JP5501797B2 - スペクトラム分析装置及びスペクトラム分析方法 - Google Patents

スペクトラム分析装置及びスペクトラム分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、測定対象物のスペクトラムを分析するスペクトラム分析装置、及び、スペクトラム分析方法に関する。
測定対象物の特性を求めるために、測定対象物に電磁波を照射した際の電磁波のスペクトラムを測定する方法が用いられている。例えば、測定対象物がガスである場合、ガスに赤外光を照射した際の赤外吸収スペクトラムを用いて、ガスの濃度を測定する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2007−309800号公報
一般に、測定対象物のスペクトラムの形状は、測定対象物の特性によって固有の形状であることが多い。一方、測定対象物のスペクトラムの強度は、測定条件に左右されることが多い。
例えば、赤外領域のレーザ光をガスに照射した際の赤外吸収スペクトラムを測定した場合、スペクトラムの形状から所定のガス(例えば、NO)が含まれているか否かを判別することができる。しかし、ガスの濃度が低くなるとスペクトラムの強度が弱くなる。また、他の種類のガス(例えば、CO)が含まれている場合や、水分が含まれている場合には、スペクトラムの形状が変化し得る。そのため、スペクトラムの形状から所定のガスが含まれているか否かを判別することが困難になる場合がある。
近年、良好な測定環境を維持することが必ずしも容易ではない実フィールドにおいて、例えば、NOなどのガスの濃度を高い精度で測定する技術が望まれている。
そこで、本発明は、測定対象物のスペクトラムを高い精度で分析することができるスペクトラム分析装置、及び、スペクトラム分析方法を提供することを目的とする。
本発明のスペクトラム分析装置は、測定対象物のスペクトラムを分析するスペクトラム分析装置であって、測定対象物のスペクトラムを測定する測定部と、前記測定部が測定したスペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを測定ベクトルとし、参照スペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを参照ベクトルとすると、前記参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を求める演算部と、前記演算部が求めた内積を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
また、前記直交系の基底ベクトルのうち、前記参照ベクトルに基づいて生成された基底ベクトルを参照基底ベクトルとすると、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積が所定の値より大きいか否かを判別する分析部を備え、前記出力部は、前記分析部が判別した結果を出力することが好ましい。
また、前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさと、前記測定対象物の物理量との関係を示す情報を用いて、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の物理量を求めることが好ましい。
また、前記参照スペクトラムは、既知の測定対象物を前記測定部が測定することにより得られたスペクトラムであることが好ましい。
また、前記測定部は、前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、前記電磁波照射部が照射する電磁波の波長を調整する制御部と、前記測定対象物を透過した電磁波を受信する受信部と、を備え、前記測定部は、波長が異なる電磁波を前記測定対象物に照射することによりスペクトラムを測定することが好ましい。
また、前記測定対象物はガスであり、前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を用いて、前記測定対象物が所定のガスを含むか否かを判別することが好ましい。
また、前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の濃度を求めることが好ましい。
また、本発明のスペクトラム分析方法は、測定対象物のスペクトラムを分析するスペクトラム分析方法であって、前記測定対象物のスペクトラムを測定する測定工程と、前記測定工程で測定されたスペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを測定ベクトルとし、参照スペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを参照ベクトルとすると、前記参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を求める演算工程と、前記演算工程で求められた内積を出力する出力工程と、を有することを特徴とする。
また、前記直交系の基底ベクトルのうち、前記参照ベクトルに基づいて生成された基底ベクトルを参照基底ベクトルとすると、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積が所定の値より大きいか否かを判別する分析工程を有し、前記出力工程は、前記判別工程で判別された結果を出力することが好ましい。
また、前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさと、前記測定対象物の物理量との関係を示す情報を用いて、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の物理量を求めることが好ましい。
また、前記参照スペクトラムは、既知の測定対象物を測定することにより得られたスペクトラムであることが好ましい。
