JP3215570B2 - 有機剥離液の成分濃度測定方法およびその測定装置 - Google Patents

有機剥離液の成分濃度測定方法およびその測定装置

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JP3215570B2 JP5349794A JP5349794A JP3215570B2 JP 3215570 B2 JP3215570 B2 JP 3215570B2 JP 5349794 A JP5349794 A JP 5349794A JP 5349794 A JP5349794 A JP 5349794A JP 3215570 B2 JP3215570 B2 JP 3215570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の吸収を利用して有
機剥離液の成分濃度および水分値を測定する有機剥離液
の成分濃度測定方法およびその測定装置に関し、より詳
しくは、半導体製品や液晶表示装置等の製造工程におい
てプロセス用薬剤として使用される有機剥離液の近赤外
光の吸光度を測定してその成分濃度を検出する有機剥離
液の成分濃度測定方法およびその測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機剥離液は、感光処理されて
硬化したフォトレジスト剤を除去するために、半導体製
品や液晶表示装置等の製造において広く使用されてい
る。
【0003】ところで、有機剥離液は高価であり、その
使用量の多寡が半導体製品や液晶表示装置の製造コスト
に影響を及ぼすため、使用される有機剥離液の各成分濃
度を正確に把握して有機剥離液の各成分濃度を制御し、
そのライフサイクルを延ばすことが望まれている。
【0004】また、上記有機剥離液は、半導体製品や液
晶表示装置等の製造工程において水分が混入すると、混
入した水分と反応して強アルカリとなり、半導体製品や
液晶表示装置あるいはその製造装置に悪影響を及ぼす。
【0005】これらのことから、上記製造分野におい
て、使用される有機剥離液の成分濃度や混入水分値を迅
速かつ簡便に測定することが広く要請されている。
【0006】従来より、有機化合物の濃度分析として
は、たとえばガスクロマトグラフによるものが周知であ
る。また、アルカリ性有機化合物の測定や有機溶媒中の
水分測定には、中和滴定やカールフィッシャ滴定などの
化学的湿式法も従来より周知である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガスクロマ
トグラフによる分析法は、ガスなどを使用するため、ク
リーンルーム等で製造される半導体製品や液晶表示装置
の製造工程には不適であり、かつ連続的な濃度分析は不
可能であるという問題があった。
【0008】また、中和滴定やカールフィッシャ滴定な
どの化学的湿式法では、分析試薬や濃度分析を行なう処
理液を希釈する等の処理液の前処理や後処理等が必要で
あり、一検体当たりの処理時間が長く、半導体製品や液
晶表示装置等の製造工程において、インライン測定やオ
ンライン測定には不適であり、かつ複数成分同時定量で
きないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、半導体製品や液晶表示装
置等の製造工程において、感光処理されて硬化したフォ
トレジスト剤を除去する工程等で使用される有機剥離液
の成分濃度および混入水分値を複成分連続的に正確に同
時定量することができる有機剥離液の成分濃度測定方法
を提供することである。
【0010】本発明のいま一つの目的は、半導体製品や
液晶表示装置の製造ライン等に設置し、感光処理されて
硬化したフォトレジスト剤を除去する工程等で使用され
る有機剥離液の成分濃度および混入水分値を複成分連続
的に正確かつ簡便に同時定量することができる有機剥離
液の成分濃度測定装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機剥離液お
よび水の水酸基における近赤外の特性吸収スペクトルに
関する以下の測定結果およびこれら測定結果に対する以
下の考察に基づいてなされたものである。
【0012】図9は、10mmのセル長を有するセルを
用いて、800nmから1400nmまでの有機剥離液
(モノエタノールアミンとジメチルスルホオキシドの混
合溶液)の近赤外吸収スペクトルを測定した測定結果を
示している。
【0013】この図9において、1060nmは、モノ
エタノールアミンのアミン基の特性吸収である。121
5nm,1225nm,1250nmおよび1270n
mは、モノエタノールアミンの炭化水素の特性吸収であ
る。これらの波長のいずれかを1つあるいは1つ以上使
用することにより、モノエタノールアミンの濃度を定量
することができる。
【0014】また、図9において、900nm,101
5nm,1152nmおよび1360nmは、ジメチル
スルホオキシドのメチル基の特性吸収である。さらに、
1180nmは、ジメチルスルホオキシドのスルホオキ
シド基に起因する酸素二重結合の特性吸収である。これ
らの波長のいずれか1つあるいは1つ以上使用すること
により、ジメチルスルホオキシドの濃度を定量すること
ができる。
【0015】図10は、10mmのセル長を有するセル
を用いて、800nmから1400nmまでのモノエタ
ノールアミンの近赤外吸収スペクトルを測定した測定結
果を示している。
【0016】この図10において、1060nmは、モ
ノエタノールアミンのアミン基の特性吸収である。12
15nm,1225nm,1250nmおよび1270
nmは、モノエタノールアミンの炭化水素の特性吸収で
ある。モノエタノールアミンは、これらの特性吸収で構
成されていることがわかる。
【0017】図11は、10mmのセル長を有するセル
を用いて、800nmから1400nmまでのジメチル
スルホオキシドの近赤外吸収スペクトルを測定した測定
結果を示している。
【0018】この図11において、900nm,101
5nm,1152nmおよび1360nmは、メチル基
の特性吸収である。1180nmは、スルホオキシド基
に起因する酸素二重結合の特性吸収であり、ジメチルス
ルホオキシドは、これらの特性吸収で構成されているこ
とがわかる。
【0019】図12は、10mmのセル長を有するセル
を用いて、800nmから1400nmまでの水の近赤
外吸収スペクトルを測定した測定結果を示している。
【0020】この図12において、970nm,117
0nm,1190nmおよび1300nmないし140
0nmは、水の水酸基の特性吸収である。
【0021】図13は、透過長が10mmのセルを用い
て、一定時間使用した有機剥離液のスペクトルから使用
前の有機剥離液のスペクトルを差し引いた800nmか
ら1400nmまでの差スペクトルである。
【0022】有機剥離液を使用すると、モノエタノール
アミンが消費されてモノエタノールアミン濃度が減少
し、相対的にジメチルスルホオキシド濃度が増加する。
図13では、1060nmのモノエタノールアミンのア
ミン基の特性吸収やあるいは1205nm,1225n
m,1250nmおよび1270nmのモノエタノール
アミンの炭化水素の特性吸収が減少し、900nm,1
015nm,1152nmおよび1360nmのジメチ
ルスルホオキシドのメチル基の特性吸収あるいは118
0nmのジメチルスルホオキシドのスルホオキシド基に
起因する酸素二重結合の特性吸収が増加している。
【0023】図14は、透過長が10mmのセルを用い
て測定した、一定時間使用中に水分が混入した有機剥離
液のスペクトルから使用前の有機剥離液のスペクトルを
差し引いた800nmから1400nmまでの差スペク
トルである。剥離液を一定時間使用し、かつ、水分が混
入した場合、図13の例に加えて、水分量が増加してい
るため、970nm,1170nm,1190nmある
いは1300nmないし1400nmにおける水の水酸
基の特性吸収が増加していることがわかる。
【0024】有機剥離液の使用に伴う溶液の劣化には、
図13の例のみならず図14に示す例のように、水分が
混入する場合があるため、有機剥離液の濃度管理には、
モノエタノールアミン、ジメチルスルホオキシドおよび
