JP2001203389A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子およびその電極形成方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子およびその電極形成方法

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JP2001203389A JP2000381850A JP2000381850A JP2001203389A JP 2001203389 A JP2001203389 A JP 2001203389A JP 2000381850 A JP2000381850 A JP 2000381850A JP 2000381850 A JP2000381850 A JP 2000381850A JP 2001203389 A JP2001203389 A JP 2001203389A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 n型層と好ましいオーミック接触が得られた
発光素子を提供することにあり、特にエッチングにより
ダメージを受けたn型層と好ましいオーミック接触を得
ると共に、電極とボールとが剥がれにくく、接着強度の
大きい電極を備えた発光素子とその発光素子の電極形成
方法を提供する。 【構成】 絶縁性基板の表面に少なくともn型窒化ガリ
ウム系化合物半導体層と、p型窒化ガリウム系化合物半
導体層が順に積層され、さらにそのp型窒化ガリウム系
化合物半導体層の一部がエッチングにより除去されて、
n型窒化ガリウム系化合物半導体層に負電極が形成され
てなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、
前記負電極は少なくともチタンとアルミニウムと金とを
含み、400℃以上でアニーリングによりその負電極と
前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層とがオーミック
接触していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光ダイオード、レーザ
ーダイオードに使用される窒化ガリウム系化合物半導体
(InXAlYGa1-X-YN、0≦X≦1、0≦Y≦1)か
らなる発光素子とその電極形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我々は1994年11月末に、世界で初
めて実用レベルに達した1000mcdの青色発光ダイ
オードを発表した。その青色発光ダイオードはp−n接
合を有するダブルへテロ構造の窒化ガリウム系化合物半
導体より構成され、20mAにおいて、Vfが3.6V
と完全にp−n接合していることを示しており、出力も
1mW以上で、現在青色発光ダイオードとしては世界最
高である。
【0003】その窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
の構造を図3に示す。基本的に、絶縁性基板1の上にn
型GaN層2と、n型GaAlNクラッド層3と、In
GaN活性層4と、p型GaAlNクラッド層5と、p
型GaNコンタクト層6とが順に積層された構造とされ
ている。n型GaN層2はpコンタクト層6、pクラッ
ド層5、活性層4、nクラッド層がエッチングされて、
電極を形成するのに必要な面積が露出されており、それ
ぞれの導電型のコンタクト層には好ましいオーミック接
触が得られるような電極が形成されている。n型GaN
層2にはn電極11としてTiとAlとよりなる電極が
形成されており、このn電極11によりn型GaN層2
と好ましいオーミック接触を得ている。また、n型層に
形成する電極に関して我々は特願平5−207274号
においてTiとAlとからなる電極が好ましいことを示
した。またn型層に形成する電極の従来技術として、例
えば特開平5−211347号公報にAl単独またはA
lを含む合金よりなる電極が開示されている。
【0004】また、Appl.Phys.Lett.62(15),12 April 1
993 p.1786〜にはサファイア基板上にAlNよりなる
バッファ層を介して直接成長させたn型GaN層の表面
にTiとAuとを積層し、250℃で30秒間アニール
したオーミック電極が示されている。しかしながら、サ
ファイアのような絶縁性基板の表面に窒化ガリウム系化
合物半導体を積層してp−n接合の発光素子を実現する
には、基板側から電極を取り出すことができない。従っ
てp型層の一部をエッチングによって除去し、電極が形
成できるだけのn型層を露出させる必要がある。エッチ
ングによって、露出されたn型層表面には、成長後のn
