JP2007272084A - 電子写真感光体用塗布液の検査方法、管理方法および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真感光体用塗布液についての溶媒の含有比率や組成を、短時間でかつ正確に検査するための上記塗布液の検査方法と、その検査結果に基づいて、上記塗布液を所定の組成に調整し、管理するための管理方法と、浸漬塗布法により、品質が一定な電子写真感光体を製造するための電子写真感光体の製造方法と、を提供すること。
【解決手段】2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度を赤外分光分析により測定し、その測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を検査する。また、上記塗布液の粘度を測定し、上記2種以上の溶媒の含有比率と、粘度の測定値とに基づいて、上記塗布液の組成を検査し、その検査結果に基づいて、上記塗布液の組成を調整、管理する。さらに、こうして管理された上記塗布液を用いて、浸漬塗布法により、電子写真感光体を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度を赤外分光分析により測定し、その測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を検査する。また、上記塗布液の粘度を測定し、上記2種以上の溶媒の含有比率と、粘度の測定値とに基づいて、上記塗布液の組成を検査し、その検査結果に基づいて、上記塗布液の組成を調整、管理する。さらに、こうして管理された上記塗布液を用いて、浸漬塗布法により、電子写真感光体を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体形成用塗布液の検査方法および管理方法と、その検査方法および管理方法により検査および管理された電子写真感光体用塗布液を用いる電子写真感光体の製造方法とに関する。
近年、静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタおよびこれらの機能を複合化したデジタル画像複合機などの電子写真装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」という場合がある。)は、有機材料を使用する有機感光体が主流である。
有機感光体は、一般に、導電性基体上に、下引き層、感光層、保護層などの各種の層を備えており、これらの層は、通常、各層に必要な成分が適切な溶媒に溶解または分散された塗布液を、導電性基体上に順次塗布し、乾燥させることにより、形成されている。
有機感光体は、一般に、導電性基体上に、下引き層、感光層、保護層などの各種の層を備えており、これらの層は、通常、各層に必要な成分が適切な溶媒に溶解または分散された塗布液を、導電性基体上に順次塗布し、乾燥させることにより、形成されている。
また、近年、有機感光体の製造方法としては、上記塗布液が収容された塗布槽に導電性基体を浸漬し、乾燥させることにより、導電性基体上に感光層などの層を形成する、いわゆる浸漬塗布法が、採用されつつある。
しかし、浸漬塗布法では、導電性基体を浸漬させるために、上記塗布液を収容する塗布槽が開放系であることから、上記塗布液からの溶媒の揮散によって、経時的に上記塗布液の組成変化を生じることがある。また、上記塗布液の組成変化に伴って、導電性基体上に形成される感光層などの物性(例えば、厚み、硬さ、平滑性、含有成分の濃度など。)にムラが生じ、有機感光体の品質が低下するおそれがある。
しかし、浸漬塗布法では、導電性基体を浸漬させるために、上記塗布液を収容する塗布槽が開放系であることから、上記塗布液からの溶媒の揮散によって、経時的に上記塗布液の組成変化を生じることがある。また、上記塗布液の組成変化に伴って、導電性基体上に形成される感光層などの物性(例えば、厚み、硬さ、平滑性、含有成分の濃度など。)にムラが生じ、有機感光体の品質が低下するおそれがある。
一方、特許文献1には、熱分解ガスクロマトグラフィにより塗布液中の分析対象成分のピーク面積比を求め、成分比率および水分含有量が既知である塗布液中の分析対象成分のピーク面積比と比較して、上記塗布液中の分析対象成分の比率および/または水分含有量を求めることを特徴とする、電子写真感光体用塗布液の検査方法が記載されている。
特許文献2には、基体を塗料液中に浸漬することにより、基体上に皮膜を形成する電子写真感光体の製造方法において、塗料液の粘度を随時測定し、その測定値と設定値との偏差値に応じて塗料液の溶媒を添加し、塗料液の粘度を所定値に制御する方法が記載されている。
特許文献2には、基体を塗料液中に浸漬することにより、基体上に皮膜を形成する電子写真感光体の製造方法において、塗料液の粘度を随時測定し、その測定値と設定値との偏差値に応じて塗料液の溶媒を添加し、塗料液の粘度を所定値に制御する方法が記載されている。
特許文献3には、塗布液に被塗布物を浸漬し、薄膜を形成する薄膜形成装置において、塗布液貯蔵タンク内での塗布液の濃度変化を比重計により検出する液濃度検出手段が記載されている。
また、特許文献4には、塗工槽中に導電性支持体を浸漬し、光導電性塗料を塗布する電子写真感光体の製造装置において、塗工槽に供給される直前の光導電性塗料の不揮発分を測定し、その測定値を基に不揮発分を一定に制御する密度演算機能付き質量流量計が記載されている。
特開2001−013122号公報
特開平2−131241号公報
特公昭57−41986号公報
特開平7−209884号公報
また、特許文献4には、塗工槽中に導電性支持体を浸漬し、光導電性塗料を塗布する電子写真感光体の製造装置において、塗工槽に供給される直前の光導電性塗料の不揮発分を測定し、その測定値を基に不揮発分を一定に制御する密度演算機能付き質量流量計が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の検査方法は、電子写真感光体用塗布液を連続的に検査できるものの、分析対象成分の分析に際し、長時間を要することから、塗布液の組成をリアルタイムで検査することが困難である。
また、例えば、電子写真感光体用塗布液の一例としての感光層形成用塗布液には、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの不揮発性の固形分を、十分に溶解または分散させつつ、感光層形成時にある程度の溶媒が早期に揮散され、しかも、感光層を平滑にするために、塗布後にセルフレベリング効果を生じさせやすいことが求められており、これらの観点より、一般には、溶媒として2種以上の揮発性溶媒の混合溶媒が用いられている。
また、例えば、電子写真感光体用塗布液の一例としての感光層形成用塗布液には、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの不揮発性の固形分を、十分に溶解または分散させつつ、感光層形成時にある程度の溶媒が早期に揮散され、しかも、感光層を平滑にするために、塗布後にセルフレベリング効果を生じさせやすいことが求められており、これらの観点より、一般には、溶媒として2種以上の揮発性溶媒の混合溶媒が用いられている。
しかし、このような場合において、特許文献2〜4に記載されているように、単に、上記塗布液の比重(密度)または粘度のいずれか一方の測定値のみに基づいて、上記固形分の含有比率や上記混合溶媒の混合比率を検査したのでは、上記塗布液の組成変化を正確に検査し、管理することは困難である。
本発明の目的は、電子写真感光体用塗布液についての2種以上の溶媒の含有比率や組成を、短時間でかつ正確に検査するための電子写真感光体用塗布液の検査方法と、その検査結果に基づいて、電子写真感光体用塗布液を所定の組成に調整し、管理するための管理方法と、を提供することにある。
本発明の目的は、電子写真感光体用塗布液についての2種以上の溶媒の含有比率や組成を、短時間でかつ正確に検査するための電子写真感光体用塗布液の検査方法と、その検査結果に基づいて、電子写真感光体用塗布液を所定の組成に調整し、管理するための管理方法と、を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、浸漬塗布法により、品質が一定な電子写真感光体を製造することのできる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法は、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度を、赤外分光分析により測定し、前記吸光度の測定値に基づいて、前記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を検査することを特徴としている。
上記本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法によれば、上記電子写真感光体用塗布液の溶媒の揮散により、2以上の溶媒の含有比率に変動が生じた場合に、電子写真感光体用塗布液の吸光度の測定値に基づいて、上記電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒についての含有比率を、短時間でかつ正確に検査することができる。
上記本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法によれば、上記電子写真感光体用塗布液の溶媒の揮散により、2以上の溶媒の含有比率に変動が生じた場合に、電子写真感光体用塗布液の吸光度の測定値に基づいて、上記電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒についての含有比率を、短時間でかつ正確に検査することができる。
本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法では、前記吸光度を、互いに異なる2以上の波長で測定することが好適であり、また、前記2種以上の溶媒が、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。
