JP2007267927A - 光断層画像化方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光断層画像化方法および装置において、測定対象で生じる分散の影響を抑制する。
【解決手段】光源ユニット10から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を生物学的な測定対象Sに照射し、測定対象Sからの反射光L3と参照光L2とを合波し、合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出し、検出された干渉光L4から測定対象Sの断層画像を取得する光断層画像化方法において、参照光L2の光路に水分含有量が70質量%以上の媒質27を配置して、測定対象Sで生じる分散の影響を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】光源ユニット10から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を生物学的な測定対象Sに照射し、測定対象Sからの反射光L3と参照光L2とを合波し、合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出し、検出された干渉光L4から測定対象Sの断層画像を取得する光断層画像化方法において、参照光L2の光路に水分含有量が70質量%以上の媒質27を配置して、測定対象Sで生じる分散の影響を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、OCT(Optical Coherence Tomography)計測により光断層画像を取得する光断層画像化方法および装置に関するものである。
従来、生体組織の断層画像を取得する際に、OCT計測を利用した光断層画像取得装置が用いられることがある。この光断層画像取得装置では、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、該測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光と参照光とを合波し、該反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて断層画像を取得する。
上記のような光断層画像取得装置では、参照光の光路長を変更することにより、測定対象に対する深さ方向の位置(以下、深さ位置という)を変更し断層画像を取得するTD−OCT(Time domain OCT)計測を利用した装置がある。
また、近年では、上述した参照光の光路長を変更することなく高速に断層画像を取得するSD−OCT(Spectral Domain OCT)計測を利用したSD−OCT装置が提案されている。このSD−OCT装置は、広帯域の低コヒーレント光をマイケルソン型干渉計を用いて測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻って来た反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光を各周波数成分に分解したチャンネルドスペクトルをフーリエ変換することにより、深さ方向の走査を行わずに断層画像を構成するようにしたものである。
さらに、参照光の光路長の変更を行うことなく高速に断層画像を取得する装置として、SS−OCT(Swept source OCT)計測による光断層画像化装置も提案されている。このSS−OCT装置は、光源から射出されるレーザ光の波長を掃引させて反射光と参照光とを各波長において干渉させ、一連の波長に対する干渉スペクトルをフーリエ変換することにより測定対象の深さ位置における反射光強度を検出し、これを用いて断層画像を構成するようにしたものである。
ところで、上記のような光断層画像化装置においては、信号光側光路(測定光および反射光の光路)と、参照光側光路との分散の差によって、干渉波形(干渉光の波形)が広がることが知られている。干渉波形が広がると、S/N比が低下し、断層画像の画質が劣化してしまう。特許文献1には、信号光側光路と参照光側光路それぞれで用いられる導波用光ファイバの長さの差による分散の差を補償するように分散補償ユニットを設けることが記載されている。また、非特許文献1には、計算により分散補償を試みた例が記載されている。
特表2000−503237号公報
Optics Communications 204 67 (2002)
しかしながら、生体を測定対象として、その深部からの反射光を用いて断層画像を得る場合には、生体内部の生体組織や体液等を通過する過程で分散が生じ、これによる信号光側光路と参照光側光路との分散の差により断層画像の画質が劣化する。分散による影響は、コヒーレンス長が短いほど顕著であることが知られており、生体を測定対象とした測定では、コヒーレンス長が短い光、すなわち、低コヒーレント光を用いるため、分散による影響は大きいものとなる。
生体は水分含有量が高く、例えば人体の約70%は水であると言われている。図8は、水の分散の影響を示す図であり、干渉装置において、信号光側光路と参照光側光路で分散の差がほぼ無い理想的な状態から、信号光側光路と参照光側光路の一方に水を配置し、水厚を変化させたときの干渉波形の広がりを示す図である。図8の横軸は水厚であり、縦軸は、水厚が0のとき、すなわち分散の差がないときの干渉波形の半値幅を基準値として、その基準値に対する相対値(計算値)を用いている。
なお、干渉波形の半値幅は、深さ方向(光軸方向)の測定位置の確定精度を示すものであることから、実質的なコヒーレンス長に相当する。図8は中心波長が1100nm、基準値がコヒーレンス長2.0μmに相当する例について示す。図8に示す例に光断層画像化装置を適用して深さ0〜2mmまでの画像を取得すると考えると、水厚1mmで干渉波形の半値幅の相対値が1.3であるから、深さ方向の半分以上の領域で1.3倍以上の干渉波形の劣化が起こり、最大で2倍近い劣化が起こることになる。
