JP2008151734A - 光断層画像化方法、装置およびプログラムならびに光断層画像化システム - Google Patents

光断層画像化方法、装置およびプログラムならびに光断層画像化システム Download PDF

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Abstract

【課題】光トモグラフィー計測により各深さ位置における反射強度を検出し断層画像を取得するときに、効率的に良好な画質の光断層画像を取得する。
【解決手段】光トモグラフィー計測において、干渉光L4を干渉信号として検出し、検出した干渉信号に光源ユニットから出射されるレーザ光のモードホップの情報、又は/及び、スペクトル形状を示す情報、又は/及び、検出される干渉光の瞬時スペクトルを示す情報をパラメータとして有している線形システム行列の演算処理を施すことにより、各深さ位置からの反射強度を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、OCT(Optical Coherence Tomography)計測により光断層画像を取得する断層画像処理方法、装置ならびにプログラムおよびこれを用いた断層画像化システムに関するものである。
従来、生体組織の光断層画像を取得する際に、OCT計測を利用した光断層画像取得装置が用いられることがある。この光断層画像取得装置では、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、該測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し、該反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得する。上記のような光断層画像取得装置では、参照光の光路長を変更することにより、測定対象に対する深さ方向の位置(以下、深さ位置という)を変更し光断層画像を取得するTD−OCT(Time domain OCT)計測を利用した装置がある(たとえば特許文献1参照)。
また、近年では、上述した参照光の光路長を変更することなく高速に光断層画像を取得するSD−OCT(Spectral Domain OCT)計測を利用したSD−OCT装置が提案されている(非特許文献1参照)。このSD−OCT装置は、広帯域の低コヒーレント光をマイケルソン型干渉計を用いて測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻って来た反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光を各周波数成分に分解したチャンネルドスペクトルをフーリエ変換することにより、深さ方向の走査を行わずに光断層画像を構成するようにしたものである。さらに、特許文献1においては、干渉光の検出精度を高めるため、干渉光を各スペクトル帯域毎に分光し、分光した干渉光を別々の光検出器で検出する方法が開示されている。
さらに、非特許文献2においては、参照光の光路長の変更を行うことなく高速に光断層画像を取得する装置として、SS−OCT(Swept source OCT)計測による光断層画像化装置も提案されている。このSS−OCT装置は、光源から射出されるレーザ光の周波数を掃引させて反射光と参照光とを各波長において干渉させ、一連の波長に対する干渉スペクトルをフーリエ変換することにより測定対象の深さ位置における反射光強度を検出し、これを用いて光断層画像を構成するようにしたものである。
特開2006−189424号公報 Gerd Hausler and Michael Walter Lindner, "COHERENCE RADAR" AND"SPECTRAL RADAR" - NEW TOOLS FOR DERMATOLOGICAL DIAGNOSI, Journal of Biomedical Optics January 1998 vol. 3 No 1 pp.21-31 Yoshiaki Yasuno, Violeta Dimitrova Madjarova and Shuichi Makita, "Three-dimensional and high-speed swept-source optical coherence tomography for in vivo investigation of human anterior eye segments," OPTICS EXPRESS 2005 Vol. 13, No. 26.
上述した非特許文献1、2に示すように、検出された干渉信号をフーリエ変換することにより各深さ位置における反射強度を取得し、この反射強度を用いて断層画像を生成する。ここで、画質の良い断層画像を取得するためには、様々な信号処理が必要となる。たとえば特許文献1に示すように、物質にはある波長の光を吸収してしまう特性があり、光の吸収の仕方は入射する物質によって異なり、物質が同じであっても光の波数により異なる。よって、物質に入射した測定光が物質との相互作用によって吸収されることにより反射光が減衰してしまう場合があり、そのため反射強度の大きさが見かけ上低下してしまうという問題がある。これは特許文献1のようなTD−OCT計測に限らず、SD−OCT計測およびSS−OCT計測の場合にも該当することであり、この見かけ上低下した反射強度を補間するような信号処理が必要な場合がある。
あるいは、SD−OCT計測やSS−OCT計測において、光源から射出される光のスペクトル形状は一様ではなく、ある形状を持っている。この光源を用いて得られた干渉信号に対しフーリエ変換処理を施して反射強度を求める場合、得られる信号は真の信号と入力光のスペクトル形状のフーリエ変換との畳み込みとなり、サイドローブ等の擬信号が現れる。従来、この擬信号による信号劣化を防止するため窓関数処理を行うようになっており、そのための信号処理が必要となる。
また、SS−OCT計測において、光源が連続的に波長を掃引したときに、その波長の変化は時間に対して線形となっている場合があり、干渉信号を時間軸に対し等間隔にサンプリングしたとき、干渉信号は波長に関して線形にサンプリングされることになる。これに対しフーリエ変換処理は干渉信号が波数に対し線形にサンプリングされていることを前提としているため、干渉信号に何らかの補正処理等が必要になる(非特許文献1の図2参照)。
このように、実際に得られた干渉信号から上述した光のスペクトル形状による影響等を最小限に抑えた各深さ位置における反射強度を取得し画質の良い断層画像を取得するためには、様々な信号処理が必要であり、これらの信号処理を効率的に行うことが望まれている。
そこで、本発明は、効率的に良好な画質の光断層画像を取得することができる光断層画像化方法、装置およびプログラムならびにこれを用いた光断層画像化システムを提供することを目的とするものである。
