JP3796550B2 - 光干渉トモグラフィ装置 - Google Patents

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この発明は、光干渉トモグラフィ装置に関するものである。
(1)光干渉トモグラフィ(OCT)
低コヒーレント光を利用した光干渉トモグラフィ(Optical Coherence Tomography;OCT)は、生体の表面近傍の断層像を十数μm程度の分解能で観察可能にする新しい医療計測技術である。OCTは既に眼組織の臨床観察で実用化されており、眼組織の病変(例えば、網膜はく離)の断層観察を顕微鏡的精度で可能にしている(非特許文献1)。この技術の臨床応用は緒についたばかりであるが、内視鏡と組み合わせた生体内部の断層観察への展開等、今後の発展が期待されている。
現時点で実用化されているOCTは、OCDR(Optical Coherence Domain Reflectometory)−OCTと呼ばれる機械的走査を必要とする測定技術である。一方、機械的走査を必要としないFD(Frequency Domain) −OCT(OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometory)−OCTと呼ばれることもあるが、本発明との混同を防止するため以後FD法と呼ぶ)と呼ばれる技術が、最近研究され始めている。以下、それぞれの技術について説明する。
(2)OCDR−OCT
OCDR−OCTの測定原理は、図7のように試料(生体)1に測定光2を照射しその光が試料1の内部の組織境界面3で反射(又は後方散乱、以後単に「反射」という)され再び試料1の外に出射するまでに通過する光路長を、低コヒーレント光源を光源とするマイケルソン干渉計によって測定するものである。即ち、図7に示すように、試料1に入射した光2は、組織境界面3の屈折率変化によってその一部が反射され試料1の外に再出射される。この再出射された光4が通過して来た光路長を測定することにより、試料1の内部の深さ方向の構造を知ることができる(深さの基準点である試料1の表面の位置は、表面反射光によって与えられる。)。従って、測定光2の入射位置を試料1の表面に対して走査することにより、試料1の内部の断面像や三次元像を得ることができる。
図8は、OCDR−OCT装置の概略図である。図8に示すように、光源5としては通常スーパー・ルミネッセンス・ダイオード(SLD)が用いられ、その放出光はマイケルソン干渉計6に入射される。この光はビームスプリッタ7によって分割され、一方は細いビーム状に収束され試料1に照射させる。分割されたもう一方の光は、参照光ミラー8に照射される。それぞれの光は、試料1および参照光ミラー8によって反射されビームスプリッタ7によって合波された後、光検出器9に入射する。SLDは波長スペクトル幅が〜20nmと広いため、その出射光のコヒーレント長は十数μmと短い(例えば、中心波長850nm、波長幅20nmのSLD光のコヒーレント長は、15μmである。)。このため参照光10と信号光11の光路長がこの短いコヒーレント長の範囲内にある場合にだけ、両者は干渉する。即ち参照光ミラー8を参照光10の光軸方向に走査すると、光検出器9の出力は参照光10と信号光11の光路長が一致した付近14のみで、図9(縦軸12は光検出器9の出力、横軸13は参照光ミラー8の移動距離)のように、コヒーレント長程度の幅を有する干渉パターン15(以下、「コヒーレント干渉波形」と呼ぶ。)を示す。このコヒーレント干渉波形15の現れる参照光ミラー8の位置から、信号光11の光路長を直接知ることができる。
この方法の分解能は、使用する光源のコヒーレント長で決まり、通常10〜15μm程度である。また、一回の測定に要する時間は、参照光ミラー8の走査に必要な時間で決まり、通常は速くても1秒程度である(非特許文献1)。
(3)FD−OCT
OCDR−OCTには、参照光ミラー8の機械的走査が必須であるため機械的振動の発生が不可避であり、速い速度での走査距離に制限があり、走査速度も制限される。走査速度が制限されるため、測定中は試料(生体)を制止しておかなければならない等の課題がある。このため比較的制止の容易な眼組織の断面観察以外への適用は容易ではない。
参照光ミラー8の走査を不要とする試みとして、図10のようにマイケルソン干渉計の出力側にグレーテイグ21とCCD16を配置し、参照光ミラー8を固定したままで出力光の分光特性をCCD16で測定し、その結果からコヒーレント波形を計算・構築する周波数領域(Frequency Domain)OCT(以下FD−OCTと呼ぶ。以前の文献では、この方法がOFDR−OCTと呼ばれたこともあるが、最近の文献では、FD−OCTと呼ばれている。ここでは、この最近の呼称を用いる。)が提案されている(非特許文献2)。
FD−OCTの原理は以下のようなものである。まず、横長に集光した測定光18を試料1の表面17に照射する一方、参照光ミラー8により参照光11をビームスプリッタ7に戻す。この様な状態で、信号光10と参照光11を合波してCCD16画面上に結像させる。この時CCD16面上には、フリンジ(空間的な干渉模様)が発生する。フリンジの強度を観測し計算機でそのパターンをフーリエ変換してコヒーレント干渉波形を構築する。なお、測定光等の集束/結像は、x’軸方向のみに集光する2つのシリンドリカルレンズ19とy’軸方向にのみ集光する一つのシリンドリカルレンズ20によって行われる。
FD−OCTでは参照光ミラー8の移動が不要なため測定時間が短く、150msec程度の短時間観測の例も報告されている。しかしながら、この方法には、以下のような問題点もある。
(問題点1)水平方向の分解能が低い(水平分解能;100μm程度)。
スペクトル密度関数を算出する際、試料内部で反射面は一定の深さに広がっていると仮定して計算処理するので、反射面の深さが水平方向(y’軸方向)に対して急激に変化する試料では正確なスペクトル密度関数が得られない。従って、試料の表面に水平な方向(y’軸方向)での分解能は高くなく、100μm程度の値が報告されるのみである。
(問題点2)深さ方向の測定範囲が狭い(測定範囲;±6.0mm)。
深さ方向の測定可能範囲Lmは、CCDで検出する各周波数成分に対するコヒーレント長で決まる。各周波数成分におけるスペクトル幅をΔf、cを光速とすると、測定可能範囲Lmは式(1)で与えられる(非特許文献2中に記載の式による。)。但し、ここで測定範囲と呼んでいるものは、試料の深さ方向に対する測定可能範囲ではなく、試料に照射された光と参照光との光路差によって測定可能範囲を表したものである。従って、非特許文献2に記載した測定範囲は、試料の深さ方向に対する測定範囲の2倍になっている。
Figure 0003796550
FD−OCTでは、Δfは周波数軸方向(x軸)の<CCDのピクセル幅>に依存する。コヒーレント長34μmのSLDを光源とし、周波数軸方向のピクセル数が640、ピクセル間隔が13.3μmのCCDを用いた場合、式(1)より計算される測定範囲は±9.0mmとなる(非特許文献2)。しかし、y軸上で零から離れるほどビームスプリッタ7で分割された後の信号光10と参照光11の光路長の差(optical path difference;OPD)が大きくなり、このため、フリンジ周期がCCDのピクセル幅に近くなるとフリンジの平均化が起こる。その結果S/Nが低下し、明瞭なコヒーレント干渉波形が構築できる範囲はOPDが±6.0mm(深さ方向に対しては6.0mm)の範囲までである。
(問題点3)生体を試料とする測定では,試料に照射できる光の強度が制限される。
従って、信号光をいかに効率良く検出するかが重要である。しかし、FD−OCTでは信号光は回折格子21を通ってから光検出器(CCD)に入射するので、その一部が回折格子21によって失われてしまい信号光の検出効率が悪いという課題がある。
(問題点4)また,CCDを用いた検出の場合、測定可能な強度の桁数を表すダイナミックレンジが約70dB以下であり、網膜の測定には適用できるとの報告もあるが、生体の観測には必ずしも十分とはいえない。
(問題点5)更に、測定時間がCCDの速度に制限され、測定の高速化に限界があるという問題点もある。
特開平6−53616号公報 特開平6−61578号公報 United States Patent 4,896,325 陳建培 OPTRONICS(2002)NO7,179 寺村友一、末国雅行、神成文彦;Proceeding of 23rd Meeting on Lightwave Sensing Technology,p39) Handbook of Optical Coherence Tomography(edited by Brett E.Bouma and Guillermo J.Tearney) 応用物理:第71巻、第11号、p1362 吉國祐三
眼底測定でOCDR−OCTの実用化が可能であった理由には、測定対象の制止が比較的容易であったということが挙げられる。しかし、生体には消化管のぜん動など制止困難な運動を伴う部分が数多くある。このような部分の観測には、従来のOCT(OCDR−OCT及びFD−OCT双方)による断層観察は適していない。
例えば数mm/秒の速さで動く部分をOCDR−OCTで観察をする場合、測定時間中(約1秒)に観察対象の移動する距離(数mm)が分解能(数十μm)に比べ著しく大きくなるため断層像の撮影は不可能である。
OCDR−OCTに比べFD−OCTによる断層撮影は高速であるが、現在得られている測定時間(150msec)は上記のような部分の測定にはまだ不十分である。これは、コヒーレント干渉波形を構築する過程が複雑なため計算機処理に時間がかかるためである。即ち、現在のOCTには、制止困難な生体部分の観察には適したものがないという課題がある。更に、上記の通り水平方向の分解能が低く又深さ方向の測定範囲も狭いという問題点もある。
本発明の目的は上記課題を解決し、制止困難な生体部分の断層観察を可能にするOCT技術を提供することである。また、制止可能な部分の観察に対しても、制止を不要とし生体への負担を無くした断層観察技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の構成は次のとおりである。
即ち、第一の発明の光干渉トモグラフィ装置は、波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射又は後方散乱された第一の光線と第二の光線を合波する手段と、前記合波する手段によって合波された出力光の強度を前記可変波長光発生装置の波数毎に測定する手段と、前記測定する手段によって前記波数毎に得られる前記出力光の強度の集合から第一の光線が測定対象によって反射され又は後方散乱された位置又は位置と強度を前記測定対象の深さ方向に対して特定する手段とを有することを特徴とする。
