JP2006156639A - 半導体レーザ素子、光ディスク装置および光伝送システム - Google Patents

半導体レーザ素子、光ディスク装置および光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】スロープ効率を高めることができ、かつ、消費電力を低減できる半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】本体100は、基板101、活性層106、半導体層111およびコンタクト層114を有する。この半導体層111およびコンタクト層114上に、nEFF−nE<1(nEFF:本体100の発振波長λの光の実効屈折率、nE:p側電極115の発振波長λの光の屈折率)の関係とd<λ/(4πk)(d:p側電極115の厚み、k:p側電極115の発振波長λの光の消衰係数)の関係とを満たすようにp側電極115が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ素子に関し、例えば、典型的には、光ディスク装置や、光伝送システムの光伝送モジュール部分などに好適に用いられる半導体レーザ素子に関する。
また、本発明は、そのような半導体レーザ素子を備えた光ディスク装置または光伝送システムに関する。
半導体レーザ素子は、光ディスク装置や光伝送システムなどに幅広く使用されており、近年、その需要は増加の一途をたどっている。その中でも、リッジ埋め込み型と呼ばれる半導体レーザ素子は高い信頼性を有し、しかも低消費電力(低閾値電流)動作が可能な半導体レーザ素子として知られている。
しかしながら、上記リッジ埋め込み型半導体レーザ素子は、その製造工程において基板上に活性層やクラッド層を含む半導体層を形成するために行われる1回目の結晶成長工程に加えて、電流狭窄層を形成するための2回目の結晶成長工程と、コンタクト層を形成するための3回目の結晶成長工程を必要とし、さらに、複雑な製造プロセスを経て製造しなければならないため、製造コストが高く、かつ歩留まりも悪いという問題があった。
そこで、より低コストで簡便に製造できる従来の半導体レーザ素子として、活性層上にリッジ部を有し、一回の結晶成長工程で製造できるリッジ導波型半導体レーザ素子がある(例えば特許文献1(特開平4−111375号公報)参照)。
図9に、上記リッジ導波型半導体レーザ素子の断面を模式的に示す。このリッジ導波型半導体レーザ素子は次のようにして製造される。
まず、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法により、n型GaAs基板401上に、n型InGaPクラッド層402、InGaAs/GaAs歪量子井戸活性層403、p型InGaPクラッド層404、p型InGaAsコンタクト層405を順次積層し、フォトリソグラフィなどの手法により、p型InGaPクラッド層404の一部を基板401の反対側から途中までエッチングして、リッジ部となるメサを形成した後、p側電極406としてTi/Pt/Auを順次蒸着すると共に、n側電極407としてAuGe/Ni/Auを順次蒸着する。
このようにして製造されたリッジ導波型半導体レーザ素子に電流を流すと、p型InGaPクラッド層404とp側電極406との間にはショットキ接合部408が形成され、p側電極406とp型InGaAsコンタクト層405との間にのみ電流が流れ、電流狭窄が行われる。
上述のようにリッジ埋め込み型半導体レーザ素子では合計3回の結晶成長工程と複雑な製造プロセスを必要とするが、上記リッジ導波型半導体レーザ素子では1回の結晶成長工程を行うだけでよい。加えて、上記リッジ導波型半導体レーザ素子は、リッジ導波型半導体レーザの中でも、一般にエアリッジ型と呼ばれるような電流狭窄に際し無機絶縁膜を使用するタイプではなく、ショットキ接合を用いて電流狭窄を実現させる構成となっているため、構造がさらに簡単であり、より低コストで製造することができるというメリットがある。
しかしながら、上記リッジ導波型半導体レーザ素子には次のような問題点があることが分かった。
すなわち、上記リッジ導波型半導体レーザ素子は、リッジ埋め込み型半導体レーザ素子やエアリッジ型のリッジ導波型半導体レーザ素子とは異なり、リッジ部の側面に対して直接電極が接していると共に、リッジ部から外方へ延在するクラッド層の表面とに対しても直接に電極が接している。この場合、上記リッジ導波型半導体レーザ素子を構成する半導体材料の屈折率と、上記電極を構成する金属材料の屈折率との関係によっては、発振したレーザ光分布が、上記リッジ部側面およびリッジ部近傍のクラッド層の表面に形成された電極にまで漏れてしまうという問題点があることが分かった。
例えば、上記特許文献1のリッジ導波路型半導体レーザ素子において、リッジ部側に形成される電極に用いられている金属材料の屈折率は、半導体層と接するTiが、波長650nmから1.5μmの範囲でおよそ3.0から3.6であり、Tiの上側に設けられているPtが同じく波長668nmから1.5μmの範囲で2.9から5.5である。一方、上記リッジ部の外方の基板に垂直な方向における実効屈折率も例えば3.2前後であり、両者の値は非常に近い関係にある。
このように上記実効屈折率と、半導体層上に直接形成された電極材料の屈折率とが近接しているときには、発振したレーザ光が電極方向へ漏れやすくなることがある。
そして、上記レーザ光が電極方向へ漏れてしまうと、電極を構成する金属材料は、半導体材料に比べて一般に光吸収係数が104倍から105倍程度も高いため、電極を構成する金属材料が、発振したレーザ光の非常に大きな吸収成分となって内部損失を大幅に増加させてしまう。その結果、上記リッジ導波路型半導体レーザ素子においては、スロープ効率が低下したり、発振閾値電流値が上昇してしまうという問題が発生することが分かった。
特開平4−111375号公報(第1図参照)
そこで、本発明の課題は、スロープ効率を高めることができ、かつ、消費電力を低減できる半導体レーザ素子を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、そのような半導体レーザ素子を備えた光ディスク装置または光伝送システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の半導体レーザ素子は、
少なくとも、第1導電型の基板と、上記第1導電型の基板上に形成された活性層と、この活性層上に形成された第2導電型の半導体層群とを有する本体を備えた発振波長λの半導体レーザ素子において、
上記第2導電型の半導体層群上に形成され、上記発振波長の光の屈折率がnEである電極を備え、
上記電極は、以下の式
EFF−nE<1
d<λ/(4πk)
EFF:上記本体の上記発振波長λの光の実効屈折率
d:上記電極の厚み[nm]
k:上記電極の上記発振波長λの光の消衰係数
を満たすように形成されていることを特徴としている。
ここで、「第1導電型」とはn型とp型のうち一方の導電型を指し、「第2導電型」とはn型とp型のうち他方の導電型を指す。
また、「実効屈折率」とは、リッジ部が伸びる方向における発振レーザ光の位相速度(=c/nEFF)を定める量であり、「消衰係数」とは、複素屈折率N=n−ikにおける虚部である。また、4πk/λは一般に吸収係数と呼ばれる。なお、上記cは光速である。
上記構成の半導体レーザ素子によれば、上記nEFF−nE<1の式を満たす電極を第2導電型の半導体層群上に形成し、かつ、電極の厚みdを、電極の吸収係数の逆数より小さいd<λ/(4πk)と設定することによって、電極による波長λの光の吸収量が1−1/eより小さくなるので、電極への発振レーザ光の漏れが発生したとしても、電極によるレーザ光の吸収損失を十分小さくできる。なお、上記eは自然対数の底である。
したがって、スロープ効率を高め、かつ、消費電力を低減することができる。すなわち、高いスロープ効率を有し、低消費電力(低閾値電流)動作が可能な半導体レーザ素子を提供することができる。
なお、上記第1導電型の基板に関して活性層とは反対側の面には、この面とオーミック接合をなす別の電極を設けるのが望ましい。この別の電極を設けることにより、二つの電極間で活性層を通して容易に通電が行われ、レーザ発振が実現される。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記電極が、
上記発振波長の光の実効屈折率がnE1である第1の電極層と、
上記第1の電極層上に形成され、上記発振波長の光の屈折率がnE2である第2の電極層と
を有し、