本発明の断層画像処理方法は、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波し、合波した反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出し、検出した干渉信号に下記式により定義される演算処理を施すことにより、各深さ位置からの反射強度を取得し、取得した反射強度を用いて断層画像を生成することを特徴とするものである。
本発明の断層画像処理装置は、光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波し、合波した反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出したときに、該干渉信号から断層画像を生成する断層画像処理装置において、干渉信号に下記式により定義される演算処理を施すことにより、測定対象の各深さ位置における反射強度を取得する反射強度取得手段と、反射強度取得手段により取得された反射強度を用いて断層画像を生成する断層画像生成手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の断層画像処理プログラムは、光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波し、合波した反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出したときに、コンピュータに、検出した干渉信号に下記式により定義される演算処理を施すことにより、各深さ位置からの反射強度を取得し、取得した反射強度を用いて断層画像を生成することを実行させることを特徴とするものである。
本発明の光断層画像化システムは、光を射出する光源ユニットと、光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、光分割手段により分割された測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波する合波手段と、合波手段により合波された反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出する干渉光検出手段と、干渉光検出手段により検出された干渉信号から断層画像を生成する断層画像処理手段とを備え、断層画像処理手段が、反射強度検出手段が、干渉信号から反射強度を検出するときに、下記式により定義される演算処理を施して反射強度を取得するものであることを特徴とするものである。
本発明の断層画像処理プログラムは、光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波し、合波した反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出したときに、コンピュータに、検出した干渉信号をそれぞれ離散した異なる波長帯域の光から検出した干渉信号毎に分類し、分類した複数の干渉信号をそれぞれ周波数解析することにより、各干渉信号毎に測定対象の各深さ位置からの反射強度を中間反射強度として検出し、検出した複数の中間反射強度を用いて、断層画像の生成に用いる反射強度を生成し、生成した反射強度を用いて断層画像を生成することを実行させることを特徴とするものである。
ここで、線形システム行列は、干渉信号ベクトルを検出する系(干渉計の構成)から導き出されるパラメータからなる行列を意味し、たとえば下記式(1)に示す前記線形システム行列を用いて前記反射強度が取得される。
Figure 2008151734
この線形システム行列Hは、たとえば光源ユニットから射出される光のスペクトル形状を示す情報、瞬時スペクトルの形状を示す情報等をパラメータとして有するものであってもよい。なお、瞬時スペクトルとは、ある瞬間に干渉光検出手段に入射される干渉光は所定の波長の干渉光であることが理想であるが、現実には干渉検出手段におけるサンプリングピッチ等の関係により、所定のスペクトル幅を有する干渉光が検出されるものであり、このある瞬間に検出される干渉光のスペクトル幅のことをいう。
なお、反射強度は線形システム行列を用いて取得されるものであればその算出手法は問わず、たとえばGauss−Jordan法等により式(1)より逐次的に反射強度を算出するようにしてもよいし、最急降下法、共役勾配法等により反射強度を算出するようにしてもよい。また、式(1)における線形システム行列の逆行列が予め算出されてデータベースに記憶されており、反射強度取得手段はこのデータベースに記憶された線形システム行列の逆行列を用いて反射強度を取得するようにしても良い。
断層画像の取得に用いられる光は、所定の波長帯域を有する低コヒーレンス光であっていわゆるSD−OCT計測により断層画像を取得するものであってよい。なお、光源ユニットは、異なる波長帯域の低コヒーレンス光を射出する複数の光源と、複数の光源から射出された光を合波して前記光分割手段側に射出する光源合波手段とを備えたものであってもよい。また、SD−OCT計測の場合、上述した線形システム行列Hが有する光のスペクトル形状は、所定の波長帯域における波長−光強度分布を示すパラメータを意味する。
さらに、断層画像の取得に用いられる光は、所定の波長帯域内において波長が一定の周期で掃引するレーザ光であっていわゆるSS−OCT計測により断層画像を取得するものであってもよい。なお、SS−OCT計測の場合、式(1)におけるδKは掃引される波長帯域幅の最大波数と最小波数との差を意味する。また、上述した線形システム行列Hのスペクトル形状を示す情報は、掃引する波長帯域における波長−光強度分布を示すパラメータを意味する。
本発明の光断層画像化装置によれば、光を射出し、射出した光を測定光と参照光とに分割し、分割した測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と参照光とを合波し、合波した反射光と参照光との干渉光を干渉信号として検出し、検出した干渉信号に下記式により定義される演算処理を施すことにより、各深さ位置からの反射強度を取得し、取得した反射強度を用いて断層画像を生成することにより、干渉信号から反射強度を取得するときに、光源ユニット等の干渉計の構成に起因する諸問題や測定対象の波長に対する吸収・屈折特性等の測定対象に依存する諸問題を、各問題に対応してそれぞれ信号処理を行うのではなく、
特に、線形システム行列が下記式(1)の行列式を算出することにより、1度に解決することができるため、効率的に反射強度を算出することができる。
Figure 2008151734
