JPH06265471A - 混酸の濃度測定方法および濃度測定装置 - Google Patents

混酸の濃度測定方法および濃度測定装置

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JPH06265471A
JPH06265471A JP5057493A JP5057493A JPH06265471A JP H06265471 A JPH06265471 A JP H06265471A JP 5057493 A JP5057493 A JP 5057493A JP 5057493 A JP5057493 A JP 5057493A JP H06265471 A JPH06265471 A JP H06265471A
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直樹 柳井
Hiroshi Yokota
博 横田
Masaaki Kimura
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Kurashiki Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体や液晶表示装置等の製造工程において
プロセス用薬剤として使用される混酸中の酸の濃度を複
成分連続的に正確に同時定量することである。 【構成】 光透過検出用のフローセル11中に測定対象
の混酸を導入し、データ処理装置53のマイクロプロセ
ッサ54により、A/D変換器52でディジタル信号に
変換された受光素子12の混酸の透過光強度信号から各
波長の光の吸光度をそれぞれ演算するとともに、演算し
た各波長の光の吸光度と多変量解析法により予め求めた
検量線式に基づいて混酸中の酸の濃度を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の吸収を利用して混
酸中の酸の濃度を検出する混酸の濃度測定方法および濃
度測定装置に関し、より詳しくは、半導体や液晶表示装
置等の製造工程においてプロセス用薬剤として使用され
る混酸の濃度測定方法および濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体や液晶表示装置等の製造
工程において、使用するプロセス用薬剤水溶液に含まれ
る薬剤の濃度を正確、簡単かつ迅速に測定することは、
これら製造分野において広く要請されている課題であ
る。
【0003】半導体の分野におけるシリコンウエハ洗浄
工程やフォトエッチング工程あるいは液晶表示装置の製
造工程等で使用されている酸(フッ酸、硝酸、酢酸、リ
ン酸、塩酸、硫酸等)の混合物等の処理液に関しては、
製品の歩留の向上、安全性や作業効率等の観点から、こ
れら処理液中の酸の濃度管理が不可欠であり、そのため
の濃度分析とこの濃度分析に基づいて所定の濃度となる
ように酸を自動的に供給する自動化が要請されている。
【0004】しかしながら、この種の処理液は、有機化
合物の定性や定量に一般に利用されている赤外線特性吸
収を示さない無機電解質であるため、その濃度分析に
は、従来より、イオンクロマトグラフィーによる分析法
やイオン選択性電極等の電極を利用した電気化学的な分
析法が使用されている。
【0005】また、酸の単成分系の濃度測定法として
は、中和滴定などの化学的湿式法が従来より周知であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオンクロ
マトグラフィーによる分析法やイオン選択性電極等の電
極を利用した電気化学的な分析法では、濃度分析を行な
う処理液を希釈する等の処理液の前処理が必要であり、
一検体当たりの処理時間が長く連続的に複成分同時定量
することができないばかりでなく、他の成分の影響を受
けやすく安定性に欠け、通常、数10ppmのオーダ以
下の低濃度しか測定できないという問題があった。
【0007】また、中和滴定などの化学的湿式法でも、
分析試薬および被検試料の前処理や後処理を必要とし、
連続的に複成分同時定量することができず、分析が面倒
で処理時間も長くかかるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、半導体や液晶表示装置等
の製造工程においてプロセス用薬剤として使用される混
酸中の酸の濃度を複成分連続的に正確に同時定量するこ
とができる混酸の濃度測定方法を提供することである。
【0009】本発明のいま一つの目的は、半導体や液晶
表示装置の製造ライン等に設置し、プロセス用薬剤とし
て使用される混酸中の酸の濃度を複成分連続的に正確か
つ簡便に同時定量することができる混酸の濃度測定装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン水和に
よる無機電解質における近赤外吸収スペクトルの変化に
関する以下の考察に基づいてなされたものである。
【0011】すなわち、無機電解質(酸、アルカリ、塩
類等)は、水溶液中では正負のイオンに解離し、正イオ
ンの周囲には水の双極性の負側が配向し、負イオンの周
囲には水の双極子の正側が配向する(イオン水和)。イ
オン水和によって生ずるイオン近傍の水分子とバルクの
水分子との間の水素結合の切断や歪み、イオン電場によ
る水分子の分極の変化等によって、水分子自身の結合状
態や水素結合した水分子どうしの結合状態が影響を受け
るので、無機電解質の近赤外吸収スペクトルは純水の場
合とは異なったものとなる。
【0012】たとえば、塩酸および酢酸の水溶液につい
て、近赤外吸収スペクトルを測定したところ、図8から
図13に示すような結果が得られた。これら、図8から
