を元の光源のパワースペクトルで割って対数を計算すれば、その実部((17)式)により、距離に比例した強度で吸収スペクトルが得られ、またその虚部((18)式)により、屈折率も得られる。
s1 re(ω)=−φs(ω)・c/(ωΔLs1)・・・(17)
s1 im(ω)=(1/ΔLs1)loge〔A1(ω)/{(ts0+s0-s1+)A(ω)2}〕
・・・(18)
さらに、ns1 re(ω)が波長に依存しないns1 reに近似できる場合には、群遅延を得ることができる。すなわち、(13)式の位相φ1(ω)をωで微分し、位相スペクトルの傾きを計算すれば、式(17)式の群遅延が得られる。
dφ1(ω)/dω=−ns1 reΔLs1・・・(19)
これは、境界面B1の反射で得られる相関波形の横軸τが、境界面B0から得られる波形からずれていることを示し、試料に吸収がない場合でも相互相関波形を計測していることを示す。
次に、図9に示すように、境界面を3つ以上(B0,B1,・・・,BN)を持つ被測定物体Oについての測定について説明する。この測定においては、図10(A)に示すような、干渉波が測定されたものとする。
まず、この場合には、図10(B)に示すように、境界面B0の反射により得られる干渉波形(時間軸τ上の位置τ0参照)を決定するとともに((B−1)参照)、境界面B1の反射により得られる干渉波形も決定する((B−2)参照)。
次に、図10(C)に示すように、これらの干渉波形から、境界面B0,B1間で生じる多重反射によるゴースト(すなわち、複数の干渉波形)を、見つもること(取得すること、すなわちアサインすること)ができる。
次に、図10(D)に示すように、検出した干渉波形から、境界面B0およびB1からの反射波と、前述した境界面B0,B1間で生じた多重反射によるゴーストを演算により除去する。
この除去結果の中から、τ0に最も近い干渉波形を3番目の境界面B3による、一度だけ反射された干渉波形として見つもること(取得すること、すなわちアサインすること)ができる。
以下同様に、4番目,5番目,・・・,N番目の境界面B3,B4,B5,・・・,BNによる干渉波形を見積もることができる。
≪第2実施形態≫
図10から図16により、本発明の物体測定装置200の第2実施形態を説明する。第1実施形態では、参照波Srの電界スペクトルを、被測定物体Oの位置に全反射ミラー124をセットし、参照波Srを測定し干渉光(自己相関Irr(ω))をフーリエ変換して電解スペクトルEr(ω)を求めたが、全反射ミラー124を使用せずに、参照波Srの電界スペクトルEr(ω)を直接求めることができる。
すなわち、本実施形態では、参照波Srの電界スペクトルを求め、これと参照波Srと測定波Ssとの相互相関とから測定波Ssの電界スペクトルを求め、被測定物体の空間情報,エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等を取得する。
〈第1構成例〉
図10において物体測定装置200は、図3および図4で説明した物体測定装置200を具体化したもので、属性特定装置23は、光検出器231と、演算処理部232と、電界スペクトル測定部233と、ビームスプリッタ234とからなる。
図10において、属性特定装置23は、参照波Srに含まれる参照波成分sr1,sr2,・・・,srq(周波数の低い順に並べてある)中の2つの参照波成分srm,srn(典型的には、n=m+1)ついて、相対位相および振幅を検出する処理を、参照波成分の組み合わせを変えて直列的に行う(シリアル処理する)。
図3および図4で説明したように、本構成例では電界スペクトル測定部233は、補助信号生成部2331と、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333と、周波数選択部2334とを備えている。また、演算処理部232は、演算器2321とメモリ2322とを備えている。
本構成例では、電界スペクトル測定部233により、参照波Srの電界スペクトルEr(ω)を測定する場合には、被測定物体Oの位置に光吸収板224をセットしておき、光検出器231が参照波Srのみを検出できるようにしておく。そして、電界スペクトル測定部233はビームスプリッタ234を介して参照波Srを取り込む。
周波数選択部2334は、参照波Srに周波数成分として含まれる周波数が異なる複数の参照波成分sr1,sr2,・・・,srqの中から2つを選択する。この選択した参照波成分をsrm,srnとする。なお、sr1,sr2,・・・,srqは、離散的な値として任意に決定することができ、srm,srnは周波数が隣接した2つの参照波成分である。
補助信号生成部2331は、周波数中間値が参照波成分srm,srnの周波数の間に設定され、周波数間隔が2つの参照波成分srm,srnの周波数間隔と同一の2つの補助信号uam,uanを生成する。
相対位相検出部2332は、参照波成分srm,srnと補助信号uam,uanから、参照波成分srm,srnの相対位相を検出する。
振幅検出部2333は、参照波成分srm,srnと補助信号uamとから参照波成分srmの振幅Armを検出し、参照波成分srm,srnと補助信号uamとから参照波成分srnの振幅Arnを検出する。
これら相対位相の検出および振幅の検出は、多数の参照波成分srm,srnの組について行われ、演算器2321は、これらの検出結果を順次取り込み、メモリ2322に記録し、これらの記録結果から参照波Srの電界スペクトルEr(ω)を演算することができる。
そして、図4で説明したように、参照波Srと測定波Ssとの相互相関を測定して、これをフーリエ変換すること測定波Ssの電界スペクトルEr(ω)を求めることができるし、被測定物体Oの種々の属性を測定することができる。
図11に、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333の構成を示す。相対位相検出部2332は、合波器(CP)と、フォトダイオード(PD)と、バンドパスフィルタ(BPF)と、デバイダ(DV)と、ミキサ(MX)と、相対位相演算部(RPP)とからなる。
