JP3578470B2 - 混酸の濃度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光の吸収を利用して混酸中の酸の濃度を検出する混酸の濃度測定方法および濃度測定装置に関し、より詳しくは、半導体や液晶表示装置等の製造工程においてプロセス用薬剤として使用される混酸の濃度測定方法および濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体や液晶表示装置等の製造工程において、使用するプロセス用薬剤水溶液に含まれる薬剤の濃度を正確、簡単かつ迅速に測定することは、これら製造分野において広く要請されている課題である。
【0003】
半導体の分野におけるシリコンウエハ洗浄工程やフォトエッチング工程あるいは液晶表示装置の製造工程等で使用されている酸(フッ酸、硝酸、酢酸、リン酸、塩酸、硫酸等)の混合物等の処理液に関しては、製品の歩留の向上、安全性や作業効率等の観点から、これら処理液中の酸の濃度管理が不可欠であり、そのための濃度分析とこの濃度分析に基づいて所定の濃度となるように酸を自動的に供給する自動化が要請されている。
【0004】
しかしながら、この種の処理液は、有機化合物の定性や定量に一般に利用されている赤外線特性吸収を示さない無機電解質であるため、その濃度分析には、従来より、イオンクロマトグラフィーによる分析法やイオン選択性電極等の電極を利用した電気化学的な分析法が使用されている。
【0005】
また、酸の単成分系の濃度測定法としては、中和滴定などの化学的湿式法が従来より周知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、イオンクロマトグラフィーによる分析法やイオン選択性電極等の電極を利用した電気化学的な分析法では、濃度分析を行なう処理液を希釈する等の処理液の前処理が必要であり、一検体当たりの処理時間が長く連続的に複成分同時定量することができないばかりでなく、他の成分の影響を受けやすく安定性に欠け、通常、数10ppmのオーダ以下の低濃度しか測定できないという問題があった。
【0007】
また、中和滴定などの化学的湿式法でも、分析試薬および被検試料の前処理や後処理を必要とし、連続的に複成分同時定量することができず、分析が面倒で処理時間も長くかかるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、半導体や液晶表示装置等の製造工程においてプロセス用薬剤として使用される混酸中の酸の濃度を複成分連続的に正確に同時定量することができる混酸の濃度測定方法を提供することである。
【0009】
本発明のいま一つの目的は、半導体や液晶表示装置の製造ライン等に設置し、プロセス用薬剤として使用される混酸中の酸の濃度を複成分連続的に正確かつ簡便に同時定量することができる混酸の濃度測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イオン水和による無機電解質における近赤外吸収スペクトルの変化に関する以下の考察に基づいてなされたものである。
【0011】
すなわち、無機電解質(酸、アルカリ、塩類等)は、水溶液中では正負のイオンに解離し、正イオンの周囲には水の双極性の負側が配向し、負イオンの周囲には水の双極子の正側が配向する(イオン水和)。イオン水和によって生ずるイオン近傍の水分子とバルクの水分子との間の水素結合の切断や歪み、イオン電場による水分子の分極の変化等によって、水分子自身の結合状態や水素結合した水分子どうしの結合状態が影響を受けるので、無機電解質の近赤外吸収スペクトルは純水の場合とは異なったものとなる。
【0012】
たとえば、塩酸および酢酸の水溶液について、近赤外吸収スペクトルを測定したところ、図8から図13に示すような結果が得られた。これら、図8から図13において、縦軸は、試料水溶液の近赤外吸収スペクトルから、この水溶液に含まれる純水の含有量に相当する純水の近赤外吸収スペクトルを差し引いたスペクトル(以下、差スペクトルという。)を示す。
【0013】
図8は、10mmのセル長を有するセルを用いて、800nmから1400nmまでの塩酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図8中、h,hおよびhは塩酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0014】
図9は、10mmのセル長を有するセルを用いて、800nmから1400nmまでの酢酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図9中、k,kおよびkは酢酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0015】
図10は、1mmのセル長を有するセルを用いて、1200nmから1900nmまでの塩酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図10中、m,mおよびmは塩酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0016】