図13において、縦軸は、試料水溶液の近赤外吸収スペ
クトルから、この水溶液に含まれる純水の含有量に相当
する純水の近赤外吸収スペクトルを差し引いたスペクト
ル(以下、差スペクトルという。)を示す。
【0013】図8は、10mmのセル長を有するセルを
用いて、800nmから1400nmまでの塩酸と水と
の近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示
しており、上記図8中、h1,h2およびh3は塩酸濃度
が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクト
ルを示す。
【0014】図9は、10mmのセル長を有するセルを
用いて、800nmから1400nmまでの酢酸と水と
の近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を示
しており、上記図9中、k1,k2およびk3は酢酸濃度
が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペクト
ルを示す。
【0015】図10は、1mmのセル長を有するセルを
用いて、1200nmから1900nmまでの塩酸と水
との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を
示しており、上記図10中、m1,m2およびm3は塩酸
濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペ
クトルを示す。
【0016】図11は、1mmのセル長を有するセルを
用いて、1200nmから1900nmまでの酢酸と水
との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結果を
示しており、上記図11中、n1,n2およびn3は酢酸
濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差スペ
クトルを示す。
【0017】図12は、0.2mmのセル長を有するセ
ルを用いて、1700nmから2600nmまでの塩酸
と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結
果を示しており、上記図12中、p1,p2およびp3
塩酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差
スペクトルを示す。
【0018】図13は、0.2mmのセル長を有するセ
ルを用いて、1700nmから2600nmまでの酢酸
と水との近赤外吸収スペクトルの差スペクトルの測定結
果を示しており、上記図13中、q1,q2およびq3
酢酸濃度が1モル、0.5モルおよび0.25モルの差
スペクトルを示す。
【0019】上記図8ないし図13から分かるように、
塩酸、酢酸の水溶液は純水と異なる固有のスペクトルを
示している。これは、水の近赤外吸収スペクトルがイオ
ン水和によって変化するためであると考えられる。した
がって、この近赤外吸収スペクトルの変化の度合を追跡
することにより、間接的にイオン種の濃度の定量が可能
で、イオン種自体がいわゆる赤外特性吸収を示す必要は
ない。
【0020】本発明は、水の近赤外吸収スペクトルのイ
オン水和による上記変化に着目してなされたものであ
る。
【0021】すなわち、請求項1にかかる混酸の濃度測
定方法は、測定対象の混酸に光を透過または反射させ、
複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出し、そ
の検出値に基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定する混
酸の濃度測定方法であって、酸の濃度が既知の複数の混
酸のサンプルについて複数波長の光の吸光度を測定して
これら吸光度と混酸の酸の濃度との間の定数項を含む吸
光度の多次多項式を用いて多変量解析法により検量線式
を予め求めておき、光透過または反射検出用のセルに測
定対象の上記混酸を導入し、各波長の上記光についてセ
ル内の混酸の透過または反射光の強度値を測定し、これ
ら強度値から各波長の上記光の吸光度をそれぞれ演算
し、演算した各波長の上記光の吸光度と上記検量線式を
用いて、上記混酸中の酸の濃度を演算することを特徴と
する。
【0022】請求項2にかかる混酸の濃度測定装置は、
測定対象の混酸に光を透過または反射させ、複数波長の
光についてその各強度をそれぞれ検出し、その検出値に
基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定する混酸の濃度測
定装置であって、光源と、この光源からの光を複数波長
の上記光に分光する分光手段と、上記測定対象の混酸が
導入されるとともに上記分光手段の光出射側もしくは光
入射側の測定光路内に配置されてなる光透過または反射
検出用のセルと、このセルを透過または反射した光を受
光し、受光した光の強度に応じた光強度信号を発生する
受光手段と、酸の濃度が既知の複数の混酸のサンプルに
ついての複数波長の光の吸光度と混酸の酸の濃度との間
の定数項を含む吸光度の多次多項式を用いて多変量解析
法により求めた検量線式を保持する一方、上記受光手段
から出力する上記混酸の透過または反射光強度信号から
各波長の光の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長
の上記光の吸光度から上記検量線式に基づいて混酸中の
酸の濃度を演算する濃度演算手段とを備えたことを特徴
とする。
