JP2022175196A - 排水処理方法及び排水処理装置 - Google Patents

排水処理方法及び排水処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機性排水の生物処理において、有機性排水である原水に対する栄養物質(一例として窒素、リン、微量金属など)の添加量を最適化する。【解決手段】排水処理装置は、原水を生物処理する反応槽10と、原水に栄養物質を添加する添加手段(例えば栄養物質貯槽21及びポンプ23)と、反応槽10から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度センサ31と、反応槽10内の水の水質に関する1以上の測定値(例えばpH値)を取得する水質測定部33と、制御装置40を備える。制御装置40は、二酸化炭素濃度センサ31で得られた二酸化炭素濃度値と水質測定部33で得られた測定値とに基づいて、添加手段による栄養物質の添加量を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、生物処理により有機性排水を処理する排水処理方法及び排水処理装置に関する。
有機物を含む排水すなわち有機性排水を環境中に放出する前に行う排水処理として、微生物を用いる生物処理が一般的に用いられている。生物処理では、微生物による有機物の分解活性を高く維持するために、水温、pHなどの環境条件を最適化するとともに、窒素やリン、微量金属などの栄養物質を添加する必要がある。生活排水が流入する公共下水道での排水に比べ、工場からの排水では栄養物質が不足しやすい。特に、化学工場や半導体製造工場からの排水では、生物処理に必要となる栄養物質の不足が顕著である。
有機性排水である原水に対する栄養物質の添加量は、原水での有機物濃度に比例させることが推奨されている。原水における有機物濃度が生物化学的酸素要求量(BOD)で表されているとして、好気性微生物による排水処理すなわち好気処理における栄養物質としての窒素(N)及びリン(P)の好ましい添加量は、質量基準で、例えば、BOD:N:P=100:5:1である。原水のBOD測定をオンラインであるいは短時間で行うことは難しいが、水中の全有機炭素(TOC)濃度の測定はオンラインで行うことができるので、原水におけるTOC濃度とBODとの相関を事前に取得しておき、オンラインのTOC濃度計によって原水のTOC濃度をモニタリングした上でこれをBOD値に変換し、得られたBOD値に基づいて窒素及びリンの添加量を制御することが行われている(例えば、特許文献1)。
特開2001-334285号公報
オンラインで測定したTOC濃度に基づいて栄養物質の添加量を制御する方法では、オンラインTOC濃度計の配管の内部において、懸濁物質(SS)や油分の蓄積、バイオフィルムの形成などによって目詰まりが生じ、測定値が不安定になる、という課題がある。
本発明の目的は、有機性排水の生物処理において、有機性排水である原水に対する栄養物質の添加量を最適化することができる排水処理方法及び排水処理装置を提供することにある。
本発明の排水処理方法は、反応槽において有機性排水である原水を生物処理する排水処理方法であって、反応槽内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する第1の測定工程と、反応槽内の水の水質に関する1以上の測定値を取得する第2の測定工程と、第1の測定工程で得られた二酸化炭素濃度の測定値と、第2の測定工程で得られた1以上の測定値とに基づいて、原水への栄養物質の添加量を制御する制御工程と、を有する。
本発明の排水処理装置は、有機性排水である原水を生物処理する反応槽と、原水に栄養物質を添加する添加手段と、反応槽内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する第1のセンサを有する第1の測定手段と、反応槽内の水の水質に関する1以上の測定値を取得する第2の測定手段と、第1の測定手段で得られた二酸化炭素濃度値と、第2の測定手段で得られた1以上の測定値とに基づいて、添加手段による栄養物質の添加量を制御する制御手段と、を有する。
本発明によれば、有機性排水の生物処理において、有機性排水である原水に対する栄養物質の添加量を最適化することが可能になる。
