JP6269438B2 - レーザ式分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ吸収分光法を利用して特定成分量情報を計測するレーザ式分析装置に関し、特に、半導体製造装置における真空領域中や煙道中や燃焼プロセス中や自動車測定対象ガス中や燃料電池における流路中等の特定ガス量情報を計測するレーザ式ガス分析装置に関する。
測定対象ガス中の水蒸気量(特定成分量情報)を計測する方法の1つとして、水分子が特定波長領域(例えば、1.3μm帯)の光のみを吸収することを利用した吸収分光法が挙げられる。この吸収分光法は、測定対象ガスに対し非接触で測定可能であるため、測定対象ガスの場を乱さずに測定対象ガス中の水蒸気量を計測することができる。
このような吸収分光法の中でも、特に光源に波長可変半導体レーザ(レーザ素子)を利用した「波長可変半導体レーザ吸収分光法」は、シンプルな装置構成で実現することができる。例えば、「波長可変半導体レーザ吸収分光法」を利用したレーザ式ガス分析装置では、測定対象ガスが所定方向に流れている配管に対して、配管に形成された入射用光学窓と出射用光学窓とを介して、配管を横切って光路(光路長L)が形成されるようにそれぞれ対向して設けられる波長可変半導体レーザと光検出センサ(受光部)とを追加することが一般的である(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
このようなレーザ式ガス分析装置によれば、波長可変半導体レーザから発振された所定波長のレーザ光(測定光)は、配管内を通過する過程で測定対象ガス中に存在する水分子の遮光作用によってレーザ光の進行が阻害され、測定対象ガス中における水分子の濃度に対応して光検出センサに入射する光量(光強度値)が減少することを利用して、波長可変半導体レーザから発振されたレーザ光の光量に対する光検出センサに入射するレーザ光の光量を計測することによって水分子の濃度が算出される。図9は、レーザ式ガス分析装置で得られた吸収スペクトルの一例を示すグラフである。縦軸は受光強度値Iであり、横軸は周波数νである。なお、I(ν)は周波数νにおいて水分子の吸収を受けなかった場合の受光強度値変化であり、非吸収波長の受光強度値変化に基づいて近似多項式(基準線)を作成したり、カーブフィッティングしたりすることで導出されることになる。
ここで、図9に示す吸収スペクトルを用いた演算処理の一例について説明する。Lambert-Beerの法則より下記式(1)が成り立つ。
なお、I(ν)は周波数νにおいて水分子の吸収を受けなかった場合の光強度値変化、I(ν)は周波数νにおける透過光強度値変化(受光強度値変化)、c(mol/cm)は水分子の数密度、L(cm)は測定対象ガスを通過する光路の長さ、S(T)(cm−1/(mol/cm−2))は所定の吸収線強度におけるガス温度Tの関数である。
ここで、図10は、縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフである。よって、式(1)の左辺の値は、図10に示すグラフの面積を求めることで得られる。図10のグラフの面積を求める方法として、長方形近似を一例に挙げると、式(1)の左辺は下記式(2)のように変形することができる。
なお、νmaxは吸収帯(吸収ピーク)の周波数上限、νminは吸収帯の周波数下限、nは1波形あたりの測定点数である。
一方、式(1)の右辺におけるS(T)に関しては下記式(3)が成り立つ。
なお、Sは標準状態での線強度、Q(T)は分配関数、B(T)はボルツマン因子、SE(T)は誘導放射の補正式である。
さらに、式(3)の右辺におけるQ(T)、B(T)、SE(T)は、それぞれ下記式(4)、(5)、(6)のように表すことができる。
なお、S、定数a〜d、Eは、HITRANデータベース等から得られることができる。よって、ガス温度値Tと光強度値変化I(ν)、I(ν)とを得ることができれば、水分子の数密度cが算出できることになる。
ここで、図11は、波長可変半導体レーザ吸収分光法を利用したレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。
レーザ式ガス分析装置201は、光源部(半導体レーザモジュール)210と、レーザ光受光部20と、光源部210を制御するレーザ制御部250と、マイコンやPCで構成される制御部260とを備える。
このようなレーザ式ガス分析装置201は、燃焼プロセスへの給排気の各ラインに連結されたサンプル流路70内を流れる測定対象ガスS中の水蒸気量を計測するために用いられる。サンプル流路70はZ方向に伸びており、サンプル流路70の側壁には、入射用光学窓71と、入射用光学窓71にX方向に距離L1を空けて対向する出射用光学窓72とが形成されている。そして、測定対象ガスSはサンプル流路70内をZ方向に流れている。
光源部210には、レーザ光を出射する半導体レーザ(例えば光通信用分布帰還系形(DFB:distributed feedback)半導体レーザダイオード等)10aと、光強度値(パワーモニタ信号)を検知するパワーモニタ10bと、レーザ光を2方向へ分割するビームスプリッタ10cとを備え、例えばバタフライモジュールやTO−CANタイプモジュール等が用いられる。
