JP2006029836A - ガス分析計の校正方法およびガス分析計 - Google Patents

ガス分析計の校正方法およびガス分析計 Download PDF

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Abstract

【課題】 スパン校正ガスを流すことができないようなラインにおいて分析計の経時変化による感度低下を容易にチェックすることができるガス分析計の校正方法およびガス分析計を提供するを提供する。
【解決手段】 セル1と、このセル1内に光を照射する光源2と、セル1を透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器4と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器5とを有する非分散型のガス分析計の校正方法であって、光源2から主検出器4および比較検出器5までの光路中に、主検出器4の検出波長域における光の透過率が比較検出器5の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタ10を配置することにより、セル1内にスパン校正ガスを流すことなくスパン校正を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体製造ラインに用いられるインラインモニタのように、スパン校正ガスを流すことができないようなガスラインに配置されたガス分析計の校正を行なうガス分析計の校正方法およびガス分析計に関する。
非分散型の赤外線ガス分析計は、サンプルガスを充填させた状態で光が透過できるように形成されたセルと、このセル内に光を照射する光源と、セルを透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器と、主検出器および比較検出器の出力値から測定対象成分の濃度の指示値を求める処理部とを有する。
ところで、前記ガス分析計はセルの赤外線透過窓の汚れや光源の劣化や各検出器の特性の経時変化など、種々の要因によって主検出器および比較検出器の出力値が幾らか変化することがある。そして、この変化が測定誤差となって現れることがある。
そこで、従来よりガス分析計の感度チェックを行なうことがある。この感度チェックはセルにスパン校正用のガス(スパン校正ガス)を流すことにより行っている。すなわち、ガス分析計に既知濃度の測定対象成分を含むスパン校正ガスを流し、そのときの濃度の指示値が前記既知濃度と同じになるように、ガス分析計の各検出器の感度調整(スパン係数の調整)を行っていた。
特開平10−132739号公報
しかしながら、半導体製造装置などに搭載されたガス分析計では、ガス分析計を含むラインに高濃度のスパン校正ガスを流すことは各部の汚染を避けるために敬遠されていた。つまり、半導体製造装置のインラインモニタとしても用いられるガス分析計では、経時変化による感度低下を容易にチェックすることができなかった。
そこで、スパン校正ガスを流さずに感度チェックする方法として、図2に示すように、遮光板を用いる方法が考えられている。図2において、21はサンプルガスを内部に流通させると共にこのサンプルガスに光を照射できるように形成されたセル、22はセル21内に光を照射する光源、23および24はセル21内のサンプルガスを透過した透過光を受光する主検出器および比較検出器、25および26は主検出器23および比較検出器24の直前に配置されてそれぞれ測定対象成分の吸光波長域の光およびサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を透過する光学フィルタ、27は遮光板である。
図2に示すように、主検出器23側の光学フィルタ25の前に遮光板27などを挿入することにより、主検出器23に入射する光を遮光または減光することにより、主検出器23と比較検出器24の感度調整を行なうことが考えられている。また、この遮光板27を用いた感度調整では、この遮光板27が光学フィルタ25に入射する光を完全に遮光し、かつ、光学フィルタ26に入射する光には全く影響がないようにする必要があった。
なお、インラインモニタとして用いられるガス分析計では検出感度をできるだけ高めるために、検出器の前に集光ミラーなどの集光系をもつ光学系があるが、このような集光系を持つようなものでは、主検出器23と比較検出器24の光学フィルタ25,26の間隔が狭くならざるを得ない。しかしながら、主検出器23と比較検出器24の光学フィルタ25,26の間隔が狭くなればなるほど、遮光板27によって主検出器23に入射する光だけを完全に遮光することはできなかった。つまり、従来は簡易に感度チェックはできなかった。