一方、分散を補償するには、基本的には異種の材質ではできず、同一材質あるいは分散を生じる物質と同等の分散特性をもつ材質でなければできない。そのため、生体のような水分含有量が高い測定対象で生じる分散を、通常の分散補償に使用されるプリズム等の光学部材で補償することはできない。
図9は、異種の材質で分散補償を試みた例を示す図である。図9の菱形のプロットは、信号光側光路と参照光側光路のうちの一方に配置された顕微鏡用カバーガラス2枚(合計の厚み0.27mm)で生じる分散を、他方の光路に配置された石英ガラスで補償すべく、石英ガラスの厚みを変化させたときの干渉波形の半値幅(測定値)を示すものである。なお、図9の縦軸は、干渉波形の半値幅をコヒーレンス長に換算した値を用いている。
図9の一点鎖線は、比較のために、信号光側光路と参照光側光路で分散の差が無い理想的な状態での干渉波形の半値幅(コヒーレンス長換算で1.24μm)を示すものである。図9に示すように、石英ガラスの厚みを変化させても、理想的な状態と同じ値になることはなく、これにより、同じガラス同士であっても、カバーガラスで生じた分散を材質の異なる石英ガラスで補償することはできないことがわかる。
すなわち、特許文献1に記載されているような、光ファイバの長さの差による分散の影響に対しては、この光ファイバと同一材料または同等の分散特性をもつ光学材料を光路に挿入することによりほぼ完全に補償できるが、生体等の測定対象で生じる分散を補償するには、通常の光学材料を用いても補償することはできず、測定対象と同一材質あるいは同等の分散特性をもつ物質を用いなければならない。しかしながら、測定対象は測定ごとに異なり、また、測定対象の生体と同一材質の物質を用意することは困難である。
非特許文献1に記載された例では、分散がないものの干渉波形の半値幅が1.03μm、0.144mm厚のカバーガラスを挿入したときの干渉波形の半値幅が3.23μmであったものが、分散補償用の計算の結果、それぞれ1.2μm、1.32μmとなっている。しかし、カバーガラスを挿入したものに対する補償も十分でなく30%程度の劣化が残存している上、分散がないものに対しても劣化が生じた結果となり、満足のいくものではない。さらに、この計算は均質媒質を想定したものであり、実際の測定対象は必ずしも均質ではなく、その場合にはさらなる劣化が予想される。この計算は特殊な技法が要求されるものでもあり、以上の点を考慮すると、非特許文献1に記載の方法は好ましいものとはいえない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、測定対象で発生する分散の影響を抑制可能な光断層画像化方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の光断層画像化方法は、光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を生物学的な測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出し、検出された前記干渉光から前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法において、前記参照光の光路に水分含有量が70質量%以上の媒質を配置して、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制することを特徴とするものである。
本発明の光断層画像化装置は、光を射出する光源ユニットと、前記光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、前記測定光が生物学的な測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、前記合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、前記干渉光検出手段により検出された前記干渉光から前記測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えた光断層画像化装置において、前記参照光の光路に、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制するための水分含有量が70質量%以上の媒質を配置したことを特徴とするものである。
なお、「生物学的な測定対象」とは、生物(本明細書においては生きた状態にあるものだけでなく、死んだ状態にあるものも含む)として分類されるもの、人間を含む動物もしくは植物の体全部もしくは一部であり、医学的な測定対象も当然含まれ、例としては、生体、人体、内蔵、組織等が挙げられる。
なお、「媒質」とは、所定の透過率で前記参照光を透過させる物質である。
上記光断層画像化方法および装置において、前記媒質が、水、生理食塩水、生体水、人工生体水のいずれかであってもよい。
なお、「生体水」とは、測定対象が人間および動物を対象とする場合には体液であり、例えば、血液、脳内液、骨髄液、腸液、胃液、羊水、細胞内液等である。また、「人工生体水」とは、医療現場等で使用される、人工的に作られた上記生体水に近似の成分を有する液体であり、例えば、人工血液、人工腸液、人工胃液、人工羊水等である。
ここで、上記光断層画像化装置において、前記媒質内における前記参照光の光路長が可変であるように構成されていることが好ましい。その際に、前記媒質は変形自在な容器に収容され、該容器の一部には前記参照光のための光学窓が配設されるよう構成してもよい。
なお、「変形自在な容器」としては、可撓性の容器でもよく、あるいは、伸縮自在な容器でもよく、変形自在な部位は必ずしも容器全体でなく一部だけでもよく、上記光路長が可変となるように変形自在であればよい。また、「光学窓」としては、参照光に対してほぼ透明な平行平板を用いることができる。
また、前記測定光および前記反射光を導波する光学系で生じる分散と、前記参照光を導波する光学系および前記光学窓で生じる分散との差を補償する分散補償手段が設けられていてもよい。