本構成例では、参照波成分srm,srnは(33)式,(34)式のように表されるものとする。
rm=Armexp{j(ωrmt−φrm)}・・・(33)
rn=Arnexp{j(ωrnt−φrn)}・・・(34)
ここで、Arm,Arnはsrm,srnの振幅、ωrm,ωrnはsrm,srnの周波数、φrm,φrnはsrm,srnの位相である。
φrn−φrmは未知である。なお、φrm,φrnの一方が既知であることもあるが、通常は、φrm,φrnの双方が未知である。
補助信号生成部2331が生成する補助信号uam,uanは(35)式,(36)式のように表されるものとする。
am=Aamexp{j(ωamt−φam)}・・・(35)
am=Aanexp{j(ωant−φan)}・・・(36)
ここで、Aam,Aanはuam,uanの振幅、ωam,ωanはuam,uanの周波数、φam,φanはsam,sanの位相である。
補助信号uam,uanの周波数間隔ΩDは、図14に示すように参照波成分srm,srnの周波数間隔と同一であり、補助信号uamの周波数ωamと参照波成分srnの周波数ωrnの中間値(ωan−ωam)/2が2つの参照波成分srm,srnの周波数の間(ωrmからωrnの間)に設定されている。
本構成例では、参照波成分srmと補助信号uamとの周波数差(あるいは、参照波成分srnと補助信号uanとの周波数差)をΔω、すなわち、Δω=ωrm−ωam=ωrn−ωanとすると、ΔωとΩDとの間には、(37)式の関係が成立している。
|Δω|<|ΩD|/2・・・(37)
補助信号uam,uanは(38)式,(39)式のように表される。
am=Aamexp〔{j(ωrm−Δω)t−φam}〕・・・(38)
an=Aanexp〔{j(ωrm−Δω)t−φan}〕・・・(39)
相対位相検出部2332は、srm,srnを、光分岐器c1を介して取得し、これらの参照波成分srm,srnと補助信号uam,uanとから、周波数が低い参照波成分srmと周波数が低い補助信号uamとのビート信号BT1、および周波数が高い参照波成分srnと周波数が高い補助信号uamとのビート信号BT2を生成する。そして、これら2つのビート信号の乗算信号を生成する。
合波器CPは、2つの参照波成分srm,srnと2つの補助信号uam,uanとを合波し、合波信号を生成する。そして、この合波信号をフォトダイオード(PD)により光電変換する。
フォトダイオード(PD)の出力には、参照波成分srmと補助信号uamとのビート信号BT1、および参照波成分srnと補助信号uamとのビート信号BT2が含まれる。バンドパスフィルタ(BPF)は、これらのビート信号の中から、ビート信号BT1とBT2(周波数Δω)を抽出する。
参照波成分srmと補助信号uamとにより生じる周波数Δωのビート信号をBT1、参照波成分srnと補助信号uamとにより生じる周波数Δωのビート信号をBT2でそれぞれ示すと、バンドパスフィルタ(BPF)の出力には、(40)式で示す項が含まれる。
2Armamcos{Δωt+(φrm−φam)+cnst1}]
+2Arnancos{Δωt+(φrn−φan)+cnst2}]・・・(40)
ここで、
cnst1=(2π/c)×〔ωrmrr−ωamaa
cnst2=(2π/c)×〔ωrnrr−ωanaa
c:光速
r:参照波路の屈折率
a:補助信号路の屈折率
r:参照波路長
a:補助信号路長
(40)式の第1項はビート信号BT1の要素であり、第1項はビート信号BT2の要素である。
バンドパスフィルタ(BPF)の出力、すなわちビート信号BT2は、デバイダ(DV)により2つのパスに分けられ、ミキサ(MX)により乗算される。
ミキサ(MX)の出力(乗算信号MPL)は(41)式のように表される。なお、簡単のためにφan=φamとしてある。
MPL=(Arm 2am 2+Arn 2an 2)/2
+Armrnamancos(cnst2−cnst1
+R(Δωt)・・・(41)
(41)のcnst2−cnst1は、(42)式で表される。
cnst2−cnst1
=(2π/c)
×〔(ωrnr−ωrmr)Lr−(ωama−ωana)La〕・・・(42)
(41)式におけるR(Δωt)は、ビート周波数と時間との積に依存する関数である。
相対位相演算部(RPP)は、以下に述べるように((43)式,(44)式参照)、乗算信号MPLの直流成分を取り出し、この直流成分から検出系により定まる定数を取り除き、2つの参照波成分srm,srnの相対位相(φrn−φrm)を検出する。
乗算信号MPLの直流成分DCは、(41)式から、次のように表される。
DC=(Arm 2am 2+Arn 2an 2)/2
+Armrnamancos〔(φrm−φrn)+(cnst2−cnst1)〕・・・(43)
この式からコサイン部分のみを取り出し正規化すると、正規化直流成分DCNMLは(44)式のように表される。なお、Armrnamanは、予め測定された値である。
DCNML=cos〔(φrn−φrm)+(cnst2−cnst1)〕・・・(44)
この正規化直流成分DCNMLから位相に依存しない要素(検出系により定まる定数(cnst2−cnst1))を除去することで2つの参照波成分srm,srnの相対位相Φr(=(φrn−φrn))が求められる。なお、(44)式では、オフセット分(1/2)を省略して示してある。
図15に、正規化直流成分DCNMLと相対位相Φrとの関係を示す。図15に示すように、相対位相演算部(RPP)は、通常、あるDCNMLについて、みかけ上2つの相対位相Φr(1),Φr(2)を検出する。Φr(1)は0〜π〔rad〕の間にあり、Φr(2)はπ〜2π〔rad〕の間にある。
