JP5347983B2 - ガス分析装置 - Google Patents
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また、サンプルセル1には圧力センサ9とガス温度センサ10が取り付けられ、圧力センサ9により測定対象ガスの圧力(全圧)が、ガス温度センサ10により測定対象ガスの温度が測定される。
測定対象ガスにレーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記レーザ光の発振波長が前記測定対象ガスに含まれる特定ガスの吸収スペクトルの中心波長を含めた所定の波長範囲で変化するよう前記レーザ照射手段を制御するレーザ制御手段と、前記測定対象ガスを通過したレーザ光を受光する受光手段と、を備えるガス分析装置において、
a)前記受光手段で受光されたレーザ光の検出信号から吸収スペクトルを作成するスペクトル作成手段と、
b)前記吸収スペクトルのピークの広がり量を測定する広がり量測定手段と、
c)前記広がり量が所定の範囲内に含まれているか否かに基づいて、吸収スペクトルのピークの形状が温度のみに依存して圧力には依存しない高真空領域内に前記測定対象ガスの圧力があるか否かを判別する判別手段と、
を備えていることを特徴とする。
A(ν)=ln(I0(ν)/I(ν)) … (1)
で表すと、Lambert-Beerの法則より次式が成立する。
A(ν)=PS×L×S(T)×K(ν)/(kBT) … (2)
ここで、PSは特定ガスの分圧、Lは測定対象ガスを通過する光路の長さ、S(T)は吸収線強度でガス温度Tの関数、K(ν)は吸収スペクトル(吸収量Aのスペクトル)のピークの形状を表す吸収特性関数、kBはボルツマン定数である。
K(ν)=γL/[π{(ν−ν0)2+γL 2}] … (3)
ここで、ν0は吸収スペクトルの中心周波数である。また、γLはK(ν)及びA(ν)の半値半幅であり、ローレンツ幅と呼ばれるものである。このローレンツ幅γLは次式のように近似的に表される。
γL=γL0(P/P0)(T0/T)α … (4)
ここで、Pは測定対象ガスの圧力(全圧)、Tは測定対象ガスの温度、γL0は標準状態(標準圧力P0, 標準温度T0)におけるA(ν)及びK(ν)の半値半幅、αはローレンツ幅温度係数である。
K(ν)=1/[γED×π1/2×exp{(ν−ν0)/γED}2] … (6)
式(6)のγEDはドップラ幅と呼ばれるものであり、高真空領域におけるA(ν)及びK(ν)の半値半幅を示している。ここで、γEDは特定ガスの分子量Mを用いて次式で表される。
γED=ν0/c×(2kBT/M)1/2 … (7)
式(7)より、γEDは測定対象ガスの圧力に依存していないことが分かる。すなわち、所定の高真空領域では、特定ガスの分圧の算出にあたって測定対象ガスの圧力の測定を必要としない。
γV=0.5346γL+{0.2166γL 2+ln(2)×γED 2}1/2 … (8)
ここで、γVはフォークト幅と呼ばれる。式(8)に示すようにγVにもγLが含まれていることから、この中間圧力領域においては、高真空領域と異なり、特定ガスの分圧測定にあたって測定対象ガスの圧力を測定する必要があることが分かる。
本発明では、高真空領域では特定ガスの分圧測定に測定対象ガスの圧力が必要でないことを利用し、測定環境を略1[Torr]未満の高真空領域に限定することで、ガス分析装置から圧力センサを省く構成とした。本発明に係るガス分析装置では、測定対象ガスの圧力が高真空領域より高い圧力領域にある場合には、それを測定環境の異常として検知する構成としているため、分圧測定の結果に対する信頼性を高めることができると共に、装置の省スペース化と低コスト化が可能となる。
図3は本実施例の水分測定装置の概略構成図である。この水分測定装置の測定光学系は、前述した図1の従来型のガス測定装置と同じである。すなわち、測定対象ガスが流通するガス流路2と、ガス流路2の途中に、ガス流路2と略直交方向に設けられたサンプルセル1と、サンプルセル1の両端に対向して設けられた反射鏡3及び4と、反射鏡3に設けられた光のみが透過可能な透明窓5と、その透明窓を挟んでサンプルセル1の外側に設けられた、略密閉構造で内部空間が略大気圧雰囲気である光学チャンバ6と、光学チャンバ6内に収納された、レーザ制御部11により発振波長を制御可能な波長可変レーザ(レーザ照射部)7と、同じく光学チャンバ6内に収納された、吸収光強度を測定する光検出部(受光部)8と、を有している。
レーザ制御部11は、電流制御部31、デジタル/アナログ変換器(DAC)32、電圧/電流変換器(V/I)33から成る。DAC32は、電流制御部31から出力される、水分子の吸収スペクトル付近の波長領域に渡るスイープ(掃引)を繰り返し行うためのデジタルデータを、スイープ電圧に変換して出力する。このスイープ電圧がV/I33により電流信号に変換され、波長可変レーザ7に鋸波のような駆動電流が供給される。これにより、波長可変レーザ7は時間経過に伴って、所定の波長範囲で繰り返し波長が変化するレーザ光を出射する。
