JP5596480B2 - ガス濃度検出方法、ガス濃度センサ - Google Patents
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Description
ガス濃度センサは、被測定ガスが導入される容器(セル)を備え、セルの内部には広い波長範囲の赤外線を放出する光源と、この光源から放出される赤外線を検出する赤外線センサが設けられている。光源から放出された赤外線は、セルに満たされた被測定ガス内を透過する際に、被測定ガスによって特定の波長帯に吸収を受ける。吸収を受けた赤外線は、ガス濃度センサが備える光学フィルタによって、吸収を受けた波長帯だけが取り出され赤外線センサに到達する。つまり赤外線センサが検出する赤外線の強度は被測定ガスの濃度に比例して減衰しており、赤外線センサの出力はガス濃度に依存した曲線を描く。被測定ガスの濃度は、赤外線センサの出力をその曲線に照らし合わせることで求められる。
一般的なガス濃度センサの温度補正では、先ず、ガス濃度センサの出力信号とガス濃度との基準温度における関係を示した基準ガス濃度校正曲線を予め取得しておく。基準ガス濃度校正曲線は、基準温度において測定可能な範囲の最低ガス濃度から最高ガス濃度まで濃度の異なる被測定ガスの濃度をガス濃度センサで測定し、ガス濃度センサの出力信号と実際のガス濃度とを対応付けることによって得られる。
しかし、被測定ガスの濃度とガス濃度センサの出力信号との関係を示す曲線は、一般的に温度によってその曲線の形状が異なることが知られている。このため、上記した従来技術のように、最小出力値と最大出力値との傾きを使ってスパン値を求めると、最小出力値または最大出力値に近い出力値の範囲においては良好に補正されるが、その間のガス濃度においては、補正された出力値と基準ガス濃度校正曲線との差が比較的大きくなるという問題があった。
特許文献2に記載されたガス濃度検出方法では、基準温度において、既知の濃度の被測定ガスを測定用チャンバに導入し、その濃度を赤外線センサによって検出する。この際、被測定ガスの濃度を変更することにより、所定の濃度範囲における赤外線センサの出力信号を得ることができる。出力信号は、多項式を使って曲線近似され、曲線近似の結果得られるデータを検量線データという。
このような特許文献2に記載された従来技術によれば、より広いガス濃度の範囲においてガス濃度センサの出力信号を高い精度で補正することが可能になる。
さらに、特許文献1、特許文献2のいずれに記載された発明にあっても、マップデータや検量線データをセンサ機器のメモリに保存しておく必要がある。特許文献1、特許文献2の発明において保存すべきデータは先に説明した従来技術よりもデータ量が大きくなり、保存に必要なメモリが大きくなってセンサ機器の大型化、コストアップ化を招くことになる。また、特許文献1、特許文献2の方法では、データ数が多いことから演算にかかる処理時間が長くなり、温度補正にかかる演算の負荷が大きくなる。そのうえ、特許文献1、特許文献2の方法では、分割領域の数や補正データの数(参照温度の数)が多いほど検出の精度が高まるから、高精度化に伴ってセンサ機器が大型化、高コスト化し、演算処理の負荷が増大することになる。
前記実温度において前記ガス検出部から出力された実出力信号から一定のオフセット値を減算して第1補正出力値を算出する第1補正を実行する第1補正ステップ(例えば図11に示したS701)と、前記第1補正ステップによって得られる第1補正出力値と、前記基準ガス濃度校正曲線上にあって、ガス濃度検出の精度に基づいて定められた参照出力値とを比較し、前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいか否か判断する判断ステップ(例えば図11に示したS702)と、前記判断ステップにおいて前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいと判断された場合(例えば図11に示したS702:No)、前記第1補正出力値をそのまま第2補正出力値とする第1の第2補正ステップ(例えば図11に示したS705)と、前記判断ステップにおいて前記第1補正出力値が前記参照出力値以上であると判断された場合(例えば図11に示したS702:Yes)、前記第1補正出力値をさらに補正するスパン値を、前記実温度と前記参照出力値とを使って算出するスパン値算出ステップ(例えば図11に示したS703)と、前記スパン値算出ステップによって算出されたスパン値を前記第1補正出力値に乗算する第2補正を実行し、前記第2補正出力値を算出する第2の第2補正ステップと(例えば図11に示したS704)、を含み、前記基準ガス濃度校正曲線上の前記第2補正出力値に対応するガス濃度を前記実ガス濃度とすること(例えば図11に示したS706)を特徴とするガス濃度検出方法。