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、スパン校正ガスを流すことができないようなラインにおいて分析計の経時変化による感度低下を容易にチェックすることができるガス分析計の校正方法およびガス分析計を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のガス分析計の校正方法は、セルと、このセル内に光を照射する光源と、セルを透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器とを有する非分散型のガス分析計の校正方法であって、光源から主検出器および比較検出器までの光路中に、主検出器の検出波長域における光の透過率が比較検出器の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタを配置することにより、セル内にスパン校正ガスを流すことなくスパン校正を行なうことを特徴としている(請求項1)。
前記分析計の使用前に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるように感度係数を設定することにより感度調整を行なってもよい(請求項2)。
前記分析計の使用前に、セル内にスパン校正ガスを充填させた状態で、前記光学フィルタを光路中に配置してないときの指示値を求め、スパン校正ガスに合わせてスパン係数を設定することによりスパン校正を行い、次いで、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記スパン係数を用いて、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるようにスパン係数を調整することによりスパン校正を行なってもよい(請求項3)。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、セル内を真空にしてもよい(請求項4)。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらない特定のガスを充填させてもよい(請求項5)。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに用いられる光学フィルタが同一の光学結晶基板であってもよい(請求項6)。
セルと、このセル内に光を照射する光源と、セルを透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器と、主検出器および比較検出器の出力値から測定対象成分の濃度の指示値を求める処理部とを有し、前記処理部が、光源から主検出器および比較検出器までの光路中に、主検出器の検出波長域における光の透過率が比較検出器の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタを配置したときの、主検出器および比較検出器の出力値を用いて、セル内にスパン校正ガスを流すことなくスパン校正を行なう校正機能を有することを特徴としている(請求項7)。
前記光学フィルタが光学結晶基板であってもよい(請求項8)。
請求項1に記載のガス分析計の校正方法では、スパン校正ガスを流すことが難しい半導体製造装置などに搭載されたインラインガスモニタとして用いられるガス分析計であっても、非常に簡単な方法で感度をチェックすることができ、ガス分析計の不具合による半導体製造装置への被害を事前に防ぐことができる。前記光学フィルタの透過率を、主検出器の検出波長域と比較検出器の検出波長域において異なせているので、この光学フィルタがいわばスパン校正ガスの代わりに主検出器と比較検出器の出力値に所定の差を形成することができ、主検出器と比較検出器のスパン校正を行なうことができる。
なお、光学フィルタの主検出器の検出波長域における光の透過率は比較検出器の検出波長域における光の透過率に比べて低く、かつ、この透過率の差はできるだけ大きくすることが望ましい。
前記分析計の使用前に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるように感度係数を設定することにより感度調整を行なう場合(請求項2)には、例えばガス分析計の製造工場の出荷時における使用前の指示値を求めて記憶しておくことにより、このガス分析計を使用中における使用時の指示値が工場出荷時における使用前の指示値と同じになるように感度調整することができる。
