JP3832958B2 - 携帯式刈払機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、雑草等を刈るための携帯式刈払機に関し、より詳細には、刈刃の空回りを防止する制動装置を有する携帯式刈払機に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、原動機で駆動される雑草等を刈るための携帯式刈払機が知られている。従来の典型的な携帯式刈払機は、原動機(例えば、小型空冷式2サイクル内燃エンジン)と、該エンジンから前方に向かって真っ直ぐに延びる伝動軸を挿通した操作桿と、該操作桿の前端に設けられた一対の傘歯車を介して前記原動機によって回転駆動される刈刃と、前記操作杆の途中部分に設けられた、原動機出力を制御を行うための操作レバーと、を有する。従来から、このような携帯式刈払機の刈刃の空回りを防止するため、携帯式刈払機に制動装置を設けることが知られている。
例えば、実公昭55−49607号に開示されたブレーキ装置は、刈刃の板面にばね付勢されて刈刃の空回りを阻止する制動位置と、刈刃から遠ざかった非制動位置との間で揺動可能に設けられたブレーキシューを有し、操作杆の途中部分に設けられた操作用レバーと連動する棒状部材によって、前記ブレーキシューを制動位置と非制動位置との間で移動させる。また、実公昭54−1378号に開示されたブレーキ装置は、刈刃を駆動するギヤのギヤカバーの下部に形成された雄ねじに、ブレーキフランジの雌ねじが螺合されている。前記ブレーキフランジは、制動位置において、トーションスプリングによって刈刃の回転方向に付勢され、刈刃の板面に圧着され、刈刃の空回りが防止される。また、ブレーキフランジの回りには、操作レバーに連結されたワイヤが巻回されており、装置の作動時に操作レバーを握ると、ワイヤが引っ張られ、ブレーキフランジはトーションスプリングのばね力に抗して刈刃の回転方向と逆方向に回転され、ギヤカバーの内部に深く螺合され、これにより、ブレーキフランジのブレーキライニングと刈刃との間に間隙が形成され、装置の作動中、刈刃の回転が許容される。これらはいずれも、刈刃の板面に対してばね付勢されているブレーキシューを有し、これにより刈刃の空回りを阻止するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術とは異なる手段で、携帯式刈払機の刈刃の空回りを防止する、簡易かつ軽量な制動装置を有する携帯式刈払機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる携帯式刈払機は、操作桿(10)と刈刃装置(12)との間に一対の傘歯車が介在されて連結されていることに着目し、傘歯車が回転するときに該傘歯車に働くスラストを利用して、該傘歯車をその軸線方向に移動させ、これにより、制動の解除又は作動を行うようにした制動装置(35)を有する。
本発明の上記目的は、操作桿(10)の前端(10a)内において伝動軸(20)に設けられた第一傘歯車(24)と噛合する第二傘歯車(26)を介して回転駆動される刈刃装置(12)を有する携帯式刈払機であって、前記刈刃装置(12)が、前記操作桿(10)の前記前端(10a)に固定されたケース(28)と、該ケース(28)内に上下方向に延びて収容された回転軸(34)と、該回転軸(34)と同軸状に設けられ、かつ、上端に前記第二傘歯車(26)が固定された摺動部材(36)と、前記回転軸(34)に装着された刈刃(22)と、を有し、前記回転軸(34)と前記摺動部材(36)とは、互いに軸線(O−O)方向に延びる係合部(34a、36c)によって係合し、それにより、前記摺動部材(36)は、前記回転軸(34)と一体的に回転し、かつ、前記回転軸(34)に対して前記軸線(O−O)方向に上方位置(B)と下方位置(A)との間で摺動可能であり、更に、前記摺動部材(36)は、前記回転軸(34)の前記軸線(O−O)に対して横方向に延びる第一摩擦面(36d)を有し、前記ケース(28)には、前記摺動部材(36)が前記下方位置(A)にあるときに前記第一摩擦面(36d)に圧接されて、相対回転を阻止する第二摩擦面(38a)が設けられている、ことを特徴とする携帯式刈払機によって達成することができる。
【0005】