電子写真感光体用塗布液の吸光度を、互いに異なる2以上の波長で測定することにより、電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒についての含有比率を、より一層正確に求めることができる。
電子写真感光体用塗布液の吸光度を、互いに異なる2以上の波長で測定することにより、電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒についての含有比率を、より一層正確に求めることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法は、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の粘度を測定し、前記電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された前記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率と、前記粘度の測定値とに基づいて、前記電子写真感光体用塗布液の組成を検査することを特徴としている。
上記本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法によれば、電子写真感光体用塗布液の吸光度の測定値に基づいて、上記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を、短時間でかつ正確に検査することができ、さらに、2種以上の溶媒の含有比率の検査結果と、電子写真感光体用塗布液の粘度の測定結果とに基づいて、上記電子写真感光体用塗布液の組成を、短時間でかつ正確に検査することができる。
上記目的を達成するために、本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法は、前記本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された前記電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒の含有比率と、前記本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において測定された前記電子写真感光体用塗布液の粘度と、に基づいて、前記電子写真感光体用塗布液の組成を検査し、次いで、前記電子写真感光体用塗布液の組成の検査結果に基づいて、前記2種以上の溶媒および前記固形分の少なくともいずれか1の成分を補充し、前記電子写真感光体用塗布液の組成を調整、管理することを特徴としている。
本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法によれば、上記本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により、電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を、短時間でかつ正確に検査することができ、さらに、上記2種以上の溶媒の含有比率と、上記本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において測定された粘度の測定結果とにより、上記電子写真感光体用塗布液の組成を、短時間でかつ正確に求めることができることから、電子写真感光体用塗布液の組成を効率よくかつ正確に調整、管理することができ、一定の組成を維持させることができる。
上記目的を達成するために、本発明の電子写真感光体の製造方法は、上記本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された電子写真感光体用塗布液を用いて、浸漬塗布法により、電子写真感光体を製造することを特徴としている。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法によって、その組成が一定となるように維持された電子写真感光体用塗布液が用いられることから、導電性基体上に形成される感光層などの層の物性(例えば、層の厚み、硬さ、層の平滑性、層中の含有成分の濃度など。)が均一で、品質が一定な電子写真感光体を、浸漬塗布法により製造することができる。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法によって、その組成が一定となるように維持された電子写真感光体用塗布液が用いられることから、導電性基体上に形成される感光層などの層の物性(例えば、層の厚み、硬さ、層の平滑性、層中の含有成分の濃度など。)が均一で、品質が一定な電子写真感光体を、浸漬塗布法により製造することができる。
本発明の電子写真感光体用塗布液の検査方法および管理方法によれば、電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を、短時間でかつ正確に検査することができ、また、2種以上の溶媒の含有比率の検査結果と、電子写真感光体用塗布液の粘度の測定結果とに基づいて、電子写真感光体用塗布液の組成を短時間で正確に検査し、かつ、効率よく正確に調整、管理することができる。
また、上記の検査方法および管理方法により検査および管理された電子写真感光体用塗布液を用いた本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、浸漬塗布法により、高品質の電子写真感光体を得ることができる。
図1は、電子写真感光体用塗布液を塗布するための浸漬型塗布装置の一例を示す概略装置構成図である。
浸漬塗布法による電子写真感光体の製造には、例えば、図1に示す浸漬型塗布装置10が用いられる。
浸漬型塗布装置10は、下引き層、感光層、保護層などの、電子写真感光体を形成する各種の層に対応する電子写真感光体用塗布液(以下、単に「塗布液」という場合がある。)11を収容する塗布槽12と、塗布液11を貯留する攪拌槽13と、オーバーフローにより塗布槽12から流出した塗布液11を回収し、攪拌槽13へ流入させる流出液回収路14と、攪拌槽13で攪拌された塗布液11を、再び塗布槽12へ流入させるためのポンプ15および再流入路16と、を備えている。
浸漬塗布法による電子写真感光体の製造には、例えば、図1に示す浸漬型塗布装置10が用いられる。
浸漬型塗布装置10は、下引き層、感光層、保護層などの、電子写真感光体を形成する各種の層に対応する電子写真感光体用塗布液(以下、単に「塗布液」という場合がある。)11を収容する塗布槽12と、塗布液11を貯留する攪拌槽13と、オーバーフローにより塗布槽12から流出した塗布液11を回収し、攪拌槽13へ流入させる流出液回収路14と、攪拌槽13で攪拌された塗布液11を、再び塗布槽12へ流入させるためのポンプ15および再流入路16と、を備えている。
攪拌槽13は、その内部に、塗布液11を攪拌するための攪拌翼19を備えており、さらに、攪拌槽13に対し、塗布液11の第1の溶媒を補充するための第1の溶媒補充経路20と、塗布液11の第2の溶媒を補充するための第2の溶媒補充経路21と、別途調製された塗布液11を補充するための塗布液補充経路22とを備えている。
また、攪拌槽13は、攪拌槽13内での塗布液11の粘度を測定するための粘度計(プローブ)17を備えており、さらに、攪拌槽13に連設する暗室26を備えている。
また、攪拌槽13は、攪拌槽13内での塗布液11の粘度を測定するための粘度計(プローブ)17を備えており、さらに、攪拌槽13に連設する暗室26を備えている。
暗室26内は、流路27を通じて、攪拌槽13内の塗布液11が行き来でき、攪拌槽13内と暗室26内とで、塗布液11の状態(例えば、固形分の分散状態)が均一になるように設定されている。また、暗室26内には、塗布液11の吸光度を測定するための赤外分光分析計18が備えられている。
制御部23は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAM、粘度計17の解析部、赤外分光分析計の解析部などを備えている。
制御部23は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAM、粘度計17の解析部、赤外分光分析計の解析部などを備えている。
塗布液11の粘度を測定するための粘度計17としては、例えば、ねじれ振動式粘度計、音叉振動式粘度計などの振動式粘度計や、例えば、回転式粘度計などが挙げられる。なかでも、塗布液11の粘度をリアルタイムで検査するという観点より、好ましくは、インライン分析により、攪拌槽13中の塗布液11の粘度を測定可能な、ねじれ振動式粘度計や音叉振動式粘度計が挙げられる。
塗布液11の吸光度を測定するための赤外分光分析計18としては、特に限定されないが、塗布液11の吸光度をリアルタイムで検査するという観点より、好ましくは、インライン分析により、攪拌槽13中の塗布液11の吸光度を測定可能なタイプの赤外分光分析計が挙げられる。
また、赤外分光分析は、測定の感度を高めるという観点より、好ましくは、近赤外またはその近傍の波長領域での測定が好ましく、これに限定されないが、測定波長は、1000〜3300nmであることが好ましい。また、赤外分光分析は、吸収、透過、反射などの分析形式の中でも特に、測定の感度を高めるという観点より、反射分光によるものであることが好ましい。すなわち、赤外分光分析は、特に好ましくは、近赤外反射分光分析である。
また、赤外分光分析は、測定の感度を高めるという観点より、好ましくは、近赤外またはその近傍の波長領域での測定が好ましく、これに限定されないが、測定波長は、1000〜3300nmであることが好ましい。また、赤外分光分析は、吸収、透過、反射などの分析形式の中でも特に、測定の感度を高めるという観点より、反射分光によるものであることが好ましい。すなわち、赤外分光分析は、特に好ましくは、近赤外反射分光分析である。
第1の溶媒補充経路20および第2の溶媒補充経路21から攪拌槽13への第1および第2の溶媒の補充は、粘度計17による塗布液11の粘度の測定結果や、赤外分光分析計18による塗布液11の吸光度の測定結果に基づいて、制御部23において制御される。また、別途調製された塗布液11の攪拌槽13への補充は、粘度計17や赤外分光分析計18による測定結果や、塗布槽12および攪拌槽13中での塗布液11の液量に基づいて、制御部23において制御される。