前記分析計の使用前に、セル内にスパン校正ガスを充填させた状態で、前記光学フィルタを光路中に配置していないときの指示値を求め、スパン校正ガスに合わせてスパン係数を設定することによりスパン校正を行い、次いで、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記スパン係数を用いて、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるようにスパン係数を調整することによりスパン校正を行なう場合(請求項3)には、例えばガス分析計の使用時における指示値が工場出荷時における使用前の指示値と同じになるように感度調整すると共に、スパン校正を行なうことができる。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、セル内を真空にする場合(請求項4)には、セル内でガスによる主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態を容易かつ確実に形成することができる。また、半導体製造プロセスには各工程の間に真空引きが行われるので、半導体製造ラインにインラインモニタとして組み込んだガス分析計であっても真空引きの工程が行われている間にガス分析計を校正することができる。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらない特定のガスを充填させる場合(請求項5)には、セル内でガスによる主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態を容易かつ確実に形成することができる。また、半導体製造プロセスには工程の中には純窒素や純水素など、高純度の特定のガスでパージすることがあるので、半導体製造ラインにインラインモニタとして組み込んだガス分析計であっても、高純度の特定のガスを用いてパージしている間にガス分析計を校正することができる。とりわけ、純度の高い特定のガスでセル内をパージすることにより、その光学的特性を安定させることができる。
前記使用前および使用時の指示値を求めるときに用いられる光学フィルタが同一の光学結晶基板である場合(請求項6)には、使用前および使用時の指示値を求めるときに、使用する光学フィルタの特性を全く同じとすることができる。とりわけ、光学結晶基板は極めて安価にて形成できると共に、光学フィルタとして長期間に渡って安定した特性を保ち、温度変化や他の外的要因に影響されることのない光学特性を得ることができる。また、光学結晶基板はその厚みが透過率に影響を与えるが、使用前および使用時の指示値を求めるときに、同一の光学結晶基板を用いることにより、その特性を確実に合わせることができる。
請求項7に記載のガス分析計は、半導体製造装置などに搭載されたインラインガスモニタとして用いるのに適している。すなわち、半導体製造装置のガスラインに高濃度のスパン校正ガスを流すことなく、非常に簡単な方法で感度をチェックすることができるので、ガス分析計の不具合による半導体製造装置への被害を事前に防ぐことができる。前記光学フィルタの透過率は、主検出器の検出波長域と比較検出器の検出波長域において大きく異なっていることが好ましい。
前記光学フィルタが光学結晶基板である場合(請求項8)には、長期間に渡って安定した特性を保ち、温度変化や他の外的要因に影響されることのない光学特性を有する光学フィルタを極めて安価にて形成することができる。
図1は本発明のガス分析計の構成を概略的に示す図である。図1において、1はサンプルガスSgを流通できると共にこのサンプルガスSgに光を照射できるように形成されたセル(ガスセル)、2はセル1内に光Lを照射する光源(赤外光源)、3はサンプルガスSgを透過した透過光Ltを反射して集光する凹面鏡(集光系)、4および5は凹面鏡3によって集光された透過光Ltを受光する主検出器および比較検出器、6および7は主検出器4および比較検出器5に入射する光の波長域をそれぞれ特定の検出波長域に限定する光学フィルタ、8および9は主検出器4および比較検出器5の出力を増幅するプリアンプ、10は主検出器4の検出波長域における光の透過率が比較検出器5の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタである。また、11は主検出器4および比較検出器5の出力値から測定対象成分の濃度の指示値を求める例えばマイクロコンピュータなどの演算処理装置からなる処理部である。
本例に示すガス分析計は測定対象成分として、四フッ化珪素(SiF4 )の濃度を求めるものであり、前記主検出器4はこのSiF4 の吸光波長域である波長9.7μmを中心とする検出波長域の光の強度を出力値(サンプル信号)Sとして得るものであり、前記光学フィルタ6は中心波長9.7μmの検出波長域の光を透過するバンドパスフィルタである。
一方、前記比較検出器5はSiF4 による光の吸収が少ない波長域である波長3.8μmを中心とする検出波長域の光の強度を出力値(リファレンス信号)Rとして得るものであり、前記光学フィルタ7は中心波長3.8μmの検出波長域の光を透過するバンドパスフィルタである。
