JP6035628B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、筒内に導入されるガスの濃度を測定するガスセンサにおいて、測定環境の劣化により生じる誤差を補正する技術に関する。
ガス濃度を測定する方式として、ガスが特定波長の光を吸収する性質を利用する方式が知られている。具体的には、ガスが導入される筒内に、測定対象となる特定のガスにより吸収される波長を含む光を照射する。そして、そのガスに吸収される波長のみを透過させるフィルターを介して受光素子を設け出力値を測定する。筒内に導入されるガスが測定対象となる特定ガスを含む場合には、フィルターを介した受光素子の出力値は、特定ガスにより吸収されるため低下することになる。すなわち、受光素子の出力値は筒内の特定ガスの濃度に応じたものとなるため、その出力値から特定ガスの濃度を測定することができる。
上記のような方式の代表的な例として、非分散形赤外線吸収方式(NDIR方式)によるCOガスセンサがある。この方式によるCOガスセンサは、鏡面処理等を行い光の反射効率を高めた筒内に赤外光源と、COに吸収される特定波長の赤外光を透過させるフィルターを介した赤外線検出素子を設け、係る筒内に測定対象ガスを導入する。導入されたガスにCOが含まれている場合には、特定波長の赤外光は吸収され赤外線検出素子が受光する光量が減ることになる。したがって、赤外線検出素子の出力値の減衰量からCOガス濃度を測定することができる。
また、近年では、測定環境の温度によって生じる誤差を補正する工夫もなされている。これは、上述したCOに吸収される特定波長の赤外光を透過させるフィルターを介した赤外線検出素子の他に測定対象ガスにより吸収されない波長の赤外光を透過させるフィルターを介したリファレンス用の赤外線検出素子設けるものである。いずれの赤外線検出素子も環境温度による影響を同等に受けることから、それぞれの赤外線検出素子の出力値の差分を取ることで、温度により生じる誤差を打ち消すことができる。
特開2004−239611号公報 特開2008−82862号公報
しかしながら、測定の誤差を生じさせる要因は温度に限られない。すなわち、筒内表面が導入されるガスに含まれる粉塵などにより汚れ、赤外光の反射率が低下すると、赤外線検出素子の受光量が減少し出力値が低下する。したがって、実際のCOガス濃度よりも高い濃度が測定結果として示されてしまう。汚れなどによる測定誤差を補正することのできるCOガスセンサはこれまで提供されていないという問題がある。
そこで、上記課題を解決するために本発明において、以下のガスセンサを提供する。すなわち、第一の発明としては、ガスが導入される筒と、筒内に光を照射する光源と、筒内に配置され光源から照射される光のうちガスに吸収されない波長の光の光量に応じた値である第一出力値を出力する第一検出素子と、筒内に配置され光源から照射される光のうち特定ガスに吸収される波長の光の光量に応じた値である第二出力値を出力する第二検出素子と、環境温度を測定する温度測定素子と、基準となる条件における第一出力値である基準第一出力値と、基準となる条件において筒内の特定ガス濃度毎に対応付けられた第二出力値である基準第二出力値と、第一出力値及び第二出力値の環境温度に対する変化率である第一変化率及び第二変化率と、第一出力値と第二出力値が同じ測定環境にて劣化する度合の関係を示す関数である劣化影響関数と、を保持する保持部と、前記基準第一出力値を、第一変化率を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第一出力値を取得する第一温度補正部と、前記基準第二出力値を、第二変化率を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第二出力値を取得する第二温度補正部と、出力された第一出力値と基準となる条件における第一出力値とに基づいて、筒内の測定環境の劣化後当初感度対比度合である第一対比度を取得する第一対比度取得部と、取得した第一対比度と、前記劣化影響関数に基づき、筒内の劣化により第二出力値が当初感度から変化する度合である第二対比度を取得する第二対比度取得部と、前記温度補正後基準第一出力値を、取得した第一対比度を用いて補正して劣化補正後基準第一出力値を取得する第一劣化補正部と、前記温度補正後基準第二出力値を、取得した第二対比度を用いて補正して劣化補正後基準第二出力値を取得する第二劣化補正部と、筒内の特定ガス濃度毎に対応付けられた前記劣化補正後基準第二出力値と前記劣化補正後基準第一出力値を用いて筒内の特定ガス濃度を算出する濃度算出部と、を有するガスセンサを提供する。