また、本発明のガス濃度センサは、ガス濃度を検出するガス検出部(例えば図1(a)、2に示した検出部101)と、所定の基準温度における前記ガス検出部の出力信号と、当該出力信号に対応するガス濃度との関係を示す基準ガス濃度校正曲線を使い、前記基準温度と異なる温度である実温度において前記ガス検出部によって検出されたガス濃度である実ガス濃度を算出する信号処理手段(例えば図1(a)、2に示した信号処理部102)と、を備えるガス濃度センサであって、前記信号処理手段は、前記実温度において前記ガス検出部から出力された出力信号である実出力信号から一定のオフセット値を減算して第1補正出力値を算出する第1補正手段(例えば図1(b)に示した第1補正部111)と、前記第1補正手段によって算出された前記第1補正出力値と、前記基準ガス濃度校正曲線上にあって、ガス濃度検出の精度に基づいて定められた参照出力値とを比較する比較手段(例えば図1(b)に示した第1補正部112)と、前記比較手段によって前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいと判断された場合、前記第1補正出力値をそのまま第2補正出力値とする第1の第2補正手段(例えば図1(b)に示した第2補正部113a)と、前記比較手段によって前記第1補正出力値が前記参照出力値以上であると判断された場合、前記第1補正出力値をさらに補正するスパン値を、前記実温度と前記参照出力値とを使って算出するスパン値算出手段(例えば図1(b)に示したスパン値算出部114)と、前記スパン値算出手段によって算出されたスパン値を前記第1補正出力値に乗算して第2補正出力値を算出する第2の第2補正手段(例えば図1(b)に示した第2補正部113b)と、を備え、前記基準ガス濃度校正曲線上の前記第2補正出力値に対応するガス濃度を前記実ガス濃度とすることを特徴とする。
また、本発明によれば、基準ガス濃度校正曲線のデータと、他の2温度における最低濃度のガスに対する出力信号と、最高濃度のガスに対する出力信号のデータのみを使って実出力値を補正することができるので、温度補正のため予め取得しておくデータ点数を増やすことなく、温度補正の演算負荷を軽減して、演算処理時間を短くできるガス濃度検出方法、ガス濃度センサを提供することができる。
(ガス濃度センサの構成)
図1(a)、(b)は、本実施形態のガス濃度センサを説明するための図である。図1(a)に示したガス濃度センサ100は、大きく分けて検出部101、信号処理部102、ガス濃度指示部103によって構成されている。図1(b)は、図1(a)に示した信号処理部102の構成をより具体的に示した図である。
また、検出部101は後述する赤外線センサの温度を測定する温度計を備えている。温度計から出力された信号が示す温度を「実温度」と記す。検出部101の構成については、図2に示して具体的に説明する。
また、信号処理部102は、実温度において検出部101から出力された出力信号と実温度とを入力し、出力信号に第1補正、第2補正の少なくとも1つをすることによって出力値を生成する。実温度において検出部101から出力された出力信号を、本実施形態では「実出力信号」、実出力信号に基づいて得られた出力値を「実出力値」と記す。さらに、基準ガス濃度校正曲線上の実出力値に対応するガス濃度を、「実ガス濃度」と記す。さらに、本実施形態の基準ガス濃度校正曲線は、図2に示す温度計によって測定される温度が20℃である場合に所定の濃度範囲(最低濃度から最高濃度の範囲)のガス濃度を検出部101によって測定し、検出部101の出力信号を既知のガス濃度に対応付けてプロットして得られた曲線である。信号処理部102の各構成には、第1補正、第2補正に必要な基準ガス濃度校正曲線や演算式、予め取得された数値が記憶されたメモリ(図示せず)が設けられている。
本実施形態では、以上の信号処理部102及びガス濃度指示部103が、マイコン等、比較的小型のコンピュータとして一体的に構成されるものとする。