本例に示す前記プリアンプ8,9は主検出器4および比較検出器5の出力値S,Rを増幅して処理部に入力可能な信号レベルにするためのものであり、この出力値S,Rの感度調整はプリアンプ8,9の後段に備えたゲイン調整用の図示していないアンプのボリューム調整によって行われる。なお、このボリューム調整は処理部11内の演算処理によって求められる感度係数(後述するゼロ係数γ,δ)をゲイン調整用のアンプに制御信号として出力することによって行っても、ハードウェア的に行っても、その両方の調整を組み合わせて行ってもよい。さらには、ゲイン調整用のアンプを省略して処理部11内の演算処理によってゲイン調整を行い、その感度係数(後述するゼロ係数γ,δ)の調整を全てソフトウェア的に行ってもよいことはいうまでもない。
また、前記光学フィルタ10は本例の場合、波長9μm以上で透過率が低下し、主検出器4の検出波長域である波長9.7μmにおいて50%の透過率、比較検出器5の検出波長域である波長3.8μmにおいて80%の透過率となるローパスフィルタであり、例えばフッ化カルシウム(CaF2 )からなる光学結晶基板(以下、CaF2 基板10という)である。このCaF2 基板10は安価にて製造可能でありながら波長9μm以上の光をカットするローパスフィルタとして外気温度に影響されることなく、長期間に渡って安定した特性を発揮するので優れている。
前記処理部11は種々の構成が考えられるが、例えば前記プリアンプ8,9から出力される出力値S,Rをデジタル信号に変換して入力するインターフェース12と、CPU13と、記憶部14と、表示部15とを有する。
上記構成のガス分析計は、その製造時に製造工場において組み立てられた後、つまり、出荷時に、例えば以下の手順によって校正を行なう。
すなわち、まずセル1内を真空引きするなどして、セル1内でガスによる両検出器4,5の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で前記CaF2 基板10を光源2から検出器4,5までの光路から外し、光源2によって照射されセル2を透過した光を両検出器4,5によって検出する。そして、このときの各検出器4,5の出力値Sz,Rzからゼロ係数γ,δの調整を行なう。より具体的には、式(1),(2)に示すように前記値Sz,Rzを同じ大きさの値とするためのゼロ係数γ,δを求めて、これらを記憶部14に記憶する。
γ=1/Sz … (1)
δ=1/Rz … (2)
次いで、セル1内に既知濃度(スパン校正ガス濃度)XSGのSiF4 を含むスパン校正ガスを充填あるいは流入し、セル1を透過した透過光を両検出器4,5によって検出する。そして、このときの各検出器4,5の出力値Ss,Rsを記憶部14に記憶し、これらの値Ss,Rsからスパン校正を行なう。すなわち、指示値Xの計算式は式(3)に示すように表すことができるので、既知濃度XSGのSiF4 を含むスパン校正ガスを測定することにより、スパン係数εを求めることができる。
X=〔1−(S×γ)/(R×δ)〕×ε×XSG … (3)
但し、XSGはスパン校正ガス濃度(既知濃度)である。
式(4)は、既知濃度XSGのSiF4 を含むスパン校正ガスを測定したときの検出器4,5の出力値Ss,Rsから、使用前のガス分析計における初期状態のスパン係数ε0 を求める計算式の一例を示している。
ε0 =1/〔1−(Ss×γ)/(Rs×δ)〕 … (4)
さらに、前記スパン校正の後に再びセル1内を真空引きした状態で、CaF2 基板10を光源2とセル1の間に挿入し、このときの各検出器4,5の出力値Sc0 ,Rc0 を用いて前記スパン校正との相関を求める。
前記スパン校正との相関関係の表わし方には種々の変形が考えられるが、例えば、式(5)に示すように、前記出力値Sc0 ,Rc0 とゼロ係数γ,δとスパン係数ε0 を用いて、CaF2 基板10をスパン校正ガスと見立てた指示値Xc0 を求めて、これをCaF2 基板10による校正とスパン校正との相関関係を表わす値として記憶部14に記憶してもよい。
Xc0 =〔1−(Sc0 ×γ)/(Rc0 ×δ)〕×ε0 ×XSG … (5)
そして、ガス分析計の製造者は、ガス分析計の使用前(出荷時)における前記一連の校正を行うために使用した、このCaF2 基板10をガス分析計に添えて出荷する。
前記ガス分析計は、例えば半導体製造ラインのインラインモニタとして使用され、ガス分析計の使用に伴って、経時変化に伴う出力値S,Rの変動が生じる。そこで、前記CaF2 基板10を用いた感度調整を行なう。以下、出荷後の使用時におけるガス分析計の感度調整およびスパン校正を行なう方法を説明する。
すなわち、まずセル1内を真空引きした状態で(すなわち、半導体製造工程に含まれる真空引きのタイミングに合わせて)、かつ、前記CaF2 基板10を光源2から検出器4,5までの光路から外した状態で、光源2によって照射しセル2を透過した光を両検出器4,5によって検出する。そして、このときの各検出器4,5の出力値Sz,Rzを用いて前記式(1),(2)によるゼロ校正を行なって、ゼロ係数γ,δを求め、これらのゼロ係数γ,δを現状の値として記憶部14に記憶する。