【0023】請求項3にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2に記載の混酸の濃度測定装置において、上記複
数波長の光が800nmないし2600nmの波長を有
する近赤外線であることを特徴とする。
【0024】請求項4にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2または3に記載の混酸の濃度測定装置におい
て、上記混酸がフッ酸+硝酸、リン酸+硝酸、フッ酸+
硝酸+酢酸、リン酸+硝酸+酢酸、フッ酸+塩酸、硫酸
+塩酸もしくは王水のいずれかであることを特徴とす
る。
【0025】請求項5にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2から4のいずれか一に記載の混酸の濃度測定装
置において、上記セルが光透過型石英セルからなること
を特徴とする。
【0026】請求項6にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項5記載の混酸の濃度測定装置において、上記セル
がサファイヤもしくは光透過性フッ素樹脂を光透過面に
有することを特徴とする。
【0027】請求項7にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2から6のいずれか一に記載の混酸の濃度測定装
置において、上記セルが0.1mmないし50mmのセ
ル長を有することを特徴とする。
【0028】請求項8にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2記載の混酸の濃度測定装置において、上記セル
が石英もしくはサファイヤ材質のATRプリズムである
ことを特徴とする。
【0029】請求項9にかかる混酸の濃度測定装置は、
請求項2から8のいずれか一に記載の混酸の濃度測定装
置において、酸の濃度が既知の混酸液を封入した複数の
サンプルセルの各々を上記セルに代えて順次透過または
反射光量測定光路内に移動する移動機構を有し、これら
サンプルの測定データに基づいて酸の濃度測定値を較正
するようにしたことを特徴とする。
【0030】請求項10にかかる混酸の濃度測定装置
は、請求項9記載の混酸の濃度測定装置において、移動
機構に配置された上記セルが混酸の導入および導出用の
ポートの途中に伸縮部を有するチューブにより結合され
ていることを特徴とする。
【0031】請求項11にかかる混酸の濃度測定装置
は、請求項10記載の混酸の濃度測定装置において、移
動機構に配置された上記セルが混酸の導入および導出用
のポートと上記移動機構の移動量よりも充分長い長さを
有するフレキシブルなチューブにより結合されているこ
とを特徴とする。
【0032】
【発明の作用および効果】本発明によれば、イオン水和
に起因して純水の近赤外吸収スペクトルから変化した近
赤外吸収スペクトルを測定することにより、多変量解析
法を用いて求めた検量線式を用いて、従来から有機化合
物の定性定量に利用されている赤外特性吸収を示さない
無機電解質である混酸に含まれる酸の濃度を、連続して
正確かつ簡単に定量することができる。
【0033】また、本発明によれば、光透過または反射
検出用のセルを備えてこのセル中に測定対象の混酸を導
入し、濃度演算手段により受光手段から出力する混酸の
透過または反射光強度信号から各波長の光の吸光度をそ
れぞれ演算するとともに、演算した各波長の光の吸光度
と検量線式に基づいて混酸中の酸の濃度を演算するよう
にしたから、半導体や液晶表示装置の製造ライン等に設
置し、プロセス用薬剤として使用される混酸中の酸の濃
度を複成分連続的に正確かつ簡便に同時定量することが
でき、半導体や液晶表示装置の製造に使用される混酸中
の酸の濃度分析および濃度管理を自動化することがで
き、製品の歩留が向上するとともに安全性や作業効率も
向上する。
【0034】
【実施例】以下に、添付の図面を参照して本発明の実施
例を説明する。本発明の一実施例にかかる混酸の濃度測
定装置の構成を図1ないし図3に示す。
【0035】上記混酸の濃度測定装置は、分光部1、サ
ンプリング部2およびデータ処理部3からなる。
【0036】(分光部1の構成)分光部1は、図1に示
すように、たとえばタングステン・ハロゲンランプから
なる光源4、この光源4からの放射光を集光させる凸レ
ンズ5、この凸レンズ5の焦点位置に配置された絞り
6、この絞り6を通過した光を分光する干渉フィルタ7
を保持する回転円板8、この回転円板8の干渉フィルタ
7を透過した光を集光させる凸レンズ9、上記サンプリ
ング部2により混酸が導入され、上記凸レンズ9により
集光された光が透過するサンプリング部2のフローセル
11を透過した光を集光させて受光素子12に入射する
凸レンズ13およびこの凸レンズ13から入射する光を
光電流に変換する上記受光素子12を備える。
【0037】上記回転円板8は、各々がたとえば次に述
べるようにして選択された透過波長を有する干渉フィル
タ7を等角度間隔で保持しており、駆動モータ14によ
り、たとえば1000rpmで回転駆動される。
【0038】上記干渉フィルタ7は、水の特性吸収帯が
顕著にあらわれる近赤外域において、特定成分の濃度変
化に対してスペクトルの変動が大きく、他成分の妨害や
干渉の影響が少ない波長を有するものが選択される。
【0039】具体的には、図8ないし図13からも明ら
かなように、水の特性吸収帯である980nmとその近
傍、1200nmとその近傍、1460nmとその近
傍、1940nmとその近傍、2500nmとその近傍
において、近赤外吸収スペクトルの変動は、各イオン種
によって固有のスペクトルを与える。また、酢酸に関し
ては、1680nm,1720nm,2260nm,2