このような光源部210の構成において、半導体レーザ10aで発振されたレーザ光は、ビームスプリッタ10cで2方向へ分割される。ビームスプリッタ10cで分割されたレーザ光が進行する2方向のうちの1方向のレーザ光は、入射用光学窓71からサンプル流路70内にX方向で入射され、測定対象ガスSに対して照射されるようになっている。一方、ビームスプリッタ10cで分割されたレーザ光が進行する2方向のうちの残りのもう1つの方向のレーザ光の光強度値(パワーモニタ信号)は、パワーモニタ10bにより所定サンプリング間隔(例えば1MHz、0.001ミリ秒間隔)で検知されるようになっている。
また、このような光源部210を水蒸気量の連続モニタリングに使用するときには、半導体レーザ10aへ印加する駆動電流値を所定周期で変化させること、具体的には鋸歯形状となる駆動電流値が印加されることにより、所定波長範囲のレーザ光を所定周期で発振している。図12は、駆動電流値とレーザ光の発振波長との関係を示す概念図であり、図12(a)は、半導体レーザ10aへ印加される駆動電流値を示す波形図であり、図12(b)は、その駆動電流値が印加された半導体レーザ10aから発振されるレーザ光の発振波長を示す波形図である。図12(a)に示す駆動電流値の波形は、連続モニタリングの開始に際して測定者等が入力したり予め記憶させたりしており、レーザ制御部250からレーザ制御信号として光源部210にD/Aコンバータ80を介して出力されるようになっている。
レーザ光受光部20は、光強度を電気信号に変換できるものであればよく、例えばフォトダイオードが用いられる。レーザ光受光部20は、出射用光学窓72からサンプル流路70外にX方向で出射されたレーザ光を受光するように配置されており、測定対象ガスSを通過したレーザ光の受光強度値Iを受光する。
そして、レーザ光の受光強度値IをA/Dコンバータ81によってデジタル値に所定サンプリング間隔(例えば1MHz、0.001ミリ秒間隔)で変換し、演算部261は、各周期において吸収ピークの中心波長部分のレーザ光の受光強度値変化と、中心波長部分の両側となる非吸収波長部分のレーザ光の受光強度値変化とを含む受光強度値変化I(t)を取得することで、基準強度値変化(基準線)I(t)を作成する。その後、演算部261は、作成した基準強度値変化I(t)と、レーザ光受光部20で検知された受光強度値変化I(t)とを式(1)、(2)に当てはめて数密度cを得る。
特開2010−237075号公報 特開2012−237636号公報
ところで、上述したようなレーザ式ガス分析装置201では、基準線I(t)を作成する際に、測定対象ガスの状態(圧力、温度等)の大きな変化によって吸光線(水分子の吸収ピーク)幅が広がり非吸収波長部分が少なくなり、多項式近似の精度が落ちてしまうことがあった。
また、基準線I(t)を作成するために、光源部(半導体レーザモジュール)210内のパワーモニタ10bで検知されたパワーモニタ信号を、A/Dコンバータ82を介してそのまま用いる方法や、参照ガスを通過するような参照光路を設けて受光信号を用いる方法等があるが、パワーモニタ10bや参照光路を設けたとしても、多々ある非線形素子等が原因となって歪や信号のなまりが発生し、得られたパワーモニタ信号や受光信号を基準信号(基準強度値I)として用いるのは難しいことがあった。つまり、回路やレーザ光を受光するフォトダイオード等の多くが非線形素子で構成されているため、実際に得られるパワーモニタ信号や受光信号から基準線I(t)を解析して作成することは困難であった。
上記を鑑みて、本出願人は、適切な基準線I(t)を作成する方法を検討した。そして、パワーモニタ信号(出射強度値)Pと、レーザ光受光部20で検知された受光信号(受光強度値)Iとの間には、非線形素子や回路を通過するため事前の解析は難しいが、何かしらの関係性があることから、測定対象ガス中の水蒸気の影響がない状態で、様々な数値としたパワーモニタ信号Pと受光信号Iとを取得し、受光信号Iとパワーモニタ信号Pとの関係を、基準信号作成マップ[MAP(P’,P)=I]として予め作成しておくことを見出した。
すなわち、本発明のレーザ式分析装置は、測定対象試料に測定光を照射するレーザ素子を有する光源部と、前記レーザ素子へ印加する駆動電流値を所定周期の鋸歯形状時間変化させることにより、所定波長範囲の測定光をレーザ素子から所定周期で発振させるレーザ制御部と、前記測定対象試料中を通過した測定光の受光強度値Iを所定サンプリング間隔で検知する受光部と、測定光の出射強度値Pを所定サンプリング間隔で検知する検知部と、第n周期の所定波長範囲の測定光の受光強度値変化I(t)と、特定成分を含有しない測定対象試料中を通過したとされる第n周期の所定波長範囲の測定光の基準強度値変化I(t)とに基づいて、特定成分量情報を算出する演算部とを備えるレーザ式分析装置であって、出射強度値Pと出射強度値Pの時間に対する1階微分値P’との組合わせと、基準強度値Iとの関係を示す基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を記憶する記憶部を備え、前記演算部は、前記検知部で検知された出射強度値変化P(t)から出射強度値Pと1階微分値P’とを求め、出射強度値Pと1階微分値P’とを前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめることにより、基準強度値変化I(t)を作成するようにしている。
ここで、「所定周期」とは、測定者等によって決められる任意の時間であり、所定波長範囲の測定光をレーザ素子から発振させるために、例えば数十Hz〜数十kHzとなり、1kHz等が挙げられる。また、「所定サンプリング間隔」とは、測定者等によって決められる任意の時間(所定データ取得間隔)であって所定周期よりも短く、1掃引にてデータが数百点必要なので、例えば数kHz〜数MHzとなり、1MHz等が挙げられる。