制御部23内の粘度計17の解析部は、攪拌槽13内での塗布液11に浸漬されている粘度計17のプローブで検知された情報を解析して、これにより、塗布液11の粘度を決定する。また、制御部23内の赤外分光分析計の解析部は、暗室26内の塗布液11に対して赤外分光分析計18で検知された情報を解析し、これにより、塗布液11の吸光度を決定する。
制御部23のROMは、例えば、第1の溶媒補充経路20から攪拌槽13への塗布液11の溶媒の補充処理、第2の溶媒補充経路21から攪拌槽13への塗布液11の溶媒の補充処理、塗布液補充経路22から攪拌槽13への塗布液11の補充処理などを制御するためのプログラムを格納するための装置である。制御部23のRAMは、上記ROMに格納されたプログラムを実行するために、粘度計17および赤外分光分析計18により測定された測定結果を一時的に格納する装置である。また、制御部23のCPUは、上記RAMに格納された測定結果に基づいて、第1の溶媒補充経路20から攪拌槽13への塗布液11の溶媒の補充処理、第2の溶媒補充経路21から攪拌槽13への塗布液11の溶媒の補充処理、塗布液補充経路22から攪拌槽13への塗布液11の補充処理などの実行条件を決定し、上記ROMに格納された制御プログラムを実行して、各上記処理を制御させる。
図1に示す浸漬型塗布装置10を用いて、下引き層、感光層、保護層などの層を形成するには、例えば、図1に示す円筒状の導電性基体24を、塗布槽12中の塗布液11に浸漬して引き上げ、導電性基体24の表面に付着した塗布液11を乾燥させればよい。
上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法では、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度が、赤外分光分析により測定され、上記吸光度の測定値に基づいて、上記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率が検査される。
上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法では、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度が、赤外分光分析により測定され、上記吸光度の測定値に基づいて、上記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率が検査される。
また、上記第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法では、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の粘度が測定され、上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された、上記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率と、上記粘度の測定値とに基づいて、上記電子写真感光体用塗布液の組成が検査される。
上記第1および第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法を適用することのできる塗布液としては、電子写真感光体の導電性基体上に形成される層に応じて、例えば、下引き層用塗布液、感光層用塗布液、保護層用塗布液などが挙げられる。
下引き層用塗布液は、電子写真感光体の任意の層である下引き層を形成するための塗布液であって、上記検査方法が適用される下引き層用塗布液としては、例えば、2種以上の溶媒と、固形分としての樹脂と、必要に応じて、金属酸化物の微粉末などを含有する塗布液が挙げられる。
下引き層用塗布液は、電子写真感光体の任意の層である下引き層を形成するための塗布液であって、上記検査方法が適用される下引き層用塗布液としては、例えば、2種以上の溶媒と、固形分としての樹脂と、必要に応じて、金属酸化物の微粉末などを含有する塗布液が挙げられる。
下引き層用塗布液の溶媒としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)などのアルコール類、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテートなどのグリコール類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、例えば、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、これら溶媒は、2種以上を混合して用いられる。
すなわち、下引き層用塗布液の溶媒は、上記例示の溶媒から選択される2種以上の溶媒からなる混合溶媒、好ましくは、上記例示の溶媒から選択される2種の溶媒からなる混合溶媒が用いられる。
上記2種以上の溶媒は、下引き層用塗布液(電子写真感光体用塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を正確に検査するためにも、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。2種以上の溶媒が、互いに非共沸混合溶媒を組成する場合は、溶媒の自然蒸発、揮散により、混合溶媒の組成に変化が生じることから、吸光度の測定値を用いて、2種以上の溶媒の含有比率を容易に検査することができる。なお、混合溶媒が、3種以上の溶媒から形成されるときは、3種以上の溶媒全てが、相互に比共沸混合溶媒を組成する溶媒であることが好ましい。
上記2種以上の溶媒は、下引き層用塗布液(電子写真感光体用塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を正確に検査するためにも、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。2種以上の溶媒が、互いに非共沸混合溶媒を組成する場合は、溶媒の自然蒸発、揮散により、混合溶媒の組成に変化が生じることから、吸光度の測定値を用いて、2種以上の溶媒の含有比率を容易に検査することができる。なお、混合溶媒が、3種以上の溶媒から形成されるときは、3種以上の溶媒全てが、相互に比共沸混合溶媒を組成する溶媒であることが好ましい。
上記例示の溶媒のうち、互いに非共沸混合溶媒を組成する2種以上の溶媒の組合せとしては、例えば、メタノールとブタノール(各種異性体を含む。)との組合せ、THFとPGMとの組合せ、トルエンとTHFとの組合せ、1,3−ジオキソランとトルエンとの組合せなどが挙げられる。
下引き層用塗布液の固形分としての樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール類、カゼイン類、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂、例えば、共重合ナイロン類、メトキシメチル化ナイロン類のアルコール可溶性樹脂、例えば、ポリウレタン類、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独で、または2種以上混合して用いられる。また、下引き層の表面には、感光層用塗布液の塗布によって感光層が形成されることから、上記例示の樹脂のなかでも、特に、感光層用塗布液の溶媒に対する耐性に優れた樹脂であることが望ましい。
下引き層用塗布液の固形分としての樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール類、カゼイン類、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂、例えば、共重合ナイロン類、メトキシメチル化ナイロン類のアルコール可溶性樹脂、例えば、ポリウレタン類、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独で、または2種以上混合して用いられる。また、下引き層の表面には、感光層用塗布液の塗布によって感光層が形成されることから、上記例示の樹脂のなかでも、特に、感光層用塗布液の溶媒に対する耐性に優れた樹脂であることが望ましい。
下引き層用塗布液の固形分としての金属酸化物の微粉末は、下引き層へのモアレ模様の発生の防止、電子写真感光体の残留電位の低減などを目的として配合される成分であって、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの微粉末が挙げられる。これら金属酸化物の微粉末は、単独で、または、2種以上混合して用いられる。
感光層用塗布液は、電子写真感光体の必須の層である感光層を形成するための塗布液であって、上記検査方法が適用される感光層用塗布液としては、例えば、2種以上の溶媒と、固形分としてのバインダ樹脂、感光性材料などを含有する塗布液が挙げられる。
感光層用塗布液の溶媒としては、下引き層用塗布液の溶媒として例示したのと同じ溶媒が挙げられ、これら溶媒は、2種以上を混合して用いられる。
感光層用塗布液の溶媒としては、下引き層用塗布液の溶媒として例示したのと同じ溶媒が挙げられ、これら溶媒は、2種以上を混合して用いられる。
すなわち、感光層用塗布液の溶媒には、上記例示の溶媒から選択される2種以上の溶媒からなる混合溶媒、好ましくは、上記例示の溶媒から選択される2種の溶媒からなる混合溶媒が用いられる。
上記2種以上の溶媒は、感光層用塗布液(電子写真感光体用塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を正確に検査するためにも、上述したのと同様に、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。互いに非共沸混合溶媒を組成する2種以上の溶媒の組合せとしては、上記した組合せと同じ組合せが挙げられる。
上記2種以上の溶媒は、感光層用塗布液(電子写真感光体用塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を正確に検査するためにも、上述したのと同様に、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。互いに非共沸混合溶媒を組成する2種以上の溶媒の組合せとしては、上記した組合せと同じ組合せが挙げられる。