以下、図面を参照して本発明の光断層画像化システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の光断層画像化装置の好ましい実施の形態を示す模式図である。光断層画像化システム1は、たとえば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像をマッハツェンダ型干渉計を用いたSD−OCT(Spectral Domain OCT)計測により取得するものであって、光Lを射出する光源ユニット10と、光源ユニット10から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段3と、光分割手段により分割された測定光L1が測定対象Sの各深さ位置において反射したときの反射光(後方散乱光)と参照光L2とを合波する合波手段4と、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を干渉信号Iとして検出する干渉光検出手段40と、干渉光検出手段40により検出された干渉信号Iから断層画像を生成する断層画像処理手段50とを備えている。
光源ユニット10は、所定の波長帯域を有する低コヒーレンス光を射出するものであって、たとえばSLD(スーパルミネセンスダイオード)からなる光源11と、光源11から射出された光L2を光ファイバFB1内に入射させるための光学系12とを有している。
光分割手段3は、たとえば2×2の光カプラから構成されており、光源ユニット10から光ファイバFB1を介して導波した光Lを測定光L1と参照光L2に分割する。光分割手段3は、2本の光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2により導波され、参照光L2は光ファイバFB3により導波される。なお、本実施形態における光分割手段3は、合波手段4としても機能するものである。
光ファイバFB2にはプローブ30が光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2からプローブ30へ導波される。プローブ30は、たとえば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、光学コネクタ31により光ファイバFB2に対し着脱可能に取り付けられている。
一方、光ファイバFB3における参照光L2の射出側には光路長調整手段20が配置されている。光路長調整手段20は、測定対象Sに対する測定開始位置を調整するために、参照光L2の光路長を変えるものであって、コリメータレンズ21および反射ミラー22を有している。そして、光ファイバFB3から射出した参照光L2はコリメータレンズ21を透過した後、反射ミラー22により反射され、再びコリメータレンズ21を介して光ファイバFB3に入射される。
ここで、反射ミラー22は可動ステージ23上に配置されており、可動ステージ23はミラー駆動手段24により矢印A方向に移動可能に設けられている。そして可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変更するよう構成されている。
合波手段4は、2×2の光カプラからなり、光路長調整手段20により光路長の変更が施された参照光L2と測定対象Sからの反射光L3とを合波し光ファイバFB4を介して干渉光検出手段40側に射出するように構成されている。
干渉光検出手段40は、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出するものであって、光ファイバFB4から射出した干渉光L4を平行光化するコリメータレンズ41と、複数の波長帯域を有する干渉光L4を各波長帯域に分光する分光手段42と、分光手段42により分光された各波長帯域の干渉光L4を光検出部44上に集光させる光学系43と、光学系43により集光された各波長帯域の干渉光L4を検出する光検出部44とを有している。
分光手段42は例えば回折光学素子等から構成されており、そこに入射した干渉光L4を分光して、光検出部44に向けて射出する。また光検出部44は、例えば1次元もしくは2次元に光センサが配列されてなるCCD(Charge Coupled Device)やフォトダイオード等の素子から構成され、各光センサが、上述のように分光された干渉光L4を波長帯域毎にそれぞれ検出する。
図2は本発明の断層画像処理装置(断層画像処理手段)の好ましい実施の形態を示すブロック図であり、図3を参照して断層画像処理装置50について説明する。なお、図3のような断層画像処理装置50の構成は、補助記憶装置に読み込まれた断層画像処理プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。このとき、この断層画像処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
断層画像処理手段50は、干渉光検出手段40により光電変換された複数の干渉信号Iから測定対象Sの各深さ位置における反射強度rを検出し、反射強度rを用いて測定対象Sの断層画像を取得する機能を有している。
具体的には、断層画像処理手段50は、複数の干渉信号Iをパラメータとする列ベクトルからなる干渉信号ベクトルIから下記の式(1)を用いて各深さ位置における反射強度rを取得する反射強度取得手段51と、反射強度取得手段51により取得された反射強度rを用いて断層画像を生成する断層画像生成手段53とを有している。
Figure 2008151734
まず、反射強度取得手段51において用いられる上記式(1)が導出される過程について具体的に説明する。まず、干渉光L4の強度は参照光L2と反射光L3との合成の二乗で表せるから、以下のようになる。
Figure 2008151734
ここで、X=0に光検出部44があるものとして、上記(2)にX=0を代入すると下式(3)を得る。
Figure 2008151734
式(3)は、波数k(=2π/λ)の光を入力したとき、X=0における光検出部44によって検出される参照光と反射光との干渉光の強度I(k)を表している。以下n(k)をnと省略して記載し、式(3)を展開する。
Figure 2008151734
を得る。
上記式(6)は、ある瞬間に入射される光源が単色光(波数や波長が単一)であると仮定した場合の結果であるが、現実の系ではある瞬間に入射される光は単色ではなく、スペクトルに幅がある(以下、「瞬時スペクトル」と呼ぶ)。瞬時スペクトルをb(k)とおき、以下、瞬時スペクトルがある場合について検討する。なお、瞬時スペクトルがたとえば図3に示すようなスペクトル形状を有しているとき、瞬時スペクトルb(k)はスペクトル形状の中心と、中心に対し対称となる5つの要素数b0 、b1 、b2 、b1 、b0を用いて表される。
瞬時スペクトルを考慮すると、ある波数kの光が入射されるときその付近の波数の光も同時に入射されると考えられる。これはb(k)の畳み込みで表現できるから、式(6)は以下のようになる。