型層表面と異なり、エッチングによるダメージが多く発
生している。ダメージを受けたn型層表面に前記文献に
開示されるような方法で電極を形成してもオーミックを
得ることはほとんど不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TiとAlとからなる
電極はn型層と好ましいオーミック接触が得られ、非常
に電極としては優れている。しかしながら、電極成分で
あるAlは酸化されやすい性質を有しているため、ワイ
ヤー13(通常は金ワイヤーが用いられる。)とn電極
11とをボールボンディングする際、Alが酸化されて
いることにより、ボンディング時にワイヤー13からで
きるボール12と、n電極11との接着強度が弱くなっ
てしまい、ワイヤー13がボール12と共にn電極11
から剥がれやすくなってしまうという問題が新たに生じ
てきた。さらにAlは柔らかい金属であるので、n電極
11とボール12との接着強度が不十分であるという欠
点が露呈してきた。これはAl単独の電極でも同様であ
る。
【0006】従って、本発明はこのような事情を鑑みな
されたもので、その目的とするところは、n型層と好ま
しいオーミック接触が得られた発光素子を提供すること
にあり、特にエッチングによりダメージを受けたn型層
と好ましいオーミック接触を得ると共に、電極とボール
とが剥がれにくく、接着強度の大きい電極を備えた発光
素子とその発光素子の電極形成方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】我々はエッチングにより
ダメージを受けたn型層表面に形成する電極について種
々の材料を試し、オーミックの確認と、ボール接着強度
とを確認したところ、特定の金属がその両方を満足でき
ることを見いだし、本発明を成すに至った。即ち本発明
の発光素子は絶縁性基板の表面に少なくともn型窒化ガ
リウム系化合物半導体層(以下n型層という。)と、p
型窒化ガリウム系化合物半導体(以下p型層という。)
が順に積層され、さらにそのp型窒化ガリウム系化合物
半導体層の一部がエッチングにより除去されて、n型窒
化ガリウム系化合物半導体層に負電極が形成されてなる
窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、前記負
電極は少なくともチタンとアルミニウムと金とを含み、
400℃以上でアニーリング(annealing=熱処理)に
よりその負電極と前記n型窒化ガリウム系化合物半導体
層とがオーミック接触していることを特徴とする。つま
り、エッチングによりダメージを受けたn型層に前記電
極を形成して初めてオーミックを得た発光素子である。
【0008】また本発明の発光素子の電極形成方法は、
n型窒化ガリウム系化合物半導体表面に、少なくともチ
タンとアルミニウムと金とを同時に含む薄膜を形成した
後、400℃以上でアニーリングすることにより、その
n型窒化ガリウム系化合物半導体とオーミック接触させ
ることを特徴とする。
【0009】露出したn型層に形成する電極はTiとA
uの他にAlを含むことが好ましい。Alを含有させる
ことにより、TiとAuとの場合に比較して、電極形成
時にアニーリング温度を低温としてオーミック接触を得
やすくできる。
【0010】電極を多層膜とする場合、多層膜の構成
は、n型層表面から順にTi→AuまたはTi→Al→
Auとするように、n型層と接する側、つまり最下層を
Tiとして、ボールボンディングする側、つまり最上層
をAuとすることが好ましい。なぜなら、TiとAuま
たはTiとAlとAuとが積層された多層膜はアニーリ
ングにより、ほぼ合金化されて渾然一体となった状態と
なるが、Tiが先にn型層中に拡散するために、好まし
いオーミック接触が得られることによる。またAuを最
上層とすると、Alを含む電極材料が合金化しても、A
lが最上層に出てくる割合が少ないので、Alが酸化さ
れにくくなり、ボールと電極との接着強度が強くなるか
らである。これは金ワイヤーでn電極をボールボンディ
ングする際、特に強力な接着強度が得られる。
【0011】発光素子の構造は絶縁性基板の表面に少な
くともn型層とp型層とが順に積層された構造であれば
よく、ホモ、シングルへテロ、ダブルへテロ等の構造と
できる。例えばサファイア基板の表面に、n型コンタク
ト層とn型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型
コンタクト層を順に積層したダブルへテロ構造のものが
高発光出力である。n型コンタクト層はノンドープまた
はSi、Ge、S、C等のn型ドーパントをドープした
GaNで形成できる。GaNは本発明の方法で電極と好
ましいオーミック接触を得ることができる。n型クラッ
ド層は例えばノンドープまたはn型ドーパントをドープ
