JP2004136208A - 水処理装置、水処理方法及び水処理プログラム - Google Patents

水処理装置、水処理方法及び水処理プログラム Download PDF

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埜村 誠
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Abstract

【課題】水中の有機物の吸着処理又は分解処理を安定化するとともに、処理に要するエネルギーロスの低減を図ること。
【解決手段】処理手段(プラント2、セレクター4、第1の曝気槽6、第2の曝気槽8及び沈殿池10)で水中の有機物を吸着処理又は分解処理する。この処理手段の処理前及び処理後の水のスペクトルを計測する。各計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算し、その演算結果に基づいて処理手段への流入水の量、処理手段の処理能力の何れか一方又は双方を制御する。この結果、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化とともに、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種工場、研究施設、発電施設、酪農業、遊戯施設等から排出される産業廃水、ビル、一般家庭、宿泊施設、入浴施設、飲食店、病院等の医療機関、各種学校等の教育施設及び運動施設等から排出される生活廃水等の各種廃水の浄化に用いられる生物処理に関し、特に、その水中の有機物の吸着処理又は分解処理を用いる水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機物を含有する水を浄化する水処理には、(1) 生物分解を利用するもの、(2) 酸化剤や触媒と接触させ、又は、酸化剤や触媒を添加して化学分解させるもの、(3) 熱や圧力等の物理的な力を利用して燃焼分解させるもの、(4) 紫外線や超音波を利用して分解するもの、(5) 吸着材を用いて吸着除去するもの等が実用化されている。
【0003】
このような水処理及びその処理装置の設計には、一般的に処理が想定される水種、濃度、水量の最大値を設定した上で、模擬水を調整するとともに、小型試験装置を形成し、模擬水によるその小型試験装置の性能を確認する。このとき得られたデータを元に諸条件を決定し、実際の処理装置を設計する。例えば、好気性生物処理装置であれば、先ず汚泥が馴養できるかどうかを調べ、次に、原水/汚泥接触時間と処理水質の関係を求め、最後に水温やpHの影響を詰める。このデータから活性汚泥槽の性能曲線が作成され、必要な槽の段数、容積、曝気するためのブロワーの容量等が設計される。
【0004】
水中の有機物質濃度を表わす指標は、化学的酸素消費量(COD)、生物化学的酸素消費量(BOD)、全有機炭素量(TOC)等が用いられている。水中の有機物の浄化では、一般的に予め想定した水種(=物質) 、濃度、水量の最大値で設計されているので安定処理が行われるが、実際には、原水の水質や水量が一定であるとは限らない。このため、設計した最大値、又は予想される平均値に安全率を考慮した条件で運転することが行われ、係る運転形態では、大きなエネルギーロスとなる。そこで、処理装置の入口に水質モニター(COD計やTOC計)を設置して水質を確認し、安全率を見ながら運転する方法が採られている。
【0005】
このような水処理についての従来技術に関し、次のような特許文献1〜4が存在している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−107796号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平9−164393号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平6−66718号公報
【0009】
特許文献1に開示の技術は、下水処理プロセスシミュレータシステムに関する技術であって、紫外線吸光度計測法で得た原水情報をIAWQ活性モデルシミュレーションに活用するものである。特許文献2に開示の技術は、返流水に含まれる難分解性物質の処理方法に関する技術であって、紫外線吸光度(260nm値)を難分解性物質の指標として用いている。特許文献3に開示の技術は、多数の水処理性能インジケータの同時監視に関する技術であって、200〜2500nmの波長範囲で水系システムのスペクトルを分析し、そのスペクトルにケモメトリックス演算規則を適用し、性能インジケータの濃度を同時に測定すること等を内容としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、物質毎に分解性や吸着特性が異なっている。特に、生物を利用する分解装置では、その生物に対して毒性がある物質が流入すると、生物活性が低下し、毒性を示す物質だけでなく他の有機物質の分解性まで低下してしまうことになる。水中に含まれている有機物質を合計して表わす、従来のCODやTOCの指標を用いて流入水の濃度を監視して運転することは危険性を伴う。また、生物の活性を加味する指標には、BODがあるが、JIS法に則った正式な測定では5日間程度の時間を要し、現場においてリアルタイムでの運転管理指標としては不向きである。また、生物の活性指標を表わす呼吸速度測定法(又は生物活性度測定法) は、生物槽の生物活性自体の瞬時値を表わす指標には有効であるが、流入水及び流出水の成分を同定することができない。また、この方法は非連続性であって、温度やpH等の他の要因による生物活性の低下の補正に対応し難いため、生物装置以外には適用することができない。また、予備実験で各種流入物質に対する処理能力が求められていても、流入水中に含まれる各物質の濃度、割合は不明であることから、安全率を高く設定した運転をせざるを得ない。このように処理すべき水の水質等の分析上の課題が、効率的な水処理の障害となっている。
【0011】
また、流出水の水質を計測器を用いて監視することは、下流側に汚水を漏洩させないために重要である。従来の水質情報は水中の有機物質の合計を監視しているに過ぎない。有機物分解では、被分解物質が分解されるか否か、即ち、100%分解か0%分解かの二者択一ではない。有機物分解には、一度に完全分解されてしまう場合、反応副生成物を生じる中間経路を伴う場合等、種々の分解経路が存在し、物質そのものの性質による場合や分解条件による場合等、分解経路は一定ではない。流出水に反応副生成物が存在している場合には、従来の簡易な測定法では監視情報が不足し、係る情報では処理装置の運転を安定化することができない。このため、汚水漏洩を防止するには、十分な余裕のある条件設定が必要となり、エネルギーロスが増大するという問題点がある。
【0012】
従来、水質情報を得るには、ガスクロマトグラフィー法、液体クロマトグラフィー法、NMR法等、水中の有機物成分を同定する手法が用いられているが、廃水等の混合水系において、有機物成分を同定するとともに、その濃度を同時に測定することは厄介であり、指示薬を入れる等の手法を併用したとしても難しい。また、懸濁物等の不純物が含まれる廃水では、被計測水を計測装置に導入する前に、懸濁物等の不純物を予め除去する等の前処理が必要である。このため、従来の物質同定手法は、現場での水質の連続測定には不向きであり、分析法についても改善が望まれていたのである。
