JP6066582B2 - 検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象に特定波長の光線を照射し、吸光度を利用して測定対象の分析を行う検出装置に関する。
従来から、各種接着剤や粘着剤の材料としては、例えば、ウレタン樹脂にイソシアネート化合物よりなる硬化剤を含有させたものが知られており、当該硬化剤であるイソシアネート化合物の分析には、FT−IR装置(フーリエ変換赤外分光光度計)が使用されている。
FT−IR装置により赤外線を被測定物に照射すると、当該被測定物の構成材料の分子の原子間振動エネルギーに相当する赤外線を吸収するため、反射光からこの吸収度合いを調べることによって、被照射物の構造の推定や定量を行うことができる。
一方、近年においては、特に粘着テープ用の糊材として、アクリル系粘着剤に硬化剤としてイソシアネート化合物を添加したものが主流となる傾向があり、粘着テープの糊材中のイソシアネート化合物の有無や具体的な含有量を特定することは、粘着テープの特性を検証するために重要である。
所定の波長域の赤外線を照射して、測定対象の分析を行う装置としては、従来から、リアルタイムでポリウレタン硬化反応の分析を行うFT−IR装置(例えば、非特許文献1参照)や、ポリウレタン系接着剤の構造解析を行うFT−IR装置(例えば、非特許文献2参照)が、提案されている。
また、被照射物に光を照射して反射光を受光し、被測定物の表面と裏面からの反射光を受光し、位相差から膜厚を検出するFT―IR装置についての提案もなされている(例えば、特許文献1参照)。
Thermo Fisher Scientific:Dr. M. Bradley 他) SCAS(住化分析センター資料)
特開2004−226178号公報
しかしながら、非特許文献1、2に開示されているFT−IRを用いる方式は、微少な範囲を検出し解析するにとどまり、しかも、いずれもオフラインでの検出を行っており、測定値から構造解析を行うためには、さらに煩雑な処理を行わなければならず、実用上効率的に劣っているという問題を有している。
また、特許文献1に開示されているFT−IR装置は、比較的短波長領域を含む広範囲の波長の赤外線を出射する光源を具備しており、特定の成分の検出等の目的で使用することを可能としてはいるが、短波長から長波長全域での吸収量測定に時間を要することから、異なった対象物を瞬時に検査することは困難であるという問題を有しており、粘着テープ塗工設備などのインラインで硬化剤を検出する用途には適さない。
そこで本発明においては、照射波長を測定対象に応じて選択される長波長側にも調整可能とし、かつ被測定物の吸光度から被測定物中の特定成分の含有の有無、さらにはその含有量を、インライン方式にて算出可能とした、検出装置を提供することを課題とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、被測定物に特定波長の赤外線を照射し、反射光を受光する「照射受光機構」と、当該「照射受光機構」を駆動させ、かつ照射受光機構から得られる情報を処理する「制御情報処理機構」とが、情報信号を伝達可能な制御線によって接続されている構成の検出装置を見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
光源と、当該光源から出射される光のうち選択的に特定範囲の波長の光であって、被測
定物を構成する物質の官能基が吸収を有する波長の光を透過するフィルターとを有し、当
該フィルターを介して被測定物に光を照射する照射部と、
前記被測定物の反射光を受光し、受光した当該反射光を電気信号に変換する受光素子を
備える受光部と、
を、具備する照射受光機構と、
前記受光部からの電気信号により吸光度を算出し、当該吸光度に基づいて、前記被測定
物の成分含有量を算出する演算部を具備する制御情報処理機構と、
を、有し、
前記照射受光機構と、前記制御情報処理機構とが、情報信号を伝達する制御線によって
接続されている、検出装置であって、
前記フィルターが、NCO基の吸収波長近傍の赤外線を透過するフィルターであり、
1.2〜2.5μmの波長であって前記被測定物を構成する物質の官能基が吸収を有す
る波長幅の赤外線を照射する他の照射部、又は、1.2〜2.5μmの波長であって前記
被測定物を構成する物質の官能基が吸収を有する波長幅の赤外線を選択的に透過する他の
フィルターをさらに有し、
前記他の照射部から、又は前記他のフィルターを介して、出射された赤外線の反射光を
変換した前記電気信号によって、前記演算部で、前記被測定物の厚みを算出する、検出装