なお、「導波する光学系」としては、例えば、光ファイバや、光導波路、バルク光学系等が考えられる。
さらに、前記測定光または前記参照光の光路長を調整する光路長調整手段と、前記光路長調整手段の光路長の調整と連動して、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制するように、前記媒質内における前記参照光の光路長を変更する制御手段とが設けられていてもよい。
なお、上記の本発明の断層画像化装置は、前記光源ユニットが、波長を一定の周期で掃引したレーザ光を射出するものであり、前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の断層画像を取得するSS−OCT計測を利用した装置として構成してもよい。
または、上記の本発明の断層画像化装置は、前記光源ユニットが、低コヒーレント光を射出するものであり、前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の断層画像を取得するSD−OCT計測を利用した装置として構成してもよい。
生体等の生物学的な測定対象は、水分含有量が高く、例えば人体の約70%は水であると言われている。このような測定対象で生じる分散を全くの異種材料であるプリズム等の光学材料で補償することはできないが、本発明の光断層画像化方法および装置では、上記測定対象と近似した構成の水分含有量が70質量%以上の媒質を用いているため、測定光側光路の測定対象内部で生じる分散と、参照光側光路の上記媒質で生じる分散との差を小さくすることができ、測定対象内部で生じる分散の影響を抑制することができる。そして、従来発生していた干渉波形の広がりやS/N比の低下を抑制し、断層画像の画質の劣化を抑制することができる。
前記媒質が、水または生理食塩水であれば、容易に入手可能であり、低コストで分散の影響を抑制することができる。前記媒質が生体水または人工生体水であれば、測定対象に近似した成分をもつため、測定対象で発生する分散の影響をより良好に抑制することが期待できる。
前記媒質内における前記参照光の光路長が可変であるように構成されていれば、測定する深さに応じて光路長を変更でき、測定対象で発生する分散の影響をより良好に抑制することができる。また、光路長を選択することにより、測定範囲全体で良好に分散の影響を抑制する、あるいは所定深さ位置について重点的に分散の影響を抑制する等の選択が可能であり、所望の条件に応じて測定することができる。
その際に、前記媒質は変形自在な容器に収容されていれば、容器の変形により媒質内における参照光の光路長を容易に変更可能であり、簡易な構成で光路長変更を実現できる。容器の一部には前記参照光のための光学窓が配設されていれば、参照光が容器を通過する前後の光軸の傾きを防止することができる。
また、前記測定光および前記反射光を導波する光学系で生じる分散と、前記参照光を導波する光学系および前記光学窓で生じる分散との差を補償する分散補償手段が設けられていれば、導波する光学系だけでなく、光学窓も含めて、信号光側光路で生じる分散と、参照光側光路で生じる分散の差を補償することができ、良好な断層画像を得ることができる。
さらに、前記測定光または前記参照光の光路長を調整する光路長調整手段と、前記光路長調整手段の光路長の調整と連動して、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制するように、前記媒質内における前記参照光の光路長を変更する制御手段とが設けられていれば、光路長調整手段の光路長の調整量に応じて媒質内における参照光の光路長を自動的に変更することができ、利用者の負担を軽減して、測定対象Sで発生する分散の影響を容易に抑制することができる。
ここで、前記光源ユニットが、波長を一定の周期で掃引したレーザ光を射出するものであり、前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の光断層画像を取得するものであれば、SS−OCT計測を利用した装置とすることができ、参照光の光路長を変更することなく高速に光断層画像を取得することができる。
また、前記光源ユニットが、低コヒーレント光を射出するものであり、前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の光断層画像を取得するものであれば、SD−OCT計測を利用した装置とすることができ、参照光の光路長を変更することなく高速に光断層画像を取得することができる。
以下、図面を参照して本発明の光断層画像化方法および装置の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態による光断層画像化装置の構成を示す図である。光断層画像化装置100は、例えば体腔内の生体組織や細胞等の生物学的な測定対象Sの断層画像をSS−OCT計測により取得するものである。光断層画像化装置100は、光Lを射出する光源ユニット10と、光源ユニット10から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段3と、光分割手段3により分割された参照光L2の光路において、光路長および分散を調整する光路長・分散調整手段20と、光分割手段3により分割された測定光L1を測定対象Sまで導波するプローブ30と、プローブ30から測定光L1が測定対象Sに照射されたときの測定対象からの反射光L3と参照光L2とを合波する合波手段4と、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出する干渉光検出手段40と、干渉光検出手段40により検出された干渉光L4を周波数解析することにより測定対象Sの断層画像を取得する画像取得手段50とを有している。