【0013】
このような従来技術の課題に対し、特許文献1〜3に開示された技術では、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化や、その処理に要するエネルギーロスの低減を実現することができなかった。
【0014】
そこで、本発明は、汚水の漏洩防止上、処理前後の水質監視が極めて重要であり、水中の物質毎に分解性や吸着特性が相違するものの、有機物成分の同定及び濃度の測定が光学的な手法で可能であるとの知見に基づき提案されたものであって、その目的は、水中の有機物の吸着処理又は分解処理を安定化するとともに、処理に要するエネルギーロスの低減を図った水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
係る課題を解決した本発明の水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムの構成は以下の通りである。
【0016】
本発明の水処理装置は、例えば、活性汚泥法による形態を示す図1を参照して説明すると、水中の有機物を吸着処理又は分解処理する処理手段(プラント2、セレクター4、第1の曝気槽6、第2の曝気槽8及び沈殿池10)と、この処理手段の処理前及び処理後の水のスペクトルを計測する計測手段(センサー46、48)と、この計測手段で得られた各計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算し、その演算結果に基づいて前記処理手段への流入水の量、前記処理手段の処理能力の何れか一方又は双方を制御する制御手段(コンピュータ50、ホストコンピュータ54)とを備えたことを特徴とする。
【0017】
処理手段では、廃水等の水に含有する有機物を吸着又は分解により、水の浄化が行われる。この処理手段の吸着処理又は分解処理の前後の水について、計測手段は、吸光度スペクトル又は発光スペクトルを計測する。この計測データを受けた制御手段は演算処理と制御処理とを実行し、演算処理ではそのスペクトルデータにケモメトリックス(Chemometrics)演算規則を適用し、水の含有成分の同定と濃度を演算し、制御処理ではその演算結果を用いて処理手段への流入水の量、処理手段の処理能力の何れか一方又は双方の制御が行われる。ケモメトリックス演算規則は計量化学に関する演算手法であって、化学データの化学パターン認識と多変量解析に関する手段であり、本発明では、スペクトルデータの解析に用いている。このようなスペクトルデータ解析によって、極めて精度の高い含有物質の同定と濃度が演算され、係る演算結果を用いているので、流入水の量又は処理手段の処理能力の何れか一方又は双方の制御の精度を高めることができ、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0018】
本発明の水処理装置において、前記計測手段のスペクトルの計測は、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で行うことを特徴とする。即ち、係る波長範囲で吸光度又は発光スペクトルを計測すれば、制御に必要な含有物質の同定やその濃度を高精度に演算することができる。
【0019】
本発明の水処理装置において、前記制御手段は、前記演算結果に基づいて前記処理手段における処理時間を制御することを特徴とする。即ち、処理手段への流入水の量又は処理能力の制御の他、同一の処理能力であれば、処理手段における処理すべき水の処理時間、滞留時間を制御することで、処理能力の制御と同様の効果を実現できる。
【0020】
本発明の水処理装置において、前記制御手段は、処理前後の水の各計測値を比較し、前記流入水に含まれない成分が流出水の成分に存在している場合、該流出水を前記処理手段の前記流入水側に戻して再処理を施すことを特徴とする。即ち、汚水の漏洩を防止するには再処理が有効であり、流出水を流入水側に戻すことにより再処理を行う。この再処理は、処理前後の水の各計測値を比較し、流入水に含まれない成分が流出水の成分に存在している場合を条件とすることで、流出させるべきでない物質の流出を防止でき、しかも、同定された物質に対応した処理を的確に行うことができ、排水による汚染を防止することができる。
【0021】
本発明の水処理装置において、前記処理手段が、前記有機物を生物分解するものであることを特徴とする。
【0022】
本発明の水処理装置において、前記処理手段が、酸化剤又は触媒の何れか一方又は双方を用いる化学分解によるものであることを特徴とする。
【0023】
本発明の水処理装置において、前記処理手段が、熱又は圧力の何れか一方又は双方を用いて蒸発分離又は燃焼分解させるものであることを特徴とする。
【0024】
本発明の水処理装置において、前記処理手段が、紫外線又は超音波の何れか一方又は双方によって分解するものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の水処理装置において、前記処理手段が、粒状、板状又は繊維状の吸着材を充填した吸着手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明の水処理装置において、前記計測手段は、吸収又は発光で分析するものであって、且つUV−Vis−NIRダイオードアレイ分光光度計を用いたことを特徴とする。
【0027】
本発明の水処理装置において、有機物の吸着処理又は分解処理をする前記処理手段が該処理手段とは異なる異種処理手段と同一槽内に設置され、又は前記処理手段が前記異種処理手段と直列又は並列に配置されたことを特徴とする。即ち、処理手段の設置形態には種々のものがあり、単独又は他の装置との併設、又は、その設置方式も直列又は並列の各種の方式を取ることができ、このような設置形態に拘わらず、本発明の水処理装置によれば、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0028】
また、本発明の水処理方法は、有機物の吸着処理又は分解処理をする処理と、この処理前後の水のスペクトルを計測する処理と、前記処理前後の水のスペクトルの計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算する処理と、その演算結果に基づいて処理すべき水の量又は処理能力の何れか又は双方を制御する処理とを備えたことを特徴とする。即ち、この処理方法は、
(1) 浄化処理
(2) 計測処理
(3) 演算処理
(4) 制御処理
を含んでいる。浄化処理は、水中の有機物の吸着処理又は分解処理であり、係る処理は、有機物の生物分解、酸化剤又は触媒の何れか一方又は双方を用いる化学分解、熱又は圧力の何れか一方又は双方を用いる蒸発分離又は燃焼分解、紫外線又は超音波の何れか一方又は双方による分解等の処理による。その処理における有機物の吸着には、粒状、板状又は繊維状の吸着材を用いることができる。そして、計測処理では、UV−Vis−NIRダイオードアレイ分光光度計等を用いて水の吸光度スペクトル、発光スペクトルを計測する。制御処理の基礎となる演算処理では、処理前後の水の計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算する。そして、制御手段では、制御対象である処理手段に対し、演算結果を用いて処理すべき水の量又は処理能力の何れか又は双方を制御する。この場合、処理には、処理能力の制御、処理能力を変化させることなく処理手段における水の処理時間、滞留時間の制御を含んでいる。