また、前記測定工程は、前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波照射工程と、前記電磁波照射工程で照射される電磁波の波長を調整する波長調整工程と、前記測定対象物を透過した電磁波を受信する受信工程と、を有し、波長が異なる電磁波を前記測定対象物に照射することによりスペクトラムを測定することが好ましい。
また、前記測定対象物はガスであり、前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を用いて、前記測定対象物が所定のガスを含むか否かを判別することが好ましい。
また、前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の濃度を求めることが好ましい。
本発明によれば、測定対象物のスペクトラムを高い精度で分析することができる。
実施形態のスペクトラム分析装置の概略構成の一例を示す図である。 参照スペクトラムの一例を示す図である。 測定スペクトラムの一例を示す図である。 出力部が出力する内積(w・x)の一例を示す図である。 実施形態のスペクトラム分析方法の一例を示すフローチャートである。 (a)は、1000ppmのNOの測定スペクトラムを示す図であり、(b)は、内積(w・x)を示す図である。 (a)は、593ppmのNOの測定スペクトラムを示す図であり、(b)は、内積(w・x)を示す図である。 (a)は、393ppmのNOの測定スペクトラムを示す図であり、(b)は、内積(w・x)を示す図である。 (a)は、197ppmのNOの測定スペクトラムを示す図であり、(b)は、内積(w・x)を示す図である。 (a)は、98ppmのNOの測定スペクトラムを示す図であり、(b)は、内積(w・x)を示す図である。 NOの濃度と内積(w・x)との関係を示す図である。
以下、本発明のスペクトラム分析装置、及び、スペクトラム分析方法について、実施形態に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態では、赤外領域のレーザ光をガス(測定対象物)に照射したときの赤外吸収スペクトラムを測定し、測定されたスペクトラムを分析することにより、所定のガス(例えば、NO)の有無、及び、所定のガスの濃度を求めるスペクトラム分析装置、及び、スペクトラム分析方法について説明する。
(スペクトラム分析装置の概略構成)
まず、図1を参照して、本実施形態のスペクトラム分析装置の概略構成を説明する。図1は、本実施形態のスペクトラム分析装置の概略構成の一例を示す図である。図1に示されるように、本実施形態のスペクトラム分析装置は、測定部100と、演算部120と、出力部130と、分析部140と、を備える。
(測定部)
まず、測定部100について説明する。測定部100は、測定対象物のスペクトラムを測定する。図1に示されるように、本実施形態の測定部100は、電磁波照射部102と、制御部104と、ガスセル106と、受信部108と、を備える。本実施形態の電磁波照射部102は、赤外領域のレーザ光を照射する量子カスケードレーザ(QCL)である。電磁波照射部102は、例えば、波長6.1μmを含む波長帯域のレーザ光を照射することができる。
制御部104は、電磁波照射部102が照射する電磁波の波長を制御する。本実施形態の制御部104は、電磁波照射部102の温度を制御する温度調整部を備える。温度調節部が量子カスケードレーザの温度を調節することにより、レーザ光の波長を制御することができる。また、制御部104は、電磁波照射部102が電磁波を照射するタイミングを制御する。例えば、電磁波照射部102がパルス状の電磁波を照射するように、制御部104は電磁波照射部102を制御することができる。
なお、制御部104が電磁波照射部102の電圧を制御することにより、電磁波照射部102が照射する電磁波の波長を制御する構成を適用することもできる。
ガスセル106は、測定対象物であるガスを収容する容器である。本実施形態において、測定対象物であるガスは、NOを含む。ガスセル106は、密閉された容器であってもよいし、密閉されていない容器であってもよい。例えば、ガスセル106にガス導入口とガス排出口を設け、ガスセル106に測定対象物であるガスを流しながら、測定対象物の濃度を測定することもできる。
なお、NOは、6.1μm付近に強い吸収線を持つ。
受信部108は、ガスセル106の内部に収容された測定対象物を透過した電磁波を受信する。本実施形態の受信部108は、InSbを受光面とする赤外線センサである。なお、受信部108は、例えば、PINダイオード(p-intrinsic-n diode)、HgCdTeを受光面とする光導電素子(MCT素子:Mercury Cadmium Telluride素子)を適用してもよい。
以上説明した測定部100によって測定された測定対象物のスペクトラムのデータは、演算部120へ供給される。ここで、測定対象物のスペクトラムのデータとは、電磁波照射部102が照射した電磁波の波長に対して、受信部108が受信した電磁波の強度である。
(演算部)
次に、演算部120について説明する。ここで、測定部100が測定したスペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを測定ベクトルとする。また、既知の参照スペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを参照ベクトルとする。このとき、演算部120は、参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルと測定ベクトルとの内積を求める。ここで、演算部120が行う演算を説明するに先立ち、参照ベクトル、参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系、及び、測定ベクトル、について説明する。