本装置における光源ユニット10は、波長を一定の周期で掃引させながらレーザ光Lを射出するものである。具体的に該光源ユニット10は、半導体光増幅器(半導体利得媒質)11と光ファイバFB10とを有しており、光ファイバFB10が半導体光増幅器11の両端に接続された構造を有している。半導体光増幅器11は駆動電流の注入により微弱な放出光を光ファイバFB10の一端側に射出するとともに、光ファイバFB10の他端側から入射された光を増幅する機能を有している。そして、半導体光増幅器11に駆動電流が供給されたとき、半導体光増幅器11および光ファイバFB10により形成される光共振器によりパルス状のレーザ光Lが光ファイバFB0へ射出されるようになっている。
さらに、光ファイバFB10にはサーキュレータ12が結合されており、光ファイバFB10内を導波する光の一部がサーキュレータ12から光ファイバFB11側へ射出されるようになっている。光ファイバFB11から射出した光はコリメータレンズ13、回折光学素子14、光学系15を介して回転多面鏡(ポリゴンミラー)16において反射される。そして反射された光は光学系15、回折光学素子14、コリメータレンズ13を介して再び光ファイバFB11に入射される。
ここで、この回転多面鏡16は矢印R1方向に回転するものであって、各反射面の角度が光学系15の光軸に対して変化するようになっている。これにより、回折光学素子14において分光された光のうち、特定の波長域からなる光だけが再び光ファイバFB11に戻るようになる。この光ファイバFB11に戻る光の波長は光学系15の光軸と反射面との角度によって決まる。そして光ファイバFB11に入射した特定の波長域からなる光がサーキュレータ12から光ファイバFB10に入射され、結果として特定の波長域からなるレーザ光Lが光ファイバFB0側に射出されるようになっている。
したがって、回転多面鏡16が矢印R1方向に等速で回転したとき、再び光ファイバFB11に入射される光の波長λは図2に示すように、時間tの経過に伴って一定の周期で変化することになる。こうして光源ユニット10からは、波長掃引されたレーザ光Lが光ファイバFB0側に射出され、そのレーザ光Lはさらに光ファイバカプラ2を経由して光ファイバFB1側に射出される。
光分割手段3は、たとえば2×2の光ファイバカプラから構成されており、光源ユニット10から光ファイバFB1を介して導波された光Lを測定光L1と参照光L2に分割する。光分割手段3は、2本の光ファイバFB2、FB3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2により導波され、参照光L2は光ファイバFB3により導波される。なお、本実施形態における光分割手段3は、合波手段4としても機能するものである。
光ファイバFB2にはプローブ30が光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2からプローブ30へ導波される。プローブ30は、たとえば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、光学コネクタOCにより光ファイバFB2に対し着脱可能に取り付けられている。
光プローブ30は、先端が閉じられた円筒状のプローブ外筒32と、このプローブ外筒32の内部空間に、該外筒32の軸方向に延びる状態に配設された1本の光ファイバ33と、光ファイバ33の先端から射出した光L1をプローブ外筒32の周方向に偏向させるプリズムミラー34と、光ファイバ33の先端から射出した光L1を、プローブ外筒32の周外方に配された被走査体としての測定対象Sにおいて収束するように集光するロッドレンズ35と、プリズムミラー34を光ファイバ33の軸を回転軸として回転させるモータ36とを備えている。
一方、光ファイバFB3における参照光L2の射出側には光路長・分散調整手段20が配置されている。光路長・分散調整手段20は、光路長調整手段21と、分散抑制手段25と、分散補償手段26を有している。
光路長調整手段21は、測定対象Sに対する断層画像の取得を開始する位置を調整するために、参照光L2の光路長を変更するものであって、光ファイバFB3から射出された参照光L2を反射させる反射ミラー22と、反射ミラー22と光ファイバFB3との間に配置された第1光学レンズ21aと、第1光学レンズ21aと反射ミラー22との間に配置された第2光学レンズ21bとを有している。
第1光学レンズ21aは、光ファイバFB3のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー22により反射された参照光L2を光ファイバFB3のコアに集光する機能を有している。また、第2光学レンズ21bは、第1光学レンズ21aにより平行光にされた参照光L2を反射ミラー22上に集光するとともに、反射ミラー22により反射された参照光L2を平行光にする機能を有している。
また、光路長調整手段21は、第2光学レンズ21bと反射ミラー22とを固定した可動ステージ23と、該可動ステージ23を第1光学レンズ21aの光軸方向に移動させるミラー移動手段24とを有している。そして可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変更するよう構成されている。
光路長調整手段21の第1光学レンズ21aと第2光学レンズ21bとの間には、測定対象Sで生じる分散の影響を抑制するための分散抑制手段25と、測定光L1および反射光L3を導波する光学系で生じる分散と、参照光L2を導波する光学系および分散抑制手段25が有する光学窓29a、29bで生じる分散との差を補償する分散補償手段26が設けられている。
分散抑制手段25は、図3に示すように、内部に媒質27を収容した袋体28からなり、その側面の一部の2カ所には参照光L2が透過するための光学窓29a、29bが設けられている。媒質27は、測定対象Sと同等もしくは近似の分散特性をもつものが好ましく、本実施形態では、測定対象Sが生物学的ものであるため、その水分含有量の高さに注目して水分含有量が70質量%以上の媒質27を用いている。なお、媒質27としては、具体的には水や生理食塩水を用いてもよく、あるいは測定対象Sに近似の成分をもつ生体水や人工生体水等を用いてもよい。
