JP5927112B2 - 電界スペクトル測定装置および物体測定装置 - Google Patents
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Description
(1)
参照波路を伝播する参照波と、前記参照波路と同一の基点を持つ測定波路を伝播する測定波とを受け取り、前記測定波のスペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記測定波のスペクトルであり、
前記参照波のスペクトルと、
前記参照波と前記測定波の合成波の二乗に比例する信号とに基づき、
前記測定波のスペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。
前記測定波のスペクトルがパワースペクトルであり、当該パワースペクトルが、
[参照波と測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
で表されることを特徴とする(1)に記載のスペクトル測定装置。
前記参照波Srと前記測定波Ssとの相互相関Irsのフーリエ変換(フーリエ変換Frs)の二乗を求め、
前記参照波Srのパワースペクトル|Er|2と前記相互相関Irsの前記フーリエ変換Frsに基づき、前記スペクトルの少なくとも1つを求める
ことができる。
|Es|2=(相互相関Irsの前記フーリエ変換Frs)2
/(参照波Srの自己相関Irrのフーリエ変換Frr)
で表される。
(3)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(1)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波のスペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることを特徴とする物体測定装置。
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(3)に記載の物体測定装置。
物体測定装置において、参照波路および測定波路は、同一の光源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波Ssの、パワースペクトル|Es|2、振幅スペクトルAs、位相スペクトルφsの少なくとも1つに基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
(5)
参照波路を伝播する参照波と、前記参照波路と同一の基点を持つ測定波路を伝播する測定波とを受け取り、前記測定波のスペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記参照波のスペクトルを求めるとともに、
前記参照波と前記測定波との相互相関のフーリエ変換を求め、
前記参照波のスペクトルと前記相互相関の前記フーリエ変換に基づき、前記スペクトルを求める、
ことを特徴とするスペクトル測定装置。
電界スペクトルEs(ω)は、
測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)の複素共役Es *
=(相互相関Irsの前記フーリエ変換Frs)
/(参照波Srの電界スペクトル)
Es *はEsの複素共役
で表される。
(6)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(5)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記測定波の前記スペクトルに基づき、前記被測定物体の、属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(6)に記載の物体測定装置。
(8)
参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波とを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルであり、
前記参照波のスペクトルと、
前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波の各合成波の二乗に比例する各信号とに基づき、
前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。
前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルがパワースペクトルであり、当該第k測定波(kは、1,2,・・・,Nの何れか)のパワースペクトルが、
[参照波と第k測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
で表されることを特徴とする(8)に記載のスペクトル測定装置。
この場合に、スペクトル測定装置は、参照波路を伝播する参照波Srと、前記参照波路と同一の基点を持つ第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNとを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)、パワースペクトル|Es1(ω)|2,|Es2(ω)|2,・・・,|EsN(ω)|2、振幅スペクトルAs1(ω),As2(ω),・・・,AsN(ω)、位相スペクトルφs1(ω),φs2(ω),・・・,φsN(ω)の少なくとも1つを求めることができる。