上記感光層用塗布液の固形分としてのバインダ樹脂や感光性材料は、感光層の種類に合わせて適宜選択される。また、感光性材料としては、例えば、単層型感光層用塗布液では、電荷発生剤および電荷輸送剤が挙げられ、電荷発生層用塗布液では、電荷発生剤が挙げられ、電荷輸送層用塗布液では、電荷輸送剤(正孔輸送剤および/または電子輸送剤)が挙げられる。
バインダ樹脂としては、上記した感光層の種類に合わせて、適宜選択されるが、一般的には、例えば、ポリアミド類、ポリウレタン類、エポキシ系樹脂、ポリケトン類、ポリカーボネート類、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール類、ポリビニルアセタール類、ポリビニルホルマール類、ポリビニルケトン類、ポリスチレン類、ポリスルホン類、ポリ−N−ビニルカルバゾール類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルベンザール類、ポリエステル類、フェノキシ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ酢酸ビニル類、ポリフェニレンオキシド類、ポリビニルピリジン類、セルロース系樹脂、カゼイン類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらバインダ樹脂は、単独で、または、2種以上を混合して用いられる。
電荷発生剤としては、例えば、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例えば、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン系顔料、ナフトキノン系顔料、シアニン系顔料、アゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料、スクアライン系顔料、トリスアゾ系顔料、インジゴ系顔料、アズレニウム系顔料、シアニン系顔料、ピリリウム塩類、アンサンスロン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。これら電荷発生剤は、単独で、または、2種以上を混合して用いられる。
電荷輸送剤のうち、正孔輸送剤としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン系化合物、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなど。)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなど。)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾールなど。)、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなど。)、有機ポリシラン化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール系化合物などが挙げられる。これら正孔輸送剤は、単独で、または、2種以上を混合して用いられる。
電荷輸送剤のうち、電子輸送剤としては、例えば、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ジナフトキノン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物、フルオレノン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、ニトロアントアラキノン系化合物、ジニトロアントラキノン系化合物、アゾキノン系化合物などが挙げられる。これら電子輸送剤は、単独で、または、2種以上を混合して用いられる。
また、感光層用塗布液には、固形分として、さらに、増感剤、分散剤などの、種々の配合剤を含有していてもよい。
保護層用塗布液は、電子写真感光体の任意の層である保護層を形成するための塗布液であって、上記検査方法が適用される保護層用塗布液としては、例えば、2種以上の溶媒と、固形分としての樹脂と、必要に応じて、例えば、フィラー、ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物などを含有する塗布液が挙げられる。
保護層用塗布液は、電子写真感光体の任意の層である保護層を形成するための塗布液であって、上記検査方法が適用される保護層用塗布液としては、例えば、2種以上の溶媒と、固形分としての樹脂と、必要に応じて、例えば、フィラー、ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物などを含有する塗布液が挙げられる。
保護層用塗布液の溶媒としては、下引き層用塗布液の溶媒として例示したのと同じ溶媒が挙げられ、これら溶媒は、2種以上を混合して用いられる。
すなわち、保護層用塗布液の溶媒には、上記例示の溶媒から選択される2種以上の溶媒からなる混合溶媒、好ましくは、上記例示の溶媒から選択される2種の溶媒からなる混合溶媒が用いられる。
すなわち、保護層用塗布液の溶媒には、上記例示の溶媒から選択される2種以上の溶媒からなる混合溶媒、好ましくは、上記例示の溶媒から選択される2種の溶媒からなる混合溶媒が用いられる。
上記2種以上の溶媒は、保護層用塗布液(電子写真感光体用塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記2種以上の溶媒の含有比率を正確に検査するためにも、上述したのと同様に、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることが好適である。互いに非共沸混合溶媒を組成する2種以上の溶媒の組合せとしては、上記した組合せと同じ組合せが挙げられる。
保護層用塗布液の固形分としての樹脂は、例えば、ポリカーボネート類、ポリアリレート類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂(ACS樹脂)、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル類、アリール系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアセタール類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリアクリレート類、ポリアリルスルホン類、ポリブチレン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン類、ポリオレフィン類、アクリル系樹脂、ポリフェニレンオキシド類、ポリスルホン類、ポリスチレン類、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独で、または、2種以上混合して用いられる。
保護層用塗布液の固形分としての充填剤は、例えば、有機系充填剤と無機系充填剤とに分類される。有機系充填剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、例えば、シリコ−ン系樹脂粉末、a−カーボン粉末などが挙げられ、無機系充填剤としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、例えば、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウムなどの金属酸化物の粉末、例えば、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムなどの金属フッ化物の粉末、例えば、チタン酸カリウム、窒化ホウ素などの粉末などが挙げられる。
また、保護層用塗布液の固形分には、さらに他の成分として、オゾンなどの活性ガスによる劣化の抑制、耐摩耗性の向上などを目的として配合される、ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物が挙げられる。
上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法において、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液(塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記塗布液の2種以上の溶媒の含有比率を検査するには、例えば、下記の手順に従えばよい。
上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法において、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液(塗布液)の吸光度の測定値に基づいて、上記塗布液の2種以上の溶媒の含有比率を検査するには、例えば、下記の手順に従えばよい。
まず、2種以上の溶媒の含有比率や固形分濃度が既知であり、2種以上の溶媒の含有比率が異なる複数の塗布液サンプルを調製し、予め、2種以上の溶媒の含有比率と吸光度との関係を示す検量線を作成する。次いで、検査対象である塗布液について、その吸光度を測定し、上記検量線に基づいて、検査対象である塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を決定する。
上記検量線を作成する際には、2種以上の溶媒の含有比率の検査精度を高めるために、互いに異なる2以上の波長で、電子写真感光体用塗布液の吸光度を測定することが好ましい。
また、互いに異なる2以上の波長の組合せは、上記2種以上の溶媒のいずれか2種の溶媒の組み合わせに対し、吸光度の差が大きく現れる波長と、吸光度の差が小さく現れる波長との組合せを含んでいることが好ましい。
また、互いに異なる2以上の波長の組合せは、上記2種以上の溶媒のいずれか2種の溶媒の組み合わせに対し、吸光度の差が大きく現れる波長と、吸光度の差が小さく現れる波長との組合せを含んでいることが好ましい。
なお、例えば、メタノールとブタノール(各種異性体を含む。)との組合せからなる混合溶媒の場合、波長1760nmでは、メタノールの方がブタノールよりも光を強く吸収し、互いの吸光度の差が大きいのに対し、波長2100nmでは、メタノールとブタノールとでは光の吸収の程度の差が小さく、互いの吸光度にほとんど差が生じない。