さらに、「特定成分」とは、測定者等によって決められる任意の成分であり、例えば水蒸気や二酸化炭素や一酸化炭素等である。
以上のように、本発明のレーザ式分析装置によれば、吸光線(特定成分の吸収ピーク)幅が広がった場合でも、出射強度値変化P(t)を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめることにより、適切な基準線I(t)を作成することができる。また、計測中に駆動電流値の波形の傾きや高さ等を特定成分の吸光に併せて可変させても、適切な基準線I(t)を作成することができる。
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記の発明では、前記光源部は、前記検知部としてパワーモニタを有するようにしてもよい。
また、上記の発明では、測定対象試料に照射する分割測定光と、前記特定成分を含有しない参照試料に照射する参照光とに分割する測定光分割部を備え、前記検知部は、出射強度値Pとして前記参照試料中を通過した参照光の強度値を検知するようにしてもよい。
そして、上記の発明では、前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]は、前記特定成分を含有しない測定対象試料を用いて作成されたものであるようにしてもよい。
さらに、上記の発明では、前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]は、出射強度値Pの時間に対する2階微分値P’’の絶対値が所定閾値以下となる部分を用いて作成されたものであるようにしてもよい。
本発明のレーザ式分析装置によれば、出射強度値Pの変化量の値が大きい場合には、回路や各素子等の非線形な特徴が大きく現れるため、基準線I(t)を作成するには適していないことから、出射強度値Pの2階微分値P’’の絶対値が所定閾値以上となる部分については、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に反映させないようにしている。なお、出射強度値Pの2階微分値P’’の絶対値が所定閾値以上となる部分は計測には使われないため、無視しても問題ない。
第一実施形態のレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図。 基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]の一例を示す表。 出射強度値変化P(t)と1階微分値変化P’(t)と2階微分値変化P’’(t)の一例を示すグラフ。 図3の部分拡大図。 図3の部分拡大図。 図3の部分拡大図。 第二実施形態のレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図。 駆動電流値と吸収スペクトルとの関係を示す概念図。 レーザ式ガス分析装置で得られた吸収スペクトルの一例を示すグラフ。 縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフ。 波長可変半導体レーザ吸収分光法を利用したレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図。 駆動電流値とレーザ光の発振波長との関係を示す概念図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
<第一実施形態>
図1は、本発明に係る第一実施形態のレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図である。なお、上述した従来のレーザ式ガス分析装置201と同様のものについては、同じ符号を付している。
レーザ式ガス分析装置1は、光源部(半導体レーザモジュール)10と、レーザ光受光部20と、光源部10を制御するレーザ制御部50と、マイコンやPCで構成される制御部60とを備える。
レーザ制御部50は、「水蒸気量を計測する入力信号」が入力された際には、図12(a)に示すような所定の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号をD/Aコンバータ80によってデジタル値に変換し、光源部10の半導体レーザ10aに印加する制御を行う。
また、レーザ制御部50は、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」が入力された際には、種々の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号をD/Aコンバータ80によってデジタル値に変換し、光源部10の半導体レーザ10aに印加する制御を行う。このレーザ制御信号は、実際に計測時に出力されると考えられる駆動電流値の波形を網羅するようになっていることが好ましい。