上記第1,第2の電極層は、以下の式
EFF−nE1<1
EFF−nE2≧1
1<λ/(4πk1
2≧λ/(4πk2
EFF:上記本体の上記発振波長λの光の実効屈折率
1:上記第1の電極層の厚み[nm]
1:上記第1の電極層の上記発振波長λの光の消衰係数
2:上記第2の電極層の厚み[nm]
2:上記第2の電極層の上記発振波長λの光の消衰係数
を満たすように形成されている。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記nEFF−nE1<1の式を満たす第1の電極層上に、上記nEFF−nE2≧1の式を満たす第2の電極層を形成し、かつ、第2の電極層の厚みd2を、d2≧λ/(4πk2)となるように設定することによって、発振レーザ光を本体中に閉じ込める効果をより大きくすることができるので、発振レーザ光の上記電極へ漏れをさらに低減することができる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第2導電型の半導体層群の上記基板と反対側の一部がストライプ状のリッジ部を構成し、
上記電極が、上記リッジ部の頂部に接すると共に、上記リッジ部の側面と、上記第2導電型の半導体層群の上記リッジ部を除く領域であって上記リッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方に接する。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記電極が、リッジ部の頂部に接するだけでなく、リッジ部の側面と、第2導電型の半導体層群のリッジ部を除く領域であってリッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方に接することにより、リッジ部の側方でのレーザ光の吸収損失を抑制することができる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第1の電極層は2層以上の積層構造からなり、
上記第1の電極層の各層An(n=1,2,…,q、ただしqは2以上の自然数)は、夫々、上記発振波長の光の屈折率がnE1n(n=1,2,…,q、ただしqは2以上の自然数)であり、
上記第1の電極層の各層は、それぞれが以下の式
EFF−nE1n<1
を満たし、
上記第1の電極層は、以下の式
tot<λ/(4πkavg
avg:上記第1の電極層の各層の上記発振波長λの光の消衰係数の平均値
tot:上記第1の電極層の全層を合わせた厚み[nm]
を満たすように形成されている。
ここで、上記第1の電極層を構成する層Anの屈折率nE1n、消衰係数をkn(n=1、2、・・・)とすると、上記第1の電極層を構成する層の発振波長λの光の消衰係数の平均値kavgは、次式で与えられると定義する。
avg=(d11+d22+・・・+dnn)/dtot
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記第1の電極層が2層以上の積層構造からなっていても、第1の電極層の各層は、それぞれが上記nEFF−nE1n<1の式の関係を満たし、かつ、上記第1の電極層を構成する層を全て合わせた厚みdtotが、dtot<λ/(4πkavg)の式を満たすように設定することにより、第1の電極層に起因する発振レーザ光の吸収損失の増加を抑制し、高いスロープ効率と低い発振閾値電流との効果を維持できる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第1の電極層は、
上記第2の電極層を構成する金属材料が、上記第1の電極層を越えて、上記第2導電型の半導体層群にまで拡散することを防止する機能と、
上記第2の電極層に対する密着性を向上させる機能と
を有する。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記第1の電極層が、第2の電極層の金属材料が第1の金属層を越えて上記第2導電型の半導体層群に拡散するのを防止する機能と、第2の電極層に対する密着性を向上させる機能とを有することによって、電極の電気的・光学的特性を長期間維持しながら、製造工程における電極剥離不良を抑制することができ、素子特性および歩留まりを向上できる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記リッジ部の頂部が上記電極とオーミック接合を形成し、
上記リッジ部の側面と、上記第2導電型の半導体層群の上記リッジ部を除く領域であって上記リッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方が、上記電極とショットキ接合を形成している。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記リッジ部の頂部が電極とオーミック接合を形成し、かつ、リッジ部の側面と、第2導電型の半導体層群のリッジ部を除く領域であってリッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方が、電極とショットキ接合を形成することにより、例えば、電流狭窄層となる半導体埋め込み層の再成長工程や、絶縁膜形成工程を行わなくても、リッジ部の側方の領域から電流が活性層へ向かって流れるのを防ぐ構造が得られる。その結果、上記リッジ部の頂部に形成されたオーミック接合を通してのみ電流が活性層へ流れ、極めて簡単な構成で電流狭窄を実現できる。
また、上記再成長工程や絶縁膜形成工程をなくすことにより、上記特許文献1の半導体レーザ素子と同様に、製造段階での結晶成長工程を1度で済ませることができる。したがって、上記リッジ埋め込み型半導体レーザ素子に比べて、製造工程を大幅に削減できるので、製造コストを大幅に下げることができる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記リッジ部の頂部は、第2導電型のドーピング濃度が1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下の高濃度半導体層からなり、
上記リッジ部の側面と、上記半導体層群の上記リッジ部を除く表面領域とのうちの少なくとも一方が、第2導電型のドーピング濃度が1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下の低濃度半導体層からなり、
上記低濃度半導体層と上記活性層との間に、第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下の半導体層が形成されている。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記リッジ部の頂部における第2導電型のドーピング濃度が1×1018cm-3以上であることにより、良好なオーミック接合が実現できる。そして、上記リッジ部の頂部における第2導電型のドーピング濃度が1×1021cm-3以下であることにより、過剰なドーピングによるリッジ部の頂部の結晶性の悪化や活性層へのドーパントの拡散による素子特性や信頼性の低下を防止することができる。
また、上記リッジ部の側面と、半導体層群のリッジ部を除く表面領域とのうちの少なくとも一方における第2導電型のドーピング濃度が1×1016cm-3以上であることにより、素子抵抗の極端な増大を防止しつつ、良好な電流狭窄性を実現できる。そして、上記リッジ部の側面と、半導体層群のリッジ部を除く表面領域とのうちの少なくとも一方における第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以下であることにより、電流狭窄性と信頼性に優れたショットキ接合を得ることができる。
さらに、上記第2導電型のドーピング濃度が1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下である低濃度半導体層と活性層との間に、第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下の半導体層を形成することによって、光学設計の際には、この第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下の半導体層の層厚・組成を変更することにより、ショットキ接合特性を維持するための制約無しに、素子に要求される仕様を満たす設計ができるようになる。しかも、上記第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上の半導体層は、低濃度半導体層の第2導電型のドーピング濃度以上の1×1017cm-3以上にドーピングされているために、素子抵抗の上昇を抑制でき、一層の低消費電力化を図ることができる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記基板がGaAsからなり、