水分の3種類の濃度を測定する必要がある。
【0025】本発明は、有機剥離液および水の水酸基に
おける近赤外の特性吸収スペクトルに関する以上の測定
結果およびその考察に基づいてなされたものである。
【0026】すなわち、請求項1にかかる有機剥離液の
成分濃度測定方法は、有機剥離液に光を透過又は反射さ
せ、複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出
し、その検出値に基づいて上記有機剥離液中の各成分濃
度および水分値を測定する有機剥離液の成分濃度測定方
法であって、成分濃度が既知の複数の有機剥離液のサン
プルについて複数波長の光の吸光度を測定してこれら吸
光度と有機剥離液の濃度との間の定数項を含む吸光度の
多次多項式を用いて多変量解析法により検量線式を予め
求めておき、光透過又は反射検出用のセルに測定対象の
上記有機剥離液を導入し、各波長の上記光についてセル
内の有機剥離液の透過又は反射光の強度値を測定し、こ
れら強度値から各波長の上記光の吸光度をそれぞれ演算
し、演算した各波長の上記光の吸光度と上記検量線式を
用いて、上記有機剥離液中の各成分濃度および水分値を
演算することを特徴とする。
【0027】請求項2にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、有機剥離液に光を透過又は反射させ、複数波
長の光についてその各強度をそれぞれ検出し、その検出
値に基づいて上記有機剥離液中の各成分濃度および水分
値を測定する有機剥離液の成分濃度測定装置であって、
光源と、この光源からの光を複数波長の上記光に分光す
る分光手段と、上記測定対象の有機剥離液が導入される
とともに上記分光手段の光出射側もしくは光入射側の測
定光路内に配置されてなる光透過又は反射検出用のセル
と、このセルを透過又は反射した透過光を受光し、受光
した光の強度に応じた光強度信号を発生する受光手段
と、有機剥離液の成分濃度が既知の複数の有機剥離液の
サンプルについての複数波長の光の吸光度と有機剥離液
の成分濃度との間の定数項を含む吸光度の多次多項式を
用いて多変量解析法により求めた検量線式を保持する一
方、上記受光手段から出力する上記有機剥離液の透過又
は反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演
算し、演算した各波長の上記光の吸光度と上記検量線式
に基づいて演算した上記各波長の吸光度から有機剥離液
中の各成分濃度および水分値を演算する濃度演算手段と
を備えたことを特徴とする。
【0028】請求項3にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項2記載の有機剥離液の成分濃度測定装
置において、上記複数波長の光が800nmないし26
00nmの波長を有する近赤外線であることを特徴とす
る。
【0029】請求項4にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分濃
度測定装置において、上記有機剥離液がモノエタノール
アミン,ジメチルスルホオキシドを含むことを特徴とす
る。
【0030】請求項5にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項4記載の有機剥離液の成分濃度測定装
置において、上記モノエタノールアミンの濃度測定に測
定光として1060nmのアミン基の特性吸収を使用す
ることを特徴とする。
【0031】請求項6にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項4記載の有機剥離液の成分濃度測定装
置において、上記モノエタノールアミンの濃度測定に測
定光として1215nm,1225nm,1250nm
もしくは1270nmの炭化水素の特性吸収を使用する
ことを特徴とする。
【0032】請求項7にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項4記載の有機剥離液の成分濃度測定装
置において、上記ジメチルスルホオキシドの濃度測定に
測定光として900nm,1015nm,1152nm
もしくは1360nmのメチル基の特性吸収を使用する
ことを特徴とする。
【0033】請求項8にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項4記載の有機剥離液の成分濃度測定装
置において、上記ジメチルスルホオキシドの濃度測定に
測定光として1180nmのスルホオキシド基に起因す
る酸素二重結合の特性吸収を使用することを特徴とす
る。
【0034】請求項9にかかる有機剥離液の成分濃度測
定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分濃
度測定装置において、上記有機剥離液がモノエタノール
アミン,グリコール系有機溶剤を含むことを特徴とす
る。
【0035】請求項10にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分
濃度測定装置において、上記有機剥離液がフェノールを
含むことを特徴とする。
【0036】請求項11にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分
濃度測定装置において、上記有機剥離液がジメチルスル
ホオキシドを含むことを特徴とする。
【0037】請求項12にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分
濃度測定装置において、上記有機剥離液がo−ジクロロ
ベンゼンを含むことを特徴とする。
【0038】請求項13にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2または3記載の有機剥離液の成分
濃度測定装置において、上記水分値の測定に測定光とし
て970nm,1170nm,1190nmもしくは1
300ないし1400nmの水の水酸基の特性吸収を使
用することを特徴とする。
【0039】請求項14にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2記載の有機剥離液の成分濃度測定
装置において、上記濃度演算手段が有機剥離液の温度変
動に伴う上記複数波長の光の上記有機剥離液の透過又は
反射光強度信号の増減の補正データを保持し、これら補
正データに基づいて演算した上記各成分濃度を補正する
ことを特徴とする。
【0040】請求項15にかかる有機剥離液の成分濃度
測定装置は、請求項2記載の有機剥離液の成分濃度測定
装置において、上記濃度演算手段が有機剥離液の色差変
動に伴う上記複数波長の光の上記有機剥離液の透過又は
反射光強度信号の増減の補正データを保持し、これら補
正データに基づき演算した上記各濃度成分を補正するこ
とを特徴とする。
【0041】
【発明の作用および効果】本発明によれば、半導体製品
や液晶表示装置等の製造工程において、感光処理されて
硬化したフォトレジスト剤を除去する工程等で使用され
る有機剥離液の近赤外吸収スペクトルを測定することに
より、多変量解析法を用いて求めた検量線式を用いて、
有機剥離液の成分濃度および混入水分値を複成分連続的
に正確に同時定量することができる。
【0042】また、本発明によれば、光透過又は反射検
出用のセル中に測定対象の有機剥離液を導入し、濃度演
算手段により受光手段から出力する有機剥離液の透過又
は反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演
算するとともに、演算した各波長の光の吸光度と検量線
式に基づいて有機剥離液の成分濃度を演算するようにし
たから、半導体製品や液晶表示装置の製造ライン等に設
置し、有機剥離液の濃度を複成分連続的に正確かつ簡便
に同時定量することができるばかりでなく、半導体製品
や液晶表示装置の製造に使用される有機剥離液の濃度分
析および濃度管理を自動化することができ、製品の歩留
が向上する。
【0043】
【実施例】以下に、添付の図面を参照して本発明の実施
例を説明する。本発明の一実施例にかかる有機剥離液の
濃度測定装置の構成を図1ないし図3に示す。