したAlGaN、InAlGaN等で形成することがで
きる。活性層はノンドープ、またはn型ドーパントおよ
び/またはZn、Mg、Cd、Ba等のp型ドーパント
をドープしたInGaN、InAlGaN等で形成で
き、インジウムを含む活性層を形成することにより紫外
〜赤色まで発光波長を変化させることが可能である。活
性層にn型ドーパントをドープすると、ピーク波長にお
ける発光強度がさらに大きくなり、p型ドーパントをド
ープすると波長を約0.5eV長波長に持って行くこと
ができ、n型ドーパントとp型ドーパントをドープする
と発光強度を大きくしたままで、発光波長を長波長側に
移動させることが可能である。p型クラッド層はp型ド
ーパントをドープしたAlGaN、InAlGaN等で
形成することができる。但しクラッド層のバンドギャッ
プは活性層よりも大きくすることはいうまでもない。ま
たp型コンタクト層はp型ドーパントをドープしたGa
Nで形成することができ、n型クラッド層と同じくGa
Nは電極と好ましいオーミックを得ることができる。ま
た、n型クラッド層および/またはp型クラッド層は省
略することもできる。省略した場合はコンタクト層がク
ラッド層として作用する。
【0012】窒化ガリウム系化合物半導体をエッチング
するにはウェットエッチング、ドライエッチングいずれ
の方法を用いてもよい。ウェットエッチングでは例え
ば、リン酸と硫酸との混酸を用いることができる。ドラ
イエッチングでは例えば反応性イオンエッチング、集束
イオンビームエッチング、イオンミリング、ECRエッ
チング等を用いることができ、エッチングガスとして反
応性イオンエッチング、ECRエッチングでは、C
4、CCl4、SiCl4、CClF3、CClF2、S
6、PCl3等のガスを用いることができ、集束イオン
ビームエッチングではB、Al、Si、Ga、Ge、I
n等を金属イオン源として用いることができ、イオンミ
リングではAr、Ne、N2等の不活性ガスを用いるこ
とができる。これらの方法は溶媒、エッチングガス等の
種類により、n型層表面に与えるダメージの程度には大
小があるが、いずれの手段においても窒化ガリウム系化
合物半導体製膜時の表面に比べて、微細な凹凸を表面に
発生させて、n型層にダメージを与える。
【0013】本発明の方法において、アニーリング温度
は400℃以上とする必要がある。その理由は次の通り
である。一般に窒化ガリウム系化合物半導体はノンドー
プの状態で結晶中に窒素空孔ができるためn型になる性
質がある。さらに成長中にSi、Ge等のn型不純物を
添加するとより好ましいn型となることが知られてい
る。さらに、窒化ガリウム系化合物半導体は有機金属気
相成長法(MOCVD、MOVPE)、ハイドライド気
相成長法(HDCVD)等の気相成長法を用いて成長さ
れる。気相成長法では、原料ガスに、例えばガリウム源
としてトリメチルガリウム、窒素源としてアンモニア、
ヒドラジン等の水素原子を含む化合物、あるいはキャリ
アガスとしてH2等のガスが使用される。水素原子を含
むこれらのガスは、窒化ガリウム系化合物半導体成長中
に熱分解されて結晶中に取り込まれ、窒素空孔あるいは
n型ドーパントであるSi、Ge等と結合してドナーと
しての作用を阻害している。従って400℃以上でアニ
ーリングすることにより、結晶中に入り込んだ水素原子
を追い出すことができるので、n型ドーパントが活性化
して電子キャリア濃度が増加して、n電極とオーミック
接触が取りやすくなると考えられる。アニーリングによ
る水素の作用は、我々が先に出願した特開平5−183
189号公報に述べたのと同様であり、この公報はp型
ドーパントをドープした窒化ガリウム系化合物半導体が
400℃以上のアニーリングから徐々に抵抗率が下がり
始めほぼ700℃以上で一定の抵抗率となることを示し
ている。これを本願のn型層に適用すると、400℃以
上で水素が抜け始め抵抗率が下がる。しかしn型層はp
型層と異なり、急激な抵抗率の低下は見られず、600
℃以上でおよそ1/2の抵抗率となり、それ以上のアニ
ール温度では、ほぼ一定の抵抗率となる。このアニーリ
ング温度による作用については、電極の電流電圧特性の
関係で後述するが、Ti−Auよりなる電極の場合、ア
ニーリング温度は400℃以上、さらに好ましくは50
0℃以上、最も好ましくは600℃以上を推奨でき、A
lを含有させると、アニーリング温度は400℃以上、
さらに好ましくは450℃、最も好ましくは500℃以
上がよい。アニーリング温度の上限は特に限定しない
が、窒化ガリウム系化合物半導体が分解する温度、12
00℃以下で行うことが好ましい。またアニーリング時
間は20秒以上、好ましくは30秒以上でアニールする
ことにより好ましいオーミックが得られる。
【0014】また本発明の方法において、前記薄膜、ま