上記第2導電型の半導体層群が、少なくとも、AlGaAs層とInGaAsP層とを有し、
上記第2導電型の半導体層群に関して上記ショットキ接合を形成する部分が上記InGaAsP層を含む。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記GaAsからなる基板上にAlGaAs層を形成することにより、そのAlGaAs層を光閉じ込め層(クラッド層)として用いることができる。
また、上記GaAsからなる基板上にInGaAsP層を形成することにより、ショットキ接合を形成するための層としてそのInGaAsP層を用いることができる。
また、上記AlGaAs層をAlを含まないInGaAsP層で被覆することにより、酸化しやすいAlGaAs層が大気中に露出されることがないので、Alの酸化に起因する深い準位の発生を抑制でき、長期の信頼性を向上でき、さらに、深い準位に起因する吸収を削減できる。
また、上記AlGaAs層をAlを含まないInGaAsP層で被覆し、そのInGaAsP層に対して直接電極を形成してショットキ接合させることによって、ショットキ接合の漏れ電流をより大きく減少させることができる。
Alを含まない半導体層であってInGaAsP層と同様の効果が期待できる半導体層としてはInGaP層があるが、InGaPはホール(正孔)に対するバリアが大きく、また、自然超格子化により屈折率が変動しやすいなどのデメリットがあるため、InGaP層よりInGaAsP半導体層の方が好ましい。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第1の電極層を構成する金属材料が、Cr、Mo、Ni、Os、Pd、Pt、Rd、Sb、Ti、WおよびZnの中から選択された少なくとも1つの元素を含む。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記第1の電極層の金属材料が、Cr、Mo、Ni、Os、Pd、Pt、Rd、Sb、Ti、WおよびZnの中から選択された少なくとも1つの元素を含むことにより、nEFF−nE1<1の式を満たす第1の電極層を形成することと、第2の電極層に対する第1の電極層の密着性を向上させることと、第2の電極層の金属材料が第2導電型の半導体層群に拡散するのを防止することとが容易になる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第2の電極層を構成する金属材料が、Ag、Al、Au、Cu、Nd、Pb、RhおよびTaの中から選択された少なくとも1つの元素を含む。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記第2の電極層の金属材料が、Ag、Al、Au、Cu、Nd、Pb、RhおよびTaの中から選択された少なくとも1つの元素を含むことにより、nEFF−nE2≧1の式を満たす第2の電極層を形成することと、発振レーザ光を本体中に閉じ込める効果を向上させることとが容易になる。
また、一実施形態の半導体レーザ素子では、
上記第1の電極層が、TiまたはCrまたはMoからなる第1の金属層と、この第1の金属層上に形成され、PtまたはPdまたはRdまたはOsからなる第2の金属層とからなり、
上記第2の電極層がAuからなり、
上記第1の金属層が、上記第2の電極層に対する密着性を向上させる機能を有し、
上記第2の金属層が、上記第2の電極層を構成する上記Auが、上記第1の電極層を越えて、上記第2導電型の半導体層群にまで拡散することを防止する機能を有する。
上記実施形態の半導体レーザ素子によれば、上記第2の電極層をAuで構成することにより、第2の電極層の電気抵抗を低くすることができ、第2の電極層の酸化を極めて確実に防ぐことができ、第2の電極層の屈折率を低くすることができる。
また、上記第2の電極層と第2導電型の半導体層群との間に、TiまたはCrまたはMoからなる第1の金属層を形成することにより、第1の電極層に対する第2の電極層の密着性を向上できる。
また、上記第2の電極層と第1の金属層との間に、PtまたはPdまたはRdまたはOsからなる第2の金属層を形成することにより、第2の電極層のAuが第2導電型の半導体層群に拡散するのを十分に抑制することができる。その結果、上記第1,第2の電極層を有する電極は、素子特性を悪化させず、長期間にわたって低いコンタクト抵抗を維持できる。
本発明の光ディスク装置は、上記発明の半導体レーザ素子を備えたことを特徴としている。
上記構成の光ディスクによれば、上記半導体レーザ素子を備えることにより、従来の光ディスク装置に比べて、より低消費電力で書き込みができ、より安価に構成することができる。
本発明の光伝送システムは、上記発明の半導体レーザ素子を備えたことを特徴としている。
上記構成の光伝送システムによれば、上記半導体レーザ素子を光伝送モジュールに用いることにより、従来の光伝送システムに比べて、価格および消費電力を下げることができる。
本発明の半導体レーザ素子は、上記第2導電型の半導体層群上に、nEFF−nE<1およびd<λ/(4πk)の式を満たすように電極を形成することによって、電極によるレーザ光の吸収を抑制できるから、スロープ効率を高め、かつ、消費電力を低減することができる。
本発明の光ディスク装置によれば、上記半導体レーザ素子を用いるので、従来の光ディスク装置に比べて、データ書き込み時の消費電力を低くすることができる上に、安価に製造することができる。
本発明の光伝送システムによれば、上記半導体レーザ素子を用いるので、従来の光伝送システムに比べて、安価に製造することができ、かつ、消費電力を低くすることができる。
以下、本発明の半導体レーザ素子および光ディスク装置および光伝送システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。
なお、以下の説明では、「n−」は第1導電型としてのn型を表し、「p−」は第2導電型としてのp型を表している。
〔第1実施形態〕
図1に、本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子の模式断面図を示す。
この半導体レーザ素子は、本体100と、本体100上に形成されたp側電極115と、本体100下に形成されたn側電極116とを備え、発振波長λが890nmになっている。
上記本体100は、n−GaAs基板101と、このn−GaAs基板101上に順次積層されたn−GaAsバッファ層102、n−Al0.5Ga0.5As第1下クラッド層103、n−Al0.422Ga0.578As第2下クラッド層104、Al0.25Ga0.75As下ガイド層105、多重歪量子井戸活性層106、Al0.25Ga0.75As第1上ガイド層107、p−Al0.4Ga0.6As第2上ガイド層108、p−Al0.456Ga0.544As第1上クラッド層109、p−Al0.456Ga0.544As第2上クラッド層110およびp−In0.1568Ga0.8432As0.40.6半導体層111からなっている。なお、上記多重歪量子井戸活性層106が活性層の一例であり、また、p−Al0.456Ga0.544As第2上クラッド層110およびp−In0.1568Ga0.8432As0.40.6半導体層111が低濃度半導体層の一例である。
上記半導体層111上には、順メサストライプ形状のリッジ部130をなすように、p−Al0.5Ga0.5As第3上クラッド層112、p−GaAsコンタクト層113およびp+−GaAsコンタクト層114が設けられている。そのリッジ部130の頂部および側面部と、半導体層111の上部とに対して、Ti層115a、Pt層115bおよびAu層115cが順に積層されている。このTi層115a、Pt層115bおよびAu層115cからなる多層金属薄膜がp側電極115である。なお、上記リッジ部130がリッジ部の一例であり、また、上記p+−GaAsコンタクト層114が高濃度半導体層の一例であり、また、上記Ti層115aは第1の金属層の一例であり、また、上記Pt層115bは第2の金属層の一例であり、また、上記Ti層115aとPt層115bとが第1の電極層の一例を構成し、また、上記Au層115cが第2の電極層の一例である。以下、Ti層115aとPt層115bとからなる層は「第1の電極層」と言い、Au層115cは「Au層115c」または「第2の電極層」と言う。