次いで、セル1内を真空引きしたままの状態でCaF2 基板10を光源2から検出器4,5までの光路上に配置し、光源2によって照射しCaF2 基板10とセル2を透過した光を両検出器4,5によって検出する。そして、このときの各検出器4,5の出力値Sc1 ,Rc1 と補正前のスパン係数ε0 を用いて指示値Xc1 を求め、これらの値Xc1 ,Xc0 ,ε0 から感度調整やスパン校正を行なう。ここで、工場出荷後、使用時の指示値Xc1 は式(6)のように表わされる。この時の指示値Xc1 をXc0 に補正するようなスパン係数ε1 は式(7)のように表わされる。
Xc1 =〔1−(Sc1 ×γ)/(Rc1 ×δ)〕×ε0 ×XSG … (6)
Xc0 =〔1−(Sc1 ×γ)/(Rc1 ×δ)〕×ε1 ×XSG … (7)
したがって、式(8)に示すように、前記指示値Xc1 を本来得られるべき指示値(すなわち、使用前の指示値Xc0 )と比較することにより、ガス分析計の使用時における現状の正しいスパン係数ε1 を求めることができる。
ε1 =ε0 ×(Xc0 /Xc1 ) … (8)
すなわち、工場出荷時にCaF2 基板10を用いて求めた指示値Xc0 と、工場出荷時にスパン校正ガスを用いて求めたスパン係数ε0 を記憶部14に記憶しておき、ガス分析計の使用時に工場出荷時と同じ条件でCaF2 基板10を用いて求めた指示値Xc1 と前記指示値Xc0 を比較することにより、工場出荷時と使用時の相関(延いては工場出荷時にスパン校正ガスを用いてスパン校正した時との相関)をとって、スパン係数ε1 を求めることができる。そして、このスパン係数ε1 をソフトウェア上で書換え可能とすることにより、スパン校正を行なうことができる。
そして、未知濃度のサンプルガスSgを測定する時(すなわち測定時)には、光源2から検出器4,5までの光路上からCaF2 基板10を外した状態で、前記式(3)のスパン係数εとして新たに記憶したスパン係数ε1 を用いて、検出器4,5の出力値S,Rから指示値Xを求める演算を行なうことにより、スパン校正された正しい指示値Xを得ることができる。
つまり、セル1内にスパン校正ガスを流すことなくガス分析計のスパン校正を行なうことが可能であり、このガス分析計を半導体製造プロセスのインラインモニタとして使用している場合にもスパン校正を行なうことができる。
また、CaF2 基板10は両検出器4,5に入射する光の全てを透過させるものであるから、従来のように主検出器4に入射する光だけを遮蔽するようなものではない。したがって、光源2から検出器4,5までの光学系に集光系3があるなどして、検出器4,5の間隔が極めて狭い場合にも、適正なスパン校正を極めて容易に行なうことができる。
なお、上述の例ではガス分析計の使用前および使用時におけるCaF2 基板10を用いたスパン校正を行なうときにセル1内が真空引きされている例を示している。つまり、特に半導体の製造工程には真空引きの工程が含まれているので、半導体製造プロセスのインラインモニタとして使用しているガス分析計を確実かつ容易にスパン校正することができる。
しかしながら、CaF2 基板10を用いたスパン校正を行なうときのセル1内の状態は、セル1内でガスによる両検出器4,5の検出波長域における光の吸収が起きないようにした状態であればよい。つまり、セル1内に窒素ガスや水素ガスなどの、赤外線を吸収しないようなガスを充填したり流したりしている状態で、CaF2 基板10を用いたスパン校正を行なってもよい。とりわけ、半導体の製造工程には純度の高い特定のガスを用いてパージする工程があるので、そのインラインモニタとして使用しているガス分析計を容易かつ確実にスパン校正することができる。
何れの場合にも、ガス分析計の使用前のCaF2 基板10を用いた測定を行なうときのセル1内の状態と、このガス分析計の使用中のCaF2 基板10を用いたスパン校正を行なうときのセル1内の状態は、同じ状態にすることが望ましいことはいうまでもない。
上述の例では光源2から両検出器4,5までの光路中に配置された光学フィルタの一例としてCaF2 基板10を例示しており、これを採用することにより極めて安価にて製造可能でありながら、外気温度などに影響されることなく、長期間にわたって安定して波長9μm以上で透過率が低下するローパスの光学フィルタとして機能させることができる。しかしながら、前記CaF2 基板10の代わりに多層膜の光学フィルタなど、他の構成の光学フィルタを用いてもよい。多層膜の光学フィルタは透過させる光の波長を任意に設定することが可能であるから、より的確なスパン校正を行なうことができるような光学的な特性の光学フィルタを形成して用いることができる。
また、CaF2 基板10はその厚みが光学フィルタとしての特性に影響を与えるので、上述したように、分析計の使用前のスパン校正との相関を求めるときに使用したCaF2 基板10そのものを、使用中のスパン校正に用いることが望ましい。しかしながら、同じ光学的特性を有するものであればどのような光学フィルタを用いてもよい。そして、光学フィルタ10は主検出器の検出波長域における光の透過率が比較検出器の検出波長域における光の透過率と異なるように構成されたものであればよく、その透過率の差は大きいほうが望ましい。