【0029】
そして、本発明の水処理プログラムは、有機物の吸着処理又は分解処理の前後で計測されたスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算するステップと、その演算結果に基づいて処理すべき水の量又は処理能力の何れか又は双方の制御データを演算するステップとを備えたことを特徴とする。即ち、この水処理プログラムは、水処理装置に水処理方法を実施させるプログラムであって、スペクトルデータの演算ステップと、その演算結果を用いた制御データの演算ステップとを含んでいる。前者の演算ステップでは、有機物の吸着処理又は分解処理の前後で計測されたスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算し、後者の演算ステップでは、その演算結果を用いて処理すべき水の量や処理能力の内容を表す制御データを演算する。このような水処理プログラムを用いることにより、既存又は新設の水処理装置を用いて本発明に係る水処理方法を実現でき、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムの実施の形態に係る水処理システムの概要を示している。なお、図1に示す処理システムは本発明の1つの実施の形態を説明するにすぎないものであって、係る実施の形態が本発明の水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムそのものを示すものでもなく、図1に示す形態に本発明が制限されるものでもない。
【0031】
この水処理システムには、水処理の処理手段として、例えば、微生物を用いて浄化処理を行う生物処理プラント(以下単に「プラント」と称する)2が設置され、この実施の形態に係るプラント2には、水中の有機物を分解処理する生物処理を実行するための具体的な構成としてセレクター4、第1の曝気槽6、第2の曝気槽8及び沈殿池10が設置されている。処理手段としては、これらの全てが設置される必要はない。この場合、セレクター4は糸状性細菌の発生を抑制するために高負荷条件となるように設計された小型の曝気槽である。これらセレクター4及び曝気槽6、8には、曝気処理のため、エアーフィルター12及びブロワー14を介して空気が供給されている。プラント2の処理能力の制御としての空気の供給量は、ブロワー14を回転させる図示しないモーター等の駆動源の回転数によって制御される。
【0032】
セレクター4の前段に設置された原水槽16には図示しない工場ラインから処理すべき廃水等の原水18が溜められ、この原水18は原水ポンプ20でセレクター4に導かれる。セレクター4で曝気処理、及び微生物による浄化処理が施された水は、曝気槽6で微生物による浄化処理を経て曝気槽8に導かれ、再び微生物による浄化処理が行われ、沈殿池10に導かれる。沈殿池10にはその上澄水を処理水22として河川等に排水する手段として排水ライン24が形成されている。この排水ライン24には処理水22を圧送するポンプ26が設けられているとともに、排水ライン24を開閉するバルブ28が設けられている。これらポンプ26及びバルブ28は、プラント2における原水18及び処理途上の水の滞留ないし生物処理の処理時間を制御する手段を構成している。また、この排水ライン24から処理水22を河川等に直接排水することができない場合を想定し、排水ライン24と原水槽16との間には返送ライン30が設置され、この返送ライン30を開閉する手段としてバルブ32が設けられている。処理水22の外部への排出、原水槽16への返送は、バルブ28、30の開閉により何れか一方又は双方を選択的に行うことができ、その排出量又は返送量はバルブ28、30の開度によって調整できる。
【0033】
また、沈殿池10には、沈殿した汚泥34を排出する汚泥排出ライン36、この汚泥排出ライン36を開閉するバルブ38が設けられているとともに、汚泥34をセレクター4側に返送する汚泥返送ライン40が形成され、この汚泥返送ライン40には汚泥34を圧送する返送汚泥ポンプ42、汚泥返送ライン40を開閉するバルブ44が設置されている。汚泥34の排出又は返送は、バルブ38、44の開閉によって選択的に行われ、開度により排出量又は返送量が調整される。汚泥排出ライン36から排出される汚泥34は図示しない脱水機に導かれて脱水処理が施される。
【0034】
そして、プラント2の入口側には、処理前の水のスペクトルを計測する計測手段として、流入水である原水18の成分及びその濃度を検出する第1の計測手段であるセンサー46が設置されている。このセンサー46は、例えば、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で吸光度スペクトル又は発光スペクトルを用いて被処理水である原水18のスペクトルを計測する。また、センサー46は、破線で示すように、原水槽16又はその工場ライン側に設置してもよい。
【0035】
また、プラント2の出口側には、処理後の水のスペクトルを計測する計測手段として、流出水である処理水22の成分及びその濃度を検出する第2の計測手段であるセンサー48が設置されている。このセンサー48は、例えば、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で吸光度スペクトル又は発光スペクトルを用いてプラント2の処理水22のスペクトルを計測する。また、センサー48は、破線で示す位置に設置してもよく、曝気槽8から沈殿池10に導かれる処理水49を測定対象としてもよい。
【0036】
また、このプラント2には、センサー46、48等の計測手段で得られた各計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算する演算手段、その演算結果に基づいてプラント2への流入水の量、プラント2の処理能力の何れか又は双方を制御する制御手段としてコンピュータ50が設置されている。各センサー46、48で検出された成分や濃度等を表すデータは、常時又は適時にコンピュータ50に取り込まれ、演算情報及び制御情報として用いられる。また、コンピュータ50の制御出力は、ブロワー14のモータ、原水ポンプ20、ポンプ26、バルブ28、32、38、44、返送汚泥ポンプ42等の各種制御対象に加えられている。
【0037】
また、コンピュータ50は、インターネット等の各種情報ネットワーク媒体52を通して管理者等に設置されたホストコンピュータ54に接続されて必要なデータの授受が可能な構成とされ、また、ホストコンピュータ54と連係されたデータ保存手段であるデータベース56が設置され、コンピュータ50やホストコンピュータ54によるデータ処理でデータベース化された各種データがデータベース56に格納される。この実施の形態では、コンピュータ50において、センサー46、48の検出出力から成分や濃度等に変換ないしは表示する形態としているが、必ずしもこれによる必要はなく、センサー46、48の検出データを直接ホストコンピュータ54に送信し、ホストコンピュータ54にて演算処理や制御処理を行う形態であってもよい。