上記本体100の上記発振波長λ(=890nm)の光の実効屈折率nEFFは、3.273である。
上記第1の電極層に関して、上記発振波長λ付近の光の屈折率nE1はnEFF−nE1<1の式を満たしている。具体的には、上記Ti層115aは、上記発振波長λ付近の光の屈折率nTiが3.25を示すTiからなっている。一方、上記Pt層115bは、上記発振波長λ付近の光の屈折率nPtが3.16を示すPtからなっている。
上記Au層115cの上記発振波長λ付近の光の屈折率nE2はnEFF−nE2≧1の式を満たしている。具体的には、上記Au層115cは、上記発振波長λ付近の光の屈折率nE2が0.166であるAuからなっている。
上記n側電極116は、AuGe層、Ni層およびAu層とからなる多層金属薄膜である。
なお、上記p−Al0.4Ga0.6As第2上ガイド層108、p−Al0.456Ga0.544As第1上クラッド層109、p−Al0.456Ga0.544As第2上クラッド層110、p−In0.1568Ga0.8432As0.40.6半導体層111、p−Al0.5Ga0.5As第3上クラッド層112、p−GaAsコンタクト層113およびp+−GaAsコンタクト層114で第2導電型の半導体層群の一例を構成している。
また、図1において、117はリッジ形成領域であり、118はリッジ形成外領域である。
次に、図2から図4を参照しながら、上記半導体レーザ素子の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、n−GaAs基板101’の(100)面上に、n−GaAsバッファ層102(層厚:0.5μm、Siドーピング濃度:7.2×1017cm-3)、n−Al0.5Ga0.5As第1下クラッド層103(層厚:2.0μm、Siドーピング濃度:5.4×1017cm-3)、n−Al0.422Ga0.578As第2下クラッド層104(層厚:0.1μm、Siドーピング濃度:5.4×10cm-3)、Al0.25Ga0.75As下ガイド層105(層厚3.0nm)、多重歪量子井戸活性層106、Al0.25Ga0.75As第1上ガイド層107(層厚:3.0nm)、p−Al0.4Ga0.6As第2上ガイド層108(層厚:0.1μm、Znドーピング濃度:1.35×1018cm-3)、p−Al0.456Ga0.544As第1上クラッド層109(層厚:0.2μm、Znドーピング濃度:1.35×1018cm-3)、p−Al0.456Ga0.544As第2上クラッド層110(層厚:0.2μm、Znドーピング濃度:1×1017cm-3)、In0.1568Ga0.8432As0.40.6半導体層111(層厚:15.0nm、Znドーピング濃度:1×1017cm-3)、p−Al0.5Ga0.5As第3上クラッド層112’(層厚:1.28μm、Znドーピング濃度:2.4×1018cm-3)、p−GaAsコンタクト層113’(層厚:0.2μm、Znドーピング濃度:3×1018cm-3)、p+−GaAsコンタクト層114’(層厚:0.3μm、Znドーピング濃度:1×1019cm-3)を順次、MOCVD法を用いて結晶成長させる。
上記多重歪量子井戸活性層106は、In0.1Ga0.9As圧縮歪量子井戸層(歪:0.7%、層厚:4.6nm×2層)とIn0.24Ga0.76As0.550.45引張り歪障壁層(歪:0.1%、バンドギャップEg≒1.60eV、基板側から膜厚:21.5nm、7.9nm、21.5nmの3層であり、基板101に最も近いものが、n側障壁層、最も遠いものがp側障壁層となる)とを交互に配置して形成されている。
次に、上記リッジ部130を形成すべきリッジ形成領域117(図1参照)上に、レジストマスク119(マスク幅:5μm)をフォトリソグラフィ工程により作製する。このレジストマスク119は、形成すべきリッジ部130が延びる方向に対応して<0−11>方向にストライプ状に延びるように形成される。
次に、上記レジストマスク119をマスクにして、第3上クラッド層112’、コンタクト層113’,114’に関してリッジ形成外領域118(図1参照)と重なる部分を、エッチングにより除去する。これにより、上記レジストマスク119の直下に、図3に示すように、第3上クラッド層112およびコンタクト層113,114が得られる。つまり、上記レジストマスク119の直下に、順メサストライプ状のリッジ部130が得られる。
上記エッチングは、硫酸と過酸化水素水の混合水溶液を用いて半導体層111まで行った後、続いて、アンモニアと過酸化水素水の混合水溶液でコンタクト層113’,114’のオーバーハング部分を取る。上記エッチングの深さは1.78μm、リッジ部130の最下部の幅は約3.5μmである。
続いて、上記レジストマスク119を除去した後、図4に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、Ti層115a(層厚:5nm)、Pt層115b(層厚:8nm)およびAu層115c(層厚:300nm)をこの順で蒸着することにより、p側電極115を形成する。
上記p側電極115を構成する各層の膜厚は、各々の金属材料の上記発振波長λ付近の光の消衰係数kTi(=3.84),kPt(=5.38),kAu(=5.335)から算出したλ/(4πkTi),λ/(4πkPt),λ/(4πkAu)の値(吸収係数αTi,αPt,αAuの逆数値)を考慮して、上記第1の電極層(Ti層115aとPt層115bとからなる層)の厚みd1がd1<λ/(4πk1)を満たすように、また、上記第2の電極層(Au層115c)の厚みd2がd2≧λ/(4πk2)を満たすよう設定する。上記k1は上記第1の電極層の上記発振波長λ付近の光の消衰係数であり、上記k2は上記第2の電極層の上記発振波長λ付近の光の消衰係数である。上記吸収係数αTi,αPt,αAuの逆数値は、1/αTiが18.44nm)であり、1/αPtが13.16nmであり、1/αAuが13.28nmである。また、上記第1の電極層はTiとPtとの2種の金属材料で形成するので、つまり、上記第1の電極層はTi層115aとPt層115bとからなるので、Ti層115aとPt層115bとのトータルの厚みdtotは、Ti層115aおよびPt層115bの上記発振波長λの光の消衰係数の平均値kavgを用い、λ/(4πkavg)から算出した14.79nmを超えないようにする。具体的には、上記kavgは、(5×3.84+8×5.38)/(5+8)=4.79となっている。
次に、上記n−GaAs基板101’を裏面側から所望の厚み(ここでは約100μm)にまでラッピング法により研削する。
そして、上記n−GaAs基板101の裏面側から抵抗加熱蒸着法を用いて、AuGe合金(Au:88%とGe:12%との合金、層厚100nm)、Ni(層厚:15nm)およびAu(層厚:300nm)をこの順で蒸着することにより、n側電極116を形成する。
続いて、N2雰囲気中で390℃1分間加熱し、n側電極116のアロイ処理を行う。
次に、上記n−GaAs基板101’を裏面側から所望の厚みに研磨したものを、所望の共振器長(ここでは、500μm)を有する複数のバーに分割した後、上記バーに端面コーティングを行い、さらに上記バーを500μm×250μmのチップに分割する。上記分割後のチップを、In糊剤を用いてステム(図示せず)上に固着させ、p側電極115上に外部回路との電気的接続を行うためのAuワイヤー(図示せず)をボンディングして、本発明の半導体レーザ素子が完成する。
このようにして作製された半導体レーザ素子において、p側電極115とn側電極116との間に電流を流すと、リッジ部130の側方下の半導体層111とp側電極115との間でショットキ接合が形成されて電流が遮断され、リッジ部130の頂部を構成するコンタクト層114とp側電極115との間でのオーミック接合を通してのみ電流が流れる。このようにして電流狭窄が実現される。そして、上記活性層106のうちリッジ部130のほぼ直下に相当する部分に電流が注入されて、レーザ発振が行われる。
上述したように、本実施形態の半導体レーザ素子は、製造段階での結晶成長工程を1度で済ますことができるため、一般的なリッジ埋め込み型の半導体レーザ素子に比べて大幅に製造工程が削減され、低コストで作製することが可能となった。