また、例えば、THFとPGMとの組合せからなる混合溶媒の場合、波長2100nmでは、PGMの方がTHFよりも光を強く吸収し、互いの吸光度の差が大きいのに対し、波長1760nmでは、メタノールとブタノールとでは光の吸収の程度の差が小さく、互いの吸光度にほとんど差が生じない。
また、例えば、THFとPGMとの組合せからなる混合溶媒の場合、波長2100nmでは、PGMの方がTHFよりも光を強く吸収し、互いの吸光度の差が大きいのに対し、波長1760nmでは、メタノールとブタノールとでは光の吸収の程度の差が小さく、互いの吸光度にほとんど差が生じない。
なお、電子写真感光体用塗布液に含まれる固形分(例えば、電荷発生剤(顔料)など)は、通常、溶媒に比べて含有量が少なく、また、赤外分光分析に用いられる波長域での吸収が小さく無視できるものであるが、塗布液中での固形分の分散状態や、固形分濃度によっては、赤外光の散乱、乱反射を生じるおそれがあり、見かけ上、溶媒による赤外光吸収の程度に誤差が生じる。この現象は、顔料などの固形分の凝集度が高い場合や、塗布液の攪拌、混合が弱いことで、二次粒子径が大きい状態で固形分が分散されている場合などに、特に顕著に現れる。しかし、2以上の波長を用いて吸光度を測定することにより、特に好ましくは、2種以上の溶媒からなる混合溶媒中のいずれか2種の溶媒の組み合わせに対し、吸光度の差が大きく現れる1の波長と、吸光度の差が小さく現れる他の波長とを用いて、吸光度を測定することにより、固形分の分散状態や固形分濃度が吸光度の測定値に及ぼす影響を低減することができ、それゆえ、精度の高い検量線を形成することができる。
なお、電子写真感光体用塗布液が、2種の溶媒と固形分とを含むものである場合において、上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により、2種の溶媒の含有比率を検査する具体的方法の一例を、下記の実施例に示す。
一方、本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液(塗布液)の吸光度および粘度の測定値に基づいて、上記塗布液の組成を検査するには、例えば、下記の手順に従えばよい。
一方、本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において、2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液(塗布液)の吸光度および粘度の測定値に基づいて、上記塗布液の組成を検査するには、例えば、下記の手順に従えばよい。
まず、2種以上の溶媒の含有比率や固形分濃度が既知であり、2種以上の溶媒の含有比率や固形分濃度がそれぞれ異なる複数の塗布液サンプルを調製し、予め、2種以上の溶媒の含有比率ごとに、固形分濃度と塗布液の粘度との関係を示す検量線を作成する。
次いで、塗布液の粘度を測定し、上記検量線に基づいて、検査対象である塗布液における固形分濃度を決定する。
次いで、塗布液の粘度を測定し、上記検量線に基づいて、検査対象である塗布液における固形分濃度を決定する。
こうして決定された固形分濃度と、上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により決定された、2種以上の溶媒の含有比率とに基づいて、電子写真感光体用塗布液の組成が定まり、これにより、電子写真感光体用塗布液の組成を検査することができる。
また、上記電子写真感光体用塗布液の管理方法は、上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された、電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒の含有比率と、上記第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において測定された、電子写真感光体用塗布液の粘度とに基づいて、電子写真感光体用塗布液の組成を検査し、次いで、その検査結果に基づいて、上記2種以上の溶媒および上記固形分の少なくともいずれか1の成分を補充し、電子写真感光体用塗布液の組成を調整、管理することを特徴としている。
また、上記電子写真感光体用塗布液の管理方法は、上記第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された、電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒の含有比率と、上記第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法において測定された、電子写真感光体用塗布液の粘度とに基づいて、電子写真感光体用塗布液の組成を検査し、次いで、その検査結果に基づいて、上記2種以上の溶媒および上記固形分の少なくともいずれか1の成分を補充し、電子写真感光体用塗布液の組成を調整、管理することを特徴としている。
上記2種以上の溶媒の溶媒としては、下引き層用塗布液に溶媒として例示したのと同じ溶媒が挙げられ、これら溶媒は、2種以上を混合して、好ましくは、2種を混合して、用いられる。また、上記2種以上の溶媒は、上述したのと同様に、互いに非共沸混合溶媒を組成する2種以上の溶媒の組合せであることが好適である。
上記固形分としては、電子写真感光体用塗布液の具体的な種類にあわせて、上記した固形分の中から、適宜選択される。
上記固形分としては、電子写真感光体用塗布液の具体的な種類にあわせて、上記した固形分の中から、適宜選択される。
2種以上の溶媒や固形分の補充は、例えば、浸漬型塗布装置10の例(図1参照)において示したように、第1の溶媒補充経路20から攪拌槽13への第1の溶媒の補充、第2の溶媒補充経路21から攪拌槽13への第2の溶媒の補充、および、別途調製された塗布液11の攪拌槽13への補充、として実行される。これら補充処理は、上述したように、塗布液11の粘度、吸光度の測定結果や、塗布槽12および攪拌槽13中での塗布液11の液量に基づいて、制御部23において制御される。
本発明の第1の電子写真感光体用塗布液の検査方法によれば、電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒の含有比率を、短時間でかつ正確に測定することができ、さらに、本発明の第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法や、電子写真感光体用塗布液の管理方法によれば、かかる測定データに基づいて、電子写真感光体用塗布液を、所定の組成にかつ正確に調整、管理することができる。それゆえ、本発明の電子写真感光体用塗布液の検査方法および管理方法は、品質が一定な電子写真感光体を得るための方法として、好適である。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、上述のとおり、本発明の第1または第2の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査され、かつ、本発明の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された電子写真感光体用塗布液を用いて、浸漬塗布法により、電子写真感光体を製造することを特徴としている。
浸漬塗布法による電子写真感光体の製造では、例えば、電子写真感光体の導電性基体上に形成される下引き層、感光層、保護層などの層のいずれかが、例えば、図1に示す浸漬形塗布装置10を用いて、上記第1または第2の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された電子写真感光体用塗布液(具体的には、下引き層用塗布液、感光層用塗布液、保護層用塗布液など。)を用いて形成されればよい。なかでも、電子写真感光体の感光層を、上記第1または第2の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された感光層用塗布液を用いて形成することが好適である。
浸漬塗布法による電子写真感光体の製造では、例えば、電子写真感光体の導電性基体上に形成される下引き層、感光層、保護層などの層のいずれかが、例えば、図1に示す浸漬形塗布装置10を用いて、上記第1または第2の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された電子写真感光体用塗布液(具体的には、下引き層用塗布液、感光層用塗布液、保護層用塗布液など。)を用いて形成されればよい。なかでも、電子写真感光体の感光層を、上記第1または第2の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された感光層用塗布液を用いて形成することが好適である。
浸漬塗布法による電子写真感光体の製造(下引き層、感光層、保護層などの層形成)の具体的手法については、特に限定されず、常法に従えばよい。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、電子写真感光体用塗布液が、所定の組成となるように、正確に調整、管理されることから、品質が一定な電子写真感光体を製造することができる。
本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、電子写真感光体用塗布液が、所定の組成となるように、正確に調整、管理されることから、品質が一定な電子写真感光体を製造することができる。
<下引き層用塗布液の検査例>
(i) 下引き層用塗布液の調製
下引き層用塗布液に使用した成分は、下記のとおりである。
・酸化チタン:アルミナとシリカで表面処理後、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン、数平均一次粒子径10nm、品名「MT−02」、テイカ(株)製
・ポリアミド樹脂:6,12,66,610−四元共重合ポリアミド樹脂、品名「アミラン(登録商標)CM8000」、東レ(株)製
サンプル1