Figure 2008151734
上記式(7)は瞬時スペクトルを考慮した点を除き、式(3)と等価である。現実の系では光源のスペクトルの幅や光の可到達距離は有限である。そこで、光源のスペクトルの幅をδK(δK=kmax-kmin)、光の最大到達距離をL(すなわちz>Lのとき、gk(L)=0)としたとき、式(7)は以下のようになる。
Figure 2008151734
式(8)に区分求積法を適用する。
Figure 2008151734
現実の系では、観測点数M、画素数Nは有限であるから、上式は
Figure 2008151734
となる。
式(9)は以下のように行列で表現することができる。
Figure 2008151734
上記式(10)を逆に解くことにより、下式(11)を得る。
Figure 2008151734
ここで列ベクトルCは自己相関関数であるから、一般にz=0付近に大きな値を持ち、それ以外は小さな値になる。また、γが1に近ければ式(11)の右辺第1項は第2項よりも十分大きな値となる。目的とする反射率rはz>0について知りたいのであるから、結局式(11)の第2項は無視することができる。以上より、
Figure 2008151734
を得る。さらに、線形システム行列H≡BACと定義すると、式(12)は、
Figure 2008151734
と表現することができる。
ここで、上述した式(1)に用いられる線形システム行列H、行列C、行列Γおよびベクトルg、nは、予め計測したパラメータのものが用いられるものであって、このパラメータはデータベースDB1に記憶されている。具体的には、線形システム行列Hおよび行列Cに用いられる光Lに依存するスペクトル形状情報、光の波長帯域幅δKの情報が記憶されている。またデータベースDB1には、たとえば干渉光検出手段40の光検出部44のサンプリング周期内において検出されるスペクトルの幅の情報が瞬時スペクトルの情報として記憶されている。
また、ベクトルg、nのパラメータは、各測定対象毎にそれぞれデータベースDB2に記憶されており、特性検出手段54に測定対象Sの種類が入力されたとき、データベースDB2に記憶されたベクトルg、nがシステム行列生成手段52に入力される。ここで、測定対象Sの波長に対するベクトルg、nがデータベースDB2に記憶されていない場合、断層画像化システム1を用いて測定対象Sのプレスキャンが行われ、そのプレ干渉信号PIが特性検出手段54に入力される。そして、特性検出手段54において、測定対象Sの各波長に対するベクトルg、nが算出され、システム行列生成手段52に入力されるようになっている。
そして、システム行列生成手段52がデータベースDB1に記憶されている各パラメータを用いて線形システム行列Hおよびベクトルg、nを用いて式(1)により反射強度を算出するようになっている。なお、式(1)は各行列H、C、Γの逆行列になっているため、システム行列生成手段52が予め逆行列を算出してデータベースDB1に記憶しておき、データベースDB1に記憶している線形システム行列Hの逆行列を反射強度取得手段51に入力するようにしてもよい。これにより、線形システム行列Hの逆行列を算出する時間を短縮し効率的な反射強度の取得を行うことができる。
さらに、反射強度取得手段51はたとえばGauss−Jordan法等により上記式(1)から逐次的に反射強度rを取得するようにしてもよいし、最急降下法、共役勾配法等を用いて上記式(1)から反射強度rを取得するようにしてもよい。
図4は本発明の断層画像処理方法の好ましい実施の形態を示すフローチャートであり、図1から図4を参照して断層画像処理方法について説明する。まず、可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整が行われる。その後、光源ユニット10から光Lが射出され(ステップST1)、光Lは光分割手段3により測定光L1と参照光L2とに分割される(ステップST2)。測定光L1はプローブ30により体腔内に導波され測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sからの反射光L3が反射ミラー22において反射した参照光L2と合波手段4により合波され(ステップST3)、反射光L3と参照光L2との干渉光L4が干渉光検出手段40により検出される(ステップST4)。この検出された干渉光L4の信号が画像処理手段50において上記式(1)を用いて反射強度が算出される(ステップST5)。そして算出された反射強度rを用いて断層画像が生成される。周波数解析されることにより断層画像が取得される(ステップST5)。
そして、例えばプローブ30を回転させることにより、測定対象Sに対して測定光L1を1次元方向に走査させれば、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向の情報が得られるので、この走査方向を含む断層面についての断層画像を取得することができる。なお、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
このように、反射強度取得手段51において上記式(1)を用いて反射強度rを算出することにより、光断層画像化システム1の各構成要素に起因する諸問題を1度の計算により解決することができる。特に下記に示す(A)入力光のスペクトル形状の問題、(B)瞬時スペクトルの問題、(C)吸収の波長依存性の問題、(D)屈折率の波長依存性の問題、(E)干渉光検出手段の検出性能の問題を1度の計算により解決することができる。
まず、(A)光のスペクトル形状(波長−光強度分布)の問題について説明する。光Lのスペクトル形状が図5(A)に示すように理想的(全周波数について一様)であれば、そのパワースペクトルはδ関数となるから、無限小の解像度が得られる。しかし、現実の系では光源ユニット10から射出される光Lのスペクトル形状は一様にするのは困難であって、たとえば図5(B)のように複数のピークを有するようなスペクトル形状を持っている。ここで、フーリエ変換処理を用いて反射強度の信号を求める場合、得られる信号は真の信号と入力光のスペクトル形状のフーリエ変換との畳み込みとなる。このため、一様でない光Lを用いて得られた反射強度rにサイドローブ等の擬信号が現れてしまう場合がある。
ここで、光源ユニット10から射出される光Lのスペクトル形状は予め計測可能なものである。そこで、予め光Lのスペクトル形状を計測しておき、その情報を式(11)における行列Aで表現する。すなわち、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現することにより、スペクトル形状の影響を軽減することができる。
