JP2003042949A - 多成分濃度分析装置 - Google Patents

多成分濃度分析装置

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JP2003042949A
JP2003042949A JP2001233956A JP2001233956A JP2003042949A JP 2003042949 A JP2003042949 A JP 2003042949A JP 2001233956 A JP2001233956 A JP 2001233956A JP 2001233956 A JP2001233956 A JP 2001233956A JP 2003042949 A JP2003042949 A JP 2003042949A
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concentration
noise component
substance
spectrum
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Takao Kurata
孝男 倉田
Takeshi Kobayashi
健 小林
Taketo Yagi
武人 八木
Masataka Obara
正孝 小原
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合物質中に含まれる所定物質の濃度を連続
計測する。 【解決手段】 種々の物質を導入するセル34と、受光
スペクトルを採取する分光器54と、受光スペクトルを
処理する波形処理装置55とを備え、波形処理装置55
は、ノイズ成分量と理想的な吸光係数とを標準単一物質
より算出するノイズ成分量算出段階と、組成比が異なる
混合物質からノイズ成分量を取り除いて多変量解析によ
り混合物質の検量線を作成する検量線作成段階と、時間
の経過により変化するノイズ成分量を標準単一物質及び
理想的な吸光係数により校正する校正段階と、組成比が
不明である混合物質から校正ノイズ成分量及び検量線を
用いて混合物質中の所定物質の濃度を算出し且つ連続的
に次の所定物質の濃度を算出する際に時間経過に対応し
て処理手順を校正段階へ戻す通常計測段階とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混合物質中の所定
物質を定量する多成分濃度分析装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図22は従来におけるボイラ設備の一例
を表わすものであって、1は燃料を燃焼して蒸気を発生
させるボイラ本体、2はボイラ本体1へ硫黄分を含む重
質油等の燃料を送給するアスファルトタンク、3はボイ
ラ本体1から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物
を除去するための脱硝装置、4は脱硝装置3で窒素酸化
物が除去された排ガスとボイラ本体1へ供給される燃焼
用空気等の空気とを熱交換させるための空気予熱器、5
は空気予熱器4を通過して温度降下した排ガス中に含ま
れる灰を捕集するための集塵器、6は集塵器5で灰が捕
集された排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去するため
の脱硫装置、7は脱硫装置6で硫黄酸化物が除去された
排ガスを大気中へ放出するための煙突である。
【0003】従来のボイラ設備において燃料を燃焼する
際には、アスファルトタンク2より燃料をボイラ本体1
へ送給し、ボイラ本体1において燃料の燃焼を行って蒸
気を発生させ、その際にボイラ本体1から排出される排
ガスは、脱硝装置3で窒素酸化物が除去され、空気予熱
器4でボイラ本体1へ供給される燃焼用空気等の空気と
熱交換して温度降下した後、集塵器5で灰が捕集され、
脱硫装置6で硫黄酸化物が除去され、煙突7から大気中
へ放出されるようになっている。
【0004】ここで、ボイラ設備において硫黄分を含む
重質油等の燃料を燃焼した際には、排ガス中にSO3
含まれており、SO3は脱硝装置3の脱硝触媒を介して
SO2の転化により濃度が上昇し、脱硝装置3以降の機
器類で腐食や閉塞等のトラブルを生じる虞れがあるた
め、脱硫装置6に導入する前には、SO3によるトラブ
ルを防止するようアンモニア等のアルカリ剤を注入して
SO3 を中和している。
【0005】一方、SO3 を中和するアンモニア等のア
ルカリ剤を多量に注入すると、排ガス中にアルカリ剤が
残り、種々の問題を引き起こす虞れがあるため、SO3
の濃度に見合ったアルカリ剤を注入するよう排ガス中の
SO3 の濃度を適宜計測している。
【0006】SO3 の濃度の計測は、排ガス中のSO3
を硫酸ミスト化もしくは測定管の内壁に凝縮させて捕集
することにより滴定して濃度を測定する酸凝縮法や、排
ガス中のSO3 をイソプロピルアルコールに選択的に溶
解させて捕集することにより滴定して濃度を測定するイ
ソプロピルアルコール吸収法等を用いている。
【0007】又、一般に物質は、ランベルトベールの法
則により濃度と吸光度が比例することから、予め各所定
濃度における受光スペクトル(受光強度もしくは受光面
積)を測定して各吸光度を求め、各所定濃度と各吸光度
により物質の検量線を作成し、濃度が不明な物質の吸光
度を測定することにより検量線に当てはめて濃度を求め
ることが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸凝縮
法、イソプロピルアルコール吸収法等は、SO3 の濃度
の計測を連続計測することができず、しかも、再現性が
悪く、計測コストが高いという問題があった。
【0009】又、吸収スペクトルを用いてSO3 の濃度
を求める場合には、SO3 の吸収スペクトルとSO2
吸収スペクトルが重なるため、SO3 の吸収スペクトル
のみを測定することができず、単純に吸収スペクトルか
らSO3 の濃度を測定することができないという問題が
あった。更にSO3 は、不安定な物質であるため検量線
の作成及び濃度の測定が安定的にできないという問題が
あった。
【0010】更に又、一般的な物質は、図23の波長2
10nmのSOの検量線の如く、高濃度部分で検量線
の傾きが水平方向になるよう飽和し、ランベルトベール
の法則に従わないため、直線上の狭い部分のみしか使用
できないという問題があった。ここで、ランベルトベー
ルの法則に従わない原因の一つはノイズ成分によるもの
と考えられており、ノイズ成分には検出器に不要の迷光
が入り込む迷光ノイズがあり、図24に示す如く、分光
器を使用しない分光分析例の場合には、迷光10は光源
11より筐体からの反射光、散乱光等の原因によって生
じ、サンプル12を通過することなく検出器13に入り
込んで測定に影響を与えている。又、図25に示す如
く、サンプル15の後側に分光器16を備えた場合に
は、迷光17は光源18より分光器16の中での散乱に
より生じ、目的波長の光とは別に検出器19に入り込ん
で測定に影響を与えている。ここで、図24、図25
中、14,20は光路、21は回折格子を夫々示してい
る。
【0011】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、混合物質中に含まれる所定物質の濃度を連続計測し
得る多成分濃度分析装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、標
準単一物質、組成比が異なる混合物質、及び組成比が不
明である混合物質を選択して導入するセルと、該セルに
導入した物質より受光スペクトルを採取する分光器と、
前記受光スペクトルを処理する波形処理器とを備え、前
記波形処理器は、前記セル及び分光器に存在するノイズ
成分量とノイズ成分のない理想的な吸光係数とを前記標
準単一物質より算出するノイズ成分量算出段階と、組成
比が異なる混合物質から前記ノイズ成分量を取り除いて
多変量解析により混合物質の検量線を作成する検量線作
成段階と、時間の経過により変化する前記ノイズ成分量
を標準単一物質及び理想的な吸光係数により校正する校
正段階と、組成比が不明である混合物質から校正ノイズ
成分量及び検量線を用いて混合物質中の所定物質の濃度
を算出し且つ連続的に次の所定物質の濃度を算出する際
に時間経過に対応して処理手順を校正段階へ戻す通常計
測段階とを備えたことを特徴とする多成分濃度分析装
置、に係るものである。
【0013】本発明の請求項2の如く、請求項1に示し
たノイズ成分量算出段階は、濃度ゼロのゼロスペクトル
を採取し且つ標準単一物質をセルに導入して各所定濃度
の各受光スペクトルを採取し、単一物質用波長設定段階
として各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定