本発明の実施の一形態の排水処理装置を示す図である。 別の実施形態の排水処理装置を示す図である。 別の実施形態の排水処理装置を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明は、有機性排水である原水に対し微生物を用いる生物処理を行い、原水中の有機物質を分解除去する技術に関するものである。本発明が対象とする有機性排水は、生物処理が適用可能なものであれば特に制限されるものではなく、例えば、下水処理において排出される排水、食品工場、化学工場、半導体製造工場、液晶製造工場、紙パルプ工場などの各工場から排出される排水、さらには、これら以外の分野の事業所から排出される排水などを含んでいる。公共下水道での排水に比べ、民間工場からの排水では、生物処理に用いる微生物が有する分解活性を高く維持するために必要な栄養物質が不足しやすく、特に、化学工場や半導体製造工場、液晶製造工場からの排水では、栄養物質の不足が顕著である。有機物を含まない無機硝酸排水(あるいは無機亜硝酸排水)に対してメチルアルコールなどの外部有機源を添加して脱窒処理を行うときの、外部有機源を加えた排水も本発明が対象とする有機性排水である。本発明における生物処理には、好気処理、嫌気処理、脱窒処理などが含まれ、これらの生物処理は、活性汚泥法、膜分離活性汚泥法(MBR)、流動床または固定床による生物膜法、あるいはグラニュール法などにより実行される。
図1は、本発明の実施の一形態の排水処理装置を示している。図1に示す排水処理装置は、有機性排水である原水を貯えて好気条件にて原水の生物処理を行う流動床型の反応槽10を備えている。反応槽10は生物処理水槽であって、反応槽10からは、生物処理によって有機物が分解除去された処理水が排出する。反応槽10には、担体11が充填されており、反応槽10の底部には、酸素を供給するためにすなわちエアレーションのために反応槽10内に空気を吹き込む散気装置12が設けられている。反応槽10には、反応槽10に原水を供給する入口配管13が接続している。散気装置12には、散気装置12に空気を供給するための気体配管14が接続しており、気体配管14には、送気用のブロア15が設けられている。ここで使用できる担体11としては、例えば、プラスチック製担体、スポンジ状担体、ゲル状担体などが挙げられるが、これらの中では、コストや耐久性の観点から、スポンジ状担体を用いることが好ましい。反応槽10には担体11を撹拌する撹拌装置を設けてもよい。
生物処理において微生物がその分解活性を高く維持し、増殖するためには、栄養物質が必要であり、原水において栄養物質が不足する場合には、反応槽10内または反応槽10の前段において原水に栄養物質を添加する必要がある。本実施形態の排水処理装置では、栄養物質の溶液(すなわち栄養液)を貯える栄養物質貯槽21が設けられており、栄養物質貯槽21と入口配管13とは栄養液配管22を介して接続している。栄養液配管22には、栄養液を給送するポンプ23が設けられている。したがってこの排水処理装置では、入口配管13を流れて反応槽10に供給される原水に対して栄養物質を添加することができ、ポンプ23を制御することにより原水に対する栄養物質の添加量を制御することができる。栄養物質は、大別すると、窒素やリンを含む栄養塩と、窒素やリンに比べて必要量の少ない微量元素とに分けられる。微量元素には、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムなどのアルカリ金属類、鉄、マンガン及び亜鉛などの金属類などが含まれる。窒素源としては、尿素やアンモニウム塩を用いることができる。リン源としては、リン酸やリン酸塩を用いることができる。
本実施形態の排水処理装置では、生物処理により反応槽10内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度と、反応槽10内の水の水質に関する1以上の測定値から算出される原水BOD濃度とに基づいて、栄養物質の添加量を制御する。そのため反応槽10には、反応槽10内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度センサ31と、1以上の項目について水質を測定する水質測定部33が設けられている。反応槽10が蓋16によって覆われているとして、二酸化炭素濃度センサ31は、反応槽10内の気相部や、この気相部に接続した配管内などに設置される。二酸化炭素濃度センサ31の結露を避ける必要があるため、配管内に設置する場合には、配管の保温などを図るとともに、二酸化炭素濃度センサ31の直前の位置に、ミストセパレータを設置してもよい。また、腐食性ガスを除去する脱硫装置などを配置してもよい。反応槽10が開放系である場合には、測定結果における外気による影響を軽減するために、反応槽10の上部の開放部を極力小さくした上で、筒状の配管などを水面下まで挿入し、その配管において水面上となる位置に二酸化炭素濃度センサ31を配置することができる。二酸化炭素濃度センサ31としては、例えば、光学式、電気化学式あるいは半導体式のものを用いることができるが、特に、非分散型赤外線吸収法(NDIR)によるセンサを用いることが好ましい。二酸化炭素濃度の測定は、マニュアル(手動)で行ってもオンラインで行ってもよい。
