JP4474628B2 - 自動滴定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術】
本発明は、一定容量の試料を滴定槽に採取し、試料中の特定成分と化学量論的に反応する一定濃度の試薬を少量ずつ添加しながら、その反応当量点を検出して、それまでに消費した試薬の容量から試料中の特定成分の濃度を検出する自動滴定装置に関する。本発明の自動滴定装置は、化学工業プロセス流体の化学的な濃度をリアルタイムに分析するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
化学工業プロセスの流体中に含有されている特定成分の連続的な濃度分析に自動滴定装置が使用されている。この装置は、試料の採取も含むすべての滴定操作と滴定結果の表示を一定のシーケンスにしたがって、自動的に繰り返し動作を行うもので、例えば図2に示す装置が知られている。
図2中、21の試料貯槽内の試料液体は、試料制御器(三方電磁弁)22を計量器側に開放して計量器23内に導き、一定容量(Vml)を計量する。計量された試料液体は、試料制御器22の切り替えにより滴定槽24に移す。滴定槽24では、攪拌器25で攪拌しながら、試薬貯槽内29より試薬制御器(開閉弁)26を開いて試薬(濃度n規定)を注入する。滴定槽24内の化学反応の進行は電極27および滴定終点検出器28で監視し、反応が当量点に達するまでの試薬消費量(vml)を計測して、次式(1)の関係から試料濃度(N規定)を求めている。
N・V=n・v
N=(n・v)/V …(1)
【0003】
このようにして、1回の滴定が終われば、廃液制御器(開閉弁)30を開放して、滴定槽24内の液を排出し、また洗浄液制御器31(開閉弁)を開いて洗浄液貯槽32より洗浄液を流して滴定槽24や電極27を洗浄した後、再び試料の導入を始めて、つぎのサイクルの滴定を繰り返す。
上記した制御器22,26,30,31は、シーケンス制御回路33からの電気信号で制御されており、制御回路33には滴定終点検出器28の信号も入る。なお、(1)式からも明らかなように、化学分析値(試料濃度)Nは、測定値(試薬消費量v)と直線的に比例する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に工業プロセスで化学反応に関与する流体は、その濃度を正しく知って、希望する濃度に制御することが求められるが、前述したような従来の装置では、精密な化学分析のために複雑な構造の計量器や洗浄液制御器などを併設しなければならなかった。これらは、精密な化学分析のためには、必要欠くべからざるものであったが、明らかに分析応答の迅速性を阻害しており、また明らかに機器部品の煩雑化とコストの上昇をもたらすものであった。
そこで、本発明は、工業プロセス用の自動滴定装置において、精密分析の機能を損なうことなく、本質的に迅速な自動分析ができ、加えて単純・堅牢な低コスト機器の実現を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、一定容量の試料を採取する密閉型滴定槽と、該滴定槽に試料を導入する試料導入手段と、該滴定槽に導入された試料中の特定成分と化学量論的に反応する試薬を滴定槽に注入する試薬注入手段と、前記滴定槽に接続され、注入された試薬と同量の流体を滴定槽外に溢れ出させるオーバーフロー型ノズルと、滴定槽内の化学反応の当量点を検出する検出器と、化学反応の当量点までに消費した試薬注入量を計測して試料濃度を求める演算部とを備えてなる自動滴定装置を提供する。
ここで、密閉型滴定槽は、その形状、容量は特に限定されず、例えばいわゆる実験室内での数ミリリットルオーダーからプラント内の数百リットルオーダーまでも適用可能である。また、試料導入手段としては、例えばポンプ、重力落下方式、加圧方式などのあらゆる手段を用いることができる。さらに、試薬注入手段も、同様にポンプ、重力落下方式、加圧方式などのあらゆる手段を用いることができる。
なお、試料中の特定成分と化学量論的に反応する試薬とは、滴定反応の種類により異なるが、例えば中和滴定の場合は、酸/アルカリ試薬、酸化還元滴定の場合には、酸化還元試薬を用いる。また、本発明での滴定反応は、中和滴定、酸化還元滴定、分極滴定、光度滴定、導電度滴定、温度滴定、比色滴定など、あらゆる種類の滴定を含む。
【0006】