セル2は、被測定ガスを導入、導出するための容器である。セル2には、ガスを導入するための吸気口9a、排気口9bが設けられている。本実施形態のセル2の内壁は金やアルミ等の金属であるから、光源7から放出された赤外線は内壁に反射され、赤外線センサ14で検出される赤外線強度が大きくなる。
光源7は、対向する赤外線センサ14a、14bに向かって赤外線を放出する。光源7には、波長制限のない非分散型の赤外線放射源が用いられる。赤外線放射源としては、黒体炉やフィラメント電球等がある。
一方、光源7から放射された赤外線の一部は光学フィルタ15aを透過し、赤外線センサ14aに検出される。赤外線センサ14aに検出された赤外線は被測定ガスによって吸収され、被測定ガスの濃度に応じてその強度が減衰されている。本実施形態では、赤外線センサ14bの出力信号を用いて、二酸化炭素の赤外線吸収をモニタしている光学フィルタ15aと赤外線センサ14aの出力信号を補正するものとする。
以上説明したガス濃度センサは、以下のように動作する。すなわち、検出部101内の温度計16によって測定されたと実温度と、検出部101から出力された出力信号とは、信号処理部102が備える図示しないA/D変換器によってデジタル信号に変換される。信号処理部102は、デジタル化された出力信号を、出力信号と同時に得られた実温度を用いて補正する。補正は、第1温度補正と第2温度補正によって行われる。補正の具体的な内容については後述する。
さらに、光学フィルタ15a、15bと赤外線センサ14a、14bとは別個の構成であることに限定されず、両者を一体のキャンパッケージとした構成を用いても良い。
(1)概念
次に図3から図6を使って、本発明の補正方法の概念について説明する。
図3は、実温度Tにおける出力信号Rと基準ガス濃度校正曲線を示した図である。図3の縦軸は出力信号を、横軸はガス濃度を示す。横軸に示したCは、本実施形態のガス濃度センサが検出できる最高のガス濃度である。ガス濃度0からCを、ガス濃度センサの濃度検出範囲と記す。なお、本実施形態の図3に示した出力信号および図4〜6、図8〜10に示した出力値は、全て、赤外線センサ14bから得られた出力信号を、赤外線センサ14aからから得られた出力信号で割って求められる比として表されたものである。
第1温度補正では、出力信号Rからオフセット値が差し引かれる。図3に示した例では、オフセット値はゼロ点温度補正のオフセット値であって、最低ガス濃度における出力信号R0と基準ガス濃度校正曲線の出力信号P0との差と認められる値である。本実施形態では、オフセット値を後述する方法によって算出している。オフセット値の算出に必要な値は、予め図1に示した信号処理部102の図示しないメモリに予め保存されている。
図4によれば、第1温度補正曲線と基準ガス濃度校正曲線とは、ガス濃度の比較的低い場合によく一致しているが、ガス濃度が高まるに連れてその差異が大きくなることが分かる。
図5は、第2温度補正の概念について説明するための図である。図5の縦軸は出力信号を第1補正した出力値、横軸はガス濃度を示している。横軸中に示したCは、ガス濃度センサが検出できる最高ガス濃度である。図5中に実線で示した曲線は基準ガス濃度校正曲線であり、破線で示した曲線は第1補正後の出力信号の集合によって表される第1温度補正曲線である。
第2温度補正にあっては、基準ガス濃度校正曲線において最高ガス濃度Cに対応する出力信号RHMと参照出力値Rcとを結んだ直線の横軸に対する傾きを傾きα1とする。また、第1温度補正曲線において最高ガス濃度Cに対応する出力信号RH1’と参照出力値Rcとを結んだ直線の横軸に対する傾きを傾きα2とする。そして、ガス濃度の測定において得られた第1温度補正出力値R1と参照出力値Rcとの関係により、第1温度補正曲線の傾きα2を傾きα1に補正するためのスパン値が第1温度補正出力値に乗算される。
すなわち、第2温度補正では、先ず、第1温度補正出力値R1が参照出力値Rcと比較される。比較の結果、第1温度補正出力値R1が参照出力値Rc以上の値を持つ(R1を含めて高い)場合には、図5に示した傾きα2にスパン値が乗算される。スパン値は、傾きα2を傾きα1に補正する値である。第1温度補正出力値R1を、スパン値を使って補正することにより、第2温度補正出力値R2が得られる。
一方、第1温度補正出力値R1が参照出力値Rcより低い場合、第2温度補正では、第1温度補正出力値R1が、そのまま第2温度補正出力値R2となる。
(a)オフセット値の算出