置。
〔2〕
前記被測定物と前記照射部との相対的な位置を調整する位置制御部を、さらに具備し、
前記位置制御部は、前記制御情報処理機構と、情報信号を伝達する制御線によって接続
されており、
前記被測定物と前記照射部との相対的な位置関係は、前記制御情報処理機構から前記位
置制御部へ送信される情報信号によって制御される、前記〔1〕に記載の検出装置。
〔3〕
前記受光素子が、PbSe受光素子である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の検出装置。
〔4〕
前記NCO基の吸収波長が4.4μmである、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の検出装置。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の検出装置を用いた、被測定物を分析する方法であって、
NCO基の吸収波長近傍の赤外線を前記被測定物に照射し、得られた反射光を変換した電気信号によって、前記被測定物中の対象成分含有量を算出し、
前記NCO基の吸収波長よりも短波長の赤外線を前記被測定物に照射し、得られた反射光を変換した電気信号によって、前記被測定物の厚みを算出する、分析方法。
〔6〕
前記被測定物が、イソシアネート化合物を硬化剤とするアクリル系樹脂である、前記〔5〕に記載の分析方法
本発明によれば、被測定物中の特定成分の含有量や、被測定物の厚みを、高精度かつ迅速に測定することが可能な検出装置が得られる。
本実施形態の検出装置の概略構成図を示す。 イソシアネート系化合物の吸収波長スペクトル分布図を示す。 バンドパスフィルターの光透過率分布図を示す。 ロングパスフィルターの光透過率分布図を示す。 硬化剤の濃度と受光強度との関係を示す。 粘接着剤中の硬化剤含有量ごとの、吸収波長分布図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、図を参照して詳細に説明する。本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、各図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
〔検出装置〕
(構成)
本実施形態の検出装置は、
光源と、当該光源から出射される光のうち選択的に特定範囲の波長の光であって、被測定物を構成する物質の官能基が吸収を有する波長の光を透過するフィルターとを有し、当該フィルターを介して被測定物に光を照射する照射部と、
前記被測定物の反射光を受光し、受光した前記反射光を電気信号に変換する受光素子を備える受光部と、
を、具備する照射受光機構と、
前記受光部からの電気信号により吸光度を算出し、当該吸光度に基づいて、前記被測定物の成分含有量を算出する演算部を具備する制御情報処理機構と、
を、有し、
前記照射受光機構と、前記制御情報処理機構とが、情報信号を伝達する制御線によって接続されている検出装置である。
図1に、本実施形態の検出装置1の一例の概略構成図を示す。
本実施形態の検出装置1は、所定の波長範囲の赤外線を測定対象に照射し、かつ反射光を受光し、センサーとして機能する照射受光機構10と、当該照射受光機構10により得られた受光した反射光に応じた所定の情報に基づいて、前記照射受光機構10、後述するトラバース装置15と制御信号を送受信し、前記照射受光機構10からの検査信号、トラバース装置15からの位置情報信号を受信し、データ処理を行う、制御情報処理機構20とにより構成されている。
(照射受光機構(センサー))
前記照射受光機構10は、被測定物2に対して光を出射する光源と、選択的に特定範囲の波長の光のみを透過するフィルターとにより構成される照射部11と、当該照射部11と、前記被測定物2からの反射光を受光する受光部12とを、具備している。
前記照射部11を構成する光源としては、例えば、従来公知のタングステン電球や、発光ダイオード等を使用することができる。
前記照射部を構成するフィルターは、被測定物2の測定対象によって適宜選択することができる。
すなわち、被測定物2の材料特性、例えば官能基の特定波長範囲の吸収率を利用して当該被測定物2の構造を特定したり、含有率を測定したりすることを目的とする場合には、当該官能基の吸収波長領域の光のみを透過するフィルターを使用することが有効である。
例えば、被測定物2をアクリル樹脂系粘着剤、具体的には当該アクリル樹脂系粘着剤が塗工されている粘着テープとし、当該アクリル樹脂系粘接着剤中の硬化剤であるイソシアネート系化合物の含有量を測定対象とする場合を例として説明する。