オーバーフロー型ノズルは、注入された試薬と同量の流体を滴定槽外に溢れ出させるもので、密閉型滴定槽の蓋などの上部に接続される。ここでいう流体とは、未反応の試料、滴定反応の進行に伴う生成物、あるいは滴定反応に関係しない試料中の物質を意味する。なお、ノズルの形状、内径は、特に限定されない。
また、検出器は、滴定反応の種類により異なるが、例えば、pH電極、酸化還元電極、吸光センサ、温度センサ、重量センサなどを用いることができる。また、CCDカメラ、MOS型撮像カメラなどにより滴定槽内の発色状態の変化を観察してもよい。
さらに、演算部は、化学反応の当量点までに消費された試薬注入量を計測し、試料濃度を演算するもので、注入試薬量の計測は、例えば、「一定水頭」を利用して時間を測定しても、定流量ポンプを使用して測定しても、オーバーフロー量を測定しても、また滴定槽の重量より測定してもいずれでもよい。
なお、試料濃度の算出は、後述する原理に基づいて行う。
【0007】
また、本発明は、一定容量の試料を採取する密閉型滴定槽と、該滴定槽に試料を導入する試料導入手段と、該滴定槽に導入された試料中の特定成分と化学量論的に反応する試薬を滴定槽に注入する試薬注入手段と、前記滴定槽に設けられ、注入された試薬と同量の流体を滴定槽外に溢れ出させる吐出手段と、滴定槽内の化学反応の当量点を検出する検出器と、化学反応の当量点までに消費した試薬の注入量を計測して試料濃度を求める演算部とを備えてなる自動滴定装置を提供する。
ここで、密閉型滴定槽、試薬注入手段、検出器、演算部は、前述したものを用いることができる。
試料導入手段としては、例えば逆止弁を用いることができ、密閉型滴定槽を例えば試料タンクなどに直接挿入したとき、逆止弁を介して試料が流入するようにしてもよい。また、試料の流入は液圧により自動的に入るようにしても、例えばソレノイドによりダイヤフラムを駆動させて、その圧変動により試料を導入してもよい。
また、吐出手段としては、例えば逆止弁を用いることができ、密閉型滴定槽内が一定の液圧以上になると、滴定槽内の流体が吐出されるようにしてもよい。
さらに、試料導入手段、吐出手段として、例えばペリスタポンプを用いてもよい。
【0008】
また、本発明の自動滴定装置に制御器を設け、該制御器の信号により試料導入手段、試薬注入手段および演算部を制御してもよい。ここでの制御部は、前述した演算部と併設してもよく、制御部は予め定められたプログラムに従って、各構成部分の動作を繰り返し連続作動させてもよい。
また、密閉型滴定槽に濃度既知の校正液を導入する校正液導入手段を設けて、その時の分析値によって出力信号の目盛りを校正してもよい。
【0009】
本発明は、自動滴定装置により求めた試料濃度をもとに、工業的化学反応プロセス流体の濃度を自動制御する制御システムをも提供する。ここで、工業的化学反応プロセス流体とは、化学処理プラント内の流体のみならず、例えば果汁や食酢などの食品製造工程における流体(生産物など)をも含む広い意味である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る自動滴定装置の基本構成図で、図中1は一定容量(V)の密閉型滴定槽である。密閉型滴定槽1には、試料導入管aおよび試薬注入管bが接続されており、試料導入管aには試料制御器(三方切替弁)5を介して試料貯槽3が、試薬注入管bには試薬制御器(開閉弁)6を介して試薬貯槽4がおのおの連結される。
試料制御器5には校正液導入管cが接続されており、校正液導入管cには校正液槽7が連結されているが、この試料制御器(三方切替弁)5は、試料導入管aおよび校正液導入管cの開放のほかに試料導入管aも校正液導入管cも閉塞しうる型式の三方切替弁である。
なお、試料貯槽3内の試料および校正液槽7内の校正液は、試料制御器5を密閉型滴定槽1側に開放すれば、どちらかの液を自然落下によって密閉型滴定槽1に導入できる。同様に試薬貯槽4の試薬は、試薬制御器6を開放することにより、自然落下により密閉型滴定槽1に導入される。
【0011】
また、密閉型滴定槽1の上部には、オーバーフローノズル2が挿入されており、一定容積(V)以上の流体が導入されたときは、このノズル2より流体が系外に排出される。滴定槽1内には、攪拌器8が収容されており、試料および試薬が攪拌されて反応が進行する。
さらに、滴定槽1内にはpH電極9が収容されており、pH電極9の信号は滴定終点検出器10に送られて、滴定の終点(当量点)が判定される。