し、ノイズ成分量設定段階としてノイズ成分を濃度ゼロ
の受光スペクトル又は所定濃度の受光スペクトルより小
さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記仮ノイズ成
分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃度の受光ス
ペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度を算出し、
各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとして
【数4】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
相関係数を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ
成分量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に
戻すことにより同様の処理を繰り返して他の相関係数を
求め、各仮ノイズ成分量における複数の相関係数から最
も大きいものを選択することにより、選択された相関係
数に対応する傾きを所定波長の理想的な吸光係数と決定
すると共にノイズ成分量を決定し、更に前記所定波長を
他の所定波長に変えて処理手順を前記単一物質用波長設
定段階に戻すことにより同様の処理を繰り返して他の所
定波長の理想的な吸光係数及びノイズ成分量を夫々決定
し、標準単一物質の受光スペクトル中に含まれる各波長
の理想的な吸収係数及び各波長のノイズ成分量を集積す
る過程を備えたものでもよい。
【0014】本発明の請求項3の如く、請求項1に示し
たノイズ成分量算出段階は、濃度ゼロのゼロスペクトル
を採取し且つ標準単一物質をセルに導入して各所定濃度
の各受光スペクトルを採取し、単一物質用波長設定段階
として各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定
し、ノイズ成分量設定段階としてノイズ成分を濃度ゼロ
の受光スペクトル又は所定濃度の受光スペクトルより小
さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記仮ノイズ成
分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃度の受光ス
ペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度を算出し、
各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとして
【数5】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
切片を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ成分
量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に戻す
ことにより同様の処理を繰り返して他の切片を求め、各
仮ノイズ成分量における複数の切片から最もゼロに近い
ものを選択することにより、選択された切片に対応する
所定波長の理想的な吸光係数と決定すると共にノイズ成
分量を決定し、更に前記所定波長を他の所定波長に変え
て処理手順を前記単一物質用波長設定段階に戻すことに
より同様の処理を繰り返して他の所定波長の理想的な吸
光係数及びノイズ成分量を夫々決定し、標準単一物質の
受光スペクトル中に含まれる各波長の理想的な吸収係数
及び各波長のノイズ成分量を集積する過程を備えたもの
でもよい。
【0015】本発明の請求項4の如く、請求項1に示し
た検量線作成段階は、濃度ゼロのゼロスペクトルを採取
し且つ組成比が異なる混合物質をセルに導入して複数の
受光スペクトルを採取し、混合物質用波長設定段階とし
て各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定し、予
め標準単一物質より算出した所定波長のノイズ成分量を
濃度ゼロの受光スペクトル及び各組成比の受光スペクト
ルから夫々引くことにより各組成比での所定波長の吸光
度を算出し、前記所定波長を他の所定波長に変えて処理
手順を前記混合物質用波長設定段階に戻すことにより同
様の処理を繰り返して各組成比での他の所定波長の吸光
度を夫々算出し、各波長での吸光度及び各組成比のデー
タを用いて多変量解析することにより混合物質中の所定
物質の検量線を作成する過程を備えたものでもよい。
【0016】本発明の請求項5の如く、請求項1に示し
た校正段階は、濃度ゼロのゼロスペクトルPz(d)を
採取し且つ標準単一物質をセルに導入して所定濃度の標
準スペクトルPr(d)を採取し、校正用波長設定段階
として各受光スペクトルPz(d)、Pr(d)の処理
波長を所定波長に設定し、前記標準スペクトルPr
(d)の所定濃度と、予め求められたノイズ成分のない
理想的な吸光係数とにより透過率Trs(d)を計算
し、ノイズ成分量Pm(d)を
【数6】Pm(d)=(Pr(d)−Trs(d)・P
z(d))/(1−Trs(d)) より求め、前記所定波長を他の所定波長に変えて処理手
順を校正用波長設定段階に戻すことにより同様の処理を
繰り返し、他の所定波長のノイズ成分量Pm(d)を算
出して各波長のノイズ成分量を集積し、通常計測段階
は、組成比が不明である混合物質をセルに導入し計測ス
ペクトルを分光器により採取し、計測用波長設定段階と
して各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定し、
前記計測スペクトル及びゼロスペクトルPz(d)から
ノイズ成分量Pm(d)を夫々引いて吸光度を算出し、
前記所定波長を他の所定波長に変えて処理手順を前記計
測用波長設定段階に戻すことにより同様の処理を繰り返
し、他の所定波長の吸光度を算出して各波長の吸光度を
集積し、予め混合物質から求められた検量線により、混
合物質中の所定物質の濃度を算出し、更に連続的に次の
所定物質の濃度を算出し得るよう、前の所定物質の濃度
を算出してから次の所定物質の濃度を算出するまでの時
間間隔が所定時間を経過している場合には処理手順を校
正段階に戻し、前記時間間隔が所定時間の経過する前の
場合には処理手順を通常計測段階に戻す過程を備えたも
のでもよい。
【0017】このように、標準単一物質、組成比が異な
る混合物質の受光スペクトルからノイズ成分量、理想的
な吸光係数及び検量線を求めることにより、組成比が不
明の混合物質に含まれる所定物質の濃度を算出し且つ時
間経過に対応して処理手順を校正段階へ戻してノイズ成
分量を校正するので、組成比が不明の混合物質に含まれ
る所定物質の濃度を連続計測に行うことができ、しか
も、再現性を向上させると共に計測コストを低減するこ
とができる。
【0018】又、求める所定物質の吸収スペクトルが他
の吸収スペクトルと重なる場合であっても、組成比が異
なる混合物質から多変量解析により検量線を作成して処
理するので、所定物質の濃度を算出することができる。
更に、ランベルトベールの法則に従わない濃度範囲であ
っても、ノイズ成分量算出段階によりノイズ成分量を求
めて修正するので、確実に所定物質の濃度を求めること
ができ、且つ測定の条件によって変化するノイズ成分量
を時間経過によって適宜校正するので、測定の度に何度
も検量線を作成することを不要にして検量線を作成する
手間と物質の使用を最少限にすることができる。更に
又、所定物質が不安的なものであっても、ノイズ成分量
を他の安定的な標準単一物質で代用して算出及び校正す
ることができる。
【0019】請求項2又は3によれば、仮ノイズ成分量
を介して線形回帰法から算出された複数の相関係数もし
くは複数の切片を選択するので、標準単一物質における
各波長の理想的な吸光係数及びノイズ成分量を適確に求
めることができる。
【0020】請求項4によれば、ノイズ成分量を除いた
各組成比での吸光度、組成比等の各データを用いて多変
量解析することにより混合物質中の所定物質の吸光度等
のデータを算出するので、所定物質における各波長での
検量線を正確に作成することができる。
【0021】請求項5によれば、校正段階において経過
時間により変化するノイズ成分量を校正し、且つ校正し
たノイズ成分量及び予め準備した検量線を用いることに
よって、組成比が不明である混合物質から所定物質の濃
度を算出するので、容易に混合物質中の所定物質の濃度
を算出することができる。又、連続的に混合物質中の所
定物質の濃度を算出する際に、前の所定物質の濃度を算
出した時から次の所定物質の濃度を算出する時までの時
間経過に対応して処理手順を変更するので、物質の濃度
を連続的に測定する連続分析を確実且つ精密に行うこと