【0038】
また、この実施の形態では、単一のコンピュータ50で構成しているが、例えば、図2に示すように、演算手段である演算部58と、制御手段である制御部60とを別個のコンピュータで構成してもよい。
【0039】
この水処理装置を用いた水処理方法の実施の形態について、例えば、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
ステップS1では、プラント2で原水18の浄化処理を行う。即ち、原水槽16から原水ポンプ20を動作させて原水18をセレクター4、曝気槽6、8及び沈殿池10に流し、有機物の吸着処理及び分解処理を実行する。ステップS2では、この処理において、センサー46の計測データ、センサー48の計測データを取り込む。即ち、スペクトルデータの取込み処理を行い、ステップS3では、取り込んだスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算する。この演算結果は、プラント2の制御情報として用いられる。
【0041】
プラント2の制御として、ステップS4では、演算結果から流水量の調整が必要であるか否かを判定し、必要である場合にはステップS5に移行し、流水量の調整を行う。即ち、浄化処理が遅延している場合には、プラント2での原水18の処理時間を長くするために原水ポンプ20の回転数を低下させ、原水供給量を抑制する。また、浄化処理が進行している場合には、原水供給量を増大させる。
【0042】
このような流水量の調整の後、又は流水量調整が不要な場合には、ステップS6に移行し、処理能力の調整が必要か否かを判定する。この場合、処理能力は、セレクター4、曝気槽6、8に対する曝気量等に依存するので、この実施の形態では、処理能力の調整としてブロワー14の回転数によって処理能力が調整される。そこで、ステップS6で処理能力の調整が必要な場合には、ステップS7に移行し、回転数を増加又は減少させ、処理能力を最適化する。
【0043】
このような処理能力の調整の後、又は処理能力が不要な場合には、ステップS8に移行し、排水処理が行われ、浄化された処理水22が外部に排出される。この結果、既存又は新設の水処理装置を用いて本発明に係る水処理方法を実現でき、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0044】
ところで、ステップS8の排水処理では、例えば、図4のフローチャートに示す排水処理制御が行われる。この排水処理制御では、ステップS11でセンサー48から取り込まれたスペクトルデータの演算結果とセンサー46から取り込まれたスペクトルデータの演算結果とを比較し、流入水に含まれない成分が流出水に存在するか否か即ち、異常があるか否かを判定し、原水18にはない成分が処理水22中に含まれている場合、即ち、処理水22中の成分が原水18には存在していなかった場合には、ステップS12に移行し、返送処理を行う。この返送処理は、排水ライン24のバルブ28を閉じ、返送ライン30のバルブ32を開くとともに、ポンプ26を駆動して返送ライン30から原水槽16に処理水22を戻し、プラント2で再処理を行う。また、このような再処理の結果、又は、ステップS11で流入水に含まれない成分が流出水に存在するという異常な状態が検出されなかった場合には、ステップS13に移行し、バルブ28を開き、処理水22を外部に排出する。このような返送による再処理により、処理水22の浄化を高め、信頼性の高い水処理を実現することができる。この場合、一部の処理水22を返送ライン30から原水槽16に常時戻すようにしてもよい。
【0045】
この処理中のステップS3における演算処理において、ケモメトリックス演算規則によるスペクトル分解法の概略を説明すると、原水18等の被測定水のスペクトルSは水中に物質A〜Zまでの様々なスペクトルX、Y、Z・・・が合成されているものとする。即ち、スペクトルSは、
S=aX+bY+cZ+・・・         ・・・(1)
で表すことができる。但し、式(1) において、
S:被計測水のスペクトル
X:成分A固有の単位スペクトル
Y:成分B固有の単位スペクトル
Z:成分C固有の単位スペクトル

a、b、c・・・:各成分の存在係数
である。
【0046】
ここで、ケモメトリックス演算規則は、被測定水のスペクトルSに対して式(1) が当てはまると仮定し、各係数a、b、c・・・を数点以上の波長位置で回帰計算して求める。これを簡略的に、物質A、B、Cの3種類が水中に存在しているとすれば、ケモメトリックス演算規則の適用例である被測定水のスペクトルSを例えば、図5に示す。
【0047】
図5において、横軸は波長、縦軸は吸光度を示しており、波長1における物質Aの単位スペクトルをX1、Bの単位スペクトルをY1、Cの単位スペクトルをZ1とする。同様に、波長2における各値をX2、Y2、Z2、波長3における各値をX3、Y3、Z3、波長4における各値をX4、Y4、Z4とする。一方、被測定水のスペクトルSを測定したとき、波長1ではS1、波長2ではS2、波長3ではS3、波長4ではS4であったとする。このとき、各スペクトルS1〜S4は、上記仮定下で次の式で与えられることになる。
【0048】
S1=a*X1+b*Y1+c*Z1      ・・・(2)
S2=a*X2+b*Y2+c*Z2      ・・・(3)
S3=a*X3+b*Y3+c*Z3      ・・・(4)
S4=a*X4+b*Y4+c*Z4      ・・・(5)
【0049】
各式(2) 〜(5) において、各係数a、b、cは各成分の存在比である。故に、各係数a、b、cを求めて予め用意した成分毎の濃度−スペクトルデータを参照すれば、各成分の濃度が判る。実際の廃水では、含有する物質がA〜Zであり、無数であるため、係数a、b、cを求めるための連立方程式を立てることができない。しかも、エラーの存在も無視できない。そこで、各係数a、b、c・・・に適当な数値を入れ、スペクトルS1〜Snまで適合するように、換言すれば、予め設定した確率の範囲に入るように、回帰計算を施して解を求める方法がケモメトリックス演算規則である。そして、このケモメトリックス演算規則を用いて図5に示す被測定水のスペクトルSから求められた成分A固有の単位スペクトルXは図6の(A)、成分B固有の単位スペクトルYは図6の(B)、成分C固有の単位スペクトルZは図6の(C)のように求められる。
【0050】このようなケモメトリックス演算規則を適用すれば、無数の含有物質からなる廃水中の物質の同定と濃度をパターン化し、解析することが可能であり、その演算結果は実際の浄化処理の制御に適用しても何等の不都合はなく、精度の高い処理が実現でき、その結果、水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化、処理に要するエネルギーロスの低減を図ることができる。
【0051】
そして、この実施の形態では、プラント2に流入する原水18に対し、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で吸光度又は発光スペクトルを計測する。このスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分の同定と濃度を演算する。その演算値とプラント2の固有の性能曲線を対比して、プラント2に供給する原水18の流量とプラント2を運転するための諸条件(基礎条件)を設定する。