また、第二の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一の発明の光干渉トモグラフィ装置において、前記第一の光線を測定対象に照射する手段が、第一の光線の前記測定対象に対する照射位置を走査可能であり、且つ、前記特定する手段によって特定された情報と前記照射位置に関する情報に基づいて、前記測定対象の断層像を構築する手段を有することを特徴とする。
また、第三の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一又は第二の発明の光干渉トモグラフィ装置において、前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換するものであることを特徴とする。
また、第四の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一又は第二の発明の光干渉トモグラフィ装置において、前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換して絶対値をとるものであることを特徴とする。
また、第五の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一乃至第四の発明の何れかの光干渉トモグラフィ装置において、測定対象の複数の断層像を構築することによって、測定対象の断層像の動画を構築する手段を有することを特徴とする。
また、第六の発明の光干渉トモグラフィ装置は、波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路の前記出力光の一部を前記試料光路に沿ってもどす部分反射機構と、前記試料光路に沿った試料からの反射光又は後方散乱光と前記部分反射機構からの反射光とを光検出手段に導く光検出光路と、前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段とを有し、前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記検出手段の出力を計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、前記試料の断層像を構築することを特徴とする。
また、第七の発明の光干渉トモグラフィ装置は、波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路において所望の偏光特性を持たせて前記試料光路に沿って一部の前記出力光を反射する部分反射機構と、前記試料光路において部分反射機構を透過した前記出力光を所望の偏光特性を持たせた後試料に照射する試料光偏光特定機構と、試料からの反射光又は後方散乱光と部分反射機構からの反射光とを、入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段に導く光検出光路と、前記入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段の2つの出力をそれぞれ光検出する手段と、前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段を有し、前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記検出する手段の出力をそれぞれ計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、試料の偏光特性を示す断層像を構築することを特徴とする。
また、第八の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第六又は第七の発明の光干渉トモグラフィ装置において、前記計算処理が、前記出力と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換することを特徴とする。
また、第九の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第六又は第七の発明の光干渉トモグラフィ装置において、前記計算処理が、前記出力と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換して絶対値をとるものであることを特徴とする。
また、第十の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第六乃至第九の発明の何れかの光干渉トモグラフィ装置において、前記計算機では、複数の前記断層像を構築して、前記試料の断層像の動画を構築することを特徴とする。
また、第十一の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一乃至第十の発明の何れかの光干渉トモグラフィ装置において、前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として可変波長レーザを用いることを特徴とする。
また、第十二の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一乃至第十一の発明の何れかの光干渉トモグラフィ装置において、前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする。
また、第十三の発明の光干渉トモグラフィ装置は、第一乃至第十一の発明の何れかの光干渉トモグラフィ装置において、前記可変波長光発生装置を構成する発光素子としてサンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする。
更に付言すると、上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
(1)一の手段
上記課題を解決するための第一の手段は<波数を階段状に切り替え可能な手段を有する光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>を用いることである。このような手段により、断層像の高速撮影が可能になる。
(2)二の手段
上記課題を解決するための第二の手段は、<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が13GHz以下の可変波長光発生装置であって、3.1×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする可変波長光発生装置を光干渉トモグラフィ用の光源>として用いることである。光干渉トモグラフィ用の光源として、この可変波長光源(可変波長光発生装置)を用いることによって、制止困難な生体部分の断層観察が可能になる。ここで波数とは,波長の逆数に2πを乗じたものである。
(3)三の手段
上記課題を解決するための第三の手段は、<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が52GHz以下の可変波長光発生装置であって、12.4×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする可変波長光発生装置を光干渉トモグラフィ用の光源>として用いることである。光干渉トモグラフィ用の光源として、この可変波長光源(可変波長光発生装置)を用いることによって、第二の手段に比べ、測定可能距離は短くなるが、より高速で動く制止困難な生体部分の断層観察が可能になる。
(イ)「波数を階段状に切り替え可能な手段を有する」ことによる効果
従来のOCTでは、SLDが出射する広帯域(低コヒーレント)直流光(CW光)を測定光として用い、OCDR−OCTでは干渉パターン(図9)を、FD−OCTではフリンジ(図11)を測定していた。一方、本発明の構成要件「波数を階段状に切り替え可能な手段を有する」によれば、測定に用いる光源の波数を例えば図1(a)のように少しずつ階段状に変えて、各波数における干渉計の応答を測定することが可能になる。この特徴によって、以下に述べる通り断層撮影の高速化と水平方向分解能の向上が図られる。また、FD-OCTで問題になっていた回折格子の存在による信号強度の検出効率の低下、CCDの性能に起因する不十分なダイナミックレンジ、及びCCDの応答速度によって断層撮影速度が律速されるという諸問題が解決される。
なお、図1(a)では、波数が波数走査時間に対して漸増しているが、必ずしも漸増する必要は無く図1(b)のように漸減する場合であっても何ら問題はない。また、必ずしも波数が漸次変化する必要はなく、測定時間内に所定の波数を総て走査できさえすれば良い。即ち、波数の変化は図1(c)のように不規則なものであっても良い(測定後の計算機処理の過程で、波数を並び替えることが容易であるため。)。即ち,階段状とは,波数が時間に対して階段状に漸増する場合だけでなく漸減していく場合も含むものとする。更には,必ずしも波数が漸次変化する必要はなく,測定時間内に所定の波数を総て走査する走査様態すべてを含むものとする。ここで「所定の波数」とは、<等間隔に並んだ波数の集合>であることが望ましいが、必ずしもこれに限られるものではなく波数間隔が一定でない波数の集合であっても良い。波数間隔が一定ではない場合には、後に実施の形態例1で述べる断層像構築のための計算処理に対する一定の修正を必要とするが、この修正は波数走査の態様に応じフーリエ変換に関する知識を基礎として導くことができるものである。以上述べたとおり、「波数を階段状に切り替え可能な手段」とは、断層像の構築が可能であることを条件に波数間隔及び測定順番を制限するものではない。
また、波数の変化は離散的であることが望ましいが、一定時間特定の波数を保持できるものであればその変化は連続的であっても良い。
本発明の測定過程にはOCDR−OCTに必須の参照光ミラーの走査が不要であるため、OCDR−OCTより高速度で測定が可能である。
他方、本発明では、各波数における干渉計の出力光強度を束ねた分光特性(図2)からコヒーレント干渉波形を構築するので、FD−OCTのように強度情報と位相情報の双方を含むスペクトル密度関数を計算処理してコヒーレント干渉波形を構築する必要はない。このため本発明では、簡単な計算機処理によってコヒーレント干渉波形を構築することができる。また、スペクトル密度関数の算出自体が不要なので、従来のFD−OCTに比べデータ処理が短時間で済み高速測定が可能になる(なお、本発明で用いる計算処理については、実施の形態例1において説明する。)。