なお、11はシーケンス制御回路であり、前述した試料制御器5、試薬制御器6の開閉を制御するとともに、滴定終点検出器10の信号が入ると、それまでに消費した試薬量が演算され、試料濃度が算出される。
【0012】
以上の構成のもと、本装置は次のように動作させる。
まず、試料制御器5は、シーケンス制御回路11の信号により、試料貯槽3と密閉型滴定槽1とが連通されている。したがって、試料は、試料貯槽3に接続された試料制御器5を通って、自然落下により一定容量(V)の密閉型滴定槽1を貫流し、オーバーフローノズル2を通って流れている。
つづいて、シーケンス制御回路11からの信号で、試料制御器5を一時閉塞し、その間に試薬制御器6を開放して、一定濃度(n規定)の試薬を試薬貯槽4より密閉型滴定槽1に注入して滴定反応を進行させる。密閉型滴定槽1内は攪拌器8でよく攪拌され、注入試薬量と同量だけの流体がオーバーフローノズル2を経て系外に流出する。滴定槽1内に設けられたpH電極9および滴定終点検出器10により滴定反応を監視し、滴定終点(当量点)に達するや否や、それまでに消費した試薬の容量(v)を演算する。試薬の量は、試薬制御器6の開閉時間により算出する。
【0013】
ここで、試料濃度N(規定)は、次のように求めることができる。
滴定中にオーバーフローノズル2から流出する流体には、未反応の試料が含まれるので、通常の滴定反応と違って複雑であるが、結論的には一回の滴定中に反応しないで流出する試薬の容量は0であり、反応しないで流出する試料の容量は(0.5v)であることを本件発明者は見出した。
したがって、N(V−0.5v)=n・v
N=n・v/(V−0.5v) …(2)
v=N・V/(n+0.5N) …(3)
すなわち、vとNとは、直線的な比例関係ではないが、vを測ってNを知ることができる。
【0014】
上記本発明の計算式(2)(3)が、従来の計算式(1)と相違していることを、強酸(A)−強塩基(B)の中和滴定を例にして、図3および図4の理論的計算結果および実験結果によって説明する。
強酸(A)−強塩基(B)の中和滴定では、滴定反応の進行によって生成物(P)と(T)ができると仮定する。
たとえば HCl+NaOH=NaCl+H2O ・・・(4)
A + B = P + T ・・・(5)
従来技術による滴定装置では、最初に試料のAをVmlだけ、滴定槽に採取し、これにBを加えるから、滴定槽内の液量は図3においてA−Dのように増量して当量点に達する。当量点に達するまでに消費したBの容量vと試料濃度Nとの関係は(1)式で与えられ、これは図4のイのように直線関係である。
なお、図3の横軸は滴定当量点までの試薬容量、縦軸は滴定槽内の液量を示し、O−Aは採取した試料容量である。図3中Qはt時間経過後の、またBは当量点までの試薬消費量を示す。tが当量点に至るまでの時間の半分の点Qでは、オーバーフローしている液体の組成は、1/2が未反応試料(Aの一部)であり、他の1/2は(P+T)である。
また、図4は、各種濃度の HCl 50mlを1N-NaOHで滴定したときの理論線で、横軸が HCl濃度(N)、縦軸が1N−NaOHの消費量(v)を示す。
【0015】
これに対して、本発明では、試料のAを滴定槽に一杯採取するので、試薬Bを注入すれば、同量の液体がオーバーフローノズルより溢れ出る。溢れ出た液の中には未反応の試料Aが含まれている。一回の滴定において、その流出容量(図3のA-D-Cに相当)の50%が未反応の試料Aであり、あとの50%は(P+T)である。したがって、当量点に達するまでに消費したBの容量vと試料濃度Nとの関係は(3)式になるはずである。これは図4のロの曲線関係である。
【0016】
実際に実効容量約50mlの滴定槽を使用して実験した結果を図4の白丸点で示す。
実験に使用した試薬は、すべて和光純薬製特級試薬で、とくに滴定の標準試薬には滴定用として標定済み(f=1.000〜1.003)のものを用いた。反応当量点の検出には東亜電波電波製の複合型ガラス電極を用いた。シーケンス制御回路を含む電気回路および滴定槽などは、すべて自家製で一般的なものである。
実験は、0〜1.0規定の範囲の HClを1規定のNaOHで滴定した。反応当量点までに消費したNaOHの容量は(チューブの内径1mmで試薬貯槽の液面高さを50cmに保ちながら)0.1秒まで測れる4桁の自作デジタル・タイマーで、試薬制御器の開放時間を自動計測した後に換算した。
【0017】