480nm,2510nmに特性吸収がある。
【0040】そこで、上記干渉フィルタ7としては、こ
れら波長の光を含む800nmないし2600nmの範
囲の波長のうちから、濃度を測定する混酸に応じて、た
とえば8つの波長を選択し、これら8つの波長の光をそ
れぞれ透過させるものを8枚使用する。
【0041】なお、上記のような干渉フィルタ7および
フローセル11を使用したものに代えて、たとえば図5
および図6に示すようなATRセル15を用いることも
できる。このATRセル15は、PTFE樹脂16とサ
ファイアのATRプリズム17との間にカルレッツ等の
フッ素樹脂ゴム18を挟み、全体をステンレス製の枠体
19に挿入し、押え板21を介してねじ22により上記
ATRプリズム17を押え込むことにより、混酸のシー
ルを行っている。サファイアの上記ATRプリズム17
は、混酸に接しており、その部分へ光を全反射させる。
このATRセル15は1回反射のものであるが、ATR
プリズム17の厚み、長さ、入射角を適度に変更するこ
とにより、多重反射も可能である。
【0042】ところで、図1の混酸の濃度測定装置で
は、長時間にわたる使用により、設置されている環境変
化等により、測定データに生じるずれを較正するため、
たとえば図2に示すような構成を有する較正機構部23
を有する。上記したフローセル11は、この較正機構部
23の保持板24に、濃度既知の混酸が封入されたセル
25とともに保持される。
【0043】上記保持板24は、フローセル11および
セル25の保持位置のほぼ中央部に、これらフローセル
11もしくはセル25を透過した光が通過するための孔
24aを有する。上記保持板24は、ベース板26上に
て互いに対向してこのベース板26に垂直に固定された
支持板27,28の間に上下に平行に支持された案内部
材31,32と、この案内部材31,32にスライド自
在に外嵌するスライド支持部材33とにより、図1の分
光部1の凸レンズ5,9,13の光軸に垂直な方向であ
る図2において矢印Xで示す方向に、移動自在に支持さ
れる。
【0044】上記保持板24にはラック34が取着され
るとともに、このラック34にはピニオン35が噛合し
ており、このピニオン35に固定されたギヤ36は、ス
テッピングモータ37の出力軸37aに固定したギヤ3
8に噛合する。上記ステッピングモータ37は、図1に
示す駆動回路39により駆動されて上記保持板24の位
置を切り換え、たとえば一定時間間隔で、図1の分光部
1の凸レンズ9から凸レンズ13に至る光路に、フロー
セル11に代えてセル25を挿入する。後述するよう
に、このときの測定値をもとに、フローセル11の測定
データが較正される。
【0045】上記フローセルの下端部は、図2に示すよ
うに、フレックスチューブ41により、支持板28に取
着された混酸のサンプルの供給ポート42に接続され、
また、上記フローセル11の上端部は、フレックスチュ
ーブ41により、上記フローセル11を通過した混酸の
サンプルの出口ポート43に接続される。
【0046】較正時に保持板24が移動できるようにす
るため、上記フレックスチューブ41はその途中をスパ
イラル状とし、上記保持板24の移動を吸収するように
している。
【0047】なお、フローセル11と上記供給ポート4
2および出口ポート43を接続するフレックスチューブ
としては、上記のように、途中にスパイラル状の部分を
有するフレックスチューブ41に代えて、図3に示すよ
うに、保持板24の移動を吸収する長さを有するフレッ
クスチューブ41aを用いてもよい。
【0048】上記フローセル11は、具体的には図示し
ないが、たとえばその光が透過する部分がサファイア製
もしくは透明フッ素樹脂製の窓板を有し、他の部分はフ
ッ素樹脂を使用して、フッ酸等に対する耐酸性を持たせ
ている。
【0049】(サンプリング部2の構成)サンプリング
部2は、図4に示すように、一端が測定対象の混酸が入
った槽44内に配置され、他端がサンプルの供給ポート
42(図2参照)に接続されてなるサンプル導入パイプ
45および一端がサンプルの出口ポート43(図2参
照)に接続されてなるサンプル導出パイプ46を備え
る。上記サンプル導入パイプ45の途中には、サンプル
冷却機47およびバルブ48が配置される。また、上記
サンプル導出パイプ46は、その途中にポンプ49が配
置され、その他端は上記槽44もしくは図示しない廃液
タンクに接続される。
【0050】上記サンプル冷却機47は、温度が所定の
温度に制御されている部材にPTFEもしくはPFA等
のフッ素樹脂パイプ47aを巻き付けてなるもので、上
記部材の周りを混酸のサンプルが通過する際に、上記部
材により温度が所定値に冷却される。また、上記バルブ
48は、混酸のサンプル測定中に、サンプルフローを停
止させるために使用される。これは、サンプルフローが
フローセル11中を流れたままで測定するよりは、サン
プルを停止させ、ゆらぎや泡の上昇等がなくなってから
測定する方が精度よく測定できるからである。したがっ
て、上記バルブ48が閉じるときは、ポンプ49も停止
する。
【0051】上記バルブ48としては、電磁弁もしくは
混酸のサンプルによる腐食を避けるために耐酸性に優れ
たフッ素樹脂製のエアー駆動弁が使用される。また、上
記ポンプ49としては、耐酸性の優れたフッ素樹脂製の
ダイアフラムポンプ、ベローズポンプ、チューブしごき
ポンプなどが使用される。
【0052】上記したサンプル導入パイプ45およびサ
ンプル導出パイプ46の接続では、混酸のサンプルはフ
ローセル11の下から上に向かって流れるが、これは混
酸のサンプルに含まれて測定の誤差発生の要因となる泡
が下から上に移動して速やかにフローセル11の外に抜
けるようにするためである。