また、スペクトル密度関数を算出するために従来型FD−OCTの水平方向分解能を劣化させていた仮定(水平方向で深さ分布が一様)も本発明では不要であり、従って水平方向の分解能の劣化は存在しない。
即ち、本発明を用いて実施される断層撮影には参照光ミラー走査の様な機械的動作が介在せず、また後述する通り本発明を用いる断層撮影では簡単な手順でコヒーレント干渉波形が構築可能なので、断層撮影の高速化が可能である。また、本発明を用いて実施される断層撮影では、従来のFD−OCTの様な水平方向の分解能を劣化させる仮定も存在しないので水平方向分解能の劣化もない。
更に、回折格子及びCCDを用いるFD−OCTに特有な問題であった<回折格子の存在による信号強度の検出効率の低下、CCDの性能に起因する不十分なダイナミックレンジ、及びCCDの応答速度によって断層撮影速度が律速されるという諸問題>は、回折格子及びCCDを必要としない本手段においては当然解消される。
更に、段落[0097]で述べる通り、本発明によれば、試料に照射できる光の強度がある最大値で制限されているという条件の下で得られるコヒーレント干渉波形の強度が、OCDR法に比べて信号強度が約100〜1000倍強くなり、FD−OCT法と比べても十数倍強くなるという効果が奏される。
なお,本発明に一見類似したOCTとしてチャープOCTが提案されている(非特許文献3,p364−367)。この技術には以下のような問題点があるため実用化されていないので詳細は述べないが,本発明とこの技術との間には以下のような相違点がある。
即ち,チャープOCTは光源を可変波長光源とする点で本発明と一致するが,光源の波数を一定速度で連続的に掃引する点で異なる。そして,その測定原理から,チャープOCTに用いられる光源には波数の跳び即ちモードホップが許されないという短所がある。従って,チャープOCTを実用化すると,広い波数範囲にわたってモードホップフリーな光源を入手することが必要であるが,そのような光源の入手は困難である。このため,この技術は実用化されていない。これに対して,本発明によれば波数を連続的に変化させる必要はなく,たとえ可変波長光源に多少のモードホップあったとしても,波数の変化は階段状であれば良いので断層像の測定に支障が生じることはない。
(ロ)波数範囲等を限定した効果
この様に本発明は断層撮影の高速化に適しているが、特に<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が13GHz以下の可変波長光発生装置であって、3.1×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有する可変波長光発生装置>に、使用する可変波長光発生装置を限定することによって、分解能80μm及び測定範囲10mmを確保しつつ、1mm/秒以下の速さで動く試料の観察が可能になる。即ち、上記第一の手段によれば、1mm/秒で動く制止困難な生体部分の観察が可能になる。
更に、特に<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が52GHz以下の可変波長光発生装置であって、12.4×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有する可変波長光発生装置>に、使用する可変波長光発生装置を限定することによって、分解能80μm及び測定範囲2.5mmを確保しつつ、4mm/秒以下の速さで動く試料の観察が可能になる。即ち、上記第三の手段によれば、4mm/秒で動く制止困難な生体部分の観察が可能になる。以下に、これらの効果が奏される理由について述べる。
測定中に試料が動くと試料内部の反射面の位置も一定せず、反射面位置の計測値が不確かになる。試料の動きが激しい場合には位置計測自体が不可能になるが、そこまでに至らない場合であっても、一般に動きのある試料に対する分解能(以下、「動的分解能」という)は静止している試料に対する分解能(以下、「静的分解能」という)より劣る。従って、動的分解能80μmを得るためには、80μmの静的分解能をまず確保しておかなければならない。本願発明者は、後に実施の形態例1の「原理」で述べるとおり、静的分解能ΔZは、波数の可変範囲の幅をWkとすると以下の式(2)によって規定されることを見出した(測定光を束ねた場合のスペクトル形状が、矩形の場合。以下同じ。)。
Figure 0003796550
この式(2)から動的分解能80μmを得るための前提として、波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上が必要であることが分かる。これは上記第二の手段の構成要件「波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上」に相当する。
ところで深さ方向の測定範囲は、各波数における測定光のコヒーレント長に依存する。従って、測定範囲は測定光の周波数幅Δfによって制限される。(試料の深さ方向に対する)測定範囲Lmと周波数幅Δf(半値全幅)の間には次の式(3)の関係が成り立つので、10mmの測定範囲を確保するためには出射光の周波数幅が13GHz以下でなければならない。これは、上記第二の手段の構成要件「出射光の周波数幅が13GHz以下の可変波長光発生装置であって」に相当する。また,出射光の周波数幅が52GHz以下に設定することによって、測定範囲2.5mmを確保することができる。これは、上記第三の手段の構成要件「出射光の周波数幅が52GHz以下の可変波長光発生装置であって」に相当する。
Figure 0003796550
なお、この式(3)は、非特許文献3のp46の式(22)を変形したものである。
ここでcは光速を表す。なお、単一縦モードで発振する半導体LDでは、この様な値は容易に達成できる。
一方、後に実施の形態例1で述べるように、(試料の深さ方向に対する)測定範囲Lmは測定光の波数間隔Δkによっても制限される。即ち、Nyquistの定理によれば、測定範囲Lmは次の式(4)によって表される。
Figure 0003796550
この式(4)からは測定範囲10mmを得るためには、更に波数間隔を3.1×10-4μm-1以下に設定しなければならないことが分かる。これは、上記第二の手段の構成要件「3.1×10-4μm-1以下の波数間隔」に相当する。
また,波数間隔を12.4×10-4μm-1以下に設定すれば、式(4)より測定範囲2.5mmとなる。これは、上記第三の手段の構成要件「12.4×10-4μm-1以下の波数間隔」に相当する。
上記要件の下、波数切替時間thを以下に示す通り十分短くすることによって、測定範囲10mmを確保しつつ、1mm/秒の速さで動く試料を動的分解能80μmで観察可能になる。波数切替時間に要求される条件は、以下の通りである。
試料の運動による分解能の劣化を防ごうとするならば、測定時間内に試料の移動する距離が静的分解能以下になるように測定時間tmを短くすれば良い(即ち、静的分解能以下のブレは許容することとする。)。この考え方にたてば、静的分解能をΔz、試料の移動速度をvとすると、試料の運動による分解能の劣化を防ぐために必要な測定時間tmは以下の式(5)で表される。
Figure 0003796550
ところで測定に用いる波数の総数は波数範囲Wkを波数間隔Δkで割ったものなので、測定時間tmと波数切替時間間隔thとの間には次式の関係がある。
Figure 0003796550
従って、式(5)及び式(6)より試料の移動速度vが1mm/sの試料を測定するためには、波数切替時間間隔thは530μs以下でなければならないことが分かる。
また,波数間隔Δkが12.4×10-4μm-1以下の場合、試料の移動速度vが4mm/sの試料を測定するためには、波数切替時間間隔thは530μs以下でなければならないことが分かる。
これは、上記第二の手段及び第三の手段の構成要件「530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段」に相当する。
以上述べたことより明らかな様に、可変波長光発生装置を<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が13GHz以下の可変波長光発生装置であって、3.1×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有する可変波長光発生装置>に限定することによって、分解能80μm及び測定範囲10mmを確保しつつ、1mm/秒の速さで動く試料の観察が可能になる。
また,可変波長光発生装置を<波数の可変範囲の幅が4.7×10-2μm-1以上且つ出射光の周波数幅が52GHz以下の可変波長光発生装置であって、12.4×10-4μm-1以下の波数間隔且つ530μs以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有する可変波長光発生装置>に限定することによって、分解能80μm及び測定範囲2.5mmを確保しつつ、4mm/秒の速さで動く試料の観察が可能になる。
なお、上記説明では波数走査は一回のみを想定しているが、この様な場合であっても、試料に横長の測定光を照射しCCDを光検出器として用いることによって断層撮影が可能である。また、式(2)及び式(4)は、測定光を束ねた場合のスペクトル形状が矩形の場合に対する厳密な式である。しかし、スペクトル形状をガウシアン形状等別のものに変えても、分解能等は大きくは変わらず得られる効果も矩形の場合とほぼ同じである。
(ハ)より好ましい波数範囲等
以上の説明から明らかなように、好ましい波数範囲等は、分解能、測定範囲、測定可能な試料の移動速度が決まれば式(2)〜(6)によって自動的に決定される。分解能等の好ましい一例は上述の通りのものであるが、更に好ましい分解能・測定範囲・試料の移動速度は、それぞれで40μm以下・100mm以上・3mm/s以下である。最も好ましい値は、それぞれ20μm以下・1000mm以上・9mm/s以下である。従って、それぞれの要請に答える波数範囲等は、以下の通りになる。
(a)試料速度が1mm/s以下の場合
試料速度が1mm/s以下の場合の波数間隔、周波数幅、可変波数幅、及び波数切替時間の組み合わせは以下の通りである。
Figure 0003796550
[表1]において、横欄は、好ましい波数間隔と周波数幅を表し、縦欄は、好ましい可変波数幅を表す。
ここで、波数間隔と周波数幅の値、3.1×10-4μm-1以下と13GHz以下、3.1×10-5μm-1以下と1.3GHz以下、3.1×10-6μm-1以下と130MHz以下は、それぞれ測定範囲、10mm以上、100mm以上、1000mm以上に対応する。また、可変波数幅の値、4.7×10-2μm-1以上、9.5×10-2μm-1以上、1.9×10-1μm-1以上は、分解能、80μm以下、40μm以下、20μm以下に対応する。