袋体28の材質としては例えば樹脂を用いることができ、光学窓29a、29bの材質としては例えば石英ガラスを用いることができる。光学窓29a、29bは、参照光L2に対してほぼ透明な材質の平行平板からなり、その平面が参照光L2の進行方向に略垂直になるよう互いに対向配置されている。この構成により、参照光L2が分散抑制手段25の通過する前後でその光軸が傾くことはない。
光学窓29aと光学窓29bの間隔は不図示の制御手段により連続的に変更可能なように構成されており、これにより袋体28内部の媒質27の光路長が連続的に変更可能とない、測定対象Sを測定する深さに応じて調整することができる。図3(A)は光路長が長い状態、図3(B)は光路長が短い状態を示す。
なお、光学窓29aと光学窓29bの間隔を0にすることも可能であり、このときには媒質27内の光路長が0となり、分散抑制を行わない基準状態となる。上記光路長の変更は、光学窓29aと光学窓29bの両方を移動させてもよく、あるいは一方のみを移動させてもよい。例えば1軸方向に移動可能な微動ステージ等を用いて一方の光学窓を移動させることにより実現可能であり、1軸のみの単純操作で効果的に分散抑制をすることができる。
袋体28は変形自在であり、上記光路長の連続的な変更に伴い、大きな抵抗無く変形可能である。また、所定範囲で光路長が変化しても光学窓29aと光学窓29bの間は常に媒質27で満たされるように、参照光L2が透過する領域の容積に対して、該領域以外の容積が十分大きなものとなるよう袋体28および媒質27は構成されている。上記構成を有する分散抑制手段25は、複雑な部品や機構を必要とせず、簡易に構成可能であり、加工性が高く、コスト的に優れている。
なお、測定対象Sと分散抑制手段25の媒質27とは全く同じ材質ではないため、深さ方向の測定全範囲について測定対象Sで生じる分散を完全に補償することはできない。しかし、図8によれば、水厚に対する干渉波形の半値幅の比、すなわちコヒーレンス長の比は多次関数の傾向を示すため、分散の影響が強い水厚の厚い領域、すなわち、深い領域に合わせて媒質27の光路長を調節することにより、大きな抑制効果が期待できる。
例えば、図8に示す例に光断層画像化装置を適用して深さ0〜2mmまでの画像を取得する場合を考えると、中間の深さである1mmに合わせて媒質27の光路長を調節することにより、分散の差が0のときの干渉波形の半値幅を基準値として、約80%の領域で基準値に対する相対値を1.2以下にすることができ、最悪でも相対値が1.3になるようにすることができる。
また、所定深さの点を補償対象として、これに合わせて媒質27の光路長を調節すれば、その所定深さ以外の点については分散は残存するものの、その深さの点については分散補償を行うことが可能である。例えば、測定対象Sの一部に病変部が含まれ、その部分について高解像度の画像を取得したい場合には有効である。
分散補償手段26は、図4に示すように、2枚の平行平板26a、26bを逆方向に同角度だけ傾けて、光軸に垂直な面に対して互いに鏡面対称となるように配置されたものである。なお、平行平板26a、26bの材質は、分散補償のためには、参照光側および信号光側光路の導波光学系および上記光学窓29a、29bと同じ材質が好ましく、本実施形態の光断層画像化装置100では、参照光を導波する光ファイバFB3と、信号光側の光ファイバFB2および光ファイバ33に石英ファイバを用い、光学窓29a、29bに石英を用いているため、平行平板26a、26bの材質にもこれらと同材質の石英を用いている。
平行平板26a、26bは、不図示の制御手段により、鏡面対称関係を保ったまま傾斜角を変更可能なように構成されており、傾斜角の変更により平行平板26a、26bを通過する光の光路長が変更される。また、平行平板26a、26bの傾き角は等しく方向が逆なため、平行平板26aに入射した光と、該光が平行平板26a、26bを通過して平行平板26bを射出した光との光軸は、平行平板26a、26bの傾き角の大きさによらず、等しいものとなる。
以上説明した光路長・分散調整手段20において、光ファイバFB3から射出した参照光L2は、第1光学レンズ21aにより平行光になり、分散抑制手段25、分散補償手段26を通過し、第2光学レンズ21bにより反射ミラー22上に集光される。その後、反射ミラー22により反射された参照光L2は、第2光学レンズ21bにより平行光になり、分散補償手段26、分散抑制手段25を通過し、第1光学レンズ21aにより光ファイバFB3のコアに集光される。上述したように、分散抑制手段25および分散補償手段26の通過の前後で光軸の傾きがないよう構成されているため、第1光学レンズ21aを射出した光は分散抑制手段25、分散補償手段26を経由して往復した後、再び第1光学レンズ21aに戻ることができる。
合波手段4は、前述のとおり2×2の光ファイバカプラからなり、光路長調整手段20により光路長が変更された参照光L2と測定対象Sからの反射光L3とを合波しこれらの干渉光L4を導波手段である光ファイバFB4を介して干渉光検出手段40側に射出するように構成されている。
干渉光検出手段40は、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出する。上記干渉光検出手段40は例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムからなる画像取得手段50に接続され、画像取得手段50はCRTや液晶表示装置等からなる表示装置60に接続されている。画像取得手段50は、干渉光検出手段40により検出された干渉光L4をフーリエ変換することにより測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度を検出し、測定対象Sの断層画像を取得する。そして、この取得された断層画像が表示装置60により表示される。なお、本例の装置においては、干渉光L4を光分割手段3で二分した光を光検出器40aと40bに導き、演算手段41においてバランス検波を行う機構を有している。