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面を参照
しつつ説明する。
【0023】図1は、本発明の多成分濃度分析装置の第
一例をボイラ設備に備えた配置を示しており、図中、図
22と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0024】本発明の多成分濃度分析装置の第一例は、
ボイラ本体1の燃焼状態を監視するようボイラ本体1の
後流部22、発生したSO3 の濃度を監視するよう脱硝
装置3の出口付近の煙道位置23、SO3 の濃度に伴っ
て中和量を調整するよう集塵器5の入口付近の煙道位置
24、除去できなかったSO3 の濃度を監視するよう集
塵器5の出口側の煙道位置25、外部に排出する排ガス
中のSO3 の濃度を監視するよう煙突7の中途部26に
夫々配置することが可能であり、中でも脱硝装置3の出
口付近の煙道位置23、集塵器5の入口付近の煙道位置
24に配置することが好ましい。
【0025】本発明の多成分濃度分析装置の第一例を脱
硝装置3の出口付近の煙道位置23に配置した例で示す
と、多成分濃度分析装置の第一例は、図2に示す如く、
煙道位置23に排ガスを取り込むプローブ27を設置
し、プローブ27には加熱配管28を介して排ガス中の
ダストを取り除くフィルター29を接続し、フィルター
29には、開閉弁30を備えた導入加熱配管31を備え
ると共に、不要な排ガスを煙道位置24へ戻すようブロ
ア32を備えた戻し用配管33を備え、開閉弁30を備
えた導入加熱配管31の流路先には加熱可能なガスセル
34を配置し、ガスセル34には開閉弁35及びポンプ
36を備えた排出用配管37を備えている。
【0026】導入加熱配管31における開閉弁30とガ
スセル34の間には、開閉弁38を備えた供給加熱配管
39を備え、供給加熱配管39の端側には、開閉弁40
を介するSO2の標準ガスボンベ41と、開閉弁42を
介するN2ガスボンベ43と、V25触媒のガス転換炉
44及び開閉弁45を介する検量線用ガスボンベ46と
を夫々並列に配置している。ここで、検量線用ガスボン
ベ46はSO2とO2を送出し、SO2とO2は、略425
゜に加熱したガス転換炉44のV25触媒に接触するこ
とによりSO3に転換している。又、加熱配管28、導
入加熱配管31、供給加熱配管39、ガスセル34は、
SO3 が吸着や分解をしないよう略300゜〜500゜
に温度設定されており、図2中、47はトラップ、48
は圧力モニター、49はフローメータ、50はレギュレ
ータを示している。
【0027】ガスセル34には、所定光を発する光源5
1と、所定光がガスセル34を透過するよう所定光を反
射させるミラー52とを備え、所定光の検出側には、光
ファイバー53を介して分光器54を設置し、分光器5
4には、所定の処理手順を備えた波形処理装置55を接
続している。
【0028】以下、本発明を実施する形態の第一例の作
用を説明する。
【0029】本発明の多成分濃度分析装置によるSO3
の濃度測定は、図3〜図6のフローに示す如く、ノイズ
成分量及び理想的な吸光係数を求めるノイズ成分量算出
段階と、検量線を作成する検量線作成段階と、時間経過
により変化するノイズ成分量を校正する校正段階と、混
組成比が不明である混合物質より所定物質の濃度を算出
する通常計測段階に分かれている。ここで、図3〜図6
のフローはA,B,C,Dで夫々接続されている。
【0030】ノイズ成分量及び理想の吸光係数を求める
ノイズ成分量算出段階を説明すると、初めに、濃度ゼロ
の場合として、N2ガスボンベ43からガスセル34に
2を導入することにより受光スペクトルPz(d)
(受光強度、受光面積)を測定し、次に標準ガスボンベ
41からガスセル34に標準単一物質(単一ガス)のS
2を様々な濃度(n1,n2,n3…(少なくとも3
個以上))で導入することにより複数の受光スペクトル
P(d)(受光強度、受光面積)を測定する。ここで、
ガスセル34に導入したN2、SO2を測定の後には、適
宜、排出用配管37から排出している。
【0031】複数の受光スペクトルP(d)を測定した
後には、各受光スペクトルを処理する波長を選択するよ
う単一物質用波長処理段階として初期波長dを設定す
る。
【0032】ここで、測定した各波長の受光スペクトル
には、ノイズ成分の迷光ノイズが含まれており、
【数7】P(d)=Ps(d)+Pm(d) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) Ps(d):物質の受光スペクトル Pm(d):迷光ノイズの受光スペクトル となる。
【0033】このため、一般に各波長における吸光度を
求める式、
【数8】 A(d)=log(Pz(d)/P(d)) A(d):吸光度 Pz(d):ゼロスペクトル(物質の濃度ゼロの場合の
受光スペクトル) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) より、迷光ノイズの受光スペクトルを引き、
【数9】As(d)=log((Pz(d)−nPm
(d))/(P(d)−nPm(d))) As(d):修正した吸光度 Pz(d):ゼロスペクトル(物質の濃度ゼロの場合の
受光スペクトル) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) nPm(d):仮の迷光ノイズの受光スペクトル(仮ノ
イズ成分量) に変形し、迷光ノイズのノイズ成分を数量化するようノ
イズ成分量設定段階として迷光ノイズをゼロの仮ノイズ
成分量(仮迷光)nPm(d)と仮設定する。
【0034】続いて、仮ノイズ成分量nPm(d)が、
濃度ゼロの受光スペクトルPz(d)又は所定濃度の受
光スペクトルP(d)より小さい値であることを確認
し、[数9]に対して、仮ノイズ成分量nPm(d)の
ゼロの仮設定値、初期波長dにおける各所定濃度(n
1,n2,n3…)の受光スペクトルP(d)の測定
値、初期波長dにおける濃度ゼロでのゼロスペクトル
(受光スペクトル)Pz(d)の測定値を夫々代入し、
各所定濃度に対応する吸光度As(d)を算出する。
【0035】一般に各吸光度と、各所定濃度との関係は
ランベルトベールの式
【数10】A=αn A:吸光度 α:吸光係数 n:濃度 に従い、直線の検量線となるので、
【数11】Y=aX+b a:傾き b:切片 の式に、Xに各所定濃度(n1,n2,n3…)の値、
Yに各吸光度As(d)の算出値を代入し、最小二乗法
等の線形回帰法により処理して相関係数r(R)、切
片b、傾きaを求める。
【0036】ここで、線形回帰法による処理を[表1]
に示すと、線形回帰法は、採取及び算出した濃度Xと吸
光度Yの複数組(少くとも三組以上)をK個として考え
る。
【0037】
【表1】
【0038】又、XとYの共分散Sxyは
【数12】 Sxy=(1/k)Σxy−avg_x×avg_y このとき、
【数13】a=Sxy/Sxx
【数14】b=avg_y−Sxy×avg_y/Sxx
【0039】又、相関係数rの二乗R
【数15】R=Sxy/(Sxx・Syy) であり、この計算値によりr(R)が最も大きくなっ
た場合(1に近づいた場合)に濃度Xと吸光度Yの複数
組が直線上に位置すると判断する。又、r(R)が最
も大きくなったときにはb=0になる(ゼロに最も近く
なる)のでbを基準にしてもよい。なお、線形回帰法に
おいて誤差の二乗和が最小になるnPmを求める場合に
はRが最大になるとは限らず、b=0にもならないの
で適用できない。
【0040】このような線形回帰法により仮ノイズ成分
量nPmがゼロの場合の相関係数r、切片b、傾きaを
求めた後には、傾きaと共に、相関係数r及び切片bの
少くとも一方を仮記憶する。
【0041】次に、ゼロの仮ノイズ成分量nPm(d)
に所定の増加量ΔnPmを加えて、図3に示す如く、処
理手順をノイズ成分量設定段階に戻すことによりノイズ
成分を他の仮ノイズ成分量nPm(d)と仮設定し、他
の仮ノイズ成分量nPm(d)が、濃度ゼロの受光スペ
クトル(ゼロスペクトル)Pz(d)又は所定濃度の受
光スペクトル(計測スペクトル)P(d)より小さい値
であることを確認する。
【0042】確認した後には、初めに吸光度As(d)
を求めた処理と略同様に、[数9]に対して、他の仮ノ
イズ成分量nPm(d)の仮設定値、初期波長dにおけ
る各所定濃度(n1,n2,n3…)の受光スペクトル
P(d)の測定値、初期波長dにおける濃度ゼロのゼロ
スペクトルPzの測定値を夫々代入することにより、初
期波長dでの各所定濃度に対応する吸光度As(d)を
算出し、且つ、先の線形回帰法により相関係数等を算出
した処理と同様に、他の仮ノイズ成分量nPm(d)に
おける他の相関係数r、他の切片b、他の傾きaを求
め、同様に仮記憶する。
【0043】続いて、他の仮ノイズ成分量nPm(d)
に更に所定の増加量ΔnPmを加えて処理手順をノイズ
成分量設定段階に戻すことにより別の仮ノイズ成分量n