通常、参照波成分srm,srnの相対位相が0〜π〔rad〕の間にあるのか、π〜2π〔rad〕の間にあるのかがわからない。この場合には、図示はしないが、参照波路上または補助信号路上の何れかの箇所に信号路長変調部を設けることができるし、補助信号生成部2331の内部に信号路長変調部を設けることもできる。
図15に示した2つの「みかけ上の相対位相」Φr(1),Φr(2)のうちの一方を、「真の相対位相」として特定することができる。たとえば、補助信号路長Laを微小距離長くしたとすると、(42)式のcnst2−cnst1の値が小さくなり、補助信号路長Laを微小距離短くすると、(42)式のcnst2−cnst1の値が大きくなる。
また、参照波路長Lrを微小距離長くすると、(42)式のcnst2−cnst1の値が大きくなり、逆に参照波路長Lrを微小距離短くすると、(42)式のcnst2−cnst1の値が小さくなる。
たとえば、DCNMLの値がγであり、みかけ上、ΦA(1),ΦA(2)の2つの相対位相が検出されたとする(図15参照)。
この場合に、補助信号路長LaをLa+ΔL(ΔL>0)に変化させたとする。この場合、図16(A)に示すように、信号路長特性はLa(実線)からLa+ΔL(破線)に変化する。このとき、DCNMLがγ(1)に減少したとすれば、Φr(1)が「真の相対位相」であると判定できるし、DCNMLがγ(2)に増加したとすれば、Φr(2)が「真の相対位相」であると判定できる。
また、補助信号路長LaをLa+ΔL(ΔL<0)に変化させたとする。この場合、図15(B)に示すように、信号路長特性はLa(実線)からLa+ΔL(破線)に変化する。このとき、DCNMLがγ(1)に減少したとすれば、Φr(2)が「真の相対位相」であると判定できるし、DCNMLがγ(2)に増加したとすれば、Φr(1)が「真の相対位相」であると判定できる。
〈第2構成例〉
図12の物体測定装置200は、図3および図4で説明した物体測定装置200において周波数選択部を不要としたものである。属性特定装置23は、光検出器231と、演算処理部232と、電界スペクトル測定部233と、ビームスプリッタ234とからなる。
図12において、属性特定装置23は、参照波Srから、周波数成分が異なる参照波成分sr1,sr2,・・・,srN(周波数の低い順に並べてある)を一括して抽出し、これらの中の2つの参照波成分srm,srn(典型的には、n=m+1)の組について、相対位相および振幅を検出する処理を、参照波成分の組み合わせを変えて並列的に行う(パラレル処理する)。
属性特定装置23は、光検出器231と、演算処理部232と、電界スペクトル測定部233とからなる。
本構成例では電界スペクトル測定部233は、補助信号生成部2331と、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333と、周波数分解部2335を備えている。また、本構成例では、演算処理部232は、演算器2321とメモリ2322とを備えている。
本構成例では、第1構成例と同様、電界スペクトル測定部233により、参照波Srの電界スペクトルEr(ω)を測定する場合には、被測定物体Oの位置に光吸収板224をセットしておき、光検出器231が参照波Srのみを検出できるようにしておく。そして、電界スペクトル測定部233はビームスプリッタ234を介して参照波Srを取り込む。
周波数分解部2335は、参照波Srに周波数成分として含まれる周波数が異なる複数の参照波成分sr1,sr2,・・・,srqを生成する。
補助信号生成部2331は、周波数中間値が隣接する2つの参照波成分の周波数の間に設定され、周波数間隔がこれら2つの参照波成分の周波数間隔と同一の2つの補助信号ua1,ua2,・・・,uqを生成する。
相対位相検出部2332は、隣接する2つの参照波成分srk,sr(k+1)と補助信号uak,ua(k+1)との合波から、参照波成分srk,sr(k+1)の相対位相を検出する。本構成例では、k=1,2,・・・,q−1としたときの、(q−1)個の相対位相が同時に検出できる。
振幅検出部2333は、相対位相検出部2332における処理信号から参照波成分srkの振幅Arkを検出する。本構成例では、k=1,2,・・・,qとしたときのq個の振幅を同時に検出できる。
演算器2321は、これら相対位相の検出結果および振幅の検出結果を取り込み、メモリ2322に記録し、これらの記録結果から参照波Srの電界スペクトルEr(ω)等を演算することができる。
すなわち、図4で説明したように、参照波Srと測定波Ssとの相互相関を測定して、これをフーリエ変換すること測定波Ssの電界スペクトルEr(ω)を求めることができるし、被測定物体Oの種々の属性を測定することができる。
図13に、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333の構成を示す。相対位相検出部2332は、q出力のアレイ導波路回折格子(AWG)と、出力側に設けたフォトダイオード(PD)の群PDGと、PDGの出力信号からそれぞれ2つの信号を選択する信号選択回路(SLCT)と、SLCTの出力信号を乗算する(q−1)個のミキサの群(MIXG)と、MIXGの出力信号を入力して相対位相を検出する相対位相演算部(RPP)とを備えている。
本実施形態では、信号選択回路SLCTには、sr1とua1とのビート信号BT1,sr2とua2とのビート信号BT2,・・・,srqと補助信号uaqとのビート信号BT2が入力される。信号選択回路SLCTは、(B1とB2),(B2とB3),(B3とB4),・・・,(BN-1,BN)のように、ビート信号を「重複を許して」選択することで、全てのビート信号は、位相を介して関連付けられる。
ミキサ群MIXGを構成する(N−1)個のミキサは、2つのビート信号を乗算して、乗算信号(k番目のビート信号とk+1番目のビート信号との乗算信号)を、相対位相演算部RPPの第1相対位相演算部,第2相対位相演算部,・・・,第(q−1)相対位相演算部に送出する。