反応槽10内の水の水質として水質測定部33が測定する項目としては、例えば、pH(水素イオン濃度指数)、水温、溶存酸素濃度(DO)、酸化還元電位(ORP)、導電率、濁度などが挙げられ、水質測定部33は、このうちの1以上の項目について測定を行えるように構成されている。よく知られているように水中における無機炭酸の形態はpHに応じてCO、HCO 、CO 2-と変化するので、pHは、生物処理により反応槽10内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度との関連が特に大きいと考えられる。また、水温に応じて二酸化炭素の溶解度が変化するので、水温も、反応槽10内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度との関連が大きい。本実施形態では、原水のBODを実測せずに、その代わりに、生物処理によって放出された二酸化炭素の濃度を含む測定値を用いて栄養物質の添加量を制御するので、水質測定部33が測定する項目にはpH、水温が含まれていることが好ましい。水質測定部33における測定は、マニュアル式で行われてもよく、オンラインで行われてもよい。
オンラインで水中の全有機炭素(TOC)濃度を測定するオンラインTOC濃度計もあるが、オンラインTOC濃度計は、少量の試料水を測定装置に引き込むために細い配管を備えており、目詰まりが発生しやすく測定値が安定しない。一方、二酸化炭素濃度センサ31は、水と接触することなく測定を行うので、測定値の安定性が非常に高い。また、pHや水温などを測定する水質測定部33も、反応槽10に浸漬する形式のセンサであるので、その測定値の安定性が高い。
次に、図1に示す排水処理装置における栄養物質の添加量の制御について説明する。原水に栄養物質(栄養塩及び微量金属)を添加するときの添加量は、原水における有機物濃度、好ましくはBODに比例させることが推奨されている。例えば、好気処理における窒素(N)及びリン(P)の添加量を、質量基準で、BOD:N:P=100:5:1とすることが推奨されている。本実施形態では、原水のBODをオンラインTOC濃度計などによって測定せずに、その代わり、生物処理により反応槽10内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度と、反応槽10内の水の水質とを測定する。そして、二酸化炭素濃度の測定値と水質に関する1以上の測定値とから原水のBOD値を算出し、算出されたBOD値に基づいて栄養物質の添加量を決定する。そのためにまず本実施形態では、二酸化炭素濃度センサ31で測定された二酸化炭素濃度と水質測定部33で得られた測定値との組み合わせを入力値(Xn)とし、入力値(Xn)に対応する原水のBOD濃度を出力値(Yn)とし、入力値と出力値との組み合わせを事前に一定数(例えは数十から百セット)取得した上で、モデル(あるいは関係式)を作成する。ひとたびモデルが作成されれば、それ以降は、二酸化炭素濃度センサ31で測定した二酸化炭素濃度の測定値と水質測定部33で得られた測定値との組み合わせをモデルに入力し、その結果としてモデルから出力されるBOD濃度値に基づいて、ポンプ23を駆動し、原水への栄養物質の添加の有無や添加量を制御する。このような制御を行なうために、排水処理装置は、作成されたモデルを保持し、二酸化炭素濃度センサ31で得られた二酸化炭素濃度値と水質測定部33で得られた測定値とをモデルに適用して原水のBOD濃度値を算出し、BOD濃度値に基づいてポンプ23のを発停や流量を制御する制御装置40を備えている。
次に、モデルの作成について説明する。入力値が入力されたときにそれに対応する原水のBOD濃度を出力値として出力するモデルは、例えば、各種の回帰分析を用いて作成することができる。特に、ニューラルネットワーク技術を用いて教師あり学習によってモデルを作成すると、栄養物質の添加量の制御の精度が向上する。二酸化炭素濃度センサ31で得られる二酸化炭素濃度は、反応槽10の構成や大きさ、反応槽10における気相部の大きさ、生物処理の種類などによって変動することもあることから、モデルは反応槽10ごとに設定してもよい。さらに、原水の種類あるいは出所によっても原水のBODと測定される二酸化炭素濃度やpHとの関係が変動する可能性があるから、原水の種類や出所ごとにモデルを用意し、そのようにして用意されたモデルの中から原水の種類や出所に応じて栄養物質の添加量の制御に用いるモデルを選択することもできる。