本発明にかかる携帯式刈払機は以下のように作用する。前記携帯式刈払機の内燃機関6を始動させる前は、前記摺動部材(36)は前記下方位置(A)にあり、前記摺動部材(36)の前記第一摩擦面(36d)と前記ケース(28)に設けられた前記第二摩擦面(38a)とは互いに圧接されており、前記摺動部材(36)は、前記ケース(28)に対して相対回転が阻止されている。また、前記摺動部材(36)と前記回転軸(34)とは互いに軸線方向に延びる前記係合部(34a、36c)によって係合しているので、前記回転軸(34)の回転は前記摺動部材(36)によって制動されており、従って、前記回転軸(34)に装着された刈刃(22)の空回りが阻止される。
前記携帯式刈払機の内燃機関6が始動されると、前記操作桿(10)内の前記伝動軸(20)を介して前記第一傘歯車(24)に回転力が伝達される。これにより、該第一傘歯車(24)と噛合する前記摺動部材(36)に設けられた前記第二傘歯車(26)にも回転力が伝達されるが、前記内燃機関6の所定回転数までの間、例えば、遠心クラッチがつながる状態にならないアイドル時の回転数までは、前記第一摩擦面(36d)と前記第二摩擦面(38a)との間の摩擦力がこの回転力にうちかって、前記摺動部材(36)の回転が阻止されているので、前記第二歯車(26)は回転駆動されない。これにより、前記刈刃(22)の回転は制動される。引続き、前記内燃機関6の回転数が前記遠心クラッチがつながる所定回転数以上に上昇すると、前記第一歯車(24)、前記第二傘歯車(26)を介して伝達される回転力が前記摩擦力にうちかって、前記摺動部材(36)が回転しはじめる。この回転により前記第二傘歯車(26)に、例えば、上向きのスラストがはたらき、該第二傘歯車(26)が取付けられた前記摺動部材(36)は、前記係合部(34a、36c)に沿って前記上方位置(B)まで摺動移動する。これにより、前記摺動部材(36)の前記第一摩擦面(36d)が、前記ケース(28)に固定された前記第二摩擦面(38a)から離間し、前記摺動部材(36)の回転が許容されて、係合されている前記回転軸(34)も一体に回転され、前記刈刃(22)が回転する。
【0006】
作業が終了し、前記内燃機関6の回転数が前記遠心クラッチが切れる所定数以下まで下がり、前記第二傘歯車(26)に対してはたらくスラストが小さくなると、該第二傘歯車(26)はそれに伴って、前記上方位置(B)から前記下方位置(A)に移動し、前記第一摩擦面(36d)と前記第二摩擦面(38a)とが圧接し、前記摺動部材(36)の回転が阻止され、したがって前記回転軸(34)の回転も阻止される。
本発明によれば、従来の携帯式刈払機が有している前記傘歯車を利用して刈刃の空回りの制動及び解除を行うので、部品点数が少ない簡易かつ軽量な構成で、刈刃の空回りの制動を行うことができる。
また、本発明によれば、前記第一摩擦面(36d)と前記第二摩擦面(38a)とが圧接するときの摩擦によって、前記回転軸(34)の回転を阻止するようになっているので、両者間の摩擦力を適宜調整することにより、前記刈刃(22)の回転の制動解除のタイミングを、前記内燃機関6の前記所定回転数に対応して設定することができる。
【0007】
更に、本発明によれば、前記第一摩擦面(36d)と前記第二摩擦面(38a)とが圧接するときの摩擦によって、前記回転軸(34)の回転を阻止するようになっているので、前記摺動部材(36)の僅かな移動により、両者の係合を解除することができる。従って、前記第一傘歯車(24)及び第二傘歯車(26)との間に本来存在する遊びの範囲内での前記第二傘歯車(26)の移動で、制動装置(35)の作動及び解除を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を添付の図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態にかかる携帯式刈払機全体を示す斜視図である。
図1に示す携帯式刈払機2の基本的構成は周知であり、典型的にはハウジング4に収容された空冷式の2サイクル内燃機関6を有する動力部8と、該動力部8から前方に真っ直ぐに延びる操作桿10と、該操作桿10の前端10aに設けられた刈刃装置12と、を有する。前記操作桿10の中間部にはハンドル部14が設けられ、該ハンドル部14に設けられたグリップ16には、前記内燃機関6の動力を調整するスロットルレバー18が設けられている。前記内燃機関6からの動力は、前記ハウジング4の前部に配設された周知の構成の遠心クラッチ11を介して、前記操作桿10内に設けられた伝動軸20によって、後述する駆動歯車である第一はすば傘歯車24及び従動歯車である第二はすば傘歯車26を介して前記刈刃装置12に伝達され、該刈刃装置12によって刈刃22が回転駆動される。