【0052】
この基礎条件で運転したとき、プラント2から流出する処理水22に対し、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で吸光度又は発光スペクトルを計測する。このスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分の同定と濃度を演算する。この演算によって得られた値が、予め規定した値よりも高い場合には、プラント2へ流入する原水18を停止するか又は減量し、プラント2から流出する処理水22を抑制し、又は原水18側へ返送ライン30により返送し、再処理を行う。
【0053】
ところで、スペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用するためには、予め各種物質のパラメータを準備しておく必要があるが、計測データの精度に応じて実際の水質との相関精度が高くなるので、予め原水18の水質が判る場合には、多くのパラメータを準備することが望ましい。この場合、原水18の含有物質が不明である場合には、ガスクロマトグラフィー法や液体クロマトグラフィー法、NMR法等を用いて同定することにより、パラメータを作成すればよい。
【0054】
また、スペクトル計測法としては、外部設置型によるサンプリング計測法、投げ込み型による直接測定法があり、何れでも適用できるが、後者の方がサンプリング等の機構が不要であり、サンプリングに関わる誤差(チューブへの付着、吸着、移送時間中での分解等) が少なく好ましい。この種の機器は、例えばオーストリア・ S::CAN社製の製品、フランス・SECOMAM社製の製品等で実用化されているので、これを利用できる。
【0055】
また、計測されたスペクトルデータから得られる情報はコンピュータ50によって分配され、成分とその濃度が求められ、コンピュータ50の表示器に表示やプリントアウトすることができる。
【0056】
このような演算結果である成分や濃度は、従来のCOD、BOD、TOCのような一括的な表わし方ではなく、物質A〜Zまでの存在割合と濃度を表示でき、その演算結果を用いてプラント2に対する流入水の量や処理能力の制御等、緻密な運転管理が可能となる。この結果、安定した水処理(=浄化処理)とともに、エネルギーロスの低減によって効率のよい処理を実現することができる。
【0057】
この手法を使うことで、物質A〜Xを同定できる。これは即ち、該水処理装置に流入する成分の、該装置における分解性として表わすことができる。例えば、昜分解性の物質Aと、中分解性の物質Bと、難分解性の物質Cが含まれていることが判った場合には、第1に、物質Cの入口濃度に対してそれを予め規定した濃度まで下げるために必要なプラント2の性能曲線と対比し、条件(原水18の流量や、プラント2の諸条件)を仮に設定する。第2に、物質Bの入口濃度に対して仮に設定した前記条件で処理が可能であるかを性能曲線で対比して過不足を求め、過不足であれば、物質Bの条件に合わせた別の条件を設定する。また、物質Aの入口濃度に対する性能曲線と対比し、過不足がなければ、その条件を設定する。第3に、全体の有機物濃度に対する補正係数を掛けて、プラント2の運転条件を設定する。このような条件設定によれば、安定性が高く、効率のよい処理ができる。
【0058】
ところで、プラント2で発生する突発的な反応や乱れにはプラント2からの流出水である処理水22の成分を監視することが有効である。基本的には、前記の運転制御によって処理の最適化や処理性能が高められるので、処理水22には有機物質が含まれることはないが、有機物質が流出する場合を想定した処理を行うことは、水処理の安全性、信頼性を高める上で有効である。
【0059】
(1) 原水18中に含まれる成分と処理水22中の成分が同じであり、且つ存在比が同じ場合
この原因は、プラント2内で偏流が起きている、一部が機能していない等のトラブルが予想される。このような場合にはプラント2を停止して改善処理が必要があるが、原水18が流入し、即座に対応が取れない場合には、原水ポンプ20の回転を低減させて原水18の供給を減容調整すると同時に、バルブ28を閉、バルブ32を開としてポンプ26を駆動し、処理水22を返送ライン30から原水槽16側へ返送する。このような処理を持続すると、処理水22の濃度を規定値以下にすることができ、プラント2の処理条件を監視して条件設定を変更し、最適条件の設定後、処理水22を排水ライン24から放流する。
【0060】
(2) 原水18中に含まれる成分群の一部が処理水22中に現れた場合
これは、未処理成分の処理に必要な条件が設定されていないことが予想され、設定条件を変更すればよい。条件変更に必要な期間中は、原水18の供給停止が最もよいが、原水18の供給を減容し、処理水22を原水18側へ返送し、循環運転を行うか、下流側への漏洩を防止するため、図示しない別の収容タンク等に移送する。
【0061】
(3) 原水18に含まれない成分群が処理水22中に存在した場合
これは、プラント2が分解装置であれば、その分解処理が不十分であって、処理が中間段階であることを表し、処理条件を見直す必要がある。この場合、その変更期間中は、原水18の供給停止が最もよいが、原水18の供給を減容し、処理水22を原水18側へ返送し、循環運転を行うか、下流側への漏洩を防止するため、図示しない別の収容タンク等に移送する。
【0062】
プラント2が吸着装置であれば、吸着材の中で化学反応又は微生物反応による分解反応が起きていることが想定される。この場合には、直ちにプラント2の運転を停止させ、吸着材の交換や再生処理を行えばよい。
【0063】
このように、プラント2に流入する原水18とプラント2から流出する処理水22とに含まれる成分を比較するので、従来の単なる濃度指標にはない情報が得られ、係る情報に基づいて処理条件を変更する等、優れたトラブルシューティングが可能となり、より安定した運転を実現できる。この場合、予め原水18に流入する成分が判っていれば、分解反応による中間副生成物は、経験的又は試験的に把握することができるので、その物質固有のパラメータを準備することが可能となる。
【0064】
また、センサー46で計測されたスペクトルデータから原水18等に不明な成分の存在が確認された場合には、他の測定手段を用いてその物質を同定し、パラメータを設定することができる。一般的には、昜分解性や中分解性の成分であれば、中間副生成物が発生することは稀であるので、この場合には例えば、難分解性の物質と仮定し、この物質について、原水18及び処理水22を監視し、その結果に応じてプラント2の運転条件を変更すればよい。
【0065】