ここで、測定範囲が100mm以上に対応する場合には、測定範囲が十分に広いので測定点を変えても参照光ミラーの位置合わせが不要になるという効果も奏される。また、測定範囲が10mm以上に対応する場合であっても、参照光ミラーの位置合わせが容易になるという効果が奏される。
なお、<波数間隔が一定値以下>という表現を用いているが、波数間間隔が0μm-1の場合は当然含まれない。何故ならば、波数間隔というからには、当然有限の間隔で複数の波数が存在することを前提としているからである。波数間間隔が0μm-1では、波数は一本になってしまう。
(b)試料速度が3mm/s以下の場合
表1中の各波数切替時間を3分の1にすれば良い。
(c)試料速度が9mm/s以下の場合
表1中の各波数切替時間を9分の1にすれば良い。
(d)一点に集束した測定光を試料表面で走査し断層撮影する場合
走査する測定点の数をn(例えば、n=10、50,100,200,400,800)以上とする場合には、(a)〜(c)に示した波数切替時間をn分の1以下にすれば良い。
上述の通り波数走査が一回でも断層像は得られるが、後述する実施の形態例1のようにマッハツェンダー型干渉計を用いる場合には、測定点の走査も必要である。走査点数としては、10点以上が望ましく、更には50点以上、100点以上、200点以上、400点以上、800点以上が好ましい。
以上の例では、波数切替時間を短縮化することにより試料速度の高速化に対処している。試料速度の高速化への対処方法としては、測定範囲を狭めることも有効である。具体的には、表1の最上段に記載した波数間隔(及び周波数幅)を2倍、4倍とすることによって、表1に記載された波数切替時間で、試料速度が2mm/s以下及び試料速度が4mm/s以下の場合に対応できる。
なお、走査する測定点の数をn(例えば、n=10、50,100,200,400,800)以上とする場合には、(a)〜(c)に示した波数切替時間をn分の1以下にすれば良い点が上述の通りである。
(ニ)上記光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置は、上記(ロ)又は(ハ)に記載の「波数の可変範囲の幅」「周波数幅」を有し同じく上記(ロ)又は(ハ)に記載の「波数間隔」及び「時間間隔」で階段状に波数を切替可能な可変波長発光素子とその制御回路とで構成されることが好ましい。そして、上記制御回路は、上記「波数の可変範囲の幅」、「周波数幅」、「波数間隔」、及び「時間間隔」で、上記可変波長発光素子の出力光の波数を階段状に切替可能なものでなければならない。
或いは、上記光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置は、上記(ロ)又は(ハ)に記載の「波数の可変範囲の幅」を有する広帯域発光素子と、上記(ロ)又は(ハ)に記載の「波数の可変範囲の幅」「周波数幅」「波数間隔」及び「時間間隔」で広帯域発光素子の出力光を階段状に抽出可能な可変波長フィルタとその制御回路であっても良い。
(4)四、第五、第六及び第七の手段
上記第一及び第二の手段は、以下の様にも表現することができる。即ち、第一及び第二の手段を別の側面から表現すると、上記課題を解決するための第四の手段は、<分解能が80μm以下になるように波数の可変範囲の幅を広くし、測定範囲が10mm以上になるように出射光の周波数幅及び波数間隔を狭くし、且つ、前記分解能を速度1mm/sで除した第一の値を前記可変範囲の幅を前記波数間隔で除した第二の値で除して得られる時間以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>となる。
また、上記第一及び第三の手段は、以下の様にも表現することができる。即ち、第一及び第三の手段を別の側面から表現すると、上記課題を解決するための第五の手段は、<分解能が80μm以下になるように波数の可変範囲の幅を広くし、測定範囲が2.5mm以上になるように出射光の周波数幅及び波数間隔を狭くし、且つ、前記分解能を速度4mm/sで除した第一の値を前記可変範囲の幅を前記波数間隔で除した第二の値で除して得られる時間以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>となる。
また、上記課題を解決する第六の手段は、<可変波長光源と、前記可変波長光源の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射又は後方散乱された第一の光線と第二の光線を合波する手段と、前記合波する手段によって合波された出力光の強度を前記可変波長光源の波数毎に測定する手段と、前記測定する手段によって前記波数毎に得られる前記出力光の強度の集合から第一の光線が測定対象によって反射又は後方散乱された位置又は位置と強度を前記測定対象の深さ方向に対して特定する手段とを有する光干渉トモグラフィ装置の前記可変波長光源として使用される可変波長光発生装置であって、分解能が80μm以下になるように波数の可変範囲の幅を広くし、測定範囲が10mm以上になるように出射光の周波数幅及び波数間隔を狭くし、且つ、前記分解能を速度1mm/sで除した第一の値を前記可変範囲の幅を前記波数間隔で除した第二の値で除して得られる時間以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>となる。
なお、例えば光干渉トモグラフィ装置によって多層膜の膜厚を計測するような場合には、前記特定する手段では、第一の光線が測定対象によって反射又は後方散乱された位置を求めればよい。
また、上記課題を解決する第七の手段は、<可変波長光源と、前記可変波長光源の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射又は後方散乱された第一の光線と第二の光線を合波する手段と、前記合波する手段によって合波された出力光の強度を前記可変波長光源の波数毎に測定する手段と、前記測定する手段によって前記波数毎に得られる前記出力光の強度の集合から第一の光線が測定対象によって反射又は後方散乱された位置又は位置と強度を前記測定対象の深さ方向に対して特定する手段とを有する光干渉トモグラフィ装置の前記可変波長光源として使用される可変波長光発生装置であって、分解能が80μm以下になるように波数の可変範囲の幅を広くし、測定範囲が2.5mm以上になるように出射光の周波数幅及び波数間隔を狭くし、且つ、前記分解能を速度4mm/sで除した第一の値を前記可変範囲の幅を前記波数間隔で除した第二の値で除して得られる時間以下の時間間隔で波数を階段状に切り替え可能な手段を有することを特徴とする光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>となる。
ここで分解能のより好ましい値は、40μm以上又は20μm以上である。また、測定範囲のより好ましい範囲は、100mm以上又は1000mm以上である。更に、分解能を除する速度のより好ましい範囲は、3mm/s又は9mm/sである。
また、好ましい値の組合せとしては、以下の様なものもある。即ち、分解能値は40μm以下又は20μm以下であり、測定範囲は5mm以上であり、分解能を除する速度は、2mm/sである。
また、走査する測定点の数をn(例えば、n=10、50,100,200,400,800)以上とする場合には、波数切替時間をn分の1以下にすれば良い。
(5)八の手段
上記課題を解決するための第八の手段は、<前記第一の光線を測定対象に照射する手段が、第一の光線の前記測定対象に対する照射位置を走査可能であり、且つ、前記特定する手段によって特定された情報と前記照射位置に関する情報に基づいて、前記測定対象の断層像を構築する手段を前記光干渉トモグラフィ装置が有することを特徴とする上記第六の手段又は第七の手段の光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>を用いることである。この手段によって、測定対象の断層像を効率的に得ることが可能となる。
(6)九の手段
上記課題を解決するための第九の手段は、< 前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組み合わせをフーリエ変換するものであることを特徴とする上記第六の手段乃至第八の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波光長光発生装置>を用いることである。フーリエ変換の方法には,非常に高速で処理できる高速フーリエ変換(FFT)の手法が確立されており、実数の組み合わせからなるデータのFFTによって,高速のOFDR−OCTが実現できる。
(7)十の手段
上記課題を解決するための第十の手段は、<測定対象の複数の断層像を構築することによって、測定対象の断層像の動画を構築する手段を有する光干渉トモグラフィ装置の可変波長光源に用いることを特徴とする上記第一の手段乃至第九の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>を用いることである。本発明によれば、高速測定が可能となるため、消化器のぜん動や脈動する血管などの断層像の動画の測定が可能となり、医療診断に応用できる。
(8)十一の手段
上記課題を解決するための第十一の手段は、<前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として可変波長レーザを用いることを特徴とする上記第一の手段乃至第十の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置>を用いることである。
(9)十二の手段
上記課題を解決するための第十二の手段は、上記第一乃至第十の手段の何れかの「可変波長光発生装置」を構成する発光素子として「超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザ」(特許文献1、特許文献2、非特許文献4)を用いることである。「超周期構造回折格子分布型反射半導体レーザ」は、上記第一の手段などの可変波長光発生装置に求められる要件を総て充足している。即ち、可変幅は100nm(Δk=0.261μm-1)を超え、波数の切替時間間隔が数ns程度の高速応答も可能である。また、連続的な波長変化が可能であり、発振スペクトルの周波数幅は数MHzである。
(10)十三の手段