さらに、本実施形態の半導体レーザ素子では、本体100の上記発振波長λの光に対する実効屈折率をnEFFとし、n−GaAs基板101に対して多重歪量子井戸活性層106側に設けられるp側電極115の上記発振波長λの光に対する屈折率をnE、消衰係数をkとしたとき、p側電極115を構成する金属層のうち、nEFF−nE<1の式を満たす金属層は、その厚みd[nm]がd<λ/(4πk)の式を満たすように形成している。
すなわち、本実施形態の半導体レーザ素子では、nEFF−nE1n<1(n=1,2)の式を満たす上記第1の電極層(Ti層115aとPt層115bとからなる層、nE11:Ti層115aの発振波長λの光に対する屈折率、nE12:Pt層115bの発振波長λの光に対する屈折率)の全層を合わせた厚みのd[nm]がd<λ/(4πk)を満たしている。
一方、nEFF−nE2≧1の式を満たす上記第2の電極層(Au層115c、発振波長λの光に対する屈折率:nE2)は、その厚みd[nm]がd≧λ/(4πk)を満たす。
ここで、上記Ti層115a,Pt層115b,Au層115cの上記発振波長λの光の消衰係数をkTi,kPt,kAuとすると、Ti層115aの厚みdTiがdTi<λ/(4πkTi)の式を満たし、Pt層115bの厚みdPtがdPt<λ/(4πkPt)の式を満たし、Au層115cの厚みdAuがdAu≧λ/(4πkAu)を満たしている。そして、上述のように、本実施形態においては、上記第1の電極層がTi層115aとPt層115bとからなる2層構造を有するので、上記第1の電極層の消衰係数は、Ti層115aとPt層115bとの上記発振波長λの光の消衰係数の平均値をkavg(=(kTi+kPt)/2)と定義し、そのとき第1の電極層の厚みd1(=dTi+dPt=dtot)がd1<λ/(4πkavg)の関係をも満たしている。
具体的には、本体100の上記発振波長λの光の実効屈折率nEFFは3.273であり、Ti層115aの上記発振波長の光の屈折率は3.25であり、Pt層115bの屈折率は3.16であり、Au層115cの上記発振波長の光の屈折率nE2は0.166である。また、上記Ti層115aの上記発振波長λの光の消衰係数kTiは3.84であり、Pt層115bの上記発振波長λの光の消衰係数kPtは5.38であり、Au層115cの上記発振波長λの光の消衰係数kAuは5.335である。そして、上記Ti層115aの上記発振波長λの光の消衰係数と、Pt層115bの上記発振波長λの光の消衰係数との平均値kavgが、4.79である。したがって、上記Ti層115a,Pt層115b,Au層115cの厚みdTi,dPt,dAuは、dTi<18.4nm、dPt<13.2nm、dAu≧13.3nmを満たし、かつ、Ti層とPt層とからなる第1の電極層の厚みd1(=dTi+dPt)は、d1<14.79nmを満たすように、Ti層の厚みdTiを5nmに設定し、Pt層の厚みdPtを8nmに設定し、Au層の厚みをdAuを300nmと設定した。
上述のように、nEFF−nE<1の式を満たす金属層を、その厚みd[nm]がd<λ/(4πk)の式を満たすように形成することによって、p側電極115への発振レーザ光の漏れが発生したとしても、p側電極115による発振レーザ光の吸収損失を十分に小さくすることができる。さらに、nEFF−nE≧1を満たす金属層を、その厚みd[nm]がd≧λ/(4πk)を満たすように形成することによって、発振したレーザ光を半導体層中に閉じ込める効果をより大きくすることができる。
このような半導体レーザ素子は、本体100の上記発振波長λの光の実効屈折率nEFFに近い屈折率を有する第1の電極層(厚み:d1、消衰係数:kavg)を、第1の電極層の上記発振波長λの光の吸収係数の逆数よりも小さいd1<λ/(4πkavg)となるように形成することによって、上記第1の電極層を構成する金属材料に波長λの光が吸収される量を1−1/eより小さくできることと、上記実効屈折率nEFFよりも十分に小さい上記屈折率nE2を有する厚みd2の第2の電極層を、第2の電極層の上記発振波長λの光の吸収係数の逆数以上のd2≧λ/(4πk2)となるように形成することによって、発振レーザ光の分布形状における裾部分を電極にまで漏れ出さないようにする効果を高めることができることとで実現できている。このようにして、低い発振閾値電流と高いスロープ効率の両方を有し、低消費電力動作と低コストでの製造とが可能な半導体レーザ素子を提供することができる。なお、上記eは自然対数の底である。また、言うまでもないが、上記k2は第2の電極層の上記発振波長λの光の消衰係数である。
上述の電極に関する形成条件の効果は、本実施形態のように、リッジ導波型の半導体レーザ素子であって、しかもリッジの側面と上クラッド層の表面とに対して直接に電極が形成されている場合に特に大きい。このように効果が大きいのは、発振レーザ光の吸収体として作用する電極がより発光領域に近い所に形成されているためであり、さらに、上述のようなリッジ側方と上クラッド層の表面とに直接電極が形成されたリッジ導波型の半導体レーザ素子においては、発振レーザ光の分布が電極にまで漏れ出さないような半導体層構造の設計が困難な場合が多々あるためである。
また、本実施形態の半導体レーザ素子では、Ti層115aは、Au層115cの半導体層に対する密着性を向上させる目的で形成されている。一方、上記Pt層115bは、Au層115cのAuが拡散により半導体層にまで拡散し、半導体レーザ素子の閾値電流値・効率・抵抗などの特性や、信頼性を悪化させてしまうことを防止するための拡散防止の目的で形成されている。このような構成とすることによって、上記Ti層115a、Pt層115bおよびAu層115cで構成するp側電極115の電気的・光学的特性を長期間維持しながら、製造工程における電極剥離不良を抑制することができ、素子特性と歩留まりのよさを両立した半導体レーザ素子を提供することが可能となっている。このように、異なる複数の金属で第1の電極層を構成する効果は、第2の電極層として用いる金属材料が、密着性に乏しいものであったり、あるいは、拡散しやすいものであったりするときに特に大きい。例えば、第2の電極層の電極材料として好適に用いられるAuは、密着性・拡散性ともに悪いものの代表であり、また、Cuは、拡散しやすく、その際のデバイス特性の悪化が激しいことで知られている。
本実施形態では、上述のように、5nm厚のTi層115aと8nm厚のPt層115bとを使用しているが、Ti層115aやPt層115bのように、およそ10nm以下の金属薄膜を蒸着法などにより形成する際には、その金属薄膜の形成レート(蒸着レート)を0.1〜0.2nm/秒程度に設定するのが適当である。上記金属薄膜の形成レートを0.2nm/秒程度より早くした場合、Ti層の密着性向上やPt層の拡散防止の効果が小さくなることがある。
また、本実施形態の半導体レーザ素子においては、リッジ部130の頂部を構成するp+−GaAsコンタクト層114に対してp側電極115がオーミック接合しており、リッジ部130の側方およびp−InGaAsP半導体層111に対して、上記電極がショットキ接合している。このことによって、別途電流狭窄層となる半導体埋め込み層の再成長工程や、絶縁膜形成工程を要さずにリッジ頂部以外への電流が遮断できる構造を得ることが可能となり、上述のリッジ部130の頂部に形成されたオーミック接合を通してのみ電流が流れ、極めて簡単な構成で電流狭窄が実現された半導体レーザ素子を提供できるようになる。