図11は、1mmのセル長を有するセルを用いて、1200nmから1900nmまでの酢酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図11中、n,nおよびnは酢酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0017】
図12は、0.2mmのセル長を有するセルを用いて、1700nmから2600nmまでの塩酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図12中、p,pおよびpは塩酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0018】
図13は、0.2mmのセル長を有するセルを用いて、1700nmから2600nmまでの酢酸と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示しており、上記図13中、q,qおよびqは酢酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクトルを示す。
【0019】
上記図8ないし図13から分かるように、塩酸、酢酸の水溶液は純水と異なる固有のスペクトルを示している。これは、水の近赤外吸収スペクトルがイオン水和によって変化するためであると考えられる。したがって、この近赤外吸収スペクトルの変化の度合を追跡することにより、間接的にイオン種の濃度の定量が可能で、イオン種自体がいわゆる赤外特性吸収を示す必要はない。
【0020】
本発明は、水の近赤外吸収スペクトルのイオン水和による上記変化に着目してなされたものである。
【0022】
請求項1にかかる混酸の濃度測定装置は、測定対象の混酸に光を透過または反射させ、複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出し、その検出値に基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定する混酸の濃度測定装置であって、光源と、この光源からの光を複数波長の上記光に分光する分光手段と、上記測定対象の混酸が導入されるとともに上記分光手段の光出射側もしくは光入射側の測定光路内に配置されてなる光透過または反射検出用のセルと、このセルを透過または反射した光を受光し、受光した光の強度に応じた光強度信号を発生する受光手段と、酸の濃度が既知の複数の混酸のサンプルについて、800nmないし2600nmの範囲内の複数波長の光の吸光度と混酸の酸の濃度との間の、各吸光度の1次項から高次項を含むとともに、ある波長についての吸光度と次の波長についての吸光度との各乗算またはこれらの高次項の各乗算であるクロス項および定数項を含む吸光度の多次多項式を用いて多変量解析法により求めた検量線式を保持する一方、上記受光手段から出力する上記混酸の透過または反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長の上記光の吸光度から上記検量線式に基づいて混酸中の酸の濃度を演算する濃度演算手段とを備えるとともに、酸の濃度が既知の混酸液を封入した複数のサンプルセルの各々を上記光透過または反射検出用のセルに代えて順次透過または反射光量測定光路内に移動する移動機構を備えていて、移動機構に配置された上記光透過または反射検出用のセルが混酸の導入および導出用のポートの途中に伸縮部を有するチューブにより結合され、これらサンプルの測定データに基づいて酸の濃度測定値を較正するようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項に記載の混酸の濃度測定装置において、上記混酸がフッ酸+硝酸、リン酸+硝酸、フッ酸+硝酸+酢酸、リン酸+硝酸+酢酸、フッ酸+塩酸、硫酸+塩酸もしくは王水のいずれかであることを特徴とする。
【0025】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項またはに記載の混酸の濃度測定装置において、上記セルが光透過型石英セルからなることを特徴とする。
【0026】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項記載の混酸の濃度測定装置において、上記セルがサファイヤもしくは光透過性フッ素樹脂を光透過面に有することを特徴とする。
【0027】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項からのいずれか一に記載の混酸の濃度測定装置において、上記セルが0.1mmないし50mmのセル長を有することを特徴とする。
【0028】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項記載の混酸の濃度測定装置において、上記セルが石英もしくはサファイヤ材質のATRプリズムであることを特徴とする。
【0031】
請求項にかかる混酸の濃度測定装置は、請求項記載の混酸の濃度測定装置において、移動機構に配置された上記光透過または反射検出用のセルが混酸の導入および導出用のポートと上記移動機構の移動量よりも充分長い長さを有するフレキシブルなチューブにより結合されていることを特徴とする。