【0053】(データ処理部3の構成)データ処理部3
は、図1に示すように、受光素子12から光電流として
出力するフローセル11の透過光の強度に対応する透過
光強度信号を増幅する増幅器51、この増幅器51の出
力をディジタル信号に変換するA/D変換器52、この
A/D変換器52より入力する上記透過光強度信号から
各波長の光の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長
の光の吸光度および後述するように予め求められて記憶
した検量線式に基づいて上記各波長の吸光度から混酸中
の酸の濃度を演算するデータ処理装置53を備える。
【0054】上記データ処理装置53は、混酸中の酸の
濃度の上記演算を行なうマイクロプロセッサ54、上記
検量線式や各種データを記憶するRAM55、マイクロ
プロセッサ54を動作させるためにプログラム等が格納
されたROM56、データや各種の命令を入力するキー
ボード等の入力装置57、上記データ処理の結果を出力
するプリンタやディスプレイ等の出力装置58等から構
成される。上記マイクロプロセッサ54はまた、バルブ
48の開閉制御信号、ポンプ49の停止および運転の制
御信号、ステッピングモータ37の駆動制御信号を発生
する。
【0055】(データ処理の内容)上記データ処理装置
53におけるデータ処理のより具体的な内容を図7に示
す。図1の受光素子12は、駆動モータ14の回転によ
り回転円板8が回転駆動されると、この回転円板8に保
持されている8枚の干渉フィルタ7の透過波長の光がそ
れぞれフローセル11内の混酸を透過したサンプル透過
度に比例する信号を発生する。これら信号は増幅器51
で増幅された後、A/D変換器52でディジタル信号に
変換され、データ処理装置53のマイクロプロセッサ5
4に供給される(ステップS1からステップS4)。
【0056】上記マイックロプロセッサ54は、A/D
変換器52からの上記ディジタル信号により、次の数1
の演算を実行し、吸光度Aiを演算する(ステップS
5)。
【0057】
【数1】
【0058】ここで、i=1〜8、 Ri=測定対象サンプルのi波長目の透過強度値、 Bi=基準濃度の混酸(たとえば、フッ酸+硝酸+酢
酸)もしくは水をフローセル11に入れたときのi波長
の透過強度値、 Di=フローセル11を遮光したときのi波長目の透過
強度値、 であり、上記BiおよびDiは予め測定しておき、キー
ボード等の入力装置57から、上記データ処理装置53
のRAM55に格納されている。
【0059】次に、上記数1の演算により得られた吸光
度Aiに次の数2の変換を行なう(ステップS6)。
【0060】
【数2】
【0061】この数2の変換を行なうのは次の理由によ
る。すなわち、数1により演算される吸光度Aiは、光
源4の明るさの変動、受光素子12の感度変動、光学系
のひずみ等により変化する。しかしこの変化はあまり波
長依存性はなく、8波長の各吸光度データに同相、同レ
ベルで重畳する。したがって、数2のように、各波長間
の差を取ることにより、上記変化を相殺することができ
る。
【0062】また、サンプル自体の温度変動による吸光
度Aiの変動もあるが、この変動の除去には、たとえば
本願出願人の出願にかかる特願平2−4042号(特開
平3−209149号公報参照)に記載の方法を採用す
ることができる。
【0063】次に、上記数2で得られたSiをもとに次
の数3の演算を行い、混酸がたとえば(フッ酸+硝酸+
酢酸)である場合には、フッ酸濃度C1,硝酸濃度C2
よび酢酸濃度C3を演算する(ステップS7)。
【0064】
【数3】
【0065】上記数3において、F(Si)はフッ酸の
検量線式であり、Siのそれぞれの1次項から高次項を
含むとともに、SiとSi+1あるいはその高次項の各乗
算であるクロス項および定数項を含み、次の数4で表さ
れる。
【0066】
【数4】
【0067】上記数4において、Si,Si+1は数1,
数2により得られたデータ、α,β,γは検量線式の係
数、Z0は定数項である。上記数4は、既知濃度の混酸
(フッ酸+硝酸+酢酸)の標準サンプルを用いて、図1
の混酸の濃度測定装置により、予め求めておき、データ
処理装置53のRAM55に格納される。
【0068】また、上記数3において、G(Si)およ
びH(Si)はそれぞれ硝酸の検量線式および酢酸の検
量線式であって、いずれも数4と同様の式である。これ
ら検量線式についても、上記と同様に、既知濃度の混酸
(フッ酸+硝酸+酢酸)の上記標準サンプルを用いて、
図1の混酸の濃度測定装置により、予め求めておき、デ
ータ処理装置53のRAM55に格納される。
【0069】データ処理装置53のマイクロプロセッサ
54は、上記数4の演算により得られたフッ酸の濃度C
1,硝酸の濃度C2および酢酸の濃度C3を、CRTやプ
リンタ等の出力装置58に出力し、CRT画面に表示し
たり印字用紙にハードコピーとして出力、あるいは外部
へ送信する(ステップS8)。
【0070】上記データ処理装置53のマイクロプロセ
ッサ54はまた、上記で得られたフッ酸の濃度C1,硝
酸の濃度C2および酢酸の濃度C3のデータにもとづい
て、現時点における混酸の槽44(図4参照)の状態を
把握し、これらデータより演算することができる上記槽
44の管理に必要なパラメータ値、たとえば原液追加
量、原液追加の時間、廃液量、廃液時間を演算し、その
結果を上記出力装置58に出力する(ステップS9)。
【0071】図1の混酸の濃度測定装置を長時間使用し
ていると、混酸の濃度の上記演算値は、温度変化、光学
系のひずみ等により変化する。これを補正するため、上
記データ処理装置53はまた、次の数5の補正演算を行
なう。
【0072】
【数5】