ここで、第1温度補正に使用されるオフセット値を算出する方法を説明する。本実施形態では、温度センサがガス濃度を測定できる最低測定温度TLと最高測定温度THが設定される。また、基準ガス濃度校正曲線を得た基準温度を基準温度TMと表す。最高測定温度THにおいて測定できる最低ガス濃度に対応する出力信号をRLH、最低測定温度TLにおいて測定できる最低ガス濃度に対応する出力信号をRLLと示す。また、基準温度TMにおいて測定できる最低ガス濃度に対応する出力信号をRLMと示す。
(RLH−RLM)・(T−TM)/(TH−TM) …式(1)
(RLL−RLM)・(T−TM)/(TL−TM) …式(2)
また、本実施形態では、最高測定温度THにおいて測定される最高ガス濃度に対応する出力信号をRHH、最低測定温度TLにおいて測定される最高ガス濃度に対応する出力信号をRLHと示す。また、基準温度TMにおいて測定できる最高ガス濃度に対応する出力信号をRHMと示す。スパン値は、実温度Tが基準温度TM以上である場合、以下の式(3)によって求められ、実温度Tが基準温度TMより低い場合、以下の式(4)によって求められる。なお、式(3)、(4)中のRcは、前記した参照出力値Rcである。
[(RHM−Rc)/[RHH−(RLH−RLM)−Rc]−1]・(T−TM)/(TH−TM)+1 …式(3)
[(RHM−Rc)/[RHL−(RLL−RLM)−Rc]−1]・(T−TM)/(TL−TM)+1 …式(4)
図7から分かるように、本実施形態では、基準ガス濃度校正曲線と最低濃度に対応する出力信号RLH、RLL、最高濃度に対応する出力信号RHH、RHLの4点とを保存しておくだけでガス濃度センサの出力信号を補正することができる。なお、以上の説明では、三温度のデータを使って、基準温度TMを境にした線形近似によりガス濃度を算出する例を示したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、多項次近似によりガス濃度を算出してもよい。
また、算出された値が参照出力値Rc以上の場合、第1補正された値にスパン値が乗算されて第2補正値となる。基準ガス濃度校正曲線上の第2補正値に一致する出力値に対応するガス濃度が測定値となる。
[参照出力値を、第1温度補正出力値と基準濃度ガス校正曲線との差がガス濃度センサの精度の半分以下となる範囲とする場合]
図8は、参照出力値Rcの設定の方法を説明するための図である。図8の縦軸は出力信号を第1補正した出力値を示していて、横軸はCO2ガスの濃度を示している。黒い菱形のプロットは実温度が基準温度である20℃であるときの基準ガス濃度校正曲線上の値、白い四角形のプロットは実温度が−10℃であるときの第1補正出力値、白い三角形のプロットは実温度が50℃であるときの第1補正出力値である。
本実施形態では、同一要素で構成された検出部をもつガス濃度センサであれば、最初の一回だけ上述のような参照出力値を求める作業を行えばよい。そして、以降ガス濃度センサで温度補正する際は、同じ参照ガス濃度(図9の例では2000ppm)を用いて、基準ガス濃度校正曲線から参照出力値Rcを求めればよい。
実温度T時の第1温度補正出力値R1が参照出力値Rc以上である場合、第1温度補正出力値R1から参照出力値Rcを減算し、次いで前記した式(3)または式(4)を使って算出された一定のスパン値を乗算する。最後に参照出力値Rcを乗算の結果得られた値に加えて第2温度補正出力値R2が算出される。一方、実温度Tにおける第1温度補正出力値R1が参照出力値Rcより低い場合、第1温度補正出力値R1がそのまま第2温度補正出力値R2となる。
図9は、図8の第1温度補正出力値に第2温度補正をして得られる第2温度補正出力値をプロットした図である。図9の縦軸は出力信号を第2補正した出力値を示していて、横軸はCO2ガスの濃度を示している。黒い菱形のプロットは実温度が基準温度である20℃であるときの基準ガス濃度校正曲線上の値、白い四角形のプロットは実温度が−10℃であるときの第2補正出力値、白い三角形のプロットは実温度が50℃であるときの第2補正出力値である。
以上述べたように、本実施形態によれば、予め取得しておくべきデータ量を従来よりも低減し、温度補正の演算負荷を軽減して演算処理時間を短くしながら、精度の高いガス濃度検出方法、このガス濃度検出方法が適用されるガス濃度センサを提供することができる。
図10(a)、(b)によれば、参照出力値Rcの設定値によってガス濃度センサの精度が変わることが分かる。このため、参照出力値Rcは、ガス濃度センサに許容される誤差や要求される精度の範囲内で、他の条件等を考慮して適宜設定される。