【0044】上記有機剥離液の濃度測定装置は、分光部
1、サンプリング部2およびデータ処理部3からなる。
【0045】(分光部1の構成)分光部1は、図1に示
すように、たとえばタングステン・ハロゲンランプから
なる光源4、この光源4からの放射光を集光させる凸レ
ンズ5、この凸レンズ5の焦点位置に配置された絞り
6、この絞り6を通過した光を分光する干渉フィルタ7
を保持する回転円板8、この回転円板8の干渉フィルタ
7を透過した光を集光させる凸レンズ9、上記サンプリ
ング部2により有機剥離液が導入され、上記凸レンズ9
により集光された光が透過するサンプリング部2のフロ
ーセル11を透過した光を集光させて受光素子12に入
射する凸レンズ13およびこの凸レンズ13から入射す
る光を光電流に変換する上記受光素子12を備える。
【0046】上記回転円板8は、各々がたとえば次に述
べるようにして選択された透過波長を有する干渉フィル
タ7を等角度間隔で保持しており、駆動モータ14によ
り、たとえば1000rpmで回転駆動される。
【0047】上記干渉フィルタ7としては、図9から図
14において説明した測定結果から、たとえば波長90
0nm,970nm,1015nm,1060nm,1
070nm,1152nm,1170nm,1180n
m,1190nm,1215nm,1225nm,12
50nm,1270nm,1360nmおよび1300
nmないし1400nmの波長の光を含む800nmな
いし2600nmの範囲の波長のうちから、濃度を測定
する有機剥離液に応じて、たとえば8つの波長を選択
し、これら8つの波長の光をそれぞれ透過させるものを
8枚使用する。
【0048】上記回転円板8の回転により、8枚の干渉
フィルタ7の各々が凸レンズ5および9の光軸に順次挿
入され、光源4から出射した光が分光されてフローセル
11内の有機剥離液を透過又は反射した後、凸レンズ1
3で集光される。これにより、受光素子12からは、図
8に示すような上記有機剥離液における各波長の光の吸
光度に応じた大きさを有する信号が得られる。
【0049】なお、上記のような干渉フィルタ7および
フローセル11を使用したものに代えて、たとえば図5
および図6に示すようなATRセル15を用いることも
できる。このATRセル15は、PTFE樹脂16とサ
ファイアのATRプリズム17との間にカルレッツ等の
フッ素樹脂ゴム18を挟み、全体をステンレス製の枠体
19に挿入し、押え板21を介してねじ22により上記
ATRプリズム17を押え込むことにより、有機剥離液
のシールを行っている。サファイアの上記ATRプリズ
ム17は、有機剥離液に接しており、その部分へ光を全
反射させる。このATRセル15は1回反射のものであ
るが、ATRプリズム17の厚み及び入射角度を適度に
変更することにより、多重反射も可能である。
【0050】一方、図1の有機剥離液の濃度測定装置
は、長時間にわたる使用により、設置されている環境変
化等により、測定データに生じるずれを較正するため、
たとえば図2に示すような構成を有する較正機構部23
を備える。上記したフローセル11は、この較正機構部
23の保持板24に、濃度既知の有機剥離液が封入され
たセル25とともに保持される。
【0051】上記保持板24は、フローセル11および
セル25の保持位置のほぼ中央部に、これらフローセル
11もしくはセル25を透過した光が通過するための孔
24aを有する。上記保持板24は、ベース板26上に
て互いに対向してこのベース板26に垂直に固定された
支持板27,28の間に上下に平行に支持された案内部
材31,32と、この案内部材31,32にスライド自
在に外嵌するスライド支持部材33とにより、図1の分
光部1の凸レンズ5,9および13の光軸に垂直な方向
である図2において矢印Xで示す方向に、移動自在に支
持される。
【0052】上記保持板24にはラック34が取着され
るとともに、このラック34にはピニオン35が噛合し
ており、このピニオン35に固定されたギヤ36は、ス
テッピングモータ37の出力軸37aに固定したギヤ3
8に噛合する。上記ステッピングモータ37は、図1に
示す駆動回路39により駆動されて上記保持板24の位
置を切り換え、たとえば一定時間間隔で、図1の分光部
1の凸レンズ9から凸レンズ13に至る光路に、フロー
セル11に代えてセル25を挿入する。後述するよう
に、このときの測定値をもとに、フローセル11の測定
データが較正される。
【0053】上記フローセル11の下端部は、図2に示
すように、フレックスチューブ41により、支持板28
に取着された有機剥離液のサンプルの供給ポート42に
接続され、また、上記フローセル11の上端部は、フレ
ックスチューブ41により、上記フローセル11を通過
した有機剥離液のサンプルの出口ポート43に接続され
る。
【0054】較正時に保持板24が移動できるようにす
るため、上記フレックスチューブ41はその途中をスパ
イラル状とし、上記保持板24の移動を吸収するように
している。
【0055】なお、フローセル11と上記供給ポート4
2および出口ポート43を接続するフレックスチューブ
としては、上記のように、途中にスパイラル状の部分を
有するフレックスチューブ41に代えて、図3に示すよ
うに、保持板24の移動量を吸収する長さを有するフレ
ックスチューブ41aを用いてもよい。
【0056】(サンプリング部2の構成)サンプリング
部2は、図4に示すように、一端が測定対象の有機剥離
液が入った槽44内に配置され、他端がサンプルの供給
ポート42(図2参照)に接続されてなるサンプル導入
パイプ45および一端がサンプルの出口ポート43(図
2参照)に接続されてなるサンプル導出パイプ46を備
える。上記サンプル導入パイプ45の途中には、サンプ
ル冷却機47およびバルブ48が配置される。また、上
記サンプル導出パイプ46は、その途中にポンプ49が
配置され、その他端は上記槽44もしくは図示しない廃
液タンクに接続される。
【0057】上記サンプル冷却機47は、温度が所定の
温度に制御されている部材にPTFEもしくはPFA等
のフッ素樹脂パイプ47aを巻き付けてなるもので、上
記部材の周りを有機剥離液のサンプルが通過する際に、
上記部材により温度が所定値に冷却される。また、上記
バルブ48は、有機剥離液のサンプル測定中に、サンプ
ルフローを停止させるために使用される。これは、サン
プルフローがフローセル11中を流れたままで測定する
よりは、サンプルを停止させ、ゆらぎや泡の上昇等がな
くなってから測定する方が精度よく測定できるからであ
る。したがって、上記バルブ48が閉じるときは、ポン
プ49も停止する。
【0058】上記したサンプル導入パイプ45およびサ
ンプル導出パイプ46の接続では、有機剥離液のサンプ
ルはフローセル11の下から上に向かって流れるが、こ
れは有機剥離液のサンプルに含まれて測定の誤差発生の
要因となる泡が下から上に移動して速やかにフローセル
11の外に抜けるようにするためである。
【0059】(データ処理部3の構成)データ処理部3
は、図1に示すように、受光素子12から光電流として
出力するフローセル11の透過又は反射光の強度に対応
する透過光強度信号を増幅する増幅器51、この増幅器
51の出力をディジタル信号に変換するA/D変換器5
2、このA/D変換器52より入力する上記透過又は反
射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演算
し、演算した各波長の光の吸光度および後述するように
予め求められて記憶した検量線式に基づいて上記各波長
の吸光度から有機剥離液の成分濃度を演算するデータ処
理装置53を備える。
【0060】上記データ処理装置53は、有機剥離液の
成分濃度の上記演算を行なうマイクロプロセッサ54、
上記検量線式や各種データを記憶するRAM55、マイ
クロプロセッサ54を動作させるためにプログラム等が
格納されたROM56、データや各種の命令を入力する
キーボード等の入力装置57、上記データ処理の結果を
出力するプリンタやデイスプレイ等の出力装置58等か
ら構成される。上記マイクロプロセッサ54はまた、バ
ルブ48の開閉制御信号、ポンプ49の停止および運転
の制御信号、ステッピングモータ37の駆動制御信号を
発生する。
【0061】(データ処理の内容)上記データ処理装置