さらに、従来では、上述した擬信号を抑えるために窓関数処理をすることが行われている。しかし、窓関数のローパス特性により解像度が低下することが問題となり、たとえば図6(A)のように得られた干渉信号Iに対し窓関数処理を施したとき、図6(B)の波線ようにある深さ位置において急峻なピークとなる波形が得られず、実線のような緩やかな曲線となってしまう。一方、上述の式(1)においては、光Lのスペクトル形状を線形システム行列H内にパラメータ表示してスペクトル形状による影響を軽減しているため、フーリエ変換処理において窓関数を導入する必要がなくなり、窓関数処理による解像度が低下するのを防止することができる。
(B)瞬時スペクトルの問題について説明する。ある瞬間に干渉光検出手段に入射される干渉光は所定の波長の干渉光であることが理想であるが、現実には干渉検出手段におけるサンプリングピッチ等の関係により、所定のスペクトル幅を有する干渉光が検出される(瞬時スペクトル、図3参照)。このように、ある瞬間において光源ユニット10から射出される光Lが単色でなくスペクトル光である場合、その影響は観測信号に畳み込みの形で現れる(式(6)参照)。したがって、フーリエ変換処理を用いて反射強度の信号を求める場合、得られる信号は真の信号と瞬時スペクトルのフーリエ変換との積となり、深さ位置zが深くなるにつれて奥の信号のゲインが小さくなってしまうという問題がある。ここで、瞬時スペクトルの形状は、光源ユニット10から射出される光Lに依存するものであって、予め計測可能なものである。そこで、予め瞬時スペクトルの形状を計測しておき、その情報を式(11)における行列Bとして表現する。すなわち、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現し反射強度を求めることにより、瞬時スペクトルの影響を軽減することができる。
(C)吸収の波長依存性の問題について説明する。物質にはある波長の光を吸収してしまう特性があり、光の吸収の仕方は入射する物質によって異なり、物質が同じであっても光の波数により異なる。よって、物質に入射した測定光L1が物質との相互作用によって吸収されることにより反射光L3が減衰してしまう場合があり、そのため反射強度の大きさが見かけ上低下してしまうという問題がある。一方、たとえば生体についての断層画像を取得しようとした場合生体の成分の大部分は水である、といったように、測定対象Sの詳細な断層構造(どの深さにどの物質が存在するか)はわからなくても測定対象S全体としての吸収特性は予め計測することができる。そこで、あらかじめ水等の測定対象S全体の吸収特性を計測し、式(11)のベクトルgk(z)として表現する。すなわち、式(1)における行列Cおよび線形システム行列Hにおいて表現することにより、吸収特性による反射強度の低下を低減することができる。
(D)屈折率の波長依存性について説明する。光が物質中を通るとき、光の見かけの光路長は真空中を通る場合と比較してn(1≦n)倍となる。nは屈折率と呼ばれる。屈折率は物質によって異なり、物質が同じであっても光の波数により異なる。このため、補正が必要となり問題となる。一方、たとえば生体についての断層画像を取得しようとした場合生体の成分の大部分は水である、といったように、測定対象Sの詳細な断層構造(どの深さにどの物質が存在するか)はわからなくても測定対象S全体としての吸収特性は予め計測することができる。そこで、あらかじめ水等の測定対象S全体の散乱特性を計測し、その情報を式(1)の行列Cの中のnkおよび線形システム行列Hで表現することにより、吸収特性による反射強度の低下を低減することができる。
(E)干渉光検出手段の検出性能の問題について説明する。フーリエ変換処理においては波数k(=2π/λ)に対し干渉信号が等間隔でサンプリングされていることを仮定している。一方、ディテクタアレイ等に構成された光検出部44によって干渉信号ISを観測する場合、各ディテクタの波長検出特性により光検出部44が観測する干渉光L4の所定の波長帯域が波長(周波数)について線形になっていない場合がある。この光検出部44によって検出された干渉信号ISに対しフーリエ変換処理を用いるためには何らかの補正処理/補間処理が必要となる。このとき、波数kと波長λとの関係式k=2π/λを用いることで、式(1)における行列Cを求めることができることから補間等の必要がなく、それに伴う信号劣化も起きない。
このように、導出した式(1)を用いて干渉信号Iから反射強度rを算出することにより、上記(A)〜(E)の諸問題を1度に解決することができる。つまり、上述した(A)〜(E)の諸問題に対してそれぞれ信号処理を行う必要がなく、干渉信号ベクトルIから効率的に反射強度rを算出することができる。
図7は本発明の光断層画像化システムにおける光源ユニットの別の実施の形態を示す模式図であり、図7を参照して光断層画像処理システムについて説明する。図7の光源ユニット110はSLD(スーパールミネセンスダイオード)からなる複数の光源SLD1〜SLD4と、複数の光源SLD1〜SLD4から射出された複数の光を合波する光源合波手段DM1〜DM3とを備えている。
光源SLD1〜SLD4はそれぞれ図8の実線で示すような波長−光強度分布からなる光を射出するものであって、それぞれ異なる中心波長を有し所定の波長幅を備えた光を射出する。光源SLD1、SLD3は射出方向が直角に交わるように配置されており、光源SLD1、SLD3からの光は射出光の交点に各射出光と45度の角度をなすように配置されたダイクロイックミラーDM1により合波されてダイクロイックミラーDM3側に射出される。また、光源SLD2、SLD4からの光はダイクロイックミラーDM2により合波されて、ダイクロイックミラーDM3に入射する。ダイクロイックミラーDM1による合波光とダイクロイックミラーDM2による合波光はダイクロイックミラーDM3により合波されて最終的に得られた合波光は同一光軸上を進行する。
ここで、各ダイクロイックミラーDM1〜DM3は図8の波線で示すような反射率特性を有している。つまり、ダイクロイックミラーDM1、DM2、DM3のカットオフ波長はそれぞれ、光源SLD1と光源SLD2の強度曲線の交点、光源SLD2と光源SLD3の強度曲線の交点、光源SLD3と光源SLD4の強度曲線の交点となる波長に設定されている。すると、光源ユニット110から射出される光Lは、図9に示すようなスペクトル形状を有することになる。なお、図9において、4つの光源SLD1〜SLD4の半値全幅w=10nmとしており、4つの光源SLD1〜SLD4を中心波長の長さの順番に並べたときの隣り合う光源のピーク波長間隔dをd/w=1.0、d/w=0.5、d/w=2とした各場合につき示している。
しかし、上記のようなダイクロイックミラーによる合波では、ダイクロイックミラーの急峻な波長選択性により、光量損失を少なくできるが、図9に示すように、合波光の発光スペクトルは複数のピークをもつ凹凸のある形状となってしまう。発光スペクトルが凹凸のある形状となると、以下に述べるような問題が生じ、好ましくない。
