JP6271139B2 - 温度計 - Google Patents

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Description

本発明は、煙道中を流れるガスの光吸収に基づき、煙道内の温度を測定する温度計に関する。
プラントや焼却装置などの煙道中を流れる排気ガスの温度を、排気ガス中の所定の成分の吸収スペクトルに基づき測定する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に示された計測システムでは、半導体レーザからの入射光をセル内の気体に入射し、当該セルを通過した透過光を受光素子にて受光する。この時、セル内の気体は、固有の波長帯の光を吸収する。当該波長帯における吸収線の存在から、半導体レーザのレーザ光の波長掃引を行うことにより、透過光(気体による光吸収)のスペクトルプロファイルが測定される。
特許文献1に示された計測システムでは、セル内の気体が吸収する光の異なる2つの波長のそれぞれに対して半導体レーザの発振波長を掃引することによって、2つの吸収線を測定し、それらの面積比(またはピーク高さの比)をとることにより、セル内の気体の温度計測を行う。
特開2000−74830号公報
特許文献1に示された計測システムを、煙道内の温度計測を行う際に適用する場合には、半導体レーザが設けられた煙道の側壁とは煙道を介して反対側の煙道の側壁に受光素子を設ける必要がある(このような構成の測定装置を、「クロススタック方式の測定装置」と呼ぶこともある)。そのため、以下のような2つの問題点が考えられる。
第1に、煙道を流れるガス中にダストなどのように、光を散乱させる光散乱粒子が多く含まれていると、半導体レーザから照射されたレーザ光が受光素子まで届かないことがある。これにより、温度測定を行うのに十分な光量の光を受光素子において受光できなくなる。その結果、煙道内の温度を精度良く測定できなくなる。
第2に、煙道を流れるガスの温度変化により、半導体レーザから照射されるレーザ光の光路(光軸)及び/又は受光素子の受光軸が取り付け時の状態からずれるため、半導体レーザから照射されるレーザ光が、受光素子に受光されなくなることがある。これは、例えば、煙道を流れるガスの温度変化により、半導体レーザや受光素子が取り付けられた煙道の側壁及び/又は取り付け部材(フランジや筐体など)が、取り付け時の状態から変形することに起因して起こる。
特に、煙道の直径は大きいため(数メートルのオーダー)、わずかな光軸及び受光軸のずれにより、半導体レーザから照射されたレーザ光が受光素子に受光されなくなる。また、煙道を流れるガスの温度は高温であり変動幅も大きいため、煙道や取り付け部材の変形が起こりやすい。
本発明の課題は、ダストなどのように、光を散乱させる光散乱粒子を含み高温であるガスが流れる煙道の所定領域の温度を、確実に、かつ、精度良く測定することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る温度計は、照射部と、受光部と、レンズ部と、算出部と、を備える。照射部は、光散乱粒子を含むガスが流れる煙道内に向けて測定光を照射する。受光部は、測定光のうち、光散乱粒子により散乱された散乱測定光を受光する。レンズ部は、受光部よりも煙道に近い側に設けられている。また、レンズ部は、受光部の受光面の法線方向へ伸びる受光軸上に存在する。そして、レンズ部は、受光軸上の煙道内の所定の位置に焦点を結ぶ。算出部は、複数の波長における吸収スペクトルの強度比に基づいて、前記煙道内の温度を算出する。ここで、ガス中の特定成分の吸収スペクトルは、受光部により受光された散乱測定光に含まれている。そして、煙道内の温度を算出するために用いる複数の波長における吸収スペクトルは、所定成分の吸収スペクトルから選択される。
ここで、吸収スペクトルとは、測定光の波長を変化させたときにできる波形、又は、ある波長での吸収強度のことを言う。
この温度計では、まず、照射部が、例えば、開口部を介して煙道内に向けて測定光を照射する。測定光が煙道を流れるガス中の光散乱粒子に入射すると、測定光は光散乱粒子により散乱される。測定光のうち、光散乱粒子により散乱された光を、散乱測定光と呼ぶ。次に、レンズ部が、受光軸上の煙道内の所定の位置に焦点を結ぶ。そして、受光部が、散乱測定光を開口部を介して受光する。このとき、受光部において受光される散乱測定光は、主に、測定光が煙道内に導入された位置から、レンズ部が焦点を結んだ煙道内の位置までの間において、光散乱粒子によって散乱された光である。そして、散乱測定光は、煙道内の気体によって吸収を受けた光である。
次に、算出部が、受光部により受光された散乱測定光に含まれ、煙道を流れるガス中の所定成分により吸収される複数の吸収スペクトルを選択する。そして、算出部は、選択された吸収線の強度比に基づいて、煙道内の温度を算出する。