Pm(d)と仮設定し、同じ処理を繰り返して、別の仮
ノイズ成分量nPm(d)における別の相関係数r、別
の切片b、別の傾きaを求め、同様に仮記憶する。
【0044】このように仮ノイズ成分量nPm(d)に
徐々に増加量ΔnPmを加える処理は、初期波長dにお
ける複数の傾きaと、初期波長dにおける複数の相関係
数r及び切片bとを求めて蓄積するものである。
【0045】更に、増加する仮ノイズ成分量nPm
(d)が、濃度ゼロの受光スペクトル(ゼロスペクト
ル)Pz(d)又は所定濃度の受光スペクトル(計測ス
ペクトル)P(d)を超えた時点で処理を停止する。こ
こで、処理を停止する場合は、相関係数rの蓄積数もし
くは切片bの蓄積数が所定以上になった場合でもよい。
【0046】処理を停止した後、各仮ノイズ成分量nP
m(d)における複数の相関係数rの中より相関係数r
が最も大きいもの(最も1に近づいたもの)を選択する
と共に、各仮ノイズ成分量nPm(d)における複数の
切片bの中から切片bが最もゼロに近いものを選択す
る。ここで、相関係数r及び切片bを選択する場合は相
関係数rもしくは切片bのどちらか一方の処理でもよ
い。又、相関係数rが最も大きいものを選択する場合
は、Rの極大値を求めるものであり、微分法や山登り
法でも求めることができる。更に、極大になるポイント
部分を詳細に探索するよう極大値近傍の区間のみΔnP
mを小さくしてもよい。更に又、相関係数r及び切片b
を選択する場合は、多くの相関係数r及び切片bを蓄積
せずに、所定の仮ノイズ成分量nPm(d)における相
関係数r及び切片bを求めた時点で、前に仮記憶した相
関係数r及び切片bと比較し、常に相関係数rが最も大
きいもの、及び切片bが最もゼロに近いものを残すよう
にしてもよい。
【0047】次いで、選択した相関係数r及び切片bの
少くとも一方の情報から実際のノイズ成分量Pm(d)
を決定すると共に、線形回帰法により算出された対応の
傾きaを決定し、決定された傾きaを初期波長dでの理
想的な吸光係数αとする。
【0048】初期波長dでの実際のノイズ成分量Pm
(d)を求めた後には、初期波長dに所定の波長幅Δd
を加えて他の所定波長dと設定し、且つ他の所定波長d
が所定の範囲内であることを確認し、図3に示す如く、
処理手順を単一物質用波長設定段階に戻すことにより、
以下、迷光ノイズを仮ノイズ成分量(仮迷光)nPm
(d)に仮設定する等の同様な処理を行い、相関係数r
及び切片bを選択し、他の所定波長dにおける実際のノ
イズ成分量Pm(d)を決定すると共に、線形回帰法に
より算出された対応の傾きaを決定し、決定された傾き
aを他の所定波長dでの理想的な吸光係数αとする。
【0049】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける実際のノイズ成分量Pm(d)と理想的な吸光係
数αを集積し、増加する所定波長dが所定の範囲を超え
た時点で処理を停止し、各波長における理想的な吸収係
数スペクトルを求める。
【0050】各波長における実際のノイズ成分量Pm
(d)を決定した後には、図4に示す如く、検量線を作
成する検量線作成段階に移行し、検量線作成段階を説明
すると、初めに、混合物質(混合ガス)の濃度ゼロの場
合として、N2ガスボンベ43からガスセル34にN2
導入することによりゼロスペクトル(受光スペクトル)
Pz(d)(受光強度、受光面積)を測定し、次に、検
量線用ガスボンベ46からガスセル34に混合物質(混
合ガス)のSO3、SO2を様々な組成比(濃度比)で導
入することにより複数の受光スペクトルP(d)(受光
強度、受光面積)を測定する。ここで、ガスセル34に
導入したN2、SO3を含む混合物質を測定の後には、適
宜、排出用配管37から排出している。
【0051】各受光スペクトルPz(d)、P(d)を
測定した後には、各受光スペクトルPz(d)、P
(d)を処理する波長を選択するよう混合物質用波長処
理段階として初期波長dを設定し、初期波長dが所定範
囲内であることを確認する。続いて、先のノイズ成分量
算出段階で求めた各波長における実際のノイズ成分量P
m(d)より初期波長dの場合のノイズ成分量Pm
(d)を選択して準備し、下記の[数16]に対して、
初期波長dにおけるノイズ成分量Pm(d)の値、初期
波長dにおける各組成比の受光スペクトルP(d)の測
定値、初期波長dにおける濃度ゼロでのゼロスペクトル
(受光スペクトル)Pz(d)の測定値を夫々代入し、
各組成比(濃度)での混合物質の吸光度As(d)を算
出する。
【0052】
【数16】As(d)=log((Pz(d)−Pm
(d))/(P(d)−Pm(d))) As(d):混合物質の修正した吸光度 Pz(d):混合物質のゼロスペクトル(物質の濃度ゼ
ロの場合の受光スペクトル) P(d):測定した混合物質の受光スペクトル(計測ス
ペクトル) Pm(d):標準単一物質より算出した実際の迷光ノイ
ズの受光スペクトル(実際のノイズ成分量)
【0053】ここで、混合物質の測定は、ノイズ成分量
算出段階で用いたガスセル34及び分光器54を用いる
ので、標準単一物質に含まれる各波長のノイズ成分量
と、混合物質に含まれる各波長のノイズ成分量とが略同
じである。又、ノイズ成分量算出段階における吸収スペ
クトルの測定と検量線作成段階における混合物質の吸収
スペクトルの測定との測定間隔はノイズ成分量が変化し
ない時間である。
【0054】初期波長dでの吸光度As(d)を算出し
た後には、初期波長dに所定の波長幅Δdを加えて他の
所定波長dと設定し、図4に示す如く、処理手順を混合
物質用波長設定段階に戻し、以下、同様な処理を行な
い、各組成比での他の所定波長dでの吸光度As(d)
を求める。
【0055】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける各組成比の吸光度As(d)を集積し、増加する
所定波長dが所定の範囲を超えた時点で処理を停止し、
吸光度As(d)及び各組成比等のデータを用いて多変
量解析を行う。
【0056】ここで、多変量解析について説明すると、
多変量解析は、重回帰分析、主成分回帰分析、PLS、
CLS、ニューラルネット等があり、下記にはPLS
(Partial Least Squares )モデルの計算理論を用いた
場合の例を説明する。
【0057】(PLSモデルの計算理論)Xを説明変
数、yを目的変数とする。
【0058】
【数17】
【0059】吸光度スペクトル波形解析による濃度推定
モデルの場合、[数17]における、x(n,d)は、
波長d、計測番号nのときの吸光度であり、y(n)
は、計測番号nのとき濃度である。Nは計測数(サンプ
ル数)、Dは波長の分割数(説明変数の数)である。
【0060】PLS法では、説明変数Xと目的変数yを
[数18]、[数19]の二つの基本式で求める。
【0061】
【数18】X=TPT+E T:潜在変数、 P:ローディング、 E:説明変数Xの残差、 上添え字のT:転置行列
【0062】
【数19】y=Tq+f q:係数 f:目的変数yの残差
【0063】又、潜在変数T、ローディングP及び係数
qは[数20]、[数21]、[数22]のように示さ
れる。
【0064】
【数20】 t(n,a):a成分目の計測番号nの潜在変数 A:成分数(1〜Nの範囲内を選択可能) ta :潜在変数Tのa成分目の潜在変数ベクトル
【0065】
【数21】 p(a,d):a成分目の波長dのローディング A:成分数(1〜Nの範囲内を選択可能) pa :ローディングPのa成分目のローディングベクト
【0066】
【数22】q=(q(1),q(2),q(3),…,
q(a),…q(A)) qa=q(a) q(a):a成分目の係数である。
【0067】ここで、モデルの特徴を表すのは、上位6
番目くらい間での成分であり、それ以上は、予測誤差を
低下させる。最適な成分数Aの決定は、クロスバリエー
ションを行うことで決定する。
【0068】次に、PLS法では、説明変数Xの情報を
目的変数yのモデリングに直接用いるのではなく、説明
変数Xの情報の一部を潜在定数tに変換して潜在定数t
を用いて目的変数yをモデリングする。
【0069】(潜在定数t)ta は、説明変数Xの線形
結合であるとすれば、[数23]で表される。
【0070】
【数23】ta=Xwaa は重みベクトルであり、[数24]のように表され
る。
【0071】
【数24】 w(d,a):a成分目の波長dの重み係数
【0072】(第1成分の計算)続いて、成分が一つの
場合(a=1)を計算して説明すると、成分aが一つの
場合、[数18]、[数19]は[数25]、[数2
6]の式で表される。
【0073】
【数25】X=t11 T+E
【0074】
【数26】y=t11+f [数23]より潜在定数tを[数27]に変形する。
【0075】
【数27】 wのノルムを1になるように設定すると[数28]にな