スペクトル測定装置は、前記参照波Srの自己相関Irrをフーリエ変換して(フーリエ変換Frr)前記参照波Srのパワースペクトル|Er|2を求めるとともに、
前記参照波Srと前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNとの相互相関Irs1,Irs2,・・・,IrsNのフーリエ変換Frs1,Frs2,・・・,FrsNの二乗をそれぞれ求め、
前記参照波Srのパワースペクトル|Er|2と前記相互相関Irs1,Irs2,・・・,IrsNの前記フーリエ変換Frs1,Frs2,・・・,FrsNの二乗に基づき、前記スペクトルの少なくとも1つを求めることができる。
(10)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、(9)に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
前記参照波が、伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿った成分の遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(10)に記載の物体測定装置。
物体測定装置において、参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の光源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)に基づき、前記被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
(12)
参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波を受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の電界スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記参照波のスペクトルを求めるとともに、
前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波との各相互相関のフーリエ変換をそれぞれ求め、
前記参照波のスペクトルと前記各相互相関の前記各フーリエ変換に基づき、前記スペクトルを求める、
ことを特徴とするスペクトル測定装置。
(13)
属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、請求項12に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の電界スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。
前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする(13)に記載の物体測定装置。
第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源(光源)を基点とし、第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体Oを貫通するように形成される。
属性特定装置は、測定した第1,第2,・・・,第N測定波Ss1,Ss2,・・・,SsNの電界スペクトルEs1(ω),Es2(ω),・・・,EsN(ω)に基づき、被測定物体の属性情報(たとえば、前記空間情報、前記エネルギー構造情報、屈折率、透過率、反射率の少なくとも一つ)を求めることができる。
そして、これらのフーリエ変換Frr,Frsとから、測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)、パワースペクトル|Es(ω)|2、振幅スペクトルAs(ω)、位相スペクトルφs(ω)の少なくとも1つを求めることができる。
|Es|2=(相互相関Irsのフーリエ変換Frs)2
/(参照波Srの自己相関Irrのフーリエ変換Frr)
として求めることができる。
《第2基本態様》
本発明の第2基本態様を、参照波Sr,測定波Ssが光である場合を例に、図3および図4により説明する。
光源21から出射される光は、典型的には白色光源のような広帯域光である。干渉計22は、本態様ではビームスプリッタ221と参照ミラー222と参照ミラー駆動部223を備えている。参照波路PTHrは、光源21を基点として、ビームスプリッタ221を介して参照ミラー222に到達し、参照ミラー222を折り返して、さらにビームスプリッタ221を介し属性特定装置23に到達する。
測定波Ssの電界スペクトルEs(ω)の複素共役Es *
=(相互相関Irsのフーリエ変換Frs)
/(参照波Srの電界スペクトル)
として求めることができる。
第3基本態様は、(4),(7)の物体測定装置に対応する。