53におけるデータ処理のより具体的な内容を図7に示
す。図1の受光素子12は、駆動モータ14の回転によ
り回転円板8が回転駆動されると、この回転円板8に保
持されている8枚の干渉フィルタ7の透過波長の光がそ
れぞれフローセル11内の有機剥離液を透過又は反射し
たサンプル透過度に比例する図8で示す信号を発生す
る。これら信号は増幅器51で増幅された後、A/D変
換器52でディジタル信号に変換され、データ処理装置
53のマイクロプロセッサ54に供給される(ステップ
S1からステップS4)。
【0062】上記マイクロプロセッサ54は、A/D変
換器52からの上記ディジタル信号により、次の数1の
演算を実行し、吸光度Aiを演算する(ステップS
5)。
【0063】
【数1】
【0064】ここで、i=1〜8、 Ri=測定対象サンプルのi波長目の透過又は反射強度
値、 Bi=フローセル内に導入した基準とする濃度の有機剥
離液のi波長目の光の透過又は反射強度値、 Di=フローセル11を遮光したときのi波長目の透過
又は反射強度値、 であり、上記BiおよびDiは予め測定しておき、キー
ボード等の入力装置57から、上記データ処理装置53
のRAM55に格納されている。
【0065】次に、上記数1の演算により得られた吸光
度Aiに次の数2の変換を行なう(ステップS6)。
【0066】
【数2】
【0067】この数2の変換を行なうのは次の理由によ
る。すなわち、数1により演算される吸光度Aiは、光
源4の明るさの変動、受光素子12の感度変動、光学系
のひずみ等により変化する。しかしこの変化はあまり波
長依存性はなく、8波長の各吸光度データに同相、同レ
ベルで重畳する。したがって、数2のように、各波長間
の差を取ることにより、上記変化を相殺することができ
る。
【0068】また、サンプル自体の温度変動による吸光
度Aiの変動やサンプル劣化とともにサンプル色の変動
や濁りの増加による変動なども発生するが、これら変動
の除去には、たとえば本願出願人の出願にかかる特願平
2−4042号(特開平3−209149号公報参照)
に記載の方法を採用することができる。
【0069】次に、上記数2で得られたSiをもとに次
の数3の演算を行い、有機剥離液がたとえばモノエタノ
ールアミンとジメチルスルホオキシドと水を含む場合、
モノエタノールアミン濃度C1,ジメチルスルホオキシ
ド濃度C2および水分濃度C3を演算する(ステップS
7)。
【0070】
【数3】
【0071】上記数3において、F(Si)はモノエタ
ノールアミンの検量線式であり、Siのそれぞれの1次
項から高次項を含むとともに、SiとSi+1あるいはそ
の高次項の各乗算であるクロス項および定数項を含み、
次の数4で表される。
【0072】
【数4】
【0073】上記数4において、Si,Si+1は数1,
数2により得られたデータ、α,β,γは検量線式の係
数、Z0は定数項である。上記数4は、既知濃度の有機
剥離液の標準サンプルを用いて、図1の濃度測定装置に
より、予め求めておき、データ処理装置53のRAM5
5に格納される。
【0074】また、上記数3において、G(Si)およ
びH(Si)はそれぞれジメチルスルホオキシドの検量
線式および水分の検量線式であって、いずれも数4と同
様の式である。これら検量線式についても、上記と同様
に、既知濃度の有機剥離液の上記標準サンプルを用い
て、図1の濃度測定装置により、予め求めておき、デー
タ処理装置53のRAM55に格納される。
【0075】データ処理装置53のマイクロプロセッサ
54は、上記数4の演算により得られたモノエタノール
アミンの濃度C1,ジメチルスルホオキシドの濃度C2
よび水分量C3を、CRTやプリンタ等の出力装置58
に出力し、CRT画面に表示したり印字用紙にハードコ
ピーとして出力、あるいは外部へ送信する(ステップS
8)。
【0076】上記データ処理装置53のマイクロプロセ
ッサ54はまた、上記で得られたモノエタノールアミン
の濃度C1,ジメチルスルホオキシドの濃度C2および水
分量C3のデータに基づいて、現時点における有機剥離
液の槽44(図4参照)の状態を把握し、これらデータ
より演算することができる上記槽44の管理に必要なパ
ラメータ値、たとえば原液追加量、原液追加の時間、廃
液量、廃液時間を演算し、その結果を上記出力装置58
に出力する(ステップS9)。
【0077】図1の濃度測定装置を長時間使用している
と、有機剥離液の濃度の上記演算値は、温度変化、光学
系のひずみ等により変化し、誤差が大きくなる。この誤
差の補正には、本願出願人の出願にかかる特願平2−4
042号(特開平3−209149号公報参照)にて提
案されている誤差補正もしくは、以下に説明する数5に
よる補正の手法を採用することができる。
【0078】
【数5】
【0079】数5において、C1,C2およびC3は数3
により得られた値であり、また、C1´,C2´およびC
3´は補正後の各成分の濃度である。さらに、pij(i
=1〜3,j=1〜3)は補正係数である。
【0080】上記補正係数pijは、数3を求めてから長
時間経過しておらず、補正する必要のないときには、p
11=p22=p33=1,p12=p13=p21=p23=p31
32=0であり、C1´=C1,C2´=C2,C3´=C3
である。
【0081】上記補正係数pijは、次のようにして求め
られる。すなわち、濃度比率の異なる既知濃度の上記有
機剥離液のn種類(n=3以上)のサンプル1ないしn
を用意する。これらサンプル1ないしnが次の数6で示
される値の既知濃度を有しているものとする。
【0082】
【数6】
【0083】また、上記有機剥離液の濃度を図1の濃度
測定装置により測定した補正前の測定濃度が次の数7で
示されるものとする。
【0084】
【数7】
【0085】このとき、サンプル1ないしnの既知濃度
と測定濃度との間には、次の数8で示す関係が成立す
る。
【0086】
【数8】
【0087】上記数8において、それぞれ次の数9,数
10および数11に示すように、3つの行列をそれぞれ
C´,PおよびCと置くと、補正係数pijは次の数12
(nが3の場合)および数13(nが3よりも大の場
合)により求められる。
【0088】
【数9】
【0089】
【数10】
【0090】
【数11】
【0091】
【数12】
【0092】
【数13】
【0093】上記数12および数13において、行列C
Tは行列Cの転置行列であり、行列C-1は行列Cの逆行
列を表わす。
【0094】上記補正は、濃度既知の上記サンプル1な
いし3(n=3の場合)を図2もしくは図3のセル25
に封入しておき、既に述べたように、フローセル11に
代えて一定時間間隔毎に上記セル25をフローセル11
の透過光の光路に挿入し、数7の値を求める。また、数
6の値は予めデータ処理装置のRAMに格納しておき、
数9もしくは数13により、補正値を算出し、数5よ
り、真値からのずれを補正した濃度値が求まる。
【0095】上記は、有機剥離液が3成分のものの例で
あるため、3行×3列の行列であらわされる補正係数を
使用したが、2成分の有機剥離液の場合は、補正係数が
2行×2列となる点が異なるだけで、補正係数は同様に
求めることができる。
【0096】以上に構成を説明した有機剥離液の濃度測
定装置を用いた濃度測定の実験例について以下に説明す
る。
【0097】(実験例1)この実験例では、半導体製品
や液晶表示装置の製造工程において広く使用されてい
る、モノエタノールアミン(2−アミノエタノール)、
ジメチルスルホオキシドおよび水分からなる有機剥離液
の成分濃度の定量を行った。
【0098】(1)試料の調製 定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するた
め、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。すなわち、1規定塩
酸による酸塩基滴定で濃度を決定したモノエタノールア
ミンとガスクロマトグラフで濃度を決定したジメチルス
ルホオキシドと水分を一定の割合で混合し、それぞれの
濃度範囲をモノエタノールアミン30ないし70%,ジ
メチルスルホオキシド30ないし70%,水分0ないし
10%にわたって分布するように、かつ成分比率の異な