上記課題を解決するための第十三の手段は、上記第一乃至第十の手段の何れかの「可変波長光発生装置」を構成する発光素子として「サンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザ」を用いることである。「サンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザ」は、上記第一の手段などの可変波長光発生装置に求められる要件を総て充足している。即ち、可変幅は100nm(Δk=0.261μm-1)を超え、波数の切替時間間隔が数ns程度の高速応答も可能である。また、連続的な波長変化が可能であり、発振スペクトルの周波数幅は数MHzである。
(11)十四の手段
上記課題を解決するための第十四の手段は、<上記第一の手段乃至第十三の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置を可変波長光源として用いることを特徴とする光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(12)十五の手段
上記課題を解決するための第十五の手段は、<上記第一の手段乃至第十三の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射又は後方散乱された第一の光線と第二の光線を合波する手段と、前記合波する手段によって合波された出力光の強度を前記可変波長光発生装置の波数毎に測定する手段と、前記測定する手段によって前記波数毎に得られる前記出力光の強度の集合から第一の光線が測定対象によって反射され又は後方散乱された位置又は位置と強度を前記測定対象の深さ方向に対して特定する手段とを有することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。この光干渉トモグラフィ装置は、上記第一の手段乃至第十二の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置を用いているので、上述の通り上記課題を解決することができる。
ここで、「前記可変波長光発生装置の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射された第一の光線と第二の光線を合波する手段」としては、種々の干渉計が考えられるが、代表的なものとしてはマイケルソン干渉計とマッハツェンダー型干渉計がある。マッハツェンダー型干渉計を用いると、集光効率がマイケルソン干渉計より高くなる。
(13)十六の手段
上記課題を解決するための第十五の手段は、<前記第一の光線を測定対象に照射する手段が、第一の光線の前記測定対象に対する照射位置を走査可能であり、且つ、前記特定する手段によって特定された情報と前記照射位置に関する情報に基づいて、前記測定対象の断層像を構築する手段を有することを特徴とする上記第十四の手段又は第十五の手段の光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(14)十七の手段
上記課題を解決するための第十七の手段は、<前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換するものであることを特徴とする上記第十五の手段又は第十六の手段の光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(15)十八の手段
上記課題を解決するための第十八の手段は、<測定対象の複数の断層像を構築することによって、測定対象の断層像の動画を構築する手段を有することを特徴とする上記第十四の手段乃至第十七の手段の何れかの光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(16)十九の手段
上記課題を解決するための第十九の手段は、<上記第一の手段乃至第五の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路の出力光の一部を試料光路に沿ってもどす部分反射機構と、前記試料光路に沿った試料からの反射光又は後方散乱光と部分反射機構からの反射光とを光検出手段に導く光検出光路とを有することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
本発明の波数を階段状に切り替え可能な光源を用いると、それぞれの波数における光源の可干渉距離(コヒーレント長)は10mm以上を実現できる。この場合,従来の光干渉トモグラフィで用いられているマイケルソン型干渉計やマッハツェンダー型干渉計を用いなくても,試料との距離が可干渉距離よりも短い試料光路上に部分反射ミラーを置き,この部分反射ミラーからの反射光と試料からの反射又は後方散乱光とを干渉させることによって,光干渉トモグラフィ装置を実現できる。
この方法によれば,従来の干渉計を用いる方法と比べ,使用する光学部品の数を大幅に減少出来,製造コストを下げることが出来,装置をより安定化できる。
(17)二十の手段
上記課題を解決するための第二十の手段は、<上記第一の手段乃至第五の手段の何れかの光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路において所望の偏光特性を持たせて前記試料光路に沿って一部の前記出力光を反射する部分反射機構と、前記試料光路において部分反射機構を透過した前記出力光を所望の偏光特性を持たせた後試料に照射する試料光偏光特定機構と、試料からの反射光又は後方散乱光と部分反射機構からの反射光とを、入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段に導く光検出光路とを有し、前記入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段の2つの出力をそれぞれ光検出手段で検出することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(18)二十一の手段
上記課題を解決するための第二十一の手段は、<前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段を備え、且つ、前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記検出手段の出力を計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、試料の断層像を構築することを特徴とする上記第十九の手段の光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(19)二十二の手段
上記課題を解決するための第二十二の手段は、<前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段を備え、且つ、前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記検出手段の出力をそれぞれ計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、試料の偏光特性を示す断層像を構築することを特徴とする上記第二十の手段の光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(20)二十三の手段
上記課題を解決するための第二十三の手段は、<前記計算処理が、前記出力と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換することを特徴とする上記第二十一の手段又は第二十二の手段の光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(21)二十四の手段
上記課題を解決するための第二十四の手段は、<前記計算機では、複数の前記断層像を構築して、試料の断層像の動画を構築することを特徴とする上記第二十一の手段乃至第二十三の手段の何れかの光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(22)二十五の手段
上記課題を解決するための第二十五の手段は、<前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として可変波長レーザを用いることを特徴とする上記第十九の手段乃至第二十四の手段の何れかの光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(23)二十六の手段
上記課題を解決するための第二十六の手段は、<前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする上記第十九の手段乃至第二十五の手段の何れかの光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
(24)二十七の手段
上記課題を解決するための第二十七の手段は、<前記可変波長光発生装置を構成する発光素子としてサンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする上記第十九の手段乃至第二十五の手段の何れかの光干渉トモグラフィ装置>を用いることである。
本発明は、可変波長光発生装置が超高速で波長切り替えが可能な光源(例えば、半導体レーザ)によって構成できることに着目し、可変波長光発生装置を用いた波数の走査によってコヒーレント干渉波形を構築することにより、従来のOCTでは困難であった制止困難な生体部分の断層観察を可能にした。また、制止可能な部分の観察に対しても、制止を不要とし生体への負担を無くした断層観察が可能にした。この際、可変波数幅・波数間隔・周波数幅を限定することによって、十分な分解能と測定範囲の確保も可能とし、能率的な測定を可能にした。
更に,本発明によれば消化器のぜん動や脈動する血管などの動きのある部位の断層像も撮影可能なので、これらを連続撮影することによって動画の撮影も可能になる。
従って、本発明は、波数を階段状に走査する新しい光干渉トモグラフィ装置及びその光源を発明したものであると同時に、この装置(又は光源)に対して制止困難な生体部分の断層撮影装置(又は光源)としての用途を発明したものといえる。同じく、生命活動によって動く部位に対する断層像の動画撮像装置(又は光源)としての用途を発明したものといえる。
<実施の形態例1>
図3に本発明による光干渉トモグラフィ装置の一例を示す。
図3に示す光干渉トモグラフィ装置では可変波長光源として、可変波長光発生装置31を有している。可変波長光発生装置31は、超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザとその制御回路から構成されている。可変波長光発生装置31の可変波長範囲は1533.17〜1574.14nm(Wk=1.07×10-1μm-1)、スペクトルの周波数幅は10MHz以下である。走査速度は1ステップ当たり1μsであり、400波数の走査を行う(従って、1ステップ当たりの波数幅は2.67×10-4μmである。)。走査速度1μs/stepで400波数の走査を行うので、Aスキャン(深さ方向のみについての走査)の計測時間は0.4msで、50のAスキャンでBスキャン(Aスキャンを繰り返しながら行う水平方向の測定点の走査)を構成すると計測時間は20msとなる。