たは前記多層膜を形成するには、例えば蒸着、スパッタ
等の装置を用いて形成することができる。薄膜は予めT
iとAuとを含む合金を使用し、さらにその合金にAl
を含有させてもよい。多層膜の場合にはぞれぞれの金属
を別個に薄膜化して積層すればよい。これらの薄膜、多
層膜はアニーリングにより合金化されてn型層と好まし
いオーミック接触を得ることができる。ただ、最初から
合金で薄膜を形成するよりも、多層膜とする方がより好
ましい。なぜなら前にも述べたように、n型層と好まし
いオーミックを得るにはTiが優れており、また最上層
がAuであれば、ボールと十分な強度で接続できるから
である。
【0015】多層膜を形成する場合、前記のようにTi
を先に形成することが好ましく、またTiの膜厚は20
オングストローム〜0.3μm、次に積層するAl、A
uの膜厚はTiよりも厚くする方が好ましい。さらに電
極全体の膜厚では50オングストローム以上の膜厚で形
成することが好ましい。なぜなら、電極全体の膜厚が5
0オングストロームよりも薄いと、たとえAuが含有さ
れていてもボールと付着しにくい傾向にあり、さらにT
iはAu、Alに比較して高融点であるため、例えばT
iが多く含まれることにより、アニーリング後に合金化
した際、ボンディング側に出てくるとTiにより接着力
が弱められる傾向にあるからである。
【0016】
【作用】サファイア基板の表面にGaNバッファ層を2
00オングストロームと、SiSiドープn型GaAl
N層を5μm順に成長させ、RIEを用いてn型GaA
lN層を表面から0.5μmエッチングする。次にエッ
チングされたn型GaAlNの表面にまずTiを0.0
3μm厚で蒸着し、その上にAlを0.5μm厚で蒸着
し、さらにその上にAuを0.5μm厚で蒸着した後、
種々の温度で一定時間(5分間)アニーリングを行い電
極を形成し、そのアニーリング温度と電極の電流電圧特
性との関係を比較した結果を図1に示す。この特性は同
一種類の電極間の電流電圧特性を測定して評価した。図
1においてAは300℃、Bは400℃、Cは500
℃、Dは600℃でアニーリングした際の電流電圧特性
を示している。この図に示すようにアニーリング温度3
00℃では、電極とn型層とに好ましいオーミック接触
を得ることが困難となり、400℃以上で好ましいオー
ミック接触が得られていることがわかる。なおこの図は
TiとAlとAuとを順に積層した多層膜よりなる電極
について示しているが、TiとAlとAuとの合金より
なる電極についても同様の結果が得られた。
【0017】次に、先ほどと同じSiドープn型GaA
lN層の表面に、Tiを0.03μmと、Auを0.5
μm蒸着して、図1と同様にして電極を形成し、アニー
リング温度と電極の電流電圧特性との関係を比較した結
果を図2に示す。図2においてEは300℃、Fは40
0℃、Gは500℃、Hは600℃のアニール温度を示
している。図2も同じく300℃のアニーリング温度で
は好ましいオーミック接触を得ることは困難であるが、
400℃以上において好ましいオーミック接触が得られ
る傾向にある。またこの図もTiとAuとを順に積層し
た多層膜よりなる電極について示しているが、TiとA
uとの合金よりなる電極についても同様の結果が得られ
た。
【0018】これらの図よりTiとAuとの電極に、さ
らにAlを含有させることにより、アニール温度を下げ
て低温で好ましいオーミック接触が得られる。低温でオ
ーミック接触が得られるということは、熱による窒化ガ
リウム系化合物半導体の分解を防止でき、結晶性を維持
できるので特に好ましい。TiとAuよりなる電極のア
ニール温度は400℃以上、さらに好ましくは500℃
以上、最も好ましくは600℃以上を推奨でき、Alを
含有させると、アニーリング温度は400℃以上、さら
に好ましくは450℃、最も好ましくは500℃以上が
良いことが理解できる。
【0019】次に、n型層の電極とボールとの接着強度
を調べるため、従来の電極と比較しながら以下のような
試験を行った。図4はその試験方法を示す電極の断面図
であり、n電極11の上にボールボンディングしてでき
たボール12を、刃物15でもって水平に引っ掻き、ボ
ール12が電極11から剥がれるか、またはボールが剥
がれずにつぶれるまで、刃物15に荷重をかけて試験し
た。
【0020】まず、n型層2の上にAl、Ti−Al、
Ti−Au、Ti−Au−Al、Ti−Al−Auより
なる5種類の薄膜、および多層膜(各多層膜は左から順
に積層順を示す。)をそれぞれ120μmφの大きさで
100個ずつ形成する。次に500℃でアニーリングを
行い、n電極11を形成した。n電極11を形成した
後、一日間空気中に放置して電極表面を酸化させ、その
後、それぞれのn電極11の上に金ワイヤー13をボー
ルボンディングして、100μmφのボール12を形成