さらに、本実施形態の半導体レーザ素子においては、リッジ部130の頂部に形成されたp+−GaAsコンタクト層114のp型のドーピング濃度を、1×1018cm-3以上である1×1019cm-3と設定することにより、良好なオーミック接合を実現させた。なお、過剰なドーピングによる結晶性の悪化や、活性層方向へのドーパントの拡散を防止する観点から、上記p+−GaAsコンタクト層114のp型のドーピング濃度の上限は、1×1021cm-3以下とした方が良い。また、上記p−InGaAsP半導体層111およびp−AlGaAs第2上クラッド層110のp型のドーピング濃度を1×1017cm-3と設定することにより、電流狭窄性と長期の信頼性に優れたショットキ接合を得ることができる。このp−InGaAsP半導体層111およびp−AlGaAs第2上クラッド層110のp型のドーピング濃度の範囲は、良好な電流狭窄性の実現と必要以上の素子抵抗の悪化を防ぐことを両立させるため、1×1016cm-3以上、1×1017cm-3以下が好ましい。さらに、本実施形態の半導体レーザ素子においては、上記p−InGaAsP半導体層111およびp−AlGaAs第2上クラッド層110からなる低濃度半導体層と多重歪量子井戸活性層106との間に、p型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上であるp−AlGaAs第2上ガイド層108(Znドーピング濃度:1.35×1018cm-3)とp型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上であるp−AlGaAs第1上クラッド層109(Znドーピング濃度:1.35×1018cm-3)とを形成し、p−AlGaAs第2上ガイド層108およびp−AlGaAs第1上クラッド層109の組成・層厚を調整することによって、ショットキ接合特性を悪化させること無しに、要求される光学特性仕様にあった半導体レーザ素子を提供することを可能にする。しかも、上記p−AlGaAs第2上ガイド層108およびp−AlGaAs第1上クラッド層109のp型ドーピング濃度は、上記低濃度半導体層のp型ドーピング濃度よりも大きい1.35×1018cm-3であるので、素子抵抗の上昇を抑制でき、一層の低消費電力化を図ることを可能にする。このp−AlGaAs第2上ガイド層108およびp−AlGaAs第1上クラッド層109のp型ドーピング濃度は、少なくとも上記p−InGaAsP半導体層111およびp−AlGaAs第2上クラッド層110のp型のドーピング濃度の上限である1×1017cm-3以上、でかつ、5×1018cm-3以下の範囲で調整することが適当である。
また、本実施形態の半導体レーザ素子においては、上述のように、p−InGaAsP半導体層111およびAlGaAs第2上クラッド層の2層が積層された構造としており、リッジ部130の側方に形成されるp側電極115はp−InGaAsP半導体層111に対してショットキ接合をなしている。また、上述のように、GaAsからなるn−GaAs基板101上に形成されたAlGaAs層は、AlGaAs層の屈折率やバンドギャップから光閉じ込め層(クラッド層)として適当であり、さらに、そのAlGaAs層の上層(基板と反対側の層)にInGaAsP層の2層が積層された構造とすることによって、リッジ形成工程後も酸化しやすいAlGaAs層が大気中に露出されることがないので、Alの酸化に起因する深い準位の発生を抑制し、長期の信頼性をより向上させ、また深い準位に起因する吸収を削減することができる。また、上記AlGaAs層をInGaAsP層で被覆し、そのInGaAsP層に対して直接電極を形成してショットキ接合させる本実施形態の構成とすることによって、ショットキ接合の漏れ電流をより大きく減少させることができ、半導体レーザ素子の閾値電流値の低減に顕著な効果があった。これらの結果、低い閾値電流値と高いスロープ効率を有し、長期の信頼性に優れた半導体レーザ素子を提供することが可能となる。
なお、本実施形態においては、ショットキ接合を形成させる半導体層をInGaAsPとAlGaAsとからなる2層構造としたが、もちろん1層であっても、あるいは3層以上であってもよい。その際の最上層としては、本実施形態のようにAlを含まないInGaAsP層であることが好ましく、そうすることによって、信頼性の向上と、GaAsやAlGaAsに対するエッチング選択性を利用した高精度なリッジ形成を可能にするという効果を発揮させることができる。
なお、Alを含まないという点では、InGaP半導体層を用いることもできるが、特に本実施形態のようにp型半導体層として使用する場合、InGaPよりもInGaAsPの方が、ホール(正孔)に対するバリアが低く、ホール注入効率を向上させる効果があるとともに、InGaPは結晶成長条件によっては屈折率の変動を伴う自然超格子化しやすく、好ましくないという面がある。
また、本実施形態においては、上記第1の電極層の材料としてTiおよびPtを使用し、上記第2の電極層の材料としてAuを使用していたが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではなく、半導体レーザ素子の発振波長と実効屈折率を勘案して、nEFF−nE1<1を満たす材料であれば第1の電極層の材料として使用することができ、また、nEFF−nE2≧1を満たす材料であれば第2の電極層の材料として使用することができる。このとき、上記屈折率条件を満たすものであれば、単体の金属元素からなる層である必要はなく、複数の元素からなる合金や化合物であってもよい。また、GaAs、GaNおよびInPのいずれか1つからなる基板を使用した半導体レーザ素子においては、第1の電極層を構成する金属材料として、Cr、Mo、Ni、Os、Pd、Pt、Rd、Sb、TiおよびWの中から選択された元素、または、その元素を含む化合物を好適に使用することができる。また、上記第2の電極層を構成する金属材料としては、Ag、Al、Au、Cu、Nd、Pb、RhおよびTaの中から選択された元素、または、その元素を含む化合物を好適に使用することができる。上記第2の電極層は必ずしも設ける必要はないが、ワイヤーボンディングを行ったり、外部への長い配線電極を形成する際には、ボンディング性の向上や配線抵抗の低下のために設けたほうがよく、また、上述したようにnEFF−nE2≧1を満たす第2の電極層を形成することで、発振レーザ光を半導体層中に閉じ込める効果が向上し、より一層の低閾値電流、高スロープ効率を有する半導体レーザ素子を提供することが可能になる。
特に上記第2の電極層としてAuを使用する際には、第1の電極層として密着性を改善させる効果のあるTiまたはCrまたはMoからなる金属層と、Auの拡散を防止する効果のあるPtまたはPdまたはRdまたはOsからなる金属層の2層構造を用いることが好ましく、これらの金属材料を上述の膜厚形成条件に適合するように形成することによって、低抵抗かつ低屈折率で発振レーザ光を半導体層中に閉じ込める効果が高く、また、酸化しにくいために圧接によるワイヤーボンディングが容易なAuを、その良好な特性を長期間維持し、製造上の歩留まりを低下させること無しに使用することができるようになる。
これまでの説明においては、本発明の電極構成をp型半導体層に対するオーミック接合およびショットキ接合に適用した場合を例にとって示してきたが、もちろんn型半導体層に対して適用しても同様の効果が得られる。
すなわち、上記実施形態においては、n−基板上に、n−半導体層、半導体層およびp−半導体層を順次積層していたが、p−基板上に、p−半導体層、半導体層およびn−半導体層を順次積層してもよい。つまり、本発明の半導体レーザ素子は、本実施形態の半導体レーザ素子の各層の導電型を逆にしたものであってもよい。
また、本実施形態の半導体レーザ素子においては、活性層とクラッド層との間に光ガイド層を有するSCH(Separate Confinement Heterostructure)構造を用いたが、もちろん本発明は上述した構造に限られるものではない。例えば、結晶成長を円滑に行うための中間層を追加するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での各々の層厚、材料の追加・変更等を加えうることは当然である。
〔第2実施形態〕
図5に、本発明の第2実施形態の光ディスク装置200の構成を模式的に示す。なお、図5においては、レーザ光の光路を点線で図示している。
上記光ディスク装置200は、例えばCD−R(書き込み可能なコンパクトディスク)などの光ディスク201にデータを書き込んだり、光ディスク201に書き込まれたデータを再生したりするための発光素子として、上記第1実施形態の半導体レーザ素子と同様の構成を有して波長780nm帯で発振するように活性層の組成・層厚を調整した半導体レーザ素子202を備えている。
この光ディスク装置200についてさらに詳しく説明する。上記光ディスク201にデータを書き込む際には、データ信号がのったレーザ光が半導体レーザ素子202から出射される。このレーザ光は、コリメートレンズ203により平行光にされて、ビームスプリッタ204を透過して、λ/4偏光板205で偏光状態が調整された後、レーザ光照射用対物レンズ206で集光されて光ディスク201の記録面に照射される。また、上記光ディスク201のデータを読み出す際には、データ信号がのっていないレーザ光が半導体レーザ素子202から出射される。このレーザ光は、光ディスク201にデータを書き込む際と同じ経路をたどって光ディスク201の記録面に照射される。そして、この光ディスク201の記録面で反射されたレーザ光は、レーザ光照射用対物レンズ206、λ/4偏光板205を通過した後、光軸が90°曲がるようにビームスプリッタ204で反射されて、受光素子用対物レンズ207で集光されて信号検出用受光素子208に入射する。この信号検出用受光素子208内に入射したレーザ光の強弱に基づいて、光ディスク201に記録されたデータ信号が電気信号に変換され、信号光再生回路209において元の信号に再生される。