なお、上記した本実施形態によれば、測定温度範囲を−10℃から50℃、測定ガス濃度を500ppmから4000ppmとしている。しかし、本発明は、このような温度範囲やガス濃度範囲に限定されるものではなく、任意の温度範囲及びガス濃度範囲に適応可能である。
図11は、以上説明した第1温度補正、第2温度補正の処理を説明するためのフローチャートである。フローチャートによって示された処理は、図1に示した信号処理部102によって行われる。図示したフローチャートによれば、先ず、ガス濃度センサの図1、2に示した検出部101から出力信号が信号処理部102に入力され、出力信号Rを得る。信号処理部102は、出力信号Rから予め算出されているオフセット値を減算する。減算により、出力信号Rは第1温度補正出力値R1になる(ステップS701)。
以上説明した本実施形態では、参照出力値Rcを1つ決定し、第1温度補正値が参照出力値以上であるか、または参照出力値未満であるかによって第2補正の対応を変えている。しかし、本実施形態は、Rcを1つに定めることに限定されるものでなく、複数設定してもよい。そして、例えば、複数設定されたRc1、Rc2、Rc3(Rc1<Rc<Rc3)と第1補正出力値とを比較し、第1補正出力値がRc1以下であった場合には第1補正出力値をそのまま第2補正出力値とし、基準ガス濃度校正曲線上の第2補正出力値に対応するガス濃度を測定値とする。
また、本実施形態では、参照出力値Rcを、被測定ガスの種類に応じて変更するものであってもよい。さらに、オフセット値及びスパン値は、式(1)、(2)及び式(3)、
101 検出部
102 信号処理部
103 ガス濃度表示部
2 セル
7 光源
9a、9b 吸気口、排気口
14a、14b 赤外線センサ
15a、15b 光学フィルタ
16 温度計
Claims (6)
- 所定の基準温度におけるガス検出部の出力信号と、当該出力信号に対応するガス濃度との関係を示す基準ガス濃度校正曲線を使い、前記基準温度と異なる他の温度である実温度において前記ガス検出部から出力された出力信号である実出力信号に対応するガス濃度である実ガス濃度を検出するガス濃度検出方法であって、
前記実温度において前記ガス検出部から出力された実出力信号から一定のオフセット値を減算して第1補正出力値を算出する第1補正を実行する第1補正ステップと、
前記第1補正ステップによって得られる第1補正出力値と、前記基準ガス濃度校正曲線上にあって、ガス濃度検出の精度に基づいて定められた参照出力値とを比較し、前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいか否か判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいと判断された場合、前記基準ガス濃度校正曲線上の前記第1補正出力値をそのまま第2補正出力値とする第1の第2補正ステップと、
前記判断ステップにおいて前記第1補正出力値が前記参照出力値以上であると判断された場合、前記第1補正出力値をさらに補正するスパン値を、前記実温度と前記参照出力値とを使って算出するスパン値算出ステップと、
前記スパン値算出ステップによって算出されたスパン値を前記第1補正出力値に乗算する第2補正を実行し、前記第2補正出力値を算出する第2の第2補正ステップと、
を含み、
前記基準ガス濃度校正曲線上の前記第2補正出力値に対応するガス濃度を前記実ガス濃度とすることを特徴とするガス濃度検出方法。 - 前記ガス検出部がガス濃度を測定できる最低測定温度をTL、前記ガス検出部がガス濃度を測定できる最高測定温度をTH、前記基準温度をTM、前記実温度をT、前記基準ガス濃度校正曲線の最低ガス濃度に対応する出力信号をRLM、前記基準ガス濃度校正曲線の最高ガス濃度に対応する出力信号をRHM、前記基準温度よりも高い温度において前記最高濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRHH、前記基準温度よりも高い温度において前記最低濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRLH、前記基準温度よりも低い温度において前記最高濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRHL、前記基準温度よりも低い温度において前記最低濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRLLとすると、