しワイヤー13を接続した。その後、図4に示すよう
に、ボール12の真横から刃物15でもって、ボール1
2を水平に引っ掻き、ボール12がn電極11から剥が
れるか、または剥がれずにボールがつぶれるまで、刃物
15に荷重をかけることにより評価した。その結果を表
1に示す。表1において、各荷重における数値は、10
0個の内の電極からボールが剥がれた個数を示してお
り、ボールが剥がれずに、つぶれてしまったものは「つ
ぶれ」と記載している。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すようにAlまたはTi−Alよ
りなる従来の電極は、表面が酸化されることにより、3
0gまでの荷重で全てのボールが剥離してしまったのに
対し、TiとAu、またはTiとAlとAuよりなる電
極は、30g以上の荷重にも十分耐え、ボールが剥離す
ることなく非常に強い接着強度を示している。また、A
lを含有させた場合、Alは低温でオーミックが得られ
るという利点はあるが、Alをボンディング側にした電
極と、Auをボンディング側にした電極とでは、Auを
ボンディング側にした電極の方が接着強度が強いことが
わかる。
【0023】このようにn電極はTi、またはTiとA
lとでn型層と好ましいオーミック接触を得ことがで
き、さらにAuが含有されているため、ボールボンディ
ング時に接着強度の強い電極となる。さらに、前記金属
をn型層の表面に形成した後、400℃以上でアニール
することにより、電極とn型層とで好ましいオーミック
接触を得ることができる。
【0024】
【実施例】[実施例1]2インチφのサファイア基板の
上に、GaNバッファ層、Siドープn型GaN層、S
iドープn型GaAlNクラッド層、ZnドープInG
aN活性層、Mgドープp型GaAlNクラッド層、M
gドープp型GaNコンタクト層とが順に積層されたダ
ブルへテロ構造のウェーハを用意する。
【0025】次に、1チップが図3に示すような断面構
造となるように、ウェーハのp型GaNコンタクト層を
深さ方向に一部エッチングして、n型GaN層を表面に
露出させる。n型GaN層の上に所定の形状のマスクを
かけた後、Tiを100オングストロームと、Auを
0.5μmの膜厚で蒸着し、120μmφの大きさの多
層膜を形成する。なおエッチングはCCl22ガスとA
rガスとを用いたRIEで行った。
【0026】蒸着後マスクを除去し、ウェーハをアニー
リング装置に入れ、窒素雰囲気中600℃で5分間アニ
ーリングしてn電極を形成する。アニール後、ウェーハ
プローバにてn電極間の電流電圧特性を測定した結果、
図2のHに示すように、オーミック接触が得られてい
た。
【0027】次に、p型GaNコンタクト層の上にNi
−Auよりなるp電極を設けた後、ウェーハをチップ状
に切断し、2インチφのウェーハから1万5千個のチッ
プを得た。
【0028】以上のようにして得られた窒化ガリウム系
化合物半導体よりなる発光チップをダイボンドしてリー
ドフレーム上に載置した後、ボールボンダーで各電極に
金ワイヤーを接続した。1万五千個のうち、ボールボン
ディング中にn電極とボールが剥離したものはなかっ
た。またボンディング後、チップを無作為に20個抽出
し、金ワイヤーを引っ張ったところ、ボールが剥がれる
前に、ワイヤーが切れてしまい、ボールが剥がれたもの
はなかった。またこの発光素子を常法に従って樹脂でモ
ールドしてLEDとしたところ、順方向電圧20mAに
おいて発光させたところ、Vf3.4V、450nmの
青色発光を示し、光度1.5cd、発光出力2mWと非
常に良好な特性を示した。
【0029】[実施例2]n型GaN層の表面に、Ti
を100オングストローム、Alを0.4μm、Auを
0.1μmの膜厚で順に蒸着する他は実施例1と同様に
して1万五千個のチップを得た。これらのチップは、ウ
ェーハプローバでの測定の段階では、すべて図1のC、
Dに示すようなオーミック接触が得られており、またボ
ールボンディング中に、ボールが剥離したものはなく、
またボンディング後、20個抽出して金ワイヤーを引っ
張ったところ、全てボールは剥離せず、金ワイヤーが途
中で切断してしまった。また、20mAにおける発光素
子のVf、発光出力、光度とも実施例1と同一であっ
た。
【0030】[実施例3]n型GaN層の表面に、Ti
を1%含むAuを0.5μmの膜厚で蒸着する他は実施
例1と同様にして1万5千個のチップを得た。これらの
チップは、ウェーハプローバでの測定の段階では、すべ
て図2のHに示すようなオーミック接触が得られてお
り、同じくボールボンディング中に、n電極からボール
が剥離したものはなく、またボンディング後、20個抽
出して金ワイヤーを引っ張ったところ、全てボールは剥
離せず、金ワイヤーが途中で切断してしまった。また、