まず、図2を参照して、参照ベクトルについて説明する。図2は、参照スペクトラムの一例を示す図である。本実施形態では、測定対象物が既知であり、スペクトラムの形状が十分に明瞭となる測定対象物のスペクトラムを参照スペクトラムとする。図2に示される例の参照スペクトラムは、既知の濃度(1000ppm)のNOを測定部100が測定することにより得られるスペクトラムである。図2の横軸は、量子カスケードレーザ(QCL)の温度を示し、縦軸は、受信部108が受信したレーザ光の振幅を示す。量子カスケードレーザから照射されるレーザ光の波長は、量子カスケードレーザの温度によって制御されるため、図2の横軸は、量子カスケードレーザから照射されるレーザ光の波長に相当する。
参照スペクトラムに含まれるデータの数をn個とする。また、n個のデータ(振幅)をa,a,…,aとする。このとき、参照スペクトラムは、n個のデータa,a,…,aの各々を成分とするn次元ベクトル{a,a,…,a}として表現される。このように、参照スペクトラムをn次元ベクトルとして表現したベクトルを、参照ベクトルと定義する。以下、説明の便宜上、参照ベクトルをvとする。
ここで、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルとして、以下のようにv〜vを定義する。

但し、a≠0とする。a=0の場合は、参照ベクトルvの成分のうち、0でない成分がaとなるように参照ベクトルvを定める。
次に、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルv〜vから生成される直交系について説明する。本実施形態では、グラム・シュミットの正規直交化法を用いて、n個のn次元ベクトルv〜vから正規直交系が生成される。
正規直交系の基底ベクトルをw〜wとすると、w〜wは以下のようにして求められる。

以上のようにして、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルv〜vから正規直交系が生成される。
次に、図3を参照して、測定ベクトルについて説明する。図3は、測定スペクトラムの一例を示す図である。測定スペクトラムは、上述した測定部100が測定対象物を測定することにより得られるスペクトラムである。図3に示される例の測定スペクトラムは、未知の濃度のNOを測定部100が測定することにより得られるスペクトラムである。図2と図3を比較すれば明らかなように、測定スペクトラムの各データの振幅は、参照スペクトラムの各データの振幅よりも小さい。そのため、参照スペクトラムに比べて、測定スペクトラムでは、スペクトラムを判別するのが困難になっている。
測定スペクトラムに含まれるデータの数をn個とする。また、n個のデータ(振幅)をx,x,…,xとする。このとき、測定スペクトラムは、n個のデータx,x,…,xの各々を成分とするn次元ベクトル{x,x,…,x}として表現される。このように、測定スペクトラムをn次元ベクトルとして表現したベクトルを、測定ベクトルと定義する。以下、説明の便宜上、測定ベクトルをxとする。
演算部120は、直交系の各基底ベクトルw(k=1,2,…、n)と測定ベクトルxとの内積(w・x)を求める。演算部120が求めた内積(w・x)は、出力部130と分析部140へ供給される。
(出力部)
図1に戻り、出力部130について説明する。出力部130は、演算部120が求めた内積(w・x)を出力する。出力部130は、例えば、表示装置である。ここで、図4を参照して、出力部130による内積(w・x)の出力を説明する。図4は、出力部130が出力する内積(w・x)の一例を示す図である。図4の横軸はk(自然数)を示し、縦軸は内積(w・x)の値を示す。上述した図2、図3に示される例では、n=41である。そのため、図4には、k=1からk=41までの各kに対して、演算部120が求めた内積(w・x)の値が示されている。但し、図4では、視認性を向上するために、k=2とk=21の内積(w・x)の値を入れ替えている。すなわち、図4の左から右に向かって、k=1,21,3,4,…,20,2,22,…,40,41の順で、内積(w・x)の値が示されている。
ここで、参照ベクトルvに基づいて生成された基底ベクトルwを参照基底ベクトルとする。また、上述したように、ベクトルvの成分は全て1であるため、基底ベクトルwの成分は全て等しい。参照基底ベクトルwは、参照ベクトルvから、全ての成分が等しい基底ベクトルwを減算することにより生成される。これは、参照ベクトルvからオフセットを取り除いたものが参照基底ベクトルwであることを意味する。そのため、測定スペクトラムの形状が参照スペクトラムの形状に類似しているほど、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)の値が大きくなる。一方、基底ベクトルwは正規直交系の基底ベクトルであるため、基底ベクトルw(k≠1,2)と測定ベクトルxとの内積(w・x)は0に近い値となる。
なお、基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)は測定スペクトラムのオフセットの大きさを示すものである。
図4に示される例のように、出力部130によって出力される基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)のグラフにおいて、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)の位置にピークが観測されることは、測定スペクトラムの形状が参照スペクトラムの形状と類似していることを意味する。そのため、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)の位置のピークの有無をユーザが観測することにより、ユーザは、測定対象物にNOが含まれるか否かを知ることができる。
(分析部)