【0033】
【発明の作用および効果】
また、本発明によれば、光透過または反射検出用のセルを備えてこのセル中に測定対象の混酸を導入し、濃度演算手段により受光手段から出力する混酸の透過または反射光強度信号から、800nmないし2600nmの範囲内の各波長の光の吸光度をそれぞれ演算するとともに、演算した各波長の光の吸光度と、クロス項及び定数項を含む検量線式とに基づいて混酸中の酸の濃度を演算するようにしたから、半導体や液晶表示装置の製造ライン等に設置し、プロセス用薬剤として使用される混酸中の酸の濃度を複成分連続的に正確かつ簡便に同時定量することができ、半導体や液晶表示装置の製造に使用される混酸中の酸の濃度分析および濃度管理を自動化することができ、製品の歩留が向上するとともに安全性や作業効率も向上する。
【0034】
【実施例】
以下に、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明する。本発明の一実施例にかかる混酸の濃度測定装置の構成を図1ないし図3に示す。
【0035】
上記混酸の濃度測定装置は、分光部1、サンプリング部2およびデータ処理部3からなる。
【0036】
(分光部1の構成)
分光部1は、図1に示すように、たとえばタングステン・ハロゲンランプからなる光源4、この光源4からの放射光を集光させる凸レンズ5、この凸レンズ5の焦点位置に配置された絞り6、この絞り6を通過した光を分光する干渉フィルタ7を保持する回転円板8、この回転円板8の干渉フィルタ7を透過した光を集光させる凸レンズ9、上記サンプリング部2により混酸が導入され、上記凸レンズ9により集光された光が透過するサンプリング部2のフローセル11を透過した光を集光させて受光素子12に入射する凸レンズ13およびこの凸レンズ13から入射する光を光電流に変換する上記受光素子12を備える。
【0037】
上記回転円板8は、各々がたとえば次に述べるようにして選択された透過波長を有する干渉フィルタ7を等角度間隔で保持しており、駆動モータ14により、たとえば1000rpmで回転駆動される。
【0038】
上記干渉フィルタ7は、水の特性吸収帯が顕著にあらわれる近赤外域において、特定成分の濃度変化に対してスペクトルの変動が大きく、他成分の妨害や干渉の影響が少ない波長を有するものが選択される。
【0039】
具体的には、図8ないし図13からも明らかなように、水の特性吸収帯である980nmとその近傍、1200nmとその近傍、1460nmとその近傍、1940nmとその近傍、2500nmとその近傍において、近赤外吸収スペクトルの変動は、各イオン種によって固有のスペクトルを与える。また、酢酸に関しては、1680nm,1720nm,2260nm,2480nm,2510nmに特性吸収がある。
【0040】
そこで、上記干渉フィルタ7としては、これら波長の光を含む800nmないし2600nmの範囲の波長のうちから、濃度を測定する混酸に応じて、たとえば8つの波長を選択し、これら8つの波長の光をそれぞれ透過させるものを8枚使用する。
【0041】
なお、上記のような干渉フィルタ7およびフローセル11を使用したものに代えて、たとえば図5および図6に示すようなATRセル15を用いることもできる。このATRセル15は、PTFE樹脂16とサファイアのATRプリズム17との間にカルレッツ等のフッ素樹脂ゴム18を挟み、全体をステンレス製の枠体19に挿入し、押え板21を介してねじ22により上記ATRプリズム17を押え込むことにより、混酸のシールを行っている。サファイアの上記ATRプリズム17は、混酸に接しており、その部分へ光を全反射させる。このATRセル15は1回反射のものであるが、ATRプリズム17の厚み、長さ、入射角を適度に変更することにより、多重反射も可能である。
【0042】
ところで、図1の混酸の濃度測定装置では、長時間にわたる使用により、設置されている環境変化等により、測定データに生じるずれを較正するため、たとえば図2に示すような構成を有する較正機構部23を有する。上記したフローセル11は、この較正機構部23の保持板24に、濃度既知の混酸が封入されたセル25とともに保持される。
【0043】
上記保持板24は、フローセル11およびセル25の保持位置のほぼ中央部に、これらフローセル11もしくはセル25を透過した光が通過するための孔24aを有する。上記保持板24は、ベース板26上にて互いに対向してこのベース板26に垂直に固定された支持板27,28の間に上下に平行に支持された案内部材31,32と、この案内部材31,32にスライド自在に外嵌するスライド支持部材33とにより、図1の分光部1の凸レンズ5,9,13の光軸に垂直な方向である図2において矢印Xで示す方向に、移動自在に支持される。
【0044】
上記保持板24にはラック34が取着されるとともに、このラック34にはピニオン35が噛合しており、このピニオン35に固定されたギヤ36は、ステッピングモータ37の出力軸37aに固定したギヤ38に噛合する。上記ステッピングモータ37は、図1に示す駆動回路39により駆動されて上記保持板24の位置を切り換え、たとえば一定時間間隔で、図1の分光部1の凸レンズ9から凸レンズ13に至る光路に、フローセル11に代えてセル25を挿入する。後述するように、このときの測定値をもとに、フローセル11の測定データが較正される。