この温度計において受光部が受光するのは、煙道内を流れるガスに含まれる光散乱粒子により散乱された散乱測定光である。よって、ダストなどの光散乱粒子濃度が高く測定光が煙道の一方から他方へ通過できない場合であっても、散乱測定光が受光部において受光される。したがって、光散乱粒子の濃度が高いガスが流れる煙道内の温度を測定できる。
また、照射部から受光部までの距離を短くでき、かつ、広立体角にて散乱測定光を取得できる。このため、煙道及び側壁の温度が変動した場合であっても、受光部において散乱測定光を受光できる。
さらに、この温度計では、煙道内の温度を測定するために、測定用プローブなどを煙道内に挿入する必要がない。そのため、煙道内に、熱電対温度計(のシース)などが腐食してしまうような腐食性のガスが流れていても、煙道内の温度を測定できる。
吸収スペクトルは、散乱測定光を所定波長帯にて波長を走査することにより得られてもよい。これにより、光源の経時的な使用により、光源に入力される電流に対する光源から出力される波長が変化しても、確実にガス中の成分による吸収スペクトルを得られる。
受光軸と測定光の光路である測定光軸とが、少なくとも煙道内において一致するように、照射部と受光部とが設置されてもよい。これにより、測定光軸上からの散乱測定光を受光部にて受光する割合が大きくなるため、受光部において受光可能な散乱測定光の光量を確保しやすくなる。
照射部及び受光部は、同一の筐体内に設けられていてもよい。これにより、温度変化などの外乱により、受光軸と測定光軸とがずれてしまうことを抑制できる。
温度計は、レンズ部の中心位置を調整する調整部をさらに備えていてもよい。これにより、レンズ部は、煙道内の所望の位置に焦点を結べる。その結果、測定光が煙道内に導入された位置から、レンズ部が焦点を結ぶ煙道内の所望の位置までの散乱測定光を受光部により受光できる。よって、測定光が煙道内に導入された位置から、レンズ部が焦点を結ぶ煙道内の所望の位置までの温度を正確に測定できる。
ダストなどのように、光を散乱させる光散乱粒子を含み高温であるガスが流れる煙道の所定の位置の温度を、確実、かつ、精度良く測定できる。
第1実施形態に係る温度計の構成を示した図 第1実施形態に係る温度計のレンズ部の構成を示した図 第1実施形態に係る温度計の駆動部の構成を示した図 第1実施形態に係る温度計の制御分析部の構成を示した図 第1実施形態に係る温度計の信号処理部の構成を示した図 煙道を流れるガスに含まれる光散乱粒子の濃度が高い場合の測定光及び散乱測定光の様子を模式的に示した図 煙道を流れるガスに含まれる光散乱粒子の濃度が低い場合の測定光及び散乱測定光の様子を模式的に示した図 煙道を流れるガスに含まれる成分の吸収スペクトルの温度依存性を示した図 他の実施形態に係る温度計の構成を示した図
(1)第1実施形態
1.温度計の構成
1−1.全体構成
本実施形態の温度計100の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る温度計100の構成を示した図である。温度計100は、光散乱粒子Pを含むガスSが流れる煙道50内のガスSの温度を測定することにより、煙道50内の温度を測定する装置である。光散乱粒子Pは、例えば、ダスト微粒子やミスト状の水蒸気などの、光を散乱させる粒子である。
温度計100は、照射部1と、受光部3と、レンズ部5と、制御分析部7と、を備える。また、温度計100は、パージガス導入路8と、筐体9とを備える。
筐体9は、温度計100の本体を形成し、その内部空間である筐体空間9S内に、照射部1と、受光部3と、レンズ部5とを格納する。このように、同一の筐体9内に、照射部1と受光部3とが設けられることにより、温度変化などの外乱により、受光軸と測定光軸とがずれてしまうことを抑制できる。
筐体9は、煙道50を形成する側壁51の一部に固定されている。具体的には、以下のようにして、筐体9は側壁51に固定されている。
筐体9には、筐体開口部9aが形成され、筐体開口部9aの周囲に筐体フランジ部91が形成されている。一方、側壁開口部51aの周囲には側壁フランジ部52が形成されている。図1に示すように、筐体フランジ部91の円周部911は、側壁フランジ部52の円周部521と一致するように、側壁フランジ部52の円周部521に固定されている。
なお、図1に示すように、本実施形態の温度計100においては、温度計100から煙道50内に向けて測定プローブなどが挿入されていない。そのため、煙道50内に、熱電対温度計(のシース)などが腐食してしまうような腐食性のガスが流れていても、煙道50内の温度を測定できる。
また、図1に示すように、筐体9と側壁51とは、側壁51に設けられた側壁開口部51aと、筐体9に設けられた筐体開口部9aとは一致するように固定されている。その結果、煙道50と筐体9の間に、光が通過可能な開口部90が形成されている。また、開口部90の筐体開口部9a側には、光が透過可能であり、筐体空間9Sと煙道50とを空間的に分離する光学窓92が設けられている。