図4(イ)において「通常の滴定による場合」は試科の50mlを正確にピペットアウトできるので、実験結果は(1)式に従って(N)と(v)との関係は、直線になり、理論値とよく一致する。
一方図4(ロ)の「本法による場合の理論値」に対して、白丸で示した実験値は、濃度の大きい範囲で多少の不一致が認められるものの、「密閉型滴定槽の正確な有効容積を測るのは困難なため、これを50mlと仮定した」ことを考慮にいれれば、これも理論値とよく一致したと評価できる。
さらに工業化学分析における「実際的な液体濃度管理」では、濃度設定値に対する試科の濃度変動範囲は、恐らく50%以内であるから、このことを考慮した「 HClの変動範囲0.25〜0.50規定」での実験結果は、図5に示すようであった。
すなわち、この測定範囲では、常法との相違は認められるものの、本法の理論値曲線は直線から僅か2%逸脱するだけであり、実験値(白丸)と理論値とは、実によく一致している。
しかも、その非直線性はコンピューターで修正できるし、一般的な「標準液による自動校正法」を併用すれば、常法の自動滴定と同等の精度は確保できる。
すなわち、本発明の装置では(2)および(3)式に示すように、vを測定してNを求めることが可能なことを示している。
【0018】
なお、連続して他の種類の試料を測定するときは、試薬制御器6を閉塞し、その間に試料制御器5を開放して、試料貯槽3から次の試料を密閉型滴定槽1内に導入する。滴定槽1内の流体が次の試料で置換されたら、試料制御器5を一時閉塞し、その間に試薬制御器6を開放して、一定濃度の試薬を試薬貯槽4より滴定槽1に注入して滴定反応を進行させ、前述と同様な手法で試料濃度を測定する。
【0019】
また、測定値を校正するときは、試料制御器5を制御して校正液導入管cと密閉型滴定槽1側を連通させて、濃度既知の校正液を滴定槽1に導入する。滴定槽内が校正液に十分に置換してから、試料制御器5を一時閉塞し、その閉塞期間に試薬制御器6を開放して、試薬を試薬貯槽4より滴定槽1に注入し、試料のときと同様に滴定反応を進行させ、求めた濃度値を既知濃度値と対比して補正する。
【0020】
さらに、本発明の他の実施例を図6に示す。この実施例は、本発明の滴定装置を試料タンクに挿入して、リアルタイムで試料濃度を測定する場合の概略図である。
図中61は本発明の密閉型滴定槽で、その側面には、試料導入用開口62、試料吐出用開口63があり、試料導入用開口62には試料導入用逆止弁64が、試料吐出用開口63には試料吐出用逆止弁65が各々設けられている。また、密閉型滴定槽61の側面には、試薬注入開口66があいており、試薬注入開口66には試薬注入管67が挿入されている。試薬注入管66には、試薬制御弁69を介して試薬貯槽68が接続されている。
また、密閉型滴定槽61内には、試料交換用ダイヤフラム71が収容されており、ソレノイド72により駆動させる。なお、70は攪拌器、Mは攪拌器70駆動用モータ、73はpH電極、74は滴定終点検出器である。
ソレノイド72への通電、試薬制御弁69の開閉はシーケンス制御回路75で制御され、また試料濃度もシーケンス制御回路75で算出される。
【0021】
図6の構成のもと、本装置は次のように動作させる。
まず、本装置を被測定液のタンク内に挿入し、装置の設置が完了すれば、シーケンス制御回路75からの信号により、ソレノイド72を駆動して試料交換用ダイヤフラム71を駆動させる。ダイヤフラム71の振動は滴定槽61内の圧力を変動させるので、試料導入用逆止弁64と同じく、試料吐出逆止弁65を動かして、試料導入用開口62と試料吐出用開口63に試料を流し、滴定槽61内の液が交換され充填される。液の交換が終われば、ソレノイド72を停止させ(ダイヤフラム71はいつも同じ位置に停止させる)、滴定槽61内に一定量の試料を閉じ込める。
つづいて、シーケンス制御回路75からの信号で、試薬制御弁69を開放して、試薬貯槽68の試薬を試薬注入開口66から注入する。なお、この試薬の注入は、試薬貯槽68を密閉型滴定槽61内の圧力より高い圧力をかけることにより行う。
密閉型滴定槽61内に試薬が注入されると、攪拌器70でよく攪拌し、滴定反応を進行させる。注入試薬量と同量だけの流体が試料吐出逆止弁65を経て試料タンクに流出する。滴定槽61内に設けられたpH電極73および滴定終点検出器74により滴定反応を監視し、当量点に達するや否や、それまでに消費した試薬の容量を演算する。試薬の容量は、試薬制御弁69の開閉時間により算出する。試料濃度は、前述した式(2)により求める。