【0009】
図2は、前記携帯式刈払機2の前記刈刃装置12近傍の拡大縦断面図であり、前記内燃機関6の始動前もしくは前記遠心クラッチ11がつながる前の状態を示す図である。また、図3は、図2に示すIII − III矢視拡大断面図であり、前記操作桿の前端10aに固定されたケース28内に設けられた摩擦部材38の詳細図である。更に、図4は、前記携帯式刈払機2の刈刃装置12近傍の拡大縦断面図であり、前記内燃機関6が運転されて前記遠心クラッチ11がつながった後の状態を示す図である。
図2に示すように、前記操作桿10の前端10aには前記刈刃22を有する前記刈刃装置12が設けられている。前記操作桿10の前端10a内の前記伝動軸20には前記第一はすば傘歯車24が固定されており、該第一はすば傘歯車24が前記刈刃装置12に設けられた前記第二はすば傘歯車26と噛合して、前記伝動軸20の回転が伝達される。前記刈刃装置12は、前記操作桿10の前端10aに固定された、下方に向かって径が拡大する形状のケース28と、上端が上方軸受30により、また、中間部が下方軸受32により支持されて前記ケース28に回転自在に設けられ、かつ、該ケース28内に上下方向に延びて収容された回転軸34を有する。該回転軸34の前記ケース28の底面から下方へ突出した下端部に、前記刈刃22が固定されている。
【0010】
また、前記回転軸34の上部の回りには制動装置35が設けられており、該制動装置35は、前記回転軸34と同軸状に設けられた円筒状の摺動部36aと、該摺動部36aの下端に連設された、前記回転軸34の半径方向外方かつ軸線O−Oに対して垂直方向に延びる環状の制動部36bと、を有する摺動部材36が設けられている。該摺動部材36の上端に、前記第一はすば傘歯車24の上側に噛合する前記第二はすば傘歯車26が同軸状に固定されている。また、前記回転軸34の上部周面には、前記軸線O−O方向に延びる第一スプライン34aが係合部として形成されており、他方、前記摺動部材36の円筒状の摺動部36aの内周面には、前記第一スプライン34aと噛合する第二スプライン36cが係合部として形成されている。前記第一はすば傘歯車24及び前記第二はすば傘歯車26を介して前記摺動部材36に伝達される回転力は、互いに噛合する前記第一スプライン34a及び第二スプライン36cを介して、前記回転軸34に伝達され、これにより、前記刈刃22が回転駆動される。
【0011】
また、前記摺動部材36の前記制動部36bの下面は第一摩擦面36dを構成している。更に、前記回転軸34の中間部の周回りには、前記制動部36bの前記第一摩擦面36dと対向する第二摩擦面38aを有する環状摩擦部材38が設けられている。該環状摩擦部材38は、図2に示すように、前記中間軸受32の上に着座している。更に、図3を見て分かるように、前記環状摩擦部材38は、外周に互いに等間隔に設けられ、かつ、半径方向外方に突出する四つの突起部38bが形成されており、一方、前記ケース28の内壁には、前記四つの突起部38aをそれぞれ受け入れる四つの凹部28aが形成されており、前記軸線O−Oを中心とした前記ケース28に対する前記環状摩擦部材38の相対回動が防止されている。前記上方軸受30と前記第二はすば傘歯車26との間には、前記摺動部材36の前記第一摩擦面36dを前記摩擦部材38の前記第二摩擦面38aに対して付勢するためのウェーブワッシャー40が介装されている。前記摺動部材36の前記第一摩擦面36dと、前記環状摩擦部材38の前記第二摩擦面38aと、の間の摩擦力は、それぞれの摩擦面の材質及び摩擦係数を適宜選定し、また、前記ウェーブワッシャー40のばね力を調整することにより、前記回転軸34、すなわち前記刈刃22に対する前記制動装置35による制動力を適宜設定することができる。
【0012】
前記回転軸34の前記第一スプライン34aと前記摺動部材36の前記第二スプライン36cは、共に前記軸線O−O方向に延びて形成されており、前記摺動部材36は前記回転軸34に対して前記軸線O−O方向に摺動可能である。前記摺動部材36は、前記制動部36bが前記環状摩擦部材38に圧接された図2に示す下方位置Aと、前記摺動部36aの上端が前記上方軸受30側に移動した図4に示す上方位置Bと、の間で制動を解除できる最低限の距離dだけ摺動自在である。なお、前記摺動部材36が前記上方位置Bと前記下方位置Aとの間で前記距離dだけ移動する間、前記第一はすば傘歯車24と前記第二はすば傘歯車26とは、常に回転力を伝達可能な遊びの範囲内で互いに噛合された状態に維持されている。