【0045】
上記フローセルの下端部は、図2に示すように、フレックスチューブ41により、支持板28に取着された混酸のサンプルの供給ポート42に接続され、また、上記フローセル11の上端部は、フレックスチューブ41により、上記フローセル11を通過した混酸のサンプルの出口ポート43に接続される。
【0046】
較正時に保持板24が移動できるようにするため、上記フレックスチューブ41はその途中をスパイラル状とし、上記保持板24の移動を吸収するようにしている。
【0047】
なお、フローセル11と上記供給ポート42および出口ポート43を接続するフレックスチューブとしては、上記のように、途中にスパイラル状の部分を有するフレックスチューブ41に代えて、図3に示すように、保持板24の移動を吸収する長さを有するフレックスチューブ41aを用いてもよい。
【0048】
上記フローセル11は、具体的には図示しないが、たとえばその光が透過する部分がサファイア製もしくは透明フッ素樹脂製の窓板を有し、他の部分はフッ素樹脂を使用して、フッ酸等に対する耐酸性を持たせている。
【0049】
(サンプリング部2の構成)
サンプリング部2は、図4に示すように、一端が測定対象の混酸が入った槽44内に配置され、他端がサンプルの供給ポート42(図2参照)に接続されてなるサンプル導入パイプ45および一端がサンプルの出口ポート43(図2参照)に接続されてなるサンプル導出パイプ46を備える。上記サンプル導入パイプ45の途中には、サンプル冷却機47およびバルブ48が配置される。また、上記サンプル導出パイプ46は、その途中にポンプ49が配置され、その他端は上記槽44もしくは図示しない廃液タンクに接続される。
【0050】
上記サンプル冷却機47は、温度が所定の温度に制御されている部材にPTFEもしくはPFA等のフッ素樹脂パイプ47aを巻き付けてなるもので、上記部材の周りを混酸のサンプルが通過する際に、上記部材により温度が所定値に冷却される。また、上記バルブ48は、混酸のサンプル測定中に、サンプルフローを停止させるために使用される。これは、サンプルフローがフローセル11中を流れたままで測定するよりは、サンプルを停止させ、ゆらぎや泡の上昇等がなくなってから測定する方が精度よく測定できるからである。したがって、上記バルブ48が閉じるときは、ポンプ49も停止する。
【0051】
上記バルブ48としては、電磁弁もしくは混酸のサンプルによる腐食を避けるために耐酸性に優れたフッ素樹脂製のエアー駆動弁が使用される。また、上記ポンプ49としては、耐酸性の優れたフッ素樹脂製のダイアフラムポンプ、ベローズポンプ、チューブしごきポンプなどが使用される。
【0052】
上記したサンプル導入パイプ45およびサンプル導出パイプ46の接続では、混酸のサンプルはフローセル11の下から上に向かって流れるが、これは混酸のサンプルに含まれて測定の誤差発生の要因となる泡が下から上に移動して速やかにフローセル11の外に抜けるようにするためである。
【0053】
(データ処理部3の構成)
データ処理部3は、図1に示すように、受光素子12から光電流として出力するフローセル11の透過光の強度に対応する透過光強度信号を増幅する増幅器51、この増幅器51の出力をディジタル信号に変換するA/D変換器52、このA/D変換器52より入力する上記透過光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長の光の吸光度および後述するように予め求められて記憶した検量線式に基づいて上記各波長の吸光度から混酸中の酸の濃度を演算するデータ処理装置53を備える。
【0054】
上記データ処理装置53は、混酸中の酸の濃度の上記演算を行なうマイクロプロセッサ54、上記検量線式や各種データを記憶するRAM55、マイクロプロセッサ54を動作させるためにプログラム等が格納されたROM56、データや各種の命令を入力するキーボード等の入力装置57、上記データ処理の結果を出力するプリンタやディスプレイ等の出力装置58等から構成される。上記マイクロプロセッサ54はまた、バルブ48の開閉制御信号、ポンプ49の停止および運転の制御信号、ステッピングモータ37の駆動制御信号を発生する。
【0055】
(データ処理の内容)
上記データ処理装置53におけるデータ処理のより具体的な内容を図7に示す。図1の受光素子12は、駆動モータ14の回転により回転円板8が回転駆動されると、この回転円板8に保持されている8枚の干渉フィルタ7の透過波長の光がそれぞれフローセル11内の混酸を透過したサンプル透過度に比例する信号を発生する。これら信号は増幅器51で増幅された後、A/D変換器52でディジタル信号に変換され、データ処理装置53のマイクロプロセッサ54に供給される(ステップS1からステップS4)。
【0056】
上記マイックロプロセッサ54は、A/D変換器52からの上記ディジタル信号により、次の数1の演算を実行し、吸光度Aiを演算する(ステップS5)。
【0057】
【数1】
Figure 0003578470
【0058】
ここで、i=1〜8、
Ri=測定対象サンプルのi波長目の透過強度値、
Bi=基準濃度の混酸(たとえば、フッ酸+硝酸+酢酸)もしくは水をフローセル11に入れたときのi波長の透過強度値、