SD−OCT計測では、検出信号に対して波数空間から位置空間へのフーリエ変換を行い、深さ位置に対する反射率変化の信号を生成する。図10(A)に合波前の各光源の光の発光スペクトルを破線で、上記ダイクロイックミラーにより最終的に得られた合波光の発光スペクトルを実線で、波数の関数として示し、合波光の発光スペクトルに対してフーリエ変換を行ったものを位置の関数として図10(B)に示す。なお、図10(A)の横軸の目盛は等間隔ではない。合波光の発光スペクトルは、図10(A)に示すような凹凸のある形状であり、これに対してフーリエ変換を行ったものには図10(B)に示すように、サイドローブSLが現れる。実際のSD−OCT計測では、図10(A)に示すような測定光の発光スペクトルに基づく信号にOCT干渉信号が重畳した信号をフーリエ変換する。そのときに図10(B)に示すようなサイドローブSLが存在すると、サイドローブは、見かけ上はある深さ位置に反射界面が存在することを示す成分と同じとなるので、反射情報に対するノイズとなり、信号を不明瞭にさせ、分解能を低下させる。
発光スペクトルの凹凸で見られるピークとボトムの格差は各光源SLD1〜SLD4の波長幅と中心波長間隔によって決まる。中心波長間隔を小さくすればピークとボトムの格差は小さくなり、発光スペクトルの凹凸を小さくできるが、合波光の波長幅を広くすることはできず、当初の目的に反することになる。
上記不具合を解決するため、発光スペクトルを平坦化させるような波長選択性を有するフィルターを光路に挿入することも考えられるが、フィルターの波長特性が複雑になるため、実用的ではない。
次に、光源合波手段としてハーフミラーHM1〜HM3を用いた場合について説明する。図11に、3つのハーフミラーHM1、HM2、HM3を用いて、中心波長の異なる4つの光源SLD1、SLD2、SLD3、SLD4の光を合波する光源ユニット110aの構成図を示す。光源SLD1、SLD3は射出方向が直角に交わるように配置され、射出光の交点に各射出光と45度の角度をなすように配置されたハーフミラーHM1により、光源SLD1、SLD3からの光は合波されて、ハーフミラーHM3に入射する。同様に、ハーフミラーHM2により、光源SLD2、SLD4からの光は合波されて、ハーフミラーHM3に入射する。ハーフミラーHM1による合波光とハーフミラーHM2による合波光はハーフミラーHM3により合波されて最終的に得られた合波光は同一光軸上を進行する。
図12(A)に4つの光源SLD1〜SLD4の光を合波して最終的に得られた合波光の発光スペクトルを実線で、合波前の各光源の発光スペクトルを破線で、波数の関数として示す。合波光の発光スペクトルは、図12(A)に示すような平坦なものとなり、これに対してフーリエ変換を行ったものには図12(B)に示すようにサイドローブは現れない。
しかし、ハーフミラーの透過率は約50%であるため、光量損失が大きいという問題がある。合波する光源数が増加するに従い、ハーフミラーを通過する回数も増え、最終的に利用可能な光量も低下していく。例えば、図11に示すような構成では、いずれの光源からの光もハーフミラーを2回通過するため、最終的に利用可能な光量は光源からの射出光の25%となってしまい、非常に効率が悪い。
そこで、たとえば図7のような光合波手段としてダイクロイックミラーを用いて十分な光量を得るとともに、ダイクロイックミラーを用いたことに起因する合波光の発光スペクトルが複数のピークをもつ凹凸のある形状となってしまうのを上述した(A)スペクトル形状の問題において説明したように、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現することにより、光の利用効率を向上させながら形状の影響を軽減することができる。すなわち、光源ユニット110から射出される光Lのスペクトル形状は予め計測可能なものである。そこで、予め光Lのスペクトル形状を計測しておき、その情報を式(11)における行列Aで表現する。すなわち、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現することにより、光の利用効率を向上させながら形状の影響を軽減することができる。なお、図7に示す光源ユニット110において上述した(B)〜(D)の諸問題も式(1)により1度に解決することができる。
また、図10(A)のように複数の光源SLD1〜SLD4からそれぞれ射出される光の波長帯域が重複している場合について例示しているが、光源ユニット110として2つの光源SLD1、SLD4だけを用い、この2つの光源SLD1、SLD4を光源合波手段DM1〜DM3により合波するものであってもよい。このとき、図13に示すように、2つの光源SLD1、SLD4から射出される光の波長帯域が互いに離散することになり、通常はフーリエ変換処理を行うことができない。しかし、光源合波手段DM1〜DM3において各光を合波したときのスペクトル形状を式(11)における行列Aで表現する、すなわち、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現することにより、その逆行列から画像化することが可能となる。
図14は本発明の光断層画像化システムの別の実施の形態を示す模式図であり、図14を参照して光断層画像処理システム300について説明する。なお、図14の光断層画像化システム300において図1の光断層画像化システム1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図14に示す光断層画像化装置300は、測定対象の断層画像を前述のSS−OCT計測により取得するものであって、具体的に図1の光断層画像化システム1と異なる点は、光源ユニットおよび干渉光検出手段の構成である。
本装置における光源ユニット310は、周波数を一定の周期で掃引させながらレーザ光Laを射出するものである。具体的に該光源ユニット310は、半導体光増幅器(半導体利得媒質)311と光ファイバFB10とを有しており、光ファイバFB10が半導体光増幅器311の両端に接続された構造を有している。半導体光増幅器311は駆動電流の注入により微弱な放出光を光ファイバFB10の一端側に射出するとともに、光ファイバFB10の他端側から入射された光を増幅する機能を有している。そして、半導体光増幅器311に駆動電流が供給されたとき、半導体光増幅器311および光ファイバFB10により形成される光共振器によりパルス状のレーザ光Laが光ファイバFB1へ射出されるようになっている。
