JPS643869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はドツグクラツチを係脱して変速する
変速歯車を備えた常時噛合い式歯車変速機に関す
る。

常時噛合い式歯車変速機の一例を第１図に示
す。この歯車変速機は自動２輪車のミツシヨンギ
アで、カウンタ軸１上にドライブギア列２ａ，２
ｂ，２ｃ…が軸装され、ドライブ軸３上に軸装さ
れたドリブンギア列４ａ，４ｂ，４ｃ…と噛合
う。個々のギアについて説明すると、ドライブギ
ア２ａはカウンタ軸１に固定され、ドライブ軸３
に回転自在なドリブンギア４ａと噛合う。ドライ
ブギア２ｂはカウンタ軸１に回転自在で、このギ
ア２ｂに噛合つているドリブンギア４ｂはドライ
ブ軸３と回転一体で軸方向に摺動自在に軸支され
る。ドリブンギア４ｂの一側にはドツグ５が備え
られ、ドリブンギア４ａのドツグ穴６と対向す
る。またドリブンギア４ｂにはシフトフオークが
係合し、ドリブンギア４ｂの軸方向変位を制御す
る。ドリブンギア４ｂがシフトしてドツグ５とド
ツグ穴６が係合すると（第２図）ドライブギア２
ａ、ドリブンギア４ａ，４ｂを介してカウンタ軸
１からドライブ軸３にトルクを伝える。このとき
ドライブギア２ｂは空転する。

またドライブギア２ｂ側面のドツグ７がカウン
タ軸１と一体に回転するドライブギア２ｃのドツ
グ８と係合すると、ドライブギア２ｂとドリブン
ギア４ｂの噛合いが有効になる。このとき、ドラ
イブギア２ｃと噛合うドリブンギア４ｃは空転す
る。こうして種々の変速が選択される。

第２図はドリブンギア４ｂがシフトしてドリブ
ンギア４ａと結合したときのドライブギア２ｂと
の噛合い状態を示す。シフト量は例えば、5.5〜
６ｍ／ｍ程度要し、シフト後も両ギア２ｂ，４ｂ
の噛合いを保つためにはＡ寸法が2.5ｍ／ｍ程度
の巾が必要で、このＡ寸法を考慮してドライブギ
ア２ｂの歯巾を設定する。このため巾が大きくな
り強度上過剰品質となる。

この考案は、上記の点を改善し、歯巾を必要最
小限にしてミツシヨンギア機構のコンパクト化、
軽量化およびコストダウンを図ることを目的とす
る。

第３図はこの考案の実施例を示す。

ギア９は軸１０上に回転一体で軸方向摺動自在
に軸支され、側面にドツグ１１，１２を備える。
１３はシフトフオーク係合用周溝を示す。この周
溝１３を越えた両側にはギア９と同ピツチ、同歯
数、同一位相のギア１４とを設ける。ギア１５は
ギア９およびギア１４の間隔Ｂより大きい巾を有
し、両ギア９，１４と噛合う。

上記の構成により、シフト動作があると、ギア
１５の噛合いはギア９からギア１４へ移り、常時
噛合いのメカニズムが保持される。第２図示の従
来のものと比較して分るように、必要最小限の噛
合い巾Ａは、第２図に形ではシフトして逃げた残
りで確保するが、この考案の形では反対側から侵
入して形成されるので、ギア１５の巾を小さくす
ることができる。またシフトしてギア１４と１５
が噛合つて回転している状態は、第２図の場合に
当てはめると、ギア１５は空転し大きなトルクを
伝える必要がないので、ギア１４の歯先を短くし
外径を小さく設定できる。

以上の通り、この考案に係る常時噛合い式歯車
変速機は、シフトフオーク係合用周溝を挾んで両
側にギアを刻設した変速ギヤを備え、シフトして
も相手ギアとの常時噛合いを確保するようにした
もので、相手ギアの巾を縮小することができ、ミ
ツシヨンケースの巾も縮小できてコスト、重量の
ダウン化を図ることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動２輪車の歯車変速装置の断面図、
第２図は同要部の拡大した断面図、第３図はこの
考案の実施例を示す要部の断面図である。 ９，１４，１５…ギア、１１，１２…ドツグ、
１３…シフトフオーク係合用周溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフトフオークによつて軸方向に変位して側面
   に設けたドツグを係脱するようにした変速ギアに
   おいて、シフトフオーク係合用周溝の両側に同ピ
   ツチ、同歯数同一位相のギアを形成し、軸方向に
   変位してもいずれかのギアあるいは両方のギアに
   よつて相手ギアと常時噛合うようにしたことを特
   徴とする常時噛合い式歯車変速機。