Di=フローセル11を遮光したときのi波長目の透過強度値、
であり、上記BiおよびDiは予め測定しておき、キーボード等の入力装置57から、上記データ処理装置53のRAM55に格納されている。
【0059】
次に、上記数1の演算により得られた吸光度Aiに次の数2の変換を行なう(ステップS6)。
【0060】
【数2】
Figure 0003578470
【0061】
この数2の変換を行なうのは次の理由による。すなわち、数1により演算される吸光度Aiは、光源4の明るさの変動、受光素子12の感度変動、光学系のひずみ等により変化する。しかしこの変化はあまり波長依存性はなく、8波長の各吸光度データに同相、同レベルで重畳する。したがって、数2のように、各波長間の差を取ることにより、上記変化を相殺することができる。
【0062】
また、サンプル自体の温度変動による吸光度Aiの変動もあるが、この変動の除去には、たとえば本願出願人の出願にかかる特願平2−4042号(特開平3−209149号公報参照)に記載の方法を採用することができる。
【0063】
次に、上記数2で得られたSiをもとに次の数3の演算を行い、混酸がたとえば(フッ酸+硝酸+酢酸)である場合には、フッ酸濃度C,硝酸濃度Cおよび酢酸濃度Cを演算する(ステップS7)。
【0064】
【数3】
Figure 0003578470
【0065】
上記数3において、F(Si)はフッ酸の検量線式であり、Siのそれぞれの1次項から高次項を含むとともに、SiとSi+1あるいはその高次項の各乗算であるクロス項および定数項を含み、次の数4で表される。
【0066】
【数4】
Figure 0003578470
【0067】
上記数4において、Si,Si+1は数1,数2により得られたデータ、α,β,γは検量線式の係数、Zは定数項である。上記数4は、既知濃度の混酸(フッ酸+硝酸+酢酸)の標準サンプルを用いて、図1の混酸の濃度測定装置により、予め求めておき、データ処理装置53のRAM55に格納される。
【0068】
また、上記数3において、G(Si)およびH(Si)はそれぞれ硝酸の検量線式および酢酸の検量線式であって、いずれも数4と同様の式である。これら検量線式についても、上記と同様に、既知濃度の混酸(フッ酸+硝酸+酢酸)の上記標準サンプルを用いて、図1の混酸の濃度測定装置により、予め求めておき、データ処理装置53のRAM55に格納される。
【0069】
データ処理装置53のマイクロプロセッサ54は、上記数4の演算により得られたフッ酸の濃度C,硝酸の濃度Cおよび酢酸の濃度Cを、CRTやプリンタ等の出力装置58に出力し、CRT画面に表示したり印字用紙にハードコピーとして出力、あるいは外部へ送信する(ステップS8)。
【0070】
上記データ処理装置53のマイクロプロセッサ54はまた、上記で得られたフッ酸の濃度C,硝酸の濃度Cおよび酢酸の濃度Cのデータにもとづいて、現時点における混酸の槽44(図4参照)の状態を把握し、これらデータより演算することができる上記槽44の管理に必要なパラメータ値、たとえば原液追加量、原液追加の時間、廃液量、廃液時間を演算し、その結果を上記出力装置58に出力する(ステップS9)。
【0071】
図1の混酸の濃度測定装置を長時間使用していると、混酸の濃度の上記演算値は、温度変化、光学系のひずみ等により変化する。これを補正するため、上記データ処理装置53はまた、次の数5の補正演算を行なう。
【0072】
【数5】
Figure 0003578470
【0073】
数5において、C,CおよびCは数3により得られた値であり、また、C´,C´およびC´は補正後の各酸の濃度である。さらに、pij(i=1〜3,j=1〜3)は補正係数である。
【0074】
上記補正係数pijは、数3を求めてから長時間経過しておらず、補正する必要のないときには、p11=p22=p33=1,p12=p13=p21=p23=p31=p32=0であり、C´=C,C´=C,C´=Cである。
【0075】
上記補正係数pijは、次のようにして求められる。すなわち、濃度比率の異なる既知濃度の上記混酸のn種類(n=3以上)のサンプル1ないしサンプルnを用意する。これらサンプル1ないしnが次の数6で示される値の既知濃度を有しているものとする。
【0076】
【数6】
Figure 0003578470
【0077】
また、上記混酸の濃度を図1の混酸の濃度測定装置により測定した補正前の測定濃度が次の数7で示されるものとする。
【0078】
【数7】
Figure 0003578470
【0079】
このとき、サンプル1ないしnの既知濃度と測定濃度との間には、次の数8で示す関係が成立する。
【0080】
【数8】
Figure 0003578470
【0081】
上記数8において、それぞれ次の数9,数10および数11に示すように、3つの行列をそれぞれC´,PおよびCとおくと、上記数8はC´=PCで表わされる。
【0082】
【数9】
Figure 0003578470
【0083】
【数10】
Figure 0003578470
【0084】
【数11】
Figure 0003578470
【0085】
このように置くと、補正係数pijを次の数12(nが3の場合)および数13(nが3よりも大の場合)により求められる。
【0086】