る24種類の標準サンプルおよび検量線式の検証に24
種類調製した。
【0099】(2)濃度測定 図1において説明した、測定装置を用いて、上記有機剥
離液の成分濃度を測定した。
【0100】(3)測定結果および測定精度 検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差S
e(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0101】モノエタノールアミンに対して、Se=
0.416%,R2=0.9988,ジメチルスルホオ
キシドに対して、Se=0.329%,R2=0.99
87,水分値に対して、Se=0.326%,R2
0.9998
【0102】検量サンプルにおける定量結果を次の表1
に示す。
【0103】
【表1】
【0104】(4)温度変動に対する補正 基準有機剥離液について、温度を20℃から30℃まで
変化させたときの8波長の吸光度の変化を求め、温度に
よる誤差変動方向を特願平2−4042号(特開平3−
209149号公報参照)の方法で算出した。温度変化
を考慮していない測定結果および温度変動を補正した補
正結果を、次の表2および表3に示す。
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】上記表2および表3から、温度変動を補償
することにより、明らかに定量精度が向上していること
がわかる。
【0108】(5)色差変動に対する補正 基準有機剥離液について、原液およびその各成分濃度に
影響を及ぼさない程度、原液にレジストを微量添加して
着色サンプルとしたものを準備した。この二液の8波長
の吸光度の変化を求め、色差による誤差変動方向を特願
平2−4042号(特開平3−209149号公報参
照)の方法で算出した。
【0109】色差変動を考慮していない測定結果および
色差変動を補正した補正結果を、次の表4および表5に
示す。
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】上記表2および表3から、色差変動を補償
することにより、明らかに定量精度が向上していること
がわかる。
【0113】(実験例2)この実験例では、半導体や液
晶の製造工程に広く使用されているモノエタノールアミ
ンとグリコール系有機溶剤からなる有機剥離液の成分濃
度の定量を行った。800nmから1400nmまでの
グリコール系有機溶剤の吸収スペクトルを測定した測定
結果を図15に示す。この図15において、1210n
mは、炭化水素の特性吸収である。また、800nmか
ら1400nmまでのモノエタノールアミンとグリコー
ル系有機溶剤の吸収スペクトルを測定した測定結果を図
16に示す。
【0114】(1)試料の調製 定量のための検量式を作成し、その実用性を検証するた
めに、標準サンプル検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。
【0115】1規定塩酸による酸塩基滴定で濃度を決定
したモノエタノールアミンとガスクロマトグラフィーで
濃度を決定したグリコール系有機溶剤と水分を一定の割
合で混合し、それぞれの濃度範囲をモノエタノールアミ
ン0ないし40%、グリコール系有機溶剤100%から
60%、水分0%から10%にわたって分布するよう
に、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプル、お
よび検量式の検証に28種類調製した。
【0116】(2)濃度測定 図1において説明した成分濃度測定装置を用いて、上記
有機剥離液の成分濃度を測定した。
【0117】(3)測定結果および測定精度 検量式の精度および検証サンプルによる評価における標
準エラーSe(%)および回帰決定係数R2は次の通り
であった。(検量式の精度) モノエタノールアミンに対してSe=0.152%,R
2=0.9999 グリコール系有機溶剤に対してSe=0.387%,R
2=0.9995 水分値に対してSe=0.102%,R2=0.999
9 (検証サンプルによる評価) モノエタノールアミンに対してSe=0.297%,R
2=0.9997 グリコール系有機溶剤に対してSe=0.558%,R
2=0.9989 水分値に対してSe=0.137%,R2=0.999
4 試料の参照濃度値と検量式における推定値を次の表6に
示す。
【0118】
【表6】
【0119】(実験例3)この実験例では、フェノール
と水分を含む有機剥離液の成分濃度の定量を行った。8
00nmから1400nmまでのフェノールの吸収スペ
クトルを測定した測定結果を図17に示す。この図17
において、1140nmは、芳香族の特性吸収であり、
また、1160nmは、炭化水素の特性吸収である。
【0120】(1)試料の調製 定量のための検量式を作成し、その実用性を検証するた
めに、標準サンプル検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。
【0121】ヨウ化カリウムとN/10規定チオ硫酸ナ
トリウムによる酸化還元滴定で濃度を決定したフェノー
ルと水分を一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲を
フェノール0ないし90%,水分0ないし10%にわた
って分布するように、かつ成分比率の異なる24種類の
標準サンプル、および検量式の検証に10種類調製し
た。
【0122】(2)濃度測定 図1において説明した測定装置を用いて、上記有機剥離
液の濃度成分を測定した。
【0123】(3)測定結果および測定精度 検量式の精度および検証サンプルによる評価における標
準エラーSe(%)および回帰決定係数R2は次の通り
であった。 (検量式の精度) フェノールに対してSe=0.105%,R2=0.9
999 水分値に対してSe=0.102%,R2=0.999
9 (検証サンプルによる評価) フェノールに対してSe=0.136%,R2=0.9
99 水分値に対してSe=0.138%,R2=0.999
6 試料の参照濃度値と検量式における推定値を次の表7に
示す。
【0124】
【表7】
【0125】(実験例4)この実験例では、ジメチルス
ルホオキシドと水分を含む有機剥離液の成分濃度の定量
を行った。
【0126】(1)試料の調製 定量のための検量式を作成し、その実用性を検証するた
めに、標準サンプル検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。
【0127】ガスクロマトグラフィーで濃度を決定した
ジメチルスルホオキシドと水分を一定の割合で混合し、
それぞれの濃度範囲をジメチルスルホオキシド0ないし
90%,水分0ないし10%にわたって分布するよう
に、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプル、お
よび検量式の検証に10種類調製した。
【0128】(2)濃度測定 図1において説明した測定装置を用いて、上記有機剥離
液の濃度成分を測定した。
【0129】(3)測定結果および測定精度 検量式の精度および検証サンプルによる評価における標
準エラーSe(%)および回帰決定係数R2は次の通り
であった。 (検量式の精度) ジメチルスルホオキシドに対してSe=0.111%,
2=0.9999 水分値に対してSe=0.072%,R2=1.000 (検証サンプルによる評価) ジメチルスルホオキシドに対してSe=0.139%,
2=0.9996 水分値に対してSe=0.086%,R2=0.999
9 試料の参照濃度値と検量式における推定値を次の表8に
示す。
【0130】
【表8】
【0131】(実験例5)この実験例では、o−ジクロ
ロベンゼンと水分を含む有機剥離液の成分濃度の定量を
行った。800nmから1400nmまでのo−ジクロ
ロベンゼンの吸収スペクトルを測定した測定結果を図1
8に示す。この図18において、1170nmは、炭素
二重結合の特性吸収であり、また、1215nmは、炭
化水素の特性吸収であり、さらに、1395nmは、炭
化水素の特性吸収である。
【0132】(1)試料の調製 定量のための検量式を作成し、その実用性を検証するた