さらに、光ファイバFB10には光分岐器312が結合されており、光ファイバFB10内を導波する光の一部が光分岐器312から光ファイバFB11側へ射出されるようになっている。光ファイバFB11から射出した光はコリメータレンズ313、回折格子素子314、光学系315を介して回転多面鏡(ポリゴンミラー)316において反射される。そして反射された光は光学系315、回折格子素子314、コリメータレンズ313を介して再び光ファイバFB11に入射される。
ここで、この回転多面鏡316は矢印R1方向に回転するものであって、各反射面の角度が光学系315の光軸に対して変化するようになっている。これにより、回折格子素子314において分光された光のうち、特定の周波数域の光だけが再び光ファイバFB11に戻るようになる。この光ファイバFB11に戻る光の周波数は光学系315の光軸と反射面との角度によって決まる。そして光ファイバFB11に入射した特定の周波数域の光が光分岐器312から光ファイバFB10に入射され、結果として特定の周波数域のレーザ光Laが光ファイバFB1側に射出されるようになっている。
したがって、回転多面鏡316が矢印R1方向に等速で回転したとき、再び光ファイバFB11に入射される光の波長λは、時間の経過に伴って一定の周期で変化することになる。こうして光源ユニット310からは、図15に示すように、一定の周期で波長掃引されたレーザ光Laが光ファイバFB1側に射出される。
干渉光検出手段240は、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出する。そして、断層画像処理手段50は、干渉光検出手段240により検出された干渉光L4をフーリエ変換することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度を検出し、測定対象Sの断層画像を取得する。そして、この取得された断層画像が表示装置60に表示される。なお本例の装置は、干渉光L4を光ファイバカプラ3で二分した光をそれぞれ光検出器40aと40bに導き、バランス検波を行う機構を有している。
このようなSS−OCT計測により干渉光検出手段240において検出された複数の干渉信号Iに対しても上記式(1)による演算を施すことにより、各深さ位置における反射強度rを取得することができる。よって、SS−OCT計測においても、上述した(A)〜(E)の諸問題を1度の計算により効率的に解決することができる。なお、SS−OCT計測の場合、式(1)におけるδKは掃引される波長帯域幅の最大波数と最小波数との差を意味する。また、上述した線形システム行列Hのスペクトル形状を示す情報は、掃引する波長帯域における波長−光強度分布を示すパラメータを意味する。さらに、下記に示すSS−OCT計測において(F)モードホップの問題、(G)掃引される波長特性の問題をも解決することができる。
(F)モードホップの問題について説明する。上述したレーザ光にモードポップが発生したとき、上述した光源合波手段(図7〜図10参照)において説明したような、複数のピークをもつ凹凸のあるスペクトル形状になることによるサイドロープが発生し、これが擬信号となってしまうという問題がある。そこで、例えば入力光の波長等をウォッチしてモードホップの情報を計測しその情報を式(11)における行列Aで表現する。すなわち、式(1)における線形システム行列Hにおいて表現することにより、検出された干渉信号Iから反射強度を算出するとき、反射強度におけるモードホップの影響を軽減することが可能となる。
(G)掃引される波長特性の問題について説明する。SS(Swept-Source)−OCTにおいて、フーリエ変換処理においては波数k(=2π/λ)に対し干渉信号が等間隔でサンプリングされていることを仮定している。ここで、光源ユニット310において図15のように時間に対し等間隔になるように波長を掃引しながら光を射出した場合、サンプリングピッチΔtに対する波長変化量Δλは等間隔になる。しかし、波数k(=2π/λ)については図16に示すように、サンプリングピッチΔtに対する波数変化は等間隔にならず、波数kに対し等間隔にサンプリングすることができない。よって、このような波長が掃引された光を用いて得られた干渉信号に対しフーリエ変換処理を用いるためには何らかの補正処理/補間処理が必要となる。そこで、波数kと波長λとの関係式k=2π/λを用いることで、式(1)における行列Cを求めることができることから補間等の必要がなく、それに伴う信号劣化も起きない。
上記実施の形態によれば、光L(La)を射出し、射出した光L(La)を測定光L1と参照光L2とに分割し、分割した測定光L1が測定対象Sの各深さ位置zにおいて反射したときの反射光L3と参照光L2とを合波し、合波した反射光L3と参照光L2との干渉光L4を干渉信号Iとして検出し、検出した干渉信号Iに上記式(1)により定義される演算処理を施すことにより、干渉信号から反射強度を取得するときに、上記(A)〜(D)の諸問題、さらには(E)、(F)の問題に例示されるような光源ユニット等の干渉計の構成に起因する諸問題や測定対象の波長に対する吸収・屈折特性等の測定対象に依存する諸問題を、各問題に対応してそれぞれ信号処理を行うのではなく、下記式(1)の行列式を算出することにより、1度に解決することができるため、効率的に反射強度を算出することができる。
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。たとえば、上記実施の形態において、断層画像の生成後に、特許3738788号、特許3816151号、特開2000−306089号公報、特開2001−57677号公報に開示されているようなシャープネス強調処理、ダイナミックレンジ圧縮、ノイズ抑制等の効果を持つ画像処理を施しても良い。その他、一般の画像処理を後処理として施しても良い。
本発明の断層画像化システムの好ましい実施の形態を示す模式図 本発明の断層画像処理装置の好ましい実施の形態を示すブロック図 図1の光源ユニットから射出される光の瞬時スペクトルの一例を示すグラフ 本発明の断層画像処理方法の好ましい実施の形態を示すフローチャート 図1の光源ユニットから射出される光の波長−光強度特性の一例を示すグラフ 図1の干渉信号検出手段において検出される干渉信号および断層画像処理装置において取得される反射強度の一例を示すグラフ 本発明の断層画像化システムにおける光源ユニットの別の実施の形態を示す模式図 図7の光源ユニットにおいて複数のSLDからそれぞれ射出される光の波長−光強度特性および光源合波手段の波長−反射率特性を示すグラフ 図7の光源ユニットにおいて複数のSLDからそれぞれ射出される光を合波したときの合波光の波長−光強度特性を示すグラフ 図7の光源ユニットにおいて複数のSLDからそれぞれ射出される光を合波したときの合波光の波長−光強度特性および深さ位置と反射強度との関係を示すグラフ 断層画像化システムの光源ユニットの光源合波手段としてハーフミラーを用いた場合の構成を示す模式図 図8の光源ユニットにおいて複数のSLDからそれぞれ射出される光を合波したときの合波光の波長−光強度特性および深さ位置と反射強度との関係を示すグラフ 光源ユニットの複数の光源から互いに離散した異なる周波数帯域を有する光を合波したときの合波光の波長−光強度特性を示すグラフ 本発明の断層画像化システムの別の実施の形態を示す模式図 図14の光源ユニットが射出するレーザ光が一定の周期で連続的に波長掃引される様子を示すグラフ 図14の光源ユニットにおいてレーザ光が一定の周期で離散的に波長掃引される様子を示すグラフ