図1に戻り、分析部140について説明する。分析部140は、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)が所定の値より大きいか否かを判別する。分析部140が判別した結果は、出力部130により出力される。
上述したように、測定対象物にNOが多く含まれるほど、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)の値は大きくなる。そのため、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)が所定の値より大きいか否かを分析部140が判別することにより、測定対象物にNOが含まれているか否かを検知することが可能となる。
(スペクトラム分析方法)
次に、図5を参照して、本実施形態のスペクトラム分析方法について説明する。図5は、本実施形態のスペクトラム分析方法の一例を示すフローチャートである。
まず、測定部100が、測定対象物のスペクトラムを測定する(ステップS101)。次に、演算部120が、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積を求める(ステップS102)。
次に、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)が所定の値より大きいか否かを、分析部140が判別する(ステップS103)。また、演算部120が求めた内積(w・x)や、ステップS103において分析部140が判別した結果を、出力部130が出力する(ステップS104)。
なお、出力部130によって出力される内積(w・x)のグラフから、測定対象物にNOが含まれるか否かをユーザが観測する場合は、ステップS103を省略してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積を求めることにより、測定対象物のスペクトラムを高い精度で分析することができる。
なお、本実施形態では、測定部100が既知の濃度のNOガスを測定することにより参照スペクトラムを得る例について説明したが、参照スペクトラムを得る方法はこれに限定されるものではない。例えば、測定部100を用いて参照スペクトラムを得るのではなく、予め参照スペクトラムや、参照ベクトルvを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の基底ベクトルwのデータを演算部120が記憶している場合にも、本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、参照スペクトラムはNOを測定することにより得られるスペクトラムについて説明したが、例えば、COなどの他のガスについても、それぞれ参照スペクトラムを得ることができる。そのため、測定対象物が複数のガスを含む場合であっても、それぞれの参照スペクトラムを用いて演算部120が上述した演算を行うことにより、複数のガスのそれぞれが測定対象物に含まれるか否かを判別することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、測定対象物にNOが含まれるか否かを、スペクトラム分析装置が判別する例について説明した。本実施形態では、さらに、測定対象物に含まれるNOの濃度をスペクトラム分析装置が求める例について説明する。
本実施形態のスペクトラム分析装置について説明するに先立ち、既知の複数の濃度のNOを測定部100が測定することにより得られる測定スペクトラムについて、図6から図10を参照して説明する。また、このとき、演算部120が求めた内積(w・x)について説明する。
図6(a)から図10(a)は、既知の複数の濃度のNOを測定部100が測定することにより得られる測定スペクトラムの一例を示す図である。また、図6(b)から図10(b)は、演算部120が求めた内積(w・x)の一例を示す図である。NOの濃度が1000ppmの場合の測定結果を図6に示す。また、NOの濃度が593ppmの場合の測定結果を図7に示す。また、NOの濃度が393ppmの場合の測定結果を図8に示す。また、NOの濃度が197ppmの場合の測定結果を図9に示す。また、NOの濃度が98ppmの場合の測定結果を図10に示す。
図6(a)から図10(a)を参照すると、NOの濃度が低くなるにつれて、測定スペクトラムの振幅が小さくなることが分かる。また、NOの濃度が低くなるにつれて、測定スペクトラムの形状が明瞭ではなくなることが分かる。
一方、図6(b)から図10(b)を参照すると、NOの濃度が低くなっても、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)の位置にピークが観測されることが分かる。さらに、NOの濃度が低くなるにつれて、参照基底ベクトルwと測定ベクトルxとの内積(w・x)が小さくなることが分かる。
ここで、図11を参照して、NOの濃度と内積(w・x)との関係について説明する。図11は、図6(b)から図10(b)の内積(w・x)を、NO濃度に対してプロットした図である。図11に示されるように、内積(w・x)はNO濃度に対して1次関数で示される。そのため、図6から図10に示される例のように、既知の複数の濃度のNOに対して内積(w・x)を求めることにより、NOの濃度と内積(w・x)との関係を示す検量線を取得することができる。
本実施形態の分析部140は、内積(w・x)の大きさから上述した検量線を用いて、NOの濃度(測定対象物の物理量)を求める。そのため、本実施形態によれば、NOの濃度が低く、測定スペクトラムの形状をユーザが判別することが困難な場合であっても、測定対象物にNOが含まれるか否かを検知するだけでなく、NOの濃度も求めることができる。その結果、測定対象物のスペクトラムを高い精度で分析することができる。