制御部60は、CPU61とメモリ62と入力装置(図示せず)とを備える。また、CPU61が処理する機能をブロック化して説明すると、測定対象ガス中の水蒸気量を算出する演算部61aと、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する作成部61bとを有する。さらに、メモリ62には、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を記憶するための基準強度値作成マップ記憶領域62aを有する。図2は、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]の一例を示す表である。縦欄は出射強度値Pを示し、横欄は出射強度値Pの1階微分値P’を示している。
作成部61bは、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」が入力された際には、レーザ光受光部20で検知された受光強度値I、パワーモニタ(検知部)10bで検知された出射強度値(パワーモニタ信号)PをそれぞれA/Dコンバータ81、82によってデジタル値に所定サンプリング間隔(例えば1MHz)で変換し、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成してメモリ62の基準強度値作成マップ記憶領域62aに記憶させる制御を行う。
ここで、図3(a)は、出射強度値変化P(t)の一例を示すグラフであり、図3(b)は、図3(a)に示す出射強度値Pの1階微分値変化P’(t)のグラフであり、図3(c)は、図3(a)に示す出射強度値Pの2階微分値変化P’’(t)のグラフである。
例えば、まず測定者等は、水蒸気を含有しない測定対象ガスをサンプル流路70内に流す。そして、測定者等は、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」を、入力装置を用いて入力する。これにより、レーザ制御部50によって、種々の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号が半導体レーザ10aに印加される。
その結果、出射強度値Pが「120」と検知され、その1階微分値P’が「0.06」であるときに、受光強度値Iが「139」と検知されると、その値を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録する。また、出射強度値Pが「130」と検知され、その1階微分値P’が「0.06」であるときに、受光強度値Iが「148」と検知されると、その値を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録する。このようにして順次基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録していく。
基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中へ記録していく際には、2階微分値P’’が閾値の絶対値(充分に小さい値、理想的には0であるが、実際には構成される素子や回路等による非線形的な動作が充分に無視できる変化量)以下となった出射強度値Pと1階微分値P’とを用いるようにすることが好ましい。なお、図4(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)における数値範囲80〜120の拡大図であり、図5(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)における数値範囲480〜520の拡大図であり、図6(a)〜(c)は、図3(a)〜(c)における数値範囲880〜920の拡大図である。
演算部61aは、「水蒸気量を計測する入力信号」が入力された際には、レーザ光受光部20で検知された受光強度値I、パワーモニタ10bで検知された出射強度値(パワーモニタ信号)PをそれぞれA/Dコンバータ81、82によってデジタル値に所定サンプリング間隔(例えば1MHz)で変換し、各周期において、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめて基準強度値変化(基準線)I(t)を作成する制御を行う。
例えば、レーザ制御部50によって、図12(a)に示すような所定の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号が半導体レーザ10aに印加されたときに、第一サンプリング時間に検知された出射強度値Pが「120」であり、その1階微分値P’が「0.06」であれば、第一サンプリング時間における基準強度値Iは、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]から「139」となる。また、第二サンプリング時間に検知された出射強度値Pが「130」であり、その1階微分値P’が「0.06」であれば、第二サンプリング時間における基準強度値Iは、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]から「148」となる。このように各サンプリング時間における基準強度値Iを求めいくことで、基準強度値変化I(t)を作成する。
その後、演算部61aは、作成した基準強度値変化I(t)と、レーザ光受光部20で検知された受光強度値変化I(t)とを式(1)、(2)に当てはめて数密度cを得る制御を行う。
以上のように、第一実施形態のレーザ式ガス分析装置1によれば、吸光線(水分子の吸収ピーク)幅が広がった場合でも、出射強度値変化P(t)を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめることにより、適切な基準線I(t)を作成することができる。