【0073】数5において、C1,C2およびC3は数3
により得られた値であり、また、C1´,C2´およびC
3´は補正後の各酸の濃度である。さらに、pij(i=
1〜3,j=1〜3)は補正係数である。
【0074】上記補正係数pijは、数3を求めてから長
時間経過しておらず、補正する必要のないときには、p
11=p22=p33=1,p12=p13=p21=p23=p31
32=0であり、C1´=C1,C2´=C2,C3´=C3
である。
【0075】上記補正係数pijは、次のようにして求め
られる。すなわち、濃度比率の異なる既知濃度の上記混
酸のn種類(n=3以上)のサンプル1ないしサンプル
nを用意する。これらサンプル1ないしnが次の数6で
示される値の既知濃度を有しているものとする。
【0076】
【数6】
【0077】また、上記混酸の濃度を図1の混酸の濃度
測定装置により測定した補正前の測定濃度が次の数7で
示されるものとする。
【0078】
【数7】
【0079】このとき、サンプル1ないしnの既知濃度
と測定濃度との間には、次の数8で示す関係が成立す
る。
【0080】
【数8】
【0081】上記数8において、それぞれ次の数9,数
10および数11に示すように、3つの行列をそれぞれ
C´,PおよびCとおくと、上記数8はC´=PCで表
わされる。
【0082】
【数9】
【0083】
【数10】
【0084】
【数11】
【0085】このように置くと、補正係数pijを次の数
12(nが3の場合)および数13(nが3よりも大の
場合)により求められる。
【0086】
【数12】
【0087】
【数13】
【0088】上記数12および数13において、行列C
Tは行列Cの転置行列であり、行列C-1は行列Cの逆行
列を表わす。
【0089】上記補正は、濃度既知の上記サンプル1な
いし3(n=3の場合)を図2もしくは図3のセル25
に封入しておき、既に述べたように、フローセル11に
代えて一定時間間隔毎に上記セル25をフローセル11
の透過光の光路に挿入し、数7の値を求める。また、数
6の値は予めデータ処理装置のRAMに格納しておき、
数9から数13により、補正値を算出し、数5より、真
値からのずれを補正した濃度値が求まる。
【0090】上記は、混酸が(フッ酸+硝酸+酢酸)の
3成分のものの例であるため、3行×3列の行列であら
わされる補正係数を使用したが、たとえば(フッ酸+硝
酸)等の2成分の混酸の場合は、補正係数が2行×2列
となる点が異なるだけで、補正係数は同様に求めること
ができる。
【0091】以上に構成を説明した混酸の濃度測定装置
を用いた濃度測定の実験例1ないし4について以下に説
明する。
【0092】(実験例1)この実験例1では、半導体や
液晶表示装置の製造工程において、ガラスやシリコンの
ウエットエッチングに用いられる代表的なエッチング溶
液であるフッ酸と硝酸と酢酸との混合溶液の定量を行っ
た。
【0093】(1)試料の調製 定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するた
め、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムに
よる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1
%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)と酢酸(濃度9
9.8%重量)を一定の割合で混合し、それぞれの濃度
範囲をフッ酸0ないし15%,硝酸10ないし40%,
酢酸20ないし50%にわたって分布するように、かつ
成分比率の異なる64種類の標準サンプルを調製すると
ともに、検量線式の検証のためのサンプルを64種類調
製した。
【0094】(2)濃度測定 図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、
上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0095】(3)測定結果および測定精度 検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差S
e(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0096】HF(フッ酸)に対して、Se=0.52
%,R=0.9999,HNO3(硝酸)に対して、S
e=0.129%,R=0.9999,CH3COOH
(酢酸)に対して、Se=0.102%,R=0.99
99
【0097】検量サンプルにおける定量結果を次の表1
および表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】また、上記検量サンプルのイオンクロマト
グラフィによる定量結果を表3および表4に、本実験例
1による定量結果を表5に示す。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】上記実験例1の結果から、明らかに本実験
例1による分析の精度が優れていることがわかる。これ
により、今まで不可能であったオンラインでの濃度自動
制御が可能となった。
【0105】(実験例2)この実験例2では、ガラスや
シリコンのエッチングに最も多く用いられるエッチング
溶液であるフッ酸と硝酸との混合溶液の定量を行った。
【0106】(1)試料の調製 定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するた
め、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムに
