JP2015040820A - ガス分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザダイオードの発振波長が吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできないときにも、水分の分圧値PH2Oを正確に求められるガス分析装置を提供する。
【解決手段】 ガスセル70内の測定対象ガスに照射される分割測定光と、測定対象ガスに照射されない参照光とに分割する測定光分割部15と、分割測定光受光部20と、参照光受光部21と、分割測定光の強度変化I(ν)と参照光の強度変化I(ν)とに基づいて、測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出する演算部61aを備えるガス分析装置1であって、演算部61aは、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となる周波数νをνとしたときに、周波数νと周波数νとを求め、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとに基づいて、測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ吸収分光法を利用して気体中の特定ガス量情報を測定するガス分析装置に関し、特に、半導体製造装置における真空領域中や煙道中や燃焼プロセス中や自動車測定対象ガス中や燃料電池における流路中等の水蒸気量(特定ガス量情報)を測定するガス分析装置に関する。
気体中の水蒸気量を測定する方法の一つとして、水分子が特定波長領域(例えば、1.3μm帯)の光のみを吸収することを利用した吸収分光法が挙げられる。この吸収分光法は、測定対象のサンプルガスに対し非接触で測定可能であるため、サンプルガスの場を乱さずにサンプルガス中の水蒸気量を計測することができる。
このような吸収分光法の中でも、特に光源に波長可変半導体レーザを利用した「波長可変半導体レーザ吸収分光法」は、シンプルな装置構成で実現することができる。
例えば、「波長可変半導体レーザ吸収分光法」を利用したガス分析装置では、サンプルガスが所定方向に流れている配管(ガスセル)に対して、配管に形成された入射用光学窓と出射用光学窓とを介して、配管を横切って光路(光路長L)が形成されるようにそれぞれ対向して設けられる波長可変半導体レーザと光検出センサ(受光部)とを追加することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
このようなガス分析装置によれば、波長可変半導体レーザから照射された所定波長のレーザ光は、配管内を通過する過程でサンプルガス中に存在する水分子の遮光作用によってレーザ光の進行が阻害されて、サンプルガス中における水分子の濃度に対応して光検出センサに入射する光量が減少することを利用して、波長可変半導体レーザから放射されたレーザ光の光量に対する光検出センサに入射するレーザ光の光量を測定することによって水分子の濃度が算出される。図6は、ガス分析装置で得られた吸収スペクトルの一例を示すグラフである。縦軸は受光強度Iであり、横軸は周波数νである。なお、I(ν)は周波数νにおいて水分子の吸収を受けなかった場合の受光強度Iであり、非吸収波長の受光強度Iに基づいて近似式を作成することで導出されることになる。
ここで、図6に示す吸収スペクトルを用いた演算処理の一例について説明する。Lambert-Beerの法則より下記式(1)が成り立つ。
Figure 2015040820
なお、I(ν)は周波数νにおいて水分子の吸収を受けなかった場合の光強度、I(ν)は周波数νにおける透過光強度、c(mol/cm)は水分子の数密度、L(cm)はサンプルガスを通過する光路の長さ、S(T)(cm−1/(mol/cm−2))は所定の吸収線強度におけるガス温度Tの関数である。
ここで、図7は、縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフである。よって、式(1)の左辺の値は、図7に示すグラフの面積を求めることで得られる。図7のグラフの面積を求める方法として、長方形近似を一例に挙げると、式(1)の左辺は下記式(2)のように変形することができる。
Figure 2015040820
なお、νmaxは吸収帯(吸収ピーク)の周波数上限、νminは吸収帯の周波数下限、nは1波形あたりの測定点数である。
一方、式(1)の右辺におけるS(T)に関しては下記式(3)が成り立つ。
Figure 2015040820
なお、Sは標準状態での線強度、Q(T)は分配関数、B(T)はボルツマン因子、SE(T)は誘導放射の補正式である。
さらに、式(3)の右辺におけるQ(T)、B(T)、SE(T)は、それぞれ下記式(4)、(5)、(6)のように表すことができる。
Figure 2015040820
なお、S、定数a〜d、Eは、HITRANデータベース等から得られることができる。よって、ガス温度値Tと光強度変化I(ν)、I(ν)とを得ることができれば、水分子の数密度cが算出できることになる。
そして、水分子の数密度cと水分の分圧値PH2Oとの関係は、下記式(7)のように表すことができる。
Figure 2015040820