20mAにおける発光素子のVf、発光出力、光度とも
実施例1と同一であった。
【0031】[実施例4]実施例1の発光チップのサフ
ァイア基板側を発光観測面として、両電極が跨るように
して2つのリードフレーム上に接続した。つまり、発光
チップを実施例1とは逆の方向にひっくり返した状態と
し、両電極を2つのリードフレームに跨るようにし、そ
れぞれの電極とリードフレームとをインジウムを介して
直接接続した。接続後、n電極と接続したリードフレー
ムを引っ張ったところ、n電極とインジウムとが剥がれ
ずに、インジウムとリードフレームとの界面から剥がれ
た。この発光素子はサファイア基板面が発光観測面側と
なっているので、電極で光を遮られることがない。従っ
て順方向電流20mAにおいて、Vfは3.4Vと同一
であったが、光度3cd、発光出力5mWと非常に優れ
た特性を示した。
【0032】[比較例]n型GaN層の表面に、Tiを
25オングストローム、Auを0.15μmの膜厚で順
に蒸着した後、250℃で30秒間アニーリングする他
は実施例1と同様にして1万五千個のチップを得た。こ
れらのチップは、ウェーハプローバでの測定の段階で、
図2のEのような電流電圧特性しか示さずオーミックが
得られていなかった。また20mAにおける発光素子の
Vfも6Vと高かった。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
るとエッチングによってダメージを受けたn型層と好ま
しいオーミック接触が得られるので、Vfの低い発光効
率に優れた素子を実現できる。しかもこの電極は、他の
金属材料との接着強度が強いので信頼性に優れた発光素
子を提供するできる。また実施例4に示したように、本
発明の電極は、電極表面が酸化されにくいため、n電極
をボールボンディングせずに、例えば電極とリードフレ
ームとを直接、半田、インジウム、金の合金等を介して
接続する際にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る電極のアニーリング
温度と、その電極の電流電圧特性との関係を比較して示
す図。
【図2】 本発明の一実施例に係る電極のアニーリング
温度と、その電極の電流電圧特性との関係を比較して示
す図。
【図3】 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造
を示す模式断面図。
【図4】 電極とボールとの接着強度の試験方法を示す
電極の模式断面図。
【符号の説明】
2・・・n型層 11・・・n電極 12・・・ボール 13・・・ワイヤー 15・・・刃物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 修二 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の表面に少なくともn型窒化
    ガリウム系化合物半導体層と、p型窒化ガリウム系化合
    物半導体層が順に積層され、さらにそのp型窒化ガリウ
    ム系化合物半導体層の一部がエッチングにより除去され
    て、n型窒化ガリウム系化合物半導体層に負電極が形成
    されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子におい
    て、 前記負電極は少なくともチタンとアルミニウムと金とを
    含み、400℃以上でアニーリングによりその負電極と
    前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層とがオーミック
    接触していることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半
    導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記負電極の膜厚が50オングストロー
    ム以上である請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体。
  3. 【請求項3】 n型窒化ガリウム系化合物半導体表面
    に、少なくともチタンとアルミニウムと金とを同時に含
    む薄膜を形成した後、400℃以上でアニーリングする
    ことにより、そのn型窒化ガリウム系化合物半導体とオ
    ーミック接触させることを特徴とする窒化ガリウム系化
    合物半導体の電極形成方法。
  4. 【請求項4】 前記電極を形成する場合、電極全体の膜
    厚が50オングストローム以上とする請求項3記載の窒
    化ガリウム系化合物半導体発光素子の電極形成方法。
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