アクリル樹脂系粘着剤は、アクリル酸及びその誘導体を主成分とし、イソシアネート基(NCO基)を有する化合物を硬化剤としたとき、これとの重合反応により粘接着性を発揮するものである。
粘接着テープの特性の検証のためにも、アクリル樹脂系粘接着剤中の、イソシアネート化合物の含有量を測定することは実用上重要である。
図2に、硬化剤であるイソシアネート系化合物の吸収波長スペクトル分布図を示す。
横軸は波長、縦軸は透過率を示す。
図2に示すように、イソシアネート系化合物は、NCO基により波長4.4μm近傍の光に対し、強い吸収を示す。
これにより、アクリル樹脂系粘接着剤中の硬化剤成分であるイソシアネート系化合物の含有量を検出することを目的とする場合、光源から出射される光のうち、波長4.4μm近傍の赤外線のみを選択的に透過するフィルターを用いることが好適である。
このようなフィルターとしては、まず、4.4μm近傍の波長の赤外線を選択的に透過するバンドパスフィルターを用いることが好ましい。
図3に当該バンドパスフィルターの光透過率分布図を示す。
横軸は波長、縦軸は光透過率を示す。
図3に示すように、当該バンドパスフィルターは、波長4.4μm近傍の光に対し、高い透過率を有している。
一方、図2に示すように、イソシアネート系化合物は、波長4.4μm近傍の赤外線以外の短波長領域の光に対しても吸収を示している。そこで、かかる短波長領域の光が被測定物2に照射されないように、前記バンドパスフィルターに、前記短波長領域の光を遮断するロングパスフィルターを積層し、併せてフィルターを構成ようにすることが好ましい。
図4に、当該ロングパスフィルターの光透過率分布図を示す。
横軸は波長、縦軸は光透過率を示す。
図4に示すように、ロングパスフィルターは、短波長領域の光に対して透過率が略ゼロであり、効果的に短波長領域の光を遮断することができる。
上述したように、被測定物2中の特定の成分の有無や含有量を測定することを目的とする場合、測定対象の吸収波長を選択的に透過するフィルターを用いるものとし、例えば、アクリル樹脂系粘着剤中の硬化剤であるイソシアネート系化合物の含有量を測定する場合、NCO基が吸収を有する4.4μm近傍の波長の赤外線のみを選択的に透過するフィルターを用いることが好ましい。
図1に示すように、照射受光機構10は、被測定物2との相対的な位置関係を調整可能な位置制御部15、いわゆるトラバース装置を具備していてもよく、この場合、当該位置制御部15に所定の動作命令を入力することによって駆動させるトラバース操作盤16と、モータードライブ配線L1によって接続されている構成とすることができる。
トラバース操作盤16は、図1中、後述する制御情報処理機構20と制御線L3により電気的に接続されており、前記制御情報処理機構20から制御線L3を介して送信される動作信号によって、所定の動作命令を位置制御部15に送信するようになされている。
前記受光部12は、被測定物2からの反射光を受光し、当該受光光を電気信号に変換する受光素子を具備している。
前記受光素子は、被測定物からの反射光の強弱に応じて変化する電流や電圧を電気信号に変換するため、測定対象、すなわち所望の検出波長に応じて選択することが好ましい。例えば、PbSe受光素子は1.2〜4.8μm、Siフォトダイオードは0.3〜1.1μm、PbS受光素子は1.2〜3.0μmの波長幅の受光光に好適である。
(制御情報処理機構)
前記照射受光機構10は、前記受光部12の受光素子によって変換された電気信号を送信するための制御線L2、L3を介して、当該電気信号を元に各種計算を行う機能を有するプログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller、PLC)である演算部21を具備する制御情報処理機構20と電気的に接続されている。当該演算部21によって、前記電気信号から吸光度を算出し、さらには被測定物2の成分含有量が算出されるようになされている。
また、前記演算部21は、被測定物2の成分含有量の算出の際に使用する検量線の情報を提供する検量線設定手段22や、演算部21によって算出されたデータを処理するデータ処理手段23等と、制御線L4、L5を介して接続されている。
演算部21には、照射情報機構10からの送信された被測定物2に関するデータを処理するセンサーデータ処理ソフトが組み込まれている。これにより、照射情報処理機構(センサー)10からの信号を受信し、データ処理を行い、被測定物2の特定の測定対象の量、例えば硬化物の濃度情報に変換する。