式(2)から静的分解能を求めると、
ΔZ=36μm
となる(屈折率1.36の生体中での分解能は26μmである。屈折率は試料の組成に依存するので、本発明では屈折率の分解能への影響は考慮しないこととした。上記の様に生体の屈折率はそれほど大きくないので、屈折率の影響を無視しても得られる効果はほぼ同じである。)。たとえ生体試料が1mm/sで移動したとしても、Bスキャンの間に試料の動く距離は20μmでしかなく静的分解能36μmに比べ小さいので動的分解能に劣化は生じない。
また、測定範囲は、波数間隔により定まり、式(4)から分かるように12mmである(なお、周波数幅から計算される測定範囲は13mである(式(3)参照)。)。
可変波長光発生装置31から出射された光は、第一のカプラ32により90:10の割合で2分割される。ここで分割された光の一方(分割割合90%)は、第二のカプラ33によって70:30の割合で更に2分割される。そして、ここで分割された光の一方(測定光:分割割合70%)はオプティカルサーキュレータ34によって測定対象である試料37に導かれ、試料37からの信号光45は再びオプティカルサーキュレータ34によって第三のカプラ38に導かれる。第三のカプラ38の他方の光入力口には,第二のカプラ33によって分割された光の他方(参照光:分割割合30%)が導かれ,信号光45と合波される。オプティカルサーキュレータ34を利用することによって、マッハツェンダー型の干渉計を構築することができた。断層像を得るためのBスキャンは、オプティカルサーキュレータ34と試料37との間に介設された走査ミラー36によって測定光を試料37の表面で走査することによって実現する。なお、第一、第二及び第三のカプラ32,33,38は、方向性結合器によって構成されている。第三のカプラ38の出力は、光検出機能を有する第一の差動アンプ39で検出される。第三のカプラ38は方向性結合器によって構成されているので、第三のカプラ38の2つ出力I01及びI02は、それぞれ以下の様になる。第一の差動アンプ39は、第三のカプラ38の2つの出力I01及びI02の差を検出し、そのlogを出力する。式(7)の最初の式は、光路長差が2Lの場合の干渉パターンを表す良く知られた式である。式(7)の第二の式は、方向性結合器の特性によるものである。
Figure 0003796550
ここでknは可変波長光発生装置31の出射光の波数、Irは参照光46(第二のカプラ33によって分割された光のうち、オプティカルサーキュレータ34によって試料37に導かれず、直接第三のカプラ38に導かれるもの:分割割合30%)の強度、Isは試料37からの信号光45の強度、2Lは参照光46と信号光45の光路長差(マイケルソン干渉計では、参照光ミラーとビームスプリタの光路長をLr、試料内部の反射面とビームスプリタの光路長をLsとした時、L=Ls−Lrとなる。従って、Lは試料の深さ方向の座標に相当する。)を表す。また、説明を単純化するため試料37の内部での反射箇所は一箇所のみとし、反射に伴う位相シフトは無視した(反射に伴う位相シフトはπ以内なので光路長の誤差は二分の一波長以下であり無視しうる。)。
この第一の差動アンプ39のLog出力信号を第二の差動アンプ40に入力する。第一のカプラ32で分割された光の他方(分割割合10%)は、光検出器42によって検出された後、Logアンプ43を通して、第二の差動アンプ40に導かれる。第二の差動アンプ40は、入力光強度の変動を補正する割り算を行う。従って、第二の差動アンプ40の出力は、以下の式(8)で表される(定数項は省略した)。
Figure 0003796550
第二の差動アンプ40の出力は、アナログ/デジタル変換機(図示せず)に入力され、そのデジタル出力は計算機41に導かれ、計算機41で計算処理されてコヒーレント干渉波形が合成される。計算機41は、このコヒーレント干渉波形に基づいて試料37の断層像を構築する。計算機41は、可変波長光発生装置31及び走査ミラー36の制御も同時に行う。図4に、コヒーレント干渉波形を合成した例を示す。厚さ160μmのカバーガラスを試料37として得られたコヒーレント干渉波形である。二つのピークは、それぞれ試料37の表面及びその裏面からの反射に対応する。
この様な装置構成をとることによって、従来困難であった消化器管のように制止困難な器官についても断層撮影が可能になった。そして、この断層像を連続的に撮影することによって、動画の撮影も可能になる。即ち、複数の断層像を構築することによって、測定対象の断層像の動画を構築する。この動画の構築も、計算機41によって行われる。
図5は、人の爪を測定対象として断層撮影した結果である。爪の表面から厚さ80μm程度の層が5層識別でき、その後ろに300μmの厚い層が存在することが分かる。測定に際し指の固定は特段行わなかったが、ブレのない鮮明な像が得られた。
本実施の形態例1では、マッハツェンダー型干渉計を使用しているので、断層像を得るためにはBスキャンが必須である。しかし、集光効率が高く、また測定光を光ファイバで試料近傍まで導くことができるので、操作性に優れている。なお、ファイバ・ソース・カプラ(商品名)35は所謂コリメータであって、オプティカルサーキュレータ34と走査ミラー36との間に介設されており、光ファイバから出て広がる測定光を平行光にし、且つ、試料37からの信号光45(平行光)を収束して光ファイバに結合する。また、可視光源であるエイミング・ライト・ソース44から出力された可視光も、第二のカプラ33、オプティカルサーキュレータ34、ファイバ・ソース・カプラ35及び走査ミラー36を介して試料37へ導かれて照射される。このことによって、測定の前に試料37への測定光の当り具合を目で確認することができる。
可変波長光発生装置31の発光素子としては、超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザに限られるものではなく、可変波数幅は狭くなるが分布反射型レーザ(DBRレーザ)を用いることもできる。また、これら以外にも、適用可能な可変波長レーザ(サンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザ)が存在する(例えば、特許文献3に記載の可変波長レーザ)。これらのレーザの波数切換時間は、数nsまで高速化可能である。
(原理)
コヒーレント干渉波形を得るために行なった計算処理の原理は以下の通りのものである。
式(8)のlogの中の項は、Is/Irの平方根とcosの項からなっている。ここで、Is/Irは、kn依存性が小さいので定数と考えられる。従って、第二の差動アンプ40の出力を計算処理しlogを外すことによって、cos(2L・kn)に比例した出力Idを得ることができる。
総てのknについて出力Idを測定しその値をフーリエ変換して絶対値をとると、x=2Lの位置に鋭いピークを持つ関数が得られる。即ち出力Idを、フーリエ変換することによって試料内部の反射面の位置を表す値2Lを得ることができる。
以下に、フーリエ変換の絶対値が、x=2Lの位置に鋭いピークを持つ関数であることを示す。
出力Idのフーリエ変換のcos成分Yc(x)、sin成分Ys(x)、及び絶対値Yt(x)はそれぞれ以下の式(9)、(10)、(11)、(12)のようになる(比例係数は省略。以下、同じ。)。
Figure 0003796550
ここで、ksは波数走査範囲の起点を、nは自然数を、Nは走査する波数の総数を表す。
まず、cos 成分Yc(x)について考える。
数学公式から以下の式(13)、(14)が導かれる。
Figure 0003796550
式(9)を計算する際、式(13)及び式(14)を利用する。なお、jは虚数単位のことである。
まず、式(13)でα=x×kn,β=2L×knと置き、式(9)に代入する。式(13)は4つの項からなるが、まず前2項だけについてΣを計算する。Σの計算には式(14)を用いる。この際、γ=(x+2L)×Δkと置き、j×(α+β)=j×(x+2L)×kn=j(x+2L)×(ks+Δk・n)=j(x+2L)×ks+j(x+2L)・Δk・n=j(x+2L)×ks+j・γ・nなる関係式を利用する。最後にcos(x)=[exp(jx)+exp(−jx)]/2の関係式を用いると式が簡単になる。後ろ2項についても同様の手順を踏むと以下の式(15)が得られる。
Figure 0003796550
同様にして、sin 成分Ys(x)も以下の式(16)の様に導かれる。
Figure 0003796550
ここで式(15)及び式(16)ともに以下の式(17)、(18)の項を含むが、これらはx=2L又はx=−2Lで大きな値を持ちそれ以外では小さな値となる。
Figure 0003796550
一方、それらの項の係数は−1から+1の間で振動する三角関数である。従って、フーリエ変換の絶対値は、x=−2Lの近傍では式(15)及び式(16)から式(17)の項を、x=2Lの近傍では式(15)及び式(16)から式(18)の項を弁別して式(11)に代入すれば近似値が得られる。
従って、x=2Lの近傍では、次の式(19)となる。
Figure 0003796550
即ち、波数毎に得られる出力光強度の集合から測定対象内部の反射面の位置が特定される。この特定に必要な光強度は各波数に一つなので、従来のFD−OCTに比べ測定時間を短くすることができる。
式(19)はxについての周期関数であり、その周期は式(19)の分母のsin関数によって決まる(図6)。Nyquistの定理によれば、測定可能範囲Lmは以下の式(20)、(21)で表される。
また,式(19)は、x=2L最大値を取りその値はNとなる。即ち、本発明によって得られるコヒーレント干渉波形のピーク値はNに比例して増加する。そして、その比例係数は、式(7)及び式(18)より、Ir×Isの平方根の2倍であることが分かる。一方、OCDR−OCTのピークは、参照光と信号光の位相が一致した点で得られることから、参照光強度Ir及び信号光強度Isの積即ちIr×Isの平方根の2倍であることが分かる。従って、本発明によって得られるコヒーレント干渉波形のピーク値は、OCDR−OCTのピークのN倍になるが、Nは測定に用いた波数の総数であり、通常数百〜数千になるので,本発明によって得られるコヒーレント干渉波形はOCDR−OCTより数百〜数千倍大きくなる。