【数12】
Figure 0003578470
【0087】
【数13】
Figure 0003578470
【0088】
上記数12および数13において、行列Cは行列Cの転置行列であり、行列C−1は行列Cの逆行列を表わす。
【0089】
上記補正は、濃度既知の上記サンプル1ないし3(n=3の場合)を図2もしくは図3のセル25に封入しておき、既に述べたように、フローセル11に代えて一定時間間隔毎に上記セル25をフローセル11の透過光の光路に挿入し、数7の値を求める。また、数6の値は予めデータ処理装置のRAMに格納しておき、数9から数13により、補正値を算出し、数5より、真値からのずれを補正した濃度値が求まる。
【0090】
上記は、混酸が(フッ酸+硝酸+酢酸)の3成分のものの例であるため、3行×3列の行列であらわされる補正係数を使用したが、たとえば(フッ酸+硝酸)等の2成分の混酸の場合は、補正係数が2行×2列となる点が異なるだけで、補正係数は同様に求めることができる。
【0091】
以上に構成を説明した混酸の濃度測定装置を用いた濃度測定の実験例1ないし4について以下に説明する。
【0092】
(実験例1)
この実験例1では、半導体や液晶表示装置の製造工程において、ガラスやシリコンのウエットエッチングに用いられる代表的なエッチング溶液であるフッ酸と硝酸と酢酸との混合溶液の定量を行った。
【0093】
(1)試料の調製
定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するため、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムによる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)と酢酸(濃度99.8%重量)を一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし15%,硝酸10ないし40%,酢酸20ないし50%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる64種類の標準サンプルを調製するとともに、検量線式の検証のためのサンプルを64種類調製した。
【0094】
(2)濃度測定
図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0095】
(3)測定結果および測定精度
検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差Se(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0096】
HF(フッ酸)に対して、Se=0.52%,R=0.9999,
HNO(硝酸)に対して、Se=0.129%,R=0.9999,
CHCOOH(酢酸)に対して、Se=0.102%,R=0.9999
【0097】
検量サンプルにおける定量結果を次の表1および表2に示す。
【0098】
【表1】
Figure 0003578470
【0099】
【表2】
Figure 0003578470
【0100】
また、上記検量サンプルのイオンクロマトグラフィによる定量結果を表3および表4に、本実験例1による定量結果を表5に示す。
【0101】
【表3】
Figure 0003578470
【0102】
【表4】
Figure 0003578470
【0103】
【表5】
Figure 0003578470
【0104】
上記実験例1の結果から、明らかに本実験例1による分析の精度が優れていることがわかる。これにより、今まで不可能であったオンラインでの濃度自動制御が可能となった。
【0105】
(実験例2)
この実験例2では、ガラスやシリコンのエッチングに最も多く用いられるエッチング溶液であるフッ酸と硝酸との混合溶液の定量を行った。
【0106】
(1)試料の調製
定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するため、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムによる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)とを一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし15%,硝酸50ないし70%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプルを調製するとともに、検量線式の検証のためのサンプルを24種類調製した。
【0107】
(2)濃度測定
図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0108】
(3)測定結果および測定精度
検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差Se(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0109】
HF(フッ酸)に対して、Se=0.075%,R=0.9999,