なお、kはボルツマン定数である。これにより、水分の分圧値PH2O(水蒸気量情報)を算出することができる。
ここで、図4は、波長可変半導体レーザ吸収分光法を利用したガス分析装置の一例を示す概略構成図であり、図5は、図4に示すガス分析装置のブロック図である。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。
ガス分析装置101は、光源部110と、受光部120と、圧力値Ptotalを測定する圧力センサ31と、ガス温度値Tを測定するガス温度センサ32と、光源部110を制御するレーザ制御部50と、マイコンやPCで構成される制御部160とを備える。
このようなガス分析装置101は、燃料電池システムへの給排気の各ラインに連結されたサンプル流路70内を流れるサンプルガス中の水分の分圧値PH2Oを測定するために用いられている。サンプル流路70はZ方向に伸びており、サンプル流路70の側壁には、入射用光学窓71と、入射用光学窓71にX方向に距離Lを空けて対向する出射用光学窓72とが形成されている。そして、サンプルガスはサンプル流路70内をZ方向に流れている。
光源部110は、例えば光通信用分布帰還系形(DFB:distributed feedback)半導体レーザダイオードが用いられる。レーザダイオードは、近赤外領域の所定波長範囲(位相速度定数A/νend〜位相速度定数A/νstart)内においてレーザの発振波長を調整することが可能となっており、レーザ制御部50からの制御信号によって制御されるようになっている。なお、上記光源部として、波長可変型の半導体レーザであれば赤外光その他の波長領域の何れの構造のレーザでもよく、また、比較的高価ではあるが、量子カスケードレーザ等が用いてもよい。
そして、レーザダイオードは、入射用光学窓71からサンプル流路70内にX方向でレーザ光を入射させるように配置されており、レーザ光がサンプルガスに対して照射されるようになっている。
受光部120は、光強度を電気信号に変換できるものであればよく、例えばフォトダイオードが用いられる。そして、フォトダイオードは、出射用光学窓72からサンプル流路70外にX方向で出射されたレーザ光を受光するように配置されており、サンプルガスを通過したレーザ光の強度I(ν)を受光する。これにより、水分子の吸収スペクトルの中心波長部分のレーザ光の強度I(ν)と、中心波長部分の両側となる非吸収波長部分のレーザ光の強度I(ν)とを含むスペクトル波形をフォトダイオードにより取得することで、制御部160がI(ν)とI(ν)とを算出するようになっている。
圧力センサ31は、サンプル流路70内に設置されており、サンプルガスの全圧である圧力値Ptotalを所定時間間隔で測定する。また、ガス温度センサ32も、サンプル流路70内に設置されており、サンプルガスの温度であるガス温度値Tを所定時間間隔で測定する。
レーザ制御部50は、レーザ電流を制御するレーザ電流制御部51と、レーザ温度を制御するレーザ温調部52とにより構成される。
制御部160は、CPU161とメモリ162と表示部63と入力装置64とを備える。また、CPU161が処理する機能をブロック化して説明すると、サンプルガス中の分圧値PH2Oを算出する演算部161aを有する。
そして、レーザ光の強度I(ν)、圧力値Ptotal、ガス温度値TをそれぞれA/D変換部1、2、3によってデジタル値に変換し、演算部161aは、このデジタル値からI(ν)とI(ν)とを算出して式(1)に当てはめて数密度cを得て、得られた数密度cを式(7)に当てはめて分圧値PH2Oを得ていく。
なお、演算部161aは、分圧値PH2Oと圧力値Ptotalとを用いて、サンプルガス中の水蒸気量(濃度)を演算してもよい。
特開2010−237075号公報
ところで、上述したようなガス分析装置101により、図6に示すような吸収スペクトルを得ることになるが、サンプル流路70内を流れるサンプルガスの圧力値Ptotalが高圧であるときや、サンプルガスの濃度が高濃度であるときには、レーザダイオードの発振波長を最大限に調整しても、(νstartがνminより大きくなったりνendがνmaxより小さくなったりして)吸収スペクトル中の吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできず、その結果、I(ν)を正確に算出できなかったり、図7に示すようなグラフの面積を正確に求められないことがあった。
また、図6に示すような吸収スペクトルからI(ν)を算出するのではなく、レーザ光を分割測定光と参照光とに分割することにより参照光の強度I(ν)を受光するダブルビーム法を用いた場合、ダブルビーム法では、I(ν)を正確に算出することはできても、やはり吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできなければ、図7のグラフの面積を正確に求めることはできなかった。
さらに、ダブルビーム法によりグラフの面積を求めるのではなく、I(ν)の最大強度値を求め、I(ν)の最大強度値から水分の分圧値PH2Oを算出することも可能ではあるが、この算出方法では吸収ピークは圧力値Ptotal、ガス温度値T、ガス濃度といった複数のパラメータの影響を受けて変化するため、精度が低くなるという問題点があった。