一方,従来のFD−OCTもフーリエ変換を利用するので、コヒーレント干渉波形は測定波数の総数Nに比例しうるが、回折格子によって干渉光を分光する時に回折格子よって弱められる(回折効率は一般的に1以下である)ので、コヒーレント干渉波形はOFDR−OCTほどには大きくならない。更に、y方向に光源からの光を伸張させているのでコヒーレント干渉波形はかえって小さくなってしまう。従って,従来のFD−OCTに対しても、本発明によって得られるコヒーレント干渉波形は大きい。
Figure 0003796550
また、本発明の分解能も式(19)より導ける。
sin(x)はx=0の近傍ではxで近似できるので、x=2Lにおける式(19)の値は(N+1)であることは明らかである。従って、以下の式(22)をxについて解けば、半値幅すなわち分解能ΔZが分かる。
なお、式(17)の項の存在によって、x=2π/Δk−2Lの位置でも、Yt(x)は大きな値をとる。従って、この位置にゴーストが現れる。測定対象の性質上ゴーストを容易に識別できる場合は問題ないが、そうでない場合には波形間隔を小さくしてLmを大きくする必要がある。
Figure 0003796550
ここで、以下の近似式(23)を式(22)に代入し、数値解析で式(23)を解くと式(24)が得られる。
Figure 0003796550
この式より分解能に関す式(25)が得られる。
Figure 0003796550
なお、この分解能はxについては半値半幅であるが、試料の深さ方向の座標に相当するLについては半値全幅となる。
もし、測定光と参照光の位相差を求めることができたならば、後方散乱(又は反射)された光の情報を完全に把握したことになるので、後方散乱位置(又は反射位置)及びその強度を求めることは容易である。しかし、本発明では、上述した通り、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組み合わせをフーリエ変換しているだけである。即ち、測定光と参照光の位相差を測定しなくても、後方散乱位置及びその強度の計測は可能であり、位相差を測定するための複雑な装置構成は必要ないところに特徴がある。
<実施の形態例2>
本実施の形態2における光干渉トモグラフィ装置の構成は図3と同様とする。そして、本実施の形態2では、可変波長光発生装置31の可変波長範囲は1511.74〜1588.26nm(Wk=2.0×10-1μm)であり、スペクトルの周波数幅は10MHz以下である。走査速度は1ステップ当たり2ns/stepであり、8000波数の走査を行う(従って、一ステップ当たりの波数幅は2.5×10-5μmである。)。走査速度2ns/stepで8000波数の走査を行うので、Aスキャン(深さ方向のみについての走査)の計測時間は16μsで、800のAスキャンでBスキャン(Aスキャンを繰り返しながら行う水平方向の測定点の走査)を構成すると計測時間は13msとなる。式(2)から静的分解能を求めると
ΔZ=19μm
となる。たとえ生体試料が1mm/sで移動したとしても、Bスキャンの間に試料の動く距離は13μmでしかなく静的分解能19μmに比べ小さいので動的分解能に劣化は生じない。
また、測定範囲は、波数間隔により定まり、式(4)から分かるように130mmである(なお、周波数幅から計算される測定範囲は13mである(式(3)参照)。)。測定範囲が130mm以上と十分に広くなるので測定点を変えても参照光ミラー位置をその度ごとに調整する必要がなくなる。
上述の例では、干渉計としてマッハツェンダー干渉計を用いたが図8の従来技術のように、マイケルソン干渉計を用いても良い。即ち、図8の構成において、光源5を上記の可変波長光発生装置31に代えればよい(参照光ミラー8の移動は不要)。この場合、図10のように測定光を一軸方向にのみ集束するシリンドリカルレンズ19とCCD16とを用いることによって(図10の構成において、光源5を上記の可変波長光発生装置31に代えることによって)、Aスキャンのみによって断層像を得ることもできる(グレーテイグ21は不要)。
<実施の形態例3>
本実施の形態3の光干渉トモグラフィ装置では、マイケルソン干渉計とシリンドリカルレンズにより、Aスキャンのみによって断層像を得られるように光学系を構成する。即ち、上記のように図10の構成において、光源5を可変波長光発生装置に代えた構成とする(グレーテイグ21は不要)。そして、本実施の形態3では、可変波長光発生装置の可変波長範囲は1511.74〜1588.26nm(Wk=2.0×10-1μm)、スペクトルの周波数幅は10MHz以下にする。走査速度は1ステップ当たり25ns/stepであり、80000波数の走査を行う(従って、一ステップ当たりの波数幅は2.5×10-6μmである。)。走査速度25ns/stepで80000波数の走査を行うので、計測時間(Aスキャンの測定時間)は2.0msとなる。式(2)から静的分解能を求めると
ΔZ=19μm
となる。たとえ生体試料が9mm/sで移動したとしても、測定時間に試料の動く距離は18μmでしかなく静的分解能19μmに比べ小さいので動的分解能に劣化は生じない。
また、測定範囲は、波数間隔により定まり、式(4)から分かるように1300mmである(なお、周波数幅から計算される測定範囲は13mである(式(3)参照)。)。測定範囲が1300mm以上と十分に広くなるので測定点を変えても参照光ミラー位置をその度ごとに調整する必要がなくなる。
なお、可変波長光発生装置の可変波数幅・波数間隔等について三つだけ例を示したが、可能な可変波数幅・波数間隔等の組み合わせはこれに限られるものではない。「課題を解決するための手段」の欄に列挙した組み合わせを用いることによっても、この例と同様又はより大きな効果が奏される。
また、上記光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置は、スーパー・ルミネッセンス・ダイオード(SLD)やハロゲンランプ等の広帯域発光素子とその出力光を階段状に抽出する可変波長フィルタ(特許文献2に記載の導波型ファブリ・ペロー光波長フィルタ、エタロン等)とその制御回路であっても良い。
<実施の形態例4>
本発明に基づく可変波長光発生装置を用いると、式(3)で与えられる光のコヒーレント長を長く出来、式(4)で与えられる測定範囲も長くとれるため、従来の光干渉トモグラフィで用いられている、マイケルソン干渉計やマッハツェンダー干渉計を用いることなく、少ない部品構成の光学系で、リフレクトメータ装置やトモグラフィ装置を実施できる。
図12において、可変波長光発生装置31の光を、分割することなくオプティカルサーキュレータ34を用いて試料光路に導く。試料光路において、光はオプティカルサーキュレータ34からの光ファイバ47を通り、光ファイバ47端を出てファイバ・ソース・カプラ35でコリメートされ、走査ミラー36、フォーカシングレンズ51を介して試料37に照射される。試料からの反射光と後方散乱光で構成される強度Isの光は、試料光路を通して集光され、オプティカルサーキュレータ34によって、光検出光路48に導かれる。試料光路上で、試料の最深部の測定位置からの距離が式(4)の条件で決められる測定範囲にある場所に参照光反射素子50を置き、試料を照射する光の一部を参照光46として強度Irで試料光路に沿って部分反射する。このような構成は、長い測定範囲を実現できる本発明に基づく可変波長光発生装置によって可能となる。部分反射ミラー(参照光反射素子50)の反射率は数%程度でよいので、試料光路における試料への照射光、試料からの反射又は後方散乱光(信号光45)の減少は少なくて済む。
図12では、参照光反射素子50はファイバ・ソース・カプラ35と走査ミラー36の間に配置しているが、試料光路上で、上記の測定範囲にある位置であればどこでも良い。参照光反射素子50を走査ミラー36と試料37の間に置いた場合は、照射光線の方向の変化に対応して、どのような方向の場合でも一定の反射強度が得られるように反射面を曲面にしても良い。また,部分反射ミラー(参照光反射素子50)の変わりに、広げてコリメートされた光線の中に、極めて小さい全反射プリズムを置いても良い。<試料光路の照射光の一部を試料光路に沿ってもどす部分反射機構>のすべてが、特許請求の範囲に含まれる。
部分反射された光と試料からの反射および後方散乱光は干渉し、光検出手段としての光検出器9で検出される光の強度は式(26)となる。
Figure 0003796550
ここでL は、部分反射ミラー(参照光反射素子50)の位置と測定する試料37の位置との距離(光路に沿う距離)である。光検出器9の出力はアンプ49で増幅され、各波数knごとに計算機41に記憶される。計算機41では、アンプ49の出力データに基づき、計算処理によって、試料37の断層像を構築し、更には複数の前記断層像を構築して、試料37の断層像の動画を構築する。式(26)は式(7)と同じ関数形であり、強度の直流成分にあたるIr+Isを計算機41で引き算した残りの干渉項
Figure 0003796550
から、試料の深さ方向の反射率を深さの関数として求める処理は、<実施の形態例1>で詳述した内容と同じである。
<実施の形態例5>
図13は、図12に示した実施例に、試料の偏光特性の断層像を測定可能にする発明を図示したものである。
可変波長光発生装置31の出力光の偏光は、通常直線偏光しているが、直線偏光していない場合は、偏光素子52で直線偏光させてオプティカルサーキュレータ34に光を導く。オプティカルサーキュレータ34は入力光を試料光路に導き、光ファイバ47の端面から出た光は、ファイバ・ソース・カプラ35で平行光とされる。
ファイバ・ソース・カプラ35を出た光の一部は、第一の波長板53と参照光反射素子50で構成される試料光路において、所望の偏光特性を持たせて前記試料光路に沿って一部の光を反射する部分反射機構58により、所望の偏光特性を持つ参照光として試料光路に沿って反射される。所望の偏光特性の一例としては、第一の波長板53として1/4波長板を用い、波長板の軸の方向を入力光の直線偏光の方向に対し22.5度(π/8)ラジアン傾ける。この場合は部分反射された光は、入力光の偏光方向に対して45度(π/4ラジアン)傾く直線偏光になる。この光を、オプティカルサーキュレータ34を通して光検出光路48に導き、偏光ビームスプリッタ55の軸に対して45度直線偏光方向が傾くように入力すれば、偏光ビームスプリッタ55の2つの偏光方向に対して、参照光強度が同じ値で配分される。これと同等の効果は、第一の波長板53を用いないで部分反射ミラー(参照光反射素子50)で直線偏光した入力光を部分反射し、その反射光の直線偏光の方向に対して45度軸が傾くように偏光ビームスプリッタ55を配置しても良い。“所望の偏光特性”という幅広い表現を用いたのは,このように、入力光の偏光状態、試料光偏光特定機構の偏光特性、検出に用いる偏光ビームスプリッタとの組み合わせによって、様々な変化をもたせ得るからである。参照光反射素子50と試料37との距離の条件は、上述の実施の形態例4に述べたとおりである。