本発明では、参照波Srが伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間(または進み時間)が漸次変化する特性を持つようにできる。図5(A),(B)は、時間遅れのイメージ図であり、図5(A)は時間遅れが生じる前の参照波Srであり、図5(B)は時間遅れが生じた後の参照波Srである。図5(B)では、Sr参照波は伝播方向に垂直な仮想線gに沿って遅延時間Δtが漸次変化する特性を示している。この場合には、被測定物体Oの点の深さ方向の属性が得られる。すなわち、光検出器131,231は、画素が一次元配列されセンサを使用することができ、センサの各画素は、被測定物体OのcΔtの深さに対応する情報を持つ光を検出する。
《応用態様》
≪第1実施形態≫
まず、〔1〕被測定物体位置に全反射ミラーをセットし自己相関を取得しこれをフーリエ変換して、測定光のパワースペクトルを求める。
次に、〔2〕被測定物体位置に被測定物体Oをセットして、相互相関を取得しこれをフーリエ変換する。
そして、〔3〕自己相関のフーリエ変換と、相互相関のフーリエ変換に基づき、被測定物体のパワースペクトル,位相等を求める。
図7に示すように、被測定物体位置に全反射ミラー124を設置し、干渉光(自己相関Irr(t))を測定し、そのフーリエ変換から参照波Srのパワースペクトルを求める。
干渉計において、自己相関のフーリエ変換が、光源11のパワースペクトルとなることを検証する。
光源11のパワースペクトルが|A(ω)|2(以下、A(ω)2と記すこともある)であるとすると、干渉計12から出力される参照波Srの電界Er(t,τ)は、(1)式で表される。
Er(t,τ)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLr/c)}〕・・・(1)
n0:参照波路PTHr,測定波路PTHsにおける屈折率
c:光速
Lr:参照波Srの光路長(参照波路PTHrの路長)
τ:参照ミラーが距離変位したときの時間変位
Emirr(t)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLs/c)}〕・・・(2)
Ls:測定波Ssの光路長(測定波路PTHsの光路長)
Irr(t)
=A(ω)2+A(ω)2exp〔j{〔−(n0ω/c)(Lr−Ls)}〕
=A(ω)2+A(ω)2exp(jωτ)・・・(3)
Irr(t)は、正弦波であり、この変動成分のフーリエ変換は、(4)式で表される。
A(ω)*:A(ω)の複素共役
これにより、A(ω)はウィーナー・キンチンの定理を満たす。すなわち、干渉光(t)は自己相関Irrを与え、(5)式に示すように、そのフーリエ変換F[Irr(t)]から電界スペクトルErr(ω)が得られることが証明される。
(B)本実施形態では、まず、干渉光(自己相関Irr(t))を測定しそのフーリエ変換を求める。(A)で証明したように、このフーリエ変換は参照波Srのパワースペクトルである。
つぎに、図8に示すように、図7の全反射ミラー124の位置に、表面(境界面B0)が置き換わるように被測定物体Oをセットする。
一方、参照波Srの光路長は、前述したように、Lr=L0+(c/n0)τである。
ただし、
|rs0+|≦1,|rs0-|≦1,0≦ts0+≦1,0≦ts0-≦1
|rs1+|≦1,0≦ts1+≦1
である。
Er(t,τ)
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωLr/c)}〕
=〔A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)+ωτ}〕・・・(6)
Es0(t)=〔rs0+A(ω)/21/2〕exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)}〕
・・・(7)
Es1(t)=〔(ts0+ts0-rs0+)A(ω)/21/2〕
exp〔j{ωt−(n0ωL0/c)−(n1(ω)ωΔLs1/c)}〕
・・・(8)
そこで、(A)参照波Srの電界Er(t,τ)と反射光(測定波Ss1)の電界Es0(t)との干渉、(B)参照波Srの電界Er(t,τ)と反射光(測定波Ss2)の電界Es1(t)との干渉を検討する。
光検出器131で検出される参照波Srと、境界面B0からの反射波(測定波Ss0)干渉出力Ir(s0)(τ)は(9)式で表される。
+rs0+A(ω)2cos{−(n0ω(L0−Lr)/c}
Lr=L0+cτ/n0なので、
I0(τ)=A(ω)2/2+rs0+ 2A(ω)2/2+rs0+A(ω)2cos(ωτ)
・・・(9)
{|rs0+|2A(ω)2}*δ(ω)=|rs0+|A(ω)2・・・(10)
したがって、(10)式と、(4)式とから(11)式が成り立つ。
F[I0(τ)]2/F[Irr(τ)]={rs0+ 2A(ω)4}/A(ω)2
=rs0+ 2A(ω)2・・・(11)
(11)式は、反射係数分の損失が加わった境界面B0の反射光(測定波Ss1)のパワースペクトルである。
(B)参照波Srと反射光(測定波Ss2)との干渉の検討
(12)式を用いて、参照波Srと境界面B1からの反射光(測定波Ss2)との干渉出力Isは、(13)式のように表される。
+(ts0+ts0-rs1+)2A(ω)2
cos{ωt−(n0ωL0/c)−(n1(ω)ωΔLs1/c)−(n0ωLr/c)}
Ir(s1)(τ)=A(ω)2/2+(ts0+ts0-rs1+)2A(ω)2/2
+(ts0+ts0-rs1+)2A(ω)2