また、演算部21には、トラバース制御ソフトが組み込まれているものとすることができる。これにより照射情報処理機構(センサー)10及び位置制御部(トラバース装置)15との間で制御信号を送受信させ、照射情報処理機構10からの検査信号や、位置制御部15からの位置信号に応じてデータ処理を行い、相互の位置関係を制御することができる。
制御情報処理機構20は、制御線L6、L8、L9を介して所定の電源30及び外部電源31と接続されており、電力の供給を受けている。
さらに、演算部21は、前記位置制御部15による動作命令のための信号を入出力する機能を有しており、当該動作命令に関する信号は、制御線L3を介してトラバース制御盤16に送信され、さらに制御線L2を介して照射部11や受光部12に送信され、被測定物2との相対的な位置関係を制御するようになされている。
さらにまた、演算部21は、被測定物2の切り替わり情報であるカット信号、被測定物2の搬送速度情報であるロール速度信号、被測定物2の搬送停止情報であるライン停止信号等、所定の動作信号を入力する信号入力機構40と、制御線L7を介して接続されており、当該信号入力機構40により入力された所定の動作信号が、制御線L3、L2を介して照射受光機構13側に送信されることにより、前記フィルターの設置状態や、被測定物2の動作状態、反射光測定の開始、継続、停止等を制御するようになされている。
〔検出装置を用いた検出方法〕
次に、上述した本実施形態の検出装置を用いた、検出方法について、図1を参照して説明する。
なお、下記においては、被測定物2として、イソシアネート系化合物の硬化剤を含有するアクリル樹脂系粘着剤を具備する粘着テープを用い、当該粘着剤中の硬化剤の含有量を測定する例について説明するが、本実施形態の検出装置は、測定対象を以下に限定するものではない。
まず、照射部11から上述したフィルターを介して、4.4μm近傍の波長の赤外線を前記被測定物2に照射する。
このとき、フィルターは、所定のモーターにより回転させ、波長の異なる赤外線を断続的にパルス波にて照射するようにしてもよい。
前記位置制御手段15を、制御情報処理機構20から送信した駆動信号に従って、位置操作盤16により動作させ、光源11と被測定物2との相対的な位置を制御する。
このとき、位置制御手段15を、縦方向、横方向(x軸方向、y軸方向)に動作させることにより、被測定物2の面内における、測定対象の分布を測定することもできる。
前記4.4μm近傍の波長の赤外線は、図2に示すように、イソシアネート化合物のNCO基により選択的に吸収されるため、反射光は減衰する。当該反射光を所定の凹面鏡(図示せず)にて集光して受光部12により受光する。
受光した赤外線を電気信号に変換し、照射波長ごとにデジタル化し、吸光度信号とする。
リファレンス用の被測定物として、前記イソシアネート化合物の硬化剤を含有しない前記アクリル系粘着剤の塗液、及び濃度既知のイソシアネート系の硬化剤を含有するアクリル系粘着剤の塗液を調製し、離型フィルムに塗工して、それぞれ粘着テープを作製し、同様に吸光度信号を得る。
前記受光素子により変換された吸光度信号を、制御線L2、L3を介して制御情報処理機構20に送信し、前記リファレンス用の被測定物の吸光度信号を検量線として、演算部21により、吸光度信号の比較により、前記被測定物のアクリル系粘着剤中の、硬化剤の含有量を算出する。
図5に、硬化剤の量(g/m2)と、受光強度との関係を示す。図5に示すように、硬化剤の量が多くなるに従い、前記4.4μm近傍の波長の赤外線は被測定物2により吸収され、受光強度は弱くなる傾向がある。かかる傾向を利用し、受光光を吸光度信号化することにより硬化剤の含有量が算出できる。
具体的に、前記硬化剤の濃度を、0質量%、0.5質量%、1.0質量%、1.5質量%とした4種類の粘接着テープ(サンプル1〜4)を作製した。
図6に示すように、粘接着剤のみ(硬化剤濃度0.0質量%、図6中、実線で示す。)の吸収スペクトルと、硬化剤の濃度の異なる三種類、すなわち、硬化剤濃度0.5質量%(図6中、破線で示す。)の吸収スペクトル、硬化剤濃度1.0質量%(図6中、一点鎖線で示す。)の吸収スペクトル、硬化剤濃度1.5質量%(図6中、二点鎖線で示す。)の吸収スペクトルを比較すると、先ず、硬化剤の有無によって、明らかに、4.4μm近傍で吸収量に顕著な差が見られる。
また、濃度差によりピークの高さの違いが検出され、これを利用することにより、容易に濃度を算出することができる。
〔検出装置を用いた膜厚の測定方法〕