本出願人は、レーザダイオードの発振波長が吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできないときにも、水分の分圧値PH2Oを正確に求めることができる方法について検討した。まず、I(ν)を正確に算出するために、ダブルビーム法を用いることにした。次に、吸収スペクトル中の吸収ピークについては、サンプルガスの圧力値Ptotalの範囲により幾つかの数式で表現できる曲線となることがわかっている。そこで、ln(I(ν)/I(ν))は、吸収波形プロファイル関数Φ(ν)を用いて下記式(8)のように表すことにした。
Figure 2015040820
言い換えると、吸収波形プロファイル関数Φ(ν)は、周波数ν全域にわたって積分すると1になる関数である。そして、サンプルガスの圧力値Ptotalが大気圧(101.3kPa)以上である場合には、Lorentz型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)をとることが知られており、下記式(9)が成り立つ。なお、図3は、縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフであり、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となる周波数νをνとすると、周波数νと周波数νとには下記式(10)の関係が成立する。
Figure 2015040820
ここで、周波数νにおいて式(8)は下記式(11)のようになる。
Figure 2015040820
よって、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとがわかれば、式(9)と式(11)とを用いて水分子の数密度cが算出でき、水分の分圧値PH2Oが求められることになる。
一方、サンプルガスの圧力値Ptotalが大気圧(133Pa)未満である場合には、Gauss型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)をとることが知られており、下記式(12)が成り立つ。
Figure 2015040820
よって、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとがわかれば、式(11)と式(12)とを用いて水分子の数密度cが算出でき、水分の分圧値PH2Oが求められることになる。
したがって、本出願人は、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとを用いて水分の分圧値PH2Oを求める方法を見出した。これにより、吸収スペクトル中の吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできない場合に、図7のグラフの面積を求める方法では、吸収ピークの裾野部分の取りこぼしがあったが、本発明ではln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとを用いているので、水分の分圧値PH2Oを正確に算出することができる。また、吸収ピークの裾野部分が他の吸収ピークと重なっている場合においても、他の吸収ピークの影響を受けることを抑制することができる。
すなわち、本発明のガス分析装置は、ガスセル内の測定対象ガスに、特定ガスに吸収される吸収波長を含む測定光を照射する光源部と、ガスセル内の測定対象ガスに照射する分割測定光と、測定対象ガスに照射しない参照光とに分割する測定光分割部と、前記測定対象ガス中を通過した分割測定光の強度を受光する分割測定光受光部と、前記参照光の強度を受光する参照光受光部と、分割測定光の強度変化I(ν)と参照光の強度変化I(ν)とに基づいて、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出する演算部とを備えるガス分析装置であって、前記演算部は、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となる周波数νをνとしたときに、下記式の関係が成立する周波数νと周波数νとを求め、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとに基づいて、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出するようにしている。
Figure 2015040820
以上のように、本発明のガス分析装置によれば、光源部(レーザ)のもつ波長制御範囲にとらわれずに、測定対象ガスの圧力が高圧であるときや測定対象ガスの濃度が高濃度であるときにも、測定対象ガス中の特定ガス量情報を正確に測定することができる。また、グラフの面積を求める演算よりもかなり少ない負荷で特定ガス量情報が得られる。
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記の発明では、前記演算部は、Lorentz型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)又はGauss型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)を下記式に代入することにより、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出するようにしてもよい。