ここで、干渉光検出手段40および画像取得手段50における干渉光L4の検出および画像の生成について簡単に説明する。なお、この点の詳細については「武田 光夫、「光周波数走査スペクトル干渉顕微鏡」、光技術コンタクト、2003、Vol41、No7、p426−p432」に詳しい記載がなされている。
測定光L1が測定対象Sに照射されたとき、測定対象Sの各深さからの反射光L3と参照光L2とがいろいろな光路長差をもって干渉しあう際の各光路長差lに対する干渉縞の光強度をS(l)とすると、干渉光検出手段40において検出される光強度I(k)は、
I(k)=∫0 ∞S(l)[1+cos(kl)]dl ・・・(1)
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。式(1)は波数kを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。このため、画像取得手段50において、干渉光検出手段40が検出した干渉光をフーリエ変換にかけて周波数解析を行い、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射情報を取得し、断層画像を生成することができる。そして、生成された断層画像は、表示装置60において表示される。
I(k)=∫0 ∞S(l)[1+cos(kl)]dl ・・・(1)
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。式(1)は波数kを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。このため、画像取得手段50において、干渉光検出手段40が検出した干渉光をフーリエ変換にかけて周波数解析を行い、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射情報を取得し、断層画像を生成することができる。そして、生成された断層画像は、表示装置60において表示される。
次に、上記構成を有する光断層画像化装置100の動作例について説明する。まず、測定対象Sの測定を始める前に、分散抑制手段25の光学窓29a、29bの間隔を0にし、分散補償手段26の平行平板26a、26bを回転することにより、測定対象Sおよび媒質27を光路に含まない状態で、信号光側光路で生じる分散と参照光側光路で生じる分散の差をなくすように分散補償を行う。次に、光路長調整手段21の可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整を行う。その後、光源ユニット10から光Lが射出され、光Lは光分割手段3により測定光L1と参照光L2とに分割される。測定光L1はプローブ30により体腔内に導波され測定対象Sに照射される。
このとき、分散抑制手段25において、測定対象Sを測定する深さに応じて、光学窓29a、29bの間隔を変更して媒質27内における参照光L2の光路長を調節することにより、測定対象Sで発生する分散の影響を抑制する。
そして、測定対象Sからの反射光L3が反射ミラー22において反射した参照光L2と合波手段4により合波され、反射光L3と参照光L2との干渉光L4が干渉光検出手段40により検出される。この検出された干渉光L4の信号が画像取得手段50において周波数解析されることにより断層画像が取得される。このように、SS−OCT計測により断層画像を取得する光断層画像化装置100においては、干渉光L4の周波数および光強度に基づいて各深さ位置における画像情報を取得するようになっており、反射ミラー22の矢印A方向の移動は測定対象の深さ方向について断層画像信号を得る位置の調整に用いられる。
なお、プローブ30を回転させて、測定対象Sに対して測定光L1を1次元方向に走査させれば、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向の情報が得られるので、この走査方向を含む断層面についての断層画像を取得することができる。また、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
以上説明した光断層画像化装置100によれば、測定対象Sで発生する分散の影響を分散抑制手段25により抑制することができ、従来、測定対象Sで生じていた分散に起因する干渉波形の広がりやS/N比の低下を抑制でき、断層画像の画質の劣化を抑制することができる。また、光断層画像化装置100では、参照光を導波する光ファイバFB3と、測定光および反射光を導波する光ファイバFB2および光ファイバ33だけでなく、光学窓29a、29bで生じる分散も考慮して、分散補償手段26で分散補償するようにしているため、より良好に分散補償が行われ、良好な画像が取得できる。
次に、上記第1の実施形態の変形例による光断層画像化装置110について図5を参照して説明する。なお、変形例である光断層画像化装置110は、第1の実施形態の光断層画像化装置100の光路長・分散調整手段20に代わり、該光路長・分散調整手段20に制御手段125を追加した構成の光路長・分散調整手段120を用いた点のみ異なる。よって、図5の光断層画像化装置110において図1の光断層画像化装置100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
制御手段125は、光路長調整手段21の光路長の調整と連動して、測定対象Sで生じる分散の影響を抑制するように、媒質27内における参照光L2の光路長を自動的に変更するものである。光路長調整手段21の可動ステージ23の移動量から測定対象Sにおいて断層画像の取得を開始する深さ方向の位置がわかり、また、一括で測定可能な深さ方向の測定範囲も既知なため、これらに応じて媒質27内における参照光L2の光路長を予め設定しておくことができる。実際の測定においては、ミラー移動手段24から制御手段125へ移動量を送信し、制御手段125がこの移動量に応じて光学窓の一方を移動させて媒質27内における光路長を変更する。