第二の発明としては、前記光源は赤外光を照射する赤外光源であり、前記特定ガスはCOである、第一の発明に記載のガスセンサ。
第三の発明としては、前記劣化影響関数を、第二対比度y=α×第一対比度x+βは、0.85≦x≦1.00の範囲内で、α=0.8±0.1、β=0.2±0.1として近似した第二の発明に記載のガスセンサを提供する。
本発明により、筒内の汚れなどにより生じる誤差を補正し得るガスセンサを提供することができる。
実施形態に係るガスセンサの構成を示す概念図 実施形態の演算部の構成の一例を示す機能ブロック図 基準第一出力値を示すグラフ 基準第二出力値を示すグラフ 実施形態の算出方法の全体の流れを示したフローチャート データ測定の流れを示すフローチャート 温度補正の処理の流れを示すフローチャート 温度補正後基準第一出力値を示すグラフ 温度補正後基準第二出力値を示すグラフ 劣化補正の処理の流れを示すフローチャート 劣化影響関数を示すグラフ 劣化補正後基準第一出力値を示すグラフ 劣化補正後基準第二出力値を示すグラフ 濃度算出の処理の流れを示すフローチャート 検量線g(tm)を示すグラフ
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<実施形態>
<実施形態 概要>
本実施形態のガスセンサは、測定環境の温度によって生じる誤差を補正するだけではなく、筒内の汚れなどにより生じる誤差を補正し得るガスセンサである。
<実施形態 構成>
図1は、本実施形態に係るガスセンサの構成を示す概念図である。ガスセンサ(0100)は、ガスが導入される筒(0101)と、筒内に光を照射する光源(0102)と、第一検出素子(0103)と、第二検出素子(0104)と、測定環境の温度を測定する温度測定素子(0105)とを備え、第一検出素子及び第二検出素子の出力値や温度測定素子による測定値などを用いて演算処理するための演算部(0106)を備える。
「筒」(0101)は、金属や樹脂などにより筒本体を構成し、その内側表面を、光を効率良く反射し得るように構成する。例えば、その内側表面を鏡面や光沢面とするために、金、銀、ニッケル、アルミニウムなどを用いて表面処理(メッキ、蒸着、スパッタリング等)を行う。これらの技術は、当該ガスセンサが属する公知の技術により実現することができる。また、筒には、ガスの導入と排出を行うための導入口と排出口とが設けられる。
「光源」(0102)は、測定対象となる特定ガスに吸収される波長を含む光を照射し得るものであればよい。代表例として成就したCOを測定するセンサに用いる場合には、COに吸収される波長である略4.26μmの帯域を含む光として赤外光源を用いることができる。赤外光源としては、例えば、タングステンなどをフィラメントに用いたランプなどを挙げることができる。また、一酸化炭素、炭化水素、メタン、窒素酸化物などといったガスも、それぞれ特定波長の光を吸収するので、それらの吸収波長を含む光を照射し得る光源を用いればよい。このような光源は、赤外光源に限られるものではなく、レーザー光などを用いてもよい。
「第一検出素子」(0103)は、筒内に配置され光源から照射される光のうちガスに吸収されない波長の光の光量に応じた値である第一出力値を出力する。第一検出素子は、筒内に導入されるガスに吸収されない波長の光のみを透過させるフィルターを介した受光素子等により構成される。例えば、特定ガスをCOガスとする場合、第一検出素子は、赤外光のうちガスに吸収されない波長である略4.00μmの波長の赤外光を透過させる挟帯域のフィルターを介した受光素子(サーモパイル等)により実現される。出力される第一出力値は、ただちに後の処理等に供してもよいし、後述する保持部にいったん保持した後に処理に供してもよい。
「第二検出素子」(0104)は、筒内に配置され光源から照射される光のうち特定ガスに吸収される波長の光の光量に応じた値である第二出力値を出力する。第二検出素子は、筒内に導入されるガスに吸収される波長の光のみを透過させるフィルターを介した受光素子等により構成される。特定ガスをCOガスとする場合、第二検出素子は、赤外光のうちガスに吸収される波長である略4.26μmの波長の赤外光を透過させる挟帯域のフィルターを介した受光素子(サーモパイル等)により実現される。出力される第二出力値は、ただちに後の処理等に供してもよいし、後述する保持部にいったん保持した後に処理に供してもよい。