【0013】
本実施の一形態にかかる携帯式刈払機は以下のように作用する。
前記携帯式刈払機2の前記内燃機関6を始動させる前は、前記摺動部材36は前記ウェーブワッシャー40によって前記下方位置Aにばね付勢されており、図2に示すように、前記摺動部材36の前記第一摩擦面36dと前記環状摩擦部材38の前記第二摩擦面38aとが圧接しており、前記第一摩擦面36dと前記第二摩擦面38aとの間の摩擦により、前記摺動部材36は前記ケース28に対して相対移動が阻止されている。前記摺動部材36と前記回転軸34とは互いに軸線方向に延びる前記スプライン34a、36cによって係合しているので、前記回転軸34の回転は前記摺動部材36によって制動され、従って、前記回転軸34に装着された前記刈刃22の空回りが阻止される。
【0014】
一方、前記携帯式刈払機2の前記内燃機関6が始動されて前記遠心クラッチ11がつながる回転数になると、前記操作桿10内の前記伝動軸20を介して前記第一はすば傘歯車24に回転力が伝達される。これにより、該第一はすば傘歯車24と噛合する前記摺動部材36に設けられた前記第二はすば傘歯車26にも回転力が伝達され、前記第一摩擦面36dと前記第二摩擦面38aとの間の摩擦力にこの回転力がうちかって、前記摺動部材36が回転し、前記第二はすば傘歯車26も回転駆動され得る状態となる。
引続き、作業者が、前記スロットルレバー18を握ることにより、前記内燃機関6の回転数を更に上昇させると、前記第一はすば傘歯車24、前記第二はすば傘歯車26を介して伝達される回転力が前記制動装置35の摩擦力にうちかって、前記摺動部材36が回転しはじめる。この回転により前記第二はすば傘歯車26に上向きのスラストがはたらき、該第二はすば傘歯車26が一体的に取付けられた前記摺動部材36は、前記ウェーブワッシャー40のばね力に抗して、前記スプライン34a、36cに沿って前記上方位置Bまで前記距離dだけ摺動移動する。これにより、前記摺動部材36の前記第一摩擦面36dが、前記ケース28に設けられた前記摩擦部材38の第二摩擦面38aから前記距離dだけ離間し、前記摺動部材36の回転が許容されて、前記回転軸34が回転され、前記刈刃22が回転する。
【0015】
作業が終了し、作業者が前記スロットルレバー18を緩め、前記内燃機関6の回転数が前記遠心クラッチ11が切れる所定回転数まで下がると、前記第二はすば傘歯車26に対して働くスラストが小さくなり、それに伴って前記第二はすば傘歯車26は、自重と前記ウェーブワッシャー40のばね力によって、前記上方位置Bから前記下方位置Aに移動し、前記第一摩擦面36dと前記第二摩擦面38aとが互いに圧接しており、前記摺動部材36の回転が阻止され、前記回転軸34の空転が阻止される。
本実施の形態によれば、前記制動部36bが、前記摺動部材36の下端に設けられているので、下方に向けて径が拡大する形状を有する従来の刈刃装置のケース内空間を利用して前記制動装置35を設けることができる。
【0016】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態においては、一対の前記第一はすば傘歯車24及び前記第二はすば傘歯車26を使用しているが、前記操作桿10内に設けられた伝動軸20と前記刈刃装置12との間に介在される歯車は、はすば傘歯車に限らず、他の形式の傘歯車であってもよい。
また、本実施の形態においては、前記制動部36bが前記摺動部材36の前記摺動部36aの下端に設けられているが、前記第一はすば傘歯車24と前記第二はすば傘歯車26の噛合を妨げなければ、前記制動部36bは、前記摺動部36aの前記軸線O−O方向のいずれの位置に配置されていてもよい。
【0017】
更に、本実施の形態においては、前記摺動部材36と前記回転軸34とは互いに前記スプライン34a、36cを介して係合されているが、両者は、前記摺動部材36が前記回転軸34に対して前記軸線O−O方向に摺動移動可能、かつ、互いの相対回転が阻止されるように互いに係合されていればよく、例えば、前記回転軸34に軸線方向に延びる少なくとも一つの溝部を形成し、一方、前記摺動部材36に、前記溝部と係合する突起が形成されていてもよい。