パージガス導入路8は、パージガスGを、煙道50内の光学窓92の近辺に供給可能とするために、筐体フランジ部91に設けられている。パージガス導入路8の、パージガスGを供給する側の一端は、筐体フランジ部91に開けられたパージガス導入口から、煙道50内に飛び出さないように設けられている。そして、パージガス導入路8の他端は、パージガス供給部81にパージガスGを導入可能に接続されている。これにより、パージガスGが、パージガス導入路8により、煙道50内の光学窓92の近辺に供給される。パージガスGを、パージガス導入路8により、煙道50内の光学窓92の近辺に供給することにより、筐体空間9S内の照射部1、受光部3、レンズ部5、及び光学窓92が、煙道50内のガスS中に含まれるダストなどにより汚染されることを抑制できる。
照射部(照射部の一例)1は、筐体9の筐体空間9Sから、開口部90を介して煙道50内に向けて測定光Lを照射する。照射部1から照射された測定光Lは、測定光Lの光路である測定光軸Aを形成する。なお、本実施形態では、照射部1は、測定光Lの光路である測定光軸A(図1中の照射部1から煙道50に向かって伸びる実線により示した直線)が、煙道50が伸びる方向に対して垂直となるよう設置されているが、必ずしも垂直でなくてもよい。さらに、側壁開口部51aの向きも、煙道50が伸びる方向に対して必ずしも垂直でなくてもよい。例えば、側壁開口部51aの向きを、煙道50内のガスSの流れ方向(下流方向)に設置してもよい。この場合、側壁フランジ部52にガスS中のダストなどが堆積することを抑制できる。なお、照射部1の構成の詳細は後述する。
受光部3(受光部の一例)は、測定光軸Aと、受光部3の受光面の中心から受光面の法線方向へ伸びる受光軸A(図1中の点線により示した直線)とが、少なくとも煙道50内において一致するように設置されている。これにより、煙道50内の温度測定を行う際に、照射部1及び受光部3の設置位置や向きなどの調整を行う頻度を減少できる。
受光部3は、測定光Lのうち、光散乱粒子Pにより散乱された散乱測定光Lを、開口部90を介して受光する。これにより、測定光軸A上からの散乱測定光Lを受光部3にて受光する割合が大きくなるため、受光部3において受光可能な散乱測定光Lの光量を確保しやすくなる。また、煙道50を流れるガスS中の光散乱粒子Pの濃度が高く、測定光Lが煙道50の一方から他方に完全に通過できない場合であっても、受光部3において散乱測定光Lを受光できる。その結果、光散乱粒子Pの濃度が高いガスが流れる煙道内の温度であっても、受光部3において受光された散乱測定光Lに基づいて、煙道50内の温度を測定できる。
受光部3としては、例えば、フォトダイオード、光電子増倍管などを用いることができる。特に、光電子増倍管を用いた場合には、煙道50を流れるガスSの光散乱粒子Pにより散乱された散乱測定光Lの光量が少ない(散乱測定光Lが弱い)場合でも、十分な電気信号を制御分析部7(後述)に送信できる。その結果、より精度良く煙道50内の温度を測定できる。
レンズ部5(レンズ部の一例)は、受光部3よりも煙道50に近く、照射部1よりも煙道50に遠い側(すなわち、照射部1と受光部3との間)に設けられている。また、レンズ部5の中心Cは、受光軸A に存在する。そして、レンズ部5は、受光軸A上の煙道50内の所定の位置に焦点Fを結ぶ。
図2に、本実施形態の温度計100のレンズ部5の構成を示す。レンズ部5は、第1レンズ53と、第2レンズ54と、調整部55と、を有する。第1レンズ53は、測定光Lに対して、煙道50内の所定の位置に焦点を結ばせる。第2レンズ54は、筐体9に固定されている。第2レンズ54は、温度計100に入射された散乱測定光Lに対して、受光部3の受光面に焦点を結ばせる。第2レンズ54が、温度計100に入射された散乱測定光Lに対して、受光部3の受光面に焦点を結ばせるようにすることにより、散乱測定光Lを確実に受光部3に受光できる。
調整部55は、その上部に第1レンズ53を固定している。また、調整部55は、レンズ部移動手段551と、調整部制御部553とを備える。レンズ部移動手段551は、第1レンズ53の中心Cを受光軸A上において移動させる。これにより、レンズ部5は、煙道50内の所望の位置に焦点Fを結べる。
上記のように、温度計100においては、測定光Lが煙道50内に向けて通過した開口部90と同一の開口部90を介して、光散乱粒子Pにより散乱された測定光である散乱測定光Lが受光部3により受光される。すなわち、本実施形態の温度計100においては、測定光学系を形成する、照射部1と、受光部3と、レンズ部5とが、同一の筐体9の筐体空間9Sに格納されている。これにより、煙道50及び側壁51の温度が変動した場合であっても、測定光軸Aと受光軸Aとが予め調整してあった状態からずれることを抑制できる。その結果、煙道50及び側壁51の温度が変動することにより、測定光Lを受光部3において受光不能となることを抑制できる。