る。
【0076】
【数28】
【0077】更に、PLSのモデルは、目的変数yと潜
在定数tとの相関を大きくすると同時にtの分散を大き
くすることであり、これを満たす条件は、[数29]の
目的変数yと潜在定数tの共分散Sが最大になるポイン
トである。
【0078】
【数29】S=yT
【0079】ここで、wのノルムを1とする制約条件で
Sが最大になる条件をLagrangeの未定乗数法を用いて
[数30]のように求める。
【0080】
【数30】
【0081】関数Gは、変数wの関数なので、Gをw
(d,1)について偏微分して、[数31]、[数3
2]の関係を得る。
【0082】
【数31】
【0083】
【数32】 この[数32]の両辺にw(d,1)を掛けると[数3
3]になる。
【0084】
【数33】 さらにdについて総和を取ると[数34]となる。
【0085】
【数34】
【0086】ここで、‖w1 ‖=0の制約条件より[数
35]となる。
【0087】
【数35】
【0088】[数31]の左辺は、[数29]のS=y
T tの定義であるので、2μはyTtの値となる。従っ
て、S=yT tが最大になる最大のwの値は[数36]
で与えられる。
【0089】
【数36】 1 のノルムは1なので、wは[数37]となる。
【0090】
【数37】w1=XTy/‖XTy‖ ここで潜在変数tは[数38]によって求まる。
【0091】
【数38】t1=Xw1
【0092】[数25]のローディングベクトルp
1 は、説明変数Xの残差Eの要素の二乗和が最小になる
ように[数39]で求める。
【0093】
【数39】p1=XT1/t1 T1
【0094】[数26]の係数qa は、目的変数yの残
差ベクトルfの要素の二乗和が最小になるように条件か
ら[数40]で求める。
【0095】
【数40】q1=yT1/t1 T1
【0096】(第2成分以降の計算)第2成分のモデル
式は[数41]、[数42]で表される。
【0097】
【数41】X=t11 T+t22 T+E
【0098】
【数42】y=t11+t22+f
【0099】ここで、成分数1のモデリングで、Xのう
ち[数41]のt1 1 T が使われ、yのうちt1 1
が説明に使われたので、残っている情報を[数43]、
[数44]と置き換えることができる。
【0100】
【数43】Xnew=X−t11 T
【0101】
【数44】ynew=y−t11
【0102】Xnew とynew を用いると、[数41]、
[数42]は、[数45]、[数46]となる。
【0103】
【数45】Xnew=t22 T+E
【0104】
【数46】ynew=t22+f
【0105】これは、成分番号が一つ増えた以外は、
[数25]、[数26]と同じ式である。
【0106】従って、第1成分と同様にt2 、p2 、q
2 を求めることができる。
【0107】このループを繰り返すことで、第3成分以
降の算出ができる。
【0108】(回帰ベクトルの算出)必要な成分数A回
繰り返し計算をしたモデル式は[数47]、[数48]
のように書ける。
【0109】
【数47】 X=TPT=t11 T+…+taa T+…+tAA T
【0110】
【数48】 y=Tq=t11+…+taa+…+taa
【0111】[数48]の潜在変数tに[数23]のt
1 =Xw1 を代入すると、推定するモデル式は、[数4
9]となる。
【0112】
【数49】y=Xw11+(X−t11 T)w22+… 変形すると、
【数50】y=Xw11+Xw22−t11 T22
【0113】この[数50]に[数23]のt1 =Xw
1 を代入してXでまとめると、[数51]となる。
【0114】
【数51】y=X(w11+w22−w11 T22
【0115】ここで、[数52]のように、ある説明す
るベクトル
【外1】 に対して、目的変数
【外2】 を推定するモデル式に変換する。
【0116】
【数52】
【0117】[数52]で、bは回帰ベクトル呼ばれる
もので、[数53]で示される。
【0118】
【数53】
【0119】回帰ベクトルbは、[数51]から[数5
4]のように求められる。
【0120】
【数54】b=W(PTW)-1・q
【0121】以上のPLS法のアルゴリズムをまとめ
て、図7に示す。
【0122】初めにPLS法による計算の開始から、成
分をa=1に設定して第1成分を求め、次に[数37]
で説明した第1成分の重みベクトルwa を演算し、wa
をもとに[数37]の潜在変数tを演算し、[数39]
のローディングベクトルPaを演算し、[数40]の係
数qa を演算し、求めたローディングベクトルPa と係
数qa から[数43]、[数44]で説明した第2成分
のモデルを設定し、成分aをa=a+1とインクリメン
トし、step1で、次の成分の演算が必要かどうかを
判断し、必要であれば(Yes)、すなわち第2成分の
重みベクトルw a の演算に戻して、同様な演算を繰り返
した後、次の成分の設定を行うと共にインクリメント
し、step1で、成分の演算が必要数行い必要でない
とき(No)、[数54]で説明した回帰ベクトルbを
演算して終了する。
【0123】多変量解析を終了すると、混合物質中に含
まれる所定物質の吸光度、組成比(濃度)等のデータを
算出し、所定物質における各波長での複数の検量線を作
成することができる。
【0124】続いて、検量線を作成した後には、図5に
示す如く、連続計測を開始するとしてノイズ成分量を校
正する校正段階に移行し、校正段階を説明すると、初め
に、混合物質(混合ガス)の濃度ゼロの場合として、N
2ガスボンベ43からガスセル34にN2を導入すること
によりゼロスペクトルPz(d)(受光強度、受光面
積)を測定し、次に、標準ガスボンベ41からガスセル
34に標準単一物質のSO2を所定濃度nrで導入する
ことにより標準スペクトルPr(d)(受光強度、受光
面積)を測定する。ここで、ガスセル34に導入したN
2、標準単一物質のSO2を測定の後には、適宜、排出用
配管37から排出している。又、標準単一物質は、SO
2を用いているが、吸収スペクトルが一定範囲におい
て、濃度を求める所定物質(ここではSO3)と吸収ス
ペクトルが重ならないこと、及び安定な物質であること
の最低条件を満たせば他のものでもよい。
【0125】ゼロスペクトルPz(d)と標準スペクト
ルPr(d)を測定した後には、各受光スペクトルPz
(d)、Pr(d)を処理する波長を選択するよう校正
用波長設定段階として初期波長dを設定し、続いて先の
ノイズ成分量算出段階で求めたノイズ成分のない初期波
長dにおける理想の吸光係数α(d)を選択し、選択し
た理想の吸光係数α及び標準スペクトルPr(d)の所
定濃度nrを
【数55】Trs(d)=10−α(d)・nr Trs(d):透過率 に代入し、迷光のノイズ成分量を含まない透過率Trs
(d)を算出する。
【0126】ここで、透過率Trs(d)は、濃度ゼロ
のゼロスペクトルPz(d)及び標準スペクトルPr
(d)から不明のノイズ成分量Pm(d)を夫々引くこ
とにより
【数56】Trs(d)=(Pr(d)−Pm(d))
/(Pz(d)−Pm(d)) の関係式が成り立つので、この式を変形して
【数57】Trs(d)(Pz(d)−Pm(d))=
Pr(d)−Pm(d)
【数58】Pm(d)=(Pr(d)−Trs(d)・
Pz(d))/(1−Trs(d)) とし、[数58]に対して、迷光のノイズ成分量を含ま
ない透過率Trs(d)の算出値、及び濃度ゼロのゼロ
スペクトルPz(d)の測定値及び標準スペクトルPr
(d)の測定値を夫々代入することにより、所定の時間
経過等により変化したノイズ成分量Pm(d)を求め、
校正する。
【0127】初期波長dでのノイズ成分量Pm(d)を
校正した後には、初期波長dに所定の波長幅Δdを加え
て他の所定波長dと設定し、図5に示す如く、処理手順
を校正用波長設定段階に戻し、以下、同様な処理を行な
い、他の所定波長dでのノイズ成分量Pm(d)を校正
する。
【0128】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける校正したノイズ成分量Pm(d)を集積し、増加
する所定波長dが所定の範囲を超えた時点で処理を停止
し、図6に示す如く、通常計測段階に移行する。
【0129】通常計測段階を説明すると、組成比が不明
である混合物質として、煙道位置24中から排ガスを採
取してガスセル34に導入することにより排ガスの計測
スペクトルP(d)を測定する。ここで、混合物質の排
ガスを構成する組成物(SO 2、SO3等)は、検量線の
作成したときの混合物質と組成比が異なってもよいが、
検量線の混合物質と組成物が略同じものである必要があ
る。又、ガスセル34に導入した混合物質の排ガスを測
定の後には、適宜、排出用配管37から排出している。
【0130】計測スペクトルP(d)を測定した後に