〔(ts0+ts0-rs1+)A(ω)2exp{−ns1 im(ω)ΔLs1}〕
cos(ωτ)cos(−ns1 re(ω)ΔLs1/c)
・・・(13)
As(ω)=〔(ts0+ts0-rs1+)A(ω)2exp{−ns1 im(ω)ΔL1}〕・・・(14)
反射光E2のパワースペクトルは、式(16)として求められる。
F[Is(τ)]2/F[Irr(τ)]
=(ts0+ts0-rs1+)2A(ω)2exp{−2ns1 im(ω)ΔLs1}・・・(16)
すなわち、(16)式は、吸収係数の波長依存性と、厚さにしたがって元のスペクトルが減衰することを意味する。
ns1 re(ω)=−φs(ω)・c/(ωΔLs1)・・・(17)
ns1 im(ω)=(1/ΔLs1)loge〔A1(ω)/{(ts0+ts0-rs1+)A(ω)2}〕
・・・(18)
dφ1(ω)/dω=−ns1 reΔLs1・・・(19)
これは、境界面B1の反射で得られる相関波形の横軸τが、境界面B0から得られる波形からずれていることを示し、試料に吸収がない場合でも相互相関波形を計測していることを示す。
次に、図10(C)に示すように、これらの干渉波形から、境界面B0,B1間で生じる多重反射によるゴースト(すなわち、複数の干渉波形)を、見つもること(取得すること、すなわちアサインすること)ができる。
この除去結果の中から、τ0に最も近い干渉波形を3番目の境界面B3による、一度だけ反射された干渉波形として見つもること(取得すること、すなわちアサインすること)ができる。
以下同様に、4番目,5番目,・・・,N番目の境界面B3,B4,B5,・・・,BNによる干渉波形を見積もることができる。
≪第2実施形態≫
すなわち、本実施形態では、参照波Srの電界スペクトルを求め、これと参照波Srと測定波Ssとの相互相関とから測定波Ssの電界スペクトルを求め、被測定物体の空間情報,エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等を取得する。
〈第1構成例〉
相対位相検出部2332は、参照波成分srm,srnと補助信号uam,uanから、参照波成分srm,srnの相対位相を検出する。
そして、図4で説明したように、参照波Srと測定波Ssとの相互相関を測定して、これをフーリエ変換すること測定波Ssの電界スペクトルEr(ω)を求めることができるし、被測定物体Oの種々の属性を測定することができる。
srm=Armexp{j(ωrmt−φrm)}・・・(33)
srn=Arnexp{j(ωrnt−φrn)}・・・(34)
ここで、Arm,Arnはsrm,srnの振幅、ωrm,ωrnはsrm,srnの周波数、φrm,φrnはsrm,srnの位相である。
φrn−φrmは未知である。なお、φrm,φrnの一方が既知であることもあるが、通常は、φrm,φrnの双方が未知である。
uam=Aamexp{j(ωamt−φam)}・・・(35)
uam=Aanexp{j(ωant−φan)}・・・(36)
ここで、Aam,Aanはuam,uanの振幅、ωam,ωanはuam,uanの周波数、φam,φanはsam,sanの位相である。
本構成例では、参照波成分srmと補助信号uamとの周波数差(あるいは、参照波成分srnと補助信号uanとの周波数差)をΔω、すなわち、Δω=ωrm−ωam=ωrn−ωanとすると、ΔωとΩDとの間には、(37)式の関係が成立している。
|Δω|<|ΩD|/2・・・(37)
uam=Aamexp〔{j(ωrm−Δω)t−φam}〕・・・(38)
uan=Aanexp〔{j(ωrm−Δω)t−φan}〕・・・(39)
2ArmAamcos{Δωt+(φrm−φam)+cnst1}]
+2ArnAancos{Δωt+(φrn−φan)+cnst2}]・・・(40)
ここで、
cnst1=(2π/c)×〔ωrmnrLr−ωamnaLa〕
cnst2=(2π/c)×〔ωrnnrLr−ωannaLa〕
c:光速
nr:参照波路の屈折率
na:補助信号路の屈折率
Lr:参照波路長
La:補助信号路長
バンドパスフィルタ(BPF)の出力、すなわちビート信号BT2は、デバイダ(DV)により2つのパスに分けられ、ミキサ(MX)により乗算される。
MPL=(Arm 2Aam 2+Arn 2Aan 2)/2
+ArmArnAamAancos(cnst2−cnst1)
+R(Δωt)・・・(41)
cnst2−cnst1
=(2π/c)
×〔(ωrnnr−ωrmnr)Lr−(ωamna−ωanna)La〕・・・(42)
相対位相演算部(RPP)は、以下に述べるように((43)式,(44)式参照)、乗算信号MPLの直流成分を取り出し、この直流成分から検出系により定まる定数を取り除き、2つの参照波成分srm,srnの相対位相(φrn−φrm)を検出する。
DC=(Arm 2Aam 2+Arn 2Aan 2)/2
+ArmArnAamAancos〔(φrm−φrn)+(cnst2−cnst1)〕・・・(43)
DCNML=cos〔(φrn−φrm)+(cnst2−cnst1)〕・・・(44)
この場合に、補助信号路長LaをLa+ΔL(ΔL>0)に変化させたとする。この場合、図16(A)に示すように、信号路長特性はLa(実線)からLa+ΔL(破線)に変化する。このとき、DCNMLがγ(1)に減少したとすれば、Φr(1)が「真の相対位相」であると判定できるし、DCNMLがγ(2)に増加したとすれば、Φr(2)が「真の相対位相」であると判定できる。