本実施形態の検出装置は、上述したように、アクリル系粘着剤中の、イソシアネート化合物硬化剤の含有量の他、被測定物の膜厚を測定する装置として利用できる。
図1に示す構成の検出装置において基本的な構造は同様とするが、照射部11として、例えば上述した4.4μm近傍の波長の赤外線よりも短波長、具体的には1.2μm〜2.5μmの赤外光を照射可能な光源、必要に応じてフィルターを使用する。
また、被測定物2としては、前記波長領域に吸収を有する官能基、例えば、OH基(1.9μm近傍)やCH基(2.3μm近傍)を具備する材料により形成されているものを使用する。
測定対象は、当該被測定物の厚みとする。
所定の波長の赤外線が、物質(官能基)に固有の波長を吸収する特性、及びその量、すなわち、被測定物の厚みにより、吸収量が変化する性質を利用して、吸収により減衰した反射光を受光素子により受光し、受光光強度に応じた電流、電圧の変化により受光信号に変換し、当該受光信号を演算部によって算出し、膜厚に換算する。
本実施形態の検出装置において、上述した4.4μm近傍の赤外線を照射する照射部と、上記のような、被測定物を構成する物質(官能基)が吸収を有する波長の赤外線を照射する照射部とを、両方具備する構成とすることにより、アクリル樹脂系粘着剤中のイソシアネート化合物よりなる硬化剤の含有量は長波長の赤外線を照射することによって測定可能であり、膜厚は上記4.4μmよりも短波長の所定の波長の赤外線を照射することによって測定可能となり、極めて実用上の利便性の高い検出装置とすることができる。
また、単一の光源を具備する構成の検出装置においても、特定波長を透過する複数種類のフィルターを、適宜用い、照射する赤外線の波長幅を調整するようにしてもよい。
すなわち、アクリル樹脂系粘着剤中のイソシアネート化合物よりなる硬化剤の含有量を測定対象とする場合には、長波長領域の光を超過するフィルターを用いればよく、測定対象の膜厚を測定対象とする場合には、当該測定対象の材料が具備する官能基に応じた波長幅の光を透過するフィルターを用いればよい。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例〕
<被測定物>
アクリル樹脂系粘接着剤(綜研化学社製 SKダイン)にイソシアネート化合物よりなる硬化剤(日本ポリウレタン社製 CORONATE L) を添加した塗液を調製し、離型フィルム(東レフィルム加工社製 セラピール) に塗工し、粘接着テープを作製し、被測定物とした。
<検出装置>
光源と後述するフィルターを有する照射部11と、受光部12とを有する照射受光機構10を備える検出装置として、(株)チノー社製 多成分計測装置(IRMD5252)を用い、これに、位置制御手段15としてトラバーサー装置、さらには前記照射受光機構10から送信された信号を受信し、当該信号を元に各種計算を行うプログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller、PLC)である演算部21を具備する制御情報処理機構20とを組み合わせ、図1に示す構造のインライン型の検出装置を得た。
<フィルター>
前記検出装置の照射部を構成する、透過波長に選択性を有するフィルターとしては、1.5mmのサファイアガラスに、4.4μm近傍の波長を透過するバンドパスフィルター(チノー社製 バンドパスフィルター)、及び不要な短波長域の光を遮断するロングパスフィルター(チノー社製 ロングパスフィルター)を蒸着した光学フィルターを用いた。
<測定方法>
先ず、照射部11において、光源からフィルターを介して4.4μm近傍の波長の赤外線を前記被測定物に照射した。
なお、前記フィルターは、所定のモーターにより回転することにより波長の異なる赤外線を断続的に、パルス波にて照射した。
また、前記位置制御手段15を、位置操作盤16により操作し、照射部11と被測定物2との相対的な位置を制御した。
前記4.4μm近傍の波長の赤外線は、前記被測定物の接着剤中の硬化剤成分の官能基(NCO基)の振動により吸収されるため、これにより減衰した反射光を、所定の凹面鏡(図示せず)にて集光して受光素子12により受光した。
当該赤外線を、受光素子(図示せず)にて電気信号に変換し、照射した各波長ごとにデジタル化し、吸光度信号とした。
リファレンス用の被測定物として、前記イソシアネート系の硬化剤を含有しない前記アクリル系粘着剤の塗液、及び濃度既知のイソシアネート系の硬化剤を含有するアクリル系粘着剤の塗液を調製し、離型フィルムに塗工して、それぞれ粘着テープを作製し、同様に吸光度信号を得た。