第k相対位相演算部(k=1,2,・・・,q−1)では、MIXGの各乗算信号の直流成分から、検出系により定まる定数を取り除き、2つのビート信号の生成の基礎となった2つの参照波成分srk,sr(k+1)の相対位相(φr(k+1)−φrk)を検出することができる。
振幅検出部2333は、第1振幅演算部,第2振幅演算部,・・・,第q振幅演算部からなり、k番目のビート信号の振幅から参照波成分srkの振幅Arkを検出することができる。
上記した相対位相φr(k+1)−φrkおよび振幅Arkは、演算処理部232のメモリ2322に電界スペクトルEr(ω)として記憶される。
本例では、AWG321を用いてビート信号の生成、ビート信号の乗算、相対位相の検出処理および振幅検出をパラレルに行っているので高速の演算が可能である。
本構成例でも物体測定装置200でも、構成例1と同様、相対位相の解が2つ生じることがある。この場合にも、構成例1で説明したと同様、信号路長変調部により信号路長(光路長)を変調することで「真の相対位相」を判定することが判定できる。

5,6,7,8,12,22 干渉計
11,21,51,61,71,81 光源
13,23 属性特定装置
24,54,64,74,84,131,231 光検出器
42,72,75,121,221,2324 ビームスプリッタ
49,59,69,79 移動ステージ
53,63,73,83 変調器
100,200 物体測定装置
122,222 参照ミラー
123,223 参照ミラー駆動部
124 全反射ミラー
132,232 演算処理部
224 光吸収板
233 電界スペクトル測定部
321 AWG
353,522,551,552,553,621,651,652,751,753,851,852,853 レンズ系
521,522,621,623,632 ビームスプリッタ
532,632,732,733,832 シリンドリカルレンズ
533,633,833 変調ミラー
1321,2321 演算器
1322,2322 メモリ
2331 補助信号生成部
2332 相対位相検出部
2333 振幅検出部
2334 周波数選択部
2335 周波数分解部

Claims (4)

  1. 参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波とを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
    前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルであり、
    前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルは、前記被測定物体において深さ方向の位置が異なる第1,第2,・・・,第N層の面からの反射波に各々対応しており、
    前記参照波のスペクトルと、
    前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波の各合成波の二乗に比例する各信号とに基づき、
    前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。
  2. 前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルがパワースペクトルであり、当該第k測定波(kは、1,2,・・・,Nの何れか)のパワースペクトルが、
    [参照波と第k測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
    で表されることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル測定装置。
  3. 属性特定装置を備えた物体測定装置において、
    前記属性特定装置が、請求項2に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
    前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
    前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
    ことを特徴とする物体測定装置。
  4. 前記参照波が、
    伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
    前記参照波が、伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿った成分の遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
    ことを特徴とする請求項3に記載の物体測定装置。
JP2012505757A 2010-03-17 2011-03-17 電界スペクトル測定装置および物体測定装置 Active JP5927112B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010060034 2010-03-17
JP2010060034 2010-03-17
PCT/JP2011/056479 WO2011115232A1 (ja) 2010-03-17 2011-03-17 電界スペクトル測定装置および物体測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011115232A1 JPWO2011115232A1 (ja) 2013-07-04
JP5927112B2 true JP5927112B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=44649314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012505757A Active JP5927112B2 (ja) 2010-03-17 2011-03-17 電界スペクトル測定装置および物体測定装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130107269A1 (ja)