参照光反射素子50を透過した照射光は、<所望の偏光特性を持たせた後試料に照射する試料光偏光特定機構>として図13では、1/4波長板である第二の波長板54を通して試料37に照射されている。照射光は走査ミラー36、フォーカシングレンズ51を介して試料37に照射される。<所望の偏光特性>としては、円偏光にして試料に照射することが、後の解析で解析が容易になる。しかし、偏光特性が特定されていれば、計算機41の計算処理によって、楕円偏光や直線偏光を含む様々な偏光特性光の試料照射に対して、試料の偏光特性の断層像は構成できる。本発明の<所望の偏光特性を持たせた照射光>は、これらの全てを含むものである。
試料37から反射及び後方散乱された光は、試料光路に沿って戻り、参照光と一緒にオプティカルサーキュレータ34によって、光検出光路48に導かれ、偏光ビームスプリッタ55によって、直行する2方向の成分の光に分けられ、それぞれ光検出手段としての光検出器9で検出され、第一のアンプ56と第二アンプ57で増幅され、計算機41に波数kn毎に記憶される。計算機41では、アンプ49の出力データに基づき、計算処理によって、試料37の偏光特性を示す断層像を構築し、更には複数の前記断層像を構築して、試料37の断層像の動画を構築する。それぞれのアンプ56,57の出力強度をI⊥ 及びI=と表すと、それらは次式で表される。
Figure 0003796550
ここで、Ir⊥とIr=は、偏光ビームスプリッタ55の2つの軸方向に入力する参照光の強度であるが、直線偏光する参照光の軸を偏光ビームスプリッタの軸に対して45度傾けて入射させれば、これらは等しい。これらが等しくない場合でも、計算機41の処理によって補正できる。
円偏光した光を照射し、試料が偏光特性が等方的であれば、2つの偏光方向の散乱光Is⊥とIs=は等しい。試料に偏光特性があると、これに差が生じ、この差から試料の偏光特性を決定できる。
この発明は、光干渉トモグラフィ装置に関するものであり、特に従来のOCTでは困難であった制止困難な生体部分の断層観察を行う場合に適用して有用なものであり、また、制止可能な部分の断層観察を行う場合に適用しても有用なものである
本発明の光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置において、波数走査時間とともに漸増するように波数を階段状に切り替える様子を示す図である。 本発明の光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置において、波数走査時間とともに漸減するように波数を階段状に切り替える様子を示す図である。 本発明の光干渉トモグラフィ用の可変波長光発生装置において,波数走査時間とともに不規則に波数を階段状に切り替える様子を示す図である。 各波数における干渉計の出力光強度を束ねた分光特性を示す図である。 本発明による光干渉トモグラフィ装置の構成例を示す図である。 前記光干渉トモグラフィ装置においてコヒーレント干渉波形を合成した例を示す図である。 人の爪を測定対象として断層撮影した結果を示す図である。 測定可能範囲の説明図である。 OCDR−OCTの測定原理である。 OCDR−OCT装置の構成図ある。 前記OCDR−OCT装置において得られる干渉パターン(コヒーレント干渉波形)を示す図である。 OFDR−OCT装置の構成図である。 前記でOFDR−OCT装置において得られるフリンジ(空間的な干渉模様)を示す図ある。 光の光路を分割しないOFDR−OCT装置の構成図である。 光の光路を分割しないOFDR−OCTにおいて、偏光測定を行う装置の構成図である。
符号の説明
1 試料(生体)
2 測定光
3 組織境界面
4 反射光
5 光源
6 マイケルソン干渉計
7 ビームスプリッタ
8 参照光ミラー
9 光検出器
10 参照光
11 信号光
12 検出器の出力
13 参照光ミラーの移動距離
14 光路長が一致した付近
15 干渉パターン
16 CCD
17 試料表面
18 測定光
19,20 シリンドリカルレンズ
21 グレーテイグ
22 フリンジ
31 可変波長光発生装置
32 第一のカプラ
33 第二のカプラ
34 オプティカルサーキュレータ
35 ファイバ・ソース・カプラ
36 走査ミラー
37 試料
38 第三のカプラ
39 第一の差動アンプ
40 第二の差動アンプ
41 計算機
42 光検出器
43 Logアンプ
44 エイミング・ライト・ソース
45 信号光
46 参照光
47 光ファイバ
48 光検出光路
49 アンプ
50 参照光反射素子
51 フォーカシングレンズ
52 偏光素子
53 第一の波長板
54 第二の波長板
55 偏光ビームスプリッタ
56 第一のアンプ
57 第二のアンプ
58 部分反射機構

Claims (13)

  1. 波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を第一の光線と第二の光線に分割する手段と、第一の光線を測定対象に照射する手段と、前記測定対象によって反射又は後方散乱された第一の光線と第二の光線を合波する手段と、前記合波する手段によって合波された出力光の強度を前記可変波長光発生装置の波数毎に測定する手段と、前記測定する手段によって前記波数毎に得られる前記出力光の強度の集合から第一の光線が測定対象によって反射され又は後方散乱された位置又は位置と強度を前記測定対象の深さ方向に対して特定する手段とを有することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置。
  2. 前記第一の光線を測定対象に照射する手段が、第一の光線の前記測定対象に対する照射位置を走査可能であり、
    且つ、前記特定する手段によって特定された情報と前記照射位置に関する情報に基づいて、前記測定対象の断層像を構築する手段を有することを特徴とする請求項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  3. 前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換するものであることを特徴とする請求項又は請求項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  4. 前記特定する手段が、前記出力光の強度と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換して絶対値をとるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  5. 測定対象の複数の断層像を構築することによって、測定対象の断層像の動画を構築する手段を有することを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  6. 波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路の前記出力光の一部を前記試料光路に沿ってもどす部分反射機構と、前記試料光路に沿った試料からの反射光又は後方散乱光と前記部分反射機構からの反射光とを光検出手段に導く光検出光路と、前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段とを有し、
    前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記光検出手段の出力を計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、前記試料の断層像を構築することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置。
  7. 波数を階段状に切り替え可能な可変波長光発生装置と、前記可変波長光発生装置の出力光を分割することなく試料に導く試料光路と、前記試料光路において所望の偏光特性を持たせて前記試料光路に沿って一部の前記出力光を反射する部分反射機構と、前記試料光路において部分反射機構を透過した前記出力光を所望の偏光特性を持たせた後試料に照射する試料光偏光特定機構と、試料からの反射光又は後方散乱光と部分反射機構からの反射光とを、入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段に導く光検出光路と、前記入射光を偏光方向が直交する二成分に分割する手段の2つの出力をそれぞれ光検出する手段と、前記試料に照射される前記出力光の位置を走査する手段を有し、
    前記可変波長光発生装置の波数毎に検出した前記光検出する手段の出力をそれぞれ計算機に取り込み、計算機の計算処理によって、試料の偏光特性を示す断層像を構築することを特徴とする光干渉トモグラフィ装置。
  8. 前記計算処理が、前記出力と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換することを特徴とする請求項又は請求項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  9. 前記計算処理が、前記出力と前記波数からなる実数の組合せをフーリエ変換して絶対値をとるものであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  10. 前記計算機では、複数の前記断層像を構築して、前記試料の断層像の動画を構築することを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  11. 前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として可変波長レーザを用いることを特徴とする請求項乃至請求項10の何れか1項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  12. 前記可変波長光発生装置を構成する発光素子として超周期構造回折格子分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする請求項乃至請求項11の何れか1項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
  13. 前記可変波長光発生装置を構成する発光素子としてサンプルド・グレーティング分布反射型半導体レーザを用いたことを特徴とする請求項乃至請求項11の何れか1項に記載の光干渉トモグラフィ装置。
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