「温度測定素子」(0105)は、測定環境の温度である環境温度を測定し、例えば、サーミスタなどを用いることができる。なお、環境温度は筒の周囲の温度や、筒内の温度、第一検出素子及び第二検出素子を構成するサーモパイル等の受光素子の温度などであってよく、第一出力値及び第二出力値に影響を及びし得る範囲で環境温度を測定することが好ましい。
「演算部」(0106)は、第一検出素子及び第二検出素子の出力値や温度測定素子による測定値などを用いて演算処理する機能を有し、より具体的には、各種演算処理を行うためのCPU(0107)やRAM(0108)、上記の各測定値や所定のデータを保持するためのROM(0109)や、上記の各測定値などの入力を受付け、または、演算処理結果を出力するための入出力インターフェースなどを有する。
図2は、演算部の構成の一例を機能ブロック図で示したものである。演算部(0200)は、保持部(0201)と、第一温度補正部(0202)と、第二温度補正部(0203)と、第一対比度取得部(0204)と、第二対比度取得部(0205)と、第一劣化補正部(0206)と、第二劣化補正部(0207)と、濃度算出部(0208)と、を有する。
以下、演算部での演算処理については、赤外光源を用いてCOガスを特定ガスとして測定する場合を例に挙げて説明する。
「保持部」(0201)は、基準となる条件における第一出力値である基準第一出力値と、基準となる条件において筒内のCOガス濃度毎に対応付けられた第二出力値である基準第二出力値と、第一出力値及び第二出力値の環境温度に対する変化率である第一変化率及び第二変化率と、第一出力値と第二出力値が同じ測定環境にて劣化する度合の関係を示す関数である劣化影響関数と、を保持する機能を有する。
図3は、保持部に保持される基準第一出力値を示すグラフである。縦軸は基準第一出力値を示し、横軸はCOガス濃度を示す。まず、Rcal(25,1)は、基準となる条件を、環境温度が「25℃」で筒内の測定環境に劣化が生じていない場合の第一出力値を意味する。なお、括弧内の「1」は、測定環境に劣化が生じていない場合(出荷時の状態)を意味し、劣化が進むにつれてその値は小さくなり、最も劣化が進んだ場合を「0」とする。測定環境の劣化及び劣化影響関数については、追って説明する。
横軸に記した「G0」、「G1」、「G2」、「G3」は、第一出力値とCOガス濃度との関係をプロットするために設定されているCOガス濃度の値であり、例えば、「G0=0ppm」、「G1=400ppm」、「G2=1000ppm」、「G3=2000ppm」などのように設定することができる。第一出力値はCOガス濃度の影響を受けないので、図示するように、基準第一出力値はCOガス濃度との関係において一定の値となる。したがって、必ずしも、COガス濃度と対応付けて保持する必要はないが、後述する基準第二出力値などの説明の便宜上、COガス濃度と対応付けて示した。
図4は、基準第二出力値を示す図である。基準第二出力値は、基準となる条件において筒内のCOガス濃度毎に対応付けられた第二出力値である。本図においても、基準第一出力値の場合と同様に、環境温度が「25℃」で筒内の測定環境に劣化が生じていない場合「1」であるときを基準となる条件としている。
図示するように、「G0」のときに最も高い出力値を示し、COガス濃度の上昇に伴いその出力値は低下する。これは、COガス濃度が高い程、COに吸収される4.26μmの波長の赤外光の量が増加し、その分第二検出素子の受光量が減少するからである。
保持部は、第一出力値及び第二出力値の環境温度に対する変化率である第一変化率及び第二変化率を保持する。第一検出素子及び第二検出素子に用いられるサーモパイル等は、環境温度によってその出力値が変化するという特性がある。すなわち、環境温度の上昇に伴い出力値が上昇してしまう。このようなサーモパイル等の特性により、COガス濃度の測定に誤差が生じてしまう。
そこで、例えば、環境温度1℃あたりの第一出力値の変化率を第一変化率(r)として保持しておく。また、第二出力値の変化率である第二変化率については、所定のCOガス濃度毎(G0、G1、G2、G3など)に保持しておく。第二変化率は、例えば、G0、G1、G2、G3などに対応して、w0、w1、w2、w3などとする。第一変化率及び第二変化率は、後述する温度補正において用いられる。
ここで、各種の演算処理を行う各部の説明をする前に、本実施形態に係るCOガスセンサにおけるCOガス濃度の算出方法について大まかに示す。図5は、本実施形態の算出方法の全体の流れを簡略に示したフローチャートである。
まず、データを測定する(S0501)。これは、すでに説明した第一出力値及び第二出力値の取得や環境温度の測定を行う。