〈第2構成例〉
本構成例では電界スペクトル測定部233は、補助信号生成部2331と、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333と、周波数分解部2335を備えている。また、本構成例では、演算処理部232は、演算器2321とメモリ2322とを備えている。
周波数分解部2335は、参照波Srに周波数成分として含まれる周波数が異なる複数の参照波成分sr1,sr2,・・・,srqを生成する。
相対位相検出部2332は、隣接する2つの参照波成分srk,sr(k+1)と補助信号uak,ua(k+1)との合波から、参照波成分srk,sr(k+1)の相対位相を検出する。本構成例では、k=1,2,・・・,q−1としたときの、(q−1)個の相対位相が同時に検出できる。
演算器2321は、これら相対位相の検出結果および振幅の検出結果を取り込み、メモリ2322に記録し、これらの記録結果から参照波Srの電界スペクトルEr(ω)等を演算することができる。
図13に、相対位相検出部2332と、振幅検出部2333の構成を示す。相対位相検出部2332は、q出力のアレイ導波路回折格子(AWG)と、出力側に設けたフォトダイオード(PD)の群PDGと、PDGの出力信号からそれぞれ2つの信号を選択する信号選択回路(SLCT)と、SLCTの出力信号を乗算する(q−1)個のミキサの群(MIXG)と、MIXGの出力信号を入力して相対位相を検出する相対位相演算部(RPP)とを備えている。
上記した相対位相φr(k+1)−φrkおよび振幅Arkは、演算処理部232のメモリ2322に電界スペクトルEr(ω)として記憶される。
11,21,51,61,71,81 光源
13,23 属性特定装置
24,54,64,74,84,131,231 光検出器
42,72,75,121,221,2324 ビームスプリッタ
49,59,69,79 移動ステージ
53,63,73,83 変調器
100,200 物体測定装置
122,222 参照ミラー
123,223 参照ミラー駆動部
124 全反射ミラー
132,232 演算処理部
224 光吸収板
233 電界スペクトル測定部
321 AWG
353,522,551,552,553,621,651,652,751,753,851,852,853 レンズ系
521,522,621,623,632 ビームスプリッタ
532,632,732,733,832 シリンドリカルレンズ
533,633,833 変調ミラー
1321,2321 演算器
1322,2322 メモリ
2331 補助信号生成部
2332 相対位相検出部
2333 振幅検出部
2334 周波数選択部
2335 周波数分解部
Claims (4)
- 参照波路を伝播する参照波と、参照波路と同一の基点を持つ、第1,第2,・・・,第N測定波路を伝播する第1,第2,・・・,第N測定波とを受け取り、前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めるスペクトル測定装置において、
前記スペクトルが、被測定物体の表面または内部で折り返し、または前記被測定物体を貫通した前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルであり、
前記第1,第2,・・・,第N測定波のスペクトルは、前記被測定物体において深さ方向の位置が異なる第1,第2,・・・,第N層の面からの反射波に各々対応しており、
前記参照波のスペクトルと、
前記参照波と前記第1,第2,・・・,第N測定波の各合成波の二乗に比例する各信号とに基づき、
前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルを求めることを特徴とするスペクトル測定装置。 - 前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルがパワースペクトルであり、当該第k測定波(kは、1,2,・・・,Nの何れか)のパワースペクトルが、
[参照波と第k測定波の合成波の二乗に比例する信号をフーリエ変換することにより得られるスペクトル]2/[参照波のスペクトル]
で表されることを特徴とする請求項1に記載のスペクトル測定装置。 - 属性特定装置を備えた物体測定装置において、
前記属性特定装置が、請求項2に記載のスペクトル測定装置の機能を持ち、
前記参照波路および前記第1,第2,・・・,第N測定波路は、同一の発生源を基点とし、前記第1,第2,・・・,第N測定波路は被測定物体の表面または内部で折り返しまたは被測定物体を貫通するように形成され、
前記属性特定装置は、測定した前記第1,第2,・・・,第N測定波の各スペクトルに基づき、前記被測定物体の属性情報を求める、
ことを特徴とする物体測定装置。 - 前記参照波が、
伝播方向に垂直な仮想線に沿って遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持ち、または、
前記参照波が、伝播方向に垂直な仮想XY平面のX方向に沿った成分の遅延時間または進み時間が漸次変化する特性を持つ、
ことを特徴とする請求項3に記載の物体測定装置。
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