<第二実施形態>
図7は、本発明に係る第二実施形態のレーザ式ガス分析装置の一例を示す概略構成図である。なお、上述したレーザ式ガス分析装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
レーザ式ガス分析装置101は、光源部(半導体レーザモジュール)110と、分割測定光と参照光とに分割する測定光分割部15と、レーザ光受光部20と、参照光受光部21と、水蒸気を含有しない標準ガス(参照ガス)が封入された参照ガスセル90と、光源部110を制御するレーザ制御部150と、マイコンやPCで構成される制御部160とを備える。
測定光分割部15は、例えばレーザ光を2方向へ分割するビームスプリッタであり、半導体レーザ10aから出射されたレーザ光の一部を透過することで測定対象ガスSに照射する分割測定光と、レーザ光の残りを反射することで測定対象ガスSに照射しない参照光とに分割する。そして、参照光は参照ガスセル90に対して照射されるようになっている。
参照光受光部(検知部)21は、光強度を電気信号に変換できるものであればよく、例えばフォトダイオードが用いられる。そして、参照光受光部21は、測定光分割部15でZ方向に反射され、参照ガスセル90を通過したレーザ光(参照光)の強度Pを受光する。
レーザ制御部150は、「水蒸気量を計測する入力信号」が入力された際には、図8(a)に示すような所定の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号をD/Aコンバータ80によってデジタル値に変換し、光源部110の半導体レーザ10aに印加する制御を行う。
また、レーザ制御部150は、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」が入力された際には、種々の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号をD/Aコンバータによってデジタル値に変換し、光源部110の半導体レーザ10aに印加する制御を行う。
制御部160は、CPU161とメモリ162と入力装置(図示せず)とを備える。また、CPU161が処理する機能をブロック化して説明すると、測定対象ガス中の水蒸気量を算出する演算部161aと、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する作成部161bとを有する。
作成部161bは、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」が入力された際には、レーザ光受光部20で検知された受光強度値I、参照光受光部21で検知された出射強度値(受光信号)PをそれぞれA/Dコンバータ81、82によってデジタル値に所定サンプリング間隔(例えば1MHz)で変換し、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成してメモリ162に記憶させる制御を行う。
例えば、まず測定者等は、水蒸気を含有しない測定対象ガスSをサンプル流路70内に流す。そして、測定者等は、「基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を作成する入力信号」を、入力装置を用いて入力する。これにより、レーザ制御部150によって、種々の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号が半導体レーザ10aに印加される。
その結果、出射強度値Pが「120」と検知され、その1階微分値P’が「0.06」であるときに、受光強度値Iが「139」と検知されると、その値を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録する。また、出射強度値Pが「130」と検知され、その1階微分値P’が「0.06」であるときに、受光強度値Iが「148」と検知されると、その値を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録する。このようにして順次基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]中に記録していく。
演算部161aは、「水蒸気量を計測する入力信号」が入力された際には、レーザ光受光部20で検知された受光強度値I、参照光受光部21で検知された出射強度値PをそれぞれA/Dコンバータ81、82によってデジタル値に所定サンプリング間隔(例えば1MHz)で変換し、各周期において、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめて基準強度値変化I(t)を作成する制御を行う。