続いて、温度補正を行い(S0502)、さらに劣化補正を行う(S0503)。本実施形態のCOガス濃度の測定方法は、第二出力値とCOガス濃度との関係、すなわち、COガス濃度が高い程第二出力値が低くなり、COガス濃度が低い程第二出力値が高くなるという関係に基づいている。この両者の関係は、図4で示したグラフとして保持部により予め保持される。このグラフを検量線という。そして、測定された第二出力値をこの検量線に当てはめることでCOガス濃度を取得することになるのだが、すでに述べたように、環境温度や筒内の汚れなどにより第二出力値は変動してしまい、取得されたCOガス濃度に誤差が生じることになってしまう。このような誤差をなくすために、基準となる検量線を環境温度に応じて温度補正し、さらに筒内の汚れなどに応じて劣化補正する。そして、温度補正と劣化補正を経た検量線に基づいてCOガス濃度を算出する(S0504)。
以下、上記各ステップを詳述する。また、各ステップを実行する各部についても図2を用いて併せて説明する。
図6は、データ測定の流れを示すフローチャートである。まず、赤外光源をONし(S0601)、出力測定を行う(S0602)。この出力測定は、第一検出素子及び第二検出素子におけるサーモパイル等の出力値を測定することで行われる。
続いて、赤外光源をOFFし(S0603)、出力測定を行う(S0604)。この出力測定も、第一検出素子及び第二検出素子におけるサーモパイル等の出力値を測定することで行われる。
そして、第一検出素子における、赤外光源ONのときの出力値と赤外光源OFFのときの出力値との差を第一出力値として取得し、第二検出素子における、赤外光源ONのときの出力値と赤外光源OFFのときの出力値との差を第二出力値として取得する。
このように、ONのときの出力値とOFFのときの出力値との差を取得することで、赤外光源から照射された赤外光のみによる受光量を出力値として取得することが可能となる。また、赤外光源の経年劣化などにより照射される光量が低下した場合であっても、ONとOFFとの差分を取ることで、そのような劣化の影響を打ち消すことができる。また、赤外光源の点灯が断続的となるため、赤外光源を点灯させたまま測定を継続する場合に比べ、点灯による筒内の温度上昇を抑止することができるとともに、消費電力を低減することができる。
図7は、温度補正の処理の流れを示すフローチャートである。温度補正の処理は、温度補正後基準第一出力値及び温度補正後基準第二出力値を所定の式により取得する(S0701)。この処理は、主に第一温度補正部と第二温度補正部により行われる。
「第一温度補正部」(0202)は、前記基準第一出力値を、第一変化率(r)を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第一出力値を取得する機能を有する。温度補正後基準第一出力値は、測定された環境温度がT(℃)であるとき、Rcal(T,1.00)で表し、図7に示すように、Rcal(T,1.00)=Rcal(25,1.00)+(T-25)*rにより取得することができる。
図8は、温度補正後基準第一出力値を示すグラフである。この図は、Tが25℃よりも高い場合を示しており、図3で示した基準第一出力値よりも、出力値が高くなっているのが分かる。なお、COガス濃度による影響を受けないことは前述の通りである。
「第二温度補正部」(0203)は、前記基準第二出力値を、第二変化率を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第二出力値を取得する機能を有する。温度補正後基準第二出力値は、測定された環境温度がT(℃)であるとき、COガス濃度毎(G0、G1、G2、G3など)に取得され、それぞれWcal0(T,1.00)、Wcal1(T,1.00)、Wcal2(T,1.00)、Wcal3(T,1.00)と表し、例えば、G0においては、Wcal0(T,1.00)=Wcal0(25,1.00)+(T‐25)*w0により取得することができる。他のCOガス濃度においても、図7に示すような各式により取得することができる。
図9は、温度補正後基準第二出力値を示すグラフである。図4で示した基準第二出力値と同様の曲線を描きつつ、全体として出力値が高くなっている。
図10は、劣化補正の処理の流れを示すフローチャートである。個々のステップについは後述するが、まず、第一対比度を取得する(S1001)。このステップは、第一対比度取得部により行われる。そして、第二対比度を取得する(S1002)。このステップは、第二対比度取得部により行われる。劣化補正後基準第一出力値及び劣化補正後第二出力値を取得する(S1003)。このステップは、第一劣化補正部及び第二劣化補正部により行われる。