酸化チタン2重量部と、ポリアミド樹脂1重量部と、メタノールおよびブタノールの混合溶媒(メタノールの含有比率80重量%)とを配合し、ビーズミルで4時間攪拌、混合することにより、下引き層用塗布液を調製した。下引き層用塗布液中での酸化チタンおよびポリアミド樹脂の濃度(固形分濃度)は、12重量%となるように調整した。なお、以下、下引き層用塗布液において、酸化チタンとポリアミド樹脂とをまとめて、「固形分」という。
(i) 下引き層用塗布液の調製
下引き層用塗布液に使用した成分は、下記のとおりである。
・酸化チタン:アルミナとシリカで表面処理後、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン、数平均一次粒子径10nm、品名「MT−02」、テイカ(株)製
・ポリアミド樹脂:6,12,66,610−四元共重合ポリアミド樹脂、品名「アミラン(登録商標)CM8000」、東レ(株)製
サンプル1
酸化チタン2重量部と、ポリアミド樹脂1重量部と、メタノールおよびブタノールの混合溶媒(メタノールの含有比率80重量%)とを配合し、ビーズミルで4時間攪拌、混合することにより、下引き層用塗布液を調製した。下引き層用塗布液中での酸化チタンおよびポリアミド樹脂の濃度(固形分濃度)は、12重量%となるように調整した。なお、以下、下引き層用塗布液において、酸化チタンとポリアミド樹脂とをまとめて、「固形分」という。
サンプル2〜5
上記固形分濃度を、それぞれ、13重量%(サンプル2)、13.6重量%(サンプル3)、14.5重量%(サンプル4)および17.2重量%(サンプル5)に調整したこと以外は、サンプル1と同様にして、下引き層用塗布液を調製した。
サンプル6
酸化チタン2重量部と、ポリアミド樹脂1重量部と、メタノールおよびブタノールの混合溶媒(メタノールの含有比率90重量%)とを配合し、ビーズミルで16時間攪拌、混合することにより、下引き層用塗布液を調製した。下引き層用塗布液の固形分濃度は、19.73重量%になるように調整した。
上記固形分濃度を、それぞれ、13重量%(サンプル2)、13.6重量%(サンプル3)、14.5重量%(サンプル4)および17.2重量%(サンプル5)に調整したこと以外は、サンプル1と同様にして、下引き層用塗布液を調製した。
サンプル6
酸化チタン2重量部と、ポリアミド樹脂1重量部と、メタノールおよびブタノールの混合溶媒(メタノールの含有比率90重量%)とを配合し、ビーズミルで16時間攪拌、混合することにより、下引き層用塗布液を調製した。下引き層用塗布液の固形分濃度は、19.73重量%になるように調整した。
サンプル7〜10
上記混合溶媒のメタノールの含有割合を、それぞれ、85重量%(サンプル7)、80重量%(サンプル8)、70重量%(サンプル9)および60重量%(サンプル10)としたこと以外は、サンプル6と同様にして、下引き層用塗布液を調製した。
(ii) 吸光度の測定、検量線の作成および2種の溶媒の含有比率の検査
上記サンプル1〜10の吸光度を、1760nmおよび2100nmにおいて、赤外分光分析器((株)チノー製の赤外線多成分計、IM series、型式「IRMA61」)により測定した。測定結果を表1に示す。
上記混合溶媒のメタノールの含有割合を、それぞれ、85重量%(サンプル7)、80重量%(サンプル8)、70重量%(サンプル9)および60重量%(サンプル10)としたこと以外は、サンプル6と同様にして、下引き層用塗布液を調製した。
(ii) 吸光度の測定、検量線の作成および2種の溶媒の含有比率の検査
上記サンプル1〜10の吸光度を、1760nmおよび2100nmにおいて、赤外分光分析器((株)チノー製の赤外線多成分計、IM series、型式「IRMA61」)により測定した。測定結果を表1に示す。
1760nmにおける下引き層用塗布液の吸光度の測定結果に基づいて作成された、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率(重量%)と、吸光度との関係を示すグラフを、図2に示す。図2中、点線の領域で示すように、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率が同じ80重量%であっても、固形分濃度が異なっていたり、下引き層用塗布液調製時のビーズミルによる攪拌時間が異なっていたりすると、吸光度の測定結果にばらつきが生じていた。
なお、1760nmにおける下引き層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、一成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率(重量%)の計算値Yと、1760nmでの吸光度X1との関係を示す検量線を算出した(下記式(1)参照)。
Y=−153.85X1+119.94 ……(1)
また、1760nmおよび2100nmにおける下引き層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、二成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率(重量%)の計算値Yと、1760nm吸光度X1と、2100nm吸光度X2との関係を示す検量線を算出した(下記式(2)参照)。
Y=−153.85X1+119.94 ……(1)
また、1760nmおよび2100nmにおける下引き層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、二成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率(重量%)の計算値Yと、1760nm吸光度X1と、2100nm吸光度X2との関係を示す検量線を算出した(下記式(2)参照)。
Y=−172.93X1+33.24X2+78.40 ……(2)
図3は、一成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の実測値(重量%)を示し、縦軸は、上記式(1)で示される検量線を用いて、サンプル1〜10についての波長1760nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の計算値(重量%)を示している。また、図4は、二成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、図3と同じであり、縦軸は、上記式(2)で示される検量線を用いて、サンプル1〜10についての波長1760nmおよび2100nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の計算値(重量%)を示している。
図3は、一成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の実測値(重量%)を示し、縦軸は、上記式(1)で示される検量線を用いて、サンプル1〜10についての波長1760nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の計算値(重量%)を示している。また、図4は、二成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、図3と同じであり、縦軸は、上記式(2)で示される検量線を用いて、サンプル1〜10についての波長1760nmおよび2100nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の計算値(重量%)を示している。
図3および図4中のプロットが、点線上にあるときは、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率について、実測値と計算値とが一致していることを示しており、点線の上側にあるときは、計算値が実測値を上回っていることを示しており、点線の下側にあるときは、計算値が実測値を下回っていることを示している。
図3と図4との対比により明らかなように、二成分解析により検量線を作成したとき(図4)の方が、精度が高かった。なお、相関係数Rは、図3において、0.94357であり、図4において、0.98335であった。
図3と図4との対比により明らかなように、二成分解析により検量線を作成したとき(図4)の方が、精度が高かった。なお、相関係数Rは、図3において、0.94357であり、図4において、0.98335であった。
<電荷発生層用塗布液の検査および管理例>
(i) 電荷発生層用塗布液の調製
電荷発生層用塗布液に使用した成分は、下記のとおりである。
・チタニルフタロシアニン:特開2004−145284号公報に記載の製造例1に準じて合成した。
・ポリビニルアセタール樹脂:品名「エスレックKS−5」、積水化学工業(株)製
サンプル11
チタニルフタロシアニン1重量部と、ポリビニルアセタール樹脂1重量部と、テトラヒドロフラン(THF)およびPGMの混合溶媒(THFの含有比率50重量%)とを配合し、ビーズミルで4時間撹拌、混合することにより、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液中でのチタニルフタロシアニンおよびポリビニルアセタール樹脂の濃度(固形分濃度)は、2.4重量%となるように調整した。なお、以下、電荷発生層用塗布液において、チタニルフタロシアニンとポリビニルアセタール樹脂とをまとめて、「固形分」という。
(i) 電荷発生層用塗布液の調製
電荷発生層用塗布液に使用した成分は、下記のとおりである。
・チタニルフタロシアニン:特開2004−145284号公報に記載の製造例1に準じて合成した。
・ポリビニルアセタール樹脂:品名「エスレックKS−5」、積水化学工業(株)製
サンプル11
チタニルフタロシアニン1重量部と、ポリビニルアセタール樹脂1重量部と、テトラヒドロフラン(THF)およびPGMの混合溶媒(THFの含有比率50重量%)とを配合し、ビーズミルで4時間撹拌、混合することにより、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液中でのチタニルフタロシアニンおよびポリビニルアセタール樹脂の濃度(固形分濃度)は、2.4重量%となるように調整した。なお、以下、電荷発生層用塗布液において、チタニルフタロシアニンとポリビニルアセタール樹脂とをまとめて、「固形分」という。