前記第1補正ステップにおいては、
前記実温度Tが前記基準温度TM以上の場合
(RLH−RLM)・(T−TM)/(TH−TM)の式によってオフセット値が算出され、
前記実温度Tが前記基準温度TMより低い場合、
(RLL−RLM)・(T−TM)/(TL−TM)の式によってオフセット値が算出されることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出方法。 - 前記ガス検出部がガス濃度を測定できる最低測定温度をTL、前記ガス検出部がガス濃度を測定できる最高測定温度をTH、前記基準温度をTM、前記実温度をT、前記基準ガス濃度校正曲線の最低ガス濃度に対応する出力信号をRLM、前記基準ガス濃度校正曲線の最高ガス濃度に対応する出力信号をRHM、前記基準温度よりも高い温度において前記最高濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRHH、前記基準温度よりも高い温度において前記最低濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRLH、前記基準温度よりも低い温度において前記最高濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRHL、前記基準温度よりも低い温度において前記最低濃度のガスを測定した場合に前記センサから出力される出力信号をRLL、前記参照出力値をRcとすると、
前記スパン値算出ステップにおいては、
前記実温度Tが前記基準温度TM以上である場合、
[(RHM−Rc)/[RHH−(RLH−RLM)−Rc]−1]・(T−TM)/(TH−TM)+1
の式によって前記スパン値が算出され、
前記実温度Tが前記基準温度TMより低い場合、
[(RHM−Rc)/[RHL−(RLL−RLM)−Rc]−1]・(T−TM)/(TL−TM)+1
の式によって前記スパン値が算出されることを特徴とする請求項1または2に記載のガス濃度検出方法。 - 前記参照出力値は、
前記基準ガス濃度校正曲線上の1点であって、前記第1補正出力値との差が、前記ガス濃度センサの精度の半分以下になる点であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガス濃度検出方法。 - ガス濃度を検出するガス検出部と、所定の基準温度における前記ガス検出部の出力信号と、当該出力信号に対応するガス濃度との関係を示す基準ガス濃度校正曲線を使い、前記基準温度と異なる温度である実温度において前記ガス検出部によって検出されたガス濃度である実ガス濃度を算出する信号処理手段と、
を備えるガス濃度センサであって、
前記信号処理手段は、
前記実温度において前記ガス検出部から出力された出力信号である実出力信号から一定のオフセット値を減算して第1補正出力値を算出する第1補正手段と、
前記第1補正手段によって算出された前記第1補正出力値と、前記基準ガス濃度校正曲線上にあって、ガス濃度検出の精度に基づいて定められた参照出力値とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって前記第1補正出力値が前記参照出力値より小さいと判断された場合、前記第1補正出力値をそのまま第2補正出力値とする第1の第2補正手段と、
前記比較手段によって前記第1補正出力値が前記参照出力値以上であると判断された場合、前記第1補正出力値をさらに補正するスパン値を、前記実温度と前記参照出力値とを使って算出するスパン値算出手段と、
前記スパン値算出手段によって算出されたスパン値を前記第1補正出力値に乗算して第2補正出力値を算出する第2の第2補正手段と、
を備え、
前記基準ガス濃度校正曲線上の前記第2補正出力値に対応するガス濃度を前記実ガス濃度とすることを特徴とするガス濃度センサ。 - 前記ガス検出部は、
被測定ガスが導入される筒状のセルと、
前記セルの内面に設けられた赤外線を放射する光源と、
前記光源が設けられた内面と対向する内面に設けられ、前記光源から放射された赤外線を検出する赤外線センサと、
前記赤外線センサの温度を前記実温度として測定する温度計と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のガス濃度センサ。
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