そして、プラント2の水処理には、水中の微生物の代謝活動を利用することができる。生物処理には、大別すると、好気性生物処理(活性汚泥処理)と嫌気性生物処理とがある。微生物を利用する活性汚泥処理では、水中の有機物質を分解するだけでなく、窒素やリンを含有する物質や物質を取り込んだり、変質させたり、分解することができる。例えば、活性汚泥に適用すれば、予め各物質に対するプラント2の性能が判っているので、原水18に含まれる成分や濃度と比較して、最適な汚泥濃度(即ち、MLSS又はMLVSSで代用) 、滞留時間(即ち、原水18と汚泥との接触時間はプラント2の処理槽容積、原水流量及び返送汚泥流量の関係で決定される)、曝気量(ブロワー14の出力、例えば、ブロワー14のモータを駆動するインバータの周波数) を決定すればよい。滞留時間が決まれば、最適な汚泥濃度に対する返送汚泥の濃度と水の流量から、原水18の供給流量が決まる。この場合、流入成分に合わせて原水18又はセレクター4及び曝気槽6、8の温度やpHを調整してもよい。また、スペクトルデータから生物分解性難易度が判明するので、糸状性細菌の発生が予測可能となり、バルキング防止対策(例えば、各運転条件の変更、薬剤の注入等)を早期に取ることができる。また、後者の嫌気性生物処理では、原水18の供給流量と温度、pH、ORP等の条件を決定し、プラント2の処理能力を調整すればよい。
【0066】
このプラント2は、酸化剤や触媒を用いる化学分解処理を用いて生物処理と同様な水処理を行うことができる。例えば、触媒酸化処理であれば、予め各物質に対するプラント2の分解性能が判っているので、原水18に含まれる成分や濃度と比較して、最適な滞留時間から流量を決定し、それに伴う諸条件(例えば、pHやORP制御のための薬剤添加、酸化促進剤の添加、温度の制御) 等を調整してやればよい。また、触媒酸化処理が可能な複数ないし数種のプラント2を設置すれば、原水18に含まれる成分によって、最適な触媒塔を選択して通水することも可能である。もちろん、最適な処理順序を設定し、その順番に通水して処理することも可能である。
【0067】
プラント2の水処理において、熱や圧力といった物理的な力を付与することにより、蒸発分離や燃焼分解等の処理を適用してもよい。例えば、蒸発分離では、流入する成分に対して温度と圧力が決まるので、プラント2の性能を照らし合わせ、原水18の流入量や流量を決定し、必要な熱や圧力を調整し、処理能力の最適化を図ることができる。この場合、燃焼分解する処理を用いる場合も同様の調整を行い、処理能力の最適化を図ることができる。
【0068】
また、プラント2の水処理において、紫外線や超音波による分解処理を用いてもよい。例えば、紫外線を用いた分解処理では、流入する成分と濃度とプラント2の性能を照らし合わせ、原水18の流入量や流量を決定し、必要な薬剤(例えば、pHやORPを制御するための薬剤、酸化促進剤) の添加量や温度制御をし、紫外線酸化処理に用いられる図示しない紫外線酸化装置の出力を調整すればよい。複数の波長の紫外線酸化装置を備える場合には、原水18に含まれる成分によって最適な波長を選択したり、処理順序を設定したりすることもできる。
【0069】
また、超音波を分解処理に利用する場合にも同様に、流入する成分と濃度とプラント2の性能を照らし合わせ、原水18の流入量や流量を決定し、必要な薬剤(例えば、pHやORPを制御するための薬剤、酸化促進剤) の添加量や温度、圧力の制御をし、超音波分解処理に用いられる超音波照射装置の出力や照射時間を調整すればよい。複数の周波数の超音波照射装置を備える場合には、原水18に含まれる成分によって最適な周波数を選択したり、処理順序を設定したりすることも可能である。
【0070】
また、プラント2の水処理において、水中の有機物質の吸着処理に活性炭やゼオライト、イオン交換樹脂や各種合成吸着材を利用することができる。流入する成分に対してプラント2の性能を照らし合わせ、原水18の流入量や流量を決定し、且つ吸着可能な水量又はその使用時間を予測でき、最適な温度やpHとなるように原水18を調整することができる。この場合、時間情報に基づき、吸着材の交換や再生処理を行うことができる。プラント2から流出する処理水22を監視すれば、より安定した処理が可能になる。複数の吸着材を充填した塔又は槽を備える場合には、原水18に含まれる成分によって最適な吸着材を選択したり、処理順序を設定したりすることもできる。吸着材は、粒状、板状、繊維状等、何れの形状、形態でもよい。
【0071】
また、プラント2の水処理において、水のスペクトルの測定方法は、UV−Vis−NIRダイオードアレイ分光光度計等を用いることができ、例えば、前述のオーストリア・S::CAN社製の製品、フランス・SECOMAM社製の製品を用いることができる。計測されたスペクトルは、ケモメトリックス演算規則によって各物質パラメータと照らし合わされ、統計学的に分解できる。そこで、各物質を表すパラメータと、計測及び演算で得られたデータとを精度よく照合を行うためには、多数の情報を得るため、広い波長範囲でスペクトルの計測をすることが必要である。そこで、少なくとも紫外線領域(UV:200〜350nm)の全域、可視光域(Vis:350〜750nm)、近赤外(NIR:750〜2500nm)の波長範囲で連続的な波長、又は多波長点で同時測定するのがよい。各物質については、パラメータの測定波長範囲に網羅するデータベースを用意すればよい。そして、ケモメトリックス演算規則により、水のスペクトルから各物質、成分が抽出され、その存在割合と濃度を分析し、コンピュータ50の表示装置に表示することができる。
【0072】
そして、廃水中に含まれる有機物成分が無数にあり、且つ混合系であることが多い。原水18は、係る廃水を対象としていることから、単一の処理装置では処理ができない場合がある。そこで、複数の処理方法を備えて、原水18に含まれる成分情報を元に、最適な処理方法を選択したり、処理順序を決定してもよい。即ち、プラント2を単位とし、複数のプラント2を設置し、処理条件を変えて直列に設置したり、並列化したり、又は、1つのプラント2においても、変更した処理条件で処理水22に繰り返し処理を行う等の多段処理としてもよい。これらの方法は、原水18に含まれる成分やその濃度が判明しなければプラント2の制御が困難であったが、本発明の適用により、水処理が可能となり、しかも、処理の安定化とともに効率的な処理を実現でき、地球環境への負荷の低減が可能となる。この水処理をより効果的に行うには、上流側に各種脱塩装置、固液分離装置、殺菌装置を設置したり、薬剤の投入等を行ってもよい。同じく、下流側に各種脱塩装置、固液分離装置、殺菌装置を設置したり、薬剤の投入等を行ってもよい。
【0073】
ところで、適用する分析法の違いによる濃度差に伴う運転について言及する。特に、微生物を利用した処理では、CODを指標として管理する場合を例に挙げると、例えば、物質A=1mg/L当たりのCODcr値が1.5mg/L、BOD値が0.2mg/Lであったとする。この数値は、酸化力の強いクロム酸を使った分解では、物質A=1mgを分解するときに1.5mgのO(酸素) を消費するのに対し、生物分解を行った場合には0.2mgのO(酸素) を消費する情報が得られる。この情報は、生物分解性が著しく低く、微生物を使った処理ではほとんど分解できないことを表している。そこで、簡易に単純計算すると、物質Aの生物分解率は0.2/1.5*100=13.3%となる。一方、物質B=1mg/L当たりのCODcr値が1.2mg/L、BOD値が1.1mg/Lであったとする。この数値は、酸化力の強いクロム酸を使った分解と微生物による分解を行った場合での酸素の消費量がほぼ同じであり、物質Bは生物分解性の高いことが判る。同じように単純な計算によって表わすと、物質Bの生物分解率は1.1/1.2*100=91.7%となる。