前記各々の吸光度信号を制御情報処理機構20に送信し、前記比較用測定物の吸光度信号を検量線として、演算部21により、吸光度信号の比較により、前記被測定物であるアクリル系粘着剤中のイソシアネート化合物の硬化剤濃度を算出した。
実施例の検出装置によれば、粘着剤中のイソシアネート化合物の含有量を、高精度かつ迅速に測定できた。
〔比較例1〕
FT−IR装置(PERKIN ELMER社製 Spectrum Two)を用いて、前記〔実施例1〕と同様の被測定物を用い、透過率の測定を行った。
測定の際、被測定物を所望の形状に加工したり、光照射部との位置関係を調整しながら設置したりする作業や、得られた測定値からさらに吸光度を算出し、かつ吸光度を既存のデータベースと比較し、構造分析を行う過程において、多大な時間を要した。
〔比較例2〕
特開2004−226178号公報の、図1に開示されている構成の、分光式厚さ計測装置を用いて、前記〔実施例1〕と同様の被測定物を用い、透過率の測定を行った。
900〜1200nmの短波長域の光源であるため、測定ピークが微小となり、測定精度が極めて低いものとなった。
本発明の検出装置は、アクリル系樹脂中のイソシアネート化合物硬化剤の含有量の測定や、単一の材料組成により形成されている膜の厚み測定装置として、産業上利用可能性を有している。
1 検出装置
2 被測定物
10 照射受光機構(センサー)
11 照射部
12 受光部
15 位置制御部(トラバース装置)
16 位置操作盤(トラバース操作盤)
20 制御情報処理機構
21 演算部
22 検量線設定手段
23 データ処理手段
30 電源
31 外部電源
40 信号入力機構
L1 モータードライブ配線
L2〜L9 制御線

Claims (6)

  1. 光源と、当該光源から出射される光のうち選択的に特定範囲の波長の光であって、被測
    定物を構成する物質の官能基が吸収を有する波長の光を透過するフィルターとを有し、当
    該フィルターを介して被測定物に光を照射する照射部と、
    前記被測定物の反射光を受光し、受光した当該反射光を電気信号に変換する受光素子を
    備える受光部と、
    を、具備する照射受光機構と、
    前記受光部からの電気信号により吸光度を算出し、当該吸光度に基づいて、前記被測定
    物の成分含有量を算出する演算部を具備する制御情報処理機構と、
    を、有し、
    前記照射受光機構と、前記制御情報処理機構とが、情報信号を伝達する制御線によって
    接続されている、検出装置であって、
    前記フィルターが、NCO基の吸収波長近傍の赤外線を透過するフィルターであり、
    1.2〜2.5μmの波長であって前記被測定物を構成する物質の官能基が吸収を有す
    る波長幅の赤外線を照射する他の照射部、又は、1.2〜2.5μmの波長であって前記
    被測定物を構成する物質の官能基が吸収を有する波長幅の赤外線を選択的に透過する他の
    フィルターをさらに有し、
    前記他の照射部から、又は前記他のフィルターを介して、出射された赤外線の反射光を
    変換した前記電気信号によって、前記演算部で、前記被測定物の厚みを算出する、検出装
    置。
  2. 前記被測定物と前記照射部との相対的な位置を調整する位置制御部を、さらに具備し、
    前記位置制御部は、前記制御情報処理機構と、情報信号を伝達する制御線によって接続
    されており、
    前記被測定物と前記照射部との相対的な位置関係は、前記制御情報処理機構から前記位
    置制御部へ送信される情報信号によって制御される、
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記受光素子が、PbSe受光素子である、請求項1又は2に記載の検出装置。
  4. 前記NCO基の吸収波長が4.4μmである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出装置を用いた、被測定物を分析する方法であって、
    NCO基の吸収波長近傍の赤外線を前記被測定物に照射し、得られた反射光を変換した電気信号によって、前記被測定物中の対象成分含有量を算出し、
    前記NCO基の吸収波長よりも短波長の赤外線を前記被測定物に照射し、得られた反射光を変換した電気信号によって、前記被測定物の厚みを算出する、分析方法。
  6. 前記被測定物が、イソシアネート化合物を硬化剤とするアクリル系樹脂である、請求項
    に記載の分析方法。
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