また、サンプルセル1中の測定対象ガスの温度はガス温度センサ10により電圧信号に変換され、ADC44によりデジタル値に変換されて演算部20に入力される。
まずステップA1として、スペクトル作成部21において、レーザ光の発振波長とADC43から入力された透過光の信号強度とに基づき、吸収スペクトルを作成する。この吸収スペクトルの作成は、次のように行われる。まず、図7の(a)に示すように、透過光強度I(ν)のスペクトルを作成する。次に、水分子による吸収の影響を受けていない非吸収帯域における透過光強度I(ν)のデータから、I0(ν)を近似により作成する(図7(b))。この近似により得られたI0(ν)と透過光強度I(ν)のデータとを用いることにより、吸収量Aのスペクトル(吸収スペクトル)を作成することができる(図7(c))。
この図8の構成の水分分析装置を用いることにより、ガス温度が既知且つ一定であり、測定対象ガスの圧力が大気圧から高真空領域まで変化するというような測定環境においても、広がり量Wと閾値Dの大小を比較することで、同様にガス温度の異常検知を行うことができる。
本実施例の水分測定装置の構成は、演算部20が図10に示す演算部20Aに置き換わっている点を除いて図3に示す第1実施例のものと同じである。また、演算部20Aの構成についても、全圧算出部25が新たに設けられている点を除いて演算部20と同じである。
2…ガス流路
3…反射鏡
5…透明窓
6…光学チャンバ
7…波長可変レーザ(レーザ照射部)
8…光検出部(受光部)
9…圧力センサ
10…ガス温度センサ
11…レーザ制御部
12、20、20A、20B、20C、20D…演算部
13…出力部
21…スペクトル作成部
22…広がり量測定部
23…判別部
24…分圧算出部
25…全圧算出部
26…温度算出部
31…電流制御部
32…デジタル/アナログ変換器(DAC)
33…電圧/電流変換器(V/I)
34…光電変換素子
35…I/V変換アンプ
41…アンプ
42…ローパスフィルタ(LPF)
43、44…アナログ/デジタル変換器(ADC)
Claims (6)
- 測定対象ガスにレーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記レーザ光の発振波長が前記測定対象ガスに含まれる特定ガスの吸収スペクトルの中心波長を含めた所定の波長範囲で変化するよう前記レーザ照射手段を制御するレーザ制御手段と、前記測定対象ガスを通過したレーザ光を受光する受光手段と、を備えるガス分析装置において、
a)前記受光手段で受光されたレーザ光の検出信号から吸収スペクトルを作成するスペクトル作成手段と、
b)前記吸収スペクトルのピークの広がり量を測定する広がり量測定手段と、
c)前記広がり量が所定の範囲内に含まれているか否かに基づいて、吸収スペクトルのピークの形状が温度のみに依存して圧力には依存しない高真空領域内に前記測定対象ガスの圧力があるか否かを判別する判別手段と、
を備えていることを特徴とするガス分析装置。 - 前記広がり量が所定の範囲内に含まれていない場合に、前記広がり量と温度の測定値から前記測定対象ガスの圧力を算出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のガス分析装置。
- 前記広がり量が所定の範囲内に含まれていない場合に、前記広がり量と圧力の測定値から前記測定対象ガスの温度を算出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のガス分析装置。
- 測定空間内の圧力が所定の高真空領域内に含まれているか否かを判定する真空度判定装置であって、
a)前記測定空間内にレーザ光を照射するレーザ照射手段と、
b)前記レーザ光の発振波長が所定の波長範囲で変化するよう前記レーザ照射手段を制御するレーザ制御手段と、
c)前記測定空間を通過したレーザ光を受光する受光手段と、
d)前記受光手段で受光されたレーザ光の検出信号から吸収スペクトルを作成するスペクトル作成手段と、
e)前記吸収スペクトルのピークの広がり量を測定する広がり量測定手段と、
f)前記広がり量が所定の範囲内に含まれているか否かに基づいて、吸収スペクトルのピークの形状が温度のみに依存して圧力には依存しない高真空領域内に前記測定空間内の圧力があるか否かを判別する判別手段と、
を備えていることを特徴とする真空度判定装置。 - 前記広がり量が所定の範囲内に含まれていない場合に、前記広がり量と温度の測定値から前記測定空間内の圧力を算出する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の真空度判定装置。
- 前記高真空領域が133Pa未満の圧力領域であることを特徴とする請求項4又は5に記載の真空度判定装置。
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