よる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1
%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)とを一定の割合
で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし15
%,硝酸50ないし70%にわたって分布するように、
かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプルを調製す
るとともに、検量線式の検証のためのサンプルを24種
類調製した。
【0107】(2)濃度測定 図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、
上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0108】(3)測定結果および測定精度 検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差S
e(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0109】HF(フッ酸)に対して、Se=0.07
5%,R=0.9999,HNO3(硝酸)に対して、
Se=0.085%,R=0.9999,
【0110】検量サンプルにおける定量結果を次の表6
に示す。
【0111】
【表6】
【0112】上記表6から、本実験例2による分析の精
度が優れていることがわかる。
【0113】(実験例3)フッ酸と硝酸の混合溶液は、
ガラスやシリコンのエッチングばかりでなく、ステンレ
ス鋼板の酸洗い工程にも多く使用されている。しかしな
がら、ステンレス鋼板の酸洗い工程において、上記フッ
酸と硝酸の混合溶液を使用すると、ステンレス鋼板の酸
洗い工程において、上記混合溶液内に多量の鉄イオンや
クロムイオンが溶出してくる。この溶出金属イオンが一
定量を越えると、実験例2の場合と異なり、フッ酸およ
び硝酸の濃度測定に影響が生じる。本実験例3では、こ
の溶出金属イオンの影響を軽減するため、イオン交換膜
による金属イオンの除去を実施し、測定をおこなった。
【0114】(1)試料の調製 定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するた
め、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムに
よる酸塩基滴定で濃度を決定したフッ酸(濃度50.1
%重量)と硝酸(濃度70.2%重量)とを一定の割合
で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0ないし5%,
硝酸0ないし20%にわたって分布するように、かつ成
分比率の異なる24種類の標準サンプルを調製するとと
もに、検量線式の検証のための検証サンプルを24種類
調製した。
【0115】また、上記と同様の方法で濃度を決定した
フッ酸(濃度50.1重量%)と酢酸(濃度70.2%
重量)と原子吸光分析で濃度を決定した硝酸鉄六水和物
を一定の割合で混合し、それぞれの濃度範囲をフッ酸0
ないし5%,硝酸0ないし20%,鉄0ないし6%にわ
たって分布するように、かつ成分比率の異なる64種類
の標準サンプルおよび検量線式の検証測定のための検証
サンプルを64種類調製した。
【0116】(2)濃度測定 クロムイオンなどの溶出金属イオンや浮遊物を除去する
ために、フッ酸と硝酸の混合液をテフロン(商品名)製
フィルタに導入し、更にフィルタによりろ過させた溶液
を、イオン交換樹脂を封入した円筒を通過させた。この
円筒を通過した溶液を、図1において説明した、混酸の
濃度測定装置を用いて、上記混合溶液の成分の濃度を測
定した。
【0117】(3)測定結果 検量サンプルにおける定量結果を次の表7に示す。
【0118】
【表7】
【0119】上記表7から、本実験例3による分析の精
度が優れていることがわかる。
【0120】(実験例4)この実験例4では、アルミニ
ウム、アルミナ、アルミ硅素系合金などのウエットエッ
チングに用いられるリン酸と硝酸との混合溶液やリン酸
と硝酸と酢酸との混合溶液の定量を行った。
【0121】(1)試料の調製 定量のため検量線式を作成し、その実用性を検証するた
め、標準サンプルと検証サンプルを実際の液晶製造工程
で使用される濃度範囲に調製した。水酸化ナトリウムに
よる酸塩基滴定で濃度を決定したリン酸(濃度89.1
重量%)と硝酸(濃度70.2%重量)と酢酸(濃度9
9.8%重量)を一定の割合で混合し、リン酸と硝酸と
の混合溶液の場合は、それぞれの濃度範囲をリン酸70
ないし89%,硝酸0ないし5%にわたって分布するよ
うに、かつ成分比率の異なる24種類の標準サンプルお
よび検量線式の検証測定のための検証サンプルを25種
類調製した。また、リン酸と硝酸と酢酸との混合溶液の
場合は、それぞれの濃度範囲を、リン酸70ないし89
%,硝酸0ないし10%,酢酸0ないし10%にわたっ
て分布するように、かつ成分比率の異なる64種類の標
準サンプルおよび64種類の検証サンプルを調製した。
【0122】(2)濃度測定 図1において説明した、混酸の濃度測定装置を用いて、
上記混合溶液の成分の濃度を測定した。
【0123】(3)測定結果および測定精度 検量線式を検証サンプルにより評価した標準偏差誤差S
e(%)および相関係数Rは次の通りである。
【0124】リン酸と硝酸との混合溶液の場合は、H3
PO4(リン酸)に対して、Se=0.069%,R=
0.9999,HNO3(硝酸)に対して、Se=0.