上記光ディスク装置200では、低コストで製造でき、かつ、高いスロープ効率と低い閾値電流で動作する半導体レーザ素子202を用いているため、装置の消費電力を大幅に削減することが可能である。したがって、より環境に対する負荷の少ない光ディスク装置を従来よりも安価に提供することができた。
上記第2実施形態では、上記第1実施形態の構成を有する半導体レーザ素子202を記録再生型の光ディスク装置に適用した例について説明したが、同じ波長780nm帯を用いる光ディスク記録装置、光ディスク再生装置や、他の波長帯(例えば650nm帯)の光ディスク装置にも適用可能であることは言うまでもない。
〔第3実施形態〕
図6に、本発明の第3実施形態の光伝送システムに使用される光伝送モジュール300の断面を模式的に示す。また、図7に、光源の部分の斜視図を模式的に示す。また、図8に、上記光伝送システムの構成を模式的に示す。詳しくは後述するが、上記光伝送システムは、通信を行う双方の側(例えば、端末とサーバ)にそれぞれ同じ光伝送モジュール300を備えることにより、双方の光伝送モジュール300間で光(赤外線)信号を送受信することができる。
上記光伝送モジュール300は、図6に示すように、上記第1実施形態で説明した890nm帯で発振するInGaAs系半導体レーザ素子301を光源の一例として備えると共に、シリコン(Si)のpinフォトダイオードである受光素子302を備えている。
上記半導体レーザ素子301は回路基板306に実装されている。この回路基板306の表面には、半導体レーザ素子301を駆動するための正負両電極のパターンと、半導体レーザ素子301を搭載するための凹部306aとが形成されている。この凹部306aの深さは300μmに設定されている。上記凹部306aの底面には、半導体レーザ素子301が取り付けられたレーザマウント(マウント材)310がはんだで固定されている。上記凹部306aは半導体レーザ素子301によるレーザ光の放射を妨げない程度の深さとなっている。また、上記凹部306aの底面は、上記レーザ光の放射角に悪影響を与えないように粗さが調整されている。
上記受光素子302は、回路基板306に実装され、ワイヤ307Bにより電気信号が取り出される。
また、上記回路基板306にはレーザ駆動用/受信信号処理用のIC(集積回路)回路308が実装されている。
また、上記凹部306aの底面にレーザマウント310を固定した後、凹部306aに、光を拡散するフィラーを混入した液状のシリコン樹脂309を適量滴下する。そうすると、上記シリコン樹脂309は表面張力のために凹部306a内に留まり、レーザマウント310を覆って凹部306aに固定する。この第3実施形態では、回路基板306の表面に凹部306aを形成し、その凹部306aの底面にレーザマウント310を固定しているが、上述のように、シリコン樹脂309は表面張力のためにレーザチップ表面およびその近傍に留まるので、凹部306aは必ずしも形成する必要はない。
上記シリコン樹脂309は、凹部306aに滴下した後、80℃で約5分間加熱して、ゼリー状になるまで硬化させている。また、上記シリコン樹脂309は透明なエポキシ樹脂モールド303により被覆している。このエポキシ樹脂モールド303には、レーザ光の放射角制御のためのレンズ部304と、信号光を集光するためのレンズ部305とがそれぞれ一体的にモールドレンズとして形成される。上記レンズ部304は半導体レーザ素子301の上方に位置する一方、レンズ部305は受光素子302の上方に位置している。
以下、上記レーザマウント310について、図7を用いて説明する。
上記レーザマウント310はL字型のヒートシンク311を有している。このヒートシンク311に半導体レーザ素子301がIn糊剤を用いてダイボンドされている。上記半導体レーザ素子301の下面301bには高反射膜がコーティングされている一方、レーザチップの上面301aには低反射膜がコーティングされている。これらの反射膜は、レーザチップ端面の保護も兼ねて形成されている。
上記ヒートシンク311の基部311bには正電極312が固定されている。この正電極312と基部311bとの間には絶縁物を介挿して、正電極312がヒートシンク311と導通しないようにしている。また、上記正電極312と、半導体レーザ素子301の表面のショットキ接合部上に設けられた電極領域301cとは、ワイヤ307Cによって接続されている。
上記レーザマウント310は回路基板306上のレーザ駆動用負電極部(図示せず)にはんだ固定されている。また、上記正電極312の平坦部313は回路基板306上のレーザ駆動用正電極部(図示せず)にワイヤ307Aを介して電気的に接続されている。このような配線の形成により、レーザビーム314を発振により得ることができる光伝送モジュール300が完成する。
上記光伝送モジュール300は、上述の低コストで製造でき、高効率、低消費電力動作が可能な半導体レーザ素子301を使用しているため、そのモジュール消費電力を従来に比べて低く抑えることができると共に、モジュール単価を大幅に下げることができる。この光伝送モジュール300を用いた光伝送システムは、低消費電力で動作するため、環境に対する負荷を小さくでき、また低価格で構成できる。例えば、上記光伝送モジュール300を携帯機器に搭載した際には、バッテリー駆動時間を従来よりも長くでき、より快適に携帯機器を使用することができるようになる。
上記光伝送システムは、図8に示すように、部屋の天井に設置された基地局316に光伝送モジュール300を備えると共に、パーソナルコンピュータ315に、上記光伝送モジュール300と同じ光伝送モジュール350を備えている。上記パーソナルコンピュータ315側の光伝送モジュール350の光源から情報を持って発した光信号は、基地局316側の光伝送モジュール300の受光素子によって受信される。また、上記基地局316側の光伝送モジュール300の光源から発した光信号は、パーソナルコンピュータ315側の光伝送モジュール350の受光素子によって受信される。このようにして光(赤外線)によるデータ通信を実現することができる。
なお、本発明の半導体レーザ素子、光ディスク装置および光伝送システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではない。例えば半導体レーザ素子についてはその井戸層・障壁層の層厚や層数など、本発明の用紙を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
なお、上記ワイヤ307A,307B,307CはAuワイヤであってもよい。
図1は本発明の第1実施形態の半導体レーザ素子の模式断面図である。 図2は本発明の上記第1実施形態の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための模式断面図である。 図3は本発明の上記第1実施形態の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための模式断面図である。 図4は本発明の上記第1実施形態の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための模式断面図である。 図5は本発明の第2実施形態の光ディスク装置の模式構成図である。 図6は本発明の第3実施形態の光伝送システムに使用される光伝送モジュールの模式断面図である。 図7は本発明の上記第3実施形態の光伝送モジュールの光源部分の模式斜視図である。 図8は本発明の上記第3実施形態の光伝送システムの模式構成図である。 従来のリッジ導波型半導体レーザ素子の模式断面図である。
符号の説明
100 本体
101 n−GaAs基板
102 n−GaAsバッファ層
103 n−AlGaAs第1下クラッド層
104 n−AlGaAs第2下クラッド層
105 AlGaAs下ガイド層
106 多重歪量子井戸活性層
107 AlGaAs第1上ガイド層
108 p−AlGaAs第2上ガイド層
109 p−AlGaAs第1上クラッド層
110 p−AlGaAs第2上クラッド層
111 p−InGaAsP半導体層
112 p−AlGaAs第3上クラッド層
113 p−GaAsコンタクト層
114 p+−GaAsコンタクト層
115 p側電極
115a Ti層
115b Pt層