本実施形態の温度計100において、測定光Lを受光部3において受光不能となることを抑制できるのは、2つの理由による。
一つ目は、側壁51(及び/又は側壁フランジ部52)の変形により筐体9の取り付け角度などが変化しても、筐体9内において、照射部1と、受光部3と、レンズ部5との相対的な位置関係はほとんど変化しないためである。
二つ目は、一般的に、光散乱粒子Pに入射した光(測定光L)は、ある程度の広がりを持って散乱するため、照射部1と受光部3との相対的な位置関係が多少ずれて、測定光軸Aと受光軸Aが予め調整してあった状態から多少ずれたとしても、受光部3は散乱測定光Lを受光できるからである。
制御分析部7は、温度計100の制御を行う。特に、照射部1から照射する測定光Lの波長の制御や、上記のように、レンズ部5が結ぶ焦点の位置を変更するための制御を行う。また、受光部3において受光した散乱測定光Lの強度に基づいて受光部3から出力される信号の処理を行う。さらに、温度計100の制御指令や受光部3から出力された信号の情報処理を行う。制御分析部7の構成については、後述する。
1−2.照射部の構成
次に、照射部1の詳細な構成について図1を用いて説明する。前述のように、照射部1は、開口部90を介して煙道50内に向けて測定光L を照射する。本実施形態の照射部1は、光源11と、駆動部13と、温度調節部15と、光路変更部材17とを備える。
光源11は、測定光Lを発生する。本実施形態では、光源11から発生された測定光Lは、光路変更部材17(後述)においてその光路を変更され、煙道50内に照射される。光源11として、例えば、半導体レーザや、量子カスケードレーザ(Quantum Cascade Laser、QCL)などを用いることができる。これにより、煙道50内を流れるガスS中の成分による吸収スペクトルピーク(信号量)を大きくすることができる。この結果、温度計100の分解能が向上し、精度良く煙道50内の温度を測定できるようになる。
温度調節部15は、制御分析部7(図4)からの指令に基づき、光源11の温度を調整する。特に光源11として半導体レーザ光源を用いた場合、光源11を駆動する駆動電流が一定であっても、光源11等の劣化や、光源11の温度により光源11から発生する測定光Lの波長が変化することがある。温度調節部15により、光源11の温度変化を抑制することにより、同じ駆動電流に対して、同じ波長の測定光Lを発生できる。温度調節部15は、例えば、光源11の温度を測定する温度計と、温度調整手段(主に、電子冷却器などの冷却手段)とにより構成できる。
なお、光源11から照射される測定光Lの波長を変化させるために、温度調節部15により光源11の温度を変化させてもよい。これにより、測定光Lの波長を光源11へ供給される駆動電流を変化させること無く、変化させることができる。
光路変更部材17は、光源11から発生した測定光Lを煙道50内に向けて照射する。本実施形態では、光路変更部材17は受光軸A上に設置されているため、光路変更部材17の面積は少なくともレンズ部5のレンズより小さいほうが好ましい。なぜなら、光路変更部材17の面積が大きいと、光路変更部材17により散乱測定光Lが遮られる割合が大きくなり、十分な光量の散乱測定光Lが受光部3にて受光できなくなるためである。
また、光路変更部材17としては、ビームスプリッタや、ハーフミラーにより形成されたミラーなどを用いることができる。これにより、散乱測定光Lの一部が光路変更部材17を通過できるようになる。その結果、より多くの光量の散乱測定光Lを受光部3にて受光できる。
駆動部13は、光源11に、光源11を駆動するための駆動電流を供給する。光源11は、駆動電流の大きさに応じた波長の測定光Lを発生する。駆動部13は、図3に示すように、主に、定電流発生器131を備える。定電流発生器131は、制御分析部7の照射部制御部73(図4)から出力される走査波長決定信号に基づいて、一定の強度の電流(定電流)(I)(図3中の波形(1)を参照)を発生する。これにより、光源11は、定電流発生器131により発生した定電流の大きさに応じた波長を有する測定光Lを発生できる。
なお、本実施形態の温度計100においては、ある波長域での吸収スペクトルを得るために、測定光Lの波長を光源11により変化させる。ここで、波長帯とは、測定光Lの波長を変化させる範囲のことを言う。そして、本実施形態では、光源11に供給する駆動電流を変化させることにより、測定光Lの波長を変化させることができる。その他、上記のように、光源11の温度を変化させることによっても測定光Lの波長を変化できる。