以上説明した本変形例によれば、自動的に媒質27内における光路長が変更されるため、利用者の負担を軽減でき、測定対象Sで発生する分散の影響を容易に抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態による光断層画像化装置について図6を参照して説明する。なお、第2の実施形態である光断層画像化装置200は、いわゆるSD−OCT計測を行うことにより断層画像を取得するSD−OCT装置であって、図1の光断層画像化装置100と異なる点は光源ユニットおよび干渉光検出手段の構成である。図6の光断層画像化装置200において図1の光断層画像化装置100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
光断層画像化装置200が有する光源ユニット210は、たとえばSLD(Super Luminescent Diode)やASE(Amplified Spontaneous Emission)等の低コヒーレンス光を射出する光源211と、光源211から射出された光を光ファイバFB1内に入射するための光学系212とを有している。なお、光源211としては、測定対象S内を透過するときの散乱・吸収による光の減衰を最小限に抑えることができる、たとえば広スペクトル帯域の超短パルスレーザ光源等を用いるのが好ましい。
一方、干渉光検出手段240は、合波手段4により合波された反射光L3と参照光L2との干渉光L4を検出するものであって、複数の波長帯域を有する干渉光L4を各波長帯域毎に分光する分光手段242と、分光手段242により分光された各波長帯域の干渉光L4毎に設けられた光検出手段244とを有している。この分光手段242はたとえば回折光学素子等により構成されており、光ファイバFB4からコリメータレンズ241を介して入射される干渉光L4を分光し、光検出手段244側に射出するようになっている。
また、光検出手段244は、たとえば1次元もしくは2次元にCCD等の複数の光センサを配列した構造を有し、各光センサが光学レンズ243を介して入射される干渉光L4を波長帯域毎にそれぞれ検出するようになっている。ここで、干渉光検出手段240において、光源ユニット210のスペクトルに反射情報の関数をフーリエ変換したものを加えた干渉光L4が観測される。そして、干渉光検出手段240において検出された干渉光L4を画像取得手段50において周波数解析することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射情報を取得し、断層画像を生成する。生成された断層画像は、表示装置60において表示される。
以上説明した第2の実施形態の光断層画像化装置200も、第1の実施形態の光断層画像化装置100と同様に、分散抑制手段25および分散補償手段26を有するため、光断層画像化装置200においても、光断層画像化装置100と同様の効果が得られ、良好な画質の断層画像を取得することができる。
次に、本発明の第3の実施形態による光断層画像化装置について図7を参照して説明する。なお、第3の実施形態である光断層画像化装置300は、いわゆるTD−OCT計測を行うことにより断層画像を取得するTD−OCT装置であって、図6の光断層画像化装置200と基本的に異なる点は、干渉光検出手段と光路長調整手段の機能である。図7の光断層画像化装置300において図1の光断層画像化装置100および図6の光断層画像化装置200と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
光断層画像化装置300の光路長・分散調整手段320は、光断層画像化装置100の光路長・分散調整手段20と同様に、光路長調整手段321と、分散抑制手段25と、分散補償手段26を有する。分散抑制手段25および分散補償手段26は、第1の実施形態の光断層画像化装置100と全く同じ構成、機能を有し、分散抑制および分散補償を行うものである。
一方、本実施形態の光路長調整手段321は、第1の実施形態の光路長調整手段21と同様の構成を有するが、測定対象S内の測定位置を深さ方向に変化させるために、参照光L2の光路長を変える機能を有している。さらに、光断層画像化装置300では、参照光L2の光路中(光ファイバFB3)に位相変調器327が配置されており、参照光L2に対しわずかな周波数シフトを与える機能を有している。これらの光路長調整手段20および位相変調器327により参照光L2の光路長の変更および周波数シフトがなされるようになっている。
また、光断層画像化装置300の干渉光検出手段340は、たとえばヘテロダイン検波により干渉光L4の光強度を検出するようになっている。具体的には、測定光L1の全光路長と反射光L3の全光路長との合計が、参照光L2の全光路長と等しいときに、参照光L2と反射光L3との差周波数で強弱を繰り返すビート信号が発生する。光路長調整手段20により光路長が変更されていくにつれて、測定対象Sの測定位置(深さ)が変わっていき、干渉光検出手段340は各測定位置における複数のビート信号を検出するようになっている。なお、測定位置の情報は光路長調整手段320から画像取得手段50へ出力される。そして、干渉光検出手段340により検出されたビート信号と、ミラー移動手段24における測定位置の情報とに基づいて光断層画像が生成される。生成された光断層画像は、表示装置60において表示される。
以上説明した第3の実施形態の光断層画像化装置300も、第1の実施形態の光断層画像化装置100と同様に、分散抑制手段25および分散補償手段26を有するため、光断層画像化装置300においても、光断層画像化装置100と同様の効果が得られ、良好な画質の断層画像を取得することができる。
なお、分散抑制手段の構成は上記例に限定されるものではなく、種々の構成のものが採用可能である。例えば、媒質を収容する容器は、媒質内における参照光の光路長が可変にできるものであればよく、上記袋体以外の構成も採用可能である。また、分散補償手段も上記構成に限定されず、回折光学素子等を用いた構成も採用可能である。
なお、図5に例示した変形例の制御手段を有する構成は、図6、図7に例示したSD−OCT装置、TD−OCT装置にも適用可能である。
2 光ファイバカプラ
3 光分割手段
4 合波手段
10、210 光源ユニット