図1に示した排水処理装置では反応槽10に空気を吹き込んでいるが、大気には、通常、400ppm程度の二酸化炭素が含まれている。生物処理によって発生した二酸化炭素量を見積もるために二酸化炭素濃度を測定するときには、吹き込まれた空気に最初から二酸化炭素量を考慮する必要がある。吹き込まれる空気における二酸化炭素量の変動が小さい場合は、上述したように作成したモデルには、吹き込まれる空気に含まれる二酸化炭素の寄与が既に含まれているから、吹き込まれる空気での二酸化炭素濃度を測定することなく、そのモデルを使用して栄養物質の添加量を定めることができる。しかしながら、工場におけるボイラの排ガスが混入する空気が吹き込まれる場合など、吹き込む空気中の二酸化炭素濃度が変動するときは、反応槽10に吹き込まれる気体における二酸化炭素濃度に応じた補正を行って栄養物質の添加量を定める必要がある。図2は、そのように反応槽10に吹き込まれる二酸化炭素濃度に応じた補正を行う排水処理装置を示している。
図2に示した排水処理装置は、図1に示した排水処理装置と同様のものであるが、吹き込まれる空気における二酸化炭素濃度を測定するために気体配管14においてブロア15の出口側の位置に二酸化炭素濃度センサ32が設けられている点で、図1に示したものと異なっている。気体配管14に設けられている二酸化炭素濃度センサ32での測定値も制御装置40に送られる。制御装置40は、二酸化炭素濃度センサ31での測定値と二酸化炭素濃度センサ32での測定値の差と水質測定部33で得られた測定値とをモデルに適用して原水のBOD濃度値を算出し、BOD濃度値に基づいてポンプ23を制御する。
排水処理では、生物処理を行う反応槽の複数個を直列に接続し、前段の反応槽から排出される処理水を次段の反応槽に導いて各反応槽において生物処理を行うことにより、有機物が高度に除去された処理水を得ることがある。図3は、生物処理を行う反応槽10が複数個直列にすなわち多段に設けられている排水処理装置を示している。反応槽10が2段以上の多段で設けられている場合、最前段の反応槽10において、その反応槽から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定するとともにその反応槽10内の水の水質に関する1以上の測定値を取得して原水のBOD濃度値を算出し、そのBOD濃度値に基づいて、最前段の反応槽10に供給される原水への栄養物質の添加量を制御することが好ましい。したがって図3に示す排水処理装置では、二酸化炭素濃度センサ31及び水質測定部33は最前段の反応槽10にのみ設けられており、栄養物質貯槽21からの栄養液は、最前段の反応槽10に接続する入口配管13内の原水に添加されるようになっている。制御装置40は、二酸化炭素濃度センサ31及び水質測定部33の測定値から原水のBOD濃度値を算出し、BOD濃度値に基づいて、栄養液を給送するポンプ23を制御する。
反応槽10を2段以上直列に設けた場合、最前段の反応槽10において有機物の大半が分解除去されるので、2段目以降の反応槽10において除去しなければならない有機物は少なくなる。加えて、最前段の反応槽10で増殖した微生物が死滅し解体することで栄養物質が再溶出する。それらの理由により、2段目以降の反応槽10に供給される水に改めて栄養物質を添加しなくても、2段目以降の反応槽10において生物処理を進行させることが可能になり、排水処理装置の全体としての処理性能を維持することができる。
次に、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[試験条件1]
まず、実施例1~3及び比較例1,2について共通の試験条件について説明する。容積が19Lである一段の反応槽を使用し、有機性排水である原水の好気処理による生物処理を行った。好気性微生物を疎水性ポリウレタン樹脂からなるスポンジ担体に担持し、このようなスポンジ担体を、反応槽の容積に対して嵩体積として20%で反応槽に充填した。反応槽における滞留時間を18時間とした。原水として、イソプロピルアルコール含有排水を使用した。原水におけるBOD濃度は約900mg/L(基準濃度とする)であり、原水中の窒素(N)濃度は2mg/L以下であり、リン(P)濃度は0.1mg以下であった。生物処理を行うときのBOD容積負荷は約1kg/m/日であり、水温は約20℃であり、反応槽内の水の溶存酸素濃度(DO)は2mg/L以上であり、反応槽内の水のpHは6.0~7.5であった。