092%,R=0.9999であった。
【0125】リン酸と硝酸と酢酸との混合溶液の場合
は、H3PO4(リン酸)に対して、Se=0.158
%,R=0.9999,HNO3(硝酸)に対して、S
e=0.207%,R=0.9997,CH3COOH
(酢酸)に対して、Se=0.247%,R=0.99
99であった。
【0126】リン酸と硝酸との混合溶液における検証サ
ンプルの定量結果を表8および表9に、また、リン酸と
硝酸と酢酸との混合溶液における検証サンプルの定量結
果を表10および表11に示す。
【0127】
【表8】
【0128】
【表9】
【0129】
【表10】
【0130】
【表11】
【0131】上記から、明らかに本実験例4による分析
の精度が優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる混酸の濃度測定装置の一実施
例の全体構成を示す説明図である。
【図2】 図1の濃度測定装置の較正機構部の説明図で
ある。
【図3】 図2の硬正機構部の変形例の説明図である。
【図4】 サンプル部の構成の説明図である。
【図5】 ATRセルの構造の一例の説明図である。
【図6】 図5のII−II線に沿う断面である。
【図7】 図1の濃度測定装置のデータ処理装置が実行
する動作フローである。
【図8】 塩酸と水との差スペクトルである。
【図9】 酢酸と水との差スペクトルである。
【図10】 塩酸と水との差スペクトルである。
【図11】 酢酸と水との差スペクトルである。
【図12】 塩酸と水との差スペクトルである。
【図13】 酢酸と水との差スペクトルである。
【符号の説明】
1 分光部 2 サンプリング部 3 データ処理部 4 光源 5 凸レンズ 6 絞り 7 干渉フィルタ 8 回転円板 9 凸レンズ 11 フローセル 12 受光素子 13 凸レンズ 14 駆動モータ 15 ATRセル 25 セル 41 フレックスチューブ 41a フレックスチューブ 44 槽 49 ポンプ 51 増幅器 52 A/D変換器 53 データ処理装置 54 マイクロプロセッサ 55 RAM 56 ROM 57 入力装置 58 出力装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の混酸に光を透過または反射さ
    せ、複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出
    し、その検出値に基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定
    する混酸の濃度測定方法であって、 酸の濃度が既知の複数の混酸のサンプルについて複数波
    長の光の吸光度を測定してこれら吸光度と混酸の酸の濃
    度との間の定数項を含む吸光度の多次多項式を用いて多
    変量解析法により検量線式を予め求めておき、光透過ま
    たは反射検出用のセルに測定対象の上記混酸を導入し、
    各波長の上記光についてセル内の混酸の透過または反射
    光の強度値を測定し、これら強度値から各波長の上記光
    の吸光度をそれぞれ演算し、演算した各波長の上記光の
    吸光度と上記検量線式を用いて、上記混酸中の酸の濃度
    を演算することを特徴とする混酸の濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象の混酸に光を透過または反射さ
    せ、複数波長の光についてその各強度をそれぞれ検出
    し、その検出値に基づいて上記混酸中の酸の濃度を測定
    する混酸の濃度測定装置であって、 光源と、この光源からの光を複数波長の上記光に分光す
    る分光手段と、上記測定対象の混酸が導入されるととも
    に上記分光手段の光出射側もしくは光入射側の測定光路
    内に配置されてなる光透過または反射検出用のセルと、
    このセルを透過または反射した光を受光し、受光した光
    の強度に応じた光強度信号を発生する受光手段と、酸の
    濃度が既知の複数の混酸のサンプルについての複数波長
    の光の吸光度と混酸の酸の濃度との間の定数項を含む吸
    光度の多次多項式を用いて多変量解析法により求めた検
    量線式を保持する一方、上記受光手段から出力する上記
    混酸の透過または反射光強度信号から各波長の光の吸光
    度をそれぞれ演算し、演算した各波長の上記光の吸光度
    から上記検量線式に基づいて混酸中の酸の濃度を演算す
    る濃度演算手段とを備えたことを特徴とする混酸の濃度
    測定装置。
  3. 【請求項3】 上記複数波長の光が800nmないし2
    600nmの波長を有する近赤外線であることを特徴と
    する請求項2記載の混酸の濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 上記混酸がフッ酸+硝酸、リン酸+硝
    酸、フッ酸+硝酸+酢酸、リン酸+硝酸+酢酸、フッ酸
    +塩酸、硫酸+塩酸もしくは王水のいずれかであること
    を特徴とする請求項2または3記載の混酸の濃度測定装
    置。
  5. 【請求項5】 上記セルが光透過型石英セルからなるこ
    とを特徴とする請求項2から4のいずれか一に記載の混
    酸の濃度測定装置。
  6. 【請求項6】 上記セルがサファイヤもしくは光透過性
    フッ素樹脂を光透過面に有することを特徴とする請求項
    5記載の混酸の濃度測定装置。
  7. 【請求項7】 上記セルが0.1mmないし50mmの
    セル長を有することを特徴とする請求項2から6のいず
    れか一に記載の混酸の濃度測定装置。
  8. 【請求項8】 上記セルが石英もしくはサファイヤ材質
    のATRプリズムであることを特徴とする請求項2記載
    の混酸の濃度測定装置。
  9. 【請求項9】 酸の濃度が既知の混酸液を封入した複数
    のサンプルセルの各々を上記セルに代えて順次透過また
    は反射光量測定光路内に移動する移動機構を有し、これ
    らサンプルの測定データに基づいて酸の濃度測定値を較
    正するようにしたことを特徴とする請求項2から8のい
    ずれか一に記載の混酸の濃度測定装置。
  10. 【請求項10】 移動機構に配置された上記セルが混酸
    の導入および導出用のポートの途中に伸縮部を有するチ
    ューブにより結合されていることを特徴とする請求項9
    記載の混酸の濃度測定装置。
  11. 【請求項11】 移動機構に配置された上記セルが混酸
    の導入および導出用のポートと上記移動機構の移動量よ
    りも充分長い長さを有するフレキシブルなチューブによ
    り結合されていることを特徴とする請求項10記載の混
    酸の濃度測定装置。
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