【0074】
さて、被処理溶液の組成が、例えば、A=0mg/L、B=100mg/Lとすると、被処理溶液の濃度は、CODcr=120mg/L、BOD=110mg/Lとなる。この場合、微生物を使ったプラント2の出口水の濃度を予想すると、
CODcr=120*(100−91.7)/100=10mg/L・・・(6)
BOD=110*(100−91.7)/100=9mg/L・・・(7)
となる。そこで仮に、処理水22の有機物濃度の管理値を、CODcrとして10mg/L、BODとして9mg/Lとすれば、この濃度で通水してよいことになる。
【0075】
また、被処理溶液の組成が、例えば、A=60mg/L、B=15mg/Lとすると、被処理溶液の濃度は、CODcrとして108mg/Lとなる。これは前記条件のCODcr濃度より低いので、入口濃度の管理値には適合することになる。また、これをBOD濃度で表わすと、28.5mg/Lとなり、この値も低くなっている。従って、係る分析手法から被処理溶液に対して安定運転ができるという情報が得られるが、この条件で運転した場合、プラント2の出口水の濃度の予想値は、
CODcr=60*1.5*(100−13.3)/100+15*1.2*(100−91.7)/100=80mg/L  ・・・(8)
となる。この場合、30%程度の除去率となり、管理値の10mg as CODcr/Lを大幅に超えることになる。また、BODについては、
BOD=60*0.2*(100−13.3)/100+15*1.1*(100−91.7)/100=12mg as BOD/L ・・・(9)
となり、管理値の9mg/Lを超えることが予想される。
【0076】
従って、係る水系については、原水18の濃度監視を従来のCODやBODといった統合指標での管理は、その処理結果に問題がある。そこで、物質情報(即ち、プラント2の分解性) が考慮されるべきことが理解できる。
【0077】
そして、河川や湖沼、海洋への放流上、有機物濃度指標は、CODやBODであるが、排水処理に用いられるプラント2において、安定した処理には、被処理水(原水18) 中の成分組成を計測し、その計測濃度に対してプラント2の分解率を考慮し、その上で合計負荷量がプラント2の処理能力範囲内にあるか否かを判断しながら水処理を行うことが必要である。
【0078】
なお、図1に示す実施の形態では、1つのプラント2を例に取って説明したが、本発明は、1つのプラント2からなる水処理装置に限定されるものではなく、多数のプラントについての情報蓄積及びその活用を行えば、より効果的であり、例えば、図7に示すように、複数のプラント201、202・・・20Nに個別にセンサー46、48を設置し、これらセンサー46、48で検出された成分や濃度等を表すデータを処理するコンピュータ501、502・・・50Nとホストコンピュータ54とを各種情報ネットワーク媒体52で連係させ、情報交換ネットワークを構成する。ホストコンピュータ54には、各種データの表示や印刷等を行うデータ提示部62が接続されている。この場合、プラント201、202・・・20Nは、各センサー46、48の検出出力をホストコンピュータ54に向けて適時に自動送信する構成としてもよい。この場合、図示しないデータ入力装置を用いて必要なデータや検出データをコンピュータ501〜50N、ホストコンピュータ54に入力するようにしてもよい。
【0079】
【実施例】
以下に具体的な実施例を挙げて本発明の形態とその効果を詳細に説明するが、ここで挙げる実施例は本発明の形態の一例を示すものであって、下記の実施例を以って本発明の範囲や効果を制限するものではない。
【0080】
この実施例は、本発明を有機物処理装置、特に、活性汚泥処理装置に適用した例である。この場合、被処理水として、カオリン(濁度)、フタル酸水素カリウム、クエン酸、アセトンの4種類の物質を適当な配合で純水に希釈混合して溶液を作成した。この溶液について、以下に示す試験装置を用いて、処理(1) 〜(3) の3つの場合で通水試験を実施し、その処理水質を比較した。
【0081】
試験装置の構成は、次の通りである。
曝気槽6の容量:10L
曝気槽8の容量:10L
沈澱池10の容量:5L
通水流量(設計値):0.6L/hr
BOD容積負荷(設計値):0.2kg−BOD/m3 ・日
MLSS1日当たりのBOD負荷(設計値):0.08g−BOD/kg−MLSS・日
各槽の溶存酸素濃度:実測値で2〜3mg as 0/Lとなるように送気量を調整した
各槽のMLSS濃度:2500±50mg/Lとなるように抜出し量を調整した
原水水質検知手段:島津製作所社製・ 分光光度計UV−2200(測定波長域:200−750nm)
【0082】
(1) 本発明に係る活性汚泥制御
予め、カオリン(濁度)、フタル酸水素カリウム、クエン酸、アセトンの4種類のスペクトルを200−750nmでそれぞれ測定し、単位スペクトルデータを作成した。これらのスペクトルデータを利用し、被処理水のスペクトルデータは、
S=a*X+b*Y+c*Z+d*ξ       ・・・(10)
である。但し、式(10)において、
X:カオリン(濁度)の単位スペクトル
Y:フタル酸水素カリウム硝酸の単位スペクトル
Z:クエン酸の単位スペクトル
ξ:アセトンの単位スペクトル
a、b、c、d:各成分の存在割合
である。ケモメトリックス演算規則を適用する波長は、210nm、254nm、262nm、279nm、660nmの5位置とし、それぞれの位置において、
Sn=aXn+bYn+cZn+dξn      ・・・(11)
が成立しているとした。但し、n:波長位置である。
【0083】
これら5波長位置の数式を、PCA/PLS法からなるケモメトリックス演算規則により回帰計算することにより、係数a、b、c、dを求め、各成分の濃度を算出した。この計測及び演算は、1時間に1回実施した。
【0084】
また、各流入物質について別途物質のデータベースを検索してBODk/ThODkの値(但し、k:各物質)を調べておき、ケモメトリックス演算規則により求まった各物質の濃度に対し、BODkに即座に換算できる環境を整えた。このとき、原水濃度は、
BODt=BOD1+BOD2+BOD3+BOD4+BOD5
・・・(12)
と表わすことができる。
【0085】
このような操作で求められた原水濃度BODtに対し、BOD容積負荷、MLSS1日当りのBOD負荷の値が設計値となるように、1時間に1回、原水流量と引抜き汚泥の量を調整した。一方、処理効果を把握するために、処理水22のCODcr濃度をJIS法に基づいて手分析した。図8に示す試験(1) は、係る運転を3ヶ月間続けたときの処理水質の変化を表している。
【0086】
(2) 手分析CODcr値を用いた制御
原水18のCODcrを1日に1回測定し、予めある時点で測定したBOD/CODcrの計測値を使ってBOD濃度を換算して求め、BOD容積負荷、MLSS1日当りのBOD負荷の値が設計値となるように、原水流量と引抜き汚泥の量を1日に1回調整した。この処理効果を把握するために、処理水22のCODcr濃度をJIS法に基づいて手分析した。図8に示す試験(2) は、係る運転を3ヶ月間続けたときの処理水質の変化を表している。
【0087】
(3) 予め設定した運転条件での通水処理