めに、標準サンプル検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。
【0133】ガスクロマトグラフィーで濃度を決定した
o−ジクロロベンゼンと水分を一定の割合で混合し、そ
れぞれの濃度範囲をo−ジクロロベンゼン0ないし90
%,水分0ないし10%にわたって分布するように、か
つ成分比率の異なる24種類の標準サンプル、および検
量式の検証に10種類調製した。
【0134】(2)濃度測定 図1において説明した測定装置を用いて、上記有機剥離
液の濃度成分を測定した。
【0135】(3)測定結果および測定精度 検量式の精度および検証サンプルによる評価における標
準エラーSe(%)および回帰決定係数R2は次の通り
であった。 (検量式の精度) o−ジクロロベンゼンに対してSe=0.065%,R
2=0.9999 水分値に対してSe=0.052%,R2=0.999
9 (検証サンプルによる評価) o−ジクロロベンゼンに対してSe=0.069%,R
2=0.9998 水分値に対してSe=0.161%,R2=0.999
2 試料の参照濃度値と検量式における推定値を次の表9に
示す。
【0136】
【表9】
【0137】次に、以上に説明した有機剥離液の成分濃
度測定装置により、有機剥離液の濃度管理例について説
明する。有機剥離液は、レジストをコーティングした液
晶基板投入に従い、その成分であるジメチルスルホオキ
シドとモノエタノールアミンの濃度が変化し、不純物が
増加し、劣化していく。不純物として特に水の混入があ
げられる。
【0138】(有機剥離液の成分濃度管理システム)次
に、以上に説明した有機剥離液の成分濃度の測定装置を
用いた有機剥離液の成分濃度管理システムについて説明
する。有機剥離液の成分濃度管理システム構成の一例を
図19に示す。この有機剥離液の成分濃度管理システム
は、本槽61,サブタンク62,ポンプ63,フィルタ
64,新液タンク65,66,図1において説明した構
成を有する有機剥離液の成分濃度測定装置67,この成
分濃度測定装置67に濃度を測定する有機剥離液を送る
ためのポンプ68,および制御コンピュータ69を備え
る。本槽61からサブタンク62へ供給される有機剥離
液は、サブタンク62にて常にオーバフローさせるとと
もに、ポンプ63によりフィルタ64を通過させてフィ
ルトレーション(ろ過)を行い、上記本槽61の有機剥
離液中のゴミを除去している。
【0139】なお、図19において、新液タンク65内
には濃度100%のジメチルスルホオキシドが収容され
ており、また、新液タンク66内には濃度100%のモ
ノエタノールアミンが収容されている。新液としては、
濃度70%のジメチルスルホオキシドと濃度30%のモ
ノエタノールアミンとの混合液と濃度30%のジメチル
スルホオキシドと濃度70%モノエタノールアミンとの
混合液を使用する場合もある。
【0140】上記成分濃度測定装置67は、ジメチルス
ルホオキシド濃度、モノエタノールアミン濃度、水分濃
度を1秒間隔で測定し、その測定データを制御コンピュ
ータ69に送信する。この制御コンピュータ69のメモ
リ中には、上記本槽61の設定ジメチルスルホオキシド
濃度および設定モノエタノールアミン濃度とが登録され
ている。上記制御コンピュータ69は、図1において説
明した濃度測定装置67からの上記測定データとそのメ
モリに登録されている上記設定ジメチルスルホオキシド
濃度および設定モノエタノールアミン濃度とを比較す
る。この比較の結果、ジメチルスルホオキシド濃度/モ
ノエタノールアミン濃度で表される比の値が上記メモリ
に登録した登録値の比と比較して高い場合には、上記制
御コンピュータ69は、モノエタノールアミンの新液タ
ンク66のバルブ82を開にして、上記登録値の比との
値が一定になるように制御する。逆に、ジメチルスルホ
オキシド濃度/モノエタノールアミン濃度で表される比
の値が上記メモリに登録した登録値の比と比較して低い
場合には、上記制御コンピュータ69は、ジメチルスル
ホオキシドの新液タンク65のバルブ81を開にして、
上記登録値の比との値が一定になるように制御する。
【0141】バルブ81,82の開閉制御は、上記成分
濃度測定装置67が1秒間隔という短い時間間隔でモノ
エタノールアミン濃度、ジメチルスルホオキシド濃度、
水分濃度のデータをオンライン測定しているので、フィ
ードバック制御を行なうことができる。なお、バルブ8
1,82は、単に開閉するだけのダイヤフラムバルブな
らば、その開閉時間を制御するPID制御で、ニードル
バルブなどの流量を調整できるバルブならば、その開閉
量を調整するPID制御を行う。上記バルブ81,82
と成分濃度測定装置67とがあまり離れていない場合
で、本槽61の循環が速い場合などは、上記のようなオ
ン−オフ制御や比例制御でも問題はない。
【0142】ところで、成分濃度測定装置67の出力デ
ータが設定値からあまりにもかけ離れている場合には、
フィードバック制御では設定値になるまで時間がかかり
すぎる。この場合には、以下に説明する制御を行う。
【0143】本槽61とサブタンク62とフィルタ64
のフィルトレーション配管を含めた体積をVとし、その
体積Vを満たす液重量をWとする。モノエタノールアミ
ン濃度、ジメチルスルホオキシド濃度、水分濃度(重量
%)を(A,B,C)とベクトル表記する。新液の濃度
を(a,b,c)と表記する。新液の本槽61への投入
重量をwとすると、投入後の濃度は、 (WA+wa,WB+wb,WC+wc)/(W+w) と表される。
【0144】(A,B,C)からの変化量はベクトルで
表わすと、
【0145】
【数14】w/(W+w)(a−A,b−B,c−C)
【0146】と表される。
【0147】つまり、新液をwだけ本槽61に投入する
と本槽61の濃度は上記だけもとの濃度から変化する。
w=1としたときを、 Δ=1/(W+1)(a−A,B−b,c−C) と表わす。
【0148】新液は1種類とは限らないので、その種類
にあわせて1,2,…の符号を付ける。目標濃度を
(α,β,γ)と表せば、現在の濃度との差をDベクト
ルとすると、 D=(α−A,β−B,γ−C)=p1Δ1+p2Δ2 となるように、係数p1,p2を決定すればよい。pi
の決定は連立方程式より求めることができる。3次元濃
度空間をΔ1とΔ2の2つのベクトルの線形和で表現で
きるのは、液体濃度A+B+C=100%という条件式
があるからである。
【0149】上記では、新液を2種類にしたが、新液1
液の場合は、目標濃度にできるかぎり近くなるように、
たとえば濃度空間での目標濃度点と新液投入後の濃度点
との距離をできるかぎり小さくするという基準で、係数
piを求めてもよい。また、新液の種類が3以上ある場
合は、係数pの解はひとつではない。その場合は、新液
の全投入量を最小にする基準あるいは、新液それぞれの
コストで重み付けした投入量を最小にする基準で経済性
を重視した係数解を採用してもよい。また、新液の濃度
の違いにより粘度差があり、同一バルブ開閉状態でも本
槽61への落下速度が異なるため、制御時間をできるか
ぎり短くするために投入時間が最低になるような係数を
採用してもよい。
【0150】以上のようにして、係数piが求まれば、 pi/(W+1)=w0/(W+w0) よりw0を求める。このw0が新液iの投入量である。
【0151】以上の説明は、3成分で構成されている有
機剥離液の場合であるが、3成分以上で構成されている
有機剥離液でも、濃度空間の次元が増加するだけで本質
的には同じである。
【0152】以上の手法を繰り返すことにより、有機剥
離液の成分濃度を目標の濃度に近付けても、また、有機
剥離液の成分濃度がある程度目標濃度に近付けば、フィ
ードバック制御に切り換えるようにしてもよく、さら
に、フィードバック制御と上記手法とを組み合わせるよ
うにしてもよい。
【0153】組合せ例としては、本槽61の全液量W
は、液晶基板の投入量とか泡の程度とか、複雑なフィル
トレーション配管系の温度等による体積膨張などにより
時間とともに微妙に変化し、また、新液投入量wもバル
ブのその時の状態や、投入する新液の粘度により、やは
り時間的に変化する。これらの変動は、当然ながら制御
の誤差となる。
【0154】上記手順で、目標濃度と新液投入後の濃度
データ差から、誤差データが求められる。上記数14か