「第一対比度取得部」(0204)は、出力された第一出力値と温度補正後基準第一出力値とに基づいて、筒内の測定環境の劣化後当初感度対比度合である第一対比度を取得する機能を有する。筒内は、導入されるガスに含まれる粉塵などにより次第に汚れていき、その表面の反射率が低下する。反射率の低下は第一検出素子及び第二検出素子での受光量の低下をもたらし、それらの出力値の低下により実際のCOガス濃度よりも高い値を測定値としまうおそれがある。そこで、測定環境の劣化による受光量の低下を、劣化が生じていない出荷時などの受光量(当初感度)と対比した値として取得する。この値を、劣化後当初感度対比度合である第一対比度とする。したがって、第一対比度は、出荷時において「1」であり、劣化が進むにつれその値は「1」を下回り低下していく。
第一対比度の取得は、出力された第一出力値R(T,dr)と温度補正後基準第一出力値Rcal(T,1.00)とに基づいて取得する。第一対比度drは、図10に示すように、dr=R(T,dr)/Rcal(T,1.00)の式により取得することができる。
「第二対比度取得部」(0205)は、取得した第一対比度と保持部にて保持される劣化影響関数に基づき、筒内の劣化により第二出力値が当初感度から変化した度合である第二対比度を取得する機能を有する。第二対比度は第一対比度と必ずしも一致するものではないが、所定の相関が認められる。そこで、予め第一対比度と第二対比度との関係を劣化影響関数として保持部に保持しておき、この劣化影響関数と取得された第一対比度とに基づいて第二対比度を取得する。すなわち、第二対比度dwと第一対比度drとの関係は、dw=f(dr)で示すことができ、fが劣化影響関数である。
劣化影響関数は、図11に示すように一次関数「y=α×x+β」で近似することができ、xに第一対比度を代入することで第二対比度yを求めることができる。ここで、x=1のときy=1となる関係を有する。
劣化影響関数は、サーモパイル等の受光素子の特性に応じて適宜設定されるが、例えば、上記一次関数において、0.85≦x≦1.00の範囲内で、α=0.8±0.1、β=0.2±0.1、である場合が好ましく、これらの条件により設定された劣化影響関数を用いることで、より好適な劣化補正を行うことができる。
「第一劣化補正部」(0206)は、前記温度補正後基準第一出力値を、取得した第一対比度を用いて補正して劣化補正後基準第一出力値を取得する機能を有する。劣化補正後基準第一出力値Rcal(T,dr)は、図10のステップS1003に示すように、Rcal(T,dr)=Rcal(T,1.00)*drの式を用いて取得することができる。
図12は、劣化補正後基準第一出力値を示すグラフである。劣化補正後基準第一出力値はCOガス濃度の影響を受けないため一定の値を取る。
「第二劣化補正部」(0207)は、前記温度補正後基準第二出力値を、取得した第二対比度を用いて補正して劣化補正後基準第二出力値を取得する機能を有する。劣化補正後基準第二出力値は、COガス濃度毎(G0、G1、G2、G3など)に取得され、それぞれWcal0(T,dw)、Wcal1(T,dw)、Wcal2(T,dw)、Wcal3(T,dw)と表し、例えば、COガス濃度がG0においては、Wcal0(T,dw)=Wcal0(T,1.00)*dwの式により取得することができる。他の濃度においても、図10のステップS1003に示した各式により取得することができる。
図13は、劣化補正後基準第二出力値を示すグラフである。図9で示した温度補正後基準第二出力値と同様の曲線を描きつつ、全体として出力値が低くなっている。
「濃度算出部」(0208)は、筒内のCOガス濃度毎に対応付けられた前記劣化補正後第二出力値と前記劣化補正後第一出力値を用いて筒内のCOガス濃度を算出する機能を有する。以下、図14及び図15を用いて、筒内のCOガス濃度の算出について説明する。
図14は、濃度算出の処理の流れを示すフローチャートである。まず、所定のCOガス濃度毎に劣化補正後基準第二出力値と劣化補正後基準第一出力値との差分をとる(S1401)。この処理は、最終的に濃度算出を行うための検量線を取得するために行う処理である。例えば、COガス濃度がG0においては、tmcal0=Wcal0(T,dw)-Rcal(T,dr)の式を用いて差分をとる。ここで、tmは、第二出力値と第一出力値との差分である透過差(μV)を意味する。すなわち、劣化補正後基準第二出力値Wcal0(T,dw)と劣化補正後基準第一出力値Rcal(T,dr)との差分をとることで、温度補正及び劣化補正をした濃度G0における透過差Tmcal0を得ることができる。同様に各濃度における透過差を得ることで、温度補正及び劣化補正をした透過差とCOガス濃度との関係を示す検量線g(tm)を取得する(S1402)。