サンプル12および13
上記混合溶媒のTHFの含有比率を、それぞれ、90重量%(サンプル12)および75重量%(サンプル13)としたこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
サンプル14および15
上記固形分濃度を2.6重量%となるように調整し、かつ、上記混合溶媒のTHFの含有比率を、それぞれ、66.7重量%(サンプル14)および85重量%(サンプル15)としたこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
上記混合溶媒のTHFの含有比率を、それぞれ、90重量%(サンプル12)および75重量%(サンプル13)としたこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
サンプル14および15
上記固形分濃度を2.6重量%となるように調整し、かつ、上記混合溶媒のTHFの含有比率を、それぞれ、66.7重量%(サンプル14)および85重量%(サンプル15)としたこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
サンプル16〜20
上記混合溶媒のTHFの含有比率を、66.7重量%とし、かつ、上記固形分濃度を、それぞれ、1.5重量%(サンプル16)、2.0重量%(サンプル17)、2.5重量%(サンプル18)、2.8重量%(サンプル19)および3.0重量%(サンプル20)となるように調整したこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
上記混合溶媒のTHFの含有比率を、66.7重量%とし、かつ、上記固形分濃度を、それぞれ、1.5重量%(サンプル16)、2.0重量%(サンプル17)、2.5重量%(サンプル18)、2.8重量%(サンプル19)および3.0重量%(サンプル20)となるように調整したこと以外は、サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液を調製した。
(ii) 吸光度の測定、検量線の作成および2種の溶媒の含有比率の検査
上記サンプル11〜20の吸光度を、1760nm、2100nmおよび2180nmにおいて、赤外分光分析器((株)チノー製の赤外線多成分計、IM series、型式「IRMA61」)により測定した。測定結果を表2に示す。
上記サンプル11〜20の吸光度を、1760nm、2100nmおよび2180nmにおいて、赤外分光分析器((株)チノー製の赤外線多成分計、IM series、型式「IRMA61」)により測定した。測定結果を表2に示す。
2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度の測定結果に基づいて作成された、2種の溶媒におけるTHFの含有比率(重量%)と、吸光度との関係を示すグラフを、図5に示す。図5中、点線の領域で示すように、2種の溶媒におけるTHFの含有比率が同じ66.7重量%であっても、固形分濃度が異なっていると、吸光度の測定結果にばらつきが生じていた。
なお、2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、一成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるTHFの含有比率(重量%)の計算値Yと、2180nmでの吸光度XCとの関係を示す検量線を算出した(下記式(3)参照)。
Y=137.35−67.767XC ……(3)
また、1760nm、2100nmおよび2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、三成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるTHFの含有比率(重量%)の計算値Yと、1760nm吸光度XAと、2100nm吸光度XBと、2180nm吸光度XCとの関係を示す検量線を算出した(下記式(4)参照)。
Y=137.35−67.767XC ……(3)
また、1760nm、2100nmおよび2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度の測定結果を用いて、三成分解析の最小二乗法による回帰計算処理を施すことにより、2種の溶媒におけるTHFの含有比率(重量%)の計算値Yと、1760nm吸光度XAと、2100nm吸光度XBと、2180nm吸光度XCとの関係を示す検量線を算出した(下記式(4)参照)。
Y=92.97040+46.86419XA−10.13572XB−55.62016XC ……(4)
図6は、一成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の実測値(重量%)を示し、縦軸は、上記式(3)で示される検量線を用いて、サンプル11〜20についての波長2180nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるTHFの含有比率の計算値(重量%)を示している。また、図7は、三成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、図6と同じであり、縦軸は、上記式(4)で示される検量線を用いて、サンプル11〜20についての波長1760nm、2100nmおよび2180nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるTHFの含有比率の計算値(重量%)を示している。
図6は、一成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、2種の溶媒におけるメタノールの含有比率の実測値(重量%)を示し、縦軸は、上記式(3)で示される検量線を用いて、サンプル11〜20についての波長2180nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるTHFの含有比率の計算値(重量%)を示している。また、図7は、三成分解析により得られた検量線の精度を評価するためのグラフであって、横軸は、図6と同じであり、縦軸は、上記式(4)で示される検量線を用いて、サンプル11〜20についての波長1760nm、2100nmおよび2180nmの吸光度の実測値から計算された、2種の溶媒におけるTHFの含有比率の計算値(重量%)を示している。
図6および図7中のプロットが、点線上にあるときは、2種の溶媒におけるTHFの含有比率について、実測値と計算値とが一致していることを示しており、点線の上側にあるときは、計算値が実測値を上回っていることを示しており、点線の下側にあるときは、計算値が実測値を下回っていることを示している。
図6と図7との対比により明らかなように、三成分解析により検量線を作成したとき(図7)の方が、精度が高かった。なお、相関係数Rは、図6において、0.96866であり、図7において、0.99669であった。
図6と図7との対比により明らかなように、三成分解析により検量線を作成したとき(図7)の方が、精度が高かった。なお、相関係数Rは、図6において、0.96866であり、図7において、0.99669であった。
(iii) 電荷発生層用塗布液の組成の検査および管理
THFおよびPGMの混合溶媒のTHFの含有比率を、66.7重量%とし、かつ、チタニルフタロシアニンおよびポリビニルアセタール樹脂の濃度(固形分濃度)を、3.20重量%となるように調整したこと以外は、上記サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液(約10kg)を調製した。
THFおよびPGMの混合溶媒のTHFの含有比率を、66.7重量%とし、かつ、チタニルフタロシアニンおよびポリビニルアセタール樹脂の濃度(固形分濃度)を、3.20重量%となるように調整したこと以外は、上記サンプル11と同様にして、電荷発生層用塗布液(約10kg)を調製した。
得られた電荷発生層用塗布液の粘度を、ねじれ振動式粘度計「FVM−80A」、CBCマテリアルズ(株)製で測定した。その結果、電荷発生層用塗布液の粘度は、7.81mPa・sであった。
また、赤外分光分析計(赤外線多成分計、型式「IRMA61」、(株)チノー製)により、波長2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度を測定し、その結果に基づく解析(一成分解析)により、THF濃度を求めたところ、69.1重量%であった。一方、波長1760nm、2100nmおよび2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度を測定し、その結果(3種類)に基づく解析(三成分解析)により、THF濃度を求めたところ、66.4重量%であった。ここで、THF濃度の理論値は、66.7%であるので、三成分解析の方が、解析の精度が高いことがわかった。
また、赤外分光分析計(赤外線多成分計、型式「IRMA61」、(株)チノー製)により、波長2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度を測定し、その結果に基づく解析(一成分解析)により、THF濃度を求めたところ、69.1重量%であった。一方、波長1760nm、2100nmおよび2180nmにおける電荷発生層用塗布液の吸光度を測定し、その結果(3種類)に基づく解析(三成分解析)により、THF濃度を求めたところ、66.4重量%であった。ここで、THF濃度の理論値は、66.7%であるので、三成分解析の方が、解析の精度が高いことがわかった。
そこで、上記3種の波長による三成分解析を採用して、以下の電荷発生層用塗布液の組成の検査および管理(組成の制御)を行った。
次いで、電荷発生層用塗布液(以下、「電荷発生層用塗布液の組成の検査および管理」において、単に「塗布液」といい、必要に応じて、符号11を付して示す。)を、図1に示す浸漬型塗布装置10の塗布槽12および攪拌槽13内に投入し、塗布液11を、塗布槽12および攪拌槽13内を循環させつつ、攪拌槽13において攪拌した。