更に、本実施の形態においては、前記第二はすば傘歯車26が上下方向に移動するようになっているが、前記第一はすば傘歯車24側に前記制動装置35を設けるようにしてもよい。この場合、前記伝動軸20の回りに、該伝動軸20とその軸線方向に延びるスプラインを介して係合する摺動部材36を設け、該摺動部材36に前記第一はすば傘歯車24を取付けて、前記第一はすば傘歯車24が回転するときに、それに対してはたらくスラストを利用して摺動部材36を移動させ、また、該摺動部材36の制動部36bと前記操作桿10に設けられた摩擦係合部材とを互いに摩擦係合するようにすればよい。
【0018】
更に、前記第一摩擦面36dと前記第二摩擦面38aとの圧接による制動力を確保するため、また、両者間の摩擦力を調整するために、前記摺動部材36を下方に押圧するばねが設けられていることが望ましいが、前記摺動部材36は、自重のみによって前記上方位置Bから前記下方位置Aに移動するようしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易かつ軽量な構成の刈刃の制動装置を有する携帯式刈払機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる携帯式刈払機全体を示す斜視図である。
【図2】図1に示す携帯式刈払機の刈刃装置近傍の拡大縦断面図であり、内燃機関の始動前もしくは遠心クラッチがつながる前の状態を示す図である。
【図3】図2に示すIII − III矢視拡大断面図であり、操作桿の前端に固定されたケースに設けられた摩擦部材の詳細図である。
【図4】図1に示す携帯式刈払機の刈刃装置近傍の拡大縦断面図であり、内燃機関が運転されて遠心クラッチがつながった後の状態を示す図である。
【符号の説明】
10 操作桿
10a 前端
12 刈刃装置
20 伝動軸
22 刈刃
24 第一傘歯車(第一はすば傘歯車)
26 第二傘歯車(第二はすば傘歯車)
28 ケース
34 回転軸
34a 係合部(スプライン)
35 制動装置
36 摺動部材
36c 係合部(スプライン)
36d 第一摩擦面
38a 第二摩擦面
A 下方位置
B 上方位置
O−O 軸線
Claims (2)
- 操作桿(10)の前端(10a)内において伝動軸(20)に設けられた第一傘歯車(24)と噛合する第二傘歯車(26)を介して回転駆動される刈刃装置(12)を有する携帯式刈払機であって、
前記刈刃装置(12)が、前記操作桿(10)の前記前端(10a)に固定されたケース(28)と、該ケース(28)内に上下方向に延びて収容された回転軸(34)と、該回転軸(34)と同軸状に設けられ、かつ、上端に前記第二傘歯車(26)が固定された摺動部材(36)と、前記回転軸(34)に装着された刈刃(22)と、を有し、
前記回転軸(34)と前記摺動部材(36)とは、互いに軸線(O−O)方向に延びる係合部(34a、36c)によって係合し、それにより、前記摺動部材(36)は、前記回転軸(34)と一体的に回転し、かつ、前記回転軸(34)に対して前記軸線(O−O)方向に上方位置(B)と下方位置(A)との間で摺動可能であり、
更に、前記摺動部材(36)は、前記回転軸(34)の前記軸線(O−O)に対して横方向に延びる第一摩擦面(36d)を有し、前記ケース(28)には、前記摺動部材(36)が前記下方位置(A)にあるときに前記第一摩擦面(36d)に圧接されて、相対回転を阻止する第二摩擦面(38a)が設けられている、ことを特徴とする携帯式刈払機。 - 前記係合部は、互いに噛合するスプライン(34a、36c)である、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯式刈払機。
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JPH11220924A JPH11220924A (ja) | 1999-08-17 |
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- 1998-02-10 JP JP02802998A patent/JP3832958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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