また、上述の例では、光源2とセル1の間にCaF2 基板10を配置する例を示しているが、このCaF2 基板10の位置は、光源2から両検出器4,5までの光路内であればどこに配置してあってもよい。
加えて、上述の例では各種係数γ,δ,ε0 ,ε1 の値をソフトウェアで設定可能としいる。これにより、処理部11内の演算処理だけで感度調整やスパン校正を行なうことが可能である。しかしながら、前記各係数γ,δ,ε0 ,ε1 を増幅器の増幅率の設定のように、ハードウェア的に行ってもよい。
本発明のガス分析計の構成を概略的に示す図である。 従来のガス分析計の構成を示す図である。
符号の説明
1 セル
2 光源
4 主検出器
5 比較検出器
10 光学結晶基板(光学フィルタ)
11 処理部
S 主検出器の出力値
R 比較検出器の出力値
Xc0 光学フィルタによる使用前の指示値
ε0 使用前のスパン係数(感度係数)
Xc1 光学フィルタによる使用時の指示値
ε1 使用時のスパン係数(感度係数)

Claims (8)

  1. セルと、このセル内に光を照射する光源と、セルを透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器とを有する非分散型のガス分析計の校正方法であって、
    光源から主検出器および比較検出器までの光路中に、主検出器の検出波長域における光の透過率が比較検出器の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタを配置することにより、セル内にスパン校正ガスを流すことなくスパン校正を行なうことを特徴とするガス分析計の校正方法。
  2. 前記分析計の使用前に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、
    分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、
    使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるように感度係数を設定することにより感度調整を行なう請求項1に記載のガス分析計の校正方法。
  3. 前記分析計の使用前に、セル内にスパン校正ガスを充填させた状態で、前記光学フィルタを光路中に配置していないときの指示値を求め、スパン校正ガスに合わせてスパン係数を設定することによりスパン校正を行い、次いで、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記スパン係数を用いて、前記光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用前の指示値として記録し、
    分析計の使用時に、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらないようにした状態で、前記光学フィルタと同じ特性を有する光学フィルタを光路中に配置したときの指示値を求め、これを使用時の指示値として、
    使用時の指示値を使用前の指示値に合わせるようにスパン係数を調整することによりスパン校正を行なう請求項1に記載のガス分析計の校正方法。
  4. 前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、セル内を真空にする請求項2または3に記載のガス分析計の校正方法。
  5. 前記使用前および使用時の指示値を求めるときに、主検出器および比較検出器の検出波長域における光の吸収が起こらない特定のガスを充填させる請求項2または3に記載のガス分析計の校正方法。
  6. 前記使用前および使用時の指示値を求めるときに用いられる光学フィルタが同一の光学結晶基板である請求項2〜5の何れかに記載のガス分析計の校正方法。
  7. セルと、このセル内に光を照射する光源と、セルを透過した透過光を受光し測定対象成分の吸光波長域の光を検出する主検出器と、前記透過光を受光しサンプルガスによる吸収が少ない波長域の光を検出する比較検出器と、主検出器および比較検出器の出力値から測定対象成分の濃度の指示値を求める処理部とを有し、
    前記処理部が、光源から主検出器および比較検出器までの光路中に、主検出器の検出波長域における光の透過率が比較検出器の検出波長域における光の透過率と異なるように構成された光学フィルタを配置したときの、主検出器および比較検出器の出力値を用いて、セル内にスパン校正ガスを流すことなくスパン校正を行なう校正機能を有することを特徴とするガス分析計。
  8. 前記光学フィルタが光学結晶基板である請求項7に記載のガス分析計。
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