以上、本発明のスペクトラム分析装置及びスペクトラム分析方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)にも本発明を適用することができる。また、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 測定部
102 電磁波照射部
104 制御部
106 ガスセル
108 受信部
120 演算部
130 出力部
140 分析部

Claims (12)

  1. 測定対象物のスペクトラムを分析するスペクトラム分析装置であって、
    測定対象物のスペクトラムを測定する測定部と、
    前記測定部が測定したスペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを測定ベクトルとし、既知の前記測定対象物のスペクトラムである参照スペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを参照ベクトルとすると、前記参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を求める演算部と、
    前記直交系の基底ベクトルのうち、前記参照ベクトルに基づいて生成された基底ベクトルを参照基底ベクトルとすると、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積が所定の値より大きいか否かを判別する分析部と、
    前記分析部が判別した結果を出力する出力部と、
    を有することを特徴とするスペクトラム分析装置。
  2. 前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさと、前記測定対象物の物理量との関係を示す情報を用いて、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の物理量を求める、請求項に記載のスペクトラム分析装置。
  3. 前記参照スペクトラムは、既知の測定対象物を前記測定部が測定することにより得られたスペクトラムである、請求項1又は2に記載のスペクトラム分析装置。
  4. 前記測定部は、
    前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波照射部と、
    前記電磁波照射部が照射する電磁波の波長を調整する制御部と、
    前記測定対象物を透過した電磁波を受信する受信部と、
    を備え、
    前記測定部は、波長が異なる電磁波を前記測定対象物に照射することによりスペクトラムを測定する、請求項1乃至のいずれかに記載のスペクトラム分析装置。
  5. 前記測定対象物はガスであり、
    前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を用いて、前記測定対象物が所定のガスを含むか否かを判別する、請求項乃至のいずれかに記載のスペクトラム分析装置。
  6. 前記分析部は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の濃度を求める、請求項に記載のスペクトラム分析装置。
  7. 測定対象物のスペクトラムを分析するスペクトラム分析方法であって、
    前記測定対象物のスペクトラムを測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定されたスペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを測定ベクトルとし、既知の前記測定対象物のスペクトラムである参照スペクトラムをn次元ベクトルで表現したベクトルを参照ベクトルとすると、前記参照ベクトルを含む線型独立なn個のn次元ベクトルから生成される直交系の各基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を求める演算工程と、
    前記直交系の基底ベクトルのうち、前記参照ベクトルに基づいて生成された基底ベクトルを参照基底ベクトルとすると、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積が所定の値より大きいか否かを判別する分析工程と、
    前記判別工程で判別された結果を出力する出力工程と、
    を有することを特徴とするスペクトラム分析方法。
  8. 前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさと、前記測定対象物の物理量との関係を示す情報を用いて、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の物理量を求める、請求項に記載のスペクトラム分析方法。
  9. 前記参照スペクトラムは、既知の測定対象物を測定することにより得られたスペクトラムである、請求項7又は8に記載のスペクトラム分析方法。
  10. 前記測定工程は、
    前記測定対象物に電磁波を照射する電磁波照射工程と、
    前記電磁波照射工程で照射される電磁波の波長を調整する波長調整工程と、
    前記測定対象物を透過した電磁波を受信する受信工程と、
    を有し、
    波長が異なる電磁波を前記測定対象物に照射することによりスペクトラムを測定する、請求項乃至のいずれかに記載のスペクトラム分析方法。
  11. 前記測定対象物はガスであり、
    前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積を用いて、前記測定対象物が所定のガスを含むか否かを判別する、請求項乃至10のいずれかに記載のスペクトラム分析方法。
  12. 前記分析工程は、前記参照基底ベクトルと前記測定ベクトルとの内積の大きさから前記測定対象物の濃度を求める、請求項11に記載のスペクトラム分析方法。
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