115c Au層
116 n側電極
117 リッジ形成領域
118 リッジ形成外領域
119 レジストマスク(フォトレジスト)
130 リッジ部
200 光ディスク装置
201 光ディスク
202 半導体レーザ素子
203 コリメートレンズ
204 ビームスプリッタ
205 λ/4偏光板
206 対物レンズ
207 受光素子用対物レンズ
208 信号検出用受光素子
209 信号光再生回路
300,350 光伝送モジュール
301 半導体レーザ素子
301a 低反射膜
301b 高反射膜
301c ショットキ接合しているp側電極領域
302 受光素子
303 エポキシ樹脂モールド
304,305 レンズ部
306 回路基板
306a 凹部
307A,307B,307C ワイヤ
308 IC回路
309 シリコン樹脂
310 レーザマウント
311 ヒートシンク
311b 基部
312 正電極
313 平坦部
314 レーザビーム
315 パーソナルコンピュータ
316 基地局
401 n型GaAs基板
402 n型InGaPクラッド層
403 InGaAs/GaAs歪量子井戸活性層
404 p型InGaPクラッド層
405 p型InGaAsコンタクト層
406 p側電極
407 n側電極
408 ショットキ接合部

Claims (13)

  1. 少なくとも、第1導電型の基板と、上記第1導電型の基板上に形成された活性層と、この活性層上に形成された第2導電型の半導体層群とを有する本体を備えた発振波長λの半導体レーザ素子において、
    上記第2導電型の半導体層群上に形成され、上記発振波長の光の屈折率がnEである電極を備え、
    上記電極は、以下の式
    EFF−nE<1
    d<λ/(4πk)
    EFF:上記本体の上記発振波長λの光の実効屈折率
    d:上記電極の厚み[nm]
    k:上記電極の上記発振波長λの光の消衰係数
    を満たすように形成されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ素子において
    上記電極が、
    上記発振波長の光の実効屈折率がnE1である第1の電極層と、
    上記第1の電極層上に形成され、上記発振波長の光の屈折率がnE2である第2の電極層と
    を有し、
    上記第1,第2の電極層は、以下の式
    EFF−nE1<1
    EFF−nE2≧1
    1<λ/(4πk1
    2≧λ/(4πk2
    EFF:上記本体の上記発振波長λの光の実効屈折率
    1:上記第1の電極層の厚み[nm]
    1:上記第1の電極層の上記発振波長λの光の消衰係数
    2:上記第2の電極層の厚み[nm]
    2:上記第2の電極層の上記発振波長λの光の消衰係数
    を満たすように形成されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 請求項1に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第2導電型の半導体層群の上記基板と反対側の一部がストライプ状のリッジ部を構成し、
    上記電極が、上記リッジ部の頂部に接すると共に、上記リッジ部の側面と、上記第2導電型の半導体層群の上記リッジ部を除く領域であって上記リッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方に接することを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第1の電極層は2層以上の積層構造からなり、
    上記第1の電極層の各層An(n=1,2,…,q、ただしqは2以上の自然数)は、夫々、上記発振波長の光の屈折率がnE1n(n=1,2,…,q、ただしqは2以上の自然数)であり、
    上記第1の電極層の各層は、それぞれが以下の式
    EFF−nE1n<1
    を満たし、
    上記第1の電極層は、以下の式
    tot<λ/(4πkavg
    avg:上記第1の電極層の各層の上記発振波長λの光の消衰係数の平均値
    tot:上記第1の電極層の全層を合わせた厚み[nm]
    を満たすように形成されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  5. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第1の電極層は、
    上記第2の電極層を構成する金属材料が、上記第1の電極層を越えて、上記第2導電型の半導体層群にまで拡散することを防止する機能と、
    上記第2の電極層に対する密着性を向上させる機能と
    を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  6. 請求項3に記載の半導体レーザ素子において、
    上記リッジ部の頂部が上記電極とオーミック接合を形成し、
    上記リッジ部の側面と、上記第2導電型の半導体層群の上記リッジ部を除く領域であって上記リッジ部近傍の表面とのうちの少なくとも一方が、上記電極とショットキ接合を形成していることを特徴とする半導体レーザ素子。
  7. 請求項3に記載の半導体レーザ素子において、
    上記リッジ部の頂部は、第2導電型のドーピング濃度が1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下の高濃度半導体層からなり、
    上記リッジ部の側面と、上記半導体層群の上記リッジ部を除く表面領域とのうちの少なくとも一方が、第2導電型のドーピング濃度が1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下の低濃度半導体層からなり、
    上記低濃度半導体層と上記活性層との間に、第2導電型のドーピング濃度が1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下の半導体層が形成されていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  8. 請求項6に記載の半導体レーザ素子において、
    上記基板がGaAsからなり、
    上記第2導電型の半導体層群が、少なくとも、AlGaAs層とInGaAsP層とを有し、
    上記第2導電型の半導体層群に関して上記ショットキ接合を形成する部分が上記InGaAsP層を含むことを特徴とする半導体レーザ素子。
  9. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第1の電極層を構成する金属材料が、Cr、Mo、Ni、Os、Pd、Pt、Rd、Sb、Ti、WおよびZnの中から選択された少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする半導体レーザ素子。
  10. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第2の電極層を構成する金属材料が、Ag、Al、Au、Cu、Nd、Pb、RhおよびTaの中から選択された少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする半導体レーザ素子。
  11. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    上記第1の電極層が、TiまたはCrまたはMoからなる第1の金属層と、この第1の金属層上に形成され、PtまたはPdまたはRdまたはOsからなる第2の金属層とからなり、
    上記第2の電極層がAuからなり、
    上記第1の金属層が、上記第2の電極層に対する密着性を向上させる機能を有し、
    上記第2の金属層が、上記第2の電極層を構成する上記Auが、上記第1の電極層を越えて、上記第2導電型の半導体層群にまで拡散することを防止する機能を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  12. 請求項1に記載の半導体レーザ素子を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  13. 請求項1に記載の半導体レーザ素子を備えたことを特徴とする光伝送システム。
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