Figure 2015040820
そして、上記の発明では、前記光源部は、(位相速度定数A/ν)以上(位相速度定数A/ν)以下の波長を含む測定光を照射するようにしてもよい。
さらに、上記の発明では、前記光源部は、下記式の関係が成立する(位相速度定数A/ν’)以上(位相速度定数A/ν’)以下の波長の測定光を照射するようにしてもよい。
Figure 2015040820
本発明のガス分析装置によれば、周波数νから周波数νまでの範囲を高い分解能で測定することができる。
本発明の一実施形態であるガス分析装置の一例を示す概略構成図。 図1に示すガス分析装置のブロック図。 縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフ。 波長可変半導体レーザ吸収分光法を利用したガス分析装置の一例を示す概略構成図。 図4に示すガス分析装置のブロック図。 ガス分析装置で得られた吸収スペクトルの一例を示すグラフ。 縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の一実施形態であるガス分析装置の一例を示す概略構成図であり、図2は、図1に示すガス分析装置のブロック図である。また、図3は、縦軸をln(I(ν)/I(ν))とし、横軸を周波数νとしたグラフである。なお、地面に水平な一方向をX方向とし、地面に水平でX方向と垂直な方向をY方向とし、X方向とY方向とに垂直な方向をZ方向とする。また、上述した従来のガス分析装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
ガス分析装置1は、光源部10と、分割測定光と参照光とに分割する測定光分割部15と、分割測定光受光部20と、参照光受光部21と、圧力値Ptotalを測定する圧力センサ31と、ガス温度値Tを測定するガス温度センサ32と、光源部10を制御するレーザ制御部50と、マイコンやPCで構成される制御部60とを備える。
光源部10は、例えば光通信用分布帰還系形(DFB)半導体レーザダイオードである。レーザダイオードは、近赤外領域の所定波長範囲(位相速度定数A/νend〜位相速度定数A/νstart)内においてレーザの発振波長を調整することが可能となっており、レーザ制御部50からの制御信号によって制御されるようになっている。なお、光源部10は、水分子(特定ガス)に吸収される(A/ν)以上(A/ν)以下の波長を含むレーザ光(測定光)を照射することができればよく、周波数νから周波数νまでの範囲を高い分解能で測定する点から、下記式(14)の関係でmが2に近くなる(A/ν’)以上(A/ν’)以下の波長のレーザ光を照射することが好ましい。
Figure 2015040820
測定光分割部15は、例えばレーザ光を2方向へ分割するハーフミラーであり、レーザダイオードから出射されたレーザ光の一部を透過することでサンプルガスに照射する分割測定光と、レーザ光の残りを反射することでサンプルガスに照射しない参照光とに分割する。これにより、レーザダイオードの発振波長が吸収ピークの周波数上限νmaxから周波数下限νminまでの範囲をカバーできないときにも、I(ν)を正確に取得できることになる。
分割測定光受光部20は、光強度を電気信号に変換できるものであればよく、例えばフォトダイオードが用いられる。そして、フォトダイオードは、出射用光学窓72からサンプル流路70外にX方向で出射されたレーザ光(分割測定光)を受光するように配置されており、サンプルガスを通過した強度I(ν)のレーザ光(分割測定光)を測定点数nで受光する。
参照光受光部21は、光強度を電気信号に変換できるものであればよく、例えばフォトダイオードが用いられる。そして、フォトダイオードは、測定光分割部15でZ方向に反射されたレーザ光(参照光)を受光するように配置されており、サンプルガスを通過しない強度I(ν)のレーザ光(参照光)を測定点数nで受光する。つまり、水分子の吸収を受けなかった場合の測定光の強度変化I(ν)を取得することになる。
制御部60は、CPU61とメモリ62と表示部63と入力装置64とを備える。また、CPU61が処理する機能をブロック化して説明すると、サンプルガス中の分圧値PH2Oを算出する演算部61aを有する。さらに、メモリ62には、Lorentz型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)やGauss型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)等を予め記憶する吸収波形プロファイル関数記憶領域を有する。
演算部61aは、波長に対する分割測定光の強度変化I(ν)、波長に対する参照光の強度変化I(ν)、圧力値Ptotal、ガス温度値TをそれぞれA/D変換部1、2、3、4によってデジタル値に変換し、このデジタル値から、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となる周波数νをνとしたときに、式(10)の関係が成立する周波数νと周波数νとを求め、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとに基づいて、サンプルガスの圧力値Ptotalが大気圧(101.3kPa)以上である計測には、式(9)と式(11)とに当てはめて数密度cを得て、数密度cを式(7)に当てはめて分圧値PH2Oを得ていく制御を行う。また、サンプルガスの圧力値Ptotalが大気圧(133Pa)未満である計測には、式(11)と式(12)とに当てはめて数密度cを得て、数密度cを式(7)に当てはめて分圧値PH2Oを得ていく制御を行う。