光源11に供給される駆動電流により測定光Lの波長を変化させるために、駆動部13は、走査電流発生器133と、電流加算器137とをさらに備えている。走査電流発生器133は、制御分析部7の照射部制御部73から出力される波長走査信号に基づいて、測定光Lの波長を走査するための電流(走査電流)を発生する。図3に示す例では、走査電流発生器133は、電流値0からある所定の大きさの電流値(I)まで時間に対して直線的に増加し、電流値が電流値Iまで増加したのち、直線的に増加するよりもはるかに速い時間にて再び電流値0まで戻るという変化を一定の走査周期Tを有して繰り返す走査電流を発生させる(図3中の波形(2)を参照)。このような波形を有した電流を「ランプ波電流」と呼ぶことがある。
電流加算器137は、定電流発生器131及び走査電流発生器133と接続され、定電流発生器131により発生された定電流と、走査電流発生器133により発生された走査電流とを入力する。そして、電流加算器137は、走査電流に定電流を重畳する。さらに、電流加算器137は、定電流と走査電流とを重畳して駆動電流として光源11へ出力する。走査電流発生器133により上記のランプ波電流が発生された場合には、図3中の波形(4)に示すような駆動電流が電流加算器137から出力される。すなわち、図3中の波形(2)にて示したランプ波電流が、最小電流値I の分だけシフトした波形となる。
これにより、光源11は、定電流成分を重畳されたランプ波成分の最小電流値Iにより決定される波長(走査最小波長)から、最大電流値I+Iにより決定される波長(走査最大波長)まで、時間Tの間に波長が変化する測定光Lを発生できる。そして、走査周期Tの間に、所定の数の散乱測定光Lの強度を受光部3を用いて測定することにより、煙道50を流れるガスS中の成分による吸収スペクトルが得られる。すなわち、ガスS中の成分による吸収スペクトルは、散乱測定光Lを走査最小波長から走査最大波長までの範囲の波長帯にて波長を走査することにより得られる。
さらに、波長変調分光法(Wavelength Modulation Spectroscopy(WMS))により、煙道50を流れるガスS中の成分の吸収スペクトルを測定したい場合、駆動部13は、変調電流発生器135をさらに備えていてもよい。変調電流発生器135は、制御分析部7の照射部制御部73から出力される波長変調信号に基づいて、振幅Iと変調周期T(変調周期Tは、走査周期Tよりもはるかに短い(T>>T))とを有して変化する波形を有する変調電流(図3中の波形(3)の場合、正弦波。)を発生する。そして、電流加算器137は、定電流と走査電流に、さらに、変調電流を重畳し、変調電流をさらに重畳した駆動電流(図3中の波形(5))を出力してもよい。これにより、光源11は、駆動電流中の定電流成分及び走査電流成分により決定される波長を中心として、変調周期Tにて、変調電流の振幅Iにより決定される波長範囲にて波長が周期的に変化する測定光Lを発生できる(波長変調)。
1−3.制御分析部の構成
次に、制御分析部7の構成について図4を用いて説明する。図4は、制御分析部7の構成を示した模式図である。制御分析部7は、信号処理部71、照射部制御部73、レンズ部制御部75、情報処理部77と、を備える。
信号処理部71は、受光部3から出力された散乱測定光Lの強度に基づく信号(検出信号)を情報処理部77において処理可能な信号に変換する。なお、前述の波長変調分光法により、煙道50を流れるガスS中の成分の吸収スペクトルを測定したい場合は、信号処理部71は、図5に示すように、ロックインアンプ711と、倍周器713と、ローパスフィルタ715と、を備えていてもよい。
倍周器713は、照射部1の駆動部13の変調電流発生器135から出力される変調電流を入力し、入力した変調電流から、変調電流の変調周波数(1/T)のn倍の周波数(変調周期Tの1/nの周期、T/n)を有する信号(参照信号)(図5中の波形(6))を発生させる。ロックインアンプ711は、倍周器713から出力された参照信号と、受光部3から出力された検出信号とを乗算処理し、当該乗算処理された信号を出力する。ローパスフィルタ715は、ロックインアンプ711から出力された上記の乗算処理された信号を入力し、当該信号の直流成分のみを出力する。
このような信号処理部71により、受光部3から出力された検出信号(図5中のスペクトル(7))から、検出信号のn次高調波成分(図5中のスペクトル(8))を抽出できる。このようなn次高調波成分は検出信号の微分成分を含むため、検出信号が小さい(散乱測定光Lの光量が少ない)場合や検出信号にノイズが乗っていてS/N比が小さい場合でも、煙道50を流れるガスS中の成分の吸収スペクトルを誤差を少なくして取得できる。その結果、当該吸収スペクトルに基づいて、煙道50内の温度を精度良く測定できる。