EP (1) EP2565621A4 (ja)
JP (1) JP5927112B2 (ja)
WO (1) WO2011115232A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6195334B2 (ja) * 2012-08-30 2017-09-13 キヤノン株式会社 撮像装置、撮像方法およびプログラム
JP5974929B2 (ja) * 2013-02-26 2016-08-23 コニカミノルタ株式会社 迷光補正方法、及びこれを用いたフーリエ変換型分光装置
JP2016075618A (ja) * 2014-10-08 2016-05-12 パイオニア株式会社 異常検出装置及び異常検出方法、並びにコンピュータプログラム及び記録媒体
US11099001B2 (en) * 2016-12-06 2021-08-24 Pioneer Corporation Inspection apparatus, inspection method, computer program and recording medium
CN112284542B (zh) * 2020-09-15 2022-08-02 中国科学院上海技术物理研究所 一种多分辨率宽波段傅里叶红外光谱仪动镜电机控制方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221448A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電場相互相関計
JP2006064610A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Naohiro Tanno 同軸型空間光干渉断層画像計測装置
JP2009014397A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Shimadzu Corp 赤外分光光度計、赤外分光光度測定方法及びプログラム

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5422721A (en) * 1994-04-11 1995-06-06 Northrop Grumman Corporation Fourier transform spectroscopy by varying the path length difference between the paths in each of a plurality of pairs of optical paths
US6002480A (en) * 1997-06-02 1999-12-14 Izatt; Joseph A. Depth-resolved spectroscopic optical coherence tomography
US6384915B1 (en) * 1998-03-30 2002-05-07 The Regents Of The University Of California Catheter guided by optical coherence domain reflectometry
FR2783323B1 (fr) * 1998-09-10 2000-10-13 Suisse Electronique Microtech Dispositif interferometrique pour relever les caracteristiques de reflexion et/ou de transmission optiques en profondeur d'un objet
JP2006122649A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Nidek Co Ltd 被検物体の測定方法、及び該方法を用いた眼科装置
US7355715B2 (en) * 2004-10-12 2008-04-08 Tokyo Electron Limited Temperature measuring apparatus, temperature measurement method, temperature measurement system, control system and control method
US7417740B2 (en) * 2004-11-12 2008-08-26 Medeikon Corporation Single trace multi-channel low coherence interferometric sensor
JP2007101249A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Fujifilm Corp 光断層画像化方法および装置
JP2007101250A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Fujifilm Corp 光断層画像化方法
US8570525B2 (en) * 2006-06-23 2013-10-29 Optopol Technology S.A. Apparatus for optical frequency domain tomography with adjusting system
JP2008151734A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Fujifilm Corp 光断層画像化方法、装置およびプログラムならびに光断層画像化システム