BOD:N:Pが100:5:1となるように原水に対して栄養塩(窒素(N)及びリン(P))を十分に添加し、反応槽内の水から放出される二酸化炭素濃度と、反応槽内の水のpHと溶存酸素(DO)の濃度をモニタリングした。このようなモニタリングを、原水におけるBOD濃度を意図的に基準濃度の100%から30%と60%に変化させながら繰り返し実行した。なお、原水のBOD濃度を高い精度で算出できるということは、栄養塩添加制御の精度が高いことと同じ意味を有する。
[比較例1]
二酸化炭素濃度からBOD濃度を算出することとして、二酸化炭素濃度と各BOD濃度とについて単回帰分析によって決定係数Rを算出したところ、0.840であった。
[実施例1]
二酸化炭素濃度と反応槽内の水のpHとからBOD濃度を算出することとして、二酸化炭素濃度とpHと各BOD濃度とについて重回帰分析によって決定係数Rを算出したところ、0.991であった。二酸化炭素濃度だけを用いる場合に比べ、二酸化炭素濃度とpHとを用いることにより、BOD濃度の算出精度が大幅に向上することが分かった。
[実施例2]
二酸化炭素濃度と反応槽内の水のpHとからBOD濃度を算出することとして、二酸化炭素濃度とpHと各BOD濃度とについてニューラルネットワーク分析によって決定係数Rを算出したところ、0.996であった。ニューラルネットワークモデルを用いることにより、算出精度がさらに向上することが分かった。
[ニューラルネットワーク分析における誤差分散値]
上述した試験条件によれば、二酸化炭素濃度、pH及び溶存酸素濃度がモニタリングされている。したがって、入力を二酸化炭素濃度、pH及び溶存酸素濃度とし、出力をBOD濃度とするデータセットが複数得られたことになる。そこで取得した全データセットに関して、特定の1つのデータセットをテストデータとし、その他のデータセットを教師データとして教師データからニューラルネットワーク分析によってモデルを作成し、そのモデルに対してテストデータを入力したときの出力値と、原水のBODの実測値との誤差を求めた。クロスバリデーション(交差検証)としてこのような操作をすべてのデータセットに対して繰り返し実施し、得られた誤差の分散値を算出して評価した。なお、誤差分散値は、その値が低いほど、原水のBOD濃度を適切に算出できていることを示している。
[比較例2]
入力として二酸化炭素濃度のみを用いたデータセットに関して誤差分散値を求めたところ、290であった。
[実施例3]
入力として二酸化炭素濃度と溶存酸素濃度を用いたデータセットに関して誤差分散値を求めたところ、誤差分散値は61に改善した。入力として二酸化炭素濃度とpHを用いたデータセットに関して誤差分散値を求めたところ、11であった。入力として二酸化炭素濃度とpHと溶存酸素濃度を用いたデータセットに関して誤差分散値を求めたところ、22であった。
[試験条件2]
試験条件2は、実施例4,5及び比較例3に共通の試験条件である。試験条件1に対して、スポンジ担体を、反応槽の容積に対して嵩体積として30%で反応槽に充填し、反応槽における滞留時間は8時間、水温は20~30℃に変動させた。生物処理を行うときのBOD容積負荷は約3kg/m/日であり、反応槽内の水のpHは5.6~7.8であった。反応槽内の水から放出される二酸化炭素濃度と、反応槽内の水のpHと水温をモニタリングした。
[比較例3]
二酸化炭素濃度からBOD濃度を算出することとして、二酸化炭素濃度と各BOD濃度とについて単回帰分析によって決定係数Rを算出したところ、0.770であった。
[実施例4]
二酸化炭素濃度と反応槽内の水温とからBODを算出することとして、二酸化炭素濃度と水温と各BOD濃度とについてニューラルネットワーク分析によって決定係数Rを算出したところ、0.927であった。二酸化炭素濃度だけを用いる場合に比べ、二酸化炭素濃度と水温とを用いることにより、BOD濃度の算出精度が大幅に向上することが分かった。
[実施例5]
二酸化炭素濃度と反応槽内の水温とpHからBODを算出することとして、二酸化炭素濃度、水温、pHと各BOD濃度とについてニューラルネットワーク分析によって決定係数Rを算出したところ、0.926であった。二酸化炭素濃度だけを用いる場合に比べ、二酸化炭素濃度と水温とpHを用いることにより、BOD濃度の算出精度が大幅に向上することが分かった。
比較例及び実施例より、二酸化炭素濃度に加えて反応槽内の水の水質に関する測定値を1以上用い、事前に作成したモデルを用いて原水のBOD濃度を算出することで、栄養物質の添加量を最適化できることが分かった。