ら、Wとwより発生する変動誤差は、モノエタノールア
ミン,ジメチルスルホオキシド,水分濃度に対して同係
数でかかるため、他の誤差と区別することができる。そ
の変動はWに起因するのか、wに起因するのかは、新液
1,新液2,新液3を別々に投入することで判断でき
る。新液の種類に関係なく発生する誤差ならば、Wの見
積り間違いであり、新液ごとに変化する場合は、wに起
因する誤差でる。このようにして原因を求めた誤差量を
次回の新液投入時に使用する。WをW´に補正し、wを
w´に補正し、次回、新液投入時の目標濃度との差をで
きる限り小さくなるようにフィードバック制御を行って
もよいし、目標濃度と新液投入後の濃度差から求めた誤
差量より逆にW,w´を求めてもよい。同様のことは、
Wとw以外の値の変動に適用してもよい。
【0155】たとえば、新液の濃度(a,b,c)は時
間とともに変化する。特にcである水分値は確実に上昇
していく。この新液濃度を、新液投入時に直接、上記成
分濃度測定装置67で特定して、その値を常に新しく更
新してもよく、また、目標濃度と新液投入後の濃度差か
ら、上記数14よりこの誤差は同係数でないため、逆に
特定することができ、またそのその新液濃度の誤差量を
求めることができる。たとえばcをc´と補正していく
フィードバック制御とか、誤差量から見積るフィードフ
ォワード制御でもよい。
【0156】次に、新液を投入したために本槽61の液
量が増加するが、サブタンク62がバッファになるた
め、オーバフロー条件は殆ど変化しないことと、過剰な
液はサブタンク62側でのオーバフロー廃液口91から
廃液される。
【0157】液晶基板の投入、排出により本槽61の液
の持出しが多すぎ、液面計101の検知により本槽61
の液レベルが下がり本槽61からサブタンク62へのオ
ーバフロー状態にならなくなった場合は、ジメチルスル
ホオキシドとモノエタノールアミンの新液タンク65,
66から、その比が登録値と同じになるように新液の投
入を行い、本槽61をオーバフロー条件にするモードに
入る。その検知は、液面計101で行い、所定の液面と
オーバフロー条件になる過剰量の投入を所定の一定時間
だけ行い、このモードは終了し、上記機能に戻る。
【0158】液晶製品の投入を続けると、本槽61の水
分量が増加してくる。水分量を下げるため、除水装置7
1を用いてもよい。この除水装置71としては、有機剥
離液を加熱して水分を除去する装置や、半透膜システム
を用いる装置、水を選択的に吸収する薬品に有機剥離液
を通過させる装置などを使用することができる。そし
て、制御コンピュータ69のメモリ上に登録されている
水分値があり、濃度測定装置67の出力データの水分値
と比較して、登録値を越える場合は、上記除水装置71
を作動させる。また、常時、上記除水装置71を作動さ
せておき、制御コンピュータ69のメモリ上に上限水分
値を登録しておき、本槽への水分混入量が除水装置の能
力を越えて登録値以下に制御できなくなった場合、本槽
61の液が完全に劣化したと判断し、制御コンピュータ
69は警報を発し、液晶基板の投入を停止させて、バル
ブ92を開いて全ての有機剥離液の交換を行う。
【0159】図19のシステムでは、新液投入箇所は本
槽61であるため、新液投入時点は撹拌が不十分で濃度
ムラが生じ、その間だけ液晶基板投入を見合わせる必要
が生じる。液晶基板投入頻度を上げて生産効率を上げる
ためには、新液投入時の濃度むらを無くすようにすべき
である。
【0160】いま一つの有機剥離液の成分濃度管理シス
テムの構成を図20に示す。この有機剥離液の成分濃度
管理システムでは、本槽61aのフィルタ64aのフィ
ルトレーション配管のポンプ63aの前に新液投入箇所
を設け、除水装置71aで除水後、フィルタ64aでほ
ぼ撹拌が行われた後、既に説明した有機剥離液の成分濃
度測定装置67で、ジメチルスルホオキシド,モノエタ
ノールアミン,水分の測定を行う。その測定データは制
御コンピュータ69aに送られ、制御コンピュータ69
aのメモリに登録されているジメチルスルホオキシド,
モノエタノールアミン濃度となるように、バルブ81
a,82aの開閉制御をフィードバック制御で行い、ジ
メチルスルホオキシド,モノエタノールアミンの濃度を
登録値(=一定)とした液を本槽61aに送り出す。水
分濃度も零か制御コンピュータ69aのメモリ上に登録
されている値以下になるように除水装置71aにフィー
ドバック制御をかける。この場合も、新液追加による有
機剥離液の体積増加分はサブタンク62a側がバッファ
になり、それ以上に過剰になった場合には、オーバフロ
ー廃液口91から排出される。なお、図20において、
オーバフロー廃液口91aは、図19のオーバフロー廃
液口91に対応し、バルブ92aは図19のバルブ92
に対応する。
【0161】上記した図20の有機剥離液の成分濃度管
理システムでは、フィルタ64aのフィルトレーション
配管に液が入ってから濃度を測定するので、本槽61a
の液濃度と若干の時間遅れがある。それを取り除いたの
が図21に示す有機剥離液の成分濃度管理システムであ
る。この成分濃度管理システムでは、ジメチルスルホオ
キシドとモノエタノールアミンの新液タンク65b,6
6bから液を撹拌タンク111に導入し、十分撹拌して
その濃度を上記した成分濃度測定装置67で測定し、バ
ルブ81b,82bの開閉制御をフィードバック制御で
行う。タンク111の目標濃度は、本槽61bの濃度を
制御コンピュータ69bに登録されている目標濃度にす
みやかに一定になるようにPID制御ないしは比例制御
するためのパラメータとして決定されてもよく、また、
既に述べたように、本槽61bの体積と現在の濃度より
不足分を計算で求め、その量を投入してもよい。本槽6
1b内の有機剥離液はポンプ68bで上記成分濃度測定
装置67に送り込まれ、図2または図3において説明し
たセル切替装置により測定セルを切り替えて測定を行
う。
【0162】制御コンピュータ69bは、そのメモリに
登録された登録値と比較して、本槽61b内の有機剥離
液の濃度が大きく変化していないと判断した場合には、
バルブ93は閉じられて、新液投入による濃度制御は行
わない。その場合、上記成分濃度測定装置67は、専ら
本槽61bの濃度測定を行う。そして、除水は、除水装
置71bにより、図19,図20において説明したのと
同様に行われる。なお、図21において、ポンプ63b
は、図19のポンプ63に対応し、フィルタ64bは、
図19のフィルタ64に対応する。また、図21におい
て、廃液口91bは、図19の廃液口91に対応し、バ
ルブ92bは図19のバルブ92に対応し、液面計10
1bは、図19の液面計101に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる有機剥離液の成分濃度測定装
置の一実施例の全体構成を示す説明図である。
【図2】 図1の成分濃度測定装置の較正機構部の説明
図である。
【図3】 図2の較正機構部の変形例の説明図である。
【図4】 サンプル部の構成の説明図である。
【図5】 ATRセルの構造の一例の説明図である。
【図6】 図5のII−II線に沿う断面図である。
【図7】 図1の成分濃度測定装置のデータ処理装置が
実行する動作フローである。
【図8】 受光素子の出力の説明図である。
【図9】 モノエタノールアミンとジメチルスルホオキ
シドとの混合溶液のスペクトルである。
【図10】 モノエタノールアミンの吸収スペクトルで
ある。
【図11】 ジメチルスルホオキシドの吸収スペクトル
である。
【図12】 水の吸収スペクトルである。
【図13】 一定時間使用した有機剥離液のスペクトル
から使用前の有機剥離液のスペクトルを差し引いた差ス
ペクトルである。
【図14】 一定時間使用して水分が混入した有機剥離
液のスペクトルから使用前の有機剥離液のスペクトルを
差し引いた差スペクトルである。
【図15】 グリコール系有機溶剤の吸収スペクトルで
ある。
【図16】 モノエタノールアミンとグリコール系有機
溶剤の吸収スペクトルである。
【図17】 フェノールの吸収スペクトルである。
【図18】 o−ジクロロベンゼンの吸収スペクトルで
ある。
【図19】 図1の有機剥離液の成分濃度測定装置を用
いた有機剥離液の成分濃度管理システムのシステム構成
図である。