次いで、電荷発生層用塗布液(以下、「電荷発生層用塗布液の組成の検査および管理」において、単に「塗布液」といい、必要に応じて、符号11を付して示す。)を、図1に示す浸漬型塗布装置10の塗布槽12および攪拌槽13内に投入し、塗布液11を、塗布槽12および攪拌槽13内を循環させつつ、攪拌槽13において攪拌した。
また、塗布液11の粘度および吸光度を、塗布槽12および攪拌槽13内での塗布液11の循環時間が0.5時間に達する毎に、それぞれ、粘度計17および近赤外成分分析計18により測定して、オンラインでモニタした。
その結果、塗布液11を塗布槽12および攪拌槽13内に投入し、十分に攪拌した後(30分間経過後)の粘度の表示値は、6.82mPa・sであって、上記3種の波長による三成分解析により求められたTHF濃度は、69.5重量%であった。なお、塗布液11の粘度が低下し、THFの含有割合が上昇したのは、浸漬型塗布装置10内に残留していた洗浄液(THF)が混入したためである。
その結果、塗布液11を塗布槽12および攪拌槽13内に投入し、十分に攪拌した後(30分間経過後)の粘度の表示値は、6.82mPa・sであって、上記3種の波長による三成分解析により求められたTHF濃度は、69.5重量%であった。なお、塗布液11の粘度が低下し、THFの含有割合が上昇したのは、浸漬型塗布装置10内に残留していた洗浄液(THF)が混入したためである。
さらに、塗布液11を、1日間循環させて、粘度の変化を観察した。なお、加速試験のため、浸漬型塗布装置10は、その一部開放して、溶剤が蒸発し易いように設定した。
その結果、図8の領域(i)に示すように、塗布液11の粘度は、徐々に上昇し、1日経過後において、9.74mPa・sとなった。また、1日経過後の時点(図8中、符号(ii)で示す。)で、上述の三成分解析により求められたTHF濃度は、63.5重量%であった。すなわち、溶剤蒸発に伴う、固形分濃度上昇と、粘度の上昇とが観察された。
その結果、図8の領域(i)に示すように、塗布液11の粘度は、徐々に上昇し、1日経過後において、9.74mPa・sとなった。また、1日経過後の時点(図8中、符号(ii)で示す。)で、上述の三成分解析により求められたTHF濃度は、63.5重量%であった。すなわち、溶剤蒸発に伴う、固形分濃度上昇と、粘度の上昇とが観察された。
次に、粘度に関してのみ、制御を行った。ここで、塗布液11の粘度は、7.0±0.2mPa・sを目標値として、制御した。
すなわち、まず、1日経過後の時点(図8中の符号(ii))において、攪拌槽13内に、THF1.5kgを投入して、塗布液11の粘度を調整した。その後(すなわち、図8中、符号(ii)で示す領域において)、30分経過毎に、塗布液11の粘度を測定し、粘度が、7.05mPa・sを上回っている場合には、粘度の増減量0.01mPa・sに対し、TFH3.5gを投入した。(例えば、塗布液11の粘度の測定値が、7.11mPa・sであったときは、7.11mPa・s−7.05mPa・s=0.06mPa・s、(0.06/0.01)×3.5g=21gとなることから、攪拌槽13内に、THF21gを投入した。)
さらに、塗布液11を、浸漬型塗布装置10内にて14日間循環させたところ、14日経過後の塗布液11の粘度は、7.10mPa・sであり、上述の三成分解析により求められたTHF濃度は、68.8重量%であった。
すなわち、まず、1日経過後の時点(図8中の符号(ii))において、攪拌槽13内に、THF1.5kgを投入して、塗布液11の粘度を調整した。その後(すなわち、図8中、符号(ii)で示す領域において)、30分経過毎に、塗布液11の粘度を測定し、粘度が、7.05mPa・sを上回っている場合には、粘度の増減量0.01mPa・sに対し、TFH3.5gを投入した。(例えば、塗布液11の粘度の測定値が、7.11mPa・sであったときは、7.11mPa・s−7.05mPa・s=0.06mPa・s、(0.06/0.01)×3.5g=21gとなることから、攪拌槽13内に、THF21gを投入した。)
さらに、塗布液11を、浸漬型塗布装置10内にて14日間循環させたところ、14日経過後の塗布液11の粘度は、7.10mPa・sであり、上述の三成分解析により求められたTHF濃度は、68.8重量%であった。
すなわち、上記の制御により、塗布液11の粘度については、十分に制御できたものの、THF濃度が、経時的に上昇した。これは、粘度の測定値のみに基づいて、THFのみを補充したのでは、混合溶媒中のTHFの比率だけが高くなることが避けられず、それゆえ、粘度の測定値にのみ基づいた制御によっては、混合溶媒の組成の管理を実行できないということを示している。
そこで、浸漬型塗布装置10内への塗布液11の投入から15日経過後(図9参照)より、塗布液11の粘度の測定値に加え、上述の三成分解析により求められたTHF濃度の(解析値)を用いて、THFおよびPGMの配合量を決定し、塗布液11の組成の管理を行った。ここで、塗布液11のTHF濃度は、66.6±0.5%を目標値として、制御した。
すなわち、具体的には、30分経過毎に、塗布液11の粘度測定と、上述の三成分解析によるTHF濃度の解析を行い、上述の式(4)により、THFの含有比率(重量%)の計算値Yを求めた。こうして、得られた計算値Y(重量%)が、66.8%以上であるときには、攪拌槽13内に、PGM10gを投入した。なお、計算値Y(重量%)が、例えば、67.5重量%である場合や、66.9重量%である場合であっても、66.8%以上であるときには、等しくPGM10gを投入した。
なお、塗布液11の粘度については、上述の場合と同様に、粘度が、7.05mPa・sを上回っている場合には、粘度の増減量0.01mPa・sに対し、TFH3.5gを投入した。
このようにして、さらに、15日間、塗布液11を浸漬型塗布装置10内で循環させた。
このようにして、さらに、15日間、塗布液11を浸漬型塗布装置10内で循環させた。
その結果、図9に示すように、浸漬型塗布装置10内への塗布液11の投入から30日経過後において、塗布液11の粘度は、7.10mPa・sであった。また、上述の三成分解析により求められたTHF濃度は、66.7重量%であって、塗布液11の粘度の管理について、安定した制御がされていたことがわかった。
なお、塗布液11の密度を、密度計(インライン型振動式密度計、型式「FDM50A」、CBCマテリアルズ(株)製)によって、継続的に測定した。その結果を、図10に示す。図10中、符号(a)で示す領域では、塗布液11の粘度の測定結果のみに基づいて、THFの配合による組成管理を実行した。また、符号(b)で示す領域では、塗布液11の粘度の測定結果に基づく、THFの配合による組成管理と、塗布液11のTHF濃度の解析結果に基づく、PGMの配合による組成管理との両方の管理を実行した。
なお、塗布液11の密度を、密度計(インライン型振動式密度計、型式「FDM50A」、CBCマテリアルズ(株)製)によって、継続的に測定した。その結果を、図10に示す。図10中、符号(a)で示す領域では、塗布液11の粘度の測定結果のみに基づいて、THFの配合による組成管理を実行した。また、符号(b)で示す領域では、塗布液11の粘度の測定結果に基づく、THFの配合による組成管理と、塗布液11のTHF濃度の解析結果に基づく、PGMの配合による組成管理との両方の管理を実行した。
図10に示すように、領域(b)、すなわち、浸漬型塗布装置10内への塗布液11の投入から15日経過後においては、塗布液11の密度が一定しており、この領域においては、図9に示すように、塗布液11の粘度も一定していた。それゆえ、上述の三成分解析による結果により、THF濃度(THFとPGMとの含有割合)が一定に推移したことが確認されたが、この点について、塗布液11の粘度と密度の双方が一定に推移したという測定結果により、裏付けられた。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
11 塗布液(電子写真感光体用塗布液)
17 粘度計(プローブ)
18 赤外分光分析計
17 粘度計(プローブ)
18 赤外分光分析計
Claims (6)
- 2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の吸光度を、赤外分光分析により測定し、前記吸光度の測定値に基づいて、前記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率を検査することを特徴とする、電子写真感光体用塗布液の検査方法。
- 前記吸光度を、互いに異なる2以上の波長で測定することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体用塗布液の検査方法。
- 前記2種以上の溶媒が、互いに非共沸混合溶媒を組成する溶媒の組合せであることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体用塗布液の検査方法。
- 2種以上の溶媒と固形分とを含む電子写真感光体用塗布液の粘度を測定し、
請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された前記電子写真感光体用塗布液における2種以上の溶媒の含有比率と、前記粘度の測定値とに基づいて、前記電子写真感光体用塗布液の組成を検査することを特徴とする、電子写真感光体用塗布液の検査方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体用塗布液の検査方法により検査された前記電子写真感光体用塗布液の2種以上の溶媒の含有比率と、請求項4に記載の電子写真感光体用塗布液の検査方法において測定された前記電子写真感光体用塗布液の粘度と、に基づいて、前記電子写真感光体用塗布液の組成を検査し、
次いで、前記電子写真感光体用塗布液の組成の検査結果に基づいて、前記2種以上の溶媒および前記固形分の少なくともいずれか1の成分を補充し、前記電子写真感光体用塗布液の組成を調整、管理することを特徴とする、電子写真感光体用塗布液の管理方法。 - 請求項5に記載の電子写真感光体用塗布液の管理方法により管理された電子写真感光体用塗布液を用いて、浸漬塗布法により、電子写真感光体を製造することを特徴とする、電子写真感光体の製造方法。
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