HNO(硝酸)に対して、Se=0.085%,R=0.9999,
【0110】
検量サンプルにおける定量結果を次の表6に示す。
【0111】
【表6】
Figure 0003578470
【0112】
上記表6から、本実験例2による分析の精度が優れていることがわかる。
【0113】
(実験例3)
フッ酸と硝酸の混合溶液は、ガラスやシリコンのエッチングばかりでなく、ステンレス鋼板の酸洗い工程にも多く使用されている。しかしながら、ステンレス鋼板の酸洗い工程において、上記フッ酸と硝酸の混合溶液を使用すると、ステンレス鋼板の酸洗い工程において、上記混合溶液内に多量の鉄イオンやクロムイオンが溶出してくる。この溶出金属イオンが一定量を越えると、実験例2の場合と異なり、フッ酸および硝酸の濃度測定に影響が生じる。本実験例3では、この溶出金属イオンの影響を軽減するため、イオン交換膜による金属イオンの除去を実施し、測定をおこなった。
【0114】
(1)試料の調製
定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するため、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムによる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)とを一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし5%,硝酸0ないし20%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプルを調製するとともに、検量線式の検証のための検証サンプルを24種類調製した。
【0115】
また、上記と同様の方法で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1重量%)と酢酸(濃度70.2%重量)と原子吸光分析で濃度を決定した硝酸鉄六水和物を一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし5%,硝酸0ないし20%,鉄0ないし6%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる64種類の標準サンプルおよび検量線式の検証測定のための検証サンプルを64種類調製した。
【0116】
(2)濃度測定
クロムイオンなどの溶出金属イオンや浮遊物を除去するために、フッ酸と硝酸の混合液をテフロン(商品名)製フィルタに導入し、更にフィルタによりろ過させた溶液を、イオン交換樹脂を封入した円筒を通過させた。この円筒を通過した溶液を、図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0117】
(3)測定結果
検量サンプルにおける定量結果を次の表7に示す。
【0118】
【表7】
Figure 0003578470
【0119】
上記表7から、本実験例3による分析の精度が優れていることがわかる。
【0120】
(実験例4)
この実験例4では、アルミニウム、アルミナ、アルミ硅素系合金などのウエットエッチングに用いられるリン酸と硝酸との混合溶液やリン酸と硝酸と酢酸との混合溶液の定量を行った。
【0121】
(1)試料の調製
定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するため、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムによる酸塩基滴定で濃度を決定したリン酸(濃度89.1重量%)と硝酸(濃度70.2%重量)と酢酸(濃度99.8%重量)を一定の割合で混合し、リン酸と硝酸との混合溶液の場合は、それぞれの濃度範囲をリン酸70ないし89%,硝酸0ないし5%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプルおよび検量線式の検証測定のための検証サンプルを25種類調製した。また、リン酸と硝酸と酢酸との混合溶液の場合は、それぞれの濃度範囲を、リン酸70ないし89%,硝酸0ないし10%,酢酸0ないし10%にわたって分布するように、かつ成分比率の異なる64種類の標準サンプルおよび64種類の検証サンプルを調製した。
【0122】
(2)濃度測定
図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0123】
(3)測定結果および測定精度
検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差Se(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0124】
リン酸と硝酸との混合溶液の場合は、
PO(リン酸)に対して、Se=0.069%,R=0.9999,
HNO(硝酸)に対して、Se=0.092%,R=0.9999
であった。
【0125】
リン酸と硝酸と酢酸との混合溶液の場合は、
PO(リン酸)に対して、Se=0.158%,R=0.9999,
HNO(硝酸)に対して、Se=0.207%,R=0.9997,
CHCOOH(酢酸)に対して、Se=0.247%,R=0.9999
であった。