図15は、ステップS1402において取得される検量線g(tm)を示すグラフである。横軸に透過差をとり、縦軸にCOガス濃度をとる。図示するように、COガス濃度が高い程劣化補正後基準第二出力値は低下するため、透過差も低下する。
そして、測定された第二出力値W(T,dw)と第一出力値R(T,dr)との差分から透過差tmを取得する(S1403)。そして、取得した透過差tmを検量線g(tm)に代入することによりCOガス濃度を算出する(S1403)。なお、透過差を取得するのは、環境温度などの影響を排除し、COガスにより生じる出力値の変化のみを得るためである。
以上のように、本実施形態に係るCOガスセンサは、基準第一出力値及び基準第二出力値に対して温度補正と劣化補正をし、最終的に補正された透過差とCOガス濃度との関係を示す検量線を取得し、当該検量線に測定された第一出力値と第二出力値とから得られる透過差を当てはめることで、環境温度及び筒内の劣化による影響を補正した精度の高いCOガス濃度を得ることができる。
<実施形態 効果>
本実施形態により、筒内の汚れなどにより生じる誤差を補正し得るCOガスセンサを提供することができる。
0100 ガスセンサ
0101 筒
0102 光源
0103 第一検出素子
0104 第二検出素子
0105 温度測定素子
0106 演算部
0107 CPU
0108 RAM
0109 ROM

Claims (3)

  1. ガスが導入される筒と、
    筒内に光を照射する光源と、
    筒内に配置され光源から照射される光のうちガスに吸収されない波長の光の光量に応じた値である第一出力値を出力する第一検出素子と、
    筒内に配置され光源から照射される光のうち特定ガスに吸収される波長の光の光量に応じた値である第二出力値を出力する第二検出素子と、
    環境温度を測定する温度測定素子と、
    基準となる条件における第一出力値である基準第一出力値と、
    基準となる条件において筒内の特定ガス濃度毎に対応付けられた第二出力値である基準第二出力値と、
    第一出力値及び第二出力値の環境温度に対する変化率である第一変化率及び第二変化率と、
    第一出力値と第二出力値が同じ測定環境にて劣化する度合の関係を示す関数である劣化影響関数と、を保持する保持部と、
    前記基準第一出力値を、第一変化率を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第一出力値を取得する第一温度補正部と、
    前記基準第二出力値を、第二変化率を用いて前記環境温度に合わせて補正した温度補正後基準第二出力値を取得する第二温度補正部と、
    出力された第一出力値と温度補正後基準第一出力値とに基づいて、筒内の測定環境の劣化後当初感度対比度合である第一対比度を取得する第一対比度取得部と、
    取得した第一対比度と、前記劣化影響関数に基づき、筒内の劣化により第二出力値が当初感度から変化した度合である第二対比度を取得する第二対比度取得部と、
    前記温度補正後基準第一出力値を、取得した第一対比度を用いて補正して劣化補正後基準第一出力値を取得する第一劣化補正部と、
    前記温度補正後基準第二出力値を、取得した第二対比度を用いて補正して劣化補正後基準第二出力値を取得する第二劣化補正部と、
    筒内の特定ガス濃度毎に対応付けられた前記劣化補正後基準第二出力値と前記劣化補正後基準第一出力値を用いて筒内の特定ガス濃度を算出する濃度算出部と、
    を有するガスセンサ。
  2. 前記光源は、赤外光を照射する赤外光源であり、
    前記特定ガスは、COである、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記劣化影響関数を、第二対比度y=α×第一対比度x+βは、
    0.85≦x≦1.00の範囲内で、
    α=0.8±0.1
    β=0.2±0.1
    として近似した請求項2に記載のガスセンサ。
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