は、各受光スペクトルP(d)、Pz(d)を処理する
波長を選択するよう計測用波長設定段階として初期波長
dを設定し、組成比が不明である混合物質の計測スペク
トルP(d)、及び校正段階で求めたゼロスペクトルP
z(d)から、校正したノイズ成分量Pm(d)を夫々
引くことにより
【数59】As(d)=log((Pz(d)−Pm
(d))/(P−Pm(d))) As(d):校正した吸光度 の式を作成し、[数59]に対して、校正したノイズ成
分量Pm(d)の算出値、ゼロスペクトルPz(d)の
測定値及び計測スペクトルPの測定値を夫々代入するこ
とにより、初期波長dでの校正した吸光度As(d)を
算出する。
【0131】初期波長dでの校正した吸光度As(d)
を算出した後には、初期波長dに所定の波長幅Δdを加
えて他の所定波長dと設定し、図6に示す如く、処理手
順を計測用波長設定段階に戻し、以下、同様な処理を行
ない、他の所定波長dでの校正した吸光度As(d)を
算出する。
【0132】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける校正した吸光度As(d)を集積し、増加する所
定波長dが所定の範囲を超えた時点で処理を停止し、先
に求めた検量線を用いることによって、組成比が不明で
ある混合物質の排ガスよりSO3(所定物質)の濃度n
を算出する。
【0133】ここで、検量線により混合物質中の所定物
質の濃度nを算出する過程を説明すると、所定物質の濃
度nは、検量線として[数54]で示す回帰ベクトルb
により、各波長における校正した吸光度As(d)から
[数52]と同様に下記の[数60]で求められる。
【0134】
【数60】
【0135】すなわち、下記の[数61]の如く、波長
の分割数Dとそれに対応した波長dの吸光度を回帰ベク
トルbから求めて演算することにより、組成比が不明で
ある混合物質より所定物質の濃度nを算出することがで
きる。
【0136】
【数61】
【0137】混合物質の計測スペクトルP(d)より所
定物質の濃度nを求めた後には、連続分析として、新た
に排ガスを採取して所定物質の濃度を算出する段階に移
行し、前の排ガス中におけるSO3の濃度を算出した時
点から次の排ガス中におけるSO3の濃度を算出した時
点までの経過時間を常に監視することよって、図5、図
6に示す如く、経過時間が、ノイズ成分量Pm(d)に
変化を起す所定時間の経過後ならば処理手順を校正段階
へ戻し、ノイズ成分量Pm(d)に変化を起す所定時間
の経過前ならば処理手順を通常計測段階へ戻す。更に、
同様な処理手順を繰り返して次の排ガス中におけるSO
3の濃度を算出し、以後、排ガスを測定する必要がなく
なるまで同様の処理を続ける。ここで、ノイズ成分量P
m(d)が変化する所定時間は物質の種類等によって異
なるため、予めSO3に対応した所定時間に設定してお
く。
【0138】以下、組成比が不明である混合物質より所
定物質の濃度を算出する過程における種々の処理を実際
に示し、仮ノイズ成分量nPm(d)、相関係数R
切片b等を求めた例では、所定波長dを210nmとす
ることにより、仮ノイズ成分量nPm(d)をnPm
と、ノイズ成分量Pm(d)をPmと、ゼロスペクトル
Pz(d)をPzと、受光スペクトル(計測スペクト
ル)P(d)をPとして夫々示す。
【0139】(実施例1)SOにおいて迷光の仮ノイ
ズ成分量nPmを変えた場合を検量線により説明する
と、図8に示す如く、仮ノイズ成分量nPmを変化させ
た場合には、検量線の傾きが立ち上がり、ある値の仮ノ
イズ成分量nPmで検量線が略直線になることが明らか
である。又、この時の仮ノイズ成分量nPmを変化させ
た時の仮ノイズ成分量nPmと相関係数の二乗のR
の関係を示すと、図9、図10に示す如く、仮ノイズ成
分量nPmは所定位置(1560付近)に極大がある。
ここで、図10は図9の極大値近傍の拡大図である。更
に、この時の仮ノイズ成分量nPmを変化させた時の切
片bの関係を示すと、図11に示す如く、bは所定位置
でb=0となる。従って、相関係数Rが極大値、bが
ゼロの位置の場合に、仮ノイズ成分量nPmは実際のノ
イズ成分量Pm(実際の迷光)になり、実際のノイズ成
分量Pmを1560〜1570と推測し、且つ吸光係数
αに相当する傾きaを210nmで0.0149とす
る。更に又、測定した受光スペクトルPにどの程度ノイ
ズ成分量Pmが含まれているかを示すと、図12に示す
如く、各波長においてゼロスペクトルPz及び受光スペ
クトルPの下に所定量のノイズ成分量Pmが存在するこ
とが明らかである。
【0140】(実施例2)同一の装置において意図的に
光学系の調整を行なって実際の迷光のノイズ成分量Pm
を変えた例を用いて説明すると、図13に示す如く、ノ
イズ成分量Pmを含む検量線は、迷光のノイズ成分量P
mの大きさに伴って湾曲が大きくなり、且つ傾きが変化
している。又、図13の検量線より各ノイズ成分量Pm
を取り除くと、図14の迷光大(ノイズ成分大)、図1
5の迷光中(ノイズ成分中)、図16の迷光小(ノイズ
成分小)に示す如く、検量線は、迷光の大きさ(ノイズ
成分量の大きさ)にかかわらず、略直線になり、傾きも
略一定になることが明らかである。
【0141】(実施例3)SO2を含んだ混合物質(混
合ガス)において所定波長dに所定の波長幅Δdを加え
ることにより実際に200nmから350nmまで処理
し、SO2について多変量解析し、混合物質中のSO2
吸光度等のデータを算出し得る。ここで[表2]は、複
数ある各組成比のうち3つ(濃度20ppm、60pp
m、100ppm)を示し、夫々の組成比には各波長の
うち3つ(200.52nm、200.77nm、20
1.02nm)を示す。
【0142】
【表2】
【0143】この結果として、図17には、各波長にお
けるゼロスペクトルPz、ノイズ成分量Pm、受光スペ
クトル(計測スペクトル)Pを示し、図18には、各波
長における理想的な吸光係数スペクトルを示す。又、多
変量解析により作成される検量線は各波長ごとに存在
し、適宜校正段階及び測定段階を介して図19に示す補
正前の吸光度スペクトルを、図20に示す補正後の吸光
度スペクトルに修正する。
【0144】このように、SO2の標準単一物質、S
3、SO2の組成比が異なる混合物質の受光スペクトル
からノイズ成分量Pm(d)、理想的な吸光係数α
(d)及び検量線を求めることにより、排ガス中(SO
3、SO2を含む)に含まれるSO3(所定物質)の濃度
を算出し且つ時間経過に対応して処理手順を校正段階へ
戻してノイズ成分量Pm(d)を校正するので、酸凝縮
法、イソプロピルアルコール吸収法等と異なり、排ガス
中に含まれるSO3(所定物質)の濃度を連続計測に行
うことができ、しかも、再現性を向上させると共に計測
コストを低減することができる。
【0145】又、SO3とSO2の如く吸収スペクトルが
重なる場合であっても、SO3、SO2の組成比が異なる
混合物質から多変量解析により検量線を作成して処理す
るので、SO3(所定物質)の濃度を算出することがで
きる。更に、ランベルトベールの法則に従わない濃度範
囲であっても、ノイズ成分量算出段階によりノイズ成分
量Pm(d)を求めて修正するので、確実にSO3(所
定物質)の濃度を求めることができ、且つ測定の条件に
よって変化するノイズ成分量Pm(d)を時間経過によ
って適宜校正するので、測定の度に何度も検量線を作成
することを不要にして検量線を作成する手間とSO3
使用を最少限にすることができる。更に又、所定物質が
不安的なSO3であっても、ノイズ成分量Pm(d)を
他の安定的な標準単一物質のSO2で算出及び校正し得
るので、検量線の作成及び濃度の測定を確実に行うこと
ができる。
【0146】ノイズ成分量算出段階によれば、仮ノイズ
成分量nPm(d)を介して線形回帰法から算出された
複数の相関係数r,R2もしくは複数の切片bを選択す
るので、標準単一物質のSO2における各波長の理想的
な吸光係数α(d)及びノイズ成分量Pm(d)を適確
に求めることができる。
【0147】検量線作成段階によれば、ノイズ成分量P
m(d)を除いた各組成比での吸光度As(d)、組成
比等の各データを用いて多変量解析することにより混合
物質中の所定物質の吸光度As(d)等のデータを算出
するので、所定物質における各波長での検量線を正確に
作成することができる。又、受光スペクトルPz
(d),P(d)からノイズ成分量Pm(d)を取り除
くので、高濃度で飽和した検量線を修正し、高精度な直
線で且つ再現性の高い検量線を作成することができる。
【0148】校正段階及び通常計測段階によれば、経過
時間により変化するノイズ成分量Pm(d)を校正し、
且つ校正したノイズ成分量Pm(d)及び予め準備した
検量線を用いることによって、排ガス中からSO3(所
定物質)の濃度を算出するので、容易に排ガス中のSO
3(所定物質)の濃度を算出することができる。又、連