10 反応槽
11 担体
12 散気装置
13 入口配管
14 気体配管
15 ブロワ
16 蓋
21 栄養物質貯槽
22 栄養液配管
23 ポンプ
31,32 二酸化炭素濃度センサ
33 水質測定部
40 制御装置

Claims (10)

  1. 反応槽において有機性排水である原水を生物処理する排水処理方法であって、
    前記反応槽内の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する第1の測定工程と、
    前記反応槽内の水の水質に関する1以上の測定値を取得する第2の測定工程と、
    前記第1の測定工程で得られた二酸化炭素濃度の測定値と、前記第2の測定工程で得られた前記1以上の測定値とに基づいて、前記原水への栄養物質の添加量を制御する制御工程と、
    を有する排水処理方法。
  2. 前記第1の測定工程で得られた二酸化炭素濃度の測定値と、前記第2の測定工程で得られた前記1以上の測定値とから原水の有機物濃度を算出する算出工程を有し、
    前記制御工程は、前記有機物濃度に基づいて、前記原水への栄養物質の添加量を制御する工程である、請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記第2の測定工程で取得される測定値にpHの測定値が含まれる、請求項1または2に記載の排水処理方法。
  4. 前記第2の測定工程で取得される測定値に水温の測定値が含まれる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  5. 複数の前記反応槽が直列に設けられる場合に、最前段の反応槽に対して前記第1の測定工程と前記第2の測定工程とを実施し、前記制御工程において前記最前段の反応槽に供給される前記原水または前記最前段の反応槽内の前記原水に添加される栄養物質の添加量を制御する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  6. 有機性排水である原水を生物処理する反応槽と、
    前記原水に栄養物質を添加する添加手段と、
    前記反応槽の水から放出される気体中の二酸化炭素濃度を測定する第1のセンサを有する第1の測定手段と、
    前記反応槽内の水の水質に関する1以上の測定値を取得する第2の測定手段と、
    前記第1の測定手段で得られた二酸化炭素濃度値と、前記第2の測定手段で得られた前記1以上の測定値とに基づいて、前記添加手段による前記栄養物質の添加量を制御する制御手段と、
    を有する排水処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1の測定手段で得られた二酸化炭素濃度の測定値と、前記第2の測定手段で得られた前記1以上の測定値とから原水の有機物濃度を算出し、前記有機物濃度に基づいて、前記栄養物質の添加量を制御する、請求項6に記載の排水処理装置。
  8. 前記第2の測定手段で取得される測定値にpHの測定値が含まれる、請求項6または7に記載の排水処理装置。
  9. 前記第2の測定手段で取得される測定値に水温の測定値が含まれる、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の排水処理装置。
  10. 複数の前記反応槽が直列に設けられ、
    前記添加手段は最前段の反応槽に供給される前記原水または前記最前段の反応槽内の前記原水に栄養物質を添加し、
    前記第1の測定手段及び前記第2の測定手段は前記最前段の反応槽に対して設けられている、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の排水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023243236A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 オルガノ株式会社 排水処理方法及び排水処理装置

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WO2023243236A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 オルガノ株式会社 排水処理方法及び排水処理装置

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