照射部制御部73は、情報処理部77の制御指令部775(後述)の指令に基づいて、照射部1を制御するための信号(走査波長決定信号、波長走査信号、波長変調信号、温度制御信号)を照射部1に出力する。走査波長決定信号は、測定光Lの波長を走査する際の掃引開始波長を決定する。この信号は、照射部1の駆動部13の定電流発生器131に入力される。波長走査信号は、測定光Lの波長を走査するための信号である。従って、波長走査信号は、駆動部13の走査電流発生器133に入力される。波長変調信号は、波長変調分光法により吸収スペクトルを測定する際の、測定光Lの波長の変調を行う信号である。従って、波長変調信号は、駆動部13の変調電流発生器135に入力される。温度制御信号は、光源11の温度を制御するための信号である。従って、温度制御信号は、照射部1の温度調節部15に入力される。
レンズ部制御部75は、レンズ部5の(中心Cの)位置の制御を行うための信号を調整部55に送信する。これにより、レンズ部5が結ぶ焦点Fの煙道50内における位置を制御できる。
情報処理部77は、温度計100の制御指令や、散乱測定光Lに基づいて取得されたデータの情報処理を行う。情報処理部77は、例えば、情報処理を行うためのコンピュータである。また、情報処理部77は、制御分析部7の信号処理部71、照射部制御部73、レンズ部制御部75との信号をやり取りするために、A/D変換器などを含むインターフェースを備えていてもよい。
情報処理部77は、スペクトル取得部771と、算出部773と、制御指令部775と、記憶部777と、を備える。なお、これら情報処理部77の各部の機能は、情報処理部77上において実行されるプログラムとして実現されていてもよい。また、当該プログラムは、情報処理部77の記憶領域(記憶部777を含む記憶領域)に記憶されていてもよい。
スペクトル取得部771(スペクトル取得部の一例)は、信号処理部71において処理された検出信号から、散乱測定光Lの波長と、散乱測定光Lの光量(強度)の関係を表したデータ(このデータが吸収スペクトルに対応する)を取得する。
算出部773(算出部の一例)は、スペクトル取得部771において取得したデータ(吸収スペクトル)から、2つの吸収スペクトルを選択し、2つの吸収スペクトルの強度比を求める。そして、2つの吸収スペクトルの強度比と、温度との関係に基づいて、煙道50内の温度を算出する。ここで、選択する吸収線の数は3以上であってもよい。
制御指令部775は、温度計100の制御を行うための各種設定を行う。そして、当該設定に基づいて、制御分析部7の各構成要素に対して、必要に応じて、温度計100に制御信号を送信することを指令する。このため、制御指令部775は、情報処理部77の入力装置(図示せず)からの入力を受け付ける機能も有している。
記憶部777は、温度計100の制御を行うための各種設定や、ガスS中の特定成分の2つの吸収スペクトルの強度比と温度との関係など、散乱測定光Lに基づいて煙道50内の温度を測定するために必要な情報を記憶する。
なお、ガスS中の特定成分の2つの吸収スペクトルの強度比と温度との関係は、温度と2つの吸収スペクトルの強度比との関係を表す関数として記憶部777に記憶されている。また、温度と2つの吸収スペクトルの強度比との関係をテーブルとして記憶部777に記憶してもよい。
2.温度計による煙道内の温度測定
次に、本実施形態の温度計100を用いた、煙道50内の温度を測定する方法について説明する。本実施形態においては、煙道50内の酸素、水分または二酸化炭素等の吸収スペクトルに基づき、煙道50内の温度を測定する。なぜなら、煙道50を流れるガスS中には、酸素、水分または二酸化炭素等が高い濃度にて含まれているためである。また、酸素、水分または二酸化炭素等の吸光係数が大きいことも理由である。これにより、十分な強度を有した吸収スペクトルを取得できる。その結果、精度良く煙道50内の温度を測定できる。
また、本実施形態においては、煙道50内の温度の算出は、上記の波長変調法により散乱測定光Lの強度に基づいた検出信号から取得された、上記ガスS中の成分の吸収スペクトルの二次高調波成分に基づいて行う。
まず、照射部1が煙道50内に向けて煙道50内の酸素、水分または二酸化炭素等の吸収スペクトルにチューニングした波長の測定光Lを照射する。測定光Lは、制御分析部7の照射部制御部73から出力される波長変調信号に基づき波長変調されている。具体的には、駆動電流中の変調電流成分により、測定光Lの波長が変調されている。
次に、レンズ部5が、煙道50内の所定の位置に焦点Fを結ぶ。このとき、レンズ部制御部75は、温度を測定したい煙道50内の所定領域に焦点Fが結ばれるよう、レンズ部5の中心Cの位置を調整する。
ここで、温度を測定したい煙道50内の所定領域としては、例えば、散乱測定光Lの強度に基づいて決定される領域や、煙道50内の光散乱粒子Pの濃度に基づいて決定される領域が考えられる。
散乱測定光Lの強度に基づいて決定される領域に焦点Fを結ぶことにより、十分な光量を有する散乱測定光Lを、受光部3において受光できる。その結果、煙道50を流れるガスS中の成分(酸素、水分または二酸化炭素等)の吸収スペクトルに基づいて、精度良く煙道50内の温度を測定できる。