続的に排ガス中のSO3(所定物質)の濃度を算出する
際に、前のSO3(所定物質)の濃度を算出した時から
次のSO3(所定物質)の濃度を算出する時までの時間
経過に対応して処理手順を変更するので、物質の濃度を
連続的に測定する連続分析を確実且つ精密に行うことが
できる。
【0149】図21は、本発明の多成分濃度分析装置を
実施する形態の第二例を示すものであり、図中、図2と
同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0150】多成分濃度分析装置の第二例は、測定する
サンプルガスを導入する配管60をメイン開閉弁61を
介して備え、メイン開閉弁61を備えた配管60の流路
先にはガスセル34を配置し、ガスセル34には開閉弁
35及びポンプ36を備えた排出用配管37を備えてい
る。
【0151】配管におけるメイン開閉弁61とガスセル
34の間には、第一例と略同様に、開閉弁62を介して
供給配管63を備え、供給配管63の端側には、開閉弁
40を介する標準ガスボンベ41と、開閉弁42を介す
るN2ガスボンベ43と、ガス転換炉44を介する検量
線用ガスボンベ46とを夫々並列に配置している。ここ
で、標準ガスボンベ41及び検量線用ガスボンベ46
は、SO2,SO3に限定されるものでなく他の物質でも
よい。又、ガス転換炉44は物質の種類によっては存在
しなくてもよい。
【0152】ガスセル34には、第一例と略同様な光源
51、ミラー52を備え、所定光の検出側には、光ファ
イバー53を介して分光器54を設置し、分光器54に
は、所定の処理手順を備えた波形処理装置55を接続し
ている。
【0153】又、メイン開閉弁61、標準ガスボンベ4
1の開閉弁40及びN2ガスボンベ43の開閉弁42は
弁駆動装置64に接続されている。
【0154】以下、本発明を実施する形態の第二例の作
用を説明する。
【0155】第二例は、第一例と略同様に、ノイズ成分
量及び理想的な吸光係数を求めるノイズ成分量算出段階
と、検量線を作成する検量線作成段階と、時間経過によ
り変化するノイズ成分量を校正する校正段階と、混組成
比が不明である混合物質より所定物質の濃度を算出する
通常計測段階に分かれており、同様に処理が行われる。
【0156】ここで、弁駆動装置64は、各段階に対応
してメイン開閉弁61、標準ガスボンベ41の開閉弁4
0及びN2ガスボンベ43の開閉弁42を適宜開閉させ
ている。
【0157】このように、第二例は、第一の例と同様な
作用効果を得ることができ、又、弁駆動装置により各物
質の導入を簡略化することができる。
【0158】なお、本発明の多成分濃度分析装置は上述
した実施例のみに限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること
は勿論である。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多成分濃
度分析装置によれば、下記の如き、種々の優れた効果を
奏し得る。
【0160】I)標準単一物質、組成比が異なる混合物
質の受光スペクトルからノイズ成分量、理想的な吸光係
数及び検量線を求めることにより、組成比が不明の混合
物質に含まれる所定物質の濃度を算出し且つ時間経過に
対応して処理手順を校正段階へ戻してノイズ成分量を校
正するので、組成比が不明の混合物質に含まれる所定物
質の濃度を連続計測に行うことができ、しかも、再現性
を向上させると共に計測コストを低減することができ
る。
【0161】II)求める所定物質の吸収スペクトルが
他の吸収スペクトルと重なる場合であっても、組成比が
異なる混合物質から多変量解析により検量線を作成して
処理するので、所定物質の濃度を算出することができ
る。更に、ランベルトベールの法則に従わない濃度範囲
であっても、ノイズ成分量算出段階によりノイズ成分量
を求めて修正するので、確実に所定物質の濃度を求める
ことができ、且つ測定の条件によって変化するノイズ成
分量を時間経過によって適宜校正するので、測定の度に
何度も検量線を作成することを不要にして検量線を作成
する手間と物質の使用を最少限にすることができる。更
に又、所定物質が不安的なものであっても、ノイズ成分
量を他の安定的な標準単一物質で代用して算出及び校正
することができる。
【0162】III)仮ノイズ成分量を介して線形回帰
法から算出された複数の相関係数もしくは複数の切片を
選択するので、標準単一物質における各波長の理想的な
吸光係数及びノイズ成分量を適確に求めることができ
る。
【0163】IV)ノイズ成分量を除いた各組成比での
吸光度、組成比等の各データを用いて多変量解析するこ
とにより混合物質中の所定物質の吸光度等のデータを算
出するので、所定物質における各波長での検量線を正確
に作成することができる。
【0164】V)校正段階において経過時間により変化
するノイズ成分量を校正し、且つ校正したノイズ成分量
及び予め準備した検量線を用いることによって、組成比
が不明である混合物質から所定物質の濃度を算出するの
で、容易に混合物質中の所定物質の濃度を算出すること
ができる。又、連続的に混合物質中の所定物質の濃度を
算出する際に、前の所定物質の濃度を算出した時から次
の所定物質の濃度を算出する時までの時間経過に対応し
て処理手順を変更するので、物質の濃度を連続的に測定
する連続分析を確実且つ精密に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多成分濃度分析装置の第一例をボイラ
設備に備えた状態を示す概略図である。
【図2】本発明の多成分濃度分析装置の第一例を実施す
る形態例を示す概略図である。
【図3】本発明の多成分濃度分析装置を実施する形態例
を示すフローである。
【図4】図3より連続するフローである。
【図5】図4より連続して校正段階を示すフローであ
る。
【図6】図5より連続して通常計測段階を示すフローで
ある。
【図7】多変量解析(PLS法)によるアルゴリズムを
示す図である。
【図8】SOにおいて迷光の仮ノイズ成分量を変えた
場合の検量線を示す図である。
【図9】図8において仮ノイズ成分量を変化させた時の
仮ノイズ成分量と相関係数の二乗値との関係を示す図で
ある。
【図10】図9の極大値近傍を示す拡大図である。
【図11】図8において仮ノイズ成分量を変化させた場
合の切片の関係を示す図である。
【図12】測定した受光スペクトルにどの程度ノイズ成
分量が含まれているかを示す図である。
【図13】同一の装置において意図的に光学系の調整を
行なって実際の迷光のノイズ成分量を変えた場合の検量
線の例を示す図である。
【図14】図13の迷光大(ノイズ成分大)の検量線に
おいて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図
である。
【図15】図13の迷光中(ノイズ成分中)の検量線に
おいて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図
である。
【図16】図13の迷光小(ノイズ成分小)の検量線に
おいて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図
である。
【図17】各波長におけるゼロスペクトル、ノイズ成分
量、受光スペクトル(計測スペクトル)を示す図であ
る。
【図18】各波長における理想的な吸光係数スペクトル
を示す図である。
【図19】各波長における補正前の吸光度スペクトルを
示す図である。
【図20】各波長における補正後の吸光度スペクトルを
示す図である。
【図21】本発明の多成分濃度分析装置の第二例を実施
する形態例を示す概略図である。
【図22】ボイラ設備の一例を表わす概略図である。
【図23】従来の波長210nmのSOの検量線を示
す図である。
【図24】非分散分光分析の場合における迷光を示す概
略図である。
【図25】分光器使用の分光分析の場合における迷光を
示す概略図である。
【符号の説明】
34 ガスセル(セル) 54 分光器 55 波形処理装置 As(d) 吸光度 P(d) 受光スペクトル(計測スペクトル) Pm(d) 実際のノイズ成分量 nPm(d) 仮ノイズ成分量 Pr(d) 標準スペクトル Pz(d) ゼロスペクトル Trs(d) 透過率 α(d) 吸光係数 R2 相関係数 r 相関係数 a 傾き b 切片 d 所定波長(初期波長) n 濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 八木 武人 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 小原 正孝 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社本社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB01 CC06 EE01 EE11 FF10 JJ01 KK01 MM02 MM12 NN01 PP01 3K070 DA02 DA03 DA07 DA09 DA16 DA22 DA23 DA60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標準単一物質、組成比が異なる混合物