【0126】
リン酸と硝酸との混合溶液における検証サンプルの定量結果を表8および表9に、また、リン酸と硝酸と酢酸との混合溶液における検証サンプルの定量結果を表10および表11に示す。
【0127】
【表8】
Figure 0003578470
【0128】
【表9】
Figure 0003578470
【0129】
【表10】
Figure 0003578470
【0130】
【表11】
Figure 0003578470
【0131】
上記から、明らかに本実験例4による分析の精度が優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる混酸の濃度測定装置の一実施例の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1の濃度測定装置の較正機構部の説明図である。
【図3】図2の硬正機構部の変形例の説明図である。
【図4】サンプル部の構成の説明図である。
【図5】ATRセルの構造の一例の説明図である。
【図6】図5のII−II線に沿う断面である。
【図7】図1の濃度測定装置のデータ処理装置が実行する動作フローである。
【図8】塩酸と水との差スペクトルである。
【図9】酢酸と水との差スペクトルである。
【図10】塩酸と水との差スペクトルである。
【図11】酢酸と水との差スペクトルである。
【図12】塩酸と水との差スペクトルである。
【図13】酢酸と水との差スペクトルである。
【符号の説明】
1 分光部
2 サンプリング部
3 データ処理部
4 光源
5 凸レンズ
6 絞り
7 干渉フィルタ
8 回転円板
9 凸レンズ
11 フローセル
12 受光素子
13 凸レンズ
14 駆動モータ
15 ATRセル
25 セル
41 フレックスチューブ
41a フレックスチューブ
44 槽
49 ポンプ
51 増幅器
52 A/D変換器
53 データ処理装置
54 マイクロプロセッサ
55 RAM
56 ROM
57 入力装置
58 出力装置

Claims (7)

  1. 測定対象の混酸に光を透過または反射させ、複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出し、その検出値に基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定する混酸の濃度測定装置であって、
    光源と、
    この光源からの光を複数波長の上記光に分光する分光手段と、
    上記測定対象の混酸が導入されるとともに上記分光手段の光出射側もしくは光入射側の測定光路内に配置されてなる光透過または反射検出用のセルと、
    このセルを透過または反射した光を受光し、受光した光の強度に応じた光強度信号を発生する受光手段と、
    酸の濃度が既知の複数の混酸のサンプルについて、800nmないし2600nmの範囲内の複数波長の光の吸光度と混酸の酸の濃度との間の、各吸光度の1次項から高次項を含むとともに、ある波長についての吸光度と次の波長についての吸光度との各乗算またはこれらの高次項の各乗算であるクロス項および定数項を含む吸光度の多次多項式を用いて多変量解析法により求めた検量線式を保持する一方、上記受光手段から出力する上記混酸の透過または反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長の上記光の吸光度から上記検量線式に基づいて混酸中の酸の濃度を演算する濃度演算手段とを備えるとともに、
    酸の濃度が既知の混酸液を封入した複数のサンプルセルの各々を上記光透過または反射検出用のセルに代えて順次透過または反射光量測定光路内に移動する移動機構を備えていて、移動機構に配置された上記光透過または反射検出用のセルが混酸の導入および導出用のポートの途中に伸縮部を有するチューブにより結合され、これらサンプルの測定データに基づいて酸の濃度測定値を較正するようにしたことを特徴とする混酸の濃度測定装置。
  2. 上記混酸がフッ酸+硝酸、リン酸+硝酸、フッ酸+硝酸+酢酸、リン酸+硝酸+酢酸、フッ酸+塩酸、硫酸+塩酸もしくは王水のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の混酸の濃度測定装置。
  3. 上記セルが光透過型石英セルからなることを特徴とする請求項1または2に記載の混酸の濃度測定装置。
  4. 上記セルがサファイヤもしくは光透過性フッ素樹脂を光透過面に有することを特徴とする請求項3記載の混酸の濃度測定装置。
  5. 上記セルが0.1mmないし50mmのセル長を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の混酸の濃度測定装置。
  6. 上記セルが石英もしくはサファイヤ材質のATRプリズムであることを特徴とする請求項1記載の混酸の濃度測定装置。
  7. 移動機構に配置された上記光透過または反射検出用のセルが混酸の導入および導出用のポートと上記移動機構の移動量よりも充分長い長さを有するフレキシブルなチューブにより結合されていることを特徴とする請求項記載の混酸の濃度測定装置。
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