具体的には、レーザ制御部50は、光源部10のレーザダイオードからA/νendの波長からA/νstartの波長までのレーザ光を順にn点で出射させ、演算部61aは、分割測定光受光部20で受光された分割測定光の強度変化I(ν)と、参照光受光部21で受光された参照光の強度変化I(ν)とを順にn点で取得していく。このとき、式(14)の関係でmが2に近くなる(A/ν’)以上(A/ν’)以下の波長のレーザ光を照射させるように入力装置64で設定することが好ましい。
そして、演算部61aは、各n点でln(I(ν)/I(ν))を算出し、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となるnの周波数νをνとする。次に、演算部61aは、式(10)に基づいて周波数νと周波数νとを求める(図3参照)。そして、演算部61aは、圧力値Ptotalが大気圧(101.3kPa)以上で行われる計測には、ガス温度センサ32で測定されたガス温度値Tを用いて式(9)と式(11)とに当てはめて数密度cを得て、数密度cを式(7)に当てはめて分圧値PH2Oを得る。一方、圧力値Ptotalが大気圧(133Pa)未満で行われる計測には、ガス温度センサ32で測定されたガス温度値Tを用いて式(11)と式(12)とに当てはめて数密度cを得て、数密度cを式(7)に当てはめて分圧値PH2Oを得る。
以上のように、本発明のガス分析装置1によれば、レーザダイオードのもつ波長制御範囲にとらわれずに、サンプルガスの圧力値Ptotalが高圧であるときやサンプルガスの濃度が高濃度であるときにも、サンプルガス中の分圧値PH2O(特定ガス量情報)を正確に測定することができる。さらに、周波数νから周波数νまでの範囲を高い分解能で測定することができる。また、グラフの面積を求める演算よりもかなり少ない負荷で分圧値PH2O(特定ガス量情報)が得られる。
<他の実施形態>
上述したガス分析装置1においては圧力センサ31を備える構成としたが、圧力値Ptotalが既知である場合や、測定に影響を及ぼすような変化が想定されない場合には、式(9)と式(11)と式(12)において圧力値Ptotalが必要なくなるため、装置が大型化する原因となる圧力センサ31を設けない構成としてもよい。
また、ガス温度値Tが既知である場合や、測定に影響を及ぼすような変化が想定されない場合には、ガス温度センサ32を設けない構成としてもよい。
本発明は、レーザ吸収分光法を利用して気体中の水蒸気量情報を測定するガス分析装置等に利用することができる。
1 ガス分析装置
10 光源部
15 測定光分割部
20 分割測定光受光部
21 参照光受光部
61a 演算部
70 サンプル流路(ガスセル)
71 入射用光学窓
72 出射用光学窓

Claims (4)

  1. ガスセル内の測定対象ガスに、特定ガスに吸収される吸収波長を含む測定光を照射する光源部と、
    ガスセル内の測定対象ガスに照射する分割測定光と、測定対象ガスに照射しない参照光とに分割する測定光分割部と、
    前記測定対象ガス中を通過した分割測定光の強度を受光する分割測定光受光部と、
    前記参照光の強度を受光する参照光受光部と、
    分割測定光の強度変化I(ν)と参照光の強度変化I(ν)とに基づいて、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出する演算部とを備えるガス分析装置であって、
    前記演算部は、ln(I(ν)/I(ν))が最大値となる周波数νをνとしたときに、下記式の関係が成立する周波数νと周波数νとを求め、ln(I(ν)/I(ν))と周波数νと周波数νとに基づいて、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出することを特徴とするガス分析装置。
    Figure 2015040820
  2. 前記演算部は、Lorentz型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)又はGauss型の吸収波形プロファイル関数Φ(ν)を下記式に代入することにより、前記測定対象ガス中の特定ガス量情報を算出することを特徴とする請求項1に記載のガス分析装置。
    Figure 2015040820
  3. 前記光源部は、(位相速度定数A/ν)以上(位相速度定数A/ν)以下の波長を含む測定光を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス分析装置。
  4. 前記光源部は、下記式の関係が成立する(位相速度定数A/ν’)以上(位相速度定数A/ν’)以下の波長の測定光を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス分析装置。
    Figure 2015040820
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