    質、及び組成比が不明である混合物質を選択して導入す
    るセルと、該セルに導入した物質より受光スペクトルを
    採取する分光器と、前記受光スペクトルを処理する波形
    処理器とを備え、 前記波形処理器は、前記セル及び分光器に存在するノイ
    ズ成分量とノイズ成分のない理想的な吸光係数とを前記
    標準単一物質より算出するノイズ成分量算出段階と、組
    成比が異なる混合物質から前記ノイズ成分量を取り除い
    て多変量解析により混合物質の検量線を作成する検量線
    作成段階と、時間の経過により変化する前記ノイズ成分
    量を標準単一物質及び理想的な吸光係数により校正する
    校正段階と、組成比が不明である混合物質から校正ノイ
    ズ成分量及び検量線を用いて混合物質中の所定物質の濃
    度を算出し且つ連続的に次の所定物質の濃度を算出する
    際に時間経過に対応して処理手順を校正段階へ戻す通常
    計測段階とを備えたことを特徴とする多成分濃度分析装
    置。
  2. 【請求項2】 ノイズ成分量算出段階は、濃度ゼロのゼ
    ロスペクトルを採取し且つ標準単一物質をセルに導入し
    て各所定濃度の各受光スペクトルを採取し、単一物質用
    波長設定段階として各受光スペクトルの処理波長を所定
    波長に設定し、ノイズ成分量設定段階としてノイズ成分
    を濃度ゼロの受光スペクトル又は所定濃度の受光スペク
    トルより小さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記
    仮ノイズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃
    度の受光スペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度
    を算出し、各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとし
    て 【数1】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
    相関係数を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ
    成分量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に
    戻すことにより同様の処理を繰り返して他の相関係数を
    求め、各仮ノイズ成分量における複数の相関係数から最
    も大きいものを選択することにより、選択された相関係
    数に対応する傾きを所定波長の理想的な吸光係数と決定
    すると共にノイズ成分量を決定し、更に前記所定波長を
    他の所定波長に変えて処理手順を前記単一物質用波長設
    定段階に戻すことにより同様の処理を繰り返して他の所
    定波長の理想的な吸光係数及びノイズ成分量を夫々決定
    し、標準単一物質の受光スペクトル中に含まれる各波長
    の理想的な吸収係数及び各波長のノイズ成分量を集積す
    る過程を備えた請求項1記載の多成分濃度分析装置。
  3. 【請求項3】 ノイズ成分量算出段階は、濃度ゼロのゼ
    ロスペクトルを採取し且つ標準単一物質をセルに導入し
    て各所定濃度の各受光スペクトルを採取し、単一物質用
    波長設定段階として各受光スペクトルの処理波長を所定
    波長に設定し、ノイズ成分量設定段階としてノイズ成分
    を濃度ゼロの受光スペクトル又は所定濃度の受光スペク
    トルより小さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記
    仮ノイズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃
    度の受光スペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度
    を算出し、各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとし
    て 【数2】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
    切片を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ成分
    量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に戻す
    ことにより同様の処理を繰り返して他の切片を求め、各
    仮ノイズ成分量における複数の切片から最もゼロに近い
    ものを選択することにより、選択された切片に対応する
    所定波長の理想的な吸光係数と決定すると共にノイズ成
    分量を決定し、更に前記所定波長を他の所定波長に変え
    て処理手順を前記単一物質用波長設定段階に戻すことに
    より同様の処理を繰り返して他の所定波長の理想的な吸
    光係数及びノイズ成分量を夫々決定し、標準単一物質の
    受光スペクトル中に含まれる各波長の理想的な吸収係数
    及び各波長のノイズ成分量を集積する過程を備えた請求
    項1記載の多成分濃度分析装置。
  4. 【請求項4】 検量線作成段階は、濃度ゼロのゼロスペ
    クトルを採取し且つ組成比が異なる混合物質をセルに導
    入して複数の受光スペクトルを採取し、混合物質用波長
    設定段階として各受光スペクトルの処理波長を所定波長
    に設定し、予め標準単一物質より算出した所定波長のノ
    イズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び各組成比の
    受光スペクトルから夫々引くことにより各組成比での所
    定波長の吸光度を算出し、前記所定波長を他の所定波長
    に変えて処理手順を前記混合物質用波長設定段階に戻す
    ことにより同様の処理を繰り返して各組成比での他の所
    定波長の吸光度を夫々算出し、各波長での吸光度及び各
    組成比のデータを用いて多変量解析することにより混合
    物質中の所定物質の検量線を作成する過程を備えた請求
    項1記載の多成分濃度分析装置。
  5. 【請求項5】 校正段階は、濃度ゼロのゼロスペクトル
    Pz(d)を採取し且つ標準単一物質をセルに導入して
    所定濃度の標準スペクトルPr(d)を採取し、校正用
    波長設定段階として各受光スペクトルPz(d)、Pr
    (d)の処理波長を所定波長に設定し、前記標準スペク
    トルPr(d)の所定濃度と、予め求められたノイズ成
    分のない理想的な吸光係数とにより透過率Trs(d)
    を計算し、ノイズ成分量Pm(d)を 【数3】Pm(d)=(Pr(d)−Trs(d)・P
    z(d))/(1−Trs(d)) より求め、前記所定波長を他の所定波長に変えて処理手
    順を校正用波長設定段階に戻すことにより同様の処理を
    繰り返し、他の所定波長のノイズ成分量Pm(d)を算
    出して各波長のノイズ成分量を集積し、 通常計測段階は、組成比が不明である混合物質をセルに
    導入し計測スペクトルを分光器により採取し、計測用波
    長設定段階として各受光スペクトルの処理波長を所定波
    長に設定し、前記計測スペクトル及びゼロスペクトルP
    z(d)からノイズ成分量Pm(d)を夫々引いて吸光
    度を算出し、前記所定波長を他の所定波長に変えて処理
    手順を前記計測用波長設定段階に戻すことにより同様の
    処理を繰り返し、他の所定波長の吸光度を算出して各波
    長の吸光度を集積し、予め混合物質から求められた検量
    線により、混合物質中の所定物質の濃度を算出し、更に
    連続的に次の所定物質の濃度を算出し得るよう、前の所
    定物質の濃度を算出してから次の所定物質の濃度を算出
    するまでの時間間隔が所定時間を経過している場合には
    処理手順を校正段階に戻し、前記時間間隔が所定時間の
    経過する前の場合には処理手順を通常計測段階に戻す過
    程を備えた請求項1記載の多成分濃度分析装置。
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