一方、煙道50内の光散乱粒子Pの濃度に基づいて決定される領域に焦点Fを結ぶことについては、煙道50内の光散乱粒子Pの濃度により煙道50内の所定の位置における散乱測定光Ldの強度が変化する場合に有利である。すなわち、図6Aに示すように、煙道50内の光散乱粒子Pの濃度が高くなると、測定光Lmが煙道50内の開口部90に近い位置でほとんど散乱されてしまう。そこで、十分な強度の散乱測定光L を受光するため、焦点Fの位置を、煙道50内の測定光Lmが到達可能な領域の手前に設定する。
これにより、測定光Lmが煙道50内に導入された位置から光散乱粒子Pの濃度に基づいて決定される煙道50内の適切な位置までの散乱測定光Ldを、受光部3において受光できる。その結果、煙道50を流れるガスS中の成分(酸素、水分または二酸化炭素等)の吸収スペクトルに基づいて、精度良く煙道50内の温度を測定できる。
煙道50内の酸素、水分または二酸化炭素等の吸収スペクトルは次のようにして取得される。
まず、測定光Lの波長を所定の波長範囲で走査する。測定光Lの波長の走査は、光源11の駆動電流の内、照射部1の駆動部13の走査電流発生器133から出力される走査電流成分に基づいて行われる。図3において示した例では、走査周期Tの間に、測定光Lの波長が最小電流値Iにより決定される走査最小波長から、最大電流値I+Iにより決定される走査最大波長まで、時間に対して非線形に変化する。
その後、スペクトル取得部771により、煙道50を流れるガスS中の酸素、水分または二酸化炭素等の吸収スペクトルを取得した後、算出部773が、当該吸収スペクトルの所定の2つの吸収線を選択し、選択された2つの吸収線の強度比に基づいて、煙道50内の温度を算出する。
図7に示した吸収スペクトルにおいて、煙道50内の温度が高くなるに従い、吸収スペクトルは、吸収スペクトルS3(太い実線により示したスペクトル)、吸収スペクトルS2(二点鎖線により示したスペクトル)、吸収スペクトルS1(細い実線により示したスペクトル)の順に変化していく。ここで、図7の第1吸収スペクトル(図7の「1st peak」の枠内により示された吸収スペクトル)と第2吸収スペクトル(「2nd peak」の枠内により示された吸収スペクトル)とに着目すると、第2吸収スペクトルの強度の温度に対する変化のほうが、第1吸収スペクトルの強度の温度に対する変化よりも大きい。
従って、第1吸収スペクトルの強度P1と第2吸収スペクトルの強度P2との強度比(=P2/P1)も温度によって変化する。そして、当該強度比は吸収スペクトルの強度の相対値であるため、散乱測定光Lの強度が変化することにより吸収スペクトル全体の強度が変化しても変化しない。これにより、(煙道50内の温度を測定中に)煙道50を流れるガスS中の光散乱粒子Pの濃度が変化するなどして散乱測定光Lが変化した場合でも、正確に煙道50内の温度を測定できる。
煙道50を流れるガスS中の酸素、水分または二酸化炭素等の吸収スペクトルのどの2つの吸収スペクトルを選択するかは、測定したい煙道50内の温度範囲に応じて決定すればよい。そして、測定したい温度範囲と選択すべき2つの吸収スペクトル(が現れる波長)とは、関連付けられて記憶部777に記憶されていてもよい。この場合、算出部773は、まず、制御指令部775により設定された測定温度範囲と、記憶部777に記憶されている測定したい温度範囲とを比較する。そして、算出部773は、当該設定された測定温度範囲が含まれる、当該測定したい温度範囲を選択し、記憶部777に記憶されたその測定したい温度範囲に関連付けられた選択すべき2つの吸収スペクトル(が現れる波長)を決定する。
(2)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)照射部と受光部の配置についての他の実施形態
上記の第1実施形態の温度計100においては、受光軸Aと測定光軸Aとが、少なくとも煙道50内において一致するように、照射部1と受光部3とが設置されていた。また、測定光軸Aが、煙道50が伸びる方向に対して垂直となるよう、照射部1が設置されていた。しかし、照射部1と受光部3との設置関係はこれに限られない。
図8に示す温度計200のように、照射部1は、測定光軸Aが煙道50が伸びる方向に対して垂直な軸A’に対して所定の角度θを有するように、温度計200に設置されていてもよい。また、受光部3は、受光軸Aが煙道50が伸びる方向に対して垂直な軸A’に対して所定の角度θを有するように、温度計200に設置されていてもよい。
光散乱粒子Pにより散乱された測定光である散乱測定光Ldは、ある程度の広がりを有して散乱されているため、図8のように受光軸Arと測定光軸Amとが一致していなくとも、受光部3において散乱測定光Ldを受光できる。
また、図8に示す温度計200では、受光部3より煙道50に近い側に、レンズ部5以外の部材などが存在しない。よって、光を遮断する部材により散乱測定光Ldが遮断されない。