JP5448353B2 (ja) * 2007-05-02 2014-03-19 キヤノン株式会社 光干渉断層計を用いた画像形成方法、及び光干渉断層装置
US8983580B2 (en) * 2008-01-18 2015-03-17 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Low-coherence interferometry and optical coherence tomography for image-guided surgical treatment of solid tumors
JP5306075B2 (ja) * 2008-07-07 2013-10-02 キヤノン株式会社 光干渉断層法を用いる撮像装置及び撮像方法
JP5371315B2 (ja) * 2008-07-30 2013-12-18 キヤノン株式会社 光干渉断層撮像方法および光干渉断層撮像装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221448A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電場相互相関計
JP2006064610A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Naohiro Tanno 同軸型空間光干渉断層画像計測装置
JP2009014397A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Shimadzu Corp 赤外分光光度計、赤外分光光度測定方法及びプログラム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015008345; 森崎孝、小野浩司、塩田達俊: '1ショット断層像と空間分解スペクトルの同時計測システム' 応用物理学関係連合講演会講演予稿集 2010春, 20100303 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20130107269A1 (en) 2013-05-02
EP2565621A4 (en) 2018-03-14
JPWO2011115232A1 (ja) 2013-07-04
EP2565621A1 (en) 2013-03-06
WO2011115232A1 (ja) 2011-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5983121A (en) Absorption information measuring method and apparatus of scattering medium
US10194805B2 (en) Intrinsic and swept-source raman spectroscopy
JP4565198B2 (ja) 高分解・高速テラヘルツ分光計測装置
JP4378533B2 (ja) 光コヒーレンストモグラフィーの構成機器の較正方法
JP4344829B2 (ja) 偏光感受光画像計測装置
JP5927112B2 (ja) 電界スペクトル測定装置および物体測定装置
JP2001174404A (ja) 光断層像計測装置および計測方法
JP6125981B2 (ja) 光断層画像装置用サンプルクロック発生装置、および光断層画像装置
CN103070669B (zh) 一种基于级联马赫曾德干涉仪的光谱相位校准系统及方法
US20040239943A1 (en) System and method for low coherence broadband quadrature interferometry
WO2013168149A1 (en) System and method for optical coherence tomography
JP3332802B2 (ja) 光周波数掃引式断層画像測定装置
JP2005516187A (ja) スペクトル帯域の並列検出による測距並びに低コヒーレンス干渉法(lci)及び光学コヒーレンス断層撮影法(oct)信号の雑音低減のための装置及び方法
KR20140096262A (ko) 스마트폰에 장착된 광 간섭 단층 촬영 시스템
JP2009025245A (ja) 光干渉観測装置
JP3688608B2 (ja) 分光機能を備えた光干渉断層画像計測装置
CN102866116B (zh) 利用光的传播模式测量物质中的光学不均匀性和其他属性
JP3245135B2 (ja) 光計測装置
CN110274880A (zh) 一种高精度空间分辨的光谱探测方法和系统
CN104011497B (zh) 用于产生信息信号的方法
JP2010151684A (ja) 局所的な複屈折情報を抽出可能な偏光感受光画像計測装置
US20240159668A1 (en) Resolving absolute depth in circular-ranging optical coherence tomography
JP2022088831A (ja) 測定システムおよび測定方法
JP3597887B2 (ja) 走査式光学組織検査装置
JPH0749306A (ja) 光波エコートモグラフィー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120901

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130808

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130808

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5927112

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250