測定が終了すれば、ソレノイド72によって、試料交換用ダイヤフラム71を駆動させて、滴定槽61内の流体を新しい試料に交換する。
以上の通り、この図6の装置によれば、試料タンクから試料を採取するという前処理工程を一切省くことができ、化学プラント現場などでリアルタイムに試料濃度を測定できる。
なお、本発明は、上記構成には限定されず、例えばソレノイド駆動のダイヤフラムの代わりに、ペリスタポンプを用いて試料の交換や試薬の注入を行ってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、化学工業プロセス流体の化学的な濃度をリアルタイムに分析するのに適している。それは、精密容量分析に不可欠と考えられていた試料計量器を除外し、試料を直接滴定槽に大きい流速で導入するとともに、試薬の注入をすみやかにしたことに基づく。
また、試料タンクなどに直接滴定槽を挿入して試料の測定ができるので、試料の採取工程などの前処理プロセスを省略でき、リアルタイム分析をさらに高めることができる。
【0023】
また、試薬消費量vと試料濃度Nとの関係を根本的に究明し、従来の技術では考え及ばなかった「滴定槽内試料容器の漏洩」というリスクを犯しながらも、その性質を解明した結果によって、定量分析の精度をなんら損なうことなく、装置構成部品を削減し、装置全体のコストを著しく削減している。
さらに、本発明によれば、試料の測定毎に特別な洗浄液によって滴定槽内を洗浄しなくとも、次の試料により滴定槽内の溶液を洗浄して置換できる。したがって、トータルの測定時間を短縮することができ、同一または他成分の連続分析などに特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動滴定装置の基本構成図
【図2】従来の間欠式自動滴定装置の基本構成図
【図3】本発明の原理説明図
【図4】HCl-NaOH滴定における目盛特性の関係を示す図
【図5】本発明における滴定装置の目盛特性
【図6】本発明の自動滴定装置を試料タンクに挿入したときの構成図
【符号の説明】
1、61:密閉型滴定槽
2:オーバーフローノズル
3、:試料貯槽
4、68:試薬貯槽
5:試料制御器
6:試薬制御器
7:校正液槽
8、70:攪拌器
9、73:pH電極
10、74:滴定終点検出器
11、75:シーケンス制御回路
62:試料導入開口
63:試料吐出開口
64:試料導入用逆止弁
65:試料吐出用逆止弁
71:試料交換用ダイヤフラム
Claims (6)
- 一定容量の試料を採取する密閉型滴定槽と、該滴定槽に試料を導入する試料導入手段と、該滴定槽に導入された試料中の特定成分と化学量論的に反応する試薬を滴定槽に注入する試薬注入手段と、前記滴定槽に接続され、注入された試薬と同量の流体を滴定槽外に溢れ出させるオーバーフロー型ノズルと、滴定槽内の化学反応の当量点を検出する検出器と、化学反応の当量点までに消費した試薬の注入量を計測して試料濃度を求める演算部とを備えてなる自動滴定装置。
- 一定容量の試料を採取する密閉型滴定槽と、該滴定槽に試料を導入する試料導入手段と、該滴定槽に導入された試料中の特定成分と化学量論的に反応する試薬を滴定槽に注入する試薬注入手段と、前記滴定槽に設けられ、注入された試薬と同量の流体を滴定槽外に溢れ出させる吐出手段と、滴定槽内の化学反応の当量点を検出する検出器と、化学反応の当量点までに消費した試薬の注入量を計測して試料濃度を求める演算部とを備えてなる自動滴定装置。
- 請求項1又は2記載の自動滴定装置に制御器を設け、該制御器の信号により試料導入手段、試薬注入手段および演算部を制御する請求項1又は2記載の自動滴定装置。
- 密閉型滴定槽に濃度既知の校正液を導入する校正液導入手段を設けてなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の自動滴定装置。
- 演算部がN=n・v/(V−0.5v)により試料濃度を求める請求項1乃至4のいずれか1項記載の自動滴定装置(ただし、N:試料濃度(規定)、v:試薬消費容量、n:試薬濃度(規定)、V:試料容量)。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の自動滴定装置により求めた試料濃度をもとに、工業的化学反応プロセス流体の濃度を自動制御する制御システム。
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