【図20】 図1の有機剥離液の成分濃度測定装置を用
いたいま一つの有機剥離液の成分濃度管理システムのシ
ステム構成図である。
【図21】 図1の有機剥離液の成分濃度測定装置を用
いたいま一つの有機剥離液の成分濃度管理システムのシ
ステム構成図である。
【符号の説明】
1 分光部 2 サンプリング部 3 データ処理部 4 光源 5 凸レンズ 6 絞り 7 干渉フィルタ 8 回転円板 9 凸レンズ 11 フローセル 12 受光素子 13 凸レンズ 14 駆動モータ 15 ATRセル 25 セル 41 フレックスチューブ 41a フレックスチューブ 44 槽 49 ポンプ 51 増幅器 52 A/D変換器 53 データ処理装置 54 マイクロプロセッサ 55 RAM 56 ROM 57 入力装置 58 出力装置 61 本槽 61a 本槽 61b 本槽 62 サブタンク 62a サブタンク 62b サブタンク 65 新液タンク 66 新液タンク 67 有機剥離液の成分の濃度測定装置 69 制御コンピュータ 69a 制御コンピュータ 69b 制御コンピュータ 71 除水装置 71a 除水装置 71b 除水装置 81 バルブ 81a バルブ 81b バルブ 82a バルブ 82b バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−130505(JP,A) 特開 平3−242536(JP,A) 特開 平4−157367(JP,A) 特開 平4−196306(JP,A) 特開 平4−156403(JP,A) 特開 平3−232980(JP,A) 特開 昭64−42653(JP,A) 特開 平1−158444(JP,A) 特開 平3−48137(JP,A) 特開 平3−209149(JP,A) 特開 平4−262240(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 JICSTファイル(JOIS) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機剥離液に光を透過又は反射させ、複
    数波長の光についてその各透過強度をそれぞれ検出し、
    その検出値に基づいて上記有機剥離液中の各成分濃度お
    よび水分値を測定する有機剥離液の成分濃度測定方法で
    あって、 成分濃度が既知の複数の有機剥離液のサンプルについて
    複数波長の光の吸光度を測定してこれら吸光度と有機剥
    離液の濃度との間の定数項を含む吸光度の多次多項式を
    用いて多変量解析法により検量線式を予め求めておき、
    光透過又は反射検出用のセルに測定対象の上記有機剥離
    液を導入し、各波長の上記光についてセル内の有機剥離
    液の透過又は反射光の透過強度値を測定し、これら強度
    値から各波長の上記光の吸光度をそれぞれ演算し、演算
    した各波長の上記光の吸光度と上記検量線式を用いて、
    上記有機剥離液中の各成分濃度および水分値を演算する
    ことを特徴とする有機剥離液の成分濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 有機剥離液に光を透過又は反射させ、複
    数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出し、その
    検出値に基づいて上記有機剥離液中の各成分濃度および
    水分値を測定する有機剥離液の成分濃度測定装置であっ
    て、 光源と、この光源からの光を複数波長の上記光に分光す
    る分光手段と、上記測定対象の有機剥離液が導入される
    とともに上記分光手段の光出射側もしくは光入射側の測
    定光路内に配置されてなる光透過又は反射検出用のセル
    と、このセルを透過又は反射した透過光を受光し、受光
    した光の強度に応じた光強度信号を発生する受光手段
    と、有機剥離液の成分濃度が既知の複数の有機剥離液の
    サンプルについての複数波長の光の吸光度と有機剥離液
    の成分濃度との間の定数項を含む吸光度の多次多項式を
    用いて多変量解析法により求めた検量線式を保持する一
    方、上記受光手段から出力する上記有機剥離液の透過又
    は反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそれぞれ演
    算し、演算した各波長の上記光の吸光度と上記検量線式
    に基づいて演算した上記各波長の吸光度から有機剥離液
    中の各成分濃度および水分値を演算する濃度演算手段と
    を備えたことを特徴とする有機剥離液の成分濃度測定装
    置。
  3. 【請求項3】 上記複数波長の光が800nmないし2
    600nmの波長を有する近赤外線であることを特徴と
    する請求項2記載の有機剥離液の成分濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 上記有機剥離液がモノエタノールアミ
    ン,ジメチルスルホオキシドを含むことを特徴とする請
    求項2または3記載の有機剥離液の成分濃度測定装置。
  5. 【請求項5】 上記モノエタノールアミンの濃度測定に
    測定光として1060nmのアミン基の特性吸収を使用
    することを特徴とする請求項4記載の有機剥離液の成分
    濃度測定装置。
  6. 【請求項6】 上記モノエタノールアミンの濃度測定に
    測定光として1215nm,1225nm,1250n
    mもしくは1270nmの炭化水素の特性吸収を使用す
    ることを特徴とする請求項4記載の有機剥離液の成分濃
    度測定装置。
  7. 【請求項7】 上記ジメチルスルホオキシドの濃度測定
    に測定光として900nm,1015nm,1152n
    mもしくは1360nmのメチル基の特性吸収を使用す
    ることを特徴とする請求項4記載の有機剥離液の成分濃
    度測定装置。
  8. 【請求項8】 上記ジメチルスルホオキシドの濃度測定
    に測定光として1180nmのスルホオキシド基に起因
    する酸素二重結合の特性吸収を使用することを特徴とす
    る請求項4記載の有機剥離液の成分濃度測定装置。
  9. 【請求項9】 上記有機剥離液がモノエタノールアミ
    ン,グリコール系有機溶剤を含むことを特徴とする請求
    項2または3記載の有機剥離液の成分濃度測定装置。
  10. 【請求項10】 上記有機剥離液がフェノールを含むこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の有機剥離液の成
    分濃度測定装置。
  11. 【請求項11】 上記有機剥離液がジメチルスルホオキ
    シドを含むことを特徴とする請求項2または3記載の有
    機剥離液の成分濃度測定装置。
  12. 【請求項12】 上記有機剥離液がo−ジクロロベンゼ
    ンを含むことを特徴とする請求項2または3記載の有機
    剥離液の成分濃度測定装置。
  13. 【請求項13】 上記水分値の測定に測定光として97
    0nm,1170nm,1190nmもしくは1300
    ないし1400nmの水酸基の特性吸収を使用すること
    を特徴とする請求項2または3記載の有機剥離液の成分
    濃度測定装置。
  14. 【請求項14】 上記濃度演算手段が有機剥離液の温度
    変動に伴う上記複数波長の光の上記有機剥離液の透過又
    は反射光強度信号の増減の補正データを保持し、これら
    補正データに基づいて演算した上記各成分濃度を補正す
    ることを特徴とする請求項2記載の有機剥離液の成分濃
    度測定装置。
  15. 【請求項15】 上記濃度演算手段が有機剥離液の色差
    変動に伴う上記複数波長の光の上記有機剥離液の透過又
    は反射光強度信号の増減の補正データを保持し、これら
    補正データに基づき演算した上記各濃度成分を補正する
    ことを特徴とする請求項2記載の有機剥離液の成分濃度
    測定装置。
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