曝気槽6、8の溶存酸素が規定の2〜3mg as 0/Lとなるように調整し、MLSS濃度が一定となるように汚泥抜出し量を調整し、他は、予め設定した条件のまま連続して通水処理を行った。この処理効果を把握するために、処理水22のCODcr濃度をJIS法に基づいて手分析した。図8に示す試験(3) は、係る運転を3ヶ月間続けたときの処理水質の変化を表している。
【0088】
このような実施例から明らかなように、本発明に係る水処理装置及び水処理方法を用いた場合の試験(1) では、他の試験(2) 、(3) に比較して処理水質が安定している。試験 (2)の例では、試験(3) よりも処理水質が不安定である。よって、本発明によれば、スペクトルデータの計測から濃度換算までに要する時間が短く、迅速且つ連続的な制御が可能であり、しかも、各物質濃度の組成が判明するので、生物処理の原水管理指標であるBODを正確に表示でき、最適な運転管理が行える等、優れた水処理の実現が可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
a 水中の有機物の吸着処理又は分解処理の安定化とともに、処理に要するエネルギーロスを低減でき、経済的且つ信頼性の高い水処理を実現することができる。
b 簡便に且つ安定して効率よく水中の有機物を対象とする水処理装置の運転管理が可能となる。
c 処理手段毎の各物質に対する処理能力を求めておけば、従来のCOD、BOD、TOCという統合的な管理指標では実現できなかった原水中の存在組成の変化に対しても対応でき、従来の成り行き型の制御から変化に即応できる積極的な制御を実現でき、有機物質の漏洩等の危険性を防止でき、効率の良い運転(省エネルギー)が可能となり、環境保全に貢献することができる。
d 特に、水の含有物質及びその濃度を計測し、その計測値に応じて処理手段への流入水の量や処理能力を制御するので、含有物質及びその濃度に対応して処理の安定化を図ることができ、従来の安全率に依存した処理が回避できるとともに、処理時間の短縮化や処理に要するエネルギーを低減できる上、処理手段の小容量化、小型化に加え、添加する薬剤量の削減、送水ポンプやブロワーに掛かる電力費を削減できる等、設備コスト、処理コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理装置、水処理方法及び水処理プログラムの実施の形態に係る水処理システムの概要を示す図である。
【図2】コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】水処理方法及び水処理プログラムの実施の形態を示すフローチャートである。
【図4】排水処理制御を示すフローチャートである。
【図5】ケモメトリックス演算規則を用いた水のスペクトルの分解及び合成手法例における被測定水のスペクトルを示す図である。
【図6】ケモメトリックス演算規則を用いた水のスペクトルの分解及び合成手法例における各成分固有のスペクトルを示す図である。
【図7】他の実施の形態に係る水処理システムを示すブロック図である。
【図8】実施例における各処理水質の変化を示す図である。
【符号の説明】
2 プラント(処理手段)
4 セレクター
6 第1の曝気槽
8 第2の曝気槽
10 沈殿池
46、48 センサー(計測手段)
50 コンピュータ(制御手段)
54 ホストコンピュータ(制御手段)

Claims (13)

  1. 水中の有機物を吸着処理又は分解処理する処理手段と、
    この処理手段の処理前及び処理後の水のスペクトルを計測する計測手段と、
    この計測手段で得られた各計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算し、その演算結果に基づいて前記処理手段への流入水の量、前記処理手段の処理能力の何れか一方又は双方を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする水処理装置。
  2. 前記計測手段のスペクトルの計測は、200〜2500nmの波長範囲で連続した波長又は複数の波長で行うことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記演算結果に基づいて前記処理手段における処理時間を制御することを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  4. 前記制御手段は、処理前後の水の各計測値を比較し、前記流入水に含まれない成分が流出水の成分に存在している場合、該流出水を前記処理手段の前記流入水側に戻して再処理を施すことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  5. 前記処理手段が、前記有機物を生物分解するものであることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  6. 前記処理手段が、酸化剤又は触媒の何れか一方又は双方を用いる化学分解によるものであることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  7. 前記処理手段が、熱又は圧力の何れか一方又は双方を用いて蒸発分離又は燃焼分解させるものであることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  8. 前記処理手段が、紫外線又は超音波の何れか一方又は双方によって分解するものであることを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  9. 前記処理手段が、粒状、板状又は繊維状の吸着材を充填した吸着手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  10. 前記計測手段は、吸収又は発光で分析するものであって、且つUV−Vis−NIRダイオードアレイ分光光度計を用いたことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  11. 有機物の吸着処理又は分解処理をする前記処理手段が該処理手段とは異なる異種処理手段と同一槽内に設置され、又は前記処理手段が前記異種処理手段と直列又は並列に配置されたことを特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  12. 有機物の吸着処理又は分解処理をする処理と、
    この処理前後の水のスペクトルを計測する処理と、
    前記処理前後の水のスペクトルの計測値にケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算する処理と、
    その演算結果に基づいて処理すべき水の量又は処理能力の何れか又は双方を制御する処理と、
    を備えたことを特徴とする水処理方法。
  13. 有機物の吸着処理又は分解処理の前後で計測されたスペクトルデータにケモメトリックス演算規則を適用して含有成分と濃度を演算するステップと、
    その演算結果に基づいて処理すべき水の量又は処理能力の何れか又は双方の制御データを演算するステップと、
    を備えたことを特徴とする水処理プログラム。
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