符号の説明
1、300 光断層画像化システム
3 光分割手段
4 合波手段
10、110、310 光源ユニット
30 プローブ
40、240 干渉光検出手段
50 断層画像処理手段(断層画像処理装置)
51 反射強度取得手段
53 断層画像生成手段
60 表示装置
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
r 反射強度(反射率)
S 測定対象

Claims (16)

  1. 光を射出し、
    射出した光を測定光と参照光とに分割し、
    分割した前記測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と前記参照光とを合波し、
    合波した前記反射光と前記参照光との干渉光を干渉信号として検出し、
    検出した前記干渉信号から各深さ位置の反射強度を線形システム行列を用いて取得し、
    取得した前記反射強度を用いて断層画像を生成する
    ことを特徴とする断層画像処理方法。
  2. 下記式(1)に示す前記線形システム行列を用いて前記反射強度を取得することを特徴とする請求項1記載の断層画像処理方法。
    Figure 2008151734
  3. 光を測定光と参照光とに分割し、分割した前記測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と前記参照光とを合波し、合波した前記反射光と前記参照光との干渉光を干渉信号として検出したときに、該干渉信号から断層画像を生成する断層画像処理装置において、
    前記干渉信号から前記測定対象の各深さ位置における反射強度を線形システム行列を用いて取得する前記反射強度取得手段と、
    該反射強度取得手段により取得された前記反射強度を用いて断層画像を生成する断層画像生成手段と
    を有することを特徴とする断層画像処理装置。
  4. 前記反射強度取得手段が、下記式(1)に示す前記線形システム行列を用いて前記反射強度を取得するものであることを特徴とする請求項3記載の断層画像処理装置。
    Figure 2008151734
  5. 光を測定光と参照光とに分割し、分割した前記測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と前記参照光とを合波し、合波した前記反射光と前記参照光との干渉光を干渉信号として検出したときに、
    コンピュータに、
    検出した前記干渉信号から各深さ位置からの反射強度を線形システム行列を用いて取得し、
    取得した前記反射強度を用いて断層画像を生成する
    ことを実行させるための断層画像処理プログラム。
  6. 下記式(1)に示す前記線形システム行列を用いて前記反射強度を取得することを特徴とする請求項5記載の断層画像処理プログラム。
    Figure 2008151734
  7. 光を射出する光源ユニットと、
    該光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
    該光分割手段により分割された前記測定光が測定対象の各深さ位置において反射したときの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
    該合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を干渉信号として検出する干渉光検出手段と、
    該干渉光検出手段により検出された前記干渉信号から断層画像を生成する断層画像処理手段と
    を備え、
    該断層画像処理手段が、
    前記干渉信号から前記測定対象の各深さ位置における反射強度を線形システム行列を用いて取得する前記反射強度取得手段と、
    該反射強度取得手段により取得された前記反射強度を用いて断層画像を生成する断層画像生成手段と
    を有するものであることを特徴とする光断層画像化システム。
  8. 前記反射強度取得手段が、下記式(1)に示す前記線形システム行列を用いて前記反射強度を取得するものであることを特徴とする請求項7記載の光断層画像化システム。
    Figure 2008151734
  9. 前記光源ユニットが低コヒーレンス光を射出するものであることを特徴とする請求項7または8記載の光断層画像化システム。
  10. 前記光源ユニットが、異なる波長帯域の低コヒーレンス光を射出する複数の光源と、該複数の光源から射出された光を合波して前記光分割手段側に射出する光源合波手段とを備えたものであることを特徴とする請求項9記載の光断層画像化システム。
  11. 前記光源ユニットが前記波長帯域内において波長が一定の周期で掃引するレーザ光を射出するものであることを特徴とする請求項7または8記載の光断層画像化システム。
  12. 前記線形システム行列が、前記光源ユニットから射出されるレーザ光のモードホップの情報をパラメータとして有していることを特徴とする請求項11記載の光断層画像化システム。
  13. 前記線形システム行列が、前記光源ユニットから射出される光のスペクトル形状を示す情報をパラメータとして有していることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項記載の光断層画像化システム。
  14. 前記線形システム行列が、前記干渉光検出手段において検出される干渉光の瞬時スペクトルを示す情報を有していることを特徴とする請求項7から13のいずれか1項記載の光断層画像化システム。
  15. 前記反射強度取得手段が、Gauss-Jordan法、最急降下法、共役勾配法のいずれかを用いて前記線形システム行列から前記反射強度を取得するものであることを特徴とする請求項8から14のいずれか1項記載の光断層画像化システム。
  16. 前記線形システム行列の逆行列を記憶したデータベースをさらに有し、前記反射強度取得手段が、前記データベースに記憶されている前記線形システム行列の逆行列を用いて前記反射強度を取得するものであることを特徴とする請求項8から15のいずれか1項記載の光断層画像化システム。
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