なお、第二実施形態のレーザ式ガス分析装置101では、周期間の所定時間において、図8(a)に示すように一定の駆動電流値を印加しているので、光路(光路長L)中のレンズ(入射用光学窓71や出射用光学窓72等)の汚れ等により、図8(b)に示すように、全体的に光量(光強度値I)が下がった場合に、計測開始時の周期間の光量(光強度値I)と比較することで減衰率を求めることができ、その減衰率によって、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]により求めた基準強度値Iを補正する。例えば、減衰率が「10%」と算出され、第一サンプリング時間に検知された出射強度値Pが「120」であり、その1階微分値P’が「0.06」であれば、第一サンプリング時間における基準強度値Iは、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]から「139」となり、さらに「125(=139×90%)」となる。また、第二サンプリング時間に検知された出射強度値Pが「130」であり、その1階微分値P’が「0.06」であれば、第二サンプリング時間における基準強度値Iは、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]から「148」となり、さらに「133(=148×90%)」となる。このように各サンプリング時間における基準強度値Iを求めいくことで、基準強度値変化I(t)を作成する。
その後、演算部161aは、作成した基準強度値変化I(t)と、レーザ光受光部20で検知された受光強度値変化I(t)とを式(1)、(2)に当てはめて数密度cを得る制御を行う。
以上のように、第二実施形態のレーザ式ガス分析装置101によれば、吸光線(水分子の吸収ピーク)幅が広がった場合でも、出射強度値変化P(t)を基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめることにより、適切な基準線I(t)を作成することができる。
<他の実施形態>
(1)上述したレーザ式ガス分析装置1においては、「水蒸気量を計測する入力信号」が入力された際には、図12(a)に示すような所定の傾き及び高さを有する駆動電流値の波形となるレーザ制御信号を半導体レーザ10aに印加する構成としたが、計測中に駆動電流値の波形の傾きや高さ等を水分子の吸光度によって変動させるような構成としてもよい。このようなレーザ式ガス分析装置によれば、計測中に駆動電流値の波形の傾きや高さ等を水分子の吸光度によって変動させても、適切な基準線I(t)を作成することができる。
(2)また、基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]による基準線I(t)の作成と、従来技術(多項式近似)による基準線I(t)の作成とを場合により切り替えるような構成としてもよい。このようなレーザ式ガス分析装置によれば、特に吸光線(水分子の吸収ピーク)幅が狭い場合には、多項式近似を用いる方法により基準線I(t)を作成し、吸光線幅が広い場合には本発明の方法にて基準線I(t)を作成することができる。
本発明は、レーザ吸収分光法を利用して気体中の特定ガス量情報を計測するレーザ式ガス分析装置等に利用することができる。
1 レーザ式ガス分析装置
10 光源部
10a 半導体レーザ(レーザ素子)
10b パワーモニタ(検知部)
20 レーザ光受光部
50 レーザ制御部
61a 演算部
61b 作成部
62 メモリ(記憶部)

Claims (5)

  1. 測定対象試料に測定光を照射するレーザ素子を有する光源部と、
    前記レーザ素子へ印加する駆動電流値を所定周期の鋸歯形状時間変化させることにより、所定波長範囲の測定光をレーザ素子から所定周期で発振させるレーザ制御部と、
    前記測定対象試料中を通過した測定光の受光強度値Iを所定サンプリング間隔で検知する受光部と、
    測定光の出射強度値Pを所定サンプリング間隔で検知する検知部と、
    第n周期の所定波長範囲の測定光の受光強度値変化I(t)と、特定成分を含有しない測定対象試料中を通過したとされる第n周期の所定波長範囲の測定光の基準強度値変化I(t)とに基づいて、特定成分量情報を算出する演算部とを備えるレーザ式分析装置であって、
    出射強度値Pと出射強度値Pの時間に対する1階微分値P’との組合わせと、基準強度値Iとの関係を示す基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]を記憶する記憶部を備え、
    前記演算部は、前記検知部で検知された出射強度値変化P(t)から出射強度値Pと1階微分値P’とを求め、出射強度値Pと1階微分値P’とを前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]に当てはめることにより、基準強度値変化I(t)を作成することを特徴とするレーザ式分析装置。
  2. 前記光源部は、前記検知部としてパワーモニタを有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ式分析装置。
  3. 測定対象試料に照射する分割測定光と、前記特定成分を含有しない参照試料に照射する参照光とに分割する測定光分割部を備え、
    前記検知部は、出射強度値Pとして前記参照試料中を通過した参照光の強度値を検知することを特徴とする請求項1に記載のレーザ式分析装置。
  4. 前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]は、前記特定成分を含有しない測定対象試料を用いて作成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザ式分析装置。
  5. 前記基準強度値作成マップ[MAP(P’,P)=I]は、出射強度値Pの時間に対する2階微分値P’’の絶対値が所定閾値以下となる部分を用いて作成されたものであることを特徴とする請求項4に記載のレーザ式分析装置。
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