11 半導体光増幅器
12 サーキュレータ
14 回折光学素子
16 回転多面鏡
20、120、320 光路長・分散調整手段
21 光路長調整手段
21a 第1光学レンズ
21b 第2光学レンズ
22 反射ミラー
23 可動ステージ
24 ミラー移動手段
25 分散抑制手段
26 分散補償手段
26a、26b 平行平板
27 媒質
28 袋体
29a、29b 光学窓
30 プローブ
40 干渉光検出手段
40a、40b 光検出器
41 演算手段
50 画像取得手段
60 表示装置
100、110、200、300 光断層画像化装置
125 制御手段
FB0、FB1、FB2、FB3、FB4、FB10、FB11 光ファイバ
L 光
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
OC 光コネクタ
S 測定対象
3 光分割手段
4 合波手段
10、210 光源ユニット
11 半導体光増幅器
12 サーキュレータ
14 回折光学素子
16 回転多面鏡
20、120、320 光路長・分散調整手段
21 光路長調整手段
21a 第1光学レンズ
21b 第2光学レンズ
22 反射ミラー
23 可動ステージ
24 ミラー移動手段
25 分散抑制手段
26 分散補償手段
26a、26b 平行平板
27 媒質
28 袋体
29a、29b 光学窓
30 プローブ
40 干渉光検出手段
40a、40b 光検出器
41 演算手段
50 画像取得手段
60 表示装置
100、110、200、300 光断層画像化装置
125 制御手段
FB0、FB1、FB2、FB3、FB4、FB10、FB11 光ファイバ
L 光
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
OC 光コネクタ
S 測定対象
Claims (9)
- 光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割し、
前記測定光を生物学的な測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、
合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出し、
検出された前記干渉光から前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法において、
前記参照光の光路に水分含有量が70質量%以上の媒質を配置して、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制することを特徴とする光断層画像化方法。 - 光を射出する光源ユニットと、
前記光源ユニットから射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
前記測定光が生物学的な測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
前記合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、
前記干渉光検出手段により検出された前記干渉光から前記測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えた光断層画像化装置において、
前記参照光の光路に、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制するための水分含有量が70質量%以上の媒質を配置したことを特徴とする光断層画像化装置。 - 前記媒質が、水、生理食塩水、生体水、人工生体水のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の光断層画像化装置。
- 前記媒質内における前記参照光の光路長が可変であるように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の光断層画像化装置。
- 前記媒質は変形自在な容器に収容され、該容器の一部には前記参照光のための光学窓が配設されていることを特徴とする請求項4記載の光断層画像化装置。
- 前記測定光および前記反射光を導波する光学系で生じる分散と、前記参照光を導波する光学系および前記光学窓で生じる分散との差を補償する分散補償手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載の光断層画像化装置。
- 前記測定光または前記参照光の光路長を調整する光路長調整手段と、
前記光路長調整手段の光路長の調整と連動して、前記測定対象で生じる分散の影響を抑制するように、前記媒質内における前記参照光の光路長を変更する制御手段とが設けられていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の光断層画像化装置。 - 前記光源ユニットが、波長を一定の周期で掃引したレーザ光を射出するものであり、
前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の光断層画像を取得するものであることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項記載の光断層画像化装置。 - 前記光源ユニットが、低コヒーレント光を射出するものであり、
前記画像取得手段が、前記干渉光を周波数解析することにより前記測定対象の光断層画像を取得するものであることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項記載の光断層画像化装置。
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- 2006-03-31 JP JP2006096793A patent/JP2007267927A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090602 |