また、図8に示す温度計200では、照射部1及び受光部3が、照射部1及び受光部3の中心を通り、煙道50の伸びる方向に対して垂直(図8の紙面に垂直な方向)の軸を中心に回転可能に取り付けられていてもよい。この場合、受光部3とレンズ部5とは共通の固定台(図示せず)上に取り付けられ、当該固定台が、煙道50の伸びる方向に対して垂直(図8の紙面に垂直な方向)の軸を中心に回転可能となっている。
これにより、上記の角度θ及びθを所望の角度に設定することが可能となる。その結果、煙道50内の所望の位置における散乱測定光Lを測定できる。よって、煙道50内の所望の位置における温度を測定できる。
また、上記の角度θ及びθは、同じ角度となるように設定されていてもよい。これにより、より強度の大きい散乱測定光Lを受光部3において受光できる。なぜなら、光散乱粒子Pに入射する測定光Lの入射角(θ)と同じ角度(θ)にて散乱された散乱測定光Lの強度が大きくなる傾向にあるからである。
(B)レンズ部に関する他の実施形態
第1実施形態の温度計100においては、レンズ部5には、2つのレンズ(第1レンズ53と第2レンズ54)が設けられていた。しかし、レンズ部5に設けられるレンズの数はこれに限られない。例えば、レンズ部5に設けられるレンズの数は、1つであってもよい。レンズ部5に設けられるレンズが1つの場合、当該レンズは、受光軸Ar上を調整部55により移動可能に筐体9に設けられていてもよい。
また、特に、予め焦点Fを結ぶ位置が決まっている場合などには、当該レンズは筐体9に固定されていてもよい。筐体9にレンズを固定する場合、当該レンズは、受光部3に焦点を結ぶような位置に配置される。レンズを筐体9に固定することにより、レンズから受光部3までの距離がずれることが無くなる。このため、常に、散乱測定光Lに対して、受光部3の受光面に焦点を結ぶことができる。その結果、散乱測定光Lを確実に受光部3にて受光できる。
本発明に係る温度計は、煙道中を流れるガスの吸収スペクトルに基づき、煙道中の温度を測定する温度計に広く適用できる。
100、200温度計
1 照射部
11 光源
13 駆動部
131 定電流発生器
133 走査電流発生器
135 変調電流発生器
137 電流加算器
15 温度調節部
17 光路変更部材
3 受光部
5 レンズ部
53 第1レンズ
54 第2レンズ
55 調整部
551 レンズ部移動手段
553 調整部制御部
7 制御分析部
71 信号処理部
711 ロックインアンプ
713 倍周器
715 ローパスフィルタ
73 照射部制御部
75 レンズ部制御部
77 情報処理部
771 スペクトル取得部
773 算出部
775 制御指令部
777 記憶部
8 パージガス導入路
81 パージガス供給部
9 筐体
9a 筐体開口部
9S 筐体空間
90 開口部
91 筐体フランジ部
92 光学窓
911 円周部
50 煙道
51 側壁
51a 側壁開口部
52 側壁フランジ部
521 円周部
A’ 煙道の伸びる方向に対して垂直な軸
測定光軸
受光軸
C レンズ部の中心
F 焦点
パージガス
散乱測定光
測定光
P 光散乱粒子
P1 第1吸収スペクトルの強度
P2 第2吸収スペクトルの強度
S ガス
S1、S2、S3 吸収スペクトル
θ 測定光軸と煙道の伸びる方向に対して垂直な軸とがなす角度
θ 受光軸と煙道の伸びる方向に対して垂直な軸とがなす角度

Claims (5)

  1. 光散乱粒子を含むガスが流れる煙道内に向けて測定光を照射する照射部と、
    前記測定光のうち、前記光散乱粒子により散乱された散乱測定光を受光する受光部と、
    前記受光部の法線方向へ伸びる受光軸上に存在し、前記煙道内のうち前記煙道の側壁表面を除く箇所に焦点を結ぶレンズ部と、
    前記受光部により受光された前記散乱測定光に含まれ、前記ガス中の所定成分の吸収スペクトルのうち、複数の波長における吸収スペクトルの強度比に基づいて、前記煙道内の温度を算出する算出部と、
    を備え
    前記法線方向は、前記受光部が有する面のうち、前記レンズ部に対向する面から延びる法線の方向である、
    温度計。
  2. 前記吸収スペクトルは、前記散乱測定光を所定波長帯にて波長を走査することにより得られる、請求項1に記載の温度計。
  3. 前記受光軸と前記測定光の光路である測定光軸とが、少なくとも前記煙道内において一致するように、前記照射部と前記受光部とが設置される、請求項1又は2に記載の温度計。
  4. 前記照射部及び前記受光部は、同一の筐体内に設けられる、請求項1から3のいずれかに記載の温度計。
  5. 前記